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発明の名称 車両後部構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8346(P2007−8346A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−192503(P2005−192503)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
発明者 宮竹 智則 / 長谷川 俊
要約 課題
車両後部に衝突する衝突車両の車高に関わらず、衝突荷重を効果的に吸収することができる車両後部構造を提供する。

解決手段
車両後部構造1では、車両後部に他の車両(衝突車両)が衝突した場合、衝突車両のバンパ等から受ける衝突荷重をロアバックパネルR/F3によって受ける。このとき、ロアバックパネルR/F3は、リアサイドメンバの上下幅よりも長く上下に延びているので、衝突車両の車高に関わらずに衝突荷重を受けることができる。また、この車両後部構造1では、リアサイドメンバ2の後端部2aにロアバックパネルR/F3が溶接固定されているので、ロアバックパネルR/F3が受け止めた衝突荷重は確実にリアサイドメンバ2に伝達され、リアサイドメンバ2の前後方向の座屈による衝突荷重の吸収効果が十分に発揮される。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両骨格の一部であって車両の前後方向に延びるリアサイドメンバを備え、
前記リアサイドメンバの後端部には、前記リアサイドメンバの上下方向の幅よりも長く車両の上下方向に延びる上下方向部材が結合されていることを特徴とする車両後部構造。
【請求項2】
前記上下方向部材は、閉断面構造であることを特徴とする請求項1記載の車両後部構造。
【請求項3】
前記上下方向部材の車幅方向の幅は、前記リアサイドメンバの車幅方向の幅と同幅であることを特徴とする請求項1又は2記載の車両後部構造。
【請求項4】
前記上下方向部材の曲げ強度は、前記リアサイドメンバの車両の前後方向の圧縮強度よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の車両後部構造。
【請求項5】
前記車両骨格に結合され、車両の前後方向に延びる前後方向支持部材を更に備え、
前記上下方向部材は、
前記リアサイドメンバの上方及び前記リアサイドメンバの下方の少なくとも一方において、前記前後方向支持部材の後端部に支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の車両後部構造。
【請求項6】
前記上下方向部材の後方側には、前記リアサイドメンバよりも車両の前後方向の圧縮強度が小さく、車両の前後方向に延びる前後方向衝撃吸収部材が結合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の車両後部構造。
【請求項7】
前記前後方向衝撃吸収部材は、前記リアサイドメンバが前記上下方向部材に結合している高さ位置から前記前後方向支持部材が前記上下方向部材に結合している高さ位置までの間に位置していることを特徴とする請求項6記載の車両後部構造。
【請求項8】
前記前後方向支持部材の後端部は、前記上下方向部材の前方側に結合されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項記載の車両後部構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突時の衝撃を吸収するための車両後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車等の各種車両の車体には、他の車両等と衝突したときの衝撃を吸収するための構造が採られている。このような構造では、一般的に、車両の骨格部材であるサイドメンバの端部にバンパを取り付け、衝突によって発生する荷重(衝突荷重)をバンパからサイドメンバに伝達させている。ところが、車両には大型トラック、軽自動車、スポーツカーなど、車高の異なる様々な車種がある。そのため、各車種によってバンパの高さもまちまちであることが多く、バンパの高さが異なる車両同士が衝突することも考えられる。この場合、衝突荷重が効率良くバンパからサイドメンバに伝達されず、衝突時の衝撃が十分に吸収できない場合がある。
【0003】
そこで、車高の異なる車両同士の衝突を考慮した構造として、例えば特許文献1に記載の車両前部構造がある。この従来の車両前部構造では、サイドメンバの先端部において車幅方向に配置されたクロスメンバと、サイドメンバの下部に固定されたサイドフレームと、サイドフレームの先端部に支持され、クロスメンバの下方に平行配置されるサブフレームとを備えている。そして、車高の異なる車両のバンパ部分がサブフレームに衝突すると、サブフレームを支持するサイドフレームが上方に屈曲してサイドメンバに干渉し、衝撃荷重をサイドメンバに伝達するようになっている。
【特許文献1】特開2003−146242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような車高の異なる車両同士の衝突を考慮した構造は車両前部に対して適用されており、車両後部への適用はなされていなかった。したがって、車高の異なる車両が車両後部に衝突した場合には、衝突時の衝撃が十分に吸収できないという問題が依然として存在している。
【0005】
また、特許文献1に記載の構造では、衝突の衝撃によってサイドメンバとサイドフレームとの固定部分が外れたり、サイドメンバ自体が上方に変形したりする場合がある。このような場合、他の車両が車両後部に衝突した際の衝突荷重がサブフレームからサイドメンバ(リアサイドメンバ)に十分に伝達されず、サイドメンバの座屈による衝突荷重の吸収が十分になされないおそれがある。
【0006】
本発明は上記課題の解決のためになされたものであり、車両後部に衝突する衝突車両の車高に関わらず、衝突荷重を効果的に吸収することができる車両後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決のため、本発明に係る車両後部構造は、車両骨格の一部であって車両の前後方向に延びるリアサイドメンバを備え、リアサイドメンバの後端部には、リアサイドメンバの上下方向の幅よりも長く車両の上下方向に延びる上下方向部材が結合されていることを特徴としている。
【0008】
この車両後部構造では、車両後部に他の車両(衝突車両)が衝突した場合、衝突車両のバンパ等から受ける衝突荷重を上下方向部材によって受けることができる。このとき、上下方向部材は、リアサイドメンバの上下幅よりも長く上下に延びているので、衝突車両の車高に関わらずに衝突荷重を受けることができる。また、この車両後部構造では、リアサイドメンバの後端部に上下方向部材が結合されているので、上下方向部材が受け止めた衝突荷重は確実にリアサイドメンバに伝達され、リアサイドメンバの前後方向の座屈による衝突荷重の吸収効果が十分に発揮される。
【0009】
また、上下方向部材は、閉断面構造であることが好ましい。
【0010】
衝突車両のバンパビーム等が上下方向部材に当たったときに上下方向部材に曲げ変形が生じてしまうと、上下方向部材からリアサイドメンバへの衝突荷重の伝達効率が低下する場合がある。これに対し、上下方向部材を閉断面構造とすると、上下方向部材の曲げ強度を大きくすることが可能となる。これにより、衝突の際の上下方向部材の曲げ変形が抑制され、リアサイドメンバに衝突荷重をより効率的に伝達させることができる。
【0011】
また、上下方向部材の車幅方向の幅は、リアサイドメンバの車幅方向の幅と同幅であることが好ましい。
【0012】
この場合、上下方向部材の側面とリアサイドメンバの側面とを面一にできるので、上下方向部材におけるリアサイドメンバとの結合部分近傍の曲げ変形をより確実に抑制できる。これにより、上下方向部材からリアサイドメンバに衝突荷重をより効率的に伝達させることができる。なお、ここでいう同幅は厳密に同幅でなくてもよく、多少の差異も含むものとする。
【0013】
また、上下方向部材の曲げ強度は、リアサイドメンバの車両の前後方向の圧縮強度よりも大きいことが好ましい。
【0014】
こうすると、リアサイドメンバの座屈より前に上下方向部材の曲げ変形が生じることを抑制できる。したがって、上下方向部材からリアサイドメンバに衝突荷重をより確実に伝達させることができる。
【0015】
また、車両骨格に結合され、車両の前後方向に延びる前後方向支持部材を更に備え、上下方向部材は、リアサイドメンバの上方及びリアサイドメンバの下方の少なくとも一方において、前後方向支持部材の後端部に支持されていることが好ましい。
【0016】
この場合、上下方向部材は、前後方向支持部材により、リアサイドメンバの上方及び下方の少なくとも一方において2箇所以上で支持される。したがって、上下方向部材の曲げ強度を更に向上させることができる。
【0017】
また、上下方向部材の後方側には、リアサイドメンバよりも車両の前後方向の圧縮強度が小さく、車両の前後方向に延びる前後方向衝撃吸収部材が結合されていることが好ましい。
【0018】
この前後方向衝撃吸収部材は、上下方向部材の後方側において高さ位置を任意に設定できるので、前後方向衝撃吸収部材に連結するバンパビームの高さ位置の設計自由度を高めることもできる。これにより、車高が異なる車種間のバンパビームの位置を統一することが可能となる。
【0019】
また、前後方向衝撃吸収部材は、リアサイドメンバが上下方向部材に結合している高さ位置から前後方向支持部材が上下方向部材に結合している高さ位置までの間に位置していることが好ましい。
【0020】
このような構成により、前後方向衝撃吸収部材が上下方向部材によって確実に支持されるので、前後方向衝撃吸収部材による衝撃吸収効果を高めることができる。また、前後方向衝撃吸収部材に連結するバンパビームの高さ位置の設計自由度を高めることもできるので、車高が異なる車種間のバンパビームの位置を統一することも可能となる。
【0021】
また、前後方向支持部材の後端部は、前記上下方向部材の前方側に結合されていることが好ましい。
【0022】
これにより、上下方向部材の曲げ強度を更に向上させることができ、上下方向部材からリアサイドメンバに衝突荷重を一層確実に伝達することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る車両後部構造によれば、車両後部に衝突する衝突車両の車高に関わらず、衝突荷重を効果的に吸収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る車両後部構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両後部構造を示す斜視図であり、図2はその側面図である。図1及び図2に示すように、車両後部構造1は、SUVやスポーツカーといった様々な車種の車両後部に適用される構造であり、車両後部に他の車両(衝突車両)が衝突した場合に生じる衝撃を吸収するための構造である。
【0026】
この車両後部構造1は、リアサイドメンバ2と、ロアバックパネルリインホースメント(上下方向部材、以下「ロアバックパネルR/Fと記す」)3と、リアサスペンションクロスメンバ(前後方向支持部材)4と、クラッシュボックス(前後方向衝撃吸収部材)5と、リアバンパビーム6とを備えている。
【0027】
リアサイドメンバ2は、車両の前後方向に延在する骨格部材であり、車両の強度を高めるために車両のエンジン部(図示しない)等を挟んで左右一対に配置されている。このリアサイドメンバ2は、衝突車両が車両後部に衝突すると、ロアバックパネルR/F3から衝突によって発生する衝突荷重の伝達を受ける。そして、伝達された衝突荷重がリアサイドメンバ2の圧縮強度を超えている場合、リアサイドメンバ2は、車両の前後方向に座屈することによりその衝突荷重を吸収し、衝撃を緩和する。
【0028】
ロアバックパネルR/F3は、車両のバックパネル(図示しない)の骨格部材であると共に、衝突車両から受ける衝突荷重をリアサイドメンバ2に伝達する荷重伝達部材である。このロアバックパネルR/F3は、リアサイドメンバ2の上下方向の幅よりも長く車両の上下方向に延在しており、ロアバックパネルR/F3の前方側の略中央部は、左右のリアサイドメンバ2の後端部2aにそれぞれ溶接固定されている。また、ロアバックパネルR/F3の車幅方向の幅は、リアサイドメンバ2の車幅方向の幅と同幅になっており、リアサイドメンバ2の左右の側面とロアバックパネルR/F3の左右の側面とはそれぞれ面一になっている。
【0029】
ここで、ロアバックパネルR/F3の断面構造を図3に示す。図3は、図2におけるIII−III線断面図である。図3(a)に示すように、ロアバックパネルR/F3は、断面矩形の中空の型材30からなる閉断面構造となっている。このような閉断面構造により、ロアバックパネルR/F3の曲げ強度は、リアサイドメンバ2の前後方向の圧縮強度よりも大きくなっている。
【0030】
なお、図3(b)に示すロアバックパネルR/F3Aのように、一片が重ね合わさるように型材30Aを断面矩形状に折り曲げ、この重ね合わせ部分をアーク溶接することによって閉断面構造を形成してもよい。また、図3(c)に示すロアバックパネルR/F3Bのように、2つの断面コ字状の型材30B,30Bを向かい合わせて中空部を形成し、各型材30B,30Bの側壁31,31の先端を重ね合わせてアーク溶接することによって閉断面構造を形成してもよい。
【0031】
リアサスペンションクロスメンバ4は、リアサスペンション(図示しない)を組み付けるための部材である。このリアサスペンションクロスメンバ4は、図1及び図2に示すように、リアサスペンションが組み付けられる平板状の本体部40と、左右一対の柱状の接続部41とを有している。そして、本体部40は、車両の幅方向に延在しており、ボルトによって左右のリアサイドメンバ2の中間部分の下部に強固に固定されている。
【0032】
また、接続部41は、本体部40における左右の側部の後方側からそれぞれ車両の後方側に突出しており、接続部41の後端部41aは、リアサイドメンバ2の下方において、左右のロアバックパネルR/F3の前方側にそれぞれ溶接固定されている。これにより、ロアバックパネルR/F3は、リアサイドメンバ2の後端部2a及びリアサスペンションクロスメンバ4の接続部41によって2点で支持され、衝突荷重に対する曲げ強度が一層確保されている。なお、接続部41の後端部41aとロアバックパネルR/F3の前方側とは、車室内の振動軽減を図るため、ゴムブッシュ(図示しない)を介して固定してもよい。ここで、接続部41の後端部41aとロアバックパネルR/F3の前方側とをゴムブッシュを介して固定する場合、本体部40は、リアサイドメンバ2の下部に本体部40が上下方向に回動されるように結合されていてもよい。
【0033】
クラッシュボックス5は、リアバンパビーム6を支持する部材であると共に、衝突車両から受ける衝突荷重を吸収する部材である。このクラッシュボックス5は、リアサイドメンバ2とリアサスペンションクロスメンバ4との略中間の高さ位置において、左右のロアバックパネルR/F3の後方側にそれぞれ溶接固定され、車両の前後方向に延在している。また、クラッシュボックス5の前後方向の圧縮強度は、リアサイドメンバ2の前後方向の圧縮強度よりも小さく設定されている。したがって、クラッシュボックス5は、低速での衝突といった軽微な衝突に対して、いち早く前後方向の圧縮を開始し、リアサイドメンバ2を変形させることなく衝突荷重の吸収を行う。
【0034】
また、クラッシュボックス5は、ロアバックパネルR/F3の後方側において、その取り付け位置を上下にオフセットさせることもできる。このことは、クラッシュボックス5に連結するリアバンパビーム6の高さ位置の設計自由度を高め、車高が異なる車種間でのリアバンパビームの高さ位置の統一を実現可能とする。
【0035】
ただし、クラッシュボックス5は、ロアバックパネルR/F3にリアサイドメンバ2が固定されている高さ位置と、ロアバックパネルR/F3にリアサスペンションクロスメンバ4が固定されている高さ位置との間の高さ位置に取り付けることが好ましい。この範囲では、クラッシュボックス5がロアバックパネルR/F3によって確実に支持されるので、クラッシュボックス5による衝突荷重の吸収効果を十分に確保できる。
【0036】
リアバンパビーム6は、リアバンパ(図示しない)を支持する部材である。リアバンパビーム6は、左右のクラッシュボックス5の後端部5aに固定されて車両の幅方向に延在している。このリアバンパビーム6は、衝突車両から受ける衝突荷重をロアバックパネルR/F3側及びリアサイドメンバ2側に伝達する。
【0037】
次に、上述した構成を有する車両後部構造1の衝撃吸収効果について説明する。
【0038】
まず、車両後部構造1が適用された車両のリアバンパビーム6の高さ位置と衝突車両のフロントバンパの高さ位置とがほぼ同じである場合の車両後部構造1の衝撃吸収作用について説明する。この場合、図4(a)に示すように、衝突車両が車両後部に衝突すると、衝突車両のフロントバンパBからの衝突荷重はまずリアバンパビーム6に加えられ、次いでリアバンパビーム6からクラッシュボックス5に伝達される。このとき、クラッシュボックス5は、前後方向に圧縮変形することによって伝達された衝突荷重を一定量吸収する。クラッシュボックス5で吸収しきれなかった衝突荷重は、ロアバックパネルR/F3に伝達される。
【0039】
ここで、衝突荷重の伝達を受けたロアバックパネルR/F3は、閉空間構造(図3参照)を有しており、かつリアサイドメンバ2の後端部2a及びリアサスペンションクロスメンバ4の接続部41によって2点で支持されているので、衝突荷重に対して十分大きな曲げ強度を有している。そのため、衝突荷重によってロアバックパネルR/F3が極度に折れ曲がることを抑制でき、衝突荷重はロアバックパネルR/F3からリアサイドメンバ2に効率よく伝達される。
【0040】
さらに、ロアバックパネルR/F3とリアサイドメンバ2の各側面同士は面一となっているので、ロアバックパネルR/F3とリアサイドメンバ2との結合部分近傍の曲げ変形がより確実に抑制される。これにより、ロアバックパネルR/F3からリアサイドメンバ2への衝突荷重の伝達効率の一層の向上が図られる。この後、衝突荷重が伝達されたリアサイドメンバ2は、前後方向に座屈しながら衝突荷重を吸収して衝突による衝撃を効果的に緩和する。
【0041】
一方、衝突車両の車種によっては、車両のリアバンパの高さ位置と衝突車両のフロントバンパの高さ位置とが異なる場合がある。このような場合、衝突の際に衝突車両のフロントバンパが車両後部のリアバンパに当たらず、リアサイドメンバへの衝突荷重の伝達効率が低下してしまうことも考えられる。
【0042】
これに対して、車両後部構造1は、図4(b)に示すように、リアサイドメンバ2の上下方向の幅よりも長く車両の上下方向に延在するロアバックパネルR/F3を備えているので、衝突車両のフロントバンパBが車両後部構造1のリアバンパビーム6に当たらなかった場合でも、ロアバックパネルR/F3によって衝突車両のフロントバンパBからの衝突荷重を直接受けることが可能である。そして、ロアバックパネルR/F3に加えられた衝突荷重は、図4(a)の場合と同様にリアサイドメンバ2に効率よく伝達され、リアサイドメンバ2の前後方向の座屈によって効果的に吸収される。このように、車両後部構造1では、車高の違いによりバンパの高さが異なる車両が車両後部に衝突した場合であっても、衝突時の衝撃を効果的に吸収することができる。
【0043】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る車両後部構造について説明する。
【0044】
第2実施形態に係る車両後部構造10は、図5に示すように、上下方向部材であるロアバックパネルR/F3を、リアサイドメンバ2、リアサスペンションクロスメンバ4、及びベルトライン部リインホースメント(前後方向支持部材、以下「ベルトライン部R/F」と記す)7によって3点で支持している点で、ロアバックパネルR/F3を、リアサイドメンバ2、及びリアサスペンションクロスメンバ4によって2点で支持している第1実施形態と異なっている。
【0045】
すなわち、車両後部構造10は、車両の前後方向に延びるベルトライン部R/F7を更に備えており、ベルトライン部R/F7の後端部7aは、リアサイドメンバ2よりも上方でロアバックパネルR/F3の前方側に溶接固定され、ベルトライン部R/F7の先端部7bは、車両骨格の一部であるホイールハウス8に溶接固定されている。なお、ベルトライン部R/F7は、車両骨格の一部であれば、ホイールハウス8以外の骨格部材に結合してもよい。
【0046】
このように構成された車両後部構造10では、3点での支持によりロアバックパネルR/F3の曲げ強度を一層向上させることができる。そのため、衝突荷重によるロアバックパネルR/F3の折れ曲がりをより確実に抑制でき、衝突荷重をロアバックパネルR/F3からリアサイドメンバ2に効率よく伝達させることができる。
【0047】
また、クラッシュボックス5のオフセット位置は、ロアバックパネルR/F3の後方側において、ロアバックパネルR/F3にベルトライン部R/F7が固定されている高さ位置と、ロアバックパネルR/F3にリアサスペンションクロスメンバ4が固定されている高さ位置との間に拡張可能である。このことは、クラッシュボックス5に連結するリアバンパビーム6の高さ位置の設計自由度をより高め、車高が異なる車種間でのリアバンパビームの高さ位置の統一を更に容易に実現可能とする。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、種々の変形を適用することができる。例えば、上記各実施形態では、ロアバックパネルR/F3を2点で支持または3点で支持としているが、衝突車両の車高に関わらずに衝突荷重を効果的に吸収するという観点からすれば、ロアバックパネルR/F3をリアサイドメンバ2のみで支持する簡素な構成としてもよい。更なる構成の簡素化のため、クラッシュボックス5及びリアバンパビーム6を必ずしも設けなくてもよい。
【0049】
また、上記各実施形態では、クラッシュボックス5をロアバックパネルR/F3の後方側に溶接固定しているが、ロアバックパネルR/F3の後方側に位置決め用のボルト孔を上下方向に複数設けておき、クラッシュボックス5をボルトによっていずれかのボルト孔に取り付けるようにしてもよい。この場合、取り付け後であっても、クラッシュボックス5及びクラッシュボックス5に連結するリアバンパビーム6の高さ位置を調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両後部構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示した車両後部構造の側面図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図であり、(a)はロアバックパネルR/Fの断面構造、(b)は変形例に係るロアバックパネルR/Fの断面構造、(c)は更に別の変形例に係るロアバックパネルR/Fの断面構造を示す。
【図4】(a)は車両のリアバンパの高さ位置と衝突車両のフロントバンパの高さ位置とが同じである場合の車両後部構造における衝撃吸収作用を示す図であり、(b)は車両のリアバンパの高さ位置と衝突車両のフロントバンパの高さ位置とが異なる場合の車両後部構造における衝撃吸収作用を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両後部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1,10…車両後部構造、2…リアサイドメンバ、2a…後端部、3…ロアバックパネルR/F、4…リアサスペンションクロスメンバ、5…クラッシュボックス、7…ベルトライン部R/F、8…ホイールハウス。




 

 


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