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発明の名称 車両用運転支援装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8280(P2007−8280A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−190310(P2005−190310)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
発明者 小池 伸
要約 課題
簡易且つ安価に交錯車両の検出を可能とした車両用運転支援装置を提供すること。

解決手段
車両に搭載され、自車両と交錯可能性を有する他車両を検出する車両用運転支援装置が、自車両前方路面上の所定の領域内に所定の時間期間以下の時間間隔でパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、該パルスレーザ光が上記所定の領域内おいて路面によって散乱した散乱パルスレーザ光を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された上記散乱パルスレーザ光の中にレーザ光照射手段が上記パルスレーザ光を照射したタイミングと対応しないタイミングで且つ上記所定の時間期間以下の時間間隔で検出された散乱パルスレーザ光が所定パルス数以上存在するときに、自車両と交錯可能性を有する他車両が存在すると判定する判定手段とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に搭載され、自車両と交錯可能性を有する他車両を検出する車両用運転支援装置であって、
自車両前方路面上の所定の領域内に所定の時間期間以下の時間間隔でパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、
前記パルスレーザ光が前記所定の領域内おいて路面によって散乱した散乱パルスレーザ光を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記散乱パルスレーザ光の中に前記レーザ光照射手段が前記パルスレーザ光を照射したタイミングと対応しないタイミングで且つ前記所定の時間期間以下の時間間隔で検出された散乱パルスレーザ光が所定パルス数以上存在するときに、自車両と交錯可能性を有する他車両が存在すると判定する判定手段と、を有することを特徴とする車両用運転支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用運転支援装置であって、
前記レーザ光照射手段は、前記判定手段により交錯可能性を有する他車両が存在すると判定されたとき、前記検出手段によって検出された前記散乱パルスレーザ光の中で前記レーザ光照射手段が前記パルスレーザ光を照射したタイミングと対応しないタイミングで且つ前記所定の時間期間以下の時間間隔で検出された散乱パルスレーザ光が受光されたタイミングで前記パルスレーザ光を照射する、ことを特徴とする車両用運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両用運転支援装置であって、
前記レーザ光照射手段が、前記所定の領域の周辺領域に前記所定の時間期間より長い時間間隔でパルスレーザ光を照射するようにし、
前記検出手段が、前記パルスレーザ光が前記周辺領域において散乱した散乱パルスレーザ光も検出するようにした、ことを特徴とする車両用運転支援装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項記載の車両用運転支援装置であって、
前記レーザ光照射手段は、前記所定の領域内に前記所定の時間期間以下で且つ所定の情報がコーディングされた時間間隔でパルスレーザ光を照射する、ことを特徴とする車両用運転支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項記載の車両用運転支援装置であって、
前記所定の領域を変更する領域変更手段を更に有する、ことを特徴とする車両用運転支援装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、車両に搭載され、自車両と交錯可能性を有する他車両を検出する車両用運転支援装置に係り、特に、簡易且つ安価に交錯車両の検出を可能とした車両用運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載され、自車両と交錯可能性を有する他車両を検出する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された装置は、各車両に搭載され、それぞれが自車両の存在を示すレーザ光を自車両前方路面に向けて照射し、赤外線カメラにより路面で反射したレーザ光を認識し、自車両以外の他車両から照射されたレーザ光から該他車両の移動方向や車速を判断するものである。
【特許文献1】特開2004−102889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来装置を利用して他車両を検出しようとする場合、自車両の存在を他車両に伝達するためのレーザ光投光器と、他車両から照射されたレーザ光を認識するための赤外線カメラとを新たに車両に備える必要がある。このような追加的なハードウェア構成は、システム自体を高価なものとする。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、簡易且つ安価に交錯車両の検出を可能とした車両用運転支援装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、車両に搭載され、自車両と交錯可能性を有する他車両を検出する車両用運転支援装置であって、自車両前方路面上の所定の領域内に所定の時間期間以下の時間間隔でパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、該パルスレーザ光が上記所定の領域内おいて路面によって散乱した散乱パルスレーザ光を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された上記散乱パルスレーザ光の中に上記レーザ光照射手段が上記パルスレーザ光を照射したタイミングと対応しないタイミングで且つ上記所定の時間期間以下の時間間隔で検出された散乱パルスレーザ光が所定パルス数以上存在するときに、自車両と交錯可能性を有する他車両が存在すると判定する判定手段とを有する車両用運転支援装置である。
【0007】
この一態様において、上記レーザ光照射手段及び上記検出手段は、例えば一般的なレーザレーダが備えるレーザ光照射機能及び受光機能であり、レーザレーダを利用して自車両前方の先行車両や障害物等を検出する車間距離制御システムや前方障害物検知システムなどの車載システムが搭載された車両においては、これら車載システムのレーザレーダと兼用とすることができる。
【0008】
すなわち、この一態様において、上記レーザ光照射手段は、既存のレーザレーダのパルスレーザ光の照射方向を路面上の上記所定の領域へ拡張させることによって、上記検出手段は、既存のレーザレーダの受光機構の対象エリア(視野)を路面上の上記所定の領域へ拡張させることによって、それぞれ実現することができる。なお、上記検出手段は、上記所定の領域を視野とする別体の受光機構を設けることによって実現されてもよい。
【0009】
また、この一態様において、上記所定の時間期間とは、例えば、車間距離制御システムや前方障害物検知システムなどのレーザレーダが路面に略平行に自車両前方の領域へ向けてパルスレーザ光を照射するときの照射間隔時間である。
【0010】
この一態様によれば、レーザレーダを利用して自車両前方の先行車両や障害物等を検出する車間距離制御システムや前方障害物検知システムなどの車載システムが搭載された車両において、当該レーザレーダの機能として照射されるレーザ光を自車両前方の路面の所定の領域にも積極的に当てるように当該レーザレーダの照射方向を制御すると共に、当該所定の領域からの散乱光を受光することによって、簡易且つ容易に交錯車両の検出が可能となる。
【0011】
また、この一態様によれば、上記のような他システムのレーザレーダを流用する際に、先行車両又は前方障害物検知のために自車両前方領域にパルスレーザを照射するときと交錯車両検出のための自車両前方路面へ照射するときとで照射間隔時間を変えることによって、先行車両又は前方障害物に当たって散乱し、更に上記所定の領域において路面により散乱したパルスレーザ光と、自車両又は他車両から上記所定の領域に向けて直接照射されたパルスレーザ光の散乱光とを容易に識別することができる。
【0012】
なお、この一態様において、上記レーザ光照射手段が、上記判定手段により交錯可能性を有する他車両が存在すると判定されたとき、上記検出手段によって検出された上記散乱パルスレーザ光の中で上記レーザ光照射手段が上記パルスレーザ光を照射したタイミングと対応しないタイミングで且つ上記所定の時間期間以下の時間間隔で検出された散乱パルスレーザ光が受光されたタイミングで上記パルスレーザ光を照射するようにすれば、相手車両(すなわち、自車両と交錯可能性を有すると判定された車両)が、パルスレーザ光を照射してから自車両から照射されたパルスレーザ光の散乱光を受光するまでの時間を光速で除算することによって自車両との進行方向に沿った車間距離を求めることができるため、が好ましい。
【0013】
また、この一態様において、白線や段差を検出するために、上記レーザ光照射手段が上記所定の領域の周辺領域に上記所定の時間期間より長い時間間隔でパルスレーザ光を照射するようにし、上記検出手段が上記パルスレーザ光が上記周辺領域において散乱した散乱パルスレーザ光も検出するようにしてもよい。
【0014】
また、この一態様において、上記レーザ光照射手段が、上記所定の領域内に上記所定の時間期間以下で且つ所定の情報(例えば、車速や自車両現在位置などの情報)が(例えばM系列などで)コーディングされた時間間隔でパルスレーザ光を照射すれば、無線通信を使わずとも交錯可能性を有する車両間で車両情報等の交換が可能となるため、好ましい。
【0015】
さらに、この一態様において、自車両と並走する他車両の割り込みを検出するために、上記車両用運転支援装置が上記所定の領域を(例えば左右方向に)変更する領域変更手段を更に有してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡易且つ安価に交錯車両の検出を可能とした車両用運転支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、本発明が前提とするレーザレーダを利用して自車両前方の先行車両や障害物等を検出する車間距離制御システムや前方障害物検知システムなどの車載システムの基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
【実施例】
【0018】
以下、図1〜9を用いて、本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置について説明する。本実施例に係る車両用運転支援装置は、レーザレーダを利用して自車両前方の先行車両や障害物等を検出する車間距離制御システムや前方障害物検知システムなどの車載システムが搭載された車両において用いられることを前提として、これらシステムのレーザレーダを利用して簡易に自車両と交錯可能性を有する車両を検出するものである。
【0019】
図1は、本実施例に係る車両用運転支援装置100の概略構成図である。車両用運転支援装置100は、自車両前方の空間へ向けてパルスレーザ光を照射する能力を備えたパルスレーザ光照射部101と、パルスレーザ光照射部101を制御する照射制御部102とを有する。
【0020】
本実施例において、パルスレーザ光照射部101及び照射制御部102は、上述のような車間距離制御システムや前方障害物検知システムなどのレーザレーダのパルスレーザ光照射機能により実現される。
【0021】
ただし、本実施例において、照射制御部102は、パルスレーザ光照射部101が、先行車両との車間距離を測定するため又は前方障害物を検出するために自車両前方空間領域Aを照射対象エリアとするだけでなく、自車両前方路面上の所定の領域Bにもパルスレーザ光を照射するように、パルスレーザ光照射部101のパルスレーザ光照射方向を制御する。
【0022】
この様子を図2に示す。図2は、車両用運転支援装置100を搭載した車両201において、パルスレーザ光照射部101がパルスレーザ光を照射する領域の一例を示す図であり、黒丸が照射点を表している。
【0023】
パルスレーザ光照射部101は、従来通り地面に略平行にパルスレーザ光を照射することによって領域Aに照射すると共に、周辺車両(特に交錯車両)に自車両201の存在を知らしめるために領域Bにもパルスレーザ光を照射する。
【0024】
既存の車間距離制御システムや障害物検知システムなどのレーザレーダによっても自車両前方路面にレーザ光は当たる可能性があったが、それらはあくまで領域Aを狙ったが外れたものであって、路面からの散乱光はノイズとして除去されていた。本実施例では、路面上の領域Bを積極的に狙って照射する点で既存のシステムとは異なる。
【0025】
パルスレーザ光照射部101の構造の一例についてより具体的に述べる。通常のレーザレーダは、レーザダイオード(半導体レーザ)が発したレーザビームを光学系で整形してポリゴンミラーを介して照射する。一般的なポリゴンミラーは、上下方向角度が異なる6つの面を有し、1面で対象領域内に横1列の照射を行う。1列の間に例えば数十ナノ秒オーダーの間隔でパルスレーザが数百回照射される。
【0026】
このような既存のレーザレーダを利用して本実施例のように領域A及びBの双方にパルスレーザ光を照射するためには、例えば、1)ポリゴンミラーの6面のうちのいくつかの上下方向角度を路面方向へと向けてもよく、或いは、2)ポリゴンミラーの面数を増やし、増やした面を路面照射用として上下方向角度が設定されてもよく、或いは、3)ポリゴンミラーの6面のうちのいくつかの面からの反射光を回折光学系で路面へと向けてもよい。
【0027】
また、図2にも示したように、本実施例において、自車両が領域Aに向けて照射したパルスレーザ光と、周辺車両が当該車両の領域Bへ向けて照射したパルスレーザ光とを識別できるように、領域Aへの照射よりも領域Bへの照射の方が照射密度が高くなるようにパルスレーザ光照射部101がパルスレーザ光を照射するタイミングを制御する。
【0028】
すなわち、照射制御部102は、領域Bへ照射する際には、領域Aへ照射する場合よりも、レーザ光が照射される時間間隔が短くなるように、パルスレーザ光照射部101を制御する。
【0029】
加えて、本実施例において、パルスレーザ光照射部101が照射するレーザ光には、安全上、万が一人間の目に入ってしまった場合であっても人体に悪影響を与えない種類のレーザが用いられる。
【0030】
図1に戻る。車両用運転支援装置100は、更に、領域Aの全部又は一部を視野とし、領域Aに向けて照射されたパルスレーザ光の散乱光を検出する第一の受光部103と、照射制御部102から照射タイミングに関する情報を取得し、パルスレーザ光がパルスレーザ光照射部101から照射され、領域Aにおいて先行車両(又は前方障害物)に当たり、その散乱光が第一の受光部103によって受光されるまでの時間を計測して、先行車両(又は前方障害物)との車間距離(又は車間距離)を求める車間距離測定部104とを有する。
【0031】
当業者には明らかなように、第一の受光部103及び車間距離測定部104は、上述のような既存の車間距離制御システムや前方障害物検知システムにおいて用いられるレーザレーダの受光機構そのものであり、第一の受光部103は、例えば、フォトダイオードである。
【0032】
車両用運転支援装置100は、更に、領域Bの全部又は一部を視野とし、当該視野内における路面からの散乱光を検出する第二の受光部105と、第二の受光部105によって車両用運転支援装置100を搭載した他の周辺車両が路面に向けて照射したパルスレーザ光の散乱光が受光されたか否かを判定し、受光されたときに自車両と交錯可能性を有する周辺車両が存在すると判断する交錯車両検出部106とを有する。
【0033】
ここで、第二の受光部105は、例えば、フォトダイオードである。自車両単独の場合の第二の受光部105の出力の一例を図3に示す。黒丸は領域Bに向けてパルスレーザ光が照射されたタイミングを表しており、グラフ線は第二の受光部105の出力を示している。図示するように、自車両が領域Bに向けてパルスレーザ光を照射したタイミングに対応して、第二の受光部105から出力が検出される。
【0034】
交錯車両検出部106は、照射制御部102から取得した照射タイミングに関する情報と、第二の受光部105の出力とに基づいて、自車両と交錯可能性を有する他車両の存在を検出する。
【0035】
より具体的には、まず、第二の受光部105の出力のうち、自車両の照射タイミングに対応して検出された出力は、自車両のパルスレーザ光照射部101により領域Bへ照射されたレーザ光の路面からの散乱光が受光されたものと判断する。次に、自車両の照射タイミングに対応しないタイミングにおける、換言すれば自車両からのレーザ光に非検出区間における、第二の受光部105の出力のうち、検出間隔が所定の時間間隔よりも長いものについては、照射密度の違いから、他車両から領域Bへ向けて照射されたレーザ光が検出されたのではなく、自車両が領域Aに向けて照射したレーザ光が先行車両又は前方障害物に当たり、更に領域Bにおいて路面にも当たって散乱した散乱光が受光されたものと判断する。
【0036】
まとめると、交錯車両検出部106は、自車両が領域Bへレーザ光を照射していないタイミングにおいて、検出間隔が所定の時間間隔よりも短い出力が第二の受光部105から得られたときに、車両用運転支援装置100を搭載した他車両の領域Bが自車両の第二の受光部105の視野と少なくとも部分的に重なっており、当該他車両は自車両と交錯可能性を有する、と判断する。
【0037】
交錯車両が存在する場合の一例を図4及び5に示す。図4は、車両用運転支援装置100を搭載した車両401及び402が互いに交錯可能性を有する位置関係にある場合の両車両による領域Bへのレーザ光照射の様子を示しており、図5は、その際の車両401の第二の受光部105の出力の一例を示している。
【0038】
第二の受光部105は、自車両のレーザ光照射タイミングにかかわらず、常時受光が可能である。したがって、図4に示すように、自車両401の第二の受光部105の視野と他車両402の領域Bとが少なくとも部分的に重なった場合、図5に示すように、自車両401の第二の受光部105は、自車両の領域Bへのレーザ光照射タイミングと対応しない区間において、他車両402のパルスレーザ光照射部101から車両402の領域Bへ照射されたレーザ光の路面からの散乱光を受光し、そのパルス数をカウントする。
【0039】
そして、その出力間隔が領域Aへの照射の際に用いられる照射密度に対応したものではなく、領域Bのものに対応していると判断されることにより、自車両401の領域Bと重なる路面領域に自身の領域Bを持つ他車両402の存在が検出される。
【0040】
交錯車両検出部106は、自車両と交錯可能性を有する周辺車両が検出されると、その旨を照射制御部102及び主制御部107へそれぞれ伝達する。照射制御部102は、交錯可能性を有する他車両が検出されたとき、第二の受光部105によって検出された当該他車両が該他車両の領域Bへレーザ光を照射するタイミングに応じて、自車両のパルスレーザ光照射部101の領域Bへの照射タイミングを変更する。詳しくは後述する。
【0041】
図1に戻る。車両用運転支援装置100は、更に、車両用運転支援装置100の各構成要素を統括的に制御する主制御部107を有する。主制御部107は、例えば、ECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)である。
【0042】
車両用運転支援装置100は、更に、主制御部107によって制御され、音声や振動等で交錯可能性を有する周辺車両が存在することを自車両乗員に通知する警報部108と、主制御部107によって制御され、自車両と他車両との衝突が回避されるように自動的に制動制御を行ったり、アクセルペダル反力を増加させたりといった車両制御を行う車両制御部109とを有する。
【0043】
代替例として、車両用運転支援装置100は、警報部108及び車両制御部109のいずれか一方のみを備えるようにしてもよい。交錯可能性をどのように判断するか、及び/又は、どの程度の交錯可能性があるときにどのような警報及び/又は車両制御を行うかについては、既に様々なアルゴリズムが提案されており、当業者には既知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0044】
次いで、図6及び7を用いて、照射制御部102による照射タイミング制御について説明する。本実施例において、交錯可能性を有する周辺車両が検出された場合、車両用運転支援装置100は、当該車両との進行方向に沿った車間距離を測定する。
【0045】
図6は、車両用運転支援装置100を搭載した自車両601が、同じく車両用運転支援装置100を搭載した他車両602を上述のような手順で自車両と交錯可能性を有する車両として検出したときの様子を示す上面図である。
【0046】
上述のように、自車両601の交錯車両検出部106が交錯可能性を有する周辺車両として他車両602の存在を検出したとき、照射制御部102は、パルスレーザ光照射部101を制御して、照射タイミングを変更する。
【0047】
変更後の照射タイミングの一具体例を図7に示す。図7(a)は、車両601が車両601の領域Bをスキャンする(すなわち、レーザ光を照射して、その跳ね返りを受光する)時間区間(タイミング)における車両601及び602それぞれの照射・受光パターンを、図7(b)は、図7(a)の後、車両602が車両602の領域Bをスキャンする時間区間における車両601及び602それぞれの照射・受光パターンを、及び、図7(c)は、図7(b)の後、車両601が車両601の領域Bをスキャンする時間区間における車両601及び602それぞれの照射・受光パターンを、それぞれ示している。また、実際の受光パルスにはある程度のノイズが乗るものと考えられるが、図7ではそのようなノイズの図示を便宜上省略する。
【0048】
まず、車両602が検出されたとき、車両601の照射制御部102は、図7(a)に示すように、通常のパルス周期よりも短い時間間隔で進行方向に沿った車間距離を測定するためのパルスパターン(図では、一例として、3パルス)で路面上の領域Bへレーザ光を照射する。この測距用パルスパターンで照射されたレーザ光は、車両601の領域Bにおいて散乱し、車両601及び602それぞれの第二の受光部105によって受光される。
【0049】
このような測距用パルスパターンによるレーザ光の路面からの散乱光を受光した車両602は、次いで、図7(b)に示すように、車両601からの測距用パルスパターンのレーザ光の先頭が受光されたタイミングで、自車両(車両602)の測距用パルスパターンのレーザ光の照射を開始する。このレーザ光は、車両602の領域Bにおいて散乱し、車両601及び602それぞれの第二の受光部105によって受光される。
【0050】
このような測距用パルスパターンによるレーザ光の路面からの散乱光を受光した車両601は、更に、図7(c)に示すように、車両602からの測距用パルスパターンのレーザ光の先頭が受光されたタイミングで、自車両(車両601)の測距用パルスパターンのレーザ光の照射を開始する。このレーザ光は、車両601の領域Bにおいて散乱し、車両601及び602それぞれの第二の受光部105によって受光される。
【0051】
このように、本実施例では、交錯可能性を有する他車両を検出した車両用運転支援装置100は、測距用パルスパターンで路面上の領域Bへレーザ光を照射し、これに対する応答として当該他車両から測距用パルスパターンで路面上の領域Bへ照射されたレーザ光が第二の受光部105によって検出されるのを待機する。そして、この測距用パルスパターンでのレーザ光の照射から、他車両から照射された測距用パルスパターンのレーザ光が検出されるまでの時間を計測する。
【0052】
そして、この計測された時間は、図6に示すような路面上の領域Bを経由して進行方向に沿った車両601と車両602の車間距離をレーザ光が往復するのに要した時間と考えて、計測された時間を光速で除算して往復距離を算出し、更にこれを2で除算することによって、片道の車間距離を求める。
【0053】
このようにして求められた進行方向に沿った領域B経由の車間距離は、例えば、主制御部107によって、警報部108や車両制御部109の制御に用いられる。
【0054】
このように、本実施例によれば、無線通信を利用した車車間通信(及び/又は路車間通信)等を利用せずに、既存のレーザレーダを利用して簡易且つ容易に車車間連携を図り、出会い頭の衝突事故等を未然に防ぐことができる。
【0055】
従来提案されている無線通信を利用した車車間通信では、電磁波が到達するレンジ全域が交錯可能性を有する他車両を検出するための対象エリアとなり得るため、自車両の近くに位置し、交錯可能性が比較的高い車両に絞り込む作業が必要となるが、本実施例によれば、自車両前方の路面にレーザ光を照射すること及び自車両前方の路面からレーザ光を受光することによって、特段の絞り込み作業/処理を行わなくても、進行方向が自車両の進行方向と交差するすぐ近くの他車両のみに絞って検出することができる。
【0056】
しかしながら、一方で、本実施例に係る車両用運転支援装置は、無線通信を利用した車車間通信/路車間通信との連携を否定するものではなく、無線通信の比較的広いレンジで大まかに周辺車両の存在を把握しておいてから、本実施例に係る車両用運転支援装置を用いてすぐ近くに存在するものに絞り込む、ようにすることも当然可能である。
【0057】
また、無線通信による車車間通信との比較で更に言えば、上記一実施例において、交錯可能性を有する周辺車両によって検出されるように路面に照射するレーザ光の照射時間間隔に自車両現在位置や車速などの車両情報を例えばM系列等にコーディングして重畳することによって、相手車両にそれら車両情報を伝達することができる。すなわち、本実施例によっても、周辺車両の存在の検出だけでなく、路面を介したレーザ光による情報通信により、相手車両に情報を伝達することができる。
【0058】
また、上記一実施例では、一例として、車両用運転支援装置が、領域A用の第一の受光部103と、領域B用の第二の受光部105とを別体として備える構成について説明したが、本発明はこの構成に限られず、例えばCCDカメラなどのフォトダイオードアレイなどから成り、領域A及びBの双方から光を受光可能な1つの受光部のみが備えられてもよい。
【0059】
また、上記一実施例の応用例として、例えば図8に一例を示すように、路面上の領域Bにレーザ光を照射する際に、自車両進行方向に見て領域Bの左右両側の路面上に拡張領域を設定し、領域Bへレーザ光を照射する際にこれら拡張領域にも照射するようにしてもよい。拡張領域における照射密度は、例えば、図示するように、領域Bとは異なり、領域Aのものと同じとしてもよい。
【0060】
このような路面上の拡張領域にもレーザ光を照射することによって、受光された散乱光の輝度や強度から本発明に係る車両用運転支援装置によって道路の白線や段差の検出も可能となる。
【0061】
さらに、上記一実施例の応用例として、車両用運転支援装置が路面上にレーザ光を照射する際の領域B及び散乱光を受光する視野エリアを左右にずらすことができるようにすると、例えば図9に一例を示すように、追い抜き・追い越し車両の検出も可能となるため、割り込み車両に対する対応もできるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、車両に搭載され、自車両と交錯可能性を有する他車両を検出する車両用運転支援装置に利用できる。搭載される車両の外観、重量、サイズ、走行性能等は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置を搭載した車両において、パルスレーザ光照射部がパルスレーザ光を照射する領域の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置の路面用受光部の出力の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置を搭載した車両同士が交錯可能性を有する場合のパルスレーザ光照射領域Bの一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置の路面用受光部の出力の別の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置を搭載した車両同士が交錯可能性を有する場合の進行方向に沿った車間距離を示す上面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る車両用運転支援装置が交錯可能性を有する車両を検出した際の路面へのレーザ光照射タイミングを示すグラフである。
【図8】本発明の別の一実施例に係る車両用運転支援装置による白線・段差検出の様子を示す図である。
【図9】本発明の更に別の一実施例に係る車両用運転支援装置による割り込み車両検出の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
100 車両用運転支援装置
101 パルスレーザ光照射部
102 照射制御部
103、105 受光部
104 車間距離測定部
106 交錯車両検出部
107 主制御部
108 警報部
109 車両制御部




 

 


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