米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> トヨタ自動車株式会社

発明の名称 車両用駆動装置の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1392(P2007−1392A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182675(P2005−182675)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
発明者 鎌田 淳史 / 田端 淳
要約 課題
差動機構と変速機とを備える駆動装置において、差動機構を小型化できたり或いはまた燃費が向上させられると共にビジーシフトが防止される制御装置を提供する。

解決手段
切換クラッチC0或いは切換ブレーキB0を備えることで、変速機構10が無段変速状態と有段変速状態とに切り換えられて、電気的に変速比が変更させられる変速機の燃費改善効果と機械的に動力を伝達する歯車式伝動装置の高い伝達効率との両長所を兼ね備えた駆動装置が得られる。また、所定走行時よりも総合変速比γTが低車速側に設定されたときに、必要な駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られない場合、或いは電動機の負荷トルクが許容範囲でない場合には、切換制御手段50により差動部11が有段変速状態へ切り換えられるので、電動機の負荷トルクが許容範囲を超えることなく所定走行時よりも大きな駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られると共に、ビジーシフトが防止される。
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジンの出力を第1電動機および伝達部材へ分配する差動機構と該伝達部材から駆動輪への動力伝達経路に設けられた第2電動機とを有して電気的な無段変速機として作動可能な無段変速部と、前記動力伝達経路の一部を構成する変速部とを備えた車両用駆動装置の制御装置であって、
前記差動機構に備えられ、前記無段変速部を電気的な無段変速作動可能な無段変速状態と前記無段変速部を電気的な無段変速作動しない非無段変速状態とに選択的に切り換えるための差動状態切換装置と、
所定の車両走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが必要なときには、前記無段変速部と前記変速部とで形成される総合変速比を所定の車両走行時に比較して低車速側に設定する変速制御手段と、
前記変速制御手段により総合変速比が所定の車両走行時に比較して低車速側に設定されたときに、必要な車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られない場合には、或いは前記第1電動機および/または第2電動機の負荷トルクが許容範囲でない場合には、前記無段変速部を無段変速状態から非無段変速状態へ切り換える切換制御手段と
を、含むことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
【請求項2】
前記所定の車両走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが必要なときとは、登坂路走行時或いは降坂路走行時である請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動作用が作動可能な差動機構と電動機とを備える車両用駆動装置に係り、特に、電動機などを小型化する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンの出力を第1電動機および出力軸へ分配する差動機構と、その差動機構の出力軸と駆動輪との間に設けられた第2電動機とを、備えた車両用駆動装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両用駆動装置がそれである。このようなハイブリッド車両用駆動装置では、差動機構が例えば遊星歯車装置で構成され、その差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪へ機械的に伝達し、そのエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより変速比が連続的に変更される変速機として機能させられ、例えば電気的な無段変速機として機能させられ、エンジンを最適な作動状態に維持しつつ車両を走行させるように制御装置により制御されて燃費が向上させられる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−127679号公報
【特許文献2】特開2001−339805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、無段変速機は車両の燃費を良くする装置として知られている一方、有段式自動変速機のような歯車式伝動装置は伝達効率が良い装置として知られている。しかし、それ等の長所を兼ね備えた動力伝達機構は未だ存在しなかった。例えば、上記特許文献1に示すようなハイブリッド車両用駆動装置では、第1電動機から第2電動機への電気エネルギの電気パスすなわち車両の駆動力の一部を電気エネルギで伝送する伝送路を含むため、エンジンの高出力化に伴ってその第1電動機を大型化させねばならないとともに、その第1電動機から出力される電気エネルギにより駆動される第2電動機も大型化させねばならないので、駆動装置が大きくなるという問題があった。或いは、エンジンの出力の一部が一旦電気エネルギに変換されて駆動輪に伝達されるので、高速走行などのような車両の走行条件によってはかえって燃費が悪化する可能性があった。上記動力分配機構が電気的に変速比が変更される変速機例えば電気的CVTと称されるような無段変速機として使用される場合も、同様の課題があった。
【0005】
ところで、上述したようなハイブリッド車両用駆動装置では、高駆動トルクが要求された場合に対する第2電動機の必要容量を小さくして、その第2電動機を小型化するために、差動機構(電気的な無段変速機)の出力部材と駆動輪との間の動力伝達経路に有段変速機が備えられるものも良く知られている。このような車両用駆動装置では、電気的な無段変速機と有段変速機との2つの変速機構を介して駆動力源の出力を駆動輪へ伝達すると共に、それらの変速機構の各変速比に基づいてその駆動装置の総合変速比が形成される。
【0006】
また、一般に、有段変速機を単独で備える車両用駆動装置では、平坦路走行時に比較して大きな車両駆動力或いはエンジンブレーキが必要な時には、例えば登降坂走行時には、必要な車両駆動力やエンジンブレーキを得る為に、平坦路走行時に比較して変速比が相対的に大きな低車速側変速比(ローギヤ)が設定される。これによって、平坦路走行時に比較して高車速側までローギヤが維持されることになり、アップシフトが抑制されてビジーシフトが防止される。
【0007】
このことは、上述したような電気的な無段変速機と有段変速機との各変速比に基づいて駆動装置の総合変速比が形成される場合も同じであり、例えば登降坂走行時には、平坦路走行時に比較して低車速側の総合変速比が設定されることによりアップシフトが抑制されてビジーシフトが防止される。
【0008】
しかしながら、上記電気的な無段変速機では、電気的CVTとして機能させる為に、第1電動機においてエンジントルクに応じた反力トルクを受け持つ必要があることから、登坂走行時のように高負荷での走行となるような場合には受け持つ反力トルク(負荷トルク)が増大する為、第1電動機の性能によっては駆動力不足となる可能性があった。見方を換えれば、登坂走行時に駆動力不足とならないようにするには、第1電動機を大型化する必要があった。
【0009】
また、降坂走行時には第2電動機を発電機として作動させて車両の運動エネルギを電気エネルギに変換して蓄電装置に回収すると共に、その第2電動機の発電抵抗によって回生制動が行われて必要な駆動力源ブレーキが得られる。しかしながら、アップシフトが抑制されることで第2電動機の負荷トルクが増大する可能性があった。また、蓄電装置の満充電などにより回生量が増やせない場合には、必要な駆動力源ブレーキが得られない可能性があった。
【0010】
このようなことから、前記特許文献1に記載されたハイブリッド車両用駆動装置の課題を解決できるような駆動装置に自動変速機が更に備えられるような車両用駆動装置において、必要な駆動力や駆動力源ブレーキが得られると共にビジーシフトが防止されることが望まれる。
【0011】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンの出力を第1電動機および伝達部材へ分配する差動機構と伝達部材から駆動輪への動力伝達経路に設けられた第2電動機とを有する電気的な無段変速部と、その動力伝達経路の一部を構成する変速機とを備える車両用駆動装置の制御装置において、その駆動装置を小型化できたり、或いはまた燃費が向上させられると共に、ビジーシフトが防止される制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) エンジンの出力を第1電動機および伝達部材へ分配する差動機構と該伝達部材から駆動輪への動力伝達経路に設けられた第2電動機とを有して電気的な無段変速機として作動可能な無段変速部と、前記動力伝達経路の一部を構成する変速部とを備えた車両用駆動装置の制御装置であって、(b) 前記差動機構に備えられ、前記無段変速部を電気的な無段変速作動可能な無段変速状態と前記無段変速部を電気的な無段変速作動しない非無段変速状態とに選択的に切り換えるための差動状態切換装置と、(c) 所定の車両走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが必要なときには、前記無段変速部と前記変速部とで形成される総合変速比を所定の車両走行時に比較して低車速側に設定する変速制御手段と、(d) 前記変速制御手段により総合変速比が所定の車両走行時に比較して低車速側に設定されたときに、必要な車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られない場合には、或いは前記第1電動機および/または第2電動機の負荷トルクが許容範囲でない場合には、前記無段変速部を無段変速状態から非無段変速状態へ切り換える切換制御手段とを、含むことにある。
【発明の効果】
【0013】
このようにすれば、差動状態切換装置により車両の駆動装置内の無段変速部が、電気的な無段変速作動可能な無段変速状態とその電気的な無段変速作動しない非無段変速状態例えば有段変速状態とに選択的に切り換えられることから、電気的に変速比が変更させられる変速機の燃費改善効果と機械的に動力を伝達する歯車式伝動装置の高い伝達効率との両長所を兼ね備えた駆動装置が得られる。
【0014】
例えば、車両の低中速走行および低中出力走行となるようなエンジンの常用出力域において上記無段変速部が無段変速状態とされると、車両の燃費性能が確保される。また、高速走行において無段変速部が非無段変速状態とされると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、電気的に変速比が変更させられる変速機として作動させる場合に発生する動力と電気エネルギとの間の変換損失が抑制されるので、燃費が向上させられる。また、高出力走行において無段変速部を非無段変速状態とされると、電気的に変速比が変更させられる変速機として作動させる領域が車両の低中速走行および低中出力走行となって、電動機が発生すべき電気的エネルギ換言すれば電動機が伝える電気的エネルギの最大値を小さくできるので、その電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。
【0015】
また、前記無段変速状態と前記非無段変速状態とに切換え可能に構成される無段変速部を備えた上記車両用駆動装置において、所定の車両走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが必要なときであって、変速制御手段により総合変速比が所定の車両走行時に比較して低車速側に設定されたときに、必要な車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られない場合には、或いは前記第1電動機および/または第2電動機の負荷トルクが許容範囲でない場合には、切換制御手段により前記無段変速部が無段変速状態から非無段変速状態へ切り換えられるので、エンジンの出力トルク(以下、エンジントルクという)に応じた反力トルクを第1電動機が受け持つ必要が無くなって第1電動機のトルク容量に拘わらず大きなエンジントルクが発生させられ得て必要な駆動力が得られる。また、エンジンの回転速度が車速に拘束されることから車速と総合変速比とに応じたエンジンブレーキトルクが発生させられ得て第2電動機による回生トルクを大きくすることなく必要な駆動力源ブレーキが得られる。つまり、第1電動機および第2電動機の負荷トルクが許容範囲を超えることなく、所定の車両走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られると共にビジーシフトが防止される。
【0016】
ここで、請求項2にかかる発明では、前記所定の車両走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが必要なときとは、登坂路走行時或いは降坂路走行時である。このようにすれば、登坂路走行時或いは降坂路走行時に、必要な車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここで、好適には、前記無段変速部は、前記差動状態切換装置により前記差動機構が差動作用が働く差動状態とされることで電気的な無段変速作動可能な無段変速状態とされ、差動機構がその差動作用をしない非差動状態例えばロック状態とされて差動作用が制限されることで電気的な無段変速作動しない非無段変速状態例えば有段変速状態とされて電気的な無段変速機としての作動が制限されるものである。このようにすれば、無段変速部が、無段変速状態と非無段変速状態とに切り換えられる。
【0018】
また、好適には、前記差動機構は、前記エンジンに連結された第1要素と前記第1電動機に連結された第2要素と前記伝達部材に連結された第3要素とを有するものであり、前記差動状態切換装置は、前記差動機構を差動状態とするために第1要素乃至第3要素を相互に相対回転可能とする、例えば差動機構を差動状態とするために少なくとも第2要素および第3要素を互いに異なる速度にて回転可能とするものである。また、差動状態切換装置は、差動機構を非差動状態例えばロック状態とするために少なくとも第2要素および第3要素を互いに異なる速度にて回転可能としない、例えば差動機構を非差動状態例えばロック状態とするために第1要素乃至第3要素を共に一体回転させるか或いは第2要素を非回転状態とするものである。このようにすれば、差動機構が差動状態と非差動状態とに切り換えられるように構成される。
【0019】
また、好適には、前記差動状態切換装置は、前記第1要素乃至第3要素を共に一体回転させるために第1要素乃至第3要素のうちの少なくとも2つを相互に連結するクラッチおよび/または第2要素を非回転状態とするために第2要素を非回転部材に連結するブレーキを備えたものである。このようにすれば、差動機構が差動状態と非差動状態とに簡単に切り換えられるように構成される。
【0020】
また、好適には、前記差動機構は、前記クラッチおよび前記ブレーキの解放により少なくとも前記第2要素および前記第3要素が互いに異なる速度にて回転可能な差動状態とされて電気的な差動装置とされ、前記クラッチの係合により変速比が1である変速機とされるか、或いは前記ブレーキの係合により変速比が1より小さい増速変速機とされるものである。このようにすれば、差動機構が差動状態と非差動状態とに切り換えられるように構成されると共に、単段または複数段の定変速比を有する変速機としても構成され得る。
【0021】
また、好適には、前記差動機構動は遊星歯車装置であり、前記第1要素はその遊星歯車装置のキャリヤであり、前記第2要素はその遊星歯車装置のサンギヤであり、前記第3要素はその遊星歯車装置のリングギヤである。このようにすれば、前記差動機構の軸方向寸法が小さくなる。また、差動機構が1つの遊星歯車装置によって簡単に構成され得る。
【0022】
また、好適には、前記遊星歯車装置はシングルピニオン型遊星歯車装置である。このようにすれば、前記差動機構の軸方向寸法が小さくなる。また、差動機構が1つのシングルピニオン型遊星歯車装置によって簡単に構成される。
【0023】
また、好適には、前記無段変速部の変速比と前記変速部の変速比とに基づいて前記駆動装置の総合変速比が形成されるので、その変速部の変速比を利用することによって駆動力が幅広く得られるようになる。また、これによって、無段変速部における無段変速制御の効率が一層高められる。或いはまた、第2電動機が前記伝達部材に連結され、且つ変速部が形成される変速比が1より大きい減速変速機とされると、第2電動機の出力トルクは変速部の出力軸に対して低トルクの出力でよいので、第2電動機が小型化され得る。また、無段変速部の無段変速状態において、無段変速部と変速部とで無段変速機が構成され、無段変速部の非無段変速状態において、無段変速部と変速部とで有段変速機が構成され得る。
【0024】
また、前記変速部は、有段の自動変速機である。このようにすれば、前記総合変速比が変速部の変速に伴って段階的に変化させられ得るので、総合変速比が連続的に変化させられることに比較して速やかに変化させられ得る。よって、駆動装置が無段変速機として機能させられて滑らかに駆動トルクを変化させることが可能であると共に、段階的に変速比を変化させて速やかに駆動トルクを得ることも可能となる。
【0025】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の一実施例である制御装置が適用されるハイブリッド車両の駆動装置の一部を構成する変速機構10を説明する骨子図である。図1において、変速機構10は車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、ケース12という)内において共通の軸心上に配設された入力回転部材としての入力軸14と、この入力軸14に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパー(振動減衰装置)などを介して間接に連結された無段変速部としての差動部11と、その差動部11と駆動輪38との間の動力伝達経路で伝達部材(伝動軸)18を介して直列に連結されている変速部として有段式の変速機として機能する自動変速部20と、この自動変速部20に連結されている出力回転部材としての出力軸22とを直列に備えている。この変速機構10は、例えば車両において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、入力軸14に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパーを介して直接的に連結された走行用の駆動力源として例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジン8と一対の駆動輪38(図5参照)との間に設けられて、エンジン8からの動力を動力伝達経路の一部を構成する差動歯車装置(終減速機)36および一対の車軸等を順次介して一対の駆動輪38へ伝達する。
【0027】
このように、本実施例の変速機構10においてはエンジン8と差動部11とは直結されている。この直結にはトルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく連結されているということであり、例えば上記脈動吸収ダンパーなどを介する連結はこの直結に含まれる。なお、変速機構10はその軸心に対して対称的に構成されているため、図1の骨子図においてはその下側が省略されている。以下の各実施例についても同様である。
【0028】
差動部11は、第1電動機M1と、入力軸14に入力されたエンジン8の出力を機械的に分配する機械的機構であってエンジン8の出力を第1電動機M1および伝達部材18に分配する差動機構としての動力分配機構16と、伝達部材18と一体的に回転するように設けられている第2電動機M2とを備えている。なお、この第2電動機M2は伝達部材18から駆動輪38までの間の動力伝達経路を構成するいずれの部分に設けられてもよい。本実施例の第1電動機M1および第2電動機M2は発電機能をも有する所謂モータジェネレータであるが、第1電動機M1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備え、第2電動機M2は走行用の駆動力源として駆動力を出力するためのモータ(電動機)機能を少なくとも備える。
【0029】
動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24と、切換クラッチC0および切換ブレーキB0とを主体的に備えている。この第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1である。
【0030】
この動力分配機構16においては、第1キャリヤCA1は入力軸14すなわちエンジン8に連結され、第1サンギヤS1は第1電動機M1に連結され、第1リングギヤR1は伝達部材18に連結されている。また、切換ブレーキB0は第1サンギヤS1とケース12との間に設けられ、切換クラッチC0は第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1との間に設けられている。それら切換クラッチC0および切換ブレーキB0が解放されるとすなわち解放状態へ切り換えられると、動力分配機構16は第1遊星歯車装置24の3要素である第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が作動可能なすなわち差動作用が働く差動状態とされることから、エンジン8の出力が第1電動機M1と伝達部材18とに分配されるとともに、分配されたエンジン8の出力の一部で第1電動機M1から発生させられた電気エネルギで蓄電されたり第2電動機M2が回転駆動されるので、差動部11(動力分配機構16)は電気的な差動装置として機能させられて例えば差動部11は所謂無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、エンジン8の所定回転に拘わらず伝達部材18の回転が連続的に変化させられる。すなわち、動力分配機構16が差動状態とされると差動部11も差動状態とされ、差動部11はその変速比γ0(入力軸14の回転速度N14/伝達部材18の回転速度N18)が最小値γ0min から最大値γ0max まで連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する無段変速状態とされる。
【0031】
この状態で、上記切換クラッチC0或いは切換ブレーキB0が係合されるとすなわち係合状態へ切り換えられると、動力分配機構16は前記差動作用をしないすなわち差動作用が不能な非差動状態とされる。具体的には、上記切換クラッチC0が係合されて第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とが一体的に連結されると、動力分配機構16は第1遊星歯車装置24の3要素である第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1が共に回転すなわち一体回転させられる連結状態すなわちロック状態とされて前記差動作用をしない非差動状態とされることから、差動部11も非差動状態とされる。また、エンジン8の回転と伝達部材18の回転速度(以下、伝達部材回転速度N18)とが一致する状態となるので、差動部11(動力分配機構16)は変速比γ0が「1」に固定された変速機として機能する非無段変速状態例えば定変速状態すなわち有段変速状態とされる。
【0032】
次いで、上記切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合されて第1サンギヤS1がケース12に連結されると、動力分配機構16は第1サンギヤS1が非回転状態とさせられる連結状態すなわちロック状態とされて前記差動作用をしない非差動状態とされることから、差動部11も非差動状態とされる。また、第1リングギヤR1は第1キャリヤCA1よりも増速回転されるので、動力分配機構16は増速機構として機能するものであり、差動部11(動力分配機構16)は変速比γ0が「1」より小さい値例えば0.7程度に固定された増速変速機として機能する非無段変速状態例えば定変速状態すなわち有段変速状態とされる。
【0033】
このように、本実施例では、上記切換クラッチC0および切換ブレーキB0は、差動部11(動力分配機構16)の変速状態を差動状態すなわち非ロック状態(非連結状態)と非差動状態すなわちロック状態(連結状態)とに、すなわち差動部11(動力分配機構16)を電気的な差動装置として作動可能な差動状態例えば変速比が連続的変化可能な電気的な無段変速機として作動する無段変速作動可能な無段変速状態と、電気的な無段変速作動しない非無段変速状態例えば電気的な無段変速機として作動させず無段変速作動を非作動として変速比変化を一定にロックするロック状態すなわち1または2種類以上の変速比の単段または複数段の変速機として作動する電気的な無段変速作動しないすなわち電気的な無段変速作動不能な定変速状態(非差動状態)、換言すれば変速比が一定の1段または複数段の変速機として作動する定変速状態とに選択的に切換える差動状態切換装置として機能している。
【0034】
別の見方をすれば、切換クラッチC0および切換ブレーキB0は、動力分配機構16を非差動状態として動力分配機構16の差動作用を制限することにより、差動部11を非無段変速状態として差動部11の電気的な差動装置としての作動を制限する、すなわち電気的な無段変速機としての作動を制限する差動制限装置として機能している。また、切換クラッチC0および切換ブレーキB0は、動力分配機構16を差動状態として動力分配機構16の差動作用を制限しないことにより、差動部11を無段変速状態として差動部11の電気的な差動装置としての作動を制限しない、すなわち電気的な無段変速機としての作動を制限しない。
【0035】
自動変速部20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置30を備え、有段式の自動変速機として機能する。第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
【0036】
自動変速部20では、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第2キャリヤCA2は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第4リングギヤR4は第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とが一体的に連結されて出力軸22に連結され、第3リングギヤR3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。このように、自動変速部20と差動部11(伝達部材18)とは自動変速部20の変速段を成立させるために用いられる第1クラッチC1または第2クラッチC2を介して選択的に連結されている。別の見方をすれば、第1クラッチC1および第2クラッチC2は、差動部11から自動変速部20内への動力伝達経路を、言い換えれば差動部11から駆動輪38への動力伝達経路を、その動力伝達経路の動力伝達を可能とする動力伝達可能状態とその動力伝達経路の動力伝達を遮断する動力伝達遮断状態とに選択的に切り換える係合装置として機能している。つまり、第1クラッチC1および第2クラッチC2の少なくとの一方が係合されることでその動力伝達経路が動力伝達可能状態とされ、或いは第1クラッチC1および第2クラッチC2が解放されることでその動力伝達経路が動力伝達遮断状態とされる。
【0037】
前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3(以下、特に区別しない場合はクラッチC、ブレーキBと表す)は、従来の車両用自動変速機においてよく用いられている係合要素としての油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
【0038】
以上のように構成された変速機構10において、特に、本実施例では動力分配機構16に切換クラッチC0および切換ブレーキB0が備えられており、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかが係合作動させられることによって、差動部11は前述した無段変速機として作動可能な無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動可能な非無段変速状態(定変速状態)を構成することが可能とされている。したがって、変速機構10では、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで定変速状態とされた差動部11と自動変速部20とで有段変速機として作動する有段変速状態が構成され、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態とされた差動部11と自動変速部20とで電気的な無段変速機として作動する無段変速状態が構成される。言い換えれば、変速機構10は、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで有段変速状態に切り換えられ、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態に切り換えられる。また、差動部11も有段変速状態と無段変速状態とに切り換え可能な変速機であると言える。
【0039】
具体的には、差動部11が非無段変速状態とされて変速機構10が有段変速機として機能する場合には、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかが係合させられ、且つ第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、すなわち自動変速部20の変速に関与する係合装置の解放と係合とにより、例えば変速に関与する解放側の油圧式摩擦係合装置(以下解放側係合装置)の解放と変速に関与する係合側の油圧式摩擦係合装置(以下係合側係合装置)の係合とにより変速比が自動的に切り換えられるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第5速ギヤ段(第5変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)或いはニュートラルが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速機構10の総合変速比γT(=入力軸回転速度N14/出力軸回転速度NOUT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。この変速機構10の総合変速比γTは、差動部11の変速比γ0と自動変速部20の変速比γとに基づいて形成される変速機構10全体としてのトータル変速比γTである。
【0040】
例えば、変速機構10が有段変速機として機能する場合には、図2の係合作動表に示されるように、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により、変速比γ1が最大値例えば「3.357」程度である第1速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「2.180」程度である第2速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.424」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0の係合により、変速比γ5が第4速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により、変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「3.209」程度である後進ギヤ段が成立させられる。なお、この後進ギヤ段は、通常、差動部11の無段変速状態において成立させられる。また、ニュートラル「N」状態とする場合には、例えば切換クラッチC0のみが係合される。
【0041】
また、差動部11が無段変速状態とされて変速機構10が無段変速機として機能する場合には、切換クラッチC0および切換ブレーキB0が共に解放されて差動部11が無段変速機として機能し、且つ差動部11に直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、自動変速部20の少なくとも1つの変速段Mに対して自動変速部20に入力される回転速度(以下、自動変速部20の入力回転速度NIN)すなわち伝達部材回転速度N18が無段的に変化させられてその変速段Mにおいて無段的な変速比幅が得られる。したがって、変速機構10のトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
【0042】
例えば、変速機構10が無段変速機として機能する場合には、図2の係合作動表に示されるように、切換クラッチC0および切換ブレーキB0が共に解放された状態で、自動変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速(第5速における自動変速部20の係合装置の係合作動は第4速に同じ)の各ギヤ段に対しその自動変速部20の入力回転速度NINが無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって、変速機構10全体としてのトータル変速比γTが無段階に得られる。
【0043】
図3は、無段変速部或いは第1変速部として機能する差動部11と変速部(有段変速部)或いは第2変速部として機能する自動変速部20とから構成される変速機構10において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。この図3の共線図は、各遊星歯車装置24、26、28、30のギヤ比ρの関係を示す横軸と、相対的回転速度を示す縦軸とから成る二次元座標であり、3本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸14に連結されたエンジン8の回転速度Nを示し、横線XGが伝達部材回転速度N18を示している。
【0044】
また、差動部11を構成する動力分配機構16の3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素(第2要素)RE2に対応する第1サンギヤS1、第1回転要素(第1要素)RE1に対応する第1キャリヤCA1、第3回転要素(第3要素)RE3に対応する第1リングギヤR1の相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ1に応じて定められている。さらに、自動変速部20の5本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2および第3サンギヤS3を、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第2キャリヤCA2を、第6回転要素(第6要素)RE6に対応する第4リングギヤR4を、第7回転要素(第7要素)RE7に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2、第3キャリヤCA3、第4キャリヤCA4を、第8回転要素(第8要素)RE8に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3、第4サンギヤS4をそれぞれ表し、それらの間隔は第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30のギヤ比ρ2、ρ3、ρ4に応じてそれぞれ定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリヤとリングギヤとの間が遊星歯車装置のギヤ比ρに対応する間隔とされる。すなわち、差動部11では縦線Y1とY2との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ1に対応する間隔に設定される。また、自動変速部20では各第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30毎にそのサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔に設定され、キャリヤとリングギヤとの間がρに対応する間隔に設定される。
【0045】
上記図3の共線図を用いて表現すれば、本実施例の変速機構10は、動力分配機構16(差動部11)において、第1遊星歯車装置24の第1回転要素RE1(第1キャリヤCA1)が入力軸14すなわちエンジン8に連結されるとともに切換クラッチC0を介して第2回転要素(第1サンギヤS1)RE2と選択的に連結され、第2回転要素RE2が第1電動機M1に連結されるとともに切換ブレーキB0を介してケース12に選択的に連結され、第3回転要素(第1リングギヤR1)RE3が伝達部材18および第2電動機M2に連結されて、入力軸14の回転を伝達部材18を介して自動変速部20へ伝達する(入力させる)ように構成されている。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により第1サンギヤS1の回転速度と第1リングギヤR1の回転速度との関係が示される。
【0046】
例えば、上記切換クラッチC0および切換ブレーキB0の解放により、第1回転要素RE1乃至第3回転要素RE3を相互に相対回転可能とする無段変速状態(差動状態)、例えば少なくとも第2回転要素RE2および第3回転要素RE3を互いに異なる速度にて回転可能とする無段変速状態(差動状態)に切換えられたときは、第1電動機M1の回転速度を制御することによって直線L0と縦線Y1との交点で示される第1サンギヤS1の回転が上昇或いは下降させられると、直線L0と縦線Y3との交点で示される車速Vに拘束される第1リングギヤR1の回転速度が略一定である場合には、直線L0と縦線Y2との交点で示される第1キャリヤCA1の回転速度すなわちエンジン回転速度Nが上昇或いは下降させられる。
【0047】
また、切換クラッチC0の係合により第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とが連結されると、動力分配機構16は上記3回転要素RE1、RE2、RE3が一体回転して少なくとも第2回転要素RE2および第3回転要素RE3を互いに異なる速度にて回転可能としない非差動状態とされるので、直線L0は横線X2と一致させられ、エンジン回転速度Nと同じ回転で伝達部材18が回転させられる。或いは、切換ブレーキB0の係合により第1サンギヤS1がケース12に連結されると、動力分配機構16は第2回転要素RE2の回転が停止させられて少なくとも第2回転要素RE2および第3回転要素RE3を互いに異なる速度にて回転可能としない非差動状態とされるので、直線L0は図3に示す状態となって差動部11が増速機構として機能させられ、その直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1の回転速度すなわち伝達部材回転速度N18は、エンジン回転速度Nよりも増速された回転で自動変速部20へ入力される。
【0048】
また、自動変速部20において第4回転要素RE4は第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第5回転要素RE5は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第6回転要素RE6は第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結され、第7回転要素RE7は出力軸22に連結され、第8回転要素RE8は第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
【0049】
自動変速部20では、図3に示すように、第1クラッチC1と第3ブレーキB3とが係合させられることにより、第8回転要素RE8の回転速度を示す縦線Y8と横線X2との交点と第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第1速の出力軸22の回転速度が示される。同様に、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第2速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L3と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第3速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L4と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第4速の出力軸22の回転速度が示される。上記第1速乃至第4速では、切換クラッチC0が係合させられている結果、エンジン回転速度Nと同じ回転速度で第8回転要素RE8に差動部11すなわち動力分配機構16からの動力が入力される。しかし、切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合させられると、差動部11からの動力がエンジン回転速度Nよりも高い回転速度で入力されることから、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0が係合させられることにより決まる水平な直線L5と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第5速の出力軸22の回転速度が示される。
【0050】
図4は、本実施例の変速機構10を制御するための電子制御装置40に入力される信号及びその電子制御装置40から出力される信号を例示している。この電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン8、第1、第2電動機M1、M2に関するハイブリッド駆動制御、自動変速部20の変速制御等の駆動制御を実行するものである。
【0051】
電子制御装置40には、図4に示すような各センサやスイッチなどから、エンジン水温TEMPを表す信号、シフトポジションPSHを表す信号、エンジン8の回転速度であるエンジン回転速度Nを表す信号、ギヤ比列設定値を表す信号、Mモード(手動変速走行モード)を指令する信号、エアコンの作動を表す信号、出力軸22の回転速度NOUTに対応する車速Vを表す信号、自動変速部20の作動油温TOILを表す信号、サイドブレーキ操作を表す信号、フットブレーキ操作を表す信号、触媒温度を表す信号、運転者の出力要求量に対応するアクセルペダルの操作量であるアクセル開度Accを表す信号、カム角を表す信号、スノーモード設定を表す信号、車両の前後加速度Gを表す信号、オートクルーズ走行を表す信号、車両の重量(車重)を表す信号、各車輪の車輪速を表す信号、変速機構10を有段変速機として機能させるために差動部11(動力分配機構16)を有段変速状態(ロック状態)に切り換えるための有段スイッチ操作の有無を表す信号、変速機構10を無段変速機として機能させるために差動部11(動力分配機構16)を無段変速状態(差動状態)に切り換えるための無段スイッチ操作の有無を表す信号、第1電動機M1の回転速度NM1(以下、第1電動機回転速度NM1という)を表す信号、第2電動機M2の回転速度NM2(以下、第2電動機回転速度NM2という)を表す信号、蓄電装置60(図5参照)の充電容量(充電状態)SOCを表す信号などが、それぞれ供給される。
【0052】
また、上記電子制御装置40からは、エンジン出力を制御するエンジン出力制御装置43(図5参照)への制御信号例えばエンジン8の吸気管95に備えられた電子スロットル弁96のスロットル弁開度θTHを操作するスロットルアクチュエータ97への駆動信号や燃料噴射装置98による吸気管95或いはエンジン8の筒内への燃料供給量を制御する燃料供給量信号や点火装置99によるエンジン8の点火時期を指令する点火信号、過給圧を調整するための過給圧調整信号、電動エアコンを作動させるための電動エアコン駆動信号、電動機M1およびM2の作動を指令する指令信号、シフトインジケータを作動させるためのシフトポジション(操作位置)表示信号、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号、制動時の車輪のスリップを防止するABSアクチュエータを作動させるためのABS作動信号、Mモードが選択されていることを表示させるMモード表示信号、差動部11や自動変速部20の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路42(図5参照)に含まれる電磁弁を作動させるバルブ指令信号、この油圧制御回路42の油圧源である電動油圧ポンプを作動させるための駆動指令信号、電動ヒータを駆動するための信号、クルーズコントロール制御用コンピュータへの信号等が、それぞれ出力される。
【0053】
図5は、電子制御装置40による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図5において、有段変速制御手段54は、例えば記憶手段56に予め記憶された図6の実線および一点鎖線に示す変速線図(関係、変速マップ)から車速Vおよび自動変速部20の要求出力トルクTOUTで示される車両状態に基づいて、変速機構10の変速を実行すべきか否かを判断し、例えば自動変速部20の変速すべき変速段を判断し、その判断した変速段が得られるように自動変速部20の自動変速制御を実行する。このとき、有段変速制御手段54は、例えば図2に示す係合表に従って変速段が達成されるように、切換クラッチC0および切換ブレーキB0を除いた自動変速部20の変速に関与する油圧式摩擦係合装置を係合および/または解放させる指令(変速出力指令、油圧指令)を、すなわち自動変速部20の変速に関与する解放側係合装置を解放すると共に係合側係合装置を係合することによりクラッチツウクラッチ変速を実行させる指令を油圧制御回路42へ出力する。油圧制御回路42は、その指令に従って、例えば変速に関与する解放側係合装置を解放すると共に、変速に関与する係合側係合装置を係合して自動変速部20の変速が実行されるように、油圧制御回路42内の電磁弁を作動させてその変速に関与する油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを作動させる。
【0054】
ハイブリッド制御手段52は、無段変速制御手段として機能するものであり、変速機構10の無段変速状態すなわち差動部11の差動状態においてエンジン8を効率のよい作動域で作動させる一方で、エンジン8と第2電動機M2との駆動力の配分や第1電動機M1の発電による反力を最適になるように変化させて差動部11の電気的な無段変速機としての変速比γ0を制御する。例えば、そのときの走行車速において、運転者の出力要求量としてのアクセル開度Accや車速Vから車両の目標(要求)出力を算出し、その車両の目標出力と充電要求値から必要なトータル目標出力を算出し、そのトータル目標出力が得られるように伝達損失、補機負荷、第2電動機M2のアシストトルク等を考慮して目標エンジン出力を算出し、その目標エンジン出力が得られるエンジン回転速度NとエンジントルクTとなるようにエンジン8を制御するとともに第1電動機M1の発電量を制御する。
【0055】
ハイブリッド制御手段52は、その制御を動力性能や燃費向上などのために自動変速部20の変速段を考慮して実行する。このようなハイブリッド制御では、エンジン8を効率のよい作動域で作動させるために定まるエンジン回転速度Nと車速Vおよび自動変速部20の変速段で定まる伝達部材回転速度N18とを整合させるために、差動部11が電気的な無段変速機として機能させられる。すなわち、ハイブリッド制御手段52は、エンジン回転速度Nとエンジン8の出力トルク(エンジントルク)Tとで構成される二次元座標内において無段変速走行の時に運転性と燃費性とを両立するように予め実験的に求められて例えば記憶手段56に記憶された図7の破線に示すようなエンジン8の最適燃費率曲線(燃費マップ、関係)に沿ってエンジン8が作動させられるように、例えば目標出力(トータル目標出力、要求駆動力)を充足するために必要なエンジン出力を発生するためのエンジントルクTとエンジン回転速度Nとなるように、変速機構10のトータル変速比γTの目標値を定め、その目標値が得られるように自動変速部20の変速段を考慮して差動部11の変速比γ0を制御し、トータル変速比γTをその変速可能な変化範囲内例えば13〜0.5の範囲内で制御する。
【0056】
このとき、ハイブリッド制御手段52は、第1電動機M1により発電された電気エネルギをインバータ58を通して蓄電装置60や第2電動機M2へ供給するので、エンジン8の動力の主要部は機械的に伝達部材18へ伝達されるが、エンジン8の動力の一部は第1電動機M1の発電のために消費されてそこで電気エネルギに変換され、インバータ58を通してその電気エネルギが第2電動機M2へ供給され、その第2電動機M2が駆動されて第2電動機M2から伝達部材18へ伝達される。この電気エネルギの発生から第2電動機M2で消費されるまでに関連する機器により、エンジン8の動力の一部を電気エネルギに変換し、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成される。
【0057】
また、ハイブリッド制御手段52は、車両の停止中又は走行中に拘わらず、差動部11の電気的CVT機能によって第1電動機回転速度NM1および/または第2電動機回転速度NM2を制御してエンジン回転速度Nを略一定に維持したり任意の回転速度に回転制御させられる。言い換えれば、ハイブリッド制御手段52は、エンジン回転速度Nを略一定に維持したり任意の回転速度に制御しつつ第1電動機回転速度NM1および/または第2電動機回転速度NM2を任意の回転速度に回転制御することができる。
【0058】
例えば、図3の共線図からもわかるようにハイブリッド制御手段52は車両走行中にエンジン回転速度Nを引き上げる場合には、車速V(駆動輪38)に拘束される第2電動機回転速度NM2を略一定に維持しつつ第1電動機回転速度NM1の引き上げを実行する。また、ハイブリッド制御手段52は自動変速部20の変速中にエンジン回転速度Nを略一定に維持する場合には、エンジン回転速度Nを略一定に維持しつつ自動変速部20の変速に伴う第2電動機回転速度NM2の変化とは反対方向に第1電動機回転速度NM1を変化させる。
【0059】
また、ハイブリッド制御手段52は、スロットル制御のためにスロットルアクチュエータ97により電子スロットル弁96を開閉制御させる他、燃料噴射制御のために燃料噴射装置98による燃料噴射量や噴射時期を制御させ、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置99による点火時期を制御させる指令を単独で或いは組み合わせてエンジン出力制御装置43に出力して、必要なエンジン出力を発生するようにエンジン8の出力制御を実行するエンジン出力制御手段を機能的に備えている。例えば、ハイブリッド制御手段52は、基本的には図示しない予め記憶された関係からアクセル開度Accに基づいてスロットルアクチュエータ60を駆動し、アクセル開度Accが増加するほどスロットル弁開度θTHを増加させるようにスロットル制御を実行する。また、このエンジン出力制御装置43は、ハイブリッド制御手段52による指令に従って、スロットル制御のためにスロットルアクチュエータ97により電子スロットル弁96を開閉制御する他、燃料噴射制御のために燃料噴射装置98による燃料噴射を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置99による点火時期を制御するなどしてエンジントルク制御を実行する。
【0060】
また、ハイブリッド制御手段52は、エンジン8の停止又はアイドル状態に拘わらず、差動部11の電気的CVT機能(差動作用)によってモータ走行させることができる。例えば、前記図6の実線Aは、車両の発進/走行用(以下、走行用という)の駆動力源をエンジン8と電動機例えば第2電動機M2とで切り換えるための、言い換えればエンジン8を走行用の駆動力源として車両を発進/走行(以下、走行という)させる所謂エンジン走行と第2電動機M2を走行用の駆動力源として車両を走行させる所謂モータ走行とを切り換えるための、エンジン走行領域とモータ走行領域との境界線である。この図6に示すエンジン走行とモータ走行とを切り換えるための境界線(実線A)を有する予め記憶された関係は、車速Vと駆動力関連値である出力トルクTOUTとをパラメータとする二次元座標で構成された駆動力源切換線図(駆動力源マップ)の一例である。この駆動力源切換線図は、例えば同じ図6中の実線および一点鎖線に示す変速線図(変速マップ)と共に記憶手段56に予め記憶されている。
【0061】
そして、ハイブリッド制御手段52は、例えば図6の駆動力源切換線図から車速Vと要求出力トルクTOUTとで示される車両状態に基づいてモータ走行領域とエンジン走行領域との何れであるかを判断してモータ走行或いはエンジン走行を実行する。このように、ハイブリッド制御手段52によるモータ走行は、図6から明らかなように一般的にエンジン効率が高トルク域に比較して悪いとされる比較的低出力トルクTOUT域すなわち低エンジントルクT域、或いは車速Vの比較的低車速域すなわち低負荷域で実行される。よって、通常はモータ発進がエンジン発進に優先して実行されるが、例えば車両発進時に図6の駆動力源切換線図のモータ走行領域を超える要求出力トルクTOUTすなわち要求エンジントルクTとされる程大きくアクセルペダルが踏込操作されるような車両状態によってはエンジン発進も通常実行されるものである。
【0062】
ハイブリッド制御手段52は、このモータ走行時には、停止しているエンジン8の引き摺りを抑制して燃費を向上させるために、差動部11の電気的CVT機能(差動作用)によって、第1電動機回転速度NM1を負の回転速度で制御例えば空転させて、差動部11の差動作用により必要に応じてエンジン回転速度Nを零乃至略零に維持する。
【0063】
また、ハイブリッド制御手段52は、エンジン走行領域であっても、上述した電気パスによる第1電動機M1からの電気エネルギおよび/または蓄電装置60からの電気エネルギを第2電動機M2へ供給し、その第2電動機M2を駆動して駆動輪38にトルクを付与することにより、エンジン8の動力を補助するための所謂トルクアシストが可能である。よって、本実施例のエンジン走行には、エンジン走行+モータ走行も含むものとする。尚、第2電動機M2によるトルクアシストは、モータ走行時にその第2電動機M2の出力トルクを増加するように行われても良い。
【0064】
また、ハイブリッド制御手段52は、車両の停止状態又は低車速状態に拘わらず、差動部11の電気的CVT機能によってエンジン8の運転状態を維持させられる。例えば、車両停止時に蓄電装置60の充電容量SOCが低下して第1電動機M1による発電が必要となった場合には、エンジン8の動力により第1電動機M1が発電させられてその第1電動機M1の回転速度が引き上げられ、車速Vで一意的に決められる第2電動機回転速度Nが車両停止状態により零(略零)となっても動力分配機構16の差動作用によってエンジン回転速度Nが自律回転可能な回転速度以上に維持される。
【0065】
また、ハイブリッド制御手段52は、蓄電装置60からインバータ58を介して供給される第1電動機M1への駆動電流を遮断して第1電動機M1を無負荷状態とする。第1電動機M1は無負荷状態とされると自由回転することすなわち空転することが許容され、差動部11はトルクの伝達が不能な状態すなわち差動部11内の動力伝達経路が遮断された状態と同等の状態であって、且つ差動部11からの出力が発生されない状態とされる。すなわち、ハイブリッド制御手段52は、第1電動機M1を無負荷状態とすることにより差動部11をその動力伝達経路が電気的に遮断される中立状態(ニュートラル状態)とする電動機制御手段として機能する。
【0066】
また、ハイブリッド制御手段52は、アクセルオフの車両減速走行時や制動時には車両の運動エネルギすなわち駆動輪38からエンジン8側へ伝達される逆駆動力により第2電動機M2を回転駆動させて発電機として作動させ、その電気エネルギすなわち第2電動機発電電流IM2Gをインバータ58を介して蓄電装置60へ充電する所謂回生制動を実行する回生ブレーキ制御手段として機能する。
【0067】
増速側ギヤ段判定手段62は、変速機構10を有段変速状態とする際に切換クラッチC0および切換ブレーキB0のいずれを係合させるかを判定するために、例えば車両状態に基づいて記憶手段56に予め記憶された前記図6に示す変速線図に従って変速機構10の変速されるべき変速段が、或いは前記有段変速制御手段54により判断された変速機構10の変速されるべき変速段が、増速側ギヤ段例えば第5速ギヤ段であるか否かを判定する。
【0068】
切換制御手段50は、車両状態に基づいて前記係合装置(切換クラッチC0、切換ブレーキB0)の係合/解放を切り換えることにより、前記無段変速状態と前記有段変速状態とを、すなわち前記差動状態と前記ロック状態とを選択的に切り換える。例えば、切換制御手段50は、記憶手段56に予め記憶された前記図6の破線および二点鎖線に示す切換線図(切換マップ、関係)から車速Vおよび要求出力トルクTOUTで示される車両状態に基づいて、変速機構10(差動部11)の切り換えるべき変速状態を判断して、すなわち変速機構10を無段変速状態とする無段制御領域内であるか或いは変速機構10を有段変速状態とする有段制御領域内であるかを判定して、変速機構10を前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換える。このように、切換制御手段50は、切換クラッチC0或いは切換ブレーキB0の係合/解放を切り換えることにより、差動部11を非無段変速状態として差動部11の電気的な差動装置としての作動を制限する、すなわち電気的な無段変速機としての作動を制限する差動制限手段として機能している。
【0069】
具体的には、切換制御手段50は有段変速制御領域内であると判定した場合は、ハイブリッド制御手段52に対してハイブリッド制御或いは無段変速制御を不許可すなわち禁止とする信号を出力するとともに、有段変速制御手段54に対しては、予め設定された有段変速時の変速を許可する。このときの有段変速制御手段54は、記憶手段56に予め記憶された例えば図6に示す変速線図に従って自動変速部20の自動変速制御を実行する。例えば記憶手段56に予め記憶された図2は、このときの変速において選択される油圧式摩擦係合装置すなわちC0、C1、C2、B0、B1、B2、B3の作動の組み合わせを示している。すなわち、変速機構10全体すなわち差動部11および自動変速部20が所謂有段式自動変速機として機能し、図2に示す係合表に従って変速段が達成される。
【0070】
例えば、増速側ギヤ段判定手段62により第5速ギヤ段が判定される場合には、変速機構10全体として変速比が1.0より小さな増速側ギヤ段所謂オーバードライブギヤ段が得られるために切換制御手段50は差動部11が固定の変速比γ0例えば変速比γ0が0.7の副変速機として機能させられるように切換クラッチC0を解放させ且つ切換ブレーキB0を係合させる指令を油圧制御回路42へ出力する。また、増速側ギヤ段判定手段62により第5速ギヤ段でないと判定される場合には、変速機構10全体として変速比が1.0以上の減速側ギヤ段が得られるために切換制御手段50は差動部11が固定の変速比γ0例えば変速比γ0が1の副変速機として機能させられるように切換クラッチC0を係合させ且つ切換ブレーキB0を解放させる指令を油圧制御回路42へ出力する。このように、切換制御手段50によって変速機構10が有段変速状態に切り換えられるとともに、その有段変速状態における2種類の変速段のいずれかとなるように選択的に切り換えられて、差動部11が副変速機として機能させられ、それに直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、変速機構10全体が所謂有段式自動変速機として機能させられる。
【0071】
しかし、切換制御手段50は、変速機構10を無段変速状態に切り換える無段変速制御領域内であると判定した場合は、変速機構10全体として無段変速状態が得られるために差動部11を無段変速状態として無段変速可能とするように切換クラッチC0および切換ブレーキB0を解放させる指令を油圧制御回路42へ出力する。同時に、ハイブリッド制御手段52に対してハイブリッド制御を許可する信号を出力するとともに、有段変速制御手段54には、予め設定された無段変速時の変速段に固定する信号を出力するか、或いは記憶手段56に予め記憶された例えば図6に示す変速線図に従って自動変速部20を自動変速することを許可する信号を出力する。この場合、有段変速制御手段54により、図2の係合表内において切換クラッチC0および切換ブレーキB0の係合を除いた作動により自動変速が行われる。このように、切換制御手段50により無段変速状態に切り換えられた差動部11が無段変速機として機能し、それに直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、適切な大きさの駆動力が得られると同時に、自動変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対しその自動変速部20の入力回転速度Nすなわち伝達部材回転速度N18が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって変速機構10全体として無段変速状態となりトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
【0072】
ここで前記図6について詳述すると、図6は自動変速部20の変速判断の基となる記憶手段56に予め記憶された変速線図(関係、変速マップ)であり、車速Vと駆動力関連値である要求出力トルクTOUTとをパラメータとする二次元座標で構成された変速線図の一例である。図6の実線はアップシフト線であり一点鎖線はダウンシフト線である。
【0073】
また、図6の破線は切換制御手段50による有段制御領域と無段制御領域との判定のための判定車速V1および判定出力トルクT1を示している。つまり、図6の破線はハイブリッド車両の高速走行を判定するための予め設定された高速走行判定値である判定車速V1の連なりである高車速判定線と、ハイブリッド車両の駆動力に関連する駆動力関連値例えば自動変速部20の出力トルクTOUTが高出力となる高出力走行を判定するための予め設定された高出力走行判定値である判定出力トルクT1の連なりである高出力走行判定線とを示している。さらに、図6の破線に対して二点鎖線に示すように有段制御領域と無段制御領域との判定にヒステリシスが設けられている。つまり、この図6は判定車速V1および判定出力トルクT1を含む、車速Vと出力トルクTOUTとをパラメータとして切換制御手段50により有段制御領域と無段制御領域とのいずれであるかを領域判定するための予め記憶された切換線図(切換マップ、関係)である。なお、この切換線図を含めて変速マップとして記憶手段56に予め記憶されてもよい。また、この切換線図は判定車速V1および判定出力トルクT1の少なくとも1つを含むものであってもよいし、車速Vおよび出力トルクTOUTの何れかをパラメータとする予め記憶された切換線であってもよい。
【0074】
上記変速線図、切換線図、或いは駆動力源切換線図等は、マップとしてではなく実際の車速Vと判定車速V1とを比較する判定式、出力トルクTOUTと判定出力トルクT1とを比較する判定式等として記憶されてもよい。例えば、この場合には、切換制御手段50は、車両状態例えば実際の車速Vが判定車速V1を越えたか否かを判定し、判定車速V1を越えたときには例えば切換ブレーキB0を係合して変速機構10を有段変速状態とする。また、切換制御手段50は、車両状態例えば自動変速部20の出力トルクTOUTが判定出力トルクT1を越えたか否かを判定し、判定出力トルクT1を越えたときには例えば切換クラッチC0を係合して変速機構10を有段変速状態とする。
【0075】
また、差動部11を電気的な無段変速機として作動させるための電動機等の電気系の制御機器の故障や機能低下時、例えば第1電動機M1における電気エネルギの発生からその電気エネルギが機械的エネルギに変換されるまでの電気パスに関連する機器の故障や機能低下、すなわち第1電動機M1、第2電動機M2、インバータ58、蓄電装置60、それらを接続する伝送路などの故障(フェイル)や、故障とか低温による機能低下が発生したような車両状態となる場合には、無段制御領域であっても車両走行を確保するために切換制御手段50は変速機構10を優先的に有段変速状態としてもよい。例えば、この場合には、切換制御手段50は、差動部11を電気的な無段変速機として作動させるための電動機等の電気系の制御機器の故障や機能低下が発生したか否かを判定し、その故障や機能低下が発生したときには変速機構10を有段変速状態とする。
【0076】
前記駆動力関連値とは、車両の駆動力に1対1に対応するパラメータであって、駆動輪38での駆動トルク或いは駆動力のみならず、例えば自動変速部20の出力トルクTOU、エンジントルクT、車両加速度Gや、例えばアクセル開度Acc或いはスロットル弁開度θTH(或いは吸入空気量、空燃比、燃料噴射量)とエンジン回転速度Nとに基づいて算出されるエンジントルクTなどの実際値や、アクセル開度Acc或いはスロットル弁開度θTH等に基づいて算出される要求(目標)エンジントルクT、自動変速部20の要求(目標)出力トルクTOUT、要求駆動力等の推定値であってもよい。また、上記駆動トルクは出力トルクTOUT等からデフ比、駆動輪38の半径等を考慮して算出されてもよいし、例えばトルクセンサ等によって直接検出されてもよい。上記他の各トルク等も同様である。
【0077】
また、前記判定車速V1は、例えば高速走行において変速機構10が無段変速状態とされるとかえって燃費が悪化するのを抑制するように、その高速走行において変速機構10が有段変速状態とされるように設定されている。つまり、高速走行においては、電気パスを含まないことにより変速機構10を伝達効率の良い遊星歯車式の有段変速機として有効に利用するものである。
【0078】
また、前記判定トルクT1は、例えば車両の高出力走行において第1電動機M1の反力トルクをエンジン8の高出力域まで対応させないで第1電動機M1を小型化するために、第1電動機M1からの電気エネルギの最大出力を小さくして配設可能とされた第1電動機M1の特性に応じて設定されている。或いはまた、その判定トルクT1は、例えば車両の高出力走行においては運転者の燃費に対する要求より変速に伴ってエンジン回転速度が変化する変速フィーリングに対する要求が重視されるとの考え方から、その高出力走行において変速機構10が有段変速状態とされるように設定されている。つまり、高出力走行においては、変速機構10を無段変速機として機能させることより変速比が段階的に変化させられる有段変速機として機能させるものである。
【0079】
図8は、エンジン回転速度NとエンジントルクTとをパラメータとして切換制御手段50により有段制御領域と無段制御領域とのいずれであるかを領域判定するための境界線としてのエンジン出力線を有し、例えば記憶手段56に予め記憶された切換線図(切換マップ、関係)である。切換制御手段50は、図6の切換線図に替えてこの図8の切換線図からエンジン回転速度NとエンジントルクTとに基づいて、それらのエンジン回転速度NとエンジントルクTとで表される車両状態が無段制御領域内であるか或いは有段制御領域内であるかを判定してもよい。また、この図8は図6の破線を作るための概念図でもある。言い換えれば、図6の破線は図8の関係図(マップ)に基づいて車速Vと出力トルクTOUTとをパラメータとする二次元座標上に置き直された切換線でもある。
【0080】
この図6の関係に示されるように、出力トルクTOUTが予め設定された判定出力トルクT1以上の高トルク領域、或いは車速Vが予め設定された判定車速V1以上の高車速領域が、有段制御領域として設定されているので有段変速走行がエンジン8の比較的高トルクとなる高駆動トルク時、或いは車速の比較的高車速時において実行され、無段変速走行がエンジン8の比較的低トルクとなる低駆動トルク時、或いは車速の比較的低車速時すなわちエンジン8の常用出力域において実行されるようになっている。
【0081】
同様に、図8の関係に示されるように、エンジントルクTが予め設定された所定値TE1以上の高トルク領域、エンジン回転速度Nが予め設定された所定値NE1以上の高回転領域、或いはそれらエンジントルクTおよびエンジン回転速度Nから算出されるエンジン出力が所定以上の高出力領域が、有段制御領域として設定されているので、有段変速走行がエンジン8の比較的高トルク、比較的高回転速度、或いは比較的高出力時において実行され、無段変速走行がエンジン8の比較的低トルク、比較的低回転速度、或いは比較的低出力時すなわちエンジン8の常用出力域において実行されるようになっている。図8における有段制御領域と無段制御領域との間の境界線は、高車速判定値の連なりである高車速判定線および高出力走行判定値の連なりである高出力走行判定線に対応している。
【0082】
これによって、例えば、車両の低中速走行および低中出力走行では、変速機構10が無段変速状態とされて車両の燃費性能が確保される。また、実際の車速Vが前記判定車速V1を越えるような高速走行では、変速機構10が有段の変速機として作動する有段変速状態とされて専ら機械的な動力伝達経路でエンジン8の出力が駆動輪38へ伝達され、電気的な無段変速機として作動させる場合に発生する動力と電気エネルギとの間の変換損失が抑制されて燃費が向上させられる。
【0083】
また、出力トルクTOUTなどの前記駆動力関連値が判定トルクT1を越えるような高出力走行では変速機構10が有段の変速機として作動する有段変速状態とされ専ら機械的な動力伝達経路でエンジン8の出力が駆動輪38へ伝達されて電気的な無段変速機として作動させる領域が車両の低中速走行および低中出力走行となって、第1電動機M1が発生すべき電気的エネルギ換言すれば第1電動機M1が伝える電気的エネルギの最大値を小さくできて第1電動機M1或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。
【0084】
つまり、前記所定値TE1が第1電動機M1が反力トルクを受け持つことができるエンジントルクTの切換判定値として予め設定されると、エンジントルクTがその所定値TE1を超えるような高出力走行では、差動部11が有段変速状態とされるため、第1電動機M1は差動部11が無段変速状態とされているときのようにエンジントルクTに対する反力トルクを受け持つ必要が無いので、第1電動機M1の大型化が防止されつつその耐久性の低下が抑制される。言い換えれば、本実施例の第1電動機M1は、その最大出力がエンジントルクTの最大値に対して必要とされる反力トルク容量に比較して小さくされることで、すなわちその最大出力を上記所定値TE1を超えるようなエンジントルクTに対する反力トルク容量に対応させないことで、小型化が実現されている。
【0085】
尚、上記第1電動機M1の最大出力は、この第1電動機M1の使用環境に許容されるように実験的に求められて設定されている第1電動機M1の定格値である。また、上記エンジントルクTの切換判定値は、第1電動機M1が反力トルクを受け持つことができるエンジントルクTの最大値またはそれよりも所定値低い値であって、第1電動機M1の耐久性の低下が抑制されるように予め実験的に求められた値である。
【0086】
また、他の考え方として、この高出力走行においては燃費に対する要求より運転者の駆動力に対する要求が重視されるので、無段変速状態より有段変速状態(定変速状態)に切り換えられるのである。これによって、ユーザは、例えば図9に示すような有段自動変速走行におけるアップシフトに伴うエンジン回転速度Nの変化すなわち変速に伴うリズミカルなエンジン回転速度Nの変化が楽しめる。
【0087】
ここで、本実施例においては、所定の車両走行時(以下、所定走行時という)に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが必要なときには、トータル変速比γTを所定走行時に比較して低車速側(ローギヤ側)に設定して、所定走行時に比較してより高車速側まで低車速側の変速比を維持する。
【0088】
上記所定の車両走行は、予め定められた走行条件範囲内となる車両走行、例えばスロットル弁開度θTHや車速Vやエンジン回転速度Nをパラメータとして予め設定された平坦路走行時の基準加速度Gと実際の車両加速度Gとを比較して、実際の車両加速度Gが平坦路を走行中であるとされる為の予め定められた基準加速度Gの所定範囲内となる車両走行が想定される。また、所定走行時に比較して大きな車両駆動力が必要なときとしては、実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲より小さくなるような登坂路の走行が想定され、或いは駆動力源ブレーキが必要なときとしては、実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲より大きくなるような降坂路の走行が想定される。そして、所定走行時には、図6に示すような変速線図にて自動変速部20の変速が実される。また、登降坂路時には、その図6に示す変速線図に比較してトータル変速比γTが低車速側に設定されるように各変速線が高車速側へ変更された図10に示すような変速線図にて自動変速部20の変速が実行される。
【0089】
よって、登降坂走行時に変速線図としてこの図10の変速線図を用いることにより所定走行時に比較して、登坂路時にはより高車速側まで大きな駆動力が得られ、降坂路時には第2電動機回転速度NM2がより高車速側まで高くされることにより大きな回生トルクが発生させられて大きな駆動力源ブレーキが得られる。また、図10の変速線図を用いることにより図6の変速線図に比較してより高車速側までアップシフトが抑制されることからビジーシフトの発生が抑制される。
【0090】
具体的には、図5に戻り、登降坂判定手段80は、車両の走行路が登降坂路か否かを判定する。例えば、登降坂判定手段80は、スロットル弁開度θTHや車速Vやエンジン回転速度Nをパラメータとして予め設定された平坦路走行時の基準加速度Gと実際の車両加速度Gとを比較して、予め定められた所定時間以上実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲より小さい場合には登坂路であると判定し、或いは予め定められた所定時間以上実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲より大きい場合には降坂路であると判定する。また、登降坂判定手段80は、登降坂路が終了したか否かを判定する。例えば、登降坂判定手段80は、登降坂路走行中に、基準加速度Gと実際の車両加速度Gとを比較して、予め定められた所定時間以上実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲内となる場合には登降坂路が終了したと判定する。
【0091】
変速制御手段82は、上記登降坂判定手段80により登降坂路であると判定されたときには、図10に示すような登降坂時の変速線図を設定してトータル変速比γTを所定走行時より低車速側に設定する。また、変速制御手段82は、登降坂判定手段80により登降坂路でないと判定されたときには、或いは登降坂判定手段80により登降坂路が終了したと判定されたときには、所定走行時に用いられる図6に示すような所定時の変速線図を設定する。
【0092】
前記有段変速制御手段54は、変速制御手段82により設定された図10に示すような登降坂時の変速線図或いは変速制御手段82により設定された図6に示すような所定時の変速線図から車速Vおよび自動変速部20の要求出力トルクTOUTで示される車両状態に基づいて、変速機構10の変速を実行すべきか否かを判断し、例えば自動変速部20の変速すべき変速段を判断し、その判断した変速段が得られるように自動変速部20の自動変速制御を実行する。
【0093】
そして、差動部11の無段変速状態においては、前記ハイブリッド制御手段52は、アクセル開度Accや車速Vに基づいて算出した目標出力(トータル目標出力、要求駆動力F)を充足するために必要なエンジン出力を発生するためのエンジントルクTとエンジン回転速度Nとなるように、変速機構10のトータル変速比γTの目標値を定め、その目標値が得られるように自動変速部20の変速段を考慮して差動部11の変速比γ0を制御し、トータル変速比γTをその変速可能な変化範囲内で制御する。
【0094】
また、差動部11の非無段変速状態(有段変速状態)においては、前記ハイブリッド制御手段52は、アクセル開度Accや車速Vに基づいて算出した目標出力(トータル目標出力、要求駆動力)を充足するために必要なエンジン出力を発生するためのエンジントルクTとなるように、変速機構10のトータル変速比γTを考慮してエンジン8を制御する。
【0095】
また、前記ハイブリッド制御手段52は、例えば図11の実線で示すような予め実験的に求められた車速Vと目標減速度Gとの関係から実際の車速Vに基づいて減速走行中の目標減速度Gを算出し、例えば図12に示すような予め実験的に求められた目標減速度Gと必要制動トルクTとの関係からその目標減速度Gに基づいてその目標減速度Gを達成する為の必要制動トルクTを算出する。
【0096】
そして、差動部11の無段変速状態においては、前記ハイブリッド制御手段52は、例えば、エネルギー効率を考えて、回生トルクにて制動トルクTを得ることを最優先するという観点から、必要制動トルクTが得られるように第2電動機M2を用いて予め定められた回生トルクとなる回生量にて回生を行う。このとき、エンジン8の引き摺り(回転抵抗)によるポンピングロスの発生が抑制され、その分駆動力源ブレーキ(減速度)が抑制されて回生量が増加される為に、ハイブリッド制御手段52は、フューエルカットにてエンジン8の作動を停止し且つ第1電動機M1を空転し、差動部11の差動作用によって車速Vに拘束されることなくすなわち自動変速部20の出力軸22の回転速度NOUTと変速比γとに基づいて一意的に定められる伝達部材回転速度N18に拘わらずエンジン回転速度NEを零乃至略零に維持する。
【0097】
また、差動部11の非無段変速状態(有段変速状態)においては、エンジン回転速度Nが車速Vに拘束されて強制的に回転させられ、エンジンブレーキトルクにより減速度が得られることから、回生トルクに加えてエンジンブレーキトルクによって車両の制動トルクTが得られる。よって、前記ハイブリッド制御手段52は、必要制動トルクTを得る為に、回生トルクだけでは不足するトルク分を、或いはその必要制動トルクTの全てをエンジンブレーキトルクで得る。
【0098】
このように、本実施例の変速機構10(差動部11、動力分配機構16)は無段変速状態(差動状態)と非無段変速状態(ロック状態、非差動状態)とに選択的に切換え可能であって、前記切換制御手段50により車両状態に基づいて差動部11の切り換えるべき変速状態が判断され、差動部11が無段変速状態と非無段変速状態とのいずれかに選択的に切り換えられる。そして、差動部11の無段変速状態と非無段変速状態とに応じて必要な駆動力や駆動力源ブレーキが得られる。
【0099】
ところで、差動部11の無段変速状態においては、第1電動機M1がエンジントルクTEに応じた反力トルクを受け持つことによりその無段変速状態が適切に制御される。また、差動部11の有段変速状態においては、第1電動機M1がその反力トルクを受け持つ必要が無いことから、例えば前記所定値TE1を超えるようなエンジントルクTEに対する反力トルクを受け持つ必要が無いことから、第1電動機M1の最大出力が小さくされて第1電動機M1が小型化されている。
【0100】
そうすると、差動部11の無段変速状態において、登坂走行時のようにエンジン高負荷での走行となるような場合には、第1電動機M1の性能(定格)によってはエンジントルクTに対する反力トルクを受け持つことができない為、駆動力不足となる可能性がある。また、同様に、エンジントルクTに対する反力トルクを受け持つことにより、第1電動機M1の性能(定格)によっては第1電動機M1の負荷トルクが許容範囲を超える可能性がある。見方を換えれば、登坂走行時に駆動力不足とならないように、或いは第1電動機M1の負荷トルクが許容範囲を超えないように、第1電動機M1を大型化する必要があり、専ら登坂走行の為だけに第1電動機M1を大型化することは、本発明の第1電動機M1の小型化の目的(趣旨)から外れることになる。
【0101】
また、本実施例では、差動部11が有段変速状態に切り換えられることにより電気パスによって伝達される電気的エネルギーの最大値も少なくされ、また、自動変速部20が第2電動機M2から駆動輪38への動力伝達経路に備えられるので、第2電動機M2も小型化される。
【0102】
そうすると、差動部11の無段変速状態において、降坂走行時のように減速走行となるような場合には、専ら第2電動機M2の回生トルクにより制動トルクTが発生させられる為、図12の破線に示すように下り勾配走行時の必要制動トルクTが実線に示す平坦路走行時に比較して大きくされることから、第2電動機M2の性能(定格)によっては駆動力源ブレーキ不足となる可能性がある。また、同様に、アップシフトが抑制された自動変速部20の変速段γと車速Vとにより定められる第2電動機回転速度NM2に基づいて回生トルクを発生させることにより、第2電動機M2の性能(定格)によっては第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲を超える可能性がある。見方を換えれば、降坂走行時に駆動力源ブレーキ不足とならないように、或いは第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲を超えないように、専ら降坂走行の為だけに第2電動機M2を大型化する必要がある。これとは別に、蓄電装置60の満充電などその充電状態SOCによっては回生量が抑制されて駆動力源ブレーキ不足となる可能性がある。
【0103】
そこで、前記変速制御手段82によりトータル変速比γTが所定走行時に比較して低車速側に設定されたときに、それでも必要な車両駆動力F或いは駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られない場合には、或いは第1電動機M1および/または第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲でない場合には、第1電動機M1および第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲を超えない状態で必要な車両駆動力F或いは駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られる為に、差動部11を無段変速状態から非無段変速状態へ切り換える。以下に、その制御作動について説明する。
【0104】
具体的には、ロック状態判定手段84は、差動部11が非無段変速状態とされているか否かを判定する。例えば、ロック状態判定手段84は、切換制御手段50により変速機構10が有段変速状態に切換制御される有段制御領域内か或いは変速機構10が無段変速状態に切換制御される無段制御領域内であるかの判定のための例えば図6に示す切換線図から車速Vおよび出力トルクTOUTで示される車両状態に基づいて変速機構10を非無段変速状態とする有段制御領域内であるか否かによって差動部11が非無段変速状態とされているか否かを判定する。
【0105】
駆動力/駆動力源ブレーキ判定手段86は、前記登降坂判定手段80により登降坂路であると判定され、且つ前記ロック状態判定手段84により差動部11が無段変速状態とされていると判定された場合には、必要な車両駆動力F或いは駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られているか否か、すなわち登坂路時の要求駆動力F或いは降坂路時の駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が十分であるか否かを判定する。
【0106】
例えば、駆動力/駆動力源ブレーキ判定手段86は、アクセル開度Accに対して予め設定された登坂路走行時の基準加速度Gと実際の車両加速度Gとを比較して、実際の車両加速度Gが小さい場合には必要な車両駆動力Fが得られていないと判定する。また、駆動力/駆動力源ブレーキ判定手段86は、前記ハイブリッド制御手段52により算出された降坂路走行時の目標減速度Gと実際の車両減速度Gとを比較して、実際の車両減速度Gが小さい場合には必要な駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られていないと判定する。
【0107】
電動機負荷判定手段88は、前記登降坂判定手段80により登降坂路であると判定され、且つ前記ロック状態判定手段84により差動部11が無段変速状態とされていると判定された場合には、第1電動機M1および/または第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲であるか否かを判定する。
【0108】
例えば、電動機負荷判定手段88は、登坂路走行時において、第1電動機M1の定格値が差動部11を無段変速作動可能な状態とする為にエンジントルクTに対して第1電動機M1が受け持つべき必要な反力トルクTM1(=T・ρ1/(1+ρ1))に対応させられない場合には、第1電動機M1の負荷トルクが許容範囲でないと判定する。また、電動機負荷判定手段88は、降坂路走行時において、第2電動機M2の定格値が自動変速部20の変速段γと車速Vとにより一意的に定められる第2電動機回転速度NM2に基づいて発生させられる回生トルクに対応させられない場合には、第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲でないと判定する。
【0109】
そして、切換制御手段50は、前記登降坂判定手段80により登降坂路であると判定されて変速制御手段82により図10に示すような登降坂時の変速線図が設定され、且つ前記ロック状態判定手段84により差動部11が無段変速状態とされていると判定されたときに、前記駆動力/駆動力源ブレーキ判定手段86により必要な車両駆動力F或いは駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られていないと判定された場合には、或いは前記電動機負荷判定手段88により第1電動機M1および/または第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲でないと判定された場合には、差動部11を無段変速状態から非無段変速状態へ切り換えるように切換クラッチC0或いは切換ブレーキB0を係合する指令を油圧制御回路42に出力する。
【0110】
このように、差動部11の有段変速状態と無段変速状態との切換えは、切換制御手段50により例えば図6の関係図から車両状態の変化に基づいて実行されたり、或いは登降坂時に必要な車両駆動力F或いは駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られない場合や第1電動機M1および/または第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲でない場合に実行された。それに加えて、人為的な操作によって差動部11の有段変速状態と無段変速状態との切換えが行われても良い。以下、その制御作動を説明する。
【0111】
図13は、手動操作により変速機構10(差動部11、動力分配機構16)の無段変速状態(差動状態、非ロック状態)と有段変速状態(非無段変速状態、非差動状態、ロック状態)との切換えを選択するための変速状態手動選択装置としてのシーソー型スイッチ44(以下、スイッチ44と表す)の一例でありユーザにより手動操作可能に車両に備えられている。このスイッチ44は、ユーザが所望する変速機構10の変速状態での車両走行を選択可能とするものであり、無段変速走行に対応するスイッチ44の無段と表示された無段変速走行指令釦或いは有段変速走行に対応する有段と表示された有段変速走行指令釦がユーザにより押されることで、それぞれ無段変速走行すなわち変速機構10を電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態とするか、或いは有段変速走行すなわち変速機構10を有段変速機として作動可能な有段変速状態とするかが選択可能とされる。例えば、ユーザは無段変速機のフィーリングや燃費改善効果が得られる走行を所望すれば変速機構10が無段変速状態とされるように手動操作により選択する。またユーザは有段変速機の変速に伴うリズミカルなエンジン回転速度の変化によるフィーリング向上を所望すれば変速機構10が有段変速状態とされるように手動操作により選択する。
【0112】
そして、切換制御手段50は、スイッチ44の無段変速走行指令釦が押されたか、有段変速走行指令釦が押されたかの選択操作を判断し、有段変速走行指令釦が押された場合には優先的に変速機構10を有段変速状態に切り換える。
【0113】
しかし、切換制御手段50は、スイッチ44の無段変速走行指令釦が押されたと判定した場合には、第1電動機M1がエンジントルクTに対する反力トルクを受け持つことができない場合を考慮して、優先的に変速機構10を無段変速状態とするのではなく、例えば図6の関係図から車両状態の変化に基づいて変速機構10の変速状態の切換えを実行する。
【0114】
また、スイッチ44に無段変速走行或いは有段変速走行の何れも選択されない状態である中立位置が設けられる場合には、スイッチ44がその中立位置の状態であるときすなわちユーザによって所望する変速状態が選択されていないときや所望する変速状態が自動切換のときには、例えば図6の関係図から車両状態の変化に基づいて変速機構10の変速状態の自動切換制御作動が実行されればよい。
【0115】
図14は、電子制御装置40の制御作動の要部すなわち平坦路を走行しているか登降坂路を走行しているかによって変速線図を切り換えるときの制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0116】
先ず、前記登降坂判定手段80に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、車両の走行路が登降坂路か否かが判定される。例えば、スロットル弁開度θや車速Vやエンジン回転速度Nをパラメータとして予め設定された平坦路走行時の基準加速度Gと実際の車両加速度Gとが比較され、予め定められた所定時間以上実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲より小さい場合には登坂路であると判定され、或いは予め定められた所定時間以上実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲より大きい場合には降坂路であると判定される。
【0117】
上記S1の判断が否定される場合は前記変速制御手段82に対応するS2において、例えば図6に示すような所定時の変速線図が設定される。
【0118】
前記S1の判断が肯定される場合は前記変速制御手段82に対応するS3において、例えば図10に示すような登降坂時の変速線図が設定されてトータル変速比γTが所定時より低車速側に設定される。
【0119】
上記S3に続いて前記ロック状態判定手段84に対応するS4において、差動部11が非無段変速状態とされているか否かが判定される。
【0120】
上記S4の判断が否定される場合は前記駆動力/駆動力源ブレーキ判定手段86に対応するS5において、必要な車両駆動力F或いは駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られているか否か、すなわち登坂路時の要求駆動力F或いは降坂路時の駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が十分であるか否かが判定される。
【0121】
上記S5の判断が肯定される場合は前記電動機負荷判定手段88に対応するS6において、第1電動機M1および/または第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲であるか否かが判定される。
【0122】
前記S5の判断が否定されるか或いは上記S6の判断が否定される場合は前記切換制御手段50に対応するS7において、差動部11を無段変速状態から非無段変速状態へ切り換えるように切換クラッチC0或いは切換ブレーキB0を係合する指令が油圧制御回路42に出力される。
【0123】
前記S4の判断が肯定される場合は或いは上記S7に続いて前記登降坂判定手段80に対応するS8において、登降坂路が終了したか否かが判定される。例えば、登降坂路走行中に、基準加速度Gと実際の車両加速度Gとが比較され、予め定められた所定時間以上実際の車両加速度Gが基準加速度Gの所定範囲内となる場合には登降坂路が終了したと判定される。このS8の判断は肯定されるまで繰り返し実行される。また、例えば、上記S7において差動部11が無段変速状態から非無段変速状態へ切り換えられた場合には、このS8の判断は肯定されるまで無段変速状態への切換えが禁止される。
【0124】
前記S6の判断が肯定される場合は前記登降坂判定手段80に対応するS9において、登降坂路が終了したか否かが判定される。このS9の判断が否定される場合は前記S5が実行される。
【0125】
前記S8の判断が肯定される場合は前記変速制御手段82に対応するS10において、例えば図6に示すような所定時の変速線図が設定される。
【0126】
前記S9の判断が肯定される場合は前記変速制御手段82に対応するS11において、例えば図6に示すような所定時の変速線図が設定される。
【0127】
前記S10に続いて前記切換制御手段50に対応するS12において、スイッチ44の無段変速走行指令釦が押されたか、有段変速走行指令釦が押されたかの選択操作が判断される。例えば、有段変速走行指令釦が押されたか否かが判断される。また、有段変速走行指令釦が押された場合には優先的に変速機構10が有段変速状態に切り換えられる。
【0128】
上記S12の判断が否定される場合は前記切換制御手段50に対応するS13において、例えば図6の関係図から車両状態の変化に基づいて変速機構10の変速状態の切換えが実行される。
【0129】
前記S2に続いて、前記S11に続いて、前記S12の判断が肯定される場合は、或いは前記S13に続いて前記有段変速制御手段54および前記ハイブリッド制御手段52に対応するS14において、例えば図6に示すような所定時の変速線図から車速Vおよび自動変速部20の要求出力トルクTOUTで示される車両状態に基づいて、変速機構10の変速を実行すべきか否かが判断され、例えば自動変速部20の変速すべき変速段が判断され、その判断した変速段が得られるように自動変速部20の自動変速制御が実行される。
【0130】
また、差動部11の無段変速状態においては、アクセル開度Accや車速Vに基づいて算出された要求駆動力Fを充足するために必要なエンジントルクTとエンジン回転速度Nとなるように、変速機構10のトータル変速比γTの目標値が定められ、その目標値が得られるように自動変速部20の変速段を考慮して差動部11の変速比γ0が制御され、トータル変速比γTがその変速可能な変化範囲内で制御される。或いはまた、差動部11の有段変速状態においては、要求駆動力Fを充足するために必要なエンジントルクTとなるように、変速機構10のトータル変速比γTを考慮してエンジン8が制御される。
【0131】
上述のように、本実施例によれば、切換クラッチC0或いは切換ブレーキB0により、例えば差動部11が無段変速状態と非無段変速状態とに切り換えられることから、電気的に変速比が変更させられる変速機の燃費改善効果と機械的に動力を伝達する歯車式伝動装置の高い伝達効率との両長所を兼ね備えた駆動装置が得られる。
【0132】
例えば、車両の低中速走行および低中出力走行となるようなエンジンの常用出力域において差動部11が無段変速状態とされると、車両の燃費性能が確保される。また、高速走行において差動部11が非無段変速状態とされると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジン8の出力が駆動輪へ伝達されて、電気的に変速比が変更させられる変速機として作動させる場合に発生する動力と電気エネルギとの間の変換損失が抑制されるので、燃費が向上させられる。また例えば、高出力走行において差動部11が非無段変速状態とされると、電気的に変速比が変更させられる変速機として作動させる領域が車両の低中速走行および低中出力走行となって、第1電動機M1が発生すべき電気的エネルギ換言すれば第1電動機M1が伝える電気的エネルギの最大値を小さくできるので、第1電動機M1やその電気的エネルギが伝達される第2電動機M2、或いはそれを含む変速機構10が一層小型化される。
【0133】
また、所定走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが必要なときであって、例えば登坂路走行時或いは降坂路走行時であって、変速制御手段80によりトータル変速比γTが所定走行時に比較して低車速側に設定されたときに、必要な車両駆動力F或いは駆動力源ブレーキ(制動トルクT)が得られない場合には、或いは第1電動機M1および/または第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲でない場合には、切換制御手段50により差動部11が無段変速状態から非無段変速状態へ切り換えられるので、エンジントルクTに応じた反力トルクを第1電動機M1が受け持つ必要が無くなって第1電動機M1のトルク容量に拘わらず大きなエンジントルクTが発生させられ得て必要な駆動力Fが得られる。また、エンジン回転速度Nが車速Vに拘束されることから車速Vとトータル変速比γTとに応じたエンジンブレーキトルクが発生させられ得て第2電動機M2による回生トルクを大きくすることなく必要な(制動トルクT)が得られる。つまり、第1電動機M1および第2電動機M2の負荷トルクが許容範囲を超えることなく、所定走行時に比較して大きな車両駆動力或いは駆動力源ブレーキが得られると共にビジーシフトが防止される。
【0134】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0135】
図15は本発明の他の実施例における変速機構70の構成を説明する骨子図、図16はその変速機構70の変速段と油圧式摩擦係合装置の係合の組み合わせとの関係を示す係合表、図17はその変速機構70の変速作動を説明する共線図である。
【0136】
変速機構70は、前述の実施例と同様に第1電動機M1、動力分配機構16、および第2電動機M2を備えている差動部11と、その差動部11と出力軸22との間で伝達部材18を介して直列に連結されている前進3段の自動変速部72とを備えている。動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24と切換クラッチC0および切換ブレーキB0とを有している。自動変速部72は、例えば「0.532」程度の所定のギヤ比ρ2を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置26と例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ3を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置28とを備えている。第2遊星歯車装置26の第2サンギヤS2と第3遊星歯車装置28の第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第2遊星歯車装置26の第2キャリヤCA2と第3遊星歯車装置28の第3リングギヤR3とが一体的に連結されて出力軸22に連結され、第2リングギヤR2は第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結され、第3キャリヤCA3は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結されている。
【0137】
以上のように構成された変速機構70では、例えば、図16の係合作動表に示されるように、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、および第2ブレーキB2が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第4速ギヤ段(第4変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)或いはニュートラルが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。特に、本実施例では動力分配機構16に切換クラッチC0および切換ブレーキB0が備えられており、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかが係合作動させられることによって、差動部11は前述した無段変速機として作動する無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動する定変速状態を構成することが可能とされている。したがって、変速機構70では、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで定変速状態とされた差動部11と自動変速部72とで有段変速機として作動する有段変速状態が構成され、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態とされた差動部11と自動変速部72とで電気的な無段変速機として作動する無段変速状態が構成される。言い換えれば、変速機構70は、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで有段変速状態に切り換えられ、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態に切り換えられる。
【0138】
例えば、変速機構70が有段変速機として機能する場合には、図16に示すように、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、変速比γ1が最大値例えば「2.804」程度である第1速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.531」程度である第2速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0の係合により、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「2.393」程度である後進ギヤ段が成立させられる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、例えば切換クラッチC0のみが係合される。
【0139】
しかし、変速機構70が無段変速機として機能する場合には、図16に示される係合表の切換クラッチC0および切換ブレーキB0が共に解放される。これにより、差動部11が無段変速機として機能し、それに直列の自動変速部72が有段変速機として機能することにより、自動変速部72の第1速、第2速、第3速の各ギヤ段に対しその自動変速部72に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって変速機構70全体としてのトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
【0140】
図17は、無段変速部或いは第1変速部として機能する差動部11と変速部(有段変速部)或いは第2変速部として機能する自動変速部72から構成される変速機構70において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。切換クラッチC0および切換ブレーキB0が解放される場合、および切換クラッチC0または切換ブレーキB0が係合させられる場合の動力分配機構16の各要素の回転速度は前述の場合と同様である。
【0141】
図17における自動変速機72の4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2および第3サンギヤS3を、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第3キャリヤCA3を、第6回転要素(第6要素)RE6に対応し且つ相互に連結された第2キャリヤCA2および第3リングギヤR3を、第7回転要素(第7要素)RE7に対応する第2リングギヤR2をそれぞれ表している。また、自動変速機72において第4回転要素RE4は第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第5回転要素RE5は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第6回転要素RE6は自動変速機72の出力軸22に連結され、第7回転要素RE7は第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
【0142】
自動変速部72では、図17に示すように、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより、第7回転要素RE7(R2)の回転速度を示す縦線Y7と横線X2との交点と第5回転要素RE5(CA3)の回転速度を示す縦線Y5と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸22と連結された第6回転要素RE6(CA2,R3)の回転速度を示す縦線Y6との交点で第1速の出力軸22の回転速度が示される。同様に、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第2速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L3と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第3速の出力軸22の回転速度が示される。上記第1速乃至第3速では、切換クラッチC0が係合させられている結果、エンジン回転速度Nと同じ回転速度で第7回転要素RE7に差動部11からの動力が入力される。しかし、切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合させられると、差動部11からの動力がエンジン回転速度Nよりも高い回転速度で入力されることから、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0が係合させられることにより決まる水平な直線L4と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第4速の出力軸22の回転速度が示される。
【0143】
本実施例の変速機構70においても、無段変速部或いは第1変速部として機能する差動部11と、変速部(有段変速部)或いは第2変速部として機能する自動変速部72とから構成されるので、前述の実施例と同様の効果が得られる。
【0144】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0145】
例えば、前述の実施例において、登降坂時には、図6に示すような所定走行時に用いられる変速線図に比較して各変速線が高車速側へ変更された図10に示すような変速線図が用いられたが、同じく登降坂時には、有段変速状態と無段変速状態とを切り換える切換線図が例えば図6に示すような所定走行時に比較して低出力トルク側(すなわちアクセル開度の低開度側)へ変更された図10に示すような切換線図が用いられてもよい。これによって、所定走行時に比較して低開度で有段変速状態へ切り換えられて第1電動機M1の負荷が抑制される。また、図10に示すような登降坂時用の変速線図においては、最高速ギヤ段へのアップシフトを禁止するような変速線図としても良い。例えば図10の4→5アップシフト線が削除されてもよい。
【0146】
また、前述の実施例ではロック状態判定手段84(図14のステップS4)は、動力分配機構16が差動状態とされているか否かを例えば図6に示す切換線図から車両状態に基づいて無段制御領域内であるか否かによって判定したが、切換制御手段50による変速機構10が有段制御領域内か或いは無段制御領域内であるかの判定に基づいて動力分配機構16が差動状態とされているか否かを判定してもよい。
【0147】
また、前述の実施例の変速機構10、70は、差動部11(動力分配機構16)が電気的な無段変速機として作動可能な差動状態とそれを非作動とする非差動状態(ロック状態)とに切り換えられることで無段変速状態と有段変速状態とに切り換え可能に構成され、この無段変速状態と有段変速状態との切換えは差動部11が差動状態と非差動状態とに切換えられることによって行われていたが、例えば差動部11が差動状態のままであっても差動部11の変速比を連続的ではなく段階的に変化させることにより有段変速機として機能させられ得る。言い換えれば、差動部11の差動状態/非差動状態と、変速機構10、70の無段変速状態/有段変速状態とは必ずしも一対一の関係にある訳ではないので、差動部11は必ずしも無段変速状態と有段変速状態とに切換可能に構成される必要はなく、変速機構10、70(差動部11、動力分配機構16)が差動状態と非差動状態とに切換え可能に構成されれば本発明は適用され得る。有段変速状態とは、電気パスを用いないで専ら機械的伝達経路で動力伝達することである。
【0148】
また、前述の実施例では、動力伝達経路を、動力伝達可能状態と動力伝達遮断状態とに選択的に切り換える係合装置として自動変速部20、72の一部を構成する第1クラッチC1および第2クラッチC2が用いられ、その第1クラッチC1および第2クラッチC2は自動変速部20、72と差動部11との間に配設されていたが、必ずしも第1クラッチC1および第2クラッチC2である必要はなく動力伝達可能状態と動力伝達遮断状態とに動力伝達経路を選択的に切り換えられれる係合装置が少なくとも1つ備えられておればよい。例えばその係合装置は出力軸22に連結されていてもよいし自動変速部20、72内の回転部材に連結されていてもよい。また、上記係合装置は自動変速部20、72の一部を構成する必要もなく自動変速部20、72とは別に備えられてもよい。
【0149】
また、前述の実施例の動力分配機構16では、第1キャリヤCA1がエンジン8に連結され、第1サンギヤS1が第1電動機M1に連結され、第1リングギヤR1が伝達部材18に連結されていたが、それらの連結関係は、必ずしもそれに限定されるものではなく、エンジン8、第1電動機M1、伝達部材18は、第1遊星歯車装置24の3要素CA1、S1、R1のうちのいずれと連結されていても差し支えない。
【0150】
また、前述の実施例では、エンジン8は入力軸14と直結されていたが、例えばギヤ、ベルト等を介して作動的に連結されておればよく、共通の軸心上に配置される必要もない。
【0151】
また、前述の実施例では、第1電動機M1および第2電動機M2は、入力軸14に同心に配置されて第1電動機M1は第1サンギヤS1に連結され第2電動機M2は伝達部材18に連結されていたが、必ずしもそのように配置される必要はなく、例えばギヤ、ベルト、減速機等を介して作動的に第1電動機M1は第1サンギヤS1に連結され、第2電動機M2は伝達部材18に連結されてもよい。また、第2電動機M2が伝達部材18に連結されていたが、出力軸22に連結されていてもよいし、自動変速部20、72内の回転部材に連結されていてもよい。第2電動機M2がギヤ、ベルト、減速機等を介して伝達部材18や出力軸22等に連結される様な形態も、伝達部材から駆動輪への動力伝達経路に設けられた一態様である。
【0152】
また、前述の動力分配機構16には切換クラッチC0および切換ブレーキB0が備えられていたが、切換クラッチC0および切換ブレーキB0は必ずしも両方備えられる必要はない。また、上記切換クラッチC0は、サンギヤS1とキャリヤCA1とを選択的に連結するものであったが、サンギヤS1とリングギヤR1との間や、キャリヤCA1とリングギヤR1との間を選択的に連結するものであってもよい。要するに、第1遊星歯車装置24の3要素のうちのいずれか2つを相互に連結するものであればよい。
【0153】
また、前述の実施例の変速機構10、70では、ニュートラル「N」とする場合には切換クラッチC0が係合されていたが、必ずしも係合される必要はない。
【0154】
また、前述の実施例では、切換クラッチC0および切換ブレーキB0などの油圧式摩擦係合装置は、パウダー(磁粉)クラッチ、電磁クラッチ、噛み合い型のドグクラッチなどの磁粉式、電磁式、機械式係合装置から構成されていてもよい。
【0155】
また、前述の実施例では、差動部11すなわち動力分配機構16の出力部材である伝達部材18と駆動輪38との間の動力伝達経路に、自動変速部20、72が介挿されていたが、例えば手動変速機としてよく知られた常時噛合式平行2軸型ではあるがセレクトシリンダおよびシフトシリンダによりギヤ段が自動的に切り換えられることが可能な自動変速機等の他の形式の動力伝達装置(変速機)が設けられていてもよい。
【0156】
また、前述の実施例では、自動変速部20、72は伝達部材18を介して差動部11と直列に連結されていたが、入力軸14と平行にカウンタ軸が設けられそのカウンタ軸上に同心に自動変速部20、72が配設されてもよい。この場合には、差動部11と自動変速部20、72とは、例えば伝達部材18としてのカウンタギヤ対、スプロケットおよびチェーンで構成される1組の伝達部材などを介して動力伝達可能に連結される。
【0157】
また、前述の実施例の差動機構としての動力分配機構16は、例えばエンジンによって回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛み合う一対のかさ歯車が第1電動機M1および第2電動機M2に作動的に連結された差動歯車装置であってもよい。
【0158】
また、前述の実施例の動力分配機構16は、1組の遊星歯車装置から構成されていたが、2以上の遊星歯車装置から構成されて、非差動状態(定変速状態)では3段以上の変速機として機能するものであってもよい。また、その遊星歯車装置はシングルピニオン型に限られたものではなくダブルピニオン型の遊星歯車装置であってもよい。
【0159】
また、前述の実施例のスイッチ44はシーソー型のスイッチであったが、例えば押しボタン式のスイッチ、択一的にのみ押した状態が保持可能な2つの押しボタン式のスイッチ、レバー式スイッチ、スライド式スイッチ等の少なくとも無段変速走行(差動状態)と有段変速走行(非差動状態)とが択一的に切り換えられるスイッチであればよい。また、スイッチ44に中立位置が設けられる場合にその中立位置に替えて、スイッチ44の選択状態を有効或いは無効すなわち中立位置相当が選択可能なスイッチがスイッチ44とは別に設けられてもよい。また、スイッチ44に替えて或いは加えて、手動操作に因らず運転者の音声に反応して少なくとも無段変速走行(差動状態)と有段変速走行(非差動状態)とが択一的に切り換えられる装置や足の操作により切り換えられる装置等であってもよい。
【0160】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の一実施例であるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が無段或いは有段変速作動させられる場合における変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。
【図3】図1の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が有段変速作動させられる場合における各ギヤ段の相対的回転速度を説明する共線図である。
【図4】図1の実施例の駆動装置に設けられた電子制御装置の入出力信号を説明する図である。
【図5】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】車速と出力トルクとをパラメータとする同じ二次元座標に構成された、自動変速部の変速判断の基となる予め記憶された変速線図の一例と、変速機構の変速状態の切換判断の基となる予め記憶された切換線図の一例と、エンジン走行とモータ走行とを切り換えるためのエンジン走行領域とモータ走行領域との境界線を有する予め記憶された駆動力源切換線図の一例とを示す図であって、それぞれの関係を示す図でもある。
【図7】破線はエンジン8の最適燃費率曲線であって燃費マップの一例である。また、無段変速機でのエンジン作動(破線)と有段変速機でのエンジン作動(一点鎖線)の違いを説明する図でもある。
【図8】無段制御領域と有段制御領域との境界線を有する予め記憶された関係を示す図であって、図6の破線に示す無段制御領域と有段制御領域との境界をマップ化するための概念図でもある。
【図9】有段式変速機におけるアップシフトに伴うエンジン回転速度の変化の一例である。
【図10】図6に示す所定走行時に用いられる変速線図に比較して各変速線が高車速側へ変更された登降坂時に用いられる変速線図である。
【図11】車速をパラメータとして目標減速度を設定する際のデータマップの一例である。
【図12】目標減速度を達成する必要制動トルクを算出する為の目標減速度と必要制動トルクとの関係の一例である。
【図13】切換装置としてのシーソー型スイッチであって変速状態を選択するためにユーザによって操作される変速状態手動選択装置の一例である。
【図14】図4の電子制御装置の制御作動すなわち平坦路を走行しているか登降坂路を走行しているかによって変速線図を切り換えるときの制御作動を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明する骨子図であって、図1に相当する図である。
【図16】図15の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が無段或いは有段変速作動させられる場合における変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表であって、図2に相当する図である。
【図17】図15の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が有段変速作動させられる場合における各ギヤ段の相対的回転速度を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【符号の説明】
【0162】
8:エンジン
10、70:変速機構(駆動装置)
11:差動部(無段変速部)
16:動力分配機構(差動機構)
18:伝達部材
20:自動変速部(変速部)
38:駆動輪
40:電子制御装置(制御装置)
50:切換制御手段
82:変速制御手段
M1:第1電動機
M2:第2電動機
C0:切換クラッチ(差動状態切換装置)
B0:切換ブレーキ(差動状態切換装置)




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013