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発明の名称 車体後部構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1352(P2007−1352A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181118(P2005−181118)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 岡本 敦
要約 課題
車体重量の増加を抑制しつつ、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバの曲げ変形を抑制することができ、ひいてはバリアの侵入量を低減させる車体後部構造を得る。

解決手段
車体後部10に配置されたリヤフロアパン12の側部には車体前後方向に沿ってリヤフロアサイドメンバ20が配置されている。リヤフロアサイドメンバ20は第1屈曲部20D及び第2屈曲部20Eで屈曲されているため、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバ20の後部20Cに軸圧縮荷重が入力されると、剥離方向の打点であるスポット溶接部26を剥そうとする力が作用する。しかし、ブラケット28を設けて打点を補強することと(三枚重ねのスポット溶接部34と)したので、リヤフロアサイドメンバ20の曲げ変形は抑制され、バリアの侵入量も抑制される。
特許請求の範囲
【請求項1】
平面状に形成されて車体後部に配置されたリヤフロアパンと、
このリヤフロアパンの側部に略車体前後方向を長手方向として配置されると共に平面視で車体幅方向外側へ屈曲する屈曲部を有し、更に車体幅方向を結合方向とする結合点を有してリヤフロアパンと結合されたリヤフロアサイドメンバと、
を含んで構成された車体後部構造であって、
前記屈曲部にてリヤフロアサイドメンバとリヤフロアパンとを結合する補強部材を設けた、
ことを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
前記補強部材は、前記結合点を覆うように配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載の車体後部構造。
【請求項3】
前記補強部材は、当該補強部材と前記リヤフロアサイドメンバとで前記リヤフロアパンが挟み込まれるように、結合されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体後部構造。
【請求項4】
前記補強部材及び前記リヤフロアサイドメンバの板厚は、前記リヤフロアパンの板厚よりも厚く設定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車体後部構造。
【請求項5】
前記補強部材は、リヤフロアサイドメンバに対して車体幅方向を結合方向とする第1結合点及び車体上下方向を結合方向とする第2結合点の双方を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車体後部構造。
【請求項6】
前記リヤフロアサイドメンバは、車室内側に配置されたリヤフロアサイドメンバインナと、車室外側に配置されかつリヤフロアサイドメンバインナと結合されて閉断面部を形成するリヤフロアサイドメンバアウタと、を含んで構成されていると共に、
前記リヤフロアパンの側部はリヤフロアサイドメンバインナに結合されており、
さらに、前記補強部材は、リヤフロアサイドメンバアウタとリヤフロアパンとを車体幅方向に結合する部材として構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の車体後部構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面状に形成されて車体後部に配置されたリヤフロアパンと、このリヤフロアパンの側部に略車体前後方向を長手方向として配置されると共に平面視で車体幅方向外側へ屈曲する屈曲部を有し、更に車体幅方向を結合方向とする結合点を有してリヤフロアパンと結合されたリヤフロアサイドメンバと、を含んで構成された車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車体側部の両サイドに前後方向に配置されるリヤサイドメンバの後端部が車体後端部に車体幅方向に配置されるリヤクロスメンバに結合される車体後部構造において、リヤサイドメンバの後端部の断面内側にエネルギー吸収機能を有するコ字状断面の第1リインフォースメントを設けると共に、リヤクロスメンバにおけるリヤサイドメンバの延長上にエネルギー吸収機能を有するコ字状断面の第2リインフォースメント及び第3リインフォースメントを設ける構成が開示されている。
【0003】
上記構成によれば、後面衝突時にリヤクロスメンバの第2リインフォースメント、第3リインフォースメントからリヤサイドメンバの後端部及びその内側に配設された第1リインフォースメントに衝突荷重が伝達されるので、リヤクロスメンバの剛性を活かしたエネルギー吸収作用が得られるというものである。
【特許文献1】特開平10−316051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記先行技術は後面衝突時における荷重伝達効率を高め車体後部へのバリアの侵入量を抑えることができる点で評価できるが、車種によっては、意図した効果が得られない点で改善の余地がある。
【0005】
すなわち、上記先行技術では、リヤフロアに対してリヤフロアサイドメンバが上下方向に接合されている車体後部構造のみを念頭にして発明がなされているが、車種によってはリヤフロアサイドメンバがリヤフロアに対して車体幅方向にスポット溶接されている場合も多い。従って、この種の車体後部構造を持つ車両に対しては、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバに剥離方向の荷重が作用し、リヤフロアサイドメンバの曲げ変形を充分に抑制できない場合がある。
【0006】
また、リインフォースメントが左右それぞれ三種類ずつ必要となり、車体重量の大幅増加は避けられない。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、車体重量の増加を抑制しつつ、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバの曲げ変形を抑制することができ、ひいてはバリアの侵入量を低減させる車体後部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明に係る車体後部構造は、平面状に形成されて車体後部に配置されたリヤフロアパンと、このリヤフロアパンの側部に略車体前後方向を長手方向として配置されると共に平面視で車体幅方向外側へ屈曲する屈曲部を有し、更に車体幅方向を結合方向とする結合点を有してリヤフロアパンと結合されたリヤフロアサイドメンバと、を含んで構成された車体後部構造であって、前記屈曲部にてリヤフロアサイドメンバとリヤフロアパンとを結合する補強部材を設けた、ことを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1記載の発明において、前記補強部材は、前記結合点を覆うように配置されている、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記補強部材は、当該補強部材と前記リヤフロアサイドメンバとで前記リヤフロアパンが挟み込まれるように、結合されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記補強部材及び前記リヤフロアサイドメンバの板厚は、前記リヤフロアパンの板厚よりも厚く設定されている、ことを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記補強部材は、リヤフロアサイドメンバに対して車体幅方向を結合方向とする第1結合点及び車体上下方向を結合方向とする第2結合点の双方を有している、ことを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1記載の発明において、前記リヤフロアサイドメンバは、車室内側に配置されたリヤフロアサイドメンバインナと、車室外側に配置されかつリヤフロアサイドメンバインナと結合されて閉断面部を形成するリヤフロアサイドメンバアウタと、を含んで構成されていると共に、前記リヤフロアパンの側部はリヤフロアサイドメンバインナに結合されており、さらに、前記補強部材は、リヤフロアサイドメンバアウタとリヤフロアパンとを車体幅方向に結合する部材として構成されている、ことを特徴としている。
【0014】
請求項1記載の本発明によれば、リヤフロアパンの側部には略車体前後方向を長手方向として配置されたリヤフロアサイドメンバが結合されているため、後面衝突されると、衝突荷重がリヤフロアサイドメンバの後端側に軸圧縮荷重として入力される。
【0015】
ここで、リヤフロアサイドメンバは平面視で車体幅方向外側へ屈曲する屈曲部を有しているため、後端側に軸圧縮荷重が入力されると、リヤフロアサイドメンバの屈曲部が車体幅方向外側へ引っ張られる。このときの引張荷重は、リヤフロアサイドメンバとリヤフロアパンとを車体幅方向を結合方向として結合する結合点に、剥離方向の荷重として作用する。
【0016】
しかしながら、本発明では、上記屈曲部にリヤフロアサイドメンバとリヤフロアパンとを結合する補強部材を設けたので、結合点での剥離方向に対する抗力が増加し、リヤフロアサイドメンバの車体幅方向外側への曲げ変形が抑制又は抑止される。これにより、リヤフロアサイドメンバの後端側での軸圧縮変形によるエネルギー吸収効果が高められ、その分、バリアの侵入量を低減させることができる。
【0017】
しかも、本発明では、補強部材を屈曲部に配置するのみであるから、複数箇所に補強部材を設ける従来構造に比し、車体重量の増加を抑えられる。
【0018】
請求項2記載の本発明によれば、補強部材が結合点を覆うように配置されているため、結合点の補強が効果的に成される。
【0019】
請求項3記載の本発明によれば、補強部材とリヤフロアサイドメンバとでリヤフロアパンが挟み込まれるように補強部材が結合されているので、補強部材の板厚分が結合点の結合厚さに加算される。
【0020】
請求項4記載の本発明によれば、補強部材及びリヤフロアサイドメンバの板厚がリヤフロアパンの板厚よりも厚く設定されているので、以下の作用が得られる。すなわち、仮に補強部材が設定されていない場合には、相対的に薄板のリヤフロアパンが相対的に厚板のリヤフロアサイドメンバに車体幅方向を結合方向として結合される結合点を有することになるので、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバを屈曲部にて車体幅方向外側へ曲げ変形させようとする荷重、即ち剥離方向の荷重が入力されると、当該結合点の結合力が失われる可能性がある。しかし、本発明によれば、当該結合点が相対的に厚板の補強部材によって補強されるので、結合力は維持される。
【0021】
請求項5記載の本発明によれば、補強部材はリヤフロアサイドメンバに対して車体幅方向を結合方向とする第1結合点の他に、車体上下方向を結合方向とする第2結合点を有しているので、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバを屈曲部にて車体幅方向外側へ曲げ変形させる荷重が作用した際に、第2結合点は当該荷重をせん断抵抗で受け止めることができる。
【0022】
請求項6記載の本発明では、リヤフロアサイドメンバが、車室内側に配置されたリヤフロアサイドメンバインナと、車室外側に配置されかつリヤフロアサイドメンバインナと結合されて閉断面部を形成するリヤフロアサイドメンバアウタと、を含んで構成されていると共に、リヤフロアパンの側部がリヤフロアサイドメンバインナに結合された車体後部構造を前提として、リヤフロアサイドメンバアウタとリヤフロアパンとを車体幅方向に結合する部材として補強部材を構成したので、補強部材がリヤフロアパンとリヤフロアサイドメンバとを結ぶブレースとして機能する。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1記載の車体後部構造は、平面状に形成されて車体後部に配置されたリヤフロアパンと、このリヤフロアパンの側部に略車体前後方向を長手方向として配置されると共に平面視で車体幅方向外側へ屈曲する屈曲部を有し、更に車体幅方向を結合方向とする結合点を有してリヤフロアパンと結合されたリヤフロアサイドメンバと、を含んで構成された車体後部構造において、屈曲部にてリヤフロアサイドメンバとリヤフロアパンとを結合する補強部材を設けたので、リヤフロアサイドメンバの屈曲部における結合点での剥離方向に対する抗力を増加させることができ、その結果、車体重量の増加を抑制しつつ、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバの曲げ変形を抑制することができ、ひいてはバリアの侵入量を低減させることができるという優れた効果を有する。
【0024】
請求項2記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1記載の発明において、補強部材が結合点を覆うように配置されているため、結合点の補強が効果的に成され、その結果、リヤフロアサイドメンバの曲げ変形を効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
【0025】
請求項3記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、補強部材は、当該補強部材とリヤフロアサイドメンバとでリヤフロアパンが挟み込まれるように、結合されているので、結合点の板厚を増加させることができ、その結果、リヤフロアサイドメンバの曲げ変形を一層効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
【0026】
請求項4記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、補強部材及びリヤフロアサイドメンバの板厚をリヤフロアパンの板厚よりも厚く設定したので、後面衝突時に結合点の結合力が維持され、その結果、リヤフロアサイドメンバの曲げ変形をより一層効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
【0027】
請求項5記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、リヤフロアサイドメンバに対して車体幅方向を結合方向とする第1結合点及び車体上下方向を結合方向とする第2結合点の双方を有しているので、補強部材とリヤフロアサイドメンバとの結合力にせん断抵抗力が加わり、その結果、補強部材のリヤフロアサイドメンバへの結合強度を上げることができるという優れた効果を有する。
【0028】
請求項6記載の本発明に係る車体後部構造は、請求項1記載の発明において、リヤフロアサイドメンバは、車室内側に配置されたリヤフロアサイドメンバインナと、車室外側に配置されかつリヤフロアサイドメンバインナと結合されて閉断面部を形成するリヤフロアサイドメンバアウタと、を含んで構成されていると共に、リヤフロアパンの側部はリヤフロアサイドメンバインナに結合されており、さらに、補強部材は、リヤフロアサイドメンバアウタとリヤフロアパンとを車体幅方向に結合する部材として構成されているので、補強部材がブレースとして機能し、その結果、車体重量の増加を抑制しつつ、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバの曲げ変形を抑制することができ、ひいてはバリアの侵入量を低減させることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る車体後部構造の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車体前方側を示しており、矢印UPは車体上方側を示しており、矢印OUTは車体幅方向外側を示している。
【0030】
図1には、本実施形態に係る車体後部構造の全体構成が斜視図で示されている。また、図2には、後面衝突前後の状態が平面図で示されている。さらに、図3には、図2(A)の3‐3線に沿う縦断面図が示されている。
【0031】
これらの図に示されるように、車体後部10には、平面状に形成されたリヤフロアパン12が略水平に配設されている。リヤフロアパン12の車体前方側には一段上がった位置にセンタフロアパン14が配設されている。リヤフロアパン12とセンタフロアパン14との間には、リヤフロアクロスメンバ16が車体幅方向を長手方向として配置されている。リヤフロアクロスメンバ16は車体前方側が開放された断面ハット形状とされており、センタフロアパン14の後端部に結合されて閉断面部(図示省略)を構成している。また、リヤフロアクロスメンバ16には、リヤフロアパン12の前端部が結合されている。なお、リヤフロアパン12の後端部は、車体幅方向に沿って配設された図示しないロアバックパネルに結合されている。
【0032】
補足すると、上記構成の車体後部10は一例としてミニバン等の車種で使用されており、特に3列シートを搭載した車両でサードシートが略水平に折り畳まれてリヤフロアパン12上の凹部18に格納される車種に好適である。
【0033】
上記リヤフロアパン12の両側部には、略車体前後方向を長手方向として配置されたリヤフロアサイドメンバ20が配設されている。より詳細には、図3に示されるように、リヤフロアサイドメンバ20は、車体幅方向外側が開放された断面ハット形状に形成されたリヤフロアサイドメンバインナ22と、このリヤフロアサイドメンバインナ22の外側に配置されてリヤフロアサイドメンバインナ22の上下のフランジ部22Aと結合されることにより閉断面部23を構成する平板状のリヤフロアサイドメンバアウタ24と、によって構成されている。
【0034】
また、上記リヤフロアサイドメンバ20を平面視で観ると、図2(A)に示されるように、センタフロアパン14の側部の下側を車体前後方向に沿って延在する前部20Aと、リヤフロアクロスメンバ16との接合部を起点として斜め後方外側へ傾斜する傾斜部20Bと、傾斜部20Bの後端から車体後方側へ延出された後部20Cと、によって構成されている。なお、説明の便宜上、傾斜部20Bの前端側の屈曲部を第1屈曲部20Dと称し、傾斜部20Bの後端側の屈曲部を第2屈曲部20Eと称す。
【0035】
図1及び図3に示されるように、上述したリヤフロアパン12の車体幅方向外側に位置する側部12Aは車体上方側へ折り曲げられており、その端末部12Bはリヤフロアサイドメンバインナ22の内壁部22Bの下部にスポット溶接により接合されている(スポット溶接部を符号「26」で示し、打点を「×」印で示す)。
【0036】
さらに本実施形態では、上述したリヤフロアクロスメンバ16における第2屈曲部20Eの内側に平板で構成された補強用のブラケット28がスポット溶接により接合されている。より詳細には、図3に示されるように、ブラケット28は断面形状がL字状に形成されており、横壁部28Aはリヤフロアサイドメンバインナ22の頂壁部22Cにスポット溶接により接合されている(スポット溶接部を符号「30」で示し、打点を「×」印で示す)。また、ブラケット28の縦壁部28Bの上部側は、リヤフロアサイドメンバインナ22の内壁部22Cにスポット溶接により接合されている(スポット溶接部を符号「32」で示し、打点を「×」印で示す)。さらに、ブラケット28の縦壁部28Bの下部側は、リヤフロアパン12の端末部12Bを挟持した状態(三枚重ねの状態)で、リヤフロアサイドメンバインナ22の内壁部22Cにスポット溶接により接合されている(スポット溶接部を符号「34」で示し、打点を「×」印で示す)。
【0037】
また、上記構成のブラケット28及びリヤフロアサイドメンバインナ22の板厚は、リヤフロアパン12の板厚よりも相対的に厚く設定されている。
【0038】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0039】
図2(A)に示される状態が後面衝突前(変形前)の状態である。この状態から相手車両等のバリア36が後面衝突すると、図2(B)に示されるように、リヤフロアサイドメンバ20の後部20Cに衝突荷重Fが軸圧縮荷重として入力される。このため、リヤフロアサイドメンバ20の傾斜部20B及び後部20Cが、第1屈曲部20Dを起点として車体幅方向外側へ曲げ変形しようとする。なお、第1屈曲部20Dが曲げ変形の起点となるのは、第1屈曲部20Dではリヤフロアクロスメンバ16の端部が結合されているため、第1屈曲部20Dの車体幅方向外側への変位が拘束されるからである。
【0040】
リヤフロアサイドメンバ20の傾斜部20B及び後部20Cが第1屈曲部20Dを起点として車体幅方向外側へ曲げ変形しようとすると、本来であれば、第2屈曲部20Eによってリヤフロアパン12が車体幅方向外側(図2(B)の矢印P方向)、即ちスポット溶接部34を剥離方向へ引っ張られる。
【0041】
しかしながら、本実施形態では、第2屈曲部20Eにブラケット28を設けてスポット溶接部34を補強しているので(より正確には、ブラケット28を設けていなかった場合には、二枚重ねのスポット溶接部26と同じ扱いになっていた部位を、ブラケット28を重合させて三枚重ねのスポット溶接部34として構造を変更したので)、スポット溶接部34での剥離方向に対する抵抗力が増加し、リヤフロアサイドメンバ20の車体幅方向外側への曲げ変形が抑制又は抑止される。これにより、リヤフロアサイドメンバ20の後部20Cでの軸圧縮塑性変形が促進され、エネルギー吸収効果量が増加される。そして、その分、バリア36の車体後部10への侵入量を低減させることができる。
【0042】
しかも、本実施形態では、ブラケット28は平板で構成されており、第2屈曲部20Eの内側に配置するだけなので、複数種類の複雑な形状のリインフォースメントを設定する車体後部構造に比し、車体重量及びコストの増加を抑えられる。
【0043】
このように本実施形態に係る車体後部構造では、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバ20に車体幅方向外側への曲げ変形を生じ易い第2屈曲部20Eに、当該第2屈曲部20Eとリヤフロアパン12の側部12Aとを結合しているスポット溶接部34を補強する補強部材としてのブラケット28を設定したので、リヤフロアサイドメンバ20の第2屈曲部20Eにおける結合点(スポット溶接部34)での剥離方向に対する抵抗力を増加させることができる。その結果、本実施形態によれば、車体重量の増加を抑制しつつ、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバ20の曲げ変形を抑制して、リヤフロアサイドメンバ20の後部20Cでのエネルギー吸収量を増加させ、その分、バリア36の車体後部10への侵入量を低減させることができる。
【0044】
より仔細に観ると、本実施形態に係る車体後部構造では、ブラケット28が第2屈曲部20Eとリヤフロアパン12の側部12Aとの結合点(スポット溶接部34)に覆い被さるように配置されているため、スポット溶接部34の補強が効果的に成される。その結果、リヤフロアサイドメンバ20の曲げ変形を効果的に抑制することができ、ひいては後部20Cでのエネルギー吸収量の増加、バリア36の車体後部10への侵入量の更なる低減を実現することができる。
【0045】
さらに、本実施形態に係る車体後部構造では、補強部材としてのブラケット28とリヤフロアサイドメンバインナ22との間にリヤフロアパン12の端末部12Bを挟み込むように結合させているので、ブラケット28の板厚分が結合点の結合厚さに加算される。その結果、本実施形態によれば、後面衝突時におけるリヤフロアサイドメンバ20の曲げ変形を一層効果的に抑制することができ、エネルギー吸収量の増加、バリア侵入量の低減を図ることができる。
【0046】
また、上記に加え、ブラケット28及びリヤフロアサイドメンバインナ22の板厚がリヤフロアパン12の板厚よりも相対的に厚く設定されているので、以下の作用が得られる。すなわち、仮にブラケット28が設定されていない場合には、相対的に薄板のリヤフロアパン12の端末部12Bが相対的に厚板のリヤフロアサイドメンバインナ22の内壁部22Bに車体幅方向を結合方向としてスポット溶接されることになるので、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバ20を第2屈曲部20Eにて車体幅方向外側へ曲げ変形させようとする荷重(車体幅方向外側へ折れ曲がらせようとする荷重)、即ち剥離方向の荷重が入力されると、当該スポット溶接部34の結合力が失われる可能性がある。なお、仮にスポット溶接部34の結合力が失われ剥離すると、リヤフロアクロスメンバ16は早期に折れ曲がろうとする。
【0047】
しかし、本実施形態によれば、当該スポット溶接部34が相対的に厚板のブラケット28によって補強されるので、スポット溶接部34の結合力は維持され、リヤフロアサイドメンバ20への入力荷重をリヤフロアパン12に確実に伝達することができる。その結果、本実施形態によれば、リヤフロアサイドメンバ20の曲げ変形をより一層効果的に抑制することができる。
【0048】
さらに、本実施形態のブラケット28は断面L字状に形成されており、リヤフロアサイドメンバインナ22に対して車体幅方向を結合方向とするスポット溶接部26、34、32の他に、車体上下方向を結合方向とするスポット溶接部30を有しているので、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバ20を第2屈曲部20Eにて車体幅方向外側へ曲げ変形させる荷重が作用した際に、スポット溶接部30は当該荷重をせん断抵抗で受け止めることができる。その結果、本実施形態によれば、ブラケット28のリヤフロアサイドメンバ20への結合強度を上げることができ、ひいてはリヤフロアサイドメンバ20の後部20Cでの軸圧縮塑性変形によるエネルギー吸収性能を高めることができ、その分、バリア36の車体後部10への侵入量低減効果を高めることができる。
【0049】
〔第2実施形態〕
以下、図4を用いて、本発明に係る車体後部構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0050】
図4に示されるように、第2実施形態に係る車体後部構造では、リヤフロアサイドメンバ20におけるリヤフロアサイドメンバアウタ24の下部とリヤフロアパン12の立ち上がりの側部12Aとを、下向きにコ字状の断面形状とされた補強部材としてのブレース38によって相互に連結した点に特徴がある。つまり、リヤフロアサイドメンバアウタ24の下部とリヤフロアパン12の側部12Aとがブレース38によって車体幅方向に結合(連結)されている。なお、結合にはスポット溶接が用いられている。
【0051】
上記構成によれば、ブレース38が存在することにより、リヤフロアサイドメンバ20(の第2屈曲部20E)とリヤフロアパン12との車体幅方向に対する結合力を高めることができる。このため、後面衝突時にリヤフロアサイドメンバ20の曲げ変形を抑制することができ、ひいてはバリア36の車体後部10への侵入量を低減させることができる。
【0052】
また、ブレース38は略平板状の部材であるため、構造が簡素であると共に、車体重量の増加を抑制することができる。
【0053】
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上述した第1実施形態では、断面形状がL字状とされたブラケット28を用いたが、これに限らず、縦壁部28Bに相当する部分のみを有する補強部材を用いることも可能である。
【0054】
また、上述した第1実施形態では、リヤフロアクロスメンバインナ22及びブラケット28の縦壁部28Bの板厚をリヤフロアパン12の端末部12Bの板厚よりも相対的に厚くしたが、請求項4以外の請求項1乃至請求項3及び請求項5に係る発明においては、ブラケット28の縦壁部28Bの板厚がリヤフロアパン12の端末部12Bの板厚と同等であるものも含まれる。
【0055】
さらに、上述した第2実施形態では、補強部材としてのブレース38をリヤフロアサイドメンバインナ22の下方側に離間して配置したが、これに限らず、リヤフロアサイドメンバインナ22の下側のフランジ22Aにブレース38の外側の端部を当接させて、三枚重ねのスポット溶接で接合する補強構造を採ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1実施形態に係る車体後部構造の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示される車体後部構造を備えた車両の衝突前後の状態を示す平面図である。
【図3】図2(A)の3‐3線に沿う縦断面図である。
【図4】第2実施形態に係る車体後部構造の全体構成を示す図3に相当する縦断面図である。
【符号の説明】
【0057】
10 車体後部
12 リヤフロアパン
12A 側部
20 リヤフロアサイドメンバ
20E 第2屈曲部
22 リヤフロアサイドメンバインナ
23 閉断面部
24 リヤフロアサイドメンバアウタ
26 スポット溶接部(結合点)
28 ブラケット(補強部材)
30 スポット溶接部(第2結合点)
32 スポット溶接部(第1結合点)
34 スポット溶接部(第1結合点)
36 バリア
38 ブレース(補強部材)




 

 


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