米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> トヨタ自動車株式会社

発明の名称 電動パワーステアリング装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1324(P2007−1324A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180172(P2005−180172)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
発明者 河西 栄治 / 藤田 修司 / 藤範 洋一 / 田代 盛己 / 高橋 雅文 / 杣田 久志 / 山崎 一平 / 斎藤 貴俊 / 山下 正治
要約 課題
高電圧バッテリ51を用いた電動パワーステアリング装置において、電源バックアップを低コストにて行うことを目的とする。

解決手段
高圧バッテリ51と降圧回路53とを有する主電源供給部50と、低圧バッテリ61を有する副電源供給部60とを並列に接続し、その接続された電源供給合流出力ライン90に昇圧回路70を設け、その昇圧回路70の出力をモータ駆動回路32の電源とする。高圧バッテリ51が劣化して主電源供給部50の出力電圧が低下した場合には、昇圧回路70にて定格電圧にまで昇圧し、さらに、主電源供給部50の出力電圧が低下した場合には、副電源供給部60からの電源供給に切り替え昇圧回路70で昇圧してモータ駆動回路32に電源供給する。
特許請求の範囲
【請求項1】
電源装置から電力供給される電動モータと、該電動モータの作動を制御するモータ制御手段とを備え、操舵ハンドルの操舵状態に応じて上記電動モータを作動して操舵輪に操舵力を付与する電動パワーステアリング装置において、
上記電源装置は、
第1電圧の高圧バッテリを有する主電源供給部と、上記第1電力より低い第2電圧の低圧バッテリを有する副電源供給部との少なくとも2つの電源供給部を並列に備え、
通常時においては上記主電源供給部から上記電動モータに電源供給し、上記主電源供給部の出力電圧低下時においては、上記副電源供給部の上記低圧バッテリの電圧を昇圧回路により昇圧して上記電動モータに電源供給する電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
上記主電源供給部の電源供給出力ラインに、上記副電源供給部の電源供給出力ラインを逆流防止素子を介して接続し、上記接続して合流した電源供給合流ラインに昇圧回路を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
上記逆流防止素子としてツェナーダイオードが用いられることを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
上記主電源供給部の電源供給出力ラインと上記副電源供給部の電源供給出力ラインとのいずれか一方を、上記電動モータへの電源供給合流ラインに接続する機械式リレーと、
上記機械式リレーを介して上記電源供給合流ライン供給される電源電圧を検出する電圧検出手段と、
通常時は上記機械式リレーを上記主電源供給部の電源供給出力ライン側に接続し、上記電圧検出手段により上記電源供給電圧の低下を検出したときに、上記機械式リレーを切り替えて上記副電源供給部からの電源供給に切り替えるリレー切替手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項5】
上記機械式リレーを切り替えるときには、上記モータ制御手段により一時的に上記電動モータの駆動電流を通常制御時よりも少なくなるように制限する切替時モータ電流制御手段を備えた請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項6】
上記電圧検出手段により上記副電源供給部からの電源供給出力ライン側に切り替わったことを検出して、上記駆動電流の制限を終了して通常時の電流制御に戻すことを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項7】
上記駆動電流を制限する時間を、上記機械式リレーが切り替わるのに必要とされる時間相当以上に設定したことを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項8】
電動パワーステアリング制御の起動時に、上記機械式リレーを上記副電源供給部の電源供給出力ライン側に切り替えて、上記電圧検出手段により、その電源電圧を監視する副電源監視手段を備えた請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項9】
上記機械式リレーを、上記主電源供給部の電源供給出力ライン側と上記副電源供給部の電源供給出力ライン側とに交互に切り替えるとともに、そのときの上記電圧検出手段にて検出した各電源供給出力ラインの電圧に基づいて、上記機械式リレーの故障を検出するリレー故障検出手段を備えたこと特徴とする請求項4ないし請求項8のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項10】
上記主電源供給部の電圧低下時であっても、上記主電源供給部の電源供給出力ラインの電圧が所定電圧よりも高いうちは、上記主電源供給部からの出力電圧を上記昇圧回路により昇圧して上記電動モータに供給することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電動パワーステアリング用電源装置。
【請求項11】
上記昇圧回路を作動しているときは、上記モータ制御手段に対して上記電動モータの駆動電流を通常時よりも抑える電流セーブ手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項12】
上記電流セーブ手段が作動している場合には、上記電動モータの必要駆動電流が所定値以上のときに運転者に対して報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項13】
上記昇圧回路を作動させて電源供給する連続時間を所定時間内に制限する昇圧作動時間制限手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、操舵ハンドルの回動操作に応じて操舵輪に操舵力を付与する電動モータを備えた電動パワーステアリング装置の電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の電動パワーステアリング装置は、操舵ハンドルの回動操作に対して操舵アシスト力を付与するように電動モータを備え、この電動モータの電流量を変化させる通電制御を行ってアシスト力を調整する。
こうした電動パワーステアリング装置は、その電源としてバッテリーが使用される。そして、電源異常に対する配慮から、特許文献1のものでは、同一電圧の2系統の電源を備え、一方の電源に異常が生じたときに、もう一方の電源からの電源供給に切り替えるようにした構成を採用している。
【特許文献1】特開2004−291852
【0003】
しかしながら、電動パワーステアリングの電動モータの消費電力量が大きいことから、高電圧タイプのバッテリーを電源に用いたシステムを構成しようとすると、電源異常時のバックアップ用としてもう一つ別の高電圧タイプのバッテリが必要となってしまう。このため、電動パワーステアリング用電源のコストが非常に高くなってしまい好ましくない。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、上記問題に対処するためになされたもので、高電圧タイプのバッテリを用いたパワーステアリング装置において、電源バックアップを低コストにて行うことを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、電源装置から電力供給される電動モータと、該電動モータの作動を制御するモータ制御手段とを備え、操舵ハンドルの操舵状態に応じて上記電動モータを作動して操舵輪に操舵力を付与する電動パワーステアリング装置において、上記電源装置は、第1電圧の高圧バッテリを有する主電源供給部と、上記第1電力より低い第2電圧の低圧バッテリを有する副電源供給部との少なくとも2つの電源供給部を並列に備え、通常時においては上記主電源供給部から上記電動モータに電源供給し、上記主電源供給部の出力電圧低下時においては、上記副電源供給部の上記低圧バッテリの電圧を昇圧回路により昇圧して上記電動モータに電源供給することにある。
【0006】
上記のように構成した本発明においては、高圧バッテリを有する主電源供給部から優先的に電動モータに電源供給するが、高圧バッテリの電圧低下に伴って主電源供給部の出力電圧が低下すると、低圧バッテリの電圧を昇圧回路により昇圧して電動モータに供給する。このため、高圧バッテリを2組用意する必要がなく、一般的な電気負荷に使用される低圧バッテリを高圧バッテリのバックアップ電源として利用できることから、低コストにて電動パワーステアリング装置の電源装置を構成することが可能となる。
【0007】
この場合、上記主電源供給部の電源供給出力ラインに、上記副電源供給部の電源供給出力ラインを逆流防止素子を介して接続し、上記接続して合流した電源供給合流ラインに昇圧回路を設ければ、主電源供給部からの電力が副電源供給部に流れることはなく、両電源供給部の出力電圧の大小関係に応じて、出力電圧の高い側の電源供給部から自動的に電源供給される。従って、電源供給部を切り替えるための切替装置を設けないように構成することができる。また、電源供給する側の電源供給部の出力電圧が低下している場合であっても、その電圧を昇圧回路で所定電圧にまで昇圧して電動モータに電力供給する事ができるため、電動モータは所定の性能を発揮できる。
【0008】
また、上記逆流防止素子としてツェナーダイオードが用いてもよい。これによれば、主電源供給部からの電力の副電源供給部への流入を防止する一方、電動モータで回生電力が発生した場合には、低圧バッテリ側に回生電力を流して吸収することができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、上記主電源供給部の電源供給出力ラインと上記副電源供給部の電源供給出力ラインとのいずれか一方を、上記電動モータへの電源供給合流ラインに接続する機械式リレーと、上記機械式リレーを介して上記電源供給合流ライン供給される電源電圧を検出する電圧検出手段と、通常時は上記機械式リレーを上記主電源供給部の電源供給出力ライン側に接続し、上記電圧検出手段により上記電源供給電圧の低下を検出したときに、上記機械式リレーを切り替えて上記副電源供給部からの電源供給に切り替えるリレー切替手段とを備えたことにある。例えば、副電源供給部の電源供給出力ラインにダイオード等の逆流防止素子を設けた場合には、その逆流防止素子の異常や副電源供給部の異常を検出するためには新たな検出回路を必要とするが、この発明では、機械式リレーにより電源供給部の切り替えを行うようにし、その出力電圧を検出することで、機械式リレーの異常や副電源供給部の異常も検出することができる。
【0010】
そして、上記機械式リレーを切り替えるときには、上記モータ制御手段により一時的に上記電動モータの駆動電流を通常制御時よりも少なくなるように制限する切替時モータ電流制御手段を備えてもよい。これによれば、機械式リレーの切り替え時に大電流が流れないため接点溶着が防止される。
この場合、上記電圧検出手段により上記副電源供給部からの電源供給出力ライン側に切り替わったことを検出して、上記駆動電流の制限を終了して通常時の電流制御に戻してもよい。あるいは、上記駆動電流を制限する時間を、上記機械式リレーが切り替わるのに必要とされる時間相当以上に設定してもよい。
これによれば、機械式リレーの接点溶着を確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明の他の特徴として、上記機械式リレーを、上記主電源供給部の電源供給出力ライン側と上記副電源供給部の電源供給出力ライン側とに交互に切り替えるとともに、そのときの上記電圧検出手段にて検出した各電源供給出力ラインの電圧に基づいて、上記機械式リレーの故障を検出するリレー故障検出手段を備えたことにある。
例えば、機械式リレーが正常であれば、電源供給部を切り替えたときに電圧検出手段では電圧変動を検出できるはずであるが、そうした電圧変動を検出できなければ、機械式リレーが故障していると判断できる。従って、この発明によれば、機械式リレーの故障を簡単に検出することができる。
【0012】
また、本発明の他の特徴として、上記主電源供給部の電圧低下時であっても、上記主電源供給部の電源供給出力ラインの電圧が所定電圧よりも高いうちは、上記主電源供給部からの出力電圧を上記昇圧回路により昇圧して上記電動モータに供給することにある。
これによれば、昇圧回路は、低圧バッテリの電圧を昇圧するために用いられるだけでなく、主電源供給部の出力電圧が低下した場合においても使用される。つまり、昇圧回路を有効利用し、副電源供給部からの電源バックアップを行わない状態であっても、主電源供給部の出力を適正電圧に昇圧して電動モータに電源供給することができる。この結果、電動モータは所定の性能を発揮できる。
【0013】
また、本発明の他の特徴として、上記昇圧回路を作動しているときは、上記モータ制御手段に対して上記電動モータの駆動電流を通常時よりも抑える電流セーブ手段を備えたことにある。これによれば、高圧バッテリを共用する他の電気負荷への悪影響を低減できる。つまり、高圧バッテリ電圧が低下している状態において、電動パワーステアリングの作動(電動モータへの通電)をそのまま行うと、高圧バッテリ電圧が更に低下して、他の電気負荷への電力供給が悪化することがある。そこで、本発明では、こうした状況下においては電動モータの駆動電流を抑えることにより、高圧バッテリの消耗度合いを減らし、他の電気負荷の誤作動を防止する。
【0014】
この場合、上記電流セーブ手段が作動している場合には、上記電動モータの必要駆動電流が所定値以上のときに運転者に対して報知する報知手段を備えてもよい。これによれば、適切なタイミングで運転者に対してバッテリ交換が促される。
また、上記昇圧回路を作動させて電源供給する連続時間を所定時間内に制限する昇圧作動時間制限手段を備えてもよい。これによれば、高圧あるいは低圧バッテリの消耗を抑えることができ、他の電気負荷の誤作動を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る電動パワーステアリング装置を概略的に示している。
【0016】
この電動パワーステアリング装置は、大別すると、操舵輪へ操舵アシスト力を付与する操舵アシスト機構10と、操舵アシスト機構10の電動モータ15を駆動制御するアシスト制御装置30と、電源装置40とから構成される。
【0017】
操舵アシスト機構10は、操舵ハンドル11の回動操作に連動したステアリングシャフト12の軸線周りの回転をラックアンドピニオン機構13によりラックバー14の軸線方向の運動に変換して、このラックバー14の軸線方向の運動に応じて操舵輪である左右前輪FW1,FW2を操舵するようになっている。ラックバー14には電動モータ15が組み付けられている。電動モータ15は、その回転に応じてボールねじ機構16を介してラックバー14を軸線方向に駆動することにより、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシスト力を付与する。電動モータ15には回転角センサ17が付設され、ステアリングシャフト12の下端部には操舵トルクセンサ20が組みつけられている。
【0018】
回転角センサ17はレゾルバにより構成され、電動モータ15の回転角を検出して、検出した回転角を表す検出信号を出力する。操舵トルクセンサ20は、ステアリングシャフト12に介装されて上端および下端をステアリングシャフト12に接続したトーションバー21と、トーションバー21の上端部および下端部にそれぞれ組み付けられたレゾルバ22,23とからなる。レゾルバ22,23は、トーションバー21の上端および下端の回転角をそれぞれ検出して、検出した各回転角を表す検出信号をそれぞれ出力する。
【0019】
アシスト制御装置30は、これらの回転角センサ17、操舵トルクセンサ20および車両の速度を検出する車速センサ28からの検出信号にもとづいて、電動モータ15への通電量を調整して操舵アシスト力を制御するもので、主要部をマイクロコンピュータにて構成するアシスト用電子制御装置31と、そのアシスト用電子制御装置31からのモータ制御信号により電動モータ15を駆動するモータ駆動回路32とからなる。
本実施形態においては、電動モータ15として3相ブラシレスモータを用い、モータ駆動回路32としてのインバータ回路にて3相駆動電流を電動モータに流すようにするが、Hブリッジ回路にて2相ブラシモータを駆動制御する等、種々のモータや駆動回路を採用できる。
また、アシスト用電子制御装置31には、運転者に対してバッテリ交換を促す報知器29が接続される。
【0020】
電源装置40は、図2に示すように、主電源供給部50と、バックアップ電源となる副電源供給部60と、昇圧回路70と、電源制御装置80とに大別される。
【0021】
主電源供給部50は、正常時において第1電圧V1H(例えば、本実施形態ではV1H=288V)の電力を発生する高圧バッテリ51と、高圧バッテリ51の電源ラインを開閉する高圧側リレー52と、高圧バッテリ電圧V1Hを降圧電圧V1L(例えば、本実施形態ではV1L=42V)に降圧する降圧回路53(DC−DCコンバータ)と、降圧回路53の2次側に設けられ電動モータ15で発生した回生電力を吸収する回生吸収回路54とを備える。
回生吸収回路54は、降圧された電源ラインから分岐した接地ラインに抵抗素子55と吸収用スイッチング素子56を設けたもので、回生電力の発生時にこの吸収用スイッチング素子56をオンして回生電力を逃がすものである。
降圧回路53の2次側が主電源供給部の電源供給出力ライン57となる。
【0022】
副電源供給部60は、正常時において第2電圧V2L(例えば、本実施形態ではV2L=12V)を発生する低圧バッテリ61と、低圧バッテリ61の電源ラインを開閉する低圧側リレー62とを備える。副電源供給部60の電源供給出力ライン64には逆流防止素子としてのダイオード63が、そのカソード側を電源出力側に、アノードを低圧バッテリ61側にして設けられる。
【0023】
各電源供給部50,60は並列に設けられ、主電源供給部50の電源供給出力ライン57と、副電源供給部60の電源供給出力ライン64とが接続され、その接続して合流した電源供給合流ライン90に昇圧回路70が設けられる。
【0024】
昇圧回路70には、電源供給合流ライン90に直列に設けられる昇圧用コイル71と、昇圧用コイル71の出力側の電源供給合流ライン90から分岐した接地ラインに設けられる第1スイッチング素子SW1と、電源供給合流ライン90に直列に設けられる第2スイッチング素子SW2とが設けられる。昇圧回路70の2次側の電源出力ライン91にはノイズ除去用のコンデンサ72が設けられる。
【0025】
第1、第2スイッチング素子SW1,SW2は、それぞれ電源制御装置80からのパルス信号により速い周期でオンオフして、その出力として基準出力電圧V0(例えば、本実施形態ではV0=42V)を発生させる。つまり、昇圧目標電圧をV0に設定して昇圧作動する。この場合、第1、第2スイッチング素子SW1,SW2は、同期してオンオフするが、図3に示すように、その動作が互いに逆相(第1スイッチング素子SW1がオンのとき第2スイッチング素子SW2がオフ)となるように設定されることで、昇圧用コイル71にて昇圧動作が行われる。
この昇圧回路70の出力は、電源装置40の出力としてモータ駆動回路32に供給される。以下、この昇圧回路70の出力を電源出力、その出力電圧を電源出力電圧と呼ぶ。
【0026】
電源制御装置80は、主要部をマイクロコンピュータにより構成され、昇圧回路70の入力電圧Vin(電源供給合流ライン90の電圧)および電源出力電圧Vout(昇圧回路70の出力電圧)をモニタし、そのモニタ電圧に基づいて後述する昇圧制御を行う。
尚、電源制御装置80およびアシスト用電子制御装置31は、図示しない電源供給ラインを介して低圧バッテリ61から電源供給される。
【0027】
次に、この電源装置40の基本的な作動について説明する。
この電源装置は、イグニッションキーのON操作により、リレー52,62がオンする。従って、主電源供給部50の出力電圧と副電源供給部60の出力電圧との関係から、その出力電圧の高いほうの電源が使用されることになる。
【0028】
高圧バッテリ51の容量が十分ある場合には、この例では主電源供給部50の出力電圧V1Lは42Vとなり副電源供給部60の出力電圧(12V)を上回るため、主電源供給部50から電源供給されることとなる。この場合、昇圧回路70においては、入力電圧Vin(42V)が昇圧目標電圧V0と等しいため、実質的な昇圧動作は行わず、そのまま主電源供給部50からの電力がモータ駆動回路32に供給される。
【0029】
そして、高圧バッテリ51が劣化し、あるいは他の負荷の消費電力が増大してバッテリ電圧が低下すると、降圧回路53の出力電圧も低下してくる。この場合、主電源供給部50の出力電圧(降圧回路53の出力電圧)が12Vを超えていれば、副電源供給部60の出力電圧を上回っているため、やはり、主電源供給部50から電源供給される。このとき昇圧回路70では、電源出力電圧Voutが昇圧目標電圧42Vとなるようにスイッチング素子SW1,SW2を制御するため、電源出力電圧は42Vに維持される。
【0030】
さらに高圧バッテリ51の劣化が進み主電源供給部50の出力電圧が12Vを下回ると、副電源供給部60の出力電圧が主電源供給部50の出力電圧を上回り、副電源供給部60から電源供給されることとなる。この場合においても、昇圧回路70は、同様に昇圧作動するため電源出力電圧は42Vとなる。
尚、昇圧目標電圧は、入力電圧Vinに応じて可変する、例えば、入力電圧Vinが低くなる程それに比例させて昇圧目標電圧を低く設定してもよい。
【0031】
以上が電源装置40の基本的な作動であるが、この場合、電源供給部の切り替えを、その出力電圧の大小関係から自然に行うことができるという利点があるものの、高圧バッテリ51の電圧がかなり低下した時期になって電源供給を切り替えている。従って、高圧バッテリ51から電源供給を受けている他の電気制御システムへの悪影響や、降圧回路53の発熱といった問題が懸念される。
【0032】
そこで、こうした問題が懸念されるシステムにおいては、以下に説明するように、主電源供給部50から副電源供給部60への切り替えタイミングを電源制御装置80により制御する。
図4は、電源制御装置80が実行する第1実施例の電源供給制御ルーチンを表すもので、電源制御装置80内のROMに制御プログラムとして記憶され、短い周期で繰り返し実行される。本制御ルーチンは、図示しないイグニッションキーのON操作により起動する。また、これに同期して高圧側リレー52と低圧側リレー62とがONすると共に、後述するフラグFが0にセットされる。
【0033】
まず、電動モータ15から回生電力が発生しているか否かを調べるために、ステップS1にて出力電圧Voutと回生基準電圧Vk(例えば、50V)とを比較する。電動モータ15から回生電力が発生している場合には、出力電圧Voutが回生基準電圧Vkを上回るため、ステップS2にて吸収用スイッチング素子56をオンする。従って、吸収用スイッチング素子56を介して回生電力をグランドに逃がすことができ、電源装置40全体の回路保護を図ることができる。
【0034】
一方、回生電力が発生していない場合は、吸収用スイッチング素子56をオフ状態に維持する(S3)。
続いて、フラグFが1にセットされているか否かを判断する(S4)。このフラグFは、後の処理でわかるように、昇圧作動が禁止されているときに1にセットされるものである。そして、F=1であれば本ルーチンを一旦終了し、F=1でなければ、次に、昇圧回路70への入力電圧Vinが電源装置40の定格出力電圧であるV0(例えば、本実施形態では42V)を下回っているか否かを判断する(S5)。そして、入力電圧Vinが定格出力電圧V0以上あれば、以下の昇圧作動の必要がないため本ルーチンを一旦終了するが、この場合、昇圧作動時間を計測するタイマのカウント値Txをゼロクリアする(S6)。
【0035】
一方、入力電圧Vinが定格出力電圧V0を下回っている場合には(S5:YES)、昇圧動作を行うことになるが、先に、その入力電圧Vinの低下度合いを判断する。つまり、ステップS7において、入力電圧Vinが低圧バッテリ61の定格電圧(12V)より所定電圧だけ高い低基準電圧V01(例えば、本実施形態ではV01=30V)を下回っているか否かを判断する(S7)。
【0036】
高圧バッテリ51が劣化していない場合には、入力電圧Vinは電源装置40の定格出力電圧V0とほぼ等しくなるが、劣化してきた場合には、降圧回路53の出力電圧が低下して定格出力電圧V0に満たなくなる。そして、このステップS7においては、その入力電圧Vinの低下度合いがどの程度なのかを判断するために、入力電圧Vinと低基準電圧V01とを比較する。そして、入力電圧Vinが低基準電圧V01を下回っている場合には、高圧側リレー52をオフし(S8)、逆に入力電圧Vinが低基準電圧V01以上あれば高圧側リレー52はそのままオン状態を保つ。
つまり、高圧バッテリ51の劣化が検出されているものの、その程度が少なく、入力電圧Vinが低基準電圧V01より高ければ、高圧バッテリ51から昇圧回路70に電源供給し、逆に、入力電圧Vinが低基準電圧V01より低ければ、高圧バッテリ51からの電力供給を遮断して、低圧バッテリ61からの電源供給に切り替える。
【0037】
続いて、ステップS9にて昇圧作動を行う。このステップS9の昇圧作動は、第1、第2スイッチング素子SW1,SW2を同期させて交互にオンオフを繰り返すことにより行われる。この場合、出力電圧Voutをモニタしながら、出力電圧Voutが定格出力電圧V0となるように第1、第2スイッチング素子SW1,SW2を制御する。
そして、この昇圧作動を行っているときには、アシスト用電子制御装置31に対して、モータ駆動電流のセーブ指令(アシストセーブ指令)を出力するとともに(S10)、昇圧作動連続時間を計測するタイマのカウント値Txをインクリメントする(S11)。
【0038】
次に、このタイマのカウント値Txが所定値T0に達したか否かを判断し(S12)、タイムアップした場合(Tx>T0)には、昇圧回路70による昇圧作動を停止する(S13)。つまり、第1、第2スイッチング素子SW1,SW2によるスイッチング動作を停止し、第1スイッチング素子SW1をオフ、第2スイッチング素子SW2をオンに維持する。そして、フラグFを1にセットして本ルーチンを一旦終了する(S14)。この場合、電動モータ15の駆動により操舵トルクを付与するアシスト制御が終了する。
一方、ステップS12の判断において、まだタイムアップしていない場合には、そのまま本ルーチンを一旦終了する。
【0039】
こうした本制御ルーチンを繰り返し実行することで、バッテリ劣化に応じた昇圧制御、モータ駆動電流のセーブ指令、および回生電力吸収制御が行われる。
以上説明した本実施形態の電源供給制御ルーチンによれば、高圧バッテリ51の容量が十分であれば(S5:NO)、昇圧回路70は作動せずに高圧バッテリ51の電力が降圧回路53を経由してそのままモータ駆動回路32に送られる。そして、高圧バッテリ51の容量が低下し降圧回路53の出力電圧が定格出力電圧V0を下回った場合には(S5:YES)、その程度に応じて、低基準電圧V01以上であれば(S7:NO)、降圧回路53の出力を昇圧してモータ駆動回路32に電力供給し、低基準電圧V02よりも下回っていれば(S7:YES)、高圧バッテリ51の電源供給を停止し、低圧バッテリ61を昇圧して電源供給する。
【0040】
従って、高圧バッテリ51が劣化した場合であっても、低圧バッテリ61で電源供給をバックアップすることができる。また、高圧バッテリ51は、他の高圧負荷においても使用されるが、この電動パワーステアリングに使用される電力供給が制限されるため、他の高圧負荷の作動を保護することが可能となる。
しかも、昇圧作動を行う連続時間に制限を設けているため、低圧バッテリ61からの電源供給ラインを細くすることが可能となる。また、昇圧回路70での発熱も防止できる。また、両バッテリ51,61の更なる容量低下を防止することができ、他の電気負荷の誤作動を防止できる。
また、高圧バッテリ41の劣化時には降圧回路53の効率が落ち発熱の問題も生じるが、降圧回路53の出力電圧の低下に基づいて、副電源供給部60からの電源供給に切り替えるため、こうした不具合も防止される。
また、電動モータ15から回生電力が発生した場合には、吸収用スイッチング素子56をオンにして回生電力を逃がしているため、降圧回路53を保護することもできる。
【0041】
次に、上述した電源供給制御処理に応じたアシスト制御処理について説明する。図5は、アシスト用電子制御装置31が実行するアシスト制御ルーチンを表すもので、アシスト用電子制御装置31のROM内に制御プログラムとして記憶され、短い周期で繰り返し実行される。
【0042】
まず、ステップS21にて、電源制御装置80からアシストセーブ指令が出力されているか否かを判断する。このアシストセーブ指令は、先に説明した電源供給制御ルーチンのステップS10にて行う昇圧作動中に電源制御装置80から出力されるもので、このセーブ指令が出力されている場合には、アシスト制限モードに設定され(S22)、セーブ指令が出力されていない場合には、アシストノーマルモードに設定される(S23)。このとき、アシスト制限モードに設定される場合は、フラグFを1にセットし、アシストノーマルモードに設定される場合は、フラグFを0にセットする。
【0043】
そして、そのモードに応じた必要アシスト電流ASIを決定する(S24)。本実施形態では、車速センサ28によって検出された車速Vと、操舵トルクセンサ20のレゾルバ22,23の回転角度信号の差によって検出された操舵トルクTRを入力し、アシスト電流テーブルを参照して、入力した車速Vおよび操舵トルクTRに応じた必要アシスト電流ASIを計算する。アシスト電流テーブルは、アシスト用電子制御装置31のROM内に記憶されるもので、図6に示すように、操舵トルクTRの増加にしたがって必要アシスト電流ASIも増加し、しかも、車速Vが低くなるほど大きな値となるように設定される。
【0044】
この場合、アシストセーブモードでは、図6に示すように、必要アシスト電流ASIの最大値(上限値)がノーマルモードに比べて低い値に制限される。つまり、必要アシスト電流ASIは、予め設定された上限値ASImax以下に制限される。従って、算出した必要アシスト電流ASIが上限値ASImaxを上回っている場合には、その値が上限値ASImaxに置き換えられる。
そして、次のステップS25では、この算出した必要アシスト電流ASIに応じて、モータ駆動回路32(インバータ回路)を制御する。例えば、必要アシスト電流ASIの大きさにほぼ比例したパルス幅を有する3相のパルス列信号を生成してインバータのスイッチ回路(図示略)に通電することにより、電動モータ15に駆動電流として必要アシスト電流ASIを流し、所定のアシストトルクを発生させる。
【0045】
続いて、ステップS26にて、フラグFが1に設定されているか否か、つまり、アシストセーブモードであるか否かを判断し、アシストセーブモードであれば、更に、ステップS24にて決定した必要アシスト電流ASIが所定値ASI0よりも大きいか否かを判断する(S27)。
そして、必要アシスト電流ASIが所定値ASI0よりも大きければ、報知器29を作動させて、運転者に対してバッテリの劣化および電動パワーステアリング装置がセーブ運転中で旨を知らせる(S28)。この場合、報知器29としては、ブザーやランプなど用いることができる。
【0046】
尚、ステップS27、28においては、必要アシスト電流ASIが所定値ASI0よりも大きい場合に報知器29を作動して運転者にバッテリ劣化の注意を促したが、この処理に加えて、車速センサ28の車速信号に基づいて、車速Vが基準速度V0以下になっているとき、つまり、大きなアシストトルクが必要となる低速走行時にのみ報知器29を作動させるようにしてもよい。
【0047】
以上説明した、アシスト制御処理によれば、バッテリ劣化時の昇圧作動時においては、電動モータ15に通電する駆動電流の最大値を制限することにより、バッテリの消耗を抑えることができるため、他の電気負荷への電力供給を十分に確保することができる。この結果、バッテリ劣化時においても、各種の電気負荷との電力消費バランスを良好に保つことができ、車両の全体制御システムを良好に維持することが可能となる。
【0048】
尚、本実施形態では、副電源供給部60への逆流防止素子としてダイオード63を設けたが、図7に示すようにスイッチング素子65(例えば、MOS−FET)を設け、電源制御装置80にて、入力電圧Vinが所定電圧まで低下したことを検知して、スイッチング素子65をオンするようにしてもよい。この場合、ダイオード63に比べて、電圧降下が少なく、大電流を流しても発熱が小さいという効果がある。
【0049】
また、図8に示すように、ツェナーダイオード66を設けて、回生電力を吸収できるようにしてもよい。この場合、ツェナー電圧を、主電源供給部50の降圧回路53の定格出力電圧V1Lおよび回生吸収回路54の作動電圧Vkよりも高く設定し、電源制御装置80およびアシスト電子制御装置31の素子耐圧より低く設定するとよい。
また、上述した実施形態では、昇圧回路70は、常に定格出力電圧が得られるように目標昇圧電圧を定めて作動したが、入力電圧Vinが極端に低下するようなケースでは目標昇圧電圧を下げるようにしてもよい。
【0050】
次に、第2実施形態の電源装置について説明する。
先に説明した第1実施形態の電源装置においては、副電源供給部60の副電源供給出力ライン64に設けたダイオード63の故障や、低圧バッテリ61の異常を検出できない。そこで、この第2実施形態の電源装置では、機械的なリレーを使って電源供給を切り替えるようにする。
図9は、第2実施形態としての電源装置を備えた電動パワーステアリング装置の概略構成図である。以下、第1実施形態と同じ構成のものについては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
この電源装置140は、主電源供給部50と、バックアップ電源となる副電源供給部60と、2つの電源供給部50,60からの電源供給を切り替える機械式リレー100と、昇圧回路70と、電源制御装置180とに大別される。
【0052】
機械式リレー100は、可動式接点を有し電気信号により接点が切替動作するもので、2つの電源入力端子101,102と、1つの電源出力端子103を備える。電源入力端子101には、主電源供給部50の主電源供給出力ライン57が接続され、他方の電源入力端子102には、副電源供給部60の副電源供給出力ライン64が接続される。また、電源出力端子103には昇圧回路70が接続される。
そして、電源制御装置180からの切替制御信号により、電源入力端子101,102のいずれか一方が電源出力端子103と導通する。
副電源供給出力ライン64には、ダイオード等の逆流防止素子は設けない。
【0053】
電源制御装置180は、昇圧回路の入力電圧Vinおよび出力電圧Voutもモニタし、以下に示す電源供給制御処理を行う。
まず、電動パワーステアリング装置の起動時に行われる処理について説明する。
図10は、電源制御装置180の行う起動時電源チェック制御ルーチンを表すもので、電源制御装置内のROM内に記憶された制御プログラムの実行により行われる。
イグニッションキーがオン操作されると高圧側リレー52と低圧側リレー62とがオンされ本ルーチンが起動する。
【0054】
まず、機械式リレー100にその接点を電源入力端子102側(副電源供給部60側)に切り替えるよう切替制御信号を出力する(S31)。従って、副電源供給部60からの電源供給状態となる。続いて、入力電圧Vinを検出し、その入力電圧Vinが予め設定された基準電圧Vin0以上あるか否かを判断する(S32)。
入力電圧Vinが基準電圧Vin0以上ない場合には、低圧バッテリ61が消耗していると判断して電動パワーステアリング装置の操舵アシスト制御を停止する(S33)。つまり、電動モータ15による操舵力のアシスト制御を禁止する。
【0055】
一方、ステップS32にて「NO」、つまり低圧バッテリ61が消耗していないと判断した場合には、機械式リレー100の接点を電源入力端子101側(主電源供給部50側)と電源入力端子102側(副電源供給部60側)とに交互に繰り返し切り替えるように切替制御信号を出力する(S34)。
このとき、機械式リレー100が正常であれば、切替信号の出力タイミングにあわせて入力電圧Vinが変化するはずである。そこで、ステップS34にて機械式リレー100に切替信号を出力したとき、その切替信号出力に同期したタイミングで入力電圧Vinの変化が検出されたか否かを判断する(S35)。そして、切替信号出力に対して入力電圧Vinの変化タイミングが適正でなければ、ステップS33の処理に移行してアシスト制御を停止する。
【0056】
一方、入力電圧Vinの変化が適性タイミングで検出された場合には、機械式リレー100の接点を電源入力端子101側(主電源供給部50側)に切り替え指示し(S36)、アシスト用電子制御装置31にアシスト制御の開始信号を出力して(S37)本制御ルーチンを終了する。
【0057】
次に、操舵力のアシスト制御について説明する。この操舵力のアシスト制御については、先の第1実施形態と同様に行うが、そこでのステップS8における電源供給切替時の処理が異なる。つまり、アシスト制御中に主電源供給部50の出力電圧が低下してくると、第1実施形態では電源制御装置80に対して高圧側リレー52をオフするように指令したが、この第2実施形態では、その処理に代えて、機械式リレー100を副電源供給部60側に切り替えるよう切替信号を出力する。
【0058】
更に、機械式リレー100の接点溶着を防止するために、モータ駆動電流を一時的に抑える。
つまり、図11に示すように、ステップS7において、入力電圧Vinが低基準電圧V01を下回ったことを検出すると、まず、電動モータ15に流す駆動電流を一時的に低下させる、あるいは0にする(S81)。アシスト制御中においては、必要とされるアシスト電流ASIが計算され、それに応じた駆動電流が電動モータ15に流されるが、このステップS81では、その電動モータ15に流すアシスト電流(駆動電流)を下げるわけである。
そして、タイマによりアシスト電流の低減指令を出力してからの経過時間T1xが所定時間T10を超えるまで待って(S82,S83)、機械式リレー100に切替信号を出力する(S84)。続いて、タイマによる経過時間T1xが所定時間T11(T11>T10)を越えるまで待って(S85)アシスト電流ASIの復帰指令を出力し(S86)、タイマT1xをゼロクリアする。
つまり、この処理では、機械式リレー100が実際に切り替わるときに、大電流が流れないようにして接点の溶着を防止している。例えば、図12に示すように、主電源供給部50の出力電圧がV01にまで低下した時刻t1において、まずアシスト電流ASIの低減指令を出力し(例えばアシスト電流ASI=0)、その後、実際に電源供給合流ライン90に流れる電流の低減完了に必要な時間だけ待った時刻t2において機械式リレー100に切替信号を出力する。続いて、機械式リレー100の接点が切替完了するのに必要な時間だけ待ってアシスト電流ASIの復帰指令を行う(時刻t3)。
この結果、確実に機械式リレー100の接点溶着を防止できる。
尚、このステップS85の処理に代えて、図13のステップS88に示すように、入力電圧VinがV02(例えば、副電源供給部60の出力電圧である12V)以下になったことを検知して、機械式リレー100が切り替わったと判断してもよい。
【0059】
以上、本実施形態の電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、図14に示すように、第2実施形態の変形例として、副電源供給部60と機械式リレー100との間に昇圧回路70を配置してもよい。この場合、主電源供給部50の出力電圧が低下して機械式リレー100が副電源供給部60側に切り替わった後に、昇圧回路70により低圧バッテリ61の電源を昇圧するようにすればよく、他は先の第2実施形態と同様に構成することができる。
また、各実施形態における、電圧値(バッテリ電圧、降圧電圧、昇圧電圧、基準電圧等)については、任意に設定できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
【図2】第1実施形態の電源装置の概略回路構成図である。
【図3】昇圧用スイッチング素子への信号を表す説明図である。
【図4】第1実施形態の電源供給制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図5】第1実施形態のアシスト制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図6】アシストトルクテーブルを表す説明図である。
【図7】第1実施形態の変形例としての電源装置の概略回路構成図である。
【図8】第1実施形態の変形例としての電源装置の概略回路構成図である。
【図9】第2実施形態としての電源装置の概略回路構成図である。
【図10】第2実施形態の電源チェック制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図11】第2実施形態の電源供給制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図12】入力電圧および駆動電流の時間推移を表すグラフである。
【図13】第2実施形態の電源供給制御ルーチンの変形例を表すフローチャートである。
【図14】第2実施形態の電源装置の変形例としての概略回路構成図である。
【符号の説明】
【0061】
操舵アシスト機構…10、電動モータ…15、アシスト制御装置…30、アシスト用電子制御装置…31、モータ駆動回路…32、電源装置…40、主電源供給部…50、高圧バッテリ…51、高圧側リレー…52、降圧回路…53、回生吸収回路54、吸収用スイッチング素子…56、副電源供給部…60、低圧バッテリ…61、ダイオード…63、ツェナーダイオード…66、昇圧回路…70、昇圧コイル…71、スイッチング素子…SW1,SW2、電源制御装置…80,180、機械式リレー…100。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013