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水圧転写体の製造方法及び親水性付与方法 - 大日本インキ化学工業株式会社
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発明の名称 水圧転写体の製造方法及び親水性付与方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−223065(P2007−223065A)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
出願番号 特願2006−43801(P2006−43801)
出願日 平成18年2月21日(2006.2.21)
代理人 【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
発明者 川原田 雪彦 / 守屋 一彦
要約 課題
硬化性樹脂層が白濁・失透することがなく、親水性が持続する水圧転写体の製造方法ならびに水圧転写体への親水性付与方法を提供する。

解決手段
水圧転写体の製造方法であって、前記硬化性樹脂層が、重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有しており、且つ、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた後、該硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させる水圧転写体の製造方法、及び親水性付与方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層を含む転写層とを有する水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写した後、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させる水圧転写体の製造方法であって、
前記硬化性樹脂層が、重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有しており、且つ、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた後、該硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させることを特徴とする水圧転写体の製造方法。
【請求項2】
前記硬化性樹脂層が、重量平均分子量1,000〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する熱可塑性樹脂を含有する、請求項1に記載の水圧転写体の製造方法。
【請求項3】
前記硬化性樹脂層が、重量平均分子量300〜10,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する重合性化合物を含有する、請求項1に記載の水圧転写体の製造方法。
【請求項4】
前記硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させる工程が、硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液に浸漬させる工程である、請求項1に記載の水圧転写体の製造方法。
【請求項5】
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層を有する転写層とを有する水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写した後、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させる水圧転写体の親水性付与方法であって、
前記硬化性樹脂層が、重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有しており、且つ、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた後、該硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させることを特徴とする親水性付与方法。






発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水性を有する水圧転写体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水圧転写法は、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと転写層を有する水圧転写フィルムを、支持体フィルムを下方にして水面に浮かべ、有機溶剤等の活性化剤で転写層を軟化させた後、被転写体をその上方から押し付けながら水中に沈めることにより、転写層を被転写体に転写する方法である。最近では、トップコート層となる硬化性樹脂層と装飾層とが一体となった転写層を有する水圧転写フィルムが開発されており(例えば、特許文献1参照。)、1回の転写工程で、被転写体にトップコート層と装飾層とを付与することができる。
【0003】
水圧転写法は、装飾層を複雑な三次元形状の被転写体に簡単に付与できることから、近年、バスタブやカウンター等の水回り部材にも応用がなされている。これらの部材では、これまでの耐擦傷性、耐熱性、耐薬品性等といった物性の他、油・水垢などの汚れを浮かせやすくすることができ、また汚れが付着しても水洗いだけで落としやすくなるという観点から親水性が求められる。親水性としては、水滴接触角40度以下が求められる。
水回り部材の材質は大抵プラスチックであることから、通常は、該部材に損傷を与えないような転写条件で水圧転写を行う。例えば、乾燥や硬化工程において高温に暴露されることのないよう、転写後の乾燥工程は100℃以下で行い、硬化工程においては、熱暴露のない紫外線等の光を使用する。しかし、該条件で転写を行う場合、前記特許文献1で開示された水圧転写フィルムでは、水滴接触角は約70度であり、付着した汚れを水洗いなどで容易に落とすことができないという問題があった。
【特許文献1】特開2004−34393号公報
【0004】
親水性付与方法として、以下2つの方法がよく知られている。第一は水圧転写体表面に界面活性剤あるいは/または親水性樹脂成分を塗布する方法である。この方法は、親水性を手軽に付与することが出来るが、汚れが付着した際の拭き取り行為や、結露水によって界面活性剤等が流出し易く、親水性効果の持続性が乏しく、効果を維持する為には、繰り返し界面活性剤を塗り返す必要があるという問題がある。
第二は、硬化性樹脂層に親水性モノマーおよび該親水性モノマーと共重合可能なビニルモノマー、あるいは反応性界面活性剤を配合する方法である。この方法では、十分な親水性を付与する為に親水性モノマーの配合量を多くする必要があり、配合量の増加に伴い、他成分との相溶性が低下して硬化性樹脂層が白濁・失透するといったことや、水圧転写フィルムを水に浮かべて行う水圧転写工程において、未硬化である該成分が水に溶け出すため、水圧転写体の表面平滑性が保持できないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、硬化性樹脂層が白濁・失透することがなく、親水性が持続する水圧転写体の製造方法ならびに水圧転写体への親水性付与方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、水圧転写終了までは硬化性樹脂層が疎水性を有し、水圧転写後に水圧転写体の硬化性樹脂層にアルカリ処理を施すことで、本発明の課題を解決した。
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、硬化性樹脂層に、ある程度の重量平均分子量を有する、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有させ、水圧転写後に活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化性樹脂層を硬化させた後、該転写層表面をアルカリ溶液と接触させることで、親水性を有する水圧転写体を得ることができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層を含む転写層とを有する水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写した後、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させる水圧転写体の製造方法であって、前記硬化性樹脂層が、重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有しており、且つ、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた後、該硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させる水圧転写体の製造方法を提供する。
【0009】
また本発明は、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層を有する転写層とを有する水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写した後、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させる水圧転写体の親水性付与方法であって、前記硬化性樹脂層が、重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有しており、且つ、前記硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた後、該硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させる親水性付与方法を提供する。
【0010】
なお、本発明で言う硬化性樹脂層は、転写の段階では未硬化状態の層であって、硬化後、硬化樹脂層を形成する層を意味する。また、硬化樹脂層は、転写後の硬化反応によって作製される層を意味する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、親水性が持続し、かつ実用上十分な光沢や表面保護性を有する水圧転写体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の製造方法は、使用する水圧転写用フィルムが、重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有する硬化性樹脂層を含む転写層を有し、該水圧転写フィルムを転写し、該硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた後、該硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させることを特徴とする。転写前は、硬化性樹脂層に含まれるカルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基は、中和されていないので、疎水性が高い。従って、水圧転写時に水に溶け出すこともなく、良好に水圧転写を行うことができる。水圧転写した後は、該硬化性樹脂層表面をアルカリ溶液と接触させるので、硬化性樹脂層中のカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基が中和反応により、それぞれ金属塩に変換され、イオン性が増加し、良好な親水性を示すようになる。
【0013】
(使用する水圧転写フィルム)
本発明で使用する水圧転写フィルムは、転写層として、重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有する硬化性樹脂層を有する以外は特に限定されず、公知の水圧転写フィルムを使用することができる。
公知の水圧転写フィルムは、一般に、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層を含む転写層とを有する。
【0014】
(支持体フィルム)
本発明で用いる水圧転写用フィルムにおける水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムは、水で溶解もしくは膨潤可能な樹脂からなるフィルムである。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルム(以下、支持体フィルムと略す)としては、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、ポリアクリルアミド、アセチルブチルセルロース、ゼラチン、にかわ、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のフィルムが使用できる。
なかでも一般に水圧転写用フィルムとして用いられているPVAフィルムが水に溶解し易く、入手が容易で、硬化性樹脂層の印刷にも適しており、特に好ましい。用いる支持体フィルムの厚みは10〜200μm程度が好ましい。
【0015】
(転写層)
本発明で用いる水圧転写用フィルムにおける支持体フィルム上に設けられる転写層は、少なくとも、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層を有する。本発明においては、前記硬化性樹脂層が重量平均分子量300〜50,000の、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有することを特徴とする。
【0016】
(硬化性樹脂層)
(カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物)
本発明で使用するカルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物は、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物であれば公知のものを使用できる。中でも、硬化性樹脂層を構成する、重合性組成物、あるいは熱可塑性樹脂とのなじみのよさを考慮すると、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する重合性化合物、あるいは、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。
【0017】
カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する重合性化合物は、低分子モノマーと称される分子量300未満の化合物を除く以外は特に限定なく公知のものを使用することができる。分子量300未満の低分子モノマーは、水圧転写時に水に溶出する可能性が高く、好ましくない。
具体例としては、アロニックスM−5300、同M−5400、同M−5600(以上、「商品名」、東亞合成株式会社製)、HOA−HH、HOA−MPL、ライトアクリレートP−1A、同P−2A(以上、「商品名」、共栄社化学株式会社製)等の重合性モノマーが好適に用いられる。カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する重合性化合物の分子量は、これらの重量平均分子量は300〜50,000が好ましく、300〜10,000がなお好ましく、1000〜10,000が最も好ましい。重量平均分子量が10,000を超えると、他の配合成分の相溶性が低下したり、得られる塗膜の耐擦傷性が低下することがある。
【0018】
カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する熱可塑性樹脂は、例えば、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する重合性化合物(この場合においては、分子量は特に限定されず、低分子モノマーと称される範囲のモノマーを使用することができるし、好ましい。低分子モノマーは粘度が低いので、重合時の反応性が高く、良好に熱可塑性樹脂を製造することができる)を原料の一部として公知の方法で共重合して製造しても良いし、カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有しない熱可塑性樹脂に、公知の方法で該官能基を導入する、いわゆる高分子修飾手法で製造しても良い。
これらは市販品を用いても良く、具体例としては、望ましい塗膜物性が得やすいという観点から、バイロンGK150、バイロンGK890(以上、「商品名」、東洋紡績株式会社製、)エリーテルXA−0653、エリーテルXA−0847(以上、「商品名」、ユニチカ株式会社製)Adhesion Resin LTW(以上、「商品名」、degussa社製、)が好適に用いられる。カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する熱可塑性樹脂の分子量としては、重量平均分子量に換算して1,000〜50,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることが、良好な水圧転写性を示すことから好ましい。
【0019】
本発明で使用するカルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物は、硬化性樹脂層中、3%〜30質量%、好ましくは5%〜20質量%の範囲となるように添加するのが好ましい。3%未満では親水性付与が不十分な傾向があり、30%を超えると塗膜乾燥時の残タックが大きくなり、水圧転写作業性が悪化する。
【0020】
(ラジカル重合性化合物)
前記カルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物と併用する他の化合物としては、汎用のラジカル重合性化合物、あるいは非重合性の熱可塑性樹脂が挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては硬化性に優れることから(メタ)アクリレートが好ましく、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2〜15個有する多官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。ラジカル重合性化合物に特に限定はないが、硬化前のガラス転移温度が40℃未満であると、反応性基がマトリックス内でも比較的動きやすく好ましい。具体的なラジカル重合性化合物としては、ウレタン(メタ)クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重量平均分子量は300〜10,000が好ましい。重量平均分子量300未満では、塗膜からのブリードアウトが起こりやすくなり、装飾層にしみ出たり、塗膜の膜厚変動を誘発することがある。重量平均分子量10,000を超えると、他の配合成分の相溶性が低下したり、得られる塗膜の耐擦傷性が低下することがある。
【0021】
(非重合性熱可塑性樹脂)
非重合性熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂が使用できる。非重合性熱可塑性樹脂を含有すると、得られる水圧転写体の外観や諸物性を向上させることができ好ましい。添加量は、あまり多すぎると得られる塗膜の耐擦傷性が低下する傾向にあるので70%以下に押さえることが好ましい。中でもポリエステル樹脂を用いると、深み感を付与することができ好ましい。
【0022】
(ポリエステル)
ポリエステル樹脂としては重量平均分子量3万〜7万のポリエステル樹脂が好ましい。本発明で使用するポリエステル樹脂は、芳香族又は脂肪族ジカルボン酸と、芳香族又は脂肪族ジオールとを共重合させて得られたポリエステル樹脂を好ましく使用することができる。中でも、芳香族又は脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族ジオールとを共重合させて得られる1種又は2種以上のポリエステル樹脂の混合物であることが好ましく、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールから合成されるポリエステル樹脂の混合物であることが好ましい。
【0023】
芳香族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールから合成されるポリエステル樹脂ならびに、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールから合成されるポリエステル樹脂は市販品を用いてもよく、具体例としては、望ましい塗膜物性が得やすいという観点から、バイロン200、バイロン240、バイロン650、バイロンGK880(以上、「商品名」、東洋紡績株式会社製、)エリーテルXA−0611(以上、「商品名」、ユニチカ株式会社製)が好適に用いられる。
【0024】
(光重合開始剤)
硬化手段として、紫外線等の活性エネルギー線を使用する場合は、必要に応じて慣用の光重合開始剤や光増感剤を使用するのが好ましい。光重合開始剤の代表的なものとしては、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンの如きアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物;2,4−ジメチルチオキサントンの如きチオキサントン系化合物;4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
【0025】
光重合開始剤は全重合性成分に対して、通常0.5〜15質量%、好ましくは1〜8質量%である。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルの如きアミン類が挙げられる。さらに、ベンジルスルホニウム塩やベンジルピリジニウム塩、アリールスルホニウム塩などのオニウム塩は、光カチオン開始剤として知られており、これらの開始剤を用いることも可能であり、上記の光ラジカル発生剤と併用することもできる。
【0026】
(熱硬化性樹脂・熱重合開始剤)
また、硬化手段として、加熱する場合は、必要に応じて慣用の熱重合開始剤や、熱硬化性樹脂を使用するのが好ましい。
熱重合開始剤としては特に限定はないが、被転写体が耐熱温度の低いプラスチック等の場合には、開始温度のなるべく低い熱重合開始剤を使用するのが好ましく、100℃を超えない温度の開始温度を有する熱重合開始剤を使用するのが好ましい。
また、熱硬化性化合物としては公知のものを使用でき、例えば、熱または触媒の作用により重合する官能基を有する、例えば、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、エポキシ基、メチロール基、酸無水物、炭素−炭素二重結合などを有する化合物や樹脂等を使用できる。
【0027】
硬化性樹脂層は、膜厚が厚いほど、得られる成形品の保護効果は大きく、また装飾層の凹凸を吸収する効果が大きいために成形品に優れた光沢を持たせることができる。従って、硬化性樹脂層の膜厚は、具体的には3μm以上、好ましくは15μm以上の厚みを持つことが好ましい。硬化性樹脂層の厚みが200μmを超えると、有機溶剤による硬化性樹脂層の活性化が十分なされにくい。有機溶剤による硬化性樹脂層の十分な活性化、装飾層に対する保護層としての機能、及び装飾層の凹凸の吸収等の観点から、硬化性樹脂層の乾燥膜厚は3〜200μmであることが好ましく、より好ましくは、15〜70μmである。
【0028】
(装飾層)
本発明で用いる水圧転写用フィルムにおける支持体フィルム上に設けられる転写層は、前記活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層の他、装飾層を有することもでき、好ましい。
装飾層の形成に用いる印刷インキまたは塗料は、剥離性フィルムに印刷または塗工が可能な印刷インキまたは塗料であり、剥離性フィルムとの剥離力が低く、さらに、有機溶剤によって活性化されることにより、被転写体に転写層を転写する際に十分な柔軟性が得られることが好ましく、特にグラビア印刷インキが好ましい。また絵柄のない着色層を塗工によって形成することもできる。
印刷インキまたは塗料に用いるワニス用樹脂は、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂(塩ビ、酢ビ共重合樹脂)、ビニリデン樹脂(ビニリデンクロライド、ビニリデンフルオネート)、エチレン−ビニルアセテート樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、エチレン−アクリル樹脂、石油系樹脂、セルロース誘導体樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
【0029】
(装飾層中の着色剤)
装飾層中の着色剤は、顔料が好ましく、無機系顔料、有機系顔料のいずれも使用が可能である。また、金属切削粒子のペーストや蒸着金属膜から得られる金属細片を顔料として含んだ金属光沢インキの使用も可能である。これらの金属としては、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロームおよびステンレス等が好ましく用いられる。これらの金属細片は、分散性、酸化防止やインキ層の強度向上のためにエポキシ樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、ニトロセルロース等のセルロース誘導体で表面処理されていても良い。装飾層も硬化性樹脂層と同様に、有機溶剤によって活性化されて転写に十分な柔軟性が得られることが好ましい。
【0030】
(装飾層の形成方法)
装飾層の形成方法は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷などを用いることができる。装飾層の乾燥膜厚は0.5〜15μmであることが好ましく、更に好ましくは、1〜7μmである。また絵柄のない着色層や、無色のワニス樹脂層についても塗工によって形成することができる。
【0031】
装飾層は、支持体上の硬化性樹脂層上への塗布または印刷する方法や、支持体フィルム上に硬化性樹脂層が形成されたフィルムと剥離性フィルム上に装飾層を有するフィルムとのドライラミネートする方法により水圧転写用フィルム中に積層することができる。中でも、後者のドライラミネートする方法により水圧転写用フィルム中に積層が好ましい。
【0032】
なお、硬化性樹脂層および装飾層中に、意匠性、展延性を阻害しない範囲において、消泡剤、沈降防止剤、顔料分散剤、流動性改質剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、シリカゾル、オルガノシリカゾルなどの慣用の各種添加剤を加えることができる。これらの添加剤は液体でも固体でもよいし、溶解するものであっても、分散するだけであってもよい。
【0033】
(水圧転写体の製造方法)
本発明の水圧転写体の製造方法は、該水圧転写フィルムを転写する工程においては、公知の方法を使用することができる。好ましい態様の一例を挙げると、水圧転写フィルムの支持体フィルムを下にして水に浮かべ、活性化剤により装飾層と硬化性樹脂層を有する転写層を活性化した後、転写層を被転写体に水圧転写し、支持体フィルムを除去し、次いで転写層を活性エネルギー線又は熱により硬化させる。
【0034】
(1)水圧転写フィルムを、その支持体フィルムを下にし、転写層を上にして水槽中の水に浮かべ、前記支持体フィルムを水で溶解もしくは膨潤させる。
(2)水圧転写用フィルムの転写層に活性化剤を塗布または噴霧することにより転写層を活性化させる。なお、転写層の活性化はフィルムを水に浮かべる前に行っても良い。
(3)水圧転写用フィルムの転写層に被転写体を押しつけながら、被転写体と水圧転写用フィルムを水中に沈めて行き、水圧によって転写層を前記被転写体に密着させて転写する。
(4)水から出した被転写体から支持体フィルムを除去し、乾燥後、被転写体に転写された転写層の硬化性樹脂層を活性エネルギー線又は熱により硬化させる。
【0035】
本発明で用いる水圧転写フィルムの転写層は、有機溶剤を塗布または散布することにより活性化され、十分に可溶化もしくは柔軟化される。ここで言う活性化とは、転写層に有機溶剤を塗布または散布することにより、転写層を完全には溶解せずに可溶化させ、転写層に柔軟性を付与することにより転写層の被転写体への追従性と密着性を向上させることを意味する。この活性化は転写層を水圧転写用フィルムから被転写体へ転写する際に、これらの転写層が柔軟化され、被転写体の三次元曲面へ十分に追従できる程度に行われれば良い。
【0036】
水圧転写における水槽の水は、支持体フィルムを膨潤または溶解させる他、転写層を転写する際に水圧転写用フィルムを被転写体の三次元曲面に密着させる水圧媒体として働く。具体的には、水道水、蒸留水、イオン交換水などの水で良く、また用いる支持体フィルムによっては、水にホウ酸等の無機塩類やアルコール類を10%以内の範囲で溶解させたものでもよい。
【0037】
(活性化剤)
活性化剤は公知のものを使用できる。具体的には、硬化性樹脂層と装飾層とを可溶化させ、柔軟性を付与する有機溶剤、あるいは、低粘度のラジカル重合性組成物を使用することができる。中でも、取り扱いが容易であることから、有機溶剤を使用することが好ましい。
具体的には、有機溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ソルフィットアセテート及びそれらの混合物が挙げられる。
低粘度のラジカル重合性組成物は、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を必須成分とするもので、公知のものを使用することができる。また、粘度を調製する目的で有機溶剤で適宜添加しても構わない。
【0038】
この活性化剤中に印刷インキ又は塗料と成形品との密着性を高めるために、若干の樹脂成分を含ませてもよい。例えば、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂といった、インキのバインダーに類似の構造のものを1〜10%含ませることによって密着性が高まることがある。
【0039】
(フィルム除去、乾燥)
被転写体に転写層を水圧転写した後、支持体フィルムを水で溶解もしくは剥離して除去し乾燥させる。被転写体からの支持体フィルムの除去は、従来の水圧転写方法と同様に水流で支持体フィルムを溶解もしくは剥離して除去する。
乾燥工程は、加熱乾燥であると、乾燥を短時間で行うことができ、且つ、ブロックイソシアネート化合物のブロック剤の解離も行うことができるので好ましい。この時の乾燥温度は、被転写体が耐熱温度の低いプラスチック等の場合には、被転写体の熱変形を引き起こさないように、基材の耐熱温度を超えない温度で行うのが好ましい。この場合は、使用する水圧転写フィルム中の重合性化合物(A)のNCO解離温度は70℃以上130℃以下の範囲となるように設計されていることが好ましい。乾燥工程時に加熱しない場合は、ブロック剤を解離させるために、光照射後に後加熱を行うことも可能である。この場合も被転写体の熱変形を引き起こさないように、基材の耐熱温度を超えない温度で行うのが好ましい。これらは、オーブンや乾燥炉を使用することができる。
【0040】
硬化性樹脂層は、水および活性化剤を乾燥後に、活性エネルギー線照射又は加熱により硬化を行う。活性エネルギー線は、通常は可視光や紫外線を使用するのが好ましい。特に紫外線が好適である。紫外線源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用いられる。
また、加熱源としては、熱風、近赤外線など公知の熱源が適用可能である。
【0041】
(アルカリ処理)
前記方法により得られた水圧転写体の、該転写層表面を、アルカリ溶液と接触させることで、親水性を付与する。
接触法としては、水圧転写体形状に適した方法が好ましく、通常は浸積、スプレー等でアルカリ溶液と接触させる。使用するアルカリ溶液は、特に限定されるものではなく、水溶液中において解離して水酸化物イオン(OHイオン)を生じ、酸を中和して塩を生ずるような物質であれば良い。例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、アンモニア等が挙げられる。処理条件はこれらアルカリ化合物の5〜25重量%水溶液中に室温で1分から30分浸漬する。処理時間の短縮化や、より親水性を強く付与したい場合には、50℃以内で加熱することもできる。50℃を超える温度で加熱した場合には、硬化性樹脂層が白濁したり、加水分解をうけて脆くなることもあるので好ましくない。架橋密度が十分に高い硬化性樹脂層をアルカリ処理する場合には、アルカリ化合物を水/ アルコール混合溶媒に溶かして浸漬液とすることが好ましい。アルコールを添加することで、硬化性樹脂層へのアルカリの浸透性が増してアルカリ金属塩への変換が容易になる。
【0042】
(被転写体となる成形品)
被転写体となる成形品は、その表面に硬化性樹脂層や装飾層が十分密着することが好ましく、このため必要に応じて成形物表面にプライマー層を設ける。プライマー層を形成する樹脂は、プライマー層として慣用の樹脂を特に制限なく用いることができ、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。また、密着性の良好なABS樹脂やSBSゴムなど、溶剤吸収性の高い樹脂成分からなる成形品にはプライマー処理は不要である。成形品の材質は、プライマー処理さえ施されていて、水中に沈めても形状が崩れたりせず品質上問題を起こさないレベルの防水性があれば、金属、プラスチック、木材、パルプモールド、ガラスなど特に限定されない。
【0043】
本発明が適用できる成形物の具体例としては、テレビ、ビデオ、エアコン、ラジオカセット、携帯電話、冷蔵庫等の家庭電化製品、パーソナルコンピューターやプリンター等のOA機器、その他石油ファンヒーター、カメラなどの家庭製品のハウジング部分に適用できる。また、テーブル、タンス、柱などの家具部材や、バスタブ、システムキッチン、扉、窓枠、廻り縁などの建築部材、筆記用具、電卓、電子手帳、ケースなどの雑貨、文房具、自動車内装パネル、自動車やオートバイの外板、ホイールキャップ、スキーキャリヤ、自動車用キャリアバッグ、ゴルフクラブ、ヨットなどの船舶部品、スキー板、スノーボード、ヘルメット、ゴーグル、モニュメントなどの曲面を有し、かつ意匠性を必要とする成形品に特に有用に用いられ、極めて広い分野で使用可能である。
【実施例】
【0044】
以下に、実施例をもって、本発明を具体的に説明するが、これらに何ら制限されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0045】
(製造例1)<石目柄印刷フィルムP1>
厚さ30μmの東洋紡製無延伸ポリプロピレンフィルム上に、下記組成の印刷インキG1あるいはG2を用いて、グラビア印刷にて5層構成を有する石目柄印刷フィルムP1を得た。
【0046】
(インキ組成G1、黒、茶、白)
バーノックEZL676:20質量部(固形分換算)
顔料(黒、茶、白):10質量部(固形分)
ワックス等添加剤:10質量部
溶剤:不揮発分が30%となるように添加
但し、バーノックEZL676は、大日本インキ化学工業(株)社製のポリウレタンであり、溶剤はトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンを2:1:1で混合した溶剤を用いた。
【0047】
(実施例1〜4,比較例1〜3)
表1記載の硬化性樹脂組成物C1〜C5を、硬化性樹脂層用組成物として調製した。アイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムに、該硬化性樹脂組成物C1〜C5を、リップコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、次いで60℃で2分間乾燥してフィルムを製造した。このフィルムの硬化性樹脂層と、製造例1で作製した印刷フィルムP1の装飾層を向き合わせて60℃でラミネートした。ラミネートしたフィルムをそのまま巻き取り水圧転写用フィルムF1〜F5を製造した。
【0048】
遮光保管後の水圧転写用フィルムF1〜F5を、30℃の水浴にインキ面が上になるようにして浮かべ、2分間放置後、活性化剤S(酢酸イソブチル/4−メチル−2−ペンタノン/1―ブタノール=4/4/2(質量比)):30g/mをフィルム上に散布した。さらに10秒放置後、垂直方向からABS製浴室パネルに、水圧転写した。転写後、被転写体を水洗し、90℃で30分乾燥した。次にUV照射装置(出力160W/cm、5m/分のコンベア速度)に1回前記浴室パネルを通すことにより、光沢のある硬化皮膜を有する浴室パネルを得た。更に、得られた浴室パネルを20%水酸化ナトリウム溶液に5分間浸漬・水洗し、90℃で15分乾燥した。
【0049】
【表1】


【0050】
アートレジンHNF−11B:根上工業(株) 製ウレタンアクリレート
アロニックスM−5400:東亞合成(株)社製カルボキシル基含有アクリレート(酸価=
ライトアクリレートP−1A:共栄社化学(株) 社製リン酸基含有アクリレート
アロニックスM−8530:東亞合成(株)社製ポリエステルアクリレート
エリーテルXA−0611:ユニチカ(株)製ポリエステル
Adhesion Resin LTW:degussa社製カルボキシル基含有ポリエステル(酸価=
バイロンGK890:東洋紡績(株)製カルボキシル基含有ポリエステル(酸価=
イルガキュア184:チバ・スペシャリティケミカルス社製光重合開始剤
希釈溶剤:MEK、酢酸ブチル、トルエンの混合溶剤
【0051】
(転写体の試験方法)
各実施例で得られた浴室パネルを用いて下記の各種物性試験を行った。
【0052】
(水圧転写性)
実施例、比較例で行った水圧転写において、表面欠陥がなく、柄の再現性が良好なものを○、著しい表面欠陥や、柄の崩れを生じたものは×とした。
【0053】
(表面光沢評価)
JIS-K5400「7.6鏡面光沢度」に従い、20度ならびに60度鏡面光沢度を測定した。
【0054】
(鉛筆硬度)
JIS-K5401「塗膜用鉛筆引き掻き試験機」を用いて塗膜の鉛筆硬度を測定した。芯の長さは3mm塗膜綿との角度45度、荷重1Kg、引き掻き速度0.5mm/分、引き掻き長さ3mm、使用鉛筆は三菱ユニとした。
【0055】
(密着性)
ABS樹脂板(平板:100mm×100mm×3mm)に水圧転写した後、アルカリ処理したサンプルについて、碁盤目テープ法(JIS K5400) に準じてインキ密着性を評価(10点満点)した。
【0056】
(親水性評価)
気温25℃、湿度60%環境下で、協和界面科学(株)製CA−X200型接触角測定装置を用いて、水滴接触角を測定した。値が低いほど、高い親水性であることを示す。
【0057】
(親水性の持続性評価)
気温25℃、湿度75%環境下、3ヶ月保管したのち、協和界面科学(株)製CA−X200型接触角測定装置を用いて、水滴接触角を測定した。
【0058】
【表2】


【0059】
硬化性樹脂層がカルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有し、かつアルカリ処理を実施した実施例1〜4では、水滴接触角は3ヶ月経過後も40度以下を保持しており、親水性を含めて所望の性能を維持している。一方、アルカリ処理を未実施の比較例1および2、硬化性樹脂層がカルボキシル基、スルホン基、又はリン酸基を含有する化合物を含有しない比較例3(アルカリ処理あり)では、水滴接触角は65度以上を示しており、親水性は発現していない。






 

 


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