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発明の名称 エンボス加飾紙およびエンボス加飾紙の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21734(P2007−21734A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−202618(P2005−202618)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人
発明者 佐々木 規行 / 大隅 理奈子 / 余吾 嘉夫 / 小川 稔
要約 課題
本発明は、厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層の表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる模様状の微細な凹凸部が施されて、紙基材の密度のムラ等が金属光沢層に影響することがなく、本来の美麗さを有する美粧性に優れ、商品価値の高いエンボス加飾紙およびエンボス加飾紙の製造方法を提供することを目的とする。

解決手段
厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンが施されているエンボス加飾紙において、前記厚紙を主体とする加飾原紙が、厚紙からなる支持基材上に厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層してなる加飾原紙であることを特徴とするエンボス加飾紙およびエンボス加飾紙の製造方法である。
特許請求の範囲
【請求項1】
厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンが施されているエンボス加飾紙において、
前記厚紙を主体とする加飾原紙が、厚紙からなる支持基材上に厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層してなる加飾原紙であることを特徴とするエンボス加飾紙。
【請求項2】
厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンが施されているエンボス加飾紙において、
前記厚紙を主体とする加飾原紙が、厚紙からなる支持基材上に金属箔、金属蒸着フィルム、金属蒸着(薄)紙から選ばれるいずれかの基材を、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を介在させて積層してなる加飾原紙であることを特徴とするエンボス加飾紙。
【請求項3】
厚紙からなる支持基材上に、熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層し、箔材(転写箔)を介在させて、万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンが形成された平板タイプのエンボス版を、加熱し、上下動作せしめて加圧することにより、前記転写されてなる金属箔光沢層表面上に前記万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを形成することを特徴とするエンボス加飾紙の製造方法。
【請求項4】
厚紙からなる支持基材上に、熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂を介在させて、金属箔、金属蒸着フィルム、金属蒸着(薄)紙から選ばれるいずれかの基材を積層し、その金属箔もしくは金属蒸着光沢層表面上に、万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンが形成された平板タイプのエンボス版を、加熱し、上下動作せしめて加圧することにより、前記金属箔もしくは金属蒸着光沢層表面上に前記万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを形成することを特徴とするエンボス加飾紙の製造方法。
【請求項5】
前記平板タイプのエンボス版に施された万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンは、その深さが0.003〜0.1mmの範囲でなり、線ピッチが0.005〜0.3mmの範囲でなることを特徴とする3または4記載のエンボス加飾紙の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層の表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンが施されている美麗な美粧性に優れ、商品価値の高いエンボス加飾紙およびエンボス加飾紙の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば高級清酒やウイスキーなどの紙箱として、その側壁面にエンボス加工で模様状の微細な凹凸を施し、その紙箱の商品価値を高めたものが知られ、さらにそれを美麗化するため、紙基材の表面にアルミニウム箔などで金属光沢を施し、それに印刷とエンボス加工で模様状の微細な凹凸とが見当が合った状態で施されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、上記美麗化のためのエンボス加工の模様(デザインなど)として、基材の表面の金属箔(アルミニウム箔)層に万線方向が異なる万線状凹凸パターン群が複数集合したエンボスパターンを形成したもので、見る角度を変化させると万線状凹凸パターン群の濃淡や輝きが動的に変化する所謂「オパール効果」を有する、例えば、硬質のカード基材と、このカード基材の所定領域上に形成された熱成型の容易な非発泡の樹脂からなるクッション層と、そのクッション層上に接着層を介して形成された蒸着金属、光沢性に優れたインキあるいは塗料から構成され、微細な万線状凹凸パターン群を各画素ごとに万線の方向を変えて複数組み合わせてなるオパール画像が賦形されてなるオパール層とを具備してなるオパール画像付カードが提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、、紙基材の表面にアルミニウム箔などで金属光沢層が施された金属光沢原紙にエンボス加工により模様状(万線状等)の微細な凹凸パターンを施す上記の従来技術においては、紙基材は、一般に、紙を構成するパルプ繊維の繊維間隙を有し、上記の微細な万線状凹凸パターン加工を施すと、その繊維間隙に基づく不均一な潰れによる紙基材の密度のムラが生じて、金属光沢層面がその影響を受けて、その濃淡の鮮明さ(シャープ性)や輝きに欠けるようになり、所謂「オパール効果」に欠け、本来の美麗さが失われるという問題点があった。特に、安価なコートボール紙やコート層の薄いカード原紙を用いた場合、上記の問題が顕著に生ずる。
【0005】
以下に特許文献を記す。
【特許文献1】特開平6−344649号公報
【特許文献2】実用新案登録第2503410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層の表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる模様状の微細な凹凸部が施されて、紙基材の密度のムラ等が金属光沢層に影響することがなく、本来の美麗さを有する美粧性に優れ、商品価値の高いエンボス加飾紙およびエンボス加飾紙の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、すなわち、
請求項1に係る発明は、厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンが施されているエンボス加飾紙において、
前記厚紙を主体とする加飾原紙が、厚紙からなる支持基材上に厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層してなる加飾原紙であることを特徴とするエンボス加飾紙である。
【0008】
請求項2に係る発明は、
厚紙を主体とする加飾原紙基材上に金属光沢層が形成され、その金属光沢層表面に加熱エンボス加工による万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンが施されているエンボス加飾紙において、
前記厚紙を主体とする加飾原紙が、厚紙からなる支持基材上に金属箔、金属蒸着フィルム、金属蒸着(薄)紙から選ばれるいずれかの基材を、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を介在させて積層してなる加飾原紙であることを特徴とするエンボス加飾紙である。
【0009】
請求項3に係る発明は、
厚紙からなる支持基材上に熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層し、箔材(転写箔)を介在させて、万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンが形成された平板タイプのエンボス版を、加熱し、上下動作せしめて加圧することにより、前記転写されてなる金属箔光沢層表面上に前記万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを形成することを特徴とするエンボス加飾紙の製造方法である。
【0010】
請求項4に係る発明は、
厚紙からなる支持基材上に熱成形性を有する樹脂接着性を有する熱可塑性樹脂を溶融押出し、金属箔、金属蒸着フィルム、金属蒸着(薄)紙から選ばれるいずれかの基材を積層し、その金属箔もしくは金属蒸着光沢層表面上に、万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンが形成された平板タイプのエンボス版を、加熱し、上下動作せしめて加圧することにより、前記金属箔もしくは金属蒸着光沢層表面上に前記万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを形成することを特徴とするエンボス加飾紙の製造方法である。
【0011】
請求項5に係る発明は、
前記平板タイプのエンボス版に施された万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンは、その深さが0.003〜0.1mmの範囲でなり、線ピッチが0.005〜0.3mmの範囲でなることを特徴とする3または4記載のエンボス加飾紙の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、厚紙を主体とする加飾原紙が、厚紙からなる支持基材上に厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層してなる加飾原紙、もしくは厚紙からなる支持基材上に金属箔、金属蒸着フィルム、金属蒸着(薄)紙から選ばれるいずれかの基材を厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を介在させて積層してなる加飾原紙のその熱成形性樹脂層を設けて、金属光沢層表面に、加熱、加圧する加熱エンボス加工で万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを施しているので、上記の熱成形性樹脂層が厚紙からなる紙基材の繊維間の隙間等に基づく密度のムラや表面粗さなどを吸収し、かつ表面に切れの良いシャープな万線状の凹凸パターンが得られ、従来のように、紙基材の密度のムラなどが金属光沢層面に影響することがなく、よって表面の金属光沢層に濃淡の鮮明さ(シャープ性)や輝きが増すようになり、本来の美麗さを有する所謂「オパール効果」に優れるエンボス加飾紙とすることができる。
【0013】
また、本発明により、平板タイプのエンボス版に施された万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンの深さを0.003〜0.1mmの範囲とし、そのピッチを0.005〜
0.3mmの範囲とすることによって、金属光沢原紙上に切れの良いシャープな万線状凹凸パターン群を形成し、よって表面の金属光沢層に濃淡の鮮明さ(シャープ性)や輝きを増さしめ、所謂「オパール効果」に優れた本来の美麗さを有するエンボス加飾紙の製造方法とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施例としての最良の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明におけるエンボス加飾紙の一例を説明するための一部拡大斜視図である。図2は、本発明の加飾原紙の構成の一例を示す断面図である。図3は、本発明の加飾原紙の構成の他の例を示す断面図である。図4は、本発明の加飾原紙の構成のさらに別の例を示す断面図である。図5は、本発明における平板タイプのエンボス版の一例を示す説明図であり、(a)はエンボス版の上面図である。また(b)は同図X−Y方向拡大断面図である。図6は、本発明のエンボス加飾紙の製造方法において使用する箔材(転写箔)の構成の一例を示す断面図である。図7は、本発明のエンボス加飾紙の製造方法の一例を示す説明図である。図8は、図7(b)に示すA領域の拡大断面図である。
【0015】
本発明におけるエンボス加飾紙の一例として、例えば、図1の一部拡大斜視図に示すように、厚紙からなる基材(11)上に熱成形性樹脂層(12)を介して金属光沢層(13)が施されたその金属光沢層表面に、加熱エンボス加工による微細な万線状の3画素集合した凹凸パターン群(13a,13b,13c)からなる微細な凹凸パターンを施したエンボス加飾紙(10)である。
【0016】
金属光沢層の表面にパターン群でなる微細な万線状凹凸パターン群が各画素ごとに万線の方向を少しずつ変えて複数群賦形したものである。必要ならば金属光沢層の表面に絵柄を施すこともできる。その表面の万線状凹凸パターン群における万線方向がそれぞれ異なっているために、表面での反射光の反射方向が様々に変化し、見る角度や方向を変化させると、各万線状凹凸パターン群の濃淡や輝きが動的に変化し、極めて華麗な効果を奏するものである。この効果を「オパール効果」という。
【0017】
まず、本発明において使用される加飾原紙およびこの原紙を構成する基材・材料について説明する。本発明における一例としての加飾原紙20は、図2に示すように、厚紙からなる支持基材(21)上に、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層(22)を積層してなる加飾原紙である。この熱成形性樹脂層(22)は、支持基材(21)上に熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、所謂押出しラミネーションにより積層する。
【0018】
また、本発明における他の例としての加飾原紙30は、図3に示すように、厚紙からなる支持基材(31)上に、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層(32)を介在させて、金属箔(33)を積層してなる加飾原紙である。熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、熱成形性樹脂層(32)を介在させて、この支持基材(31)と金属箔(33)を所謂押出しサンドラミネーションにより積層する。
【0019】
また、本発明における他の例としての加飾原紙40は、図4に示すように、厚紙からなる支持基材(41)上に、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層(42)を介在させて、プラスチックフィルム基材(43a)上に金属蒸着層(43b)を形成した金属蒸着フィルム(43)を積層してなる加飾原紙である。熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、熱成形性樹脂層(42)を介在させて、この支持基材(41)と金属蒸着フィルム(43)を所謂押出しサンドラミネーションにより積層する。
【0020】
また、厚紙からなる支持基材(41)上に、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層(42)を介在させて、50〜150g/m2程度の坪量の薄紙を押出しサンドラミネーショ
ンにより積層した加飾原紙を使用することも可能である。
【0021】
本発明において使用される厚紙からなる支持基材(21、31、41)の厚紙は特に限定されず、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ等の化学パルプ、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプを原料として製紙されてなる厚紙が使用される。これらの厚紙には、紙力増強剤、サイズ剤、填料、歩留向上剤等の抄紙補助薬品が含まれていてもよい。厚紙として、具体的には、例えば、コートボール、ノーコートボール、アイボリーやカード紙のマニラボール、特殊マニラボール、あるいは黄ボールやチップボール等表面の粗い低級板紙などが使用できる。坪量としては、210g/m2以上のもの、好ましくは210〜500g/m2程度のものが好適に使用される。
【0022】
本発明において使用される熱成形性樹脂層(22、32、43)を構成する樹脂材料としては、熱成形性を有するものであれば特に限定されず、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)などのポリエチレン樹脂、無延伸ポリプロピレン(CPP)などのポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体のエチレン系共重合体樹脂、アイオノマー(IO)樹脂などが挙げられる。樹脂層の厚さは200μm以下、好ましくは15〜50μmの範囲である。
【0023】
本発明で使用される金属箔(33)としては、特に限定されず、例えば、アルミニウム、鉄、銅などの箔が用いられるが、アルミニウム箔が好適に用いれらる。金属箔の厚みは、一般的に7〜20μmの範囲が望ましい。
【0024】
上記のアルミニウム箔は、純アルミニウムまたは8079合金、8021合金などのアルミニウム合金が使用される。アルミニウム箔は、一般的に、アルミニウム鋳塊に均質化処理、熱間処理、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を施し0.3mm前後の箔地とし、そのアルミニウム箔地をさらに冷間で箔圧延し、最後に仕上げ箔圧延と呼ばれる最終工程を施して薄アルミニウム箔としている。また、必要に応じて最終焼鈍することもある。
【0025】
本発明において使用される金属蒸着フィルム(43)としては、プラスチックフィルム基材(43a)上にアルミニウム、金、鉄、銀、銅、亜鉛などの金属を蒸着により金属膜(43b)を蒸着した金属蒸着フィルムが挙が用いられるが、アルミニウム蒸着フィルムが好適に用いられる。
【0026】
上記のプラスチックフィルム基材(43a)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンやポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、66−ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等のエンプラフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械強度や寸法安定性を有するものが良い。特にこれらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられが、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。フィルムの厚さとしては5〜30μm程度が望ましい。
【0027】
アルミニウム蒸着PETフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に真空蒸着によりアルミニウム金属膜を形成することにより、アルミニウム蒸着PETフィルムを製造することができるが、アルミニウム金属膜を形成する前に、PETフィルムの表面をアンカーコート処理しても良い。アンカーコート処理は、例えば、
ニトロセルロース系、ポリウレタン系、ポリエステル系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、アクリル共重合体系、あるいはこれらの混合物をはじめとするアンカーコート剤をそのフィルムの表面に塗布、アンカーコート剤中の溶媒を乾燥除去することにより達成される。アンカーコート処理によるアンカーコート層の厚さは、通常0.05〜1μm程度で良い。
【0028】
PETフィルムの表面にアルミニウム金属膜を形成する真空蒸着は、バッチ式の真空蒸着装置を用いて行うこともできるが、連続真空蒸着装置を用いて行うのが望ましい。連続真空蒸着装置とは、フィルムを連続的に供給すると共に、多数のロール対により段階的に真空度を上げて所定の真空度に達成した状態で蒸着を行うことができるようにした装置であり、通常この装置には、装置の前後にアンカーコート処理用やトップコート処理用の装置が標準装備されているので、本発明の方法において真空蒸着の前にアンカーコート処理をする場合に、特に有効である。なお、アンカーコート処理を行わずに真空蒸着をする場合は、予めそのフィルムの表面にコロナ放電処理等の密着性向上手段を講じておくことが望ましい。
【0029】
アルミニウムの真空蒸着は、高純度のアルミニウム金属を、高周波誘導加熱、直接通電加熱、エレクトロンビーム加熱等により、通常1,300〜1,450℃に加熱蒸発させ、10-1〜10-2Pa程度の真空度で行われる。蒸着により形成されるアルミニウム金属膜の厚さは、20〜60nm、特に30〜55nmとするのが好ましい。その厚さが20nm未満では、PETフィルムの表面にアルミニウム金属膜を形成する意味が薄れ、60nmを超えると、蒸着層の剥離や他部材との密着性の低下を招き易くするので好ましくない。
【0030】
次に、本発明のエンボス加飾紙の製造方法の一例について説明する。本発明のエンボス加飾紙の製造方法は、厚紙からなる支持基材上に、熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層し、箔材(転写箔)を介在させて、万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンが形成された平板タイプのエンボス版を、加熱し、上下動作せしめて加圧することにより、上記転写されてなる金属箔光沢層表面に万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを形成することができる。
【0031】
また、本発明のエンボス加飾紙の製造方法は、厚紙からなる支持基材上に、熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を介在させて、金属箔、金属蒸着フィルム、金属蒸着(薄)紙から選ばれるいずれかの基材を積層し、その金属箔もしくは金属蒸着光沢層表面上に、万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンが形成された平板タイプのエンボス版を、加熱し、上下動作せしめて加圧することにより、前記金属箔もしくは金属蒸着光沢層表面上に前記万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを形成することを特徴とするエンボス加飾紙の製造方法である。
【0032】
上記の平板タイプのエンボス版の一例として、例えば、証券印刷に用いられる凹版の製版方法すなわち手または機械彫刻腐食法により平面の銅板に万線状の凹凸パターン群を形成して得られ、さらに、この銅板原版をもとに電胎法にて銅板実用版(実用エンボス版)とすることができる。
【0033】
そして、平板タイプのエンボス版に施された万線状凹凸パターン群の深さを、0.003〜0.1mmの範囲とし、その線ピッチを0.005〜0.3mmの範囲としたことを特徴とするエンボス加飾紙の製造方法である。
【0034】
以下、本発明のエンボス加飾紙の製造方法についてを具体的に説明する。
【0035】
坪量210g/m2〜500g/m2程度の、例えば、コートボール、ノーコートボール、アイボリーやカードのマニラボール、特殊マニラボール、あるいは黄ボールやチップボール等厚紙からなる支持基材上に、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)などの熱成形性を有する樹脂を溶融押出し、厚さ200μm以下、好ましくは10〜30μmの熱成形性樹脂層を積層して図2に示す加飾原紙(20)を作製する。
【0036】
次に、本発明のエンボス加飾紙の製造方法において使用する平板タイプのエンボス版を用意する。例えば、図5(a)の上面図および同図X−Y方向の拡大断面図に示す、3画素でなる微細な万線状凹凸パターン群(50a、50b、50c)が施された、凹凸パターンの深さ(H50)を、0.003〜0.1mmの範囲とし、その線ピッチ(P50)を0.005〜0.3mmの範囲とした平板タイプのエンボス版(50)を作製する。
【0037】
さらに、本発明のエンボス加飾紙の製造方法において使用する箔材(転写箔)を用意する。例えば、例えば、厚み12μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルム(61)に易剥離層(62)、保護層(63)、アルミニウム蒸着層(64)、接着層(65)が順に積層されている、図6に示す構成の箔材(転写箔)を作製する。
【0038】
続いて、図7に示すように、上記で得られたエンボス版(50)を箔押し加工機(70a,70b)の上定盤(70a)に配設し、上記で得られた加飾原紙(20)を、下定盤(70b)に挿入載置して、上記で得られた箔材(転写箔)(60)を介在させて、エンボス版(50)を75〜250℃の範囲で加熱し、上下動作により、圧力0.5〜400MPaの範囲で加圧して、加飾原紙(20)の厚紙からなる紙基材(21)に積層されてなる熱成形性樹脂層(22)上に、箔材(転写箔)の易剥離層(62)から剥離されて、保護層(63)、アルミニウム蒸着層(64)、接着層(65)からなる構成の金属光沢層が転写されると同時にその表面に微細な万線状凹凸パターン群(50a、50b、50c)からなる微細な万線状凹凸パターン66が形成されたエンボス加飾紙80を製造できる。
【0039】
なお、上記の実施形態において加飾原紙として、厚紙からなる支持基材上に厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層してなる加飾原紙を使用した実施形態を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、厚紙からなる支持基材上に金属箔、金属蒸着フィルム、金属蒸着(薄)紙から選ばれるいずれかの基材を、厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を介在させて積層してなる加飾原紙を用いた場合は、箔材(転写箔)を介在させないで、金属箔または金属蒸着面に、直接、微細な万線状凹凸パターン群が形成されたエンボス版によりエンボス加工を施してエンボス加飾紙を製造できる。また、上記の箔押し加工機は、枚葉加工機を例示したが、枚葉加工機に限らずリールtoリールタイプ、リールtoシートタイプの加工機であってもエンボス版が上下動作してエンボス加工できるものであれば使用できる。
【0040】
上記で製造されたエンボス加飾紙80の領域A部分の微細な万線状凹凸パターン群(50a、50b、50c)からなる微細な万線状凹凸パターン66の一部を拡大した断面図を図8に示した。加飾原紙の熱成形性樹脂層(22)に接着層(65)を介して、アルミニウム蒸着層(64)が形成され、そのアルミニウム蒸着層(64)の表面に保護層(63)が形成された構成の金属光沢層が転写され、その表面に微細な万線状凹凸パターン群からなる微細な万線状凹凸パターン50a(50b、50c)が形成されている。
【0041】
このように、金属光沢層をアルミニウム蒸着層(64)の転写によって得られるので、必要な部分にのみ部分転写が可能になり、より経済的でかつデザイン上でも好適なエンボス加飾紙(80)を得ることができる。
【0042】
上記エンボス加飾紙の製造方法における平板タイプのエンボス版(50)の加熱温度は、75℃〜250℃程度で、熱成形性樹脂層(22)の厚みや樹脂の種類などによって適宜選定するものであり、この温度が75℃に満たないと熱成形性樹脂層(22)に十分な万線状凹凸パターン群(50a、50b、50c)が形成されず、逆に250℃を越えると熱成形性樹脂層(22)が溶け出して十分な万線状凹凸パターン群(50a、50b、50c)が形成されなくなるので好ましくない。
【0043】
また、上記の平板タイプのエンボス版(50)の上下動による加圧は、0.5MPa〜400MPa程度の高圧でかつ短時間でエンボスするもので、この圧力が0.5MPaに満たないと熱成形性樹脂層(22)に十分な万線状凹凸パターン群(50a、50b、50c)が形成されず、逆に400MPaを越えるとエンボス版(50)の万線状凹凸パターン群(50a、50b、50c)などが潰れたりするので好ましくない。
【0044】
上記で得られたエンボス加飾紙は、厚紙からなる支持基材上に厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層してなる加飾原紙のその熱成形性樹脂層を設けて、金属光沢層表面に、加熱、加圧する加熱エンボス加工で万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを施しているので、上記の熱成形性樹脂層が厚紙からなる紙基材の繊維間の隙間等に基づく密度のムラや表面粗さなどを吸収し、かつ表面に切れの良いシャープな万線状の凹凸パターンが得られ、従来のように、紙基材の密度のムラなどが金属光沢層面に影響することがなく、よって表面の金属光沢層に濃淡の鮮明さ(シャープ性)や輝きが増すようになり、本来の美麗さを有する所謂「オパール効果」に優れるエンボス加飾紙とすることができる。
【0045】
また、平板タイプのエンボス版に施された万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンの深さを0.003〜0.1mmの範囲とし、そのピッチを0.005〜0.3mmの範囲とすることによって、金属光沢原紙上に切れの良いシャープな万線状凹凸パターン群を形成し、よって表面の金属光沢層に濃淡の鮮明さ(シャープ性)や輝きを増さしめ、所謂「オパール効果」に優れた本来の美麗さを有するエンボス加飾紙の製造方法とすることができる。
【0046】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【実施例1】
【0047】
厚紙からなる紙基材として坪量350g/m2のカード紙「NENピジョン」を用い、また、熱成形性樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE)を用いて溶融押出して厚み15μmの熱成形性樹脂層を介在させて、厚さ7μmのアルミニウム箔を積層させてなる金属光沢層を形成した加飾原紙を作製した。
【0048】
次いで、12μmのPETフィルムにシリコーン系の剥離剤を形成し、その剥離層の上にアルミニウムを蒸着した後、接着剤層を形成した箔材を作製した。
【0049】
一方、万線状凹凸パターン群の深さが0.04mmで、その線ピッチが0.08mmのエンボス版を準備した。
【0050】
上記エンボス版を箔押し機SP102−BMA型(ボブスト社製)に取付け、版圧34MPa、版温度110℃、加圧速度3200ショット/時間で上記の加飾原紙のアルミニウム箔金属光沢層面にエンボス加工してエンボス加飾紙を得た。
【0051】
上記実施例1で得られた本発明のエンボス加飾紙は、その表面に切れの良いシャープな万線の凹凸パターンが得られ、よって表面の金属光沢層に濃淡の鮮明さ(シャープ性)や
輝きが増し、本来の美麗さ所謂「オパール効果」に優れたものであった。
【0052】
このことは、厚紙を主体とする加飾原紙が、厚紙からなる支持基材上に厚さ200μm以下の熱成形性樹脂層を積層してなる加飾原紙その熱成形性樹脂層を設けて、金属光沢層表面に、加熱、加圧する加熱エンボス加工で万線状パターン群からなる微細な凹凸パターンを施しているので、上記の熱成形性樹脂層が厚紙からなる紙基材の繊維間の隙間等に基づく密度のムラや表面粗さなどを吸収し、かつ表面に切れの良いシャープな万線状の凹凸パターンが得られ、従来のように、紙基材の密度のムラなどが金属光沢層面に影響することがなく、よって表面の金属光沢層に濃淡の鮮明さ(シャープ性)や輝きが増すようになり、本来の美麗さを有する所謂「オパール効果」に優れるエンボス加飾紙とすることができる。
【0053】
また、本発明により、平板タイプのエンボス版に施された万線状パターン群でなる微細な凹凸パターンの深さを0.003〜0.1mmの範囲とし、そのピッチを0.005〜0.3mmの範囲とすることによって、金属光沢原紙上に切れの良いシャープな万線状凹凸パターン群を形成し、よって表面の金属光沢層に濃淡の鮮明さ(シャープ性)や輝きを増さしめ、所謂「オパール効果」に優れた本来の美麗さを有するエンボス加飾紙の製造方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明におけるエンボス加飾紙の一例を説明するための一部拡大斜視図である。
【図2】本発明の加飾原紙の構成の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の加飾原紙の構成の他の例を示す断面図である。図4は、
【図4】本発明の加飾原紙の構成のさらに別の例を示す断面図である。
【図5】本発明における平板タイプのエンボス版の一例を示す説明図であり、(a)は、エンボス版の上面図である。(b)は、(a)に示したX−Y方向断面図である。
【図6】本発明のエンボス加飾紙の製造方法において使用する箔材(転写箔)の構成の一例を示す断面図である。
【図7】本発明のエンボス加飾紙の製造方法の一例を示す説明図であり、(a)は、箔押し加工機のエンボス版の下降動作状態を示す断面図である。(b)は、箔押し加工機のエンボス加工後のエンボス版の上昇動作状態を示す断面図である。
【図8】図7(b)に示すA領域の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0055】
10、80・・・エンボス加飾紙
11、21、31、41・・・厚紙からなる紙基材層
12、22、32、42・・・エンボス加飾紙熱成形性樹脂層
13・・・金属光沢層
13a、13b、13c・・・エンボス加飾紙に施された万線状凹凸パターン群
20、30、40・・・加飾原紙
33・・・金属箔
43・・・金属蒸着フィルム
43a・・・プラスチックフィルム基材層
43b・・・金属蒸着層
50・・・エンボス版
50a、50b、50c・・・エンボス版に施された万線状凹凸パターン群
60・・・アルミニウム箔材
60′・・・アルミニウム蒸着層転写後の箔材
61・・・プラスチックフィルム層
62・・・易剥離層
63・・・保護層
64・・・アルミニウム蒸着層
65・・・接着層
70a,70b・・・箔押し加工機
10・・・エンボス加飾紙の万線状凹凸パターン群の深さ
10・・・エンボス加飾紙の万線状凹凸パターン群の線ピッチ
50・・・エンボス版の万線状凹凸パターン群の深さ
50・・・エンボス版の万線状凹凸パターン群の線ピッチ




 

 


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