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発明の名称 ノック式筆記具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−83498(P2007−83498A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−274102(P2005−274102)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100109955
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 貞行
発明者 月岡 之博 / 清水 絵里子
要約 課題
使用者の要望に応じてノック音と静音に切り換え可能にする。

解決手段
切換手段7でノック体1のカム斜面1aが回転子3に当接する直接押動設定に切り換えた後、ノック操作により、ノック体1のカム斜面1aで中駒2に沿って回転子3を前進させると、回転子3が中駒2から出入して回転する際にノック音が発生し、また切換手段7でノック体1のカム斜面1aと回転子3との間に隙間Sが確保される間接押動設定に切り換えた後、ノック操作により、軸体4を介してノック体1のカム斜面1aと回転子3が不接触状態に保たれながら中駒2に沿って回転子3を前進させると、回転子3が中駒2から強制的に出入りして回転するため、ノック音が発生しない。
特許請求の範囲
【請求項1】
ノック体(1)の押圧操作により、中駒(2)に沿って回転子(3)を軸方向へ前進させてから周方向へ回転させて係止し、再度のノック操作により、係止状態を解除して中駒(2)沿いに回転子(3)を軸方向へ後退させるノック式筆記具において、
前記回転子(3)と連動して軸方向へ往復動自在な軸体(4)と、回転子(3)の前進で中駒(2)から外れた位置に配置される固定カム斜面(6a)とを設け、ノック操作によりノック体(1)のカム斜面(1a)を回転子(3)に当接して直接的に回転子(3)を前進させる直接押動設定と、ノック操作により上記軸体(4)を介してノック体(1)のカム斜面(1a)と回転子(3)との間に隙間(S)を確保しながらノック体(1)が間接的に回転子(3)を前進させる間接押動設定とのどちらか一方に切り換える切換手段(7)を設けたことを特徴とするノック式筆記具。
【請求項2】
上記切換手段(7)が、ノック体(1)に対して周方向へ回転自在に設けたノック切換スイッチ(7a)であることを特徴とする請求項1記載のノック式筆記具。
【請求項3】
上記ノック切換スイッチ(7a)を回転して、その所定角度領域ではノック体(1)のカム斜面(1a)で直接的に回転子(3)を押動し、それ以外の角度領域では軸体(4)でノック体(1)のカム斜面(1a)と回転子(3)との隙間(S)を維持しながらノック体(1)が間接的に回転子(3)を押動することを特徴とする請求項2記載のノック式筆記具。
【請求項4】
上記切換手段(7)が、軸筒(10)の一部を他部に対して周方向へ回動自在に設けた軸筒切換スイッチ(7d)であり、この軸筒切換スイッチ(7d)を回転して、その所定角度領域ではノック体(1)のカム斜面(1a)で直接的に回転子(3)を押動し、それ以外の角度領域では軸体(4)でノック体(1)のカム斜面(1a)と回転子(3)との隙間(S)を維持しながらノック体(1)が間接的に回転子(3)を押動することを特徴とする請求項1記載のノック式筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばボールペンやシャープペンシルなどのようなノック操作により軸筒の先端口から筆記体が出没可能となるノック式筆記具に関する。
詳しくは、ノック体の押圧操作により、中駒に沿って回転子を軸方向へ前進させてから周方向へ回転させて係止し、再度のノック操作により、係止状態を解除して中駒沿いに回転子を軸方向へ後退させるようにしたノック式筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のノック式筆記具として、軸筒内に、その軸方向へ往復動自在なノック体(操作部)と、これと対向して軸筒の内面側に設けられる中駒と、これらノック体のカム斜面や中駒のカム斜面に係合することで周方向へ回転する回転子と、この回転子を後方へ付勢するリターンスプリングと、回転子と連動する筆記体(リフィール)とを備え、前記ノック体が押圧操作されることにより、回転子の突条を中駒のスライド溝に沿って軸方向へ前進させ、この突条がスライド溝から外れてから、ノック体のカム斜面沿いに滑らせて回転させ、その後のノック戻り時に該回転子の突条を中駒の係止凹部に係合させて係止状態にし、その後、再度ノック操作されることにより、回転子の突条を中駒の係止凹部から外して係止状態を解除し、ノック体のカム斜面沿いに滑らせて回転すると共に、中駒のスライド溝に挿入して軸方向へ後退させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし乍ら、このような従来のノック式筆記具によれば、ノック操作によって回転子の突条が中駒のスライド溝から外れた瞬間に回転子全体が開放されてフリー状態となるため、筆記体を前進させるノック操作では、少なくとも回転子の突条が中駒のスライド溝から抜けながら回転する時と、これに続いて回転子の突条が中駒の係止凹部に入る時にノック音が発生する。
また、筆記体を後退させるノック操作では、少なくとも回転子の突条が中駒の係止凹部から抜けながら回転する時と、これに続いて回転子の突条が中駒のスライド溝に入る時にノック音が発生する。
このような所謂ノック音は、使用者自身にとって作動状態(筆記体の出没状態)を確認する意味もあるため、決して不快なものでないが、他人にとっては不快感を感じる恐れがあり、例えば会議のような周囲の雰囲気が静寂な場面では、ノック音が響いて他人に不快感を与えてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2004−209881号公報(第6−7頁、図1−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来事情に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、使用者の要望に応じてノック音と静音に切り換え可能なノック式筆記具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、第一の発明では、ノック体の押圧操作により、中駒に沿って回転子を軸方向へ前進させてから周方向へ回転させて係止し、再度のノック操作により、係止状態を解除して中駒沿いに回転子を軸方向へ後退させるノック式筆記具において、前記回転子と連動して軸方向へ往復動自在な軸体と、回転子の前進で中駒から外れた位置に配置される固定カム斜面とを設け、ノック操作によりノック体のカム斜面を回転子に当接して直接的に回転子を前進させる直接押動設定と、ノック操作により上記軸体を介してノック体のカム斜面と回転子との間に隙間を確保しながらノック体が間接的に回転子を前進させる間接押動設定とのどちらか一方に切り換える切換手段を設けたことを特徴とする。
また、第二の発明では、上記第一の発明の構成に加えて、上記切換手段が、ノック体に対して周方向へ回転自在に設けたノック切換スイッチであることを特徴とする。
また、第三の発明では、上記第二の発明の構成に加えて、上記ノック切換スイッチを回転して、その所定角度領域ではノック体のカム斜面で直接的に回転子を押動し、それ以外の角度領域では軸体でノック体のカム斜面と回転子との隙間を維持しながらノック体が間接的に回転子を押動することを特徴とする。
また、第四の発明では、上記第一の発明の構成に加えて、上記切換手段が、軸筒の一部を他部に対して周方向へ回動自在に設けた軸筒切換スイッチであり、この軸筒切換スイッチを回転して、その所定角度領域ではノック体のカム斜面で直接的に回転子を押動し、それ以外の角度領域では軸体でノック体のカム斜面と回転子との隙間を維持しながらノック体が間接的に回転子を押動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、上記構成により下記の作用効果を奏する。
第一の発明によれば、切換手段でノック体のカム斜面が回転子に当接する直接押動設定に切り換えた後、ノック操作により、ノック体のカム斜面で中駒に沿って回転子を前進させると、回転子が中駒から出入して回転する際にノック音が発生し、また切換手段でノック体のカム斜面と回転子との間に隙間が確保される間接押動設定に切り換えた後、ノック操作により、軸体を介してノック体のカム斜面と回転子が不接触状態に保たれながら中駒に沿って回転子を前進させると、回転子が中駒から強制的に出入りして回転するため、ノック音が発生しない。
従って、使用者の要望に応じてノック音と静音に切り換え可能なノック式筆記具を提供することができる。
よって、使用状況に応じて会議のような静寂な雰囲気ではノック操作を無音化できて、他人に不快感を与えることがなく安心してノック操作できる。
【0007】
第二の発明によれば、ノック体に対し周方向へ回転自在に設けられたノック切換スイッチを回転することにより、ノック操作でノック体のカム斜面を回転子に当接して直接的に回転子を前進させる直接押動設定か、又は軸体を介してノック体のカム斜面と回転子3との間に隙間を確保しながらノック体が間接的に回転子を前進させる間接押動設定のどちらか一方に切り換えられる。
従って、簡単な操作でノック音と静音に切り換えることができる。
【0008】
第三の発明によれば、ノック切換スイッチを回転して、その所定角度領域ではノック体のカム斜面で直接的に回転子を押動することにより、回転子が中駒から出入して回転する際にノック音が発生し、またそれ以外の角度領域では軸体でノック体のカム斜面と回転子との隙間を維持しながらノック体が間接的に回転子を押動することにより、回転子が中駒から強制的に出入りして回転するため、ノック音が発生しない。
従って、簡単な構造で切り換え操作することができる。
よって、製造コストの低減化が図れる。
【0009】
第四の発明によれば、軸筒の一部を他部に対して周方向へ回動自在に設けた軸筒切換スイッチを回転して、その所定角度領域ではノック体のカム斜面で直接的に回転子を押動することにより、回転子が中駒から出入して回転する際にノック音が発生し、またそれ以外の角度領域では軸体でノック体のカム斜面と回転子との隙間を維持しながらノック体が間接的に回転子を押動することにより、回転子が中駒から強制的に出入りして回転するため、ノック音が発生しない。
従って、簡単な構造で切り換え操作することができる。
よって、製造コストの低減化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のノック式筆記具Aは、図1〜図20に示す如く、ノック機構として、その軸方向へ往復動自在なノック体1と、これと対向して配置される中駒2と、この中駒2と対向して周方向へ回転自在な回転子3と、この回転子3と連動して軸方向へ往復動自在な軸体4と、ノック体1を後方へ付勢するスプリング5と、回転子3と当接して回転誘導するフロントカム6と、ノック操作の作動状態を切り換えるための切換手段7とを備え、これらノック機構と共に筆記体8及びそれを後方へ付勢するリターンスプリング9を、軸筒10の内部に組み込んでいる。
【0011】
前記ノック体1は、後端面を閉鎖した略有底筒状に形成され、その前端面に、後述する回転子3の後側カム斜面3bと対向するカム斜面1aを周方向へ山形状に連続形成し、外周面には、後述する中駒2のスライド部2aと軸方向へ移動自在に係合する回転規制部1bを形成している。
【0012】
前記中駒2は、上記軸筒10の内面側において、ノック体1の回転規制部1b及び後述する回転子3の係合部3aを軸方向へ案内するためのスライド部2aが周方向へ複数形成され、これらスライド部2aの前端面には、後述する回転子3の後側カム斜面3bと対向するカム斜面2bを周方向へ山形状に連続形成すると共に、これらカム斜面2bの間には、後述する回転子3の後側カム斜面3bと嵌り合う係合凹部2cを形成する。
【0013】
前記回転子3は、筒状に形成され、後述する軸体4の軸方向中途位置に装着して軸方向へ往復動自在に配置し、その外周面には、上記中駒2のスライド部2aと軸方向へ移動自在に係合する係合部3aを周方向へ複数形成し、これら係合部3aの前後端面には、上記ノック体1のカム斜面1a及び中駒2のカム斜面2bと摺接する後側カム斜面3bと、後述するフロントカム6の固定カム斜面6aと摺接する前側カム斜面3cが夫々が形成される。
【0014】
本実施形態の好ましい一例によれば、図4,5,8及び図14,16,19に示す如く、上記ノック体1の回転規制部1b及び回転子3の係合部3aを凸状にし、これと係合する中駒2のスライド部2aを凹状にして軸方向へ案内している。
また、他の好ましい実施形態として、これと逆にノック体1の回転規制部1b及び回転子3の係合部3aを凹状とし、これと係合する中駒2のスライド部2aを凸状にして軸方向へ案内することも可能である。
【0015】
更に、上記軸筒10の後端開口に対して尾栓部10aを回転不能に挿着し、この尾栓部10aの内周面に、中駒2のスライド部2aとして、ノック体1の回転規制部1b及び回転子3の係合部3aが通過可能な深い溝と、回転子3の係合部3aが通過不能な浅い溝を夫々周方向へ交互に凹設し、この浅い溝の前端面を係合凹部2cとすることにより、ノック体1を中駒2内に組み付ける際の組立性を良好にしている。
【0016】
そして、上記軸体4は、その後端側にノック体1の内径よりも小さくて内部に挿入可能な挿入部4aを形成し、前端側に上記筆記体8の後端側を着脱自在に保持する挿着部4bを形成すると共に、前記軸筒10に対して周方向へ回転不能に取り付けることにより、これらノック体1と筆記体8との間で軸方向のみへ往復動自在に配置している。
【0017】
この軸体4の軸方向中途位置には、上記回転子3を回転自在に支持するための凹部4cを凹設することで、該回転子3が軸方向へ一体化され、この回転子3又は該軸体4からノック体1又は軸筒10の後端部に亘って上記リターンスプリング9よりも付勢力の弱いスプリング5を介装することにより、ノック体1を後方へ付勢して、筆記体8の突出時にノック体1がフリー状態となってガタ付き音が発生するのを防止している。
【0018】
また、前記軸体4の挿入部4aの後端面には、後述する切換手段7の周突部7b,7eと軸方向へ対向して相互に当接するか又は嵌め合う周突部4dを周方向へ部分的に突設している。
【0019】
上記フロントカム6は、円筒状に形成され、前記軸筒10に対して周方向へ回転不能でしかも軸方向へ移動不能に取り付け、その後端面には、上記回転子3の前側カム斜面3cと対向する固定カム斜面6aを周方向へ山形状に連続形成している。
【0020】
本実施形態の好ましい一例によれば、前記フロントカム6及び軸体4を、図1,6,7に示す如く、上記軸筒10の後端開口に挿着された尾栓部10aに対して回転不能に配置し、他の好ましい例によれば、図11,17,18に示す如く、該尾栓部10a及び後述する軸筒10の後軸10dに対して回転不能に配置する。
【0021】
上記切換手段7は、ノック操作によりノック体1のカム斜面1aを回転子3の後側カム斜面3bに当接して直接的に回転子3全体を中駒2のスライド部2aに沿って前進させる直接押動設定と、ノック操作により軸体4を介してノック体1のカム斜面1aと回転子3の後側カム斜面3bとの間に隙間Sを確保しながらノック体が間接的に回転子3を前進させる間接押動設定とのどちらか一方に切り換えるスイッチである。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
この実施例1は、図1〜図10に示す如く、前記切換手段7が、ノック体1に対し周方向の所定角度範囲において回動自在でしかも軸方向へ一体的に挿着されたキャップ状のノック切換スイッチ7aであり、このキャップ状のノック切換スイッチ7aの前端面に、上記軸体4の後端面に形成された周突部4dと対向する周突部7bを周方向へ部分的に突設し、該ノック切換スイッチ7aを周方向へ回転することで、これら周突部4dと周突部7bとの位置合わせを行い、ノック操作により上述した直接押動設定か又は間接押動設定に切り換えられる場合を示すものである。
【0023】
これら軸体4の周突部4dと切換スイッチ7aの周突部7bは、図2(a)(b)及び図3に示す如く、例えば断面扇型に夫々形成されるなど、上述したノック機構の組立状態で、所定角度領域では両者が周方向へ隣り合うと共に、それ以外の角度領域では両者が重なり合うように配置され、切換スイッチ7aの周突部7bを周方向のどちらか一方へ回転操作することにより、周突部4dと嵌り合って相互に軸方向へ擦れ違い、これと逆方向へ回転操作することにより、周突部4dとの端面同士が当接して軸方向へ連続する。
【0024】
即ち、ノック切換スイッチ7aの回転操作により、その周突部7bと軸体4の周突部4dとの位置関係が図2(a)及び図3に示す如く、周方向へ隣り合って位置ズレした時に、ノック体1を押圧操作すると、図9(a)に示す如く、周突部7bと周突部4dが嵌り合って相互に軸方向へ擦れ違い、それによりノック体1のカム斜面1aが回転子3の係合部3aに当接することにより、直接的に押動して前進させる直接押動設定となる。
【0025】
また、ノック切換スイッチ7aの回転操作により、その周突部7bと軸体4の周突部4dとの位置関係が図2(b)及び図3に示す如く、周方向へ一致して重なり合った時に、ノック操作すると、図9(b)に示す如く、これら周突部7bと周突部4dが当接して、軸体4とその凹部4cで軸方向へ一体的に支持した回転子3とを押動すると同時に、該周突部7bが形成されたノック切換スイッチ7aでノック体1を押動することにより、該軸体4を介してノック体1のカム斜面1aと回転子3の後側カム斜面3bとの間に隙間Sを確保しながらノック体1が間接的に回転子3を前進させる間接押動設定となる。
【0026】
図示例では、図1〜2及び図8〜9に示す如く、ノック切換スイッチ7aの外周面とノック体1の外周面に表示7cを夫々設け、これら表示7cが一致している状態では直接押動設定となり、表示7cが一致していない状態では間接押動設定となるように予め設定することにより、目視や感触などで設定状態がどちらであるか容易に解るようにしている。
【0027】
更に、図示例では、図1に示す如く、本発明のノック式筆記具Aが、そのノック体1の押圧操作により筆記体8としてリフィールの筆記先端部8aを、軸筒10の先端口10bから出没させるノック式ボールペンであり、この軸筒10が、先端口10bを開設した前軸10cと、その後端に連続する後軸10dとを、その間に弾性把持部(グリップ)10eを挟み込んで螺着接合している。
【0028】
次に、斯かるノック式筆記具Aの動作を説明する。
図1に示す軸筒10の先端口10bから筆記体8の筆記先端部8aが突出している状態又は没入している状態で、切換手段7としてキャップ状のノック切換スイッチ7aを周方向へ回転すると、直接押動設定と間接押動設定の切り換えが可能である。
【0029】
先ず、筆記体8の没入時に、図2(a)及び図9(a)に示す直接押動設定に切り換えてから、ノック体1を押圧操作すると、ノック体1のカム斜面1aが回転子3の後側カム斜面3bに当接し、直接的に回転子3を押動して前進させる。
【0030】
このノック体1のカム斜面1aによる直接的な押動で、図10(a−1)に示すように、回転子3の係合部3aが中駒2のスライド部2aに沿って前進し、そのままスライド部2aから係合部3aが外れる。
この外れた瞬間に回転子3全体が開放されてフリー状態となる。
【0031】
それにより、回転子3の後側カム斜面3bが、図10(a−2)に示すように、ノック体1のカム斜面1a沿いに摺動して回転するため、中駒2のスライド部2aから回転子3の係合部3aが抜けてからカム斜面1a沿いに摺動してその斜面終端部1a′に入り込んで回転が止まるまでの間に、大きなノック音が発生する。
この場合のノック音は、回転子3の後側カム斜面3bが、中駒2のスライド部2aの先端部を弾くこと及び又はカム斜面1aの凹部1a′に突き当たることで、「カチッ」と弾き音が発生すると考えられる。
【0032】
その後、ノック体1の1回の押圧操作が終了すると、ノック体1と回転子3はスプリング5及びリターンスプリング9の付勢力により後方へ戻されるため、図10(a−3)に示すように、回転子3の後側カム斜面3bが中駒2のカム斜面2b沿いに摺動して更に回転し、係合凹部2cに当接して係止され、それにより筆記体8の筆記先端部8aが軸筒10の先端口10bから突出したまま保持される。
【0033】
この回転子3の後側カム斜面3bが係合凹部2cに入る時にも、大きなノック音が発生する。
この場合のノック音は、回転子3の後側カム斜面3bが係合凹部2cに突き当たることで、「カチッ」と衝突音が発生すると考えられる。
【0034】
そして、その後の筆記体8を後退させるためのノック操作では、図示せぬが、ノック体1のカム斜面1aの前進により回転子3の後側カム斜面3bが中駒2の係合凹部2cから抜けて、ノック体1のカム斜面1a沿いに摺動して回転する時にも、フリー状態の回転子3から大きなノック音(弾き音)が発生する。
これに続いて回転子3の係合部3aが中駒2のスライド部2aに入る時にも大きなノック音(衝突音)が発生する。
【0035】
一方、筆記体8の没入時に、図2(b)及び図9(b)に示す間接押動設定に切り換えてから、ノック体1を押圧操作すると、軸体4を介してノック体1のカム斜面1aと回転子3の後側カム斜面3bとの間に隙間Sを確保しながらノック体1が間接的に回転子3を押動して前進させる。
【0036】
このような間接的な押動により、図10(b−1)に示すように、回転子3の係合部3aが中駒2のスライド部2aに沿って前進し、そのままスライド部2aから係合部3aを強制的に外す。
この外れた回転子3の後側カム斜面3bは、ノック体1のカム斜面1aと不接触で回転力が作用しないため、ノック音(弾き音)が発生することはない。
【0037】
これに続いて、図10(b−2)に示すように、回転子3の前側カム斜面3cをフロントカム6の固定カム斜面6aへ強制的に当接させ、この固定カム斜面6a沿いに摺動して回転する。
この際、ノック体1のカム斜面1aと回転子3の後側カム斜面3bとの間には隙間Sを確保されるため、回転子3はノック体1のカム斜面1aと関係なく回転する。
【0038】
その後、ノック体1の1回の押圧操作が終了すると、ノック体1と回転子3はスプリング5及びリターンスプリング9の付勢力により後方へ戻されるため、図10(b−3)に示すように、回転子3の後側カム斜面3bが中駒2のカム斜面2b沿いに僅かに摺動して更に回転し、係合凹部2cに当接して係止する。
この回転子3の後側カム斜面3bが係合凹部2cに入る時に、ノック音(衝突音)が発生する恐れはあるが、回転子3は軸体4と当接したまま完全なフリー状態とならないため、この際のノック音(衝突音)は極めて小さい。
【0039】
そして、その後の筆記体8を後退させるためのノック操作では、図示せぬが、ノック体1のカム斜面1aの前進により、軸体4を介してノック体1のカム斜面1aと回転子3の後側カム斜面3bとの隙間Sを維持しながらノック体1が間接的に回転子3を押動して前進させ、回転子3の後側カム斜面3bを中駒2の係合凹部2cから強制的に抜くと共に、この回転子3の後側カム斜面3bは、ノック体1のカム斜面1aと不接触で回転力が作用しないため、ノック音(弾き音)が発生することはない。
【0040】
これに続いて、回転子3の前側カム斜面3cをフロントカム6の固定カム斜面6aへ強制的に当接させ、この固定カム斜面6a沿いに摺動して回転した後に、リターンスプリング9の付勢力により後方へ戻されて、回転子3の係合部3aが中駒2のスライド部2aに入る。
この回転子3の係合部3aが中駒2のスライド部2aに入る時に、ノック音(衝突音)が発生する恐れはあるが、回転子3は軸体4と当接したまま完全なフリー状態とならないため、ノック音(衝突音)は極めて小さい。
【0041】
その結果、簡単な操作により使用者の要望に応じてノック音と静音に切り換えることができ、しかも簡単な構造で切り換え操作することができる。
【実施例2】
【0042】
この実施例2は、図11〜図20に示す如く、前記切換手段7が、軸筒10の一部を他部に対し周方向の所定角度範囲において回動自在に設けた軸筒切換スイッチ7dであり、この軸筒切換スイッチ7dと連係して、上記軸体4の後端面に形成された周突部4dと対向する周突部7eを周方向へ部分的に突設し、該軸筒切換スイッチ7dを周方向へ回転することで、これら周突部4dと周突部7eとの位置合わせを行い、ノック操作により上述した直接押動設定か又は間接押動設定に切り換えられるようにした構成が、前記図1〜図10に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1〜図10に示した実施例1と同じものである。
【0043】
この軸筒切換スイッチ7dは、その好ましい一例によれば、図15及び図19に示す如く、軸筒10(後軸10d)の後端開口に対し尾栓部10aを周方向の所定角度範囲において回転自在しかも軸方向へ一体的に挿着し、この尾栓部10aの内周面に形成された中駒2のスライド部2aと、これに嵌め合う回転規制部1bを介して、該尾栓部10aとノック体1とが周方向へ一体化され、このノック体1を有底筒状に形成してその後端内底面に周突部7eを周方向へ部分的に突設している。
【0044】
そして、軸筒切換スイッチ7dである尾栓部10aを図15(a)に示す如く周方向のどちらか一方へ回転操作することにより、その周突部7eと軸体4の周突部4dとの位置関係が図12(a)及び図13に示す如く、周方向へ隣り合って位置ズレした時に、ノック体1を押圧操作すると、図20(a)に示す如く、周突部7bと周突部4dが嵌り合って相互に軸方向へ擦れ違い、それによりノック体1のカム斜面1aが回転子3の係合部3aに当接し直接押動して前進させる直接押動設定となる。
【0045】
また、軸筒切換スイッチ7dである尾栓部10aを図15(b)に示す如く逆方向へ回転操作することにより、その周突部7eと軸体4の周突部4dとの位置関係が図12(b)及び図13に示す如く、周方向へ一致して重なり合った時に、ノック操作すると、図20(b)に示す如く、両者の当接により軸体4を介してノック体1のカム斜面1aと回転子3の後側カム斜面3bとの間に隙間Sを確保しながらノック体1が間接的に回転子3を前進させる間接押動設定となる。
【0046】
また、その他の好ましい例として、前記尾栓部10a以外の部分を軸筒10に対し周方向の所定角度範囲において回動自在に設け、これを回転して、その所定角度領域ではノック体1のカム斜面1aで直接的に回転子3を押動し、それ以外の角度領域では軸体4でノック体1のカム斜面1aと回転子3との隙間Sを維持しながらノック体1が間接的に回転子3を押動するようにしても良い。
【0047】
従って、図11〜図20に示す実施例2も、上述した実施例1と同様に図10(a−1)〜(b−3)に示すような作用効果が得られる。
【0048】
尚、図示例では、本発明のノック式筆記具Aがノック式ボールペンである場合を示したが、これに限定されず、ノック操作により筆記体8を軸筒10の先端口10bから出没できれば、それ以外の例えばシャープペンシルやサインペンなどであっても良い。
更に、この軸筒10を、前軸10cと後軸10dとの螺着接合により構成したが、本発明は、これに限定されず、軸筒10を分離不能な一体構造としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のノック式筆記具の実施例1を示す縮小半断面図である。
【図2】図1の(2)−(2)線に沿える拡大端面図であり、(a)が直接押動設定(ノック音時)を示し、(b)が間接押動設定(静音時)を示している。
【図3】図1の(3)−(3)線に沿える拡大端面図である。
【図4】図1の(4)−(4)線に沿える拡大端面図である。
【図5】図1の(5)−(5)線に沿える部分的な拡大端面図である。
【図6】図1の(6)−(6)線に沿える部分的な拡大端面図である。
【図7】図1の(7)−(7)線に沿える部分的な拡大端面図である。
【図8】内部構造を分解して示す半断面図である。
【図9】動作状態を示す拡大半断面図であり、(a)が直接押動設定(ノック音時)を示し、(b)が間接押動設定(静音時)を示している。
【図10】動作状態を示す展開図であり、(a−1)〜(a−3)が直接押動設定(ノック音時)を示し、(b−1)〜(b−3)が間接押動設定(静音時)を示している。
【図11】本発明のノック式筆記具の実施例2を示す縮小半断面図である。
【図12】図11の(12)−(12)線に沿える拡大端面図であり、(a)が直接押動設定(ノック音時)を示し、(b)が間接押動設定(静音時)を示している。
【図13】図11の(13)−(13)線に沿える拡大端面図である。
【図14】図11の(14)−(14)線に沿える拡大端面図である。
【図15】図11の(15)−(15)線に沿える拡大端面図であり、(a)が直接押動設定(ノック音時)を示し、(b)が間接押動設定(静音時)を示している。
【図16】図11の(16)−(16)線に沿える部分的な拡大端面図である。
【図17】図11の(17)−(17)線に沿える部分的な拡大端面図である。
【図18】図11の(18)−(18)線に沿える部分的な拡大端面図である。
【図19】内部構造を分解して示す半断面図である。
【図20】動作状態を示す拡大半断面図であり、(a)が直接押動設定(ノック音時)を示し、(b)が間接押動設定(静音時)を示している。
【符号の説明】
【0050】
A ノック式筆記具 S 隙間
1 ノック体 1a カム斜面
2 中駒 3 回転子
4 軸体 7 切換手段
7a ノック切換スイッチ 7d 軸筒切換スイッチ
10 軸筒




 

 


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