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発明の名称 摩擦体及びそれを備えた筆記具、筆記具セット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−223302(P2007−223302A)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
出願番号 特願2006−323425(P2006−323425)
出願日 平成18年11月30日(2006.11.30)
代理人
発明者 千賀 邦行 / 伊藤 喜博
要約 課題
可逆熱変色性インキにより形成された像や筆跡の微小面積部分のみを擦過時に強い押圧力を要したり擦過回数を増加させることなく選択的且つ容易に変色させる摩擦体、前記摩擦体を備えた筆記具、前記摩擦体と筆記具とからなる筆記具セットを提供する。

解決手段
可逆熱変色性を有する像を、摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる摩擦体であって、前記摩擦体が、ガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触面積が0.5〜15mmの範囲にある摩擦体、前記摩擦体を備えた可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具、可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具と、前記摩擦体とからなる筆記具セット
特許請求の範囲
【請求項1】
可逆熱変色性を有する像を、摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる摩擦体であって、前記摩擦体が、ガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触面積が0.5〜15mmの範囲にあることを特徴とする摩擦体。
【請求項2】
前記摩擦体が、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積が0.5〜12mmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の摩擦体。
【請求項3】
前記摩擦体が、ガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触面積Aと、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積Bとが、B<A≦4Bの関係を満たす弾性体であることを特徴とする請求項2記載の摩擦体。
【請求項4】
可逆熱変色性インキを用いて形成された像を、摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる摩擦体であって、前記摩擦体が、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積が3.2mm以下であると共に、荷重1000gで押圧した際の接触面積が5.0mm以下であることを特徴とする摩擦体。
【請求項5】
前記摩擦体が、JIS K6253Aにおけるショア硬度Aが40度以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の摩擦体。
【請求項6】
前記摩擦体がスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体又はスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の摩擦体。
【請求項7】
前記摩擦体が着色剤を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の摩擦体。
【請求項8】
可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具であって、前記筆記具により形成された筆跡を摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる請求項1乃至7のいずれかに記載の摩擦体を少なくとも一部に備えることを特徴とする筆記具。
【請求項9】
前記筆記具を構成する筆記具部材又は筆記具本体と、摩擦体とが二色成形により一体に成形されることを特徴とする請求項8記載の筆記具。
【請求項10】
少なくとも可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具と、該筆記具により形成された筆跡を摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる前記請求項1乃至7のいずれかに記載の摩擦体とからなる筆記具セット。
【請求項11】
前記筆記具の筆跡幅が、0.1〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の筆記具。
【請求項12】
前記可逆熱変色性インキが、少なくとも25℃〜95℃の範囲に高温側変色点を有するマイクロカプセル顔料を含有することを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の筆記具。
【請求項13】
前記可逆熱変色性インキが、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型のいずれかであるか、或いは、それらの任意の組合せであることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は摩擦体及びそれを備えた筆記具、筆記具セットに関する。更に詳細には、可逆熱変色性インキにより形成される像又は筆跡を、摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる摩擦体及びそれを備えた筆記具、筆記具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、支持体上に形成された可逆熱変色層を手動摩擦による摩擦熱で変色させる摩擦体を備えた熱変色セットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記提案で用いられる摩擦体は、摩擦熱を発生させるために擦過した際、可逆熱変色層を剥がしてしまい可逆的な色変化を損なうため、該可逆熱変色層上にオーバーコート層を設けて剥がれを防止する必要がある。
また、前記特許文献1に記載の摩擦体の擦過部に用いられる例示の樹脂では、該樹脂自体が擦過により削られるため、カスが出て周囲を汚すことがある。更に、摩擦熱の発生効率が低いために擦過回数が増加することや、熱変色層との接触部分が大きいために擦過時に強い押圧力を要することがあった。
また、前記特許文献1の可逆熱変色層には、可逆熱変色像の擦過部が剥がれることを防止するためにオーバーコート層が設けられているので、既存の可逆熱変色像を変色させることしかできず、ユーザーが自由に形成した可逆熱変色像を変色することができなかった。
【0003】
そこで、オーバーコート層等の保護部材を必要とせず、可逆熱変色性インキにより形成された像や筆跡を剥がすことなく変色させるために有用な摩擦体としてシリコーンゴムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
前記シリコーンゴムは、可逆熱変色性インキにより形成された像や筆跡を剥がすことなく変色させることができ、摩擦熱の発生効率が高いため摩擦体として優れた効果を発現できるものである。
しかしながら、摩擦体の形状によっては、擦過時に熱変色像との接触部分(面積)が大きくなるため、擦過時に強い押圧力を要したり、擦過回数が増加したり、所望箇所の筆跡や微小面積部分のみを選択的且つ容易に擦過変色させ難いものであった。
【特許文献1】特開平7−241388号公報
【特許文献2】特開2004−148744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、可逆熱変色性インキにより形成された像や筆跡を剥がすことなく擦過して第1状態から第2状態に変色させ得ると共に、擦過時に強い押圧力を要したり擦過回数を増加させることなく、微小面積部分のみを選択的且つ容易に擦過変色させることができる摩擦体を提供するものである。
更に、可逆熱変色性インキにより自由に形成した像を変色できる、摩擦体を備えた筆記具及び摩擦体と筆記具とからなる筆記具セットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、可逆熱変色性を有する像を、摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる摩擦体であって、前記摩擦体が、ガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触面積が0.5〜15mmの範囲にあること、前記摩擦体が、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積が0.5〜12mmの範囲にあること、前記摩擦体が、ガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触面積Aと、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積Bとが、B<A≦4Bの関係を満たす弾性体であることを要件とする。
更に、可逆熱変色性インキを用いて形成された像を、摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる摩擦体であって、前記摩擦体が、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積が3.2mm以下であると共に、荷重1000gで押圧した際の接触面積が5.0mm以下であることを要件とする。
更に、前記摩擦体が、JIS K6253Aにおけるショア硬度Aが40度以上であること、前記摩擦体がスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体又はスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体からなること、前記摩擦体が着色剤を含有することを要件とする。
更には、可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具であって、前記筆記具により形成された筆跡を摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる前記いずれかの摩擦体を少なくとも一部に備えること、前記筆記具を構成する筆記具部材又は筆記具本体と、摩擦体とが二色成形により一体に成形されることを要件とする。
更には、少なくとも可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具と、該筆記具により形成された筆跡を摩擦熱により第1状態から第2状態に変色させる前記いずれかの摩擦体とからなる筆記具セットを要件とする。
更には、前記筆記具の筆跡幅が、0.1〜5mmの範囲であること、前記可逆熱変色性インキが、少なくとも25℃〜95℃の範囲に高温側変色点を有するマイクロカプセル顔料を含有すること、前記可逆熱変色性インキが、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型のいずれかであるか、或いは、それらの任意の組合せであることを要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は請求項1により、擦過時に強い押圧力を要したり擦過回数を増加させることなく、目的の微小面積部分のみを選択的且つ容易に擦過変色させることができる摩擦体が得られる。
【0007】
請求項2により、目的の微小面積部分のみを選択的且つ容易に擦過変色させることができる。
【0008】
請求項3により、押圧時に接触部が擦過に適した大きさに広がるので、軽い力で方向性なく擦過できるため、幼児等の力の弱いユーザーであっても、目的部分を効率的且つ容易に擦過変色させることができる。
【0009】
請求項4により、周辺部を変色させることなく、目的の微小面積部分のみを選択的且つ容易に擦過変色させることができる摩擦体が得られる。
【0010】
請求項5により、擦過時に摩擦体が削れて擦過部周辺を汚すことがなくなると共に、摩擦熱の発生効率を高めることができる。
【0011】
請求項6により、熱変色像を剥がすことなく変色させることができると共に、一度擦過した部分であっても、該擦過部上にインキのはじきを生じることなく再び熱変色像を形成できる。
【0012】
請求項7により、デザイン性に富んだ摩擦体が得られる。
【0013】
請求項8により、ユーザーが自由に像を形成できると共に、筆記具に備えた摩擦体を用いて前記像を容易に変色させ得る。
【0014】
請求項9により、筆記具に対して摩擦体を脱落させることなく確実に設けることができる。
【0015】
請求項10により、ユーザーが自由に像を形成できると共に、併設される摩擦体を用いて前記像を容易に変色させ得る。
【0016】
請求項11により、ユーザーが細部に文字や像を描くことと、併設される摩擦体を用いて変色させることに適した筆跡が形成できる。
【0017】
請求項12により、インキが高濃度の発色性を有し、擦過により確実に変色するものとなる。
【0018】
請求項13により、加熱、冷却により可逆的に変色するマジック性に富んだ像を形成でき、目的に応じて学習、教習、玩具要素等多様に応用展開できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の摩擦体は、可逆熱変色性インキ等により印刷、筆記等の手段で形成された像又は筆跡の微小面積部分を摩擦熱により第1状態から第2状態に選択的且つ簡易に変色させることができるものであり、前記像又は筆跡を擦過することで常態と異なる色彩に互変的に変色させるものである。
【0020】
また、本発明の摩擦体は、動力等を用いず手動操作によって発熱させ得るため、大がかりな装置を必要とせず、低コストで製造できるので、可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具の軸胴の後端部または筆記具用キャップの頂部等に嵌合や二色成形等の手段により設けたり、可逆熱変色性インキを内蔵する筆記具と併せて使用したり、可逆熱変色性インキによる印刷像を備えた絵本や玩具と併せて使用することができる。
特に、前記筆記具と摩擦体を別体で設けて可逆熱変色性筆記具セットとしたり、前記筆記具に摩擦体を設けた場合、前記筆記具により自由な像を形成することができると共に、摩擦体により前記像を容易に変色させることができるため、より有用なものとなる。
【0021】
前記摩擦体は、ガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触面積が0.5〜15mmの範囲にあるように形成されている。
これにより、擦過時に像が形成された支持体に摩擦体を押圧した際の接触面積が小範囲になるので、擦過回数を増加させることなく摩擦熱を発生させることができると共に、強い押圧力を要することなく擦過できる。そのため、目的の微小面積部分のみを選択的且つ容易に擦過変色させることができる。
【0022】
更に、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積が0.5〜12mmの範囲になるように形成することが好ましい。その際、荷重1000gで押圧した際の接触面積よりも小さい値となる弾性体が好適に用いられ、摩擦体をガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触面積Aと、ガラス板上に荷重500gで押圧した際の接触面積Bとが、B<A≦4Bの関係を満たすように設定することが好ましい。
これにより摩擦体に適度な柔軟性を付与できるので、像が形成された支持体に摩擦体を押圧した際、接触部分が押圧力に応じて擦過に適した大きさに広がって目的部分を効率的に擦過変色させることができる。また、支持体とより密接な状態で摩擦できるので、擦過時に押圧力が分散することがなくなると共に、方向性なく移動することができる。
【0023】
また、前記摩擦体は、ガラス板上に前記摩擦体を荷重500gで押圧した際、ガラス板と摩擦体の接触面積が3.2mm以下になると共に、荷重1000gで押圧した際、ガラス板と摩擦体の接触面積が5.0mm以下になるように形成される。
これにより、前記像の微小面積部分のみを確実に選択して、容易に擦過変色させることができる。
前記いずれの荷重においても、摩擦体の強度及び成形性を考慮して、ガラス板に押圧した際の摩擦体の接触面積が0.5mm以上となるものが好ましい。
前記ガラス板としては、表面に摩擦体を接触させた際に、裏面から接触部分が視認できる程度の透明性を有すると共に、平滑表面を備えたフロートガラス板が用いられる。
【0024】
前記摩擦体の形状としては、前記条件を満たすものであればどのような形状でもよいが、筆跡との接触角度によらず一定の接触面積が得られ、広域を擦過することなく目的部分のみを擦過できることから、角錐や円錐等が好ましく、また、先端を凸曲面とすることが好ましい。
【0025】
また、前記摩擦体の硬度としては、JIS K6253Aにおけるショア硬度Aを40以上、好ましくは55度以上にすることが好ましい。
40度以上とすることで、柔らか過ぎることなく、擦過(摩擦)に適した変形を生じるので、強い押圧力を要することなく摩擦熱を発生できる。また、55度以上とすることで、摩擦熱の発生効率が高まると共に、摩擦体がより削れ難くなるので、少ない擦過回数で容易に熱変色像を変色させることができ、削れカスにより擦過部分の周辺を汚すことなく使用できる。
また、摩擦体に弾性を付与するためにショア硬度Aを100度以下にすることが好ましい。100度以下とすることで、適度な弾性力を備えるため、摩擦時の支持体への接触面が増加し、少ない擦過回数で容易に熱変色像を変色できると共に、滑らかに擦過できる。
【0026】
前記摩擦体としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、アクリル、ナイロン、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の比較的硬質な合成樹脂や、スチレン系、オレフィン系、ポリスチレンとポリオレフィンのブロック共重合体、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1、2−ポリブタジエン系、塩化ビニル系、フッ素系等の熱可塑性エラストマーや、ポリプロピレンとエチレンプロピレン系ゴムとのブレンド、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体とのブレンド、塩素化ポリエチレンとナイロンとのブレンド等のブレンドされたエラストマーや、シリコーンゴム等のゴムエラストマー、天然ゴム、合成ゴム、各種樹脂による発泡体、繊維の熱融着乃至樹脂加工体、羊毛フェルト等からなる任意形象のものが適用できる。
特に、前記材質のうちスチレン系エラストマーが有用であり、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体又はスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体が好適に用いられる。これらの共重合体は、摩擦熱の発生効率が良く、熱変色像を剥がすことなく繰り返し可逆的に変色させることができると共に、擦過時の抵抗が少ないため滑らかに擦過できるものであり、更に、擦過時に支持体に定着してもインキのはじきを生じないため、擦過部分に再筆記することが可能である。
尚、材質として軟質なものを適用する場合には、接着、貼着、融着、嵌着、二色成形等の手段を用いて、硬質材からなる基材を被覆する構成をとることが好ましい。
【0027】
更に、前記摩擦体には着色剤を添加することができる。摩擦体を着色することによってデザイン性に富んだものとなる。また、該摩擦体を筆記具に装着した場合には、第一状態又は第二状態のインキ色に着色し、第一状態の色又は変色により現れる色をユーザーに知らせる色表示機能部分としたり、筆記具の外装に合わせて着色することでデザインの統一を計ったり、逆に摩擦体を外装の色調と異なるものとして目立たせたりすることができる。
前記着色剤の添加量としては、摩擦体全量中0.1〜1.0重量%含有されることが好ましい。0.1%以下では摩擦体を鮮明に着色することができず、1.0%より多いと擦過した際に筆跡周辺に着色剤が色移りする場合がある。
前記着色剤としては一般に汎用の染料、顔料等を適宜使用でき、例えば、酸性染料、塩基性染料、直接染料、蛍光染顔料、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、有機顔料の他、アルミ粉や各種パール顔料等が用いられる。
更に、前記摩擦体には、必要に応じて充填剤等の各種添加剤を加えることができる。
【0028】
前記摩擦体を筆記具に装着する場合、別部材で成形したものを筆記具に嵌着したり、筆記具本体又は筆記具部材へ二色成形により一体に成形することで装着できる。別部材として嵌着する場合、摩擦体を頭冠、尾栓等の筆記具部材の形状とし、直接筆記具を構成することで部品点数を削減することもできる。
また、前記共重合体は成形性に優れているため、筆記具本体や筆記具部材とともに二色成形することで容易に摩擦体を設けることができる。
【0029】
更に、嵌着される筆記具用摩擦体の抜け力を5N以上とすることにより、筆記具から摩擦体を容易に外すことができなくなり、幼児等の誤飲を防止できる。前記筆記具に摩擦体を装着する際、抜け力を向上する目的で、筆記具の摩擦体嵌合部の内面に係止用リブを設けることもできる。
また、前記筆記具に摩擦体を設ける際、摩擦体に通気孔や通気溝を貫設することで、幼児等が誤飲した場合にもより安全性の高いものとなる。
【0030】
次に可逆熱変色性インキについて説明する。
本発明の摩擦体により可逆的に変色される可逆熱変色像及び筆跡を形成する可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。前記構成を用いることで、擦過により変色した像が瞬時に元の色に戻るものや、擦過による変色を広い温度範囲で保持できるもの等、マジック性に富んだ像を形成できる。
また、前記可逆熱変色性インキは、低温側変色点を−30℃〜+10℃の範囲、且つ、高温側変色点を25℃〜95℃(好ましくは36℃〜90℃)の範囲に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができると共に、本発明の摩擦体による擦過で変色可能となるため、実用性が高いものとなる。
【0031】
また、前記可逆熱変色性インキに含有される可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、従来より公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させたものが有効であり、発色状態からの加熱により消色する加熱消色型としては、本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、完全消色温度以上の温度域で消色状態、完全発色温度以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する。
ΔHが3℃以下の系〔特公平1−29398号公報に示す、3℃以下のΔT値(融点−曇点)を示す脂肪酸エステルを変色温度調節化合物として適用した系〕にあっては、完全消色温度(t)及び完全発色温度(t)を境に温度変化に鋭敏に感応して高感度の変色性を示し、ΔHが4〜7℃程度の系では変色後、緩徐に元の様相に戻り、視認効果を高めることができる。
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる色彩記憶保持型熱変色性組成物も適用できる。更に、カプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル等の分子内に芳香環を2個有するアルコール化合物と炭素数4以上の飽和又は不飽和脂肪酸とから構成されるエステル化合物を(ハ)成分に用いることで、より大きなヒステリシス特性(ΔH=50〜80℃)を示す色彩記憶保持型熱変色性組成物も適用できる。
前記実質的二相保持温度域は、目的に応じて設定できるが、本発明では、前記高温側変色点を25℃〜95℃(好ましくは、36℃〜90℃)の範囲に設定する。
尚、前記低温側変色点〔完全発色温度(t)〕は、−30℃〜+20℃(好ましくは、−30℃〜+10℃)の範囲から選ばれる任意の温度に設定できる。
前記温度設定により、発色開始温度(t)と消色開始温度(t)の間の任意の温度で、発色状態又は消色状態を互変的に記憶保持して視覚させることができる。
又、加熱発色型の組成物として、消色状態からの加熱により発色する、本出願人の提案による、電子受容性化合物として、炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した系(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、或いは特定のヒドロキシ安息香酸エステルを適用した系(特開2001−105732号公報)、更に、消色状態からの加熱により高温側変色点(完全発色温度)で発色する、没食子酸エステル等を適用した系等を適用できる。
ここで、前記可逆熱変色性マイクロカプセル中、或いはインキ中に非熱変色性の染料、顔料等の着色剤を配合して、有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈する構成となすことができる。
【0032】
前記マイクロカプセル顔料は、粒子径の平均値が0.5〜5.0μm、好ましくは1〜4μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が5.0μmを越える系では、ボールペンチップやマーキングペンチップの毛細間隙からの流出性の低下を来したり、押圧時(擦過時)に紙面から離脱して筆跡が分散したり、強い押圧力によりカプセルが破壊されてしまうことがある。また、平均粒子径が0.5μm以下の系では高濃度の発色性を示し難くなる。
【0033】
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、2〜50重量%(好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは、4〜30重量%)配合することができる。2重量%未満では発色濃度が不充分であり、50重量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性が阻害される。
【0034】
本発明の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料におけるカプセルの形態は、円形断面の形態のものの適用を拒まないが、非円形断面の形態が効果的である。
筆記により形成される可逆熱変色性筆跡は、前記マイクロカプセル顔料が被筆記面に対して長径側(最大外径側)を密接させて濃密に配向、固着されており、高濃度の発色性を示すと共に、前記筆跡を摩擦体による擦過等による外力に対して、前記マイクロカプセル顔料は外力を緩和する形状に微妙に弾性変形し、マイクロカプセルの壁膜の破壊が抑制され、熱変色機能を損なうことなく有効に発現させることができる。
ここで、前記非円形断面形状のマイクロカプセル顔料は、最大外径の平均値が0.5〜5.0μmの範囲にあることが好ましい。
前記マイクロカプセル顔料(円形断面形状のものを含む)は、最大外径の平均値が、5.0μmを越える系では、毛細間隙からの流出性の低下を来し、一方、最大外径の平均値が、0.5μm以下の系では高濃度の発色性を示し難く、好ましくは、最大外径の平均値が、1〜4μmの範囲、当該マイクロカプセルの平均粒子径〔(最大外径+中央部の最小外径)/2〕が1〜3μmの範囲が好適である。
【0035】
前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化には、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、コアセルベート法等の公知の手段が適用できるが、本発明の前記した要件を満たす粒子径範囲のマイクロカプセル顔料を得るためには、凝集、合一化が生じ難い界面重合法又は界面重縮合法の適用が効果的である。
【0036】
更に、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料中、或いはインキ中には、非熱変色性の染料、顔料等の着色剤を配合して、有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈する構成とすることもできる。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、蛍光染料が全て使用可能である。また、顔料としては、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、スレン顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、スロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料や蛍光顔料を例示できる。
【0037】
本発明の摩擦体を備える筆記具、又は、筆記具セットとして摩擦体と別体で設けられる筆記具に内蔵される可逆熱変色性インキは、25〜95℃の範囲に高温側変色点を有し、平均粒子径が0.5〜5μmの範囲にある可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を水性媒体中に分散させ、必要に応じてバインダー樹脂を配合したものが有効である。
具体的には、剪断減粘性物質を含む剪断減粘系インキや、水溶性高分子凝集剤により可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集系インキが効果的である。更には、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が水性ビヒクルと比重差0.05以下になるよう調節した比重調節型インキも適用できる。
【0038】
前記剪断減粘性物質は、8〜12の範囲内のHLB値を有するノニオン界面活性剤、キサンタンガム、ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルローズ、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。特にキサンタンガム、サクシノグリカン、架橋性アクリル酸重合体が保存安定性に優れる。
【0039】
前記水溶性高分子凝集剤としては、非イオン性水溶性高分子化合物が好適に用いられる。
具体的にはポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類、非イオン性水溶性セルロース誘導体等が挙げられる。このうち水溶性多糖類の具体例としては、トラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリンが挙げられ、また非イオン性水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物中において微小カプセル顔料粒子間の緩い橋架け作用を示す水溶性高分子であればすべて適用することができるが、なかでも前記の非イオン性水溶性セルロース誘導体が最も本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物に対し有効に作用する。
前記高分子凝集剤は、インキ組成物全量に対し、0.05〜20重量%配合することができる。
【0040】
また、ペン先での乾燥を抑制するために保湿剤として、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、低分子量ポリエチレングリコール等のグリコール類及びそれらの低級アルキルエーテル、2−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、尿素等の適宜量を配合することができる。
前記保湿剤は、インキ全量に対して5〜40重量%配合することができる。
【0041】
更に、筆跡の固着性や粘度調整等のために、適宜量のバインダー樹脂を添加することもできる。前記バインダー樹脂は樹脂エマルション、アルカリ可溶性樹脂、水溶性樹脂から選ばれる。
前記樹脂エマルションとしては、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、α−オレフィン−マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリウレタン等の水分散体が挙げられ、前記アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられ、前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができ、一種又は二種以上を混合して用いることができる。
また、界面活性剤等の従来より汎用の各種分散剤を必要に応じて配合することができる。
【0042】
本発明のインキ組成物をボールペンに充填して用いる場合は、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗防止効果を付与することが好ましい。
【0043】
前記可逆変色性インキを収容する筆記具としては、各種ペン先を筆記先端部に装着したマーキングペン、ボールペン、万年筆等の汎用の形態の筆記具が用いられる。
前記ペン先のうち、マーキングペンチップとしては、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、毛筆等が適用でき、ボールペンチップとしては、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等が適用できる。尚、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等が適用でき、直径0.2mm〜3.0mmの範囲のものが好適に用いられる。
また、万年筆形態のペン先としては、ステンレス板、金合金板等の金属板を先細テーパー状に裁断し、屈曲又は湾曲したものや、ペン先形状に樹脂成形したもの等が適用できる。尚、前記ペン体には中心にスリットを設けたり、先端に玉部を設けることもできる。
【0044】
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、ボールを先端部に装着したチップを直接又は接続部材を介して連結した軸筒にインキと逆流防止用の液栓(インキ逆流防止体)を収容した構造、インキ収容管にインキと逆流防止用の液栓を収容したボールペンレフィルを軸筒内に収容した構造を例示できる。
【0045】
インキを収容する軸筒やインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
前記成形体は透明性を有していてもよく、透明性とは着色透明、半透明、着色半透明を含み、インキ色やインキ残量等を確認できる。
なお、前記透明性の軸筒或いはインキ収容管は全体が透明性を有している他、インキの残量が視認できる部分的に透明性部分を有するものであってもよい。
【0046】
前記インキ収容管又は軸筒に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体(液栓)を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
【0047】
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
【0048】
前記筆記具の形態は前述したものに限らず、相異なる形態のペン体を装着させたり、相異なる色調のインキを導出させるペン体を装着させた両頭式の筆記具であってもよい。
前記両頭式の筆記具としては、軸筒内に仕切り壁を設け、軸筒両端部にそれぞれ直接又は中継部材を介して筆記先端部を固着してなり、前記軸筒内にそれぞれ色調の異なる水性インキを収容してなる筆記具、或いは、軸筒内に、筆記先端部が軸筒両端部に位置するように二本のレフィルを収容してなり、前記二本のレフィル内にそれぞれ色調の異なる水性インキを収容してなる筆記具を例示できる。
【0049】
また、前記筆記具が形成する筆跡幅としては、0.1〜5mmの範囲であることが好ましい。前記範囲とすることで、ユーザーが細部に文字や像を描くことと、併設される摩擦体を用いて変色させることに適した筆跡が形成できる。
なお、前記筆記具を用いて形成される筆跡の幅(T)が0.1〜1.0mmの場合、摩擦体をガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触部の最大幅(C)との関係がT<C≦20T、好ましくはT<C≦15T、より好ましくはT<C≦10Tを満たすことにより、筆跡の所望箇所を確実且つ簡便に変色させることができる。
一方、筆記具を用いて形成される筆跡の幅(T)が比較的太い、具体的には1.0mmを超え、5.0mm以下の場合、摩擦体をガラス板上に荷重1000gで押圧した際の接触部の最大幅(C)との関係がT/5<C≦5T、好ましくはT/4<C≦4T、より好ましくはT/3<C≦3Tを満たすことにより、筆跡の所望箇所を確実且つ簡便に変色させることができる。
【0050】
なお、本発明の摩擦体を筆記具と共に用いる場合、擦過により有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈する構成よりも、有色から無色、又は無色から有色への互変的色変化を呈する構成とし、無色状態の筆跡上に再筆記することで、あたかも新たに筆記したかのように使用できるものとなる。
【実施例】
【0051】
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部であり、透明ガラス板には、厚さ5mmの透明フロート板ガラスを用いた。
また、図1に筆記具の実施形態を示し、図2に加熱消色型熱変色性インキの変色挙動図を示す。
【0052】
実施例1
摩擦体の作成
青色顔料0.25部をSEBS共重合エラストマー〔アロン化成(株)製、商品名:AR−885C、ショアA硬度:88〕100部に添加し、混練した後、半径3mm、高さ10mmの円錐(先端を凸曲面とする)に成型することで青色の摩擦体1を得た。
得られた摩擦体1を凸曲面が上になるように電子天秤に載せ、該摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が1.4mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が3.0mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の2.14倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができると共に、前記紙面に色移りすることはなかった。
【0053】
実施例2
摩擦体の作成
アルミパウダー0.02部をSEBS共重合エラストマー〔アロン化成(株)製、商品名:AR−885C、ショアA硬度:88〕100部に添加し、混練した後、縦5mm、横5mm、高さ6mmの四角錐の底面に半径3mm、高さ5mmの円柱を備えた形状に成型することで銀色の摩擦体1を得た。
得られた摩擦体1を四角錐の頂部が上になるように電子天秤に載せて固定し、該摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が3.0mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が4.0mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の1.33倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができると共に、前記紙面に色移りすることはなかった。
【0054】
実施例3
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として3−(4−ジエチルアミノ−2−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド2.0部、(ロ)成分としてビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド8.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる感温変色性色彩記憶性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(t:−14℃、t:−6℃、t:48℃、t:60℃、平均粒子径:2μm)のヒステリシス幅(ΔH)は64℃であり、温度変化により青色から無色に変色する。
【0055】
感温変色性色彩記憶性インキの調製
前記マイクロカプセル顔料25.7部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.2部、尿素5.5部、グリセリン7.5部、ノニオン系浸透性付与剤〔サンノプコ(株)社製、商品名:ノプコSW−WET−366〕0.03部、変性シリコーン系消泡剤〔日本シリコーン(株)製、商品名:FSアンチフォーム013B〕0.15部、防腐剤〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕0.1部、潤滑剤〔第一工業製薬(株)製プライサーフA212C〕0.5部、トリエタノールアミン0.5部、水59.82部からなる感温変色性色彩記憶性インキ6を調製した。
【0056】
筆記具の作製
前記インキ6(予め−14℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を青色に発色させた後、室温下で放置したもの)を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに0.97g吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップ4と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプ(レフィールパイプ8)の後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓7)を充填し、更に尾栓をレフィールパイプ8の後部に嵌合させ、先軸、後軸からなる軸胴5を組み付け、キャップ3を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なってボールペン2(筆跡幅0.3mm)を得た。
なお、前記ボールペンチップ4は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmの超硬合金製ボールを抱持させたものであり、キャップは頂部に設けられた嵌合部31に実施例1で得られた摩擦体1の擦過部11を凸曲面とし、抜け力5Nで嵌着してなる(図1)。
【0057】
筆跡の変色挙動
得られたボールペン2により、3mm角内に1文字が納まる大きさの文字で、「1月18日会議室」と手帳に筆記した熱変色性筆跡は、室温(25℃)で青色の発色状態であり、低温側変色点(−6℃)以上、高温側変色点(60℃)以下の温度でこの状態を保持していた。
前記筆跡のうち、「18」の部分のみをキャップに固着した摩擦体1で数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となり、該消去部にボールペン2で「20」と再筆記した。この際、他の文字を消色させることなく消去できると共に、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。前記状態は−6℃以上、60℃以下で保持していた。
【0058】
実施例4
可逆熱変色性インキの調製
感温変色性色彩記憶性組成物をマイクロカプセルに内包した可逆熱変色性顔料(t:3℃、t:6℃、t:38℃、t:45℃、平均粒子径:2.5μm、ΔH=37℃、青色から無色に色変化する)18部、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、ノニオン系浸透性付与剤〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコSW−WET−366〕0.6部、変性シリコーン系消泡剤〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコ8034〕0.1部、防黴剤〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕0.1部、水60.87部からなる可逆熱変色性インキ6を調製した。
【0059】
筆記具の作製
前記インキ6(予め2℃以下に冷却して可逆熱変色性顔料を発色させた後、室温下で放置したもの)を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに0.97g吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップ4と連結させた。なお、前記ボールペンチップ4は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.4mmの超硬合金製ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプ(レフィールパイプ8)の後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓7)を充填し、軸胴5内に組み付け、実施例2で作成した摩擦体1の擦過部11を、曲率半径3.0mmの凸曲面とし、抜け力10Nで嵌合部31に嵌合させたキャップ3を取付けた後、遠心処理により脱気処理を行ない、剪断減粘系熱変色性ボールペン2(筆跡幅0.2mm)を得た(図1)。
前記ボールペン2によりレポート用紙に筆記したところ、長時間の筆記または速記によっても筆跡が消色することがなく、安定した濃度の青色の鮮明な熱変色性筆跡が得られた。
【0060】
筆跡の変色挙動
得られたボールペン2により、3mm角内に1文字が納まる大きさの文字で、「運動会/第一公園」と手帳に筆記した熱変色性筆跡は、室温(25℃)で青色の発色状態であり、低温側変色点(6℃)以上、高温側変色点(38℃)以下の温度でこの状態を保持していた。
前記筆跡のうち、「第一」の部分のみをキャップに固着した摩擦体1で数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となり、該消去部にボールペン2で「海浜」と再筆記した。この際、他の文字を消色させることなく消去できると共に、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。前記状態は6℃以上、38℃以下で保持していた。
【0061】
実施例5
摩擦体の作成
赤色顔料0.2部を添加したシリコーン材料〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:DY32−7040U、ショアA硬度:90〕100部を混練した後、半径3mm、高さ10mmの円柱(先端を凸曲面とする)に成型することで赤色の摩擦体1を得た。
得られた摩擦体1を凸曲面が上になるように電子天秤に載せ、該摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が7.0mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が9.6mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の1.37倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができると共に、前記紙面に色移りすることはなかった。
【0062】
実施例6(図3参照)
摩擦具の作成
赤色顔料を含むポリプロピレン樹脂からなる半径3mm、高さ5mmの円錐部を有する円柱(先端を凸曲面とし、後方を高さ10mmの円柱形状とする支持部9)を一次成形側とし、スチレン系エラストマー〔三菱化学(株)製、商品名:ラバロン、ショアA硬度:75〕からなる円錐被覆部が二次成形側となるように二色成型することで、先端を淡赤色の擦過部11(摩擦体1)とする摩擦具を得た。
得られた摩擦体1を凸曲面が上になるように電子天秤に載せて固定し、該摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が7.8mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が13.0mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の1.67倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができるものであった。
【0063】
実施例7(図4参照)
摩擦体の作成
橙色顔料0.25部をSBS共重合エラストマー〔アロン化成(株)製、商品名:AR−470、ショアA硬度:70〕100部に添加し、混練した後、半径3mm、高さ5mmの中空円柱状(先端をR曲面とした形状)の摩擦体とポリプロピレン製軸胴(後端に突起部を備える)とを二色成型することで、橙色の摩擦体1を備えた軸胴5を得た。
得られた摩擦体1を軸胴5が下になるように電子天秤に載せて固定し、該摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が6.25mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が12.0mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の1.92倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができると共に、前記紙面に色移りすることはなかった。
【0064】
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5重量部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.0重量部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4.0重量部、(ハ)成分としてパルミチン酸4−メチルベンジル50.0重量部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー35.0重量部、助溶剤50.0重量部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5重量部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。更に、前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(t:−5℃、t:2℃、t:37℃、t:43℃、平均粒子径:2.5μm)のヒステリシス幅(ΔH)は44℃であり、温度変化により橙色から無色に変色する。
【0065】
可逆熱変色性筆記具用水性インキの調製
前記マイクロカプセル顔料20.0重量部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09B〕0.5重量部、グリセリン18.0重量部、消泡剤0.02重量部、防腐剤1.5重量部、水59.88重量部、10%希釈リン酸溶液0.1重量部を加えて均一に攪拌を行い、インキのpHを5.5に調整して可逆熱変色性筆記具用水性インキを得た。
【0066】
筆記具の作製
前記インキ(予め−5℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を橙色に発色させた後、室温下で放置したもの)を、ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した繊維集束インキ吸蔵体81(気孔率約87%)に2.0g含浸させて軸胴5(摩擦体1を後端に備える)内に収容し、先端部にチゼル型繊維ペン先4(気孔率約53%、筆跡幅3.5mm)を取り付けてなる首部を組み付けることでマーキングペン2を得た。なお、前記マーキングペン2には着脱自在のキャップ3を備えてなる。
【0067】
筆跡の変色挙動
得られたマーキングペン2を用いて紙面に1本の直線を筆記して橙色の筆跡を形成した。
前記直線を摩擦体1により部分的に等間隔に数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となり破線となった。また、該消去部に再筆記した際、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。前記状態は2℃以上、43℃以下で保持していた。
【0068】
実施例8(図5参照)
摩擦体の作成
アルミパウダー0.02部をSEBS共重合エラストマー〔アロン化成(株)製、商品名:AR−885C、ショアA硬度:88〕100部に添加し、混練した後、半径3mm、高さ5mmの円柱の先端を凸曲面とした形状(更に後方に鍔部を備える)に成型することで銀色の摩擦体1を得た。
得られた摩擦体1を凸曲面が上になるように電子天秤に載せて固定し、該摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が3.2mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が4.9mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の1.53倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができると共に、前記紙面に色移りすることはなかった。
【0069】
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン1.5部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(t:−20℃、t:−8℃、t:49℃、t:60℃、平均粒子径:2.5μm)のヒステリシス幅(ΔH)は61℃であり、温度変化によりピンク色から無色に変色する。
【0070】
マイクロカプセル粒子の調製
1、1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、2、2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.0部、パルミチン酸ブチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
【0071】
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料14.0部、マイクロカプセル粒子6.0部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09L〕0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.38部、10%希釈リン酸溶液0.1部を加えて、均一に攪拌を行い、インキのpHを約5.6に調整して可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
【0072】
直液式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料をピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体を軸胴内に内蔵し、弁機構82を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン先4(気孔率約53%、筆跡幅3.5mm)]を取り付けてマーキングペン形態の直液式筆記具2を得た。
なお、前記弁機構82は、弁座と、弁体と、前記弁体を弁座に圧接するように付勢する金属製スプリングからなり、筆記時のペン体4への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具2には着脱自在のキャップ3を備えてなり、軸胴後端には先に作製した摩擦体1を圧入装着してなる。
【0073】
筆跡の変色挙動
得られたマーキングペン2を用いて紙面に印刷された文字上に筆記してピンク色のハイライト(筆跡)を形成した。
前記直線を摩擦体1により1文字分を数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となった。また、該消去部に再筆記した際、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。前記状態は−8℃以上、60℃以下で保持していた。
【0074】
実施例9(図5参照)
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(2−クロロアミノ)−6−ジブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により黒色から無色に変色する。
【0075】
マイクロカプセル粒子の調製
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン3.0部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、カプリン酸セチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
【0076】
可逆熱変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料16.0部、マイクロカプセル粒子9.0部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09L〕0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水58.38部、10%希釈リン酸溶液0.1部を加えて、均一に攪拌を行い、インキのpHを約5.5に調整して可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
【0077】
直液式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黒色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体を軸胴内に内蔵し、弁機構82を介在させて先端部にマーキングペン体[砲弾型繊維ペン先4(気孔率約53%、筆跡幅1.0mm)]を取り付けてマーキングペン形態の直液式筆記具2を得た。
なお、前記弁機構82は、弁座と、弁体と、前記弁体を弁座に圧接するように付勢する金属製スプリングからなり、筆記時のペン体4への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップ3を備えてなり、軸筒後端には実施例8で作製した摩擦体1を装着してなる。
【0078】
筆跡の変色挙動
得られたマーキングペン2により、10mm角内に1文字が納まる大きさの文字で、「1月18日会議室」と手帳に筆記した熱変色性筆跡は、室温(25℃)で黒色の発色状態であり、低温側変色点(−20℃)以上、高温側変色点(60℃)以下の温度でこの状態を保持していた。
前記筆跡のうち、「18」の部分のみを軸胴後端の摩擦体1で数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となり、該消去部にマーキングペン2で「20」と再筆記した。この際、他の文字を消色させることなく消去できると共に、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。前記状態は−7℃以上、60℃以下で保持していた。
【0079】
実施例10
摩擦体の作成
青色顔料を含むポリプロピレン樹脂からなる軸筒(後端に突起部を備える)を一次成形側とし、青色顔料を含むスチレン系エラストマー〔三菱化学(株)製、商品名:ラバロン、ショアA硬度:85〕からなる被覆部(軸筒後端の突起部を被覆する、半径3mmの円柱の先端を凸曲面とした形状)が二次成形側となるように二色成型することで、先端を凸曲面とした摩擦体1を備えた軸筒を得た。
得られた軸筒を摩擦体の凸曲面が上になるように電子天秤に載せて固定し、該摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が4.5mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が7.3mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の1.62倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができるものであった。
【0080】
筆記具の作製
実施例3で作製したインキ6(予め−14℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を青色に発色させた後、室温下で放置したもの)を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに0.1g吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップ4と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓7)を充填し、更に尾栓をレフィールパイプの後部に嵌合させてボールペンレフィルとし、先に得た軸筒と首部を組み付け、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なってボールペン(筆跡幅0.4mm)を得た。
なお、前記ボールペンチップ4は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.7mmのステンレス鋼ボールを抱持させたものである。
【0081】
筆跡の変色挙動
得られたボールペンにより、4mm角内に1文字が納まる大きさの文字で、「15時会議室」と手帳に筆記した熱変色性筆跡は、室温(25℃)で青色の発色状態であり、低温側変色点(−6℃)以上、高温側変色点(60℃)以下の温度でこの状態を保持していた。
前記筆跡のうち、「15」の部分のみを軸筒後端の摩擦体で数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となり、該消去部にボールペンで「9」と再筆記した。この際、他の文字を消色させることなく消去できると共に、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。前記状態は−6℃以上、60℃以下で保持していた。
【0082】
実施例11(図6参照)
可逆熱変色性インキの調製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル〕−1(3H)イソベンゾフラノン1.0部、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン4.0部、(ロ)成分として2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン6.0部、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.0部、(ハ)成分としてカプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−18℃、T:−9℃、T:42℃、T:63℃、平均粒子径:2.5μm、ΔH=66℃、緑から無色に色変化する)12.5部、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防黴剤0.1部、水66.37部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
【0083】
筆記具の作製
前記インキ6(予め−18℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を緑色に発色させた後、室温下で放置したもの)を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプ8に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップ4と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓7)を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させてボールペンレフィルとし、先軸筒と後軸筒を組み付けて軸胴5内に収容し、キャップ3を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なってボールペン2を得た。
なお、前記ボールペンチップ4は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.7mmの超硬合金製ボール(筆跡幅0.35mm)を抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒の後部には、実施例8で作製した摩擦体1が圧入装着されている。
【0084】
筆跡の変色挙動
得られたボールペン2により、5mm角内に1文字が納まる大きさの文字で、「ABCDE」とノートに筆記した熱変色性筆跡は、室温(25℃)で緑色の発色状態であり、低温側変色点(−18℃)以上、高温側変色点(63℃)以下の温度でこの状態を保持していた。
前記筆跡のうち、「DE」の部分のみを軸胴5後端の摩擦体1で数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となり、該消去部にボールペン2で「BA」と再筆記した。この際、他の文字を消色させることなく消去できると共に、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。前記状態は−9℃以上、42℃以下で保持していた。
【0085】
実施例12(図7参照)
摩擦具の作成
SEBS共重合エラストマー〔アロン化成(株)製、商品名:AR−800C、ショアA硬度:65〕からなる、半径3mm、高さ5mmの中空円柱状(先端をR曲面とした形状)の摩擦体1と、黒色顔料を含むポリプロピレン製円柱支持部9(端部に突起部を備える)とを二色成型することで、摩擦体1を備えた摩擦具を得た。
得られた摩擦具を先端曲面が上になるように電子天秤に載せて固定し、摩擦体1上に透明ガラス板を電子天秤の計量皿と平行状態で接触させた後、500g及び1000gの荷重で前記ガラス板を垂直に押圧することにより視認される摩擦体1と透明ガラス板との接触面積を測定した。その結果、500gの荷重で押圧した際の接触面積が5.2mm、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が11.5mmであった(即ち、1000gの荷重で押圧した際の接触面積が500gの荷重で押圧した際の2.2倍)。
前記摩擦体1は、紙面に印刷された可逆熱変色像の微小部分を擦過により瞬時に変色させることができるものであった。
【0086】
実施例13(図8、9参照)
摩擦具の作成
ポリカーボネート樹脂製円筒支持部9の端部に、実施例8で得た摩擦体1を圧入嵌着することで摩擦具を得た。なお、前記支持部9の他端部に、更に摩擦体1を取り付けることで、両頭式摩擦具とすることも可能である。
【0087】
筆記具セットの作成
実施例4、10、11で得たボールペンレフィルを遠心処理により脱気処理を行なった後、先軸筒と後軸筒とからなる軸胴5内に収容し、キャップ3を嵌めることで3本のボールペン2を得た。
更に、実施例8、9で得たマーキングペンと共に、先に作成した摩擦具と実施例5、6、12で得た摩擦具(摩擦体1)とを組み合わせることで、筆記具セット(5本の筆記具と4種の摩擦体からなる)を得た。
前記筆記具セットは、筆記具に応じて複数色及び複数幅の筆跡が形成できると共に、所望の摩擦具(摩擦体1)を選択して擦過することができるものであった。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の摩擦体を備えた筆記具の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】加熱消色型可逆熱変色性インキの変色挙動を示す説明図である。
【図3】本発明の摩擦体の一実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の摩擦体を備えた筆記具の一実施例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の摩擦体を備えた筆記具の一実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の摩擦体を備えた筆記具の一実施例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の摩擦体の一実施例を示す縦断面図である。
【図8】本発明の摩擦体の一実施例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の筆記具セットに用いられる筆記具の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 摩擦体
11擦過部
2 筆記具(ボールペン、マーキングペン)
3 キャップ
31 嵌合部
4 ペン先(ボールペンチップ、マーキングペン体)
5 軸胴
6 熱変色性インキ
7 液栓
8 レフィールパイプ
81 インキ吸蔵体
82 弁機構
9 支持部
加熱消色型熱変色性インキ及び色彩記憶保持型熱変色性インキの完全発色温度(低温側変色点)
加熱消色型熱変色性インキ及び色彩記憶保持型熱変色性インキの発色開始温度
加熱消色型熱変色性インキ及び色彩記憶保持型熱変色性インキの消色開始温度
加熱消色型熱変色性インキ及び色彩記憶保持型熱変色性インキの完全消色温度(高温側変色点)




 

 


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