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発明の名称 軟質部材の取付構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−144991(P2007−144991A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2006−231305(P2006−231305)
出願日 平成18年8月28日(2006.8.28)
代理人
発明者 伊藤 喜博 / 蟹江 孝司
要約 課題
軟質部材の確実な脱落防止を可能にし、しかも、軟質部材の取付作業を容易にする。

解決手段
本発明の軟質部材の取付構造は、筆記具の軸筒またはキャップ等の筒体1の上端部に、軸方向上方に開口する取付孔2を設け、前記取付孔2に軟質部材3を挿着する。軟質部材3が、筒体1の上端より軸方向上方に突出する大径部4と、該大径部4から下方に一体に連設され且つ取付孔2に挿入される小径部5とからなる。取付孔2の内周面に内向突起21を形成する。小径部5の外周面に外向突起51を一体に形成する。外向突起51が内向突起21を上方から下方に乗り越える。
特許請求の範囲
【請求項1】
筆記具の軸筒またはキャップ等の筒体の上端部に、軸方向上方に開口する取付孔を設け、前記取付孔に軟質部材を挿着してなる軟質部材の取付構造であって、取付孔の内周面に内向突起を形成し、軟質部材の外周面に外向突起を形成し、前記外向突起が、前記内向突起を上方から下方に乗り越えてなることを特徴とする軟質部材の取付構造。
【請求項2】
軟質部材を取付孔内に挿入した際、取付孔の内向突起よりも上方部分の内周面と軟質部材の外周面との間に環状空間を設けた請求項1記載の軟質部材の取付構造。
【請求項3】
軟質部材が、筒体の上端より軸方向上方に突出する大径部と、該大径部から下方に一体に連設され且つ取付孔内に挿入される小径部とからなり、軟質部材を取付孔内に挿着した状態において、取付孔開口端と大径部下端とを軸方向に当接させ、内向突起と外向突起との間に軸方向の隙間を設けた請求項1または2記載の軟質部材の取付構造。
【請求項4】
軟質部材内部に軸方向の内孔を形成し、少なくとも前記内孔が外向突起の径方向内方に位置してなる請求項1乃至3のいずれかに記載の軟質部材の取付構造。
【請求項5】
軟質部材を取付孔内に挿着した状態において、内向突起が軟質部材の外周面に圧接してなる請求項1乃至4のいずれかに記載の軟質部材の取付構造。
【請求項6】
内向突起が環状であり、且つ、外向突起が環状である請求項1乃至5のいずれかに記載の軟質部材の取付構造。
【請求項7】
内向突起が、下方に向かうに従い内径が小さくなる傾斜面よりなるガイド部と、該ガイド部より下方に形成した最小内径部とを備え、前記最小内径部が内向突起の下端に位置してなる請求項1乃至6のいずれかに記載の軟質部材の取付構造。
【請求項8】
筒体と内向突起とを合成樹脂の成形により一体に形成し、内向突起の最小内径部と取付孔の内面との間に、下方に開口する凹部を形成し、最小内径部を下方に突出させた請求項7記載の軟質部材の取付構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟質部材の取付構造に関する。詳細には、筆記具の軸筒またはキャップ等の筒体の上端部に、軸方向上方に開口する取付孔を設け、前記取付孔に軟質部材を挿着する軟質部材の取付構造に関する。本発明で、「上」とは、筒体において取付孔側を指し、軟質部材において大径部側を指す。一方、本発明で、「下」とは筒体において取付孔の反対側を指し、軟質部材において小径部側を指す。
【背景技術】
【0002】
従来の軟質部材の取付構造に関して、特許文献1には、鉛筆キャップに消しゴムを取り付けた構造が開示されている。
【0003】
【特許文献1】実開昭51−139030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来の軟質部材の取付構造は、軟質部材の弾力性が経時により低下した際に軟質部材が取付孔から抜け落ちるおそれがあり、また、軟質部材を取付孔に圧入する際の大きな押し込み力が必要であり、取り付け作業が容易ではない。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、軟質部材の確実な脱落防止が可能となり、しかも、軟質部材の取付作業が容易となる軟質部材の取付構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(構成1)
本発明は、筆記具の軸筒またはキャップ等の筒体1の上端部に、軸方向上方に開口する取付孔2を設け、前記取付孔2に軟質部材3を挿着してなる軟質部材の取付構造であって、取付孔2の内周面に内向突起21を形成し、軟質部材3の外周面に外向突起51を形成し、前記外向突起51が、前記内向突起21を上方から下方に乗り越えてなること(構成1)を要件とする。
【0007】
前記構成1の軟質部材の取付構造は、軟質部材3を取付孔2内に挿着した際、前記外向突起51が、前記内向突起21を上方から下方に乗り越えてなることにより、経時により軟質部材3の弾力性が低下しても、外向突起51と内向突起21との強い係合によって取付孔2から軟質部材3が脱落するおそれがない。
【0008】
(構成2)
前記構成において、軟質部材3を取付孔2内に挿入した際、取付孔2の内向突起21よりも上方部分の内周面と軟質部材3の外周面との間に環状空間6を設けること(構成2)が好ましい。
【0009】
前記構成2の軟質部材の取付構造は、取付孔2の内向突起21よりも上方部分の内周面と軟質部材3の外周面との間に環状空間6を設けることにより、外向突起51と内向突起21とが乗り越える直前に圧接した際に径方向外方に膨出変形された軟質部材3の外周面が、取付孔2の内周面に強く圧接されないため、外向突起51と内向突起21とのスムーズな乗り越えが可能となる。
【0010】
もし、前記環状空間6を設けない場合、外向突起51と内向突起21とが乗り越える直前に圧接した際に径方向外方に膨出変形された軟質部材3の外周面が、取付孔2の内周面に強く圧接され、外向突起51が内向突起21を乗り越える際の大きな抵抗となり、外向突起51と内向突起21とのスムーズな乗り越えがなしえないおそれがある。
【0011】
また、前記構成2の軟質部材の取付構造は、前記環状空間6により外向突起51が内向突起21を乗り越える直前の、外向突起51と内向突起21とが当接するまで、取付孔2に軟質部材3を迅速に挿入することができ、軟質部材3の取付作業が容易となる。
【0012】
(構成3)
前記構成において、軟質部材3が、筒体1の上端より軸方向上方に突出する大径部4と、該大径部4から下方に一体に連設され且つ取付孔2内に挿入される小径部5とからなり、軟質部材3を取付孔2内に挿着した状態において、取付孔2開口端と大径部4下端とを軸方向に当接させ、内向突起21と外向突起51との間に軸方向の隙間Cを設けること(構成3)が好ましい。
【0013】
前記構成3の軟質部材の取付構造は、取付孔2開口端と大径部4下端とが軸方向に当接することにより、軟質部材3の取付孔2内への過剰な没入を規制できる。また、前記構成3の軟質部材の取付構造は、内向突起21と外向突起51との間に軸方向の隙間Cを形成したことにより、外向突起51が内向突起21を乗り越える時、外向突起51と内向突起21との滑りが悪くても、外向突起51が内向突起21を確実に乗り越えることができる。もし、内向突起21と外向突起51との間に軸方向の隙間Cを設けないと、外向突起51が内向突起21を乗り越える時、外向突起51と内向突起21との滑りが悪い場合、外向突起51が内向突起21を確実に乗り越えることができないおそれがある。
【0014】
尚、前記軸方向の隙間Cは、具体的には、0.05mm〜1.0mm(好ましくは0.1mm〜0.5mm)の範囲が好ましい。それにより、取付孔2に取り付け後の軟質部材3の軸方向の大きなガタツキがなく、外向突起51と内向突起21のスムーズな乗り越えが得られる。
【0015】
(構成4)
前記構成において、軟質部材3内部に軸方向の内孔31を形成し、少なくとも前記内孔31が外向突起51の径方向内方に位置してなること(構成4)が好ましい。それにより、外向突起51が内向突起21を乗り越える時、軟質部材3が径方向内方に容易に弾性変形するため、スムーズな乗り越えが可能となる。
【0016】
(構成5)
前記構成において、軟質部材3を取付孔2内に挿着した状態において、内向突起21が軟質部材3の外周面に圧接してなること(構成5)が好ましい。それにより、一層、取付孔2内に挿着後の軟質部材3の径方向及び軸方向のガタツキを防止できる。
【0017】
(構成6)
前記構成において、内向突起21が環状であり、且つ、外向突起51が環状であること(構成6)が好ましい。それにより、取付孔2からの軟質部材3の脱落防止が、一層、確実になる。もし、内向突起21または外向突起51の一方が周状に分散された複数の突起よりなる場合、取付孔2からの軟質部材3の脱落防止が不十分となる。
【0018】
(構成7)
前記構成において、内向突起21が、下方に向かうに従い内径が小さくなる傾斜面よりなるガイド部21aと、該ガイド部21aより下方に形成した最小内径部21bとを備え、前記最小内径部21bが内向突起21の下端に位置してなること(構成7)が好ましい。それにより、軟質部材3を脱落させる力が加わっても、前記内向突起21の最小内径部21bと外向突起51とが強固に係合するため、軟質部材3の脱落を、より一層確実に防止できる。尚、前記最小内径部21bとは、内向突起21における最小の内径部分をいう。
【0019】
(構成8)
前記構成において、筒体1と内向突起21とを合成樹脂の成形により一体に形成し、内向突起21の最小内径部21bと取付孔2の内面との間に、下方に開口する凹部23を形成し、最小内径部21bを下方に突出させたこと(構成8)が好ましい。それにより、軟質部材3の挿着時の外向突起51が内向突起21を乗り越える際、内向突起21の最小外径部が径方向外方に容易に弾性変形するため、スムーズな乗り越えが可能となり、軟質部材3を取付孔2へ挿着する際の押し込み力を軽減でき、しかも、内向突起21の位置する筒体1の外面にヒケ等の成形不良が発生するおそれがない。
【発明の効果】
【0020】
請求項1によれば、軟質部材の脱落を確実に防止できる。
【0021】
請求項2によれば、外向突起と内向突起とのスムーズな乗り越えが可能となる。
【0022】
請求項3によれば、軟質部材の取付孔内への過剰な没入を規制できるとともに、外向突起と内向突起との滑りが悪くても、外向突起と内向突起との確実な乗り越えが可能となる。
【0023】
請求項4によれば、外向突起が内向突起を乗り越える時、軟質部材が径方向内方に容易に弾性変形するため、スムーズな乗り越えが可能となる。
【0024】
請求項5によれば、より一層、取付孔内に挿着後の軟質部材の径方向及び軸方向のガタツキを防止できる。
【0025】
請求項6によれば、取付孔からの軟質部材の脱落防止が、より一層、確実になる。
【0026】
請求項7によれば、軟質部材の脱落を、より一層確実に防止できる。
【0027】
請求項8によれば、外向突起が内向突起を乗り越える時、スムーズな乗り越えが可能となり、しかも、内向突起の位置する筒体の外面にヒケ等の成形不良が発生するおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1の実施の形態)
図1乃至図3に本発明の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の軟質部材の取付構造は、上端部に取付孔2を備えた筒体1と、該筒体1の取付孔2に挿着される軟質部材3とからなる。
【0029】
・筒体
前記筒体1は、合成樹脂(例えばポリカーボネイト)の射出成形または押出成形により得られる。前記筒体1は、例えば、筆記具の軸筒、又は軸筒のペン先側に着脱自在のキャップが挙げられる。前記筒体1の上端部には、軸方向上方に開口する取付孔2が形成される。前記取付孔2は、筒体1がキャップの場合には、キャップの閉塞端側に形成され、筒体1が軸筒の場合には、ペン先と反対側の端部(軸筒の尾端)に形成される。前記取付孔2は横断面円形状を有する。
【0030】
・内向突起
前記取付孔2の内周面には、環状の内向突起21が一体に形成される。前記内向突起21は、下方に向かうに従い内径が次第に小さくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部21aを有する。また、前記内向突起21は、前記ガイド部21aの下方に、軸線に対して垂直な面よりなる下端面を有する。前記ガイド部21aと下端面との間に鋭角な角部よりなる最小内径部21bが形成される。
【0031】
・リブ
前記内向突起21の下方の取付孔2の内面には、軸方向に延びる複数本のリブ22が一体に突出形成される。外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、前記リブ22が、軟質部材3の外向突起51と圧接し、軟質部材3の回転が防止される。
【0032】
・軟質部材
前記軟質部材3は、大径部4と、大径部4の下方に一体に連設される小径部5とからなり、弾性材料により一体に形成される。前記軟質部材3は、合成ゴムやエラストマー等の弾性材料により形成される。本実施の形態では、前記軟質部材3は、熱変色性の筆跡の表面を擦って筆跡を熱変色させる摩擦変色部材が採用される。前記軟質部材3は、これ以外にも、消しゴム、または携帯情報端末に用いる入力ペンの入力部材等が挙げられる。
【0033】
・大径部
前記大径部4の上面は凸曲面状を有する。前記大径部4の下端には、取付孔2の開口端(具体的には筒体1の上端)に当接可能な肩部41が形成される。前記大径部4の最大外径は、取付孔2の内径よりも大きく且つ筒体1の上端の外径よりも小さく設定される。
【0034】
・小径部
前記小径部5の下端部の外周面には環状の外向突起51が一体に形成される。前記外向突起51は、上方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部51aを有する。前記外向突起51は、軸線に対して垂直な面よりなる上端面を有する。前記ガイド部51aと上端面との間に鋭角な角部が形成される。前記角部が外向突起51における最大外径部51bとなる。即ち、前記外向突起51が、上方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面よりなるガイド部51aと、該ガイド部51aより上方に形成した最大外径部51bとを備える。
【0035】
前記外向突起51の最大外径は、内向突起21の最小内径より大きく且つ内向突起21よりも上方の取付孔2の内径bより小さく設定される。本実施の形態では、外向突起51の最大外径(即ち最大外径部51bの外径)は、4.9mmに設定され、内向突起21の最小内径(即ち最小内径部21bの内径)は、4.1mmに設定される。前記外向突起51の最大外径と前記内向突起21の最小内径との差は、0.5mm〜2mm(好ましくは0.5mm〜1mm)の範囲が好ましい。それにより、軟質部材3の確実な脱落防止が可能となるとともに、外向突起51と内向突起21とのスムーズな乗り越えが可能となる。
【0036】
前記軟質部材3の内部には、軸方向に延びる内孔31が形成される。前記内孔31の下端は軸方向下方に開口される。前記内孔31の上端は大径部4内部に位置している。前記内孔31により、前記軟質部材3は、上端が閉鎖され且つ下端が開口された有底円筒状に形成される。本実施の形態では、少なくとも外向突起51の径方向内方には内孔31が形成されているため、外向突起51が内向突起21を乗り越える際の、外向突起51の径方向内方への弾性変形が容易となる。
【0037】
また、小径部5前端部の外周面(即ち前記小径部5と大径部4の肩部41との連設部分の外周面)には、上方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面状(即ち円錐面状)の基部52が形成される。軟質部材3を取付孔2内に挿着した際、前記傾斜面状の基部52が、取付孔2の開口縁と圧接され、軟質部材3の径方向のぐらつきが抑えられる。
【0038】
・環状空間
前記小径部5の中間部(即ち外向突起51と傾斜面状の基部52との間の部分)の外径aは、取付孔2の内向突起21よりも上方部分の内径bよりも小さく設定される。それにより、外向突起51が内向突起21を乗り越える直前の外向突起51と内向突起21とが当接した際、外向突起51よりも上方の小径部5の外周面と、内向突起21よりも上方の取付孔2の内周面との間に環状空間6が形成される。図2に示すように、外向突起51が内向突起21を乗り越える直前に、外向突起51と内向突起21とが強く圧接される時、外向突起51よりも上方の小径部5が径方向外方に弾性変形により膨らんでも、前記環状空間6が形成されているため、外向突起51よりも上方の小径部5の外周面が取付孔2の内周面に強く圧接されず、軟質部材3の挿着時の抵抗となるおそれがない。その結果、外向突起51と内向突起21との円滑な乗り越えが可能となる。具体的には、前記外径aは、4.9mmに設定され、前記内径bは、5.6mmに設定される。
【0039】
・軸方向の隙間
軟質部材3の肩部41から外向突起51の上端(即ち最大外径部51b)までの軸方向の長さAは、筒体1の上端から取付孔2の内向突起21の下端(即ち最小内径部21b)までの軸方向の長さBよりも僅かに大きく設定される(図1参照)。それにより、外向突起51が内向突起21を乗り越える時、外向突起51と内向突起21との滑りが悪くても、外向突起51が内向突起21を確実に乗り越えることができる。図3に示すように、軟質部材3の取付孔2への挿着が終了した状態で、外向突起51の上端(即ち最大外径部51b)が内向突起21の下端(即ち最小内径部21b)よりも下方に位置し、内向突起21の下端と外向突起51の上端との間に、軸方向の隙間Cが形成される。前記軸方向の隙間Cは、具体的には0.05mm〜1.0mm(好ましくは0.1mm〜0.5mm)の範囲が有効である。前記軸方向の隙間Cの寸法により、軟質部材3の使用時も軸方向の大きなガタツキがなく、しかも、軟質部材3の挿着時の内向突起21と外向突起51との確実な乗り越えが得られる。本実施の形態では、具体的には、前記軸方向の長さAは、8mmに設定され、前記軸方向の長さBは、7.9mmに設定される。
【0040】
・軟質部材の挿着
本実施の形態の軟質部材3の挿着過程を図面に従い説明する。
図1に示すように、軟質部材3の小径部5の下端を筒体1の取付孔2の上端開口部に挿入する。
【0041】
さらに、前記小径部5を取付孔2内に挿入していくと、軟質部材3の小径部5の外向突起51のガイド部51aが、取付孔2の内向突起21のガイド部21aに当接する。そして、図2に示すように、外向突起51が内向突起21を乗り越える直前において、小径部5外周面が径方向外方に膨出変形される。このとき、取付孔2内周面と小径部5外周面との間に環状空間6が存在するため、膨出変形した小径部5外周面が取付孔2内周面に強く圧接されない。それにより、軟質部材3の挿入の妨げにならず、外向突起51と内向突起21とのスムーズな乗り越えが可能となる。
【0042】
そして、図3に示すように、外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、外向突起51の上端と内向突起21の下端との間には軸方向の隙間Cが形成される。それにより、外向突起51と内向突起21との滑りが悪くても、潤滑剤等を塗布すること無しに外向突起51と内向突起21との確実な乗り越えが可能となる。また、外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、内向突起21は、外向突起51よりも上方の小径部5の外周面に圧接される。それにより、小径部5の軸方向及び径方向のガタツキを防止できる。また、外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、肩部41及び基部52に筒体1の上端が圧接される。それにより、大径部4の取付孔2内への没入が防止でき、且つ、大径部4の径方向のガタツキを防止できる。また、外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、リブ22が、外向突起51外面と圧接し、軟質部材3の回転が防止される。
【0043】
(第2の実施の形態)
図4乃至図6に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の軟質部材の取付構造は、上端部に取付孔2を備えた筒体1と、該筒体1の取付孔2に挿着される軟質部材3とからなる。
【0044】
・筒体
前記筒体1は、合成樹脂(例えばポリプロピレン)の射出成形により得られる。前記筒体1は、例えば、筆記具の軸筒、又は軸筒のペン先側に着脱自在のキャップが挙げられる。前記筒体1の上端部には、軸方向上方に開口する取付孔2が形成される。前記取付孔2は、筒体1がキャップの場合には、キャップの閉塞端側に形成され、筒体1が軸筒の場合には、ペン先と反対側の端部(軸筒の尾端)に形成される。前記取付孔2は横断面円形状を有する。
【0045】
・内向突起
前記取付孔2の内周面には、環状の内向突起21が一体に形成される。前記内向突起21は、下方に向かうに従い内径が次第に小さくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部21aを有する。また、前記ガイド部21aの下方の内向突起21の下端には、最小内径部21bが形成される。前記内向突起21の最小内径部21bと取付孔2の内周面との間には、下方に開口する凹部23が形成され、前記最小内径部21bが下方に突出される。前記凹部23により、内向突起21の位置する筒体1の外面にヒケ等の成形不良が発生することを回避できる。
【0046】
・軟質部材
前記軟質部材3は、大径部4と、大径部4の下方に一体に連設される小径部5とからなり、弾性材料により一体に形成される。前記軟質部材3は、合成ゴムやエラストマー等の弾性材料により形成される。本実施の形態では、前記軟質部材3は、熱変色性の筆跡の表面を擦って筆跡を熱変色させる摩擦変色部材が採用される。前記軟質部材3は、これ以外にも、消しゴム、または携帯情報端末に用いる入力ペンの入力部材等が挙げられる。
【0047】
・大径部
前記大径部4の上面は凸曲面状を有する。前記大径部4の下端には、取付孔2の開口端(具体的には筒体1の上端)に当接可能な肩部41が形成される。前記大径部4の最大外径は、取付孔2の内径よりも大きく且つ筒体1の上端の外径よりも小さく設定される。
【0048】
・小径部
前記小径部5の下端部の外周面には環状の外向突起51が一体に形成される。前記外向突起51は、上方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部51aを有する。前記外向突起51は、軸線に対して垂直な面よりなる上端面を有する。前記ガイド部51aと上端面との間に鋭角な角部が形成される。前記角部が外向突起51における最大外径部51bとなる。即ち、前記外向突起51が、上方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面よりなるガイド部51aと、該ガイド部51aより上方に形成した最大外径部51bとを備える。
【0049】
前記外向突起51の最大外径(即ち最大外径部51bの外径)は、内向突起21の最小内径(即ち最小内径部21bの内径)より大きく且つ内向突起21よりも上方の取付孔2の内径bより小さく設定される。本実施の形態では、外向突起51の最大外径は、4.9mmに設定され、内向突起21の最小内径は、4.1mmに設定される。前記外向突起51の最大外径と前記内向突起21の最小内径との差は、0.5mm〜2mm(好ましくは0.5mm〜1mm)の範囲が好ましい。それにより、軟質部材3の確実な脱落防止が可能となるとともに、外向突起51と内向突起21とのスムーズな乗り越えが可能となる。
【0050】
前記軟質部材3の内部には、軸方向に延びる内孔31が形成される。前記内孔31の下端は軸方向下方に開口される。前記内孔31の上端は大径部4内部に位置している。前記内孔31により、前記軟質部材3は、上端が閉鎖され且つ下端が開口された有底円筒状に形成される。本実施の形態では、少なくとも外向突起51の径方向内方には内孔31が形成されているため、外向突起51が内向突起21を乗り越える際の、外向突起51の径方向内方への弾性変形が容易となる。
【0051】
また、小径部5前端部の外周面(即ち前記小径部5と大径部4の肩部41との連設部分の外周面)には、上方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面状(即ち円錐面状)の基部52が形成される。軟質部材3を取付孔2内に挿着した際、前記傾斜面状の基部52が、取付孔2の開口縁と圧接され、軟質部材3の径方向のぐらつきが抑えられる。
【0052】
・環状空間
前記小径部5の中間部(即ち外向突起51と傾斜面状の基部52との間の部分)の外径aは、取付孔2の内向突起21よりも上方部分の内径bよりも小さく設定される。それにより、外向突起51が内向突起21を乗り越える直前の外向突起51と内向突起21とが当接した際、外向突起51よりも上方の小径部5の外周面と、内向突起21よりも上方の取付孔2の内周面との間に環状空間6が形成される。図5に示すように、外向突起51が内向突起21を乗り越える直前に、外向突起51と内向突起21とが強く圧接される時、外向突起51よりも上方の小径部5が径方向外方に弾性変形により膨らんでも、前記環状空間6が形成されているため、外向突起51よりも上方の小径部5の外周面が取付孔2の内周面に強く圧接されず、軟質部材3の挿着時の抵抗となるおそれがない。その結果、外向突起51と内向突起21との円滑な乗り越えが可能となる。具体的には、前記外径aは、4.9mmに設定され、前記内径bは、5.6mmに設定される。
【0053】
・軸方向の隙間
軟質部材3の肩部41から外向突起51の上端(即ち最大外径部51b)までの軸方向の長さAは、筒体1の上端から取付孔2の内向突起21の下端(即ち最小内径部21b)までの軸方向の長さBよりも僅かに大きく設定される(図4参照)。それにより、外向突起51が内向突起21を乗り越える時、外向突起51と内向突起21との滑りが悪くても、外向突起51が内向突起21を確実に乗り越えることができる。図6に示すように、軟質部材3の取付孔2への挿着が終了した状態で、外向突起51の上端(即ち最大外径部51b)が内向突起21の下端(即ち最小内径部21b)よりも下方に位置し、内向突起21の下端と外向突起51の上端との間に、軸方向の隙間Cが形成される。前記軸方向の隙間Cは、具体的には0.05mm〜1.0mm(好ましくは0.1mm〜0.5mm)の範囲が有効である。前記軸方向の隙間Cの寸法により、軟質部材3の使用時も軸方向の大きなガタツキがなく、しかも、軟質部材3の挿着時の内向突起21と外向突起51との確実な乗り越えが得られる。本実施の形態では、具体的には、前記軸方向の長さAは、8mmに設定され、前記軸方向の長さBは、7.9mmに設定される。
【0054】
・軟質部材の挿着
本実施の形態の軟質部材3の挿着過程を図面に従い説明する。
図4に示すように、軟質部材3の小径部5の下端を筒体1の取付孔2の上端開口部に挿入する。
【0055】
さらに、前記小径部5を取付孔2内に挿入していくと、軟質部材3の小径部5の外向突起51のガイド部51aが、取付孔2の内向突起21のガイド部21aに当接する。そして、図5に示すように、外向突起51が内向突起21を乗り越える直前において、小径部5外周面が径方向外方に膨出変形される。このとき、取付孔2内周面と小径部5外周面との間に環状空間6が存在するため、膨出変形した小径部5外周面が取付孔2内周面に強く圧接されない。それにより、軟質部材3の挿入の妨げにならず、外向突起51と内向突起21とのスムーズな乗り越えが可能となる。さらに、外向突起51が内向突起21を乗り越える直前において、凹部25により下方に突出する内向突起21の最小内径部21bが径方向外方に弾性変形し、外向突起51と内向突起21とのスムーズな乗り越えが可能となる。
【0056】
そして、図6に示すように、外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、外向突起51の上端と内向突起21の下端との間には軸方向の隙間Cが形成される。それにより、外向突起51と内向突起21との滑りが悪くても、潤滑剤等を塗布すること無しに外向突起51と内向突起21との確実な乗り越えが可能となる。また、外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、内向突起21は、外向突起51よりも上方の小径部5の外周面に圧接される。それにより、小径部5の軸方向及び径方向のガタツキを防止できる。また、外向突起51と内向突起21との乗り越えが終了した状態において、肩部41及び基部52に筒体1の上端が圧接される。それにより、大径部4の取付孔2内への没入が防止でき、且つ、大径部4の径方向のガタツキを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施の形態の軟質部材を筒体の取付孔に挿着する前の状態を示す要部縦断面図である。
【図2】図1の軟質部材の外向突起が取付孔の内向突起を乗り越える直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図3】図1の軟質部材を筒体の取付孔に挿着した後の状態を示す要部縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の軟質部材を筒体の取付孔に挿着する前の状態を示す要部縦断面図である。
【図5】図4の軟質部材の外向突起が取付孔の内向突起を乗り越える直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図6】図4の軟質部材を筒体の取付孔に挿着した後の状態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 筒体
2 取付孔
21 内向突起
21a ガイド部
21b 最小内径部
22 リブ
23 凹部
3 軟質部材
31 内孔
4 大径部
41 肩部
5 小径部
51 外向突起
51a ガイド部
51b 最大外径部
52 基部
6 環状空間
A 大径部の下端から外向突起の上端までの軸方向の長さ
B 筒体の上端から内向突起の下端まで軸方向の長さ
C 軸方向の隙間
a 小径部の中間部の外径
b 取付孔の内向突起よりも上方部分の内径




 

 


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