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変色用ボールペン及びそれを用いた筆記具セット - パイロットインキ株式会社
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発明の名称 変色用ボールペン及びそれを用いた筆記具セット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−83433(P2007−83433A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−271949(P2005−271949)
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
代理人
発明者 揖斐 満雄
要約 課題
繊維チップを用いた中詰式等の塗布具を使用した際に問題となる筆跡のかすれや、チップのバラケ等を生じることなく、内蔵する変色液を最後まで安定して使い切ることができると共に、細部への塗布も容易にできる変色性ボールペン及びそれを用いた筆記具セットを提供する。

解決手段
ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた収容管内に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキにより形成された像を消色又は変色させる、少なくとも水と還元剤とを含有する変色液と、該変色液の後方に接触状態に配設される液栓とを内蔵してなる。前記変色用ボールペンと、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具とからなる筆記具セット。
特許請求の範囲
【請求項1】
ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた収容管内に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキにより形成された像を消色又は変色させる、少なくとも水と還元剤とを含有する変色液と、該変色液の後方に接触状態に配設される液栓とを内蔵してなることを特徴とする変色用ボールペン。
【請求項2】
前記変色液全量中に還元剤を3〜30重量%含有することを特徴とする請求項1記載の変色用ボールペン。
【請求項3】
前記変色液がリン酸エステル系界面活性剤を含有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の変色用ボールペン。
【請求項4】
前記変色液が還元作用により消色又は変色することのない着色剤を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の変色用ボールペン。
【請求項5】
前記請求項1乃至4記載の変色用ボールペンの後端に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具を設けて両頭式形状としたことを特徴とする変色用ボールペン。
【請求項6】
前記請求項1乃至4記載の変色用ボールペンと、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具とからなる筆記具セット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は変色用ボールペン及びそれを用いた筆記具セットに関する。更に詳細には、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキによって形成された像を消色又は変色する変色液を内蔵した変色用ボールペンと、このボールペンを用いた筆記具セットに関する。
尚、本発明において「前」とはペン先側を指し、「後」とは収容管側を指す。
【背景技術】
【0002】
従来より、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキを内蔵する筆記具が用いられており、前記筆記具によって形成される筆跡を必要に応じて消色又は変色するために用いられる変色用塗布具が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
前記変色用塗布具は、繊維製のペン先を備え、変色液を含浸させた中綿を内蔵する塗布具である。そのため、中綿に含浸される変色液の残量が少なくなると、ペン先へ充分な量の変色液を誘導でき難くなるので、塗布(筆記)した際にかすれを生じ易いものであった。
また、ペン先として繊維製のチップが使用されるため、細部の消去にはむいていないと共に、長期間の使用によりチップにバラケが生じることがあった。
【特許文献1】特公昭62−28834号公報
【特許文献2】特開2004−122491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記した従来の不具合を解決するものであって、即ち、繊維チップを用いた中詰式等の塗布具を使用した際に問題となる筆跡のかすれや、チップのバラケ等を生じることなく、内蔵する変色液を最後まで安定して使い切ることができると共に、細部への塗布も容易にできる変色用ボールペン及びそれを用いた筆記具セットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の変色用ボールペンは、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた収容管内に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキにより形成された像を消色又は変色させる、少なくとも水と還元剤とを含有する変色液と、該変色液の後方に接触状態に配設される液栓とを内蔵してなることを要件とする。
更に、前記変色液全量中に還元剤を3〜30重量%含有すること、前記変色液がリン酸エステル系界面活性剤を含有してなること、前記変色液が還元作用により消色又は変色することのない着色剤を含むことを要件とする。
更に、前記変色用ボールペンの後端に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具を設けて両頭式形状としたことを要件とする。
更には、前記変色用ボールペンと、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具とからなる筆記具セットを要件とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、筆跡のかすれや、チップのバラケ等を生じることなく、内蔵する変色液を最後まで安定して使い切ることができると共に、細部への塗布も容易にできる変色用ボールペンと、該ボールペンを用いた筆記具セットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の変色用ボールペンは、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた収容管内に、変色液と液栓とを内蔵してなるものである。
【0007】
前記変色液としては、水媒体中に還元剤が添加されたものが用いられる。
前記還元剤として具体的には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等を例示でき、安全性及び変色又は消色性能の観点から亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩が好適に用いられる。
前記還元剤は、変色液全量中3〜30重量%、好ましくは10〜25重量%含有される。3重量%以下では、充分な消去性を付与することができず、30重量%の添加であれば、充分な消去性・変色性を満たすので、それ以上の添加は要しない。
【0008】
また、前記変色液には必要に応じて有機溶剤や着色剤や各種添加剤を配合できる。
前記着色剤として、還元剤によって変色し難い染料や顔料を用いることで、変色液を有色にでき、視認性に優れたものとなる。
【0009】
特に、前記添加剤として界面活性剤を添加することが好ましい。前記界面活性剤の添加により、塗布した際に紙面への浸透性が高くなり変色性インキによる筆跡をより確実に変色又は消色することができると共に、筆記時の線飛びをより確実に抑制できる。
前記界面活性剤は、変色液全量中0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で好適に用いられる。0.05重量%以下では、線飛び抑制に充分な効果が得られず、5重量%の添加であれば、充分な線飛び抑制効果を付与できるので、それ以上の添加は要しない。
【0010】
前記界面活性剤としては、塩濃度が高く強アルカリ性を示す水性溶液中においても溶解可能なものであれば、アニオン性、ノニオン性、両性、リン酸エステル系、フッ素系等の汎用のものが適用できるが、リン酸エステル系のものが好適に用いられる。
【0011】
前記リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸モノエステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸モノエステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸ジエステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸ジエステルのアルカリ金属塩がある。ここでアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等が例示される。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸モノエステルのアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸モノエステルのアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸ジエステルのアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸ジエステルのアミン塩等が例示できる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸モノエステルのアルカノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸モノエステルのアルカノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸ジエステルのアルカノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸ジエステルのアルカノールアミン塩等が例示できる。
具体的には、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として東邦化学工業株式会社製の「フォスファノールPE−510」、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として同社製の「フォスファノールML−220」、同じくポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として同社製の「フォスファノールRA−600」、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として同社製の「フォスファノールRE−610」の他、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として第一工業製薬株式会社製の「プライサーフA212E」、「プライサーフA212C」、「プライサーフA208B」等を例示することができる。
【0012】
また、前記変色液には、有機アミンを添加することもできる。有機アミンの添加により、インキを消去した際に残色が発生することを確実に抑制できる。
前記有機アミンとしては、例えば、n−アミルアミン、2−エチルブチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アニリン、n−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジエタノールアミン、n−トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン等が例示できる。
【0013】
その他、必要に応じて消色性能に影響を及ぼさない範囲で、防錆剤、石炭酸等の防腐剤或いは防黴剤、湿潤剤、メチルポリシロキサン等の消泡剤、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤等の潤滑剤を使用してもよい。
【0014】
また、前記変色液に剪断減粘性を付与するために多糖類や水溶性樹脂を添加することもできる。
前記多糖類としては、ウェランガム、タマリンドガム、グァーガム、アルカガム、キサンタンガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)が挙げられ、単独或いは混合して使用することができる。
更に、水溶性樹脂を用いることもでき、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。
【0015】
前記剪断減粘性を有する変色液は、EM型回転粘度計の100rpmにおける測定粘度(20℃)が、3〜160mPa・sの範囲にあり、且つ剪断減粘性指数〔粘度計による剪断応力値(T)及び剪断速度(j)値の流動学的測定により導かれる、実験式(T=Kj:但し、K及びnは計算された定数である)を適用して計算されるn値〕が0.1〜0.6、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4の範囲のものが好適である。
【0016】
ボールペンを構成するボールペンチップは、従来より汎用のチップ機構、例えば、金属を切削加工して内部にボール受け座とインキ導出部を形成したチップ、金属製パイプの先端近傍の内面に複数の内方突出部を外面からの押圧変形により設け、前記内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成したチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたもの等を適用でき、特に押圧変形によるチップは、ボール後端との接触面積が比較的小であり、低筆記圧でのスムーズな筆記感を与えることができる。
前記ボールペンチップに抱持されるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の外径0.1〜3.0mm、好ましくは0.1〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1.0mmのボールが有効である。
尚、前記ボールペンチップには、チップ内にボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配して、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成することもでき、不使用時のインキ漏れを抑制できる。
前記弾発部材は、金属細線のスプリング、前記スプリングの一端にストレート部(ロッド部)を備えたもの、線状プラスチック加工体等を例示でき、10〜45gの弾発力により、押圧可能に構成して適用される。
【0017】
前記ボールペンチップと直接、或いは、接続部材を介して連結される収容管は、汎用の筒状成形部材、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂による成形部材が適用され、変色液の低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
又、前記収容管は、1.5〜10mm程度の内径を有するものが好適に用いられる。
更に、前記収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、収容される変色液の色や残量等を確認できる。
前記収容管はレフィルの形態として軸筒内に収容したり、先端部にチップを装着した軸筒自体を収容管として、前記軸筒内に直接変色液を充填してもよい。
レフィルを軸筒内に収容するタイプのボールペンは、キャップを装着する構成のボールペンの他、キャップを要しない前記レフィルを出没可能に構成した後端ノックやサイドノック等のノック式、又は、回転式のボールペンであってもよい。
【0018】
前記収容管に収容した変色液の後端には液栓(液体逆流防止体)が充填される。
前記液栓は不揮発性液体及び/又は難揮発性液体(基油)からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
【0019】
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
前記液栓の基油としては、ポリブテン又はシリコーン油が好適に用いられ、増粘剤としては脂肪酸アマイド又はシリカが好適に用いられる。
なお、液栓には、樹脂製の固体栓を併用することもできる。
【0020】
前記変色用ボールペンの一部(後端)には、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具や塗布具を設け(所謂、両頭式塗布具構造)、前記インキからなる筆跡を単一の筆記具により変色又は消色可能としたり、変色液筆記面上に再筆記可能とした、携帯性に優れた筆記具とすることができる。
【0021】
また、前記変色用ボールペンは、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキや、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具(変色性又は非変色性筆記具)や塗布具(変色性又は非変色性塗布具)と組み合わせて筆記具セットとすることもできる。
前記筆記具セットは、単一の変色性又は非変色性筆記具と変色用ボールペンとにより構成されていてもよいが、複数の色調の異なる変色性又は非変色性筆記具や、複数の筆跡幅の異なる変色性又は非変色性筆記具と変色用ボールペンとを組み合わせた筆記具セットとすることにより、バリエーションに富んだ筆跡や絵柄を形成できると共に、前記筆跡や絵柄を変色又は消色可能となると共に、消色させた筆記面上に再筆記できる、意外性に富んだ筆記具セットが得られる。
【0022】
なお、前記両頭式筆記具や筆記具セットに用いられる変色用ボールペンの筆跡幅が、変色性筆記具(塗布具)により形成される筆跡幅よりも太く形成できるようなペン先とすることで、前記変色性筆跡を効率的に変色又は消色させることが可能となる。
前記変色用ボールペンの筆跡幅が、変色性筆記具(塗布具)により形成される筆跡幅よりも細く形成できるようなペン先とすることで、前記変色性筆跡内への塗布や、先に変色液を塗布した部分へ変色性インキを重ね塗りすることによって、抜き文字が容易に形成できるものとなる。
【0023】
前記両頭式筆記具や筆記具セットに用いられる還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具(塗布具)は、どのような構造を有するものであってもよく、筆記先端部に繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボールペンチップ、万年筆ペン先、筆穂等を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状の塗布液保溜部材(ペン芯)や繊維束からなる塗布液保溜部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、ペン先と連通するインキ収容管(軸筒)内にインキを充填し、該インキの後端に逆流防止用の液栓や固体栓を配設した構造が例示できる。
【0024】
前記インキ中に含まれる染料としては、還元剤によって変色又は消色する染料であれば汎用のものが用いられ、メチン系染料、トリメチルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料等を使用することができる。
前記染料として具体的には、C.I.ベーシックブルー1、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー54、C.I.ベーシックブルー65、C.I.ベーシックブルー69、C.I.ベーシックオレンジ21、C.I.ベーシックオレンジ46、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14、C.I.ベーシックレッド37、C.I.ベーシックレッド49、C.I.ベーシックグリーン1、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ベーシックバイオレット15、C.I.ベーシックバイオレット27、C.I.ベーシックイエロー49、C.I.アシッドブルー93、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドバイオレット19、C.I.アシッドイエロー23等を例示できる。
なお、前記還元剤によって変色又は消色する染料と共に、還元剤によって変色し難い染料や顔料を併用することによって、筆記時には前記染料の色調が混色となった筆跡が視認され、前記筆跡に変色液を付着させることにより、一方の染料が変色又は消色して異なる色調の筆跡を視認可能な構成とすることもできる。
また、インキ中に還元作用により消色又は変色しない着色剤のみを含有することで、変色液を塗布した面上に再筆記が可能なインキとすることもできる。
【0025】
インキ中に含まれる溶剤は、水の他に従来汎用の水溶性有機溶剤を添加することもでき、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0026】
なお、インキ中で染料の発色性を良好なものとするためには、インキのpHを1〜6にする必要がある。
よって、インキのpHを前記酸性領域に調整が必要な場合は酸性物質を添加することもでき、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸等が適用される。特に、インキの色調への影響が小さく、ボールペンチップを用いた場合にはチップ摩耗が発生し難いことから、有機酸が好適に用いられる。
また、必要に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−プロパノール等の有機アミン類、アンモニア水等の塩基性物質を併用することもできる。
【0027】
前記インキには、剪断減粘性を付与したり、所望のインキ粘度を付与するために必要に応じて増粘剤を添加できる。例えば、水に可溶乃至分散性のキサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物等が挙げられ、単独或いは混合して使用することができる。
更に、水溶性樹脂を用いることもでき、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。
【0028】
前記増粘剤のうち、ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールはインキが酸性領域であっても安定的に機能して所望のインキ粘度を示すため、好適に用いられる。
特にインキのpHが1〜6の染料が良好な発色状態を示す系において、他の増粘剤は十分な機能を示し難いにもかかわらず、前記ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールは初期及び経時後も過度の粘度上昇や粘度低下を生じることなく、所望のインキ粘度を維持することができる。
【0029】
その他、必要に応じて染料の発消色に影響を及ぼさない範囲で、防錆剤、石炭酸等の防腐剤或いは防黴剤、界面活性剤、湿潤剤、メチルポリシロキサン等の消泡剤、潤滑剤等の添加剤を使用してもよい。
【0030】
更に、インキ収容管(軸筒)内に直接インキを収容した場合、インキの後端にはインキ逆流防止体(液栓)を充填することができる。また、前記インキ逆流防止体には、樹脂製の固体栓を併用することもできる。
【実施例】
【0031】
以下の表に実施例及び比較例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0032】
【表1】


【0033】
表中の原料について注番号に沿って説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:フィスコブラック886
(2)東邦化学工業(株)製、商品名:フォスファノールRM410
(3)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA208B
(4)ウェランガム、三晶(株)製、商品名:AGWRET−W
(5)キサンタンガム、三晶(株)製、商品名:XANTAN G
【0034】
変色液の調製
水に剪断減粘性付与剤以外の成分を添加し、混合攪拌した後、剪断減粘性付与剤を添加して、25℃で、ディスパーにて400rpm、1時間攪拌することにより調製した。
【0035】
逆流防止体(液栓)の調製
基油としてポリブテン85部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド15部を添加した後、3本ロールにて混練して逆流防止体を得た。
【0036】
変色用ボールペンの作製
前記実施例1乃至5の変色液1gを、直径0.7mmの超硬合金製ボールを抱持し、該ボールを前方に付勢する弾発部材を備えるステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィル内に充填し、その後端に前記逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、変色用ボールペンを作製した。
なお、前記変色用ボールペンには着脱自在のキャップを備えてなる。
【0037】
筆記具用変色性インキAの調製
青色染料 4.0部
〔クラリアントGmbH社製、C.I.アシッドブルー93〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフ212E〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
クエン酸(pH調整剤) 0.5部
キサンタンガム(増粘剤) 0.45部
グリセリン 15.0部
水 79.45部
【0038】
前記溶剤の一部に染料と各種添加剤を加えたものと、これとは別に溶剤の一部に増粘剤を加えたものとを混ぜ合わせた後、1時間攪拌して剪断減粘性変色性インキAを得た。なお、前記インキのpHは3.0であった。
【0039】
変色性ボールペン(変色性筆記具A)の作製
先端部に0.5mmのボールを回転可能に抱持し、該ボールを前方に付勢する弾発部材を備えるボールペンチップが、接続部材を介して先端開口部に固着されるポリプロピレン製インキ収容管の内部に、前記変色性インキを充填した後、インキの後端に基油としてポリブテン85部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド15部を添加し、3本ロールで混練して得られたインキ逆流防止体を配置させて変色性ボールペンレフィルを得た。
更に、前記変色性ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、キャップを嵌めて変色性ボールペンを作製した。
前記変色性ボールペンを用いて紙面上に筆記すると、軽い筆記感で濃い青色の筆跡が得られるものであった。
【0040】
筆記具用変色性インキBの調製
赤色染料 2.0部
〔保土谷化学工業(株)製、C.I.ベーシックレッド14〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212E〕
石炭酸 0.1部
グリセリン 15.0部
水 82.4部
【0041】
前記溶剤中に染料及び各種添加剤を加えた後、1時間攪拌して変色性インキBを得た。なお、前記インキのpHは3.5であった。
【0042】
変色性マーキングペン(変色性筆記具B)の作製
前記変色性インキBを、ポリプロピレン製の軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けることで変色性マーキングペンを作製した。
前記変色性マーキングペンを用いて紙面上に筆記すると、軽い筆記感で濃い赤色の筆跡が得られるものであった。
【0043】
両頭式筆記具Aの作製
軸筒の一方に前記実施例1の変色用ボールペンレフィルを収容し、他方に先に調製した変色性インキAを収容する変色性ボールペンレフィルを嵌合して両頭式変色性筆記具を得た。
前記筆記具の変色性ボールペン部を用いて紙面上に筆記すると、青色の筆跡が得られ、更に、前記筆跡上から他方に設けられる変色用ボールペン部(実施例1側)を用いて変色液を塗布すると青色の筆跡は消色した。
前記両頭式筆記具は筆記と消去を1本の筆記具で行うことができるため、携帯性と利便性に優れるものであった。
【0044】
両頭式筆記具Bの作製
軸筒の一方に前記実施例1で得た変色用ボールペンレフィルを収容し、他方に先に調製した変色性インキBを収容する変色性マーキングペンを嵌合して両頭式変色性筆記具Bを得た。
前記塗布具の変色性マーキングペン部を用いて紙面上に筆記すると、赤色の筆跡が得られ、更に、前記筆跡上から他方に設けられる変色用ボールペン部(実施例1側)を用いて変色液を塗布すると塗布部分が消色した。
前記両頭式筆記具は筆記と消去を1本の塗布具で行うことができるため、携帯性と利便性に優れるものであった。
【0045】
筆記具セットの作製
前記実施例1乃至5で得た各変色用ボールペンと共に、先に調製した変色性インキAを収容する変色性ボールペン(変色性筆記具A)と、変色性インキBを収容する変色性マーキングペン(変色性筆記具B)とを組み合わせて五種類の筆記具セットを得た。
前記五種類の筆記具セットは、各変色性インキを収容する筆記具を用いて紙面上に筆記すると、青色及び赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上から各変色用ボールペンを用いて変色液を塗布すると各筆跡は消色又は変色した。
【0046】
前記五種類の筆記具セットを用いて以下の試験を行った。
【0047】
変色性試験
変色性筆記具A、Bを用いて、レポート用紙に直線を筆記した後、変色用ボールペンで青色及び赤色の筆跡上をなぞった際の色変化を確認した。
【0048】
筆記性試験
レポート用紙に○を五個連続して書いた際の筆跡を観察した。
前記各試験の結果を以下の表に示す。
【0049】
【表2】


【0050】
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
変色性試験
○:二回以内のなぞり書きで良好に消去又は変色可能。
筆記性試験
○:書き出しから良好な筆跡が得られた。
△:初期に若干の線飛びが確認されたが、三個以内に良好な筆跡に回復した。




 

 


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