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発明の名称 多芯筆記具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38635(P2007−38635A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2006−86231(P2006−86231)
出願日 平成18年3月27日(2006.3.27)
代理人
発明者 山内 治巳 / 安藤 正史
要約 課題
ユーザーが好みの筆記体とそれに対応した操作体を軸筒内に交換可能に収容でき、しかも、筆記体及び操作体を迅速且つ確実に交換できる多芯筆記具を提供する。

解決手段
軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容する。各々の筆記体6を弾発体により後方に付勢する。各々の筆記体6の後端に、各々の筆記体6に対応した操作体7を連結する。軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設する。各々の窓孔41から径方向外方に各々の操作体7を突出させる。軸筒2の後端に、窓孔41を後方に開口させる開閉自在の開口部42を設ける。開口部42を介して筆記体6及び操作体7を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、各々の筆記体を軸筒内から取り外し交換可能に構成するとともに、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を介して操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成したことを特徴とする多芯筆記具。
【請求項2】
軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を介して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成したことを特徴とする多芯筆記具。
【請求項3】
前記開口部を介して筆記体と操作体とを連結状態で、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成した請求項2記載の多芯筆記具。
【請求項4】
前記開口部を閉鎖した際、没入状態の筆記体の操作体が当接可能な当接壁部を軸筒の後端部に形成し、前記開口部を開口した際、前記当接壁部の全てまたは一部が前記軸筒の後端部から取り除かれる請求項1乃至3のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項5】
前記軸筒の後端部に、前記開口部を開閉自在とする蓋部を設けた請求項1乃至4のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項6】
前記蓋部の前面に、没入状態の筆記体の操作体が当接可能な当接壁部を形成した請求項5記載の多芯筆記具。
【請求項7】
前記蓋部の一端部が、軸筒の後端部に回動自在に接続される請求項5または6記載の多芯筆記具。
【請求項8】
前記蓋部の他端部に係合部を設け、軸筒の後端部に、前記蓋部の係合部と係脱自在の被係合部を設けた請求項7記載の多芯筆記具。
【請求項9】
前記軸筒の内壁に弾発体の前端が軸方向に当接する弾発体支持部を設け、前記弾発体支持部に、弾発体の前端部を径方向に保持する保持部を形成した請求項1乃至8のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項10】
前記開口部を開口した際、弾発体の後方への付勢によって没入状態の操作体が前記開口部から外部に突出される請求項1乃至9のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項11】
前記蓋部が開口部を閉鎖する過程で、前記蓋部が操作体を前方に押圧してなる請求項10記載の多芯筆記具。
【請求項12】
前記各々の操作体は、それが連結される筆記体の内部に収容されたインキの色に着色される請求項1乃至11のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項13】
軸筒の後端部の開口部の内壁の両側に、操作体の側面の挿入時の向きを規制するガイド部を備えた請求項1乃至12のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項14】
前記軸筒内に3本以上の筆記体を収容し、軸筒の後部側壁に3本以上の窓孔を設け、前記窓孔を後方に開口させる開口部によって軸筒後端部を3本以上に径方向に分割し、前記軸筒後端部の分割片の一つに、前記開口部を開閉自在にする蓋部をヒンジにより接続し、前記軸筒後端部の他の分割片の各々に被係合部を設け、前記蓋部の前面に、前記被係合部の各々と係脱自在な係合部を設けた請求項1乃至13のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項15】
軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、筆記体と操作体とを、連結状態で、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成したことを特徴とする多芯筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多芯筆記具に関する。詳細には、軸筒内に複数の筆記体を収容した多芯筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の筆記具において、特許文献1には、各筆記体の後部に隆起部を設けた摺動体を連接し、隆起部を軸筒の外方に突出させ、隆起部を摺動体に着脱自在に装着したことにより、使用者の好みにあった筆記体に交換した際に、誤った筆記体の選択をすることなく、また隆起部の形状や色柄も選択可能とした構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−11583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の多芯筆記具は、ユーザーが、交換前に軸筒内に収容されていた筆記体とは異なる種類の筆記体に交換する際、摺動体を軸筒内に残した状態で、摺動体から筆記体と隆起部とを取り外し、その後、摺動体に新たな筆記体と新たな隆起部とを取り付ける。そのため、筆記体の交換作業が複雑であり、ユーザーが迅速且つ確実な交換を行うことができないおそれがあり、さらに、複数の筆記体を同時に交換する場合、誤って、筆記体とその筆記体に対応しない隆起部とを一つの摺動体に取り付けるおそれがある。また、前記隆起部は、小さな部品であるため、紛失しやすい。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、ユーザーが好みの筆記体とそれに対応した操作体を軸筒内に交換可能に収容でき、しかも、筆記体及び操作体を迅速且つ確実に交換することができる多芯筆記具を提供しようとするものである。尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とは反対側を指す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明は、軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体6を弾発体8により後方に付勢し、前記各々の筆記体6の後端に、各々の筆記体6に対応した操作体7を連結し、軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設し、前記各々の窓孔41から径方向外方に前記各々の操作体7を突出させ、一つの操作体7を窓孔41に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体7に連結された筆記体6のペン先61を軸筒2の前端孔31から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先61を軸筒2内に没入させる多芯筆記具であって、各々の筆記体6を軸筒2内から取り外し交換可能に構成するとともに、軸筒2の後端に、窓孔41を後方に開口させる開閉自在の開口部42を設け、前記開口部42を介して操作体7を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したこと(構成1)を要件とする。
【0006】
前記多芯筆記具1(構成1)は、ユーザーが軸筒2内の筆記体6を取り外して好みの筆記体6に交換できると同時に、操作体7も、軸筒2内から取り外してその筆記体6に適正に対応したものに交換でき、筆記体6と操作体7との誤った連結を防止できる。仮に、操作体7が軸筒2内から取り外し交換できない構成の場合、交換できる筆記体6の種類は、軸筒2内に収容された操作体7に対応した筆記体6のみに限られ、ユーザーが好みの筆記体6を自由に交換できない。また、前記多芯筆記具1(構成1)は、従来のような小さな部品の交換を必要とせず、迅速且つ確実な交換作業を行うことができる。
【0007】
尚、前記多芯筆記具1(構成1)において、各々の筆記体6は、軸筒2の後端の開口部42を介して交換してもよいし、あるいは、軸筒2の前方に開口する開口部を設け、その開口部を介して交換してもよい。前記軸筒2の後端の開口部42は、少なくとも、操作体7を軸筒2内から取り外す時及び操作体7を軸筒2内に挿入する時に開口していればよい。
【0008】
[2]また、本発明は、軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体6を弾発体8により後方に付勢し、前記各々の筆記体6の後端に、各々の筆記体6に対応した操作体7を連結し、軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設し、前記各々の窓孔41から径方向外方に前記各々の操作体7を突出させ、一つの操作体7を窓孔41に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体7に連結された筆記体6のペン先61を軸筒2の前端孔31から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先61を軸筒2内に没入させる多芯筆記具であって、軸筒2の後端に、窓孔41を後方に開口させる開閉自在の開口部42を設け、前記開口部42を介して筆記体6及び操作体7を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したこと(構成2)を要件とする。
【0009】
前記多芯筆記具1(構成2)は、開口部42を介して筆記体6及び操作体7が軸筒2から取り外し交換可能となることにより、ユーザーが軸筒2内の筆記体6を取り外して好みの筆記体6に交換できると同時に、操作体7も、軸筒2内から取り外してその筆記体6に適正に対応したものに交換でき、筆記体6と操作体7との誤った連結を防止できる。仮に、操作体7が軸筒2内から取り外し交換できない構成の場合、交換できる筆記体6の種類は、軸筒2内に収容された操作体7に対応した筆記体6のみに限られ、ユーザーが好みの筆記体6を自由に交換できない。また、前記多芯筆記具1(構成2)は、筆記体6及び操作体7の二つの部品または二つの構成要素を、同一箇所(即ち開口部42)を介して交換できるため、筆記体6及び操作体7の交換作業が単純になり、その交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。尚、前記多芯筆記具1(構成2)において、前記軸筒2の後端の開口部42は、少なくとも、操作体7を軸筒2内から取り外す時及び操作体7を軸筒2内に挿入する時に開口していればよい。
【0010】
[3]前記多芯筆記具1(構成2)において、前記開口部42を介して筆記体6と操作体7とを連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成すること(構成3)が好ましい。
【0011】
前記多芯筆記具1(構成3)は、筆記体6及び操作体7を連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したことにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が、より一層、単純になり、いかなるユーザーでもその交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、前記多芯筆記具1(構成3)は、筆記体6と操作体7とを連結状態でユーザーに提供すれば、ユーザーが、筆記体6と操作体7とを連結することが不要となり、筆記体6の交換の際、筆記体6とその筆記体6に対応した操作体7とを誤って連結することを、確実に防止できる。
【0012】
[4]前記多芯筆記具1(構成1乃至3)において、前記開口部42を閉鎖した際、没入状態の筆記体6の操作体7が当接可能な当接壁部51を軸筒2の後端部に形成し、前記開口部42を開口した際、前記当接壁部51の全てまたは一部が前記軸筒2の後端部から取り除かれること(構成4)が好ましい。
【0013】
前記多芯筆記具1(構成4)は、開口部42を開口した際、当接壁部51の全てまたは一部が軸筒2の後端部から除去されるため、開口部42を開口した際、没入状態の筆記体6の操作体7が当接可能な位置に当接壁部51の全てまたは一部が存在しない。それにより、操作体7の交換時に、前記軸筒2後端の開口部42を十分に大きく開口でき、操作体7を軸筒2内から容易に取り外すことができる。もし、当接壁部51の全てが軸筒2の後端に固定されて移動できない構成の場合、軸筒2後端の開口部42が窓孔41を後方に開口させるとしても、操作体7の交換時、開口部42の後方への開口量が不十分となり、開口部42から操作体7を容易に取り外すことが困難となるおそれがある。
【0014】
[5] 前記多芯筆記具1(構成1乃至4)において、前記軸筒2の後端部に、前記開口部42を開閉自在とする蓋部5を設けたこと(構成5)が好ましい。
【0015】
前記多芯筆記具1(構成5)は、蓋部5を設けたことにより開口部42を確実に閉鎖することができる。もし、蓋部5が存在しない場合、開口部42を確実に閉鎖することが困難となる。
【0016】
[6]また、前記多芯筆記具1(構成5)において、前記蓋部5の前面に、没入状態の筆記体6の操作体7が当接可能な当接壁部51を形成すること(構成6)が好ましい。
【0017】
前記多芯筆記具1(構成6)は、操作体7の交換時に、蓋部5を開くことにより、当接壁部51を操作体7と当接する位置から移動させ、前記軸筒2後端の開口部42を十分に大きく開口でき、操作体7を軸筒2内から容易に取り外すことができる。もし、当接壁部51が軸筒2の後端に固定されて移動できない構成の場合、軸筒2後端の開口部42が窓孔41を後方に開口させるとしても、操作体7の交換時、開口部42の後方への開口量が不十分となり、開口部42から操作体7を容易に取り外すことが困難となるおそれがある。
【0018】
前記多芯筆記具1(構成6)において、前記開閉自在の蓋部5は、少なくとも、開口部42の閉鎖時に当接壁部51が、操作部71と当接可能な適正な位置に配置されればよく、開口部42を完全に閉鎖する必要はない。また、前記蓋部5は、少なくともその1箇所が、圧入、乗り越え係合、または螺合等により軸筒2の後端部に着脱自在に取り付けられる。前記蓋部5は、当接壁部51に筆記体6の操作体7が当接された際、少なくとも弾発体8の後方付勢力によっても外れることがないよう、取り付けられる。
【0019】
[7]前記多芯筆記具1(構成5または6)において、前記蓋部5の一端部が、軸筒2の後端部に回動自在に接続されること(構成7)が好ましい。
【0020】
前記多芯筆記具1(構成7)は、前記蓋部5が、開口部42を開閉する際、軸筒2の後端部に取り付けられ、軸筒2から離脱されない。そのため、蓋部5の紛失を防止できる。仮に、蓋部5が紛失してしまうと、没入状態の筆記体6の操作部71と当接する当接壁部51を失うことになり、多芯筆記具として使用することができなくなる。尚、前記蓋部5は、開口部42を閉鎖状態から後方に回動して開口する構成、または開口部42を閉鎖状態から周方向に回動して開口する構成のいずれであってもよい。
【0021】
[8」前記多芯筆記具(構成7)において、前記蓋部5の他端部(即ち蓋部5の一端部の反対側の端部)に係合部53を設け、軸筒の後端部に、前記蓋部の係合部と係脱自在の被係合部45を設けること(構成8)が好ましい。
【0022】
前記多芯筆記具1(構成8)は、蓋部5が開口部42を容易に開口させることができるとともに、蓋部5が開口部42を確実に閉鎖状態に維持できる。
【0023】
[9]前記多芯筆記具1(構成1乃至8)において、前記軸筒2の内壁に弾発体8の前端が軸方向に当接する弾発体支持部9を設け、前記弾発体支持部9に、弾発体8の前端部を径方向に保持する保持部92を形成すること(構成9)が好ましい。
【0024】
前記多芯筆記具1(構成9)により、操作体7を軸筒2内から取り外すとき、弾発体8の前端部が保持部92により径方向に保持されているため、弾発体8が軸筒2内から外部に脱落することを防止できる。もし、弾発体8が軸筒2内から外部に脱落すると、新たな操作体7を挿入する際に再び弾発体8を挿入する手間を要し、その上、弾発体8が紛失するおそれがある。前記保持部92が弾発体8の前端部を保持する構成は、例えば、弾発体8の前端部外面を径方向内方に保持する構成、あるいは、弾発体8の前端部内面を径方向外方に保持する構成が挙げられる。
【0025】
[10]前記多芯筆記具1(構成1乃至9)において、前記開口部42を開口した際、弾発体8の後方への付勢によって没入状態の操作体7が前記開口部42から外部に突出されること(構成10)が好ましい。
【0026】
前記多芯筆記具1(構成10)は、開口部42を開口した際、軸筒2後端の開口部42から後方に、各々の操作体7が突出状態にあるため、軸筒2後端の開口部42を下向きにしなくても、操作体7を容易に取り出すことができる。
【0027】
[11]前記多芯筆記具1(構成10)において、前記蓋部5が開口部42を閉鎖する過程で、前記蓋部5が操作体7を前方に押圧してなること(構成11)が好ましい。
【0028】
前記多芯筆記具1(構成11)は、開口部42を蓋部5により閉鎖する操作によって、操作体7を前方に押圧するため、蓋部5により開口部42を閉鎖する前に、突出状態にある操作体7を指で前方に押圧する必要がない。それにより、開口部42を蓋部42で閉鎖する作業が容易となる。
【0029】
[12]前記多芯筆記具1(構成1乃至11)において、前記各々の操作体7は、それが連結される筆記体6の内部に収容されたインキの色に着色されること(構成12)が好ましい。
【0030】
前記多芯筆記具1(構成12)は、各々の操作体7が、それが連結される筆記体6の内部に収容されたインキの色と同じ色または略同じ色に着色され、ペン先突出操作する筆記体6のインキ色を、軸筒2の窓孔41から露出する操作部71により容易に識別することができる。前記多芯筆記具1(構成12)は、特に、開口部42を開口した際に開口部42から操作体7が突出状態にある場合(構成10の場合)、取り外すべきインキ色の筆記体6に連結された操作体7を、開口部42から突出するその筆記体の操作体7のインキ色を視認することにより、開口部42から容易に識別できる。また、前記着色された操作体7が連結された状態の筆記体6が、軸筒2内に収容する前の状態(即ち軸筒2の外部にある状態)の場合、筆記体6のインキ色を、操作体7を視認することによって、比較的遠くからでも容易に識別できる。
【0031】
[13]前記多芯筆記具1(構成1乃至12)において、軸筒2の後端部の開口部42の内壁の両側に、操作体7の側面の挿入時の向きを規制するガイド部421を備えたこと(構成13)が好ましい。
【0032】
前記多芯筆記具1(構成13)は、ガイド部421により、操作体7を不適正な向きで軸筒2内に挿入することを抑止できる。さらに、前記ガイド部421は、操作体7の操作部71が径方向外方に向いた状態でのみ、挿入可能な形状に設定することが好ましい。それにより、操作体7を、径方向の内と外の向きを逆向き(即ち操作体7の操作部71が内方に向いた状態)で挿入した場合、操作体7が開口部42から軸筒2内に挿入不能となり、操作体7の誤った組み付けを防止できる。
【0033】
[14]前記多芯筆記具1(構成1乃至13)において、前記軸筒2内に3本以上の筆記体6を収容し、軸筒2の後部側壁に3本以上の窓孔41を設け、前記窓孔41を後方に開口させる開口部42によって軸筒2後端部を3本以上に径方向に分割し、前記軸筒2後端部の分割片の一つに、前記開口部42を開閉自在にする蓋部5をヒンジにより接続し、前記軸筒2後端部の他の分割片の各々に被係合部45を設け、前記蓋部5の前面に、前記被係合部45の各々と係脱自在な係合部53を設けたこと(構成14)が好ましい。
【0034】
前記多芯筆記具(構成14)は、径方向に分割された軸筒2後端部を各々の分割片が、蓋部5の係合によって径方向に変形することが抑えられる。また、前記多芯筆記具(構成14)は、蓋部5により、開口部42を確実に閉鎖することができ、しかも、係合部53と被係合部45の係合により、開口部42を確実に閉鎖状態に維持でき、さらに、ヒンジにより接続されることにより、蓋部5の紛失を防止できる。
【0035】
[15]また、本発明は、軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体6を弾発体8により後方に付勢し、前記各々の筆記体6の後端に、各々の筆記体6に対応した操作体7を連結し、軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設し、前記各々の窓孔41から径方向外方に前記各々の操作体7を突出させ、一つの操作体7を窓孔41に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体7に連結された筆記体6のペン先61を軸筒2の前端孔31から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先61を軸筒2内に没入させる多芯筆記具であって、筆記体6と操作体7とを、連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成すること(構成15)を要件とする。
【0036】
前記多芯筆記具1(構成15)は、ユーザーが軸筒2内の筆記体6を取り外して好みの筆記体6に交換できると同時に、操作体7も、軸筒2内から取り外してその筆記体6に適正に対応したものに交換でき、筆記体6と操作体7との誤った連結を防止できる。仮に、操作体7が軸筒2内から取り外し交換できない構成の場合、交換できる筆記体6の種類は、軸筒2内に収容された操作体7に対応した筆記体6のみに限られ、ユーザーが好みの筆記体6を自由に交換できない。また、前記多芯筆記具1(構成15)は、従来のような小さな部品の交換を必要とせず、迅速且つ確実な交換作業を行うことができる。
【0037】
また、前記多芯筆記具1(構成15)は、筆記体6及び操作体7を連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したことにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が、より一層、単純になり、いかなるユーザーでもその交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、前記多芯筆記具1(構成15)は、筆記体6と操作体7とを連結状態でユーザーに提供すれば、ユーザーが、筆記体6と操作体7とを連結することが不要となり、筆記体6の交換の際、筆記体6とその筆記体6に対応した操作体7とを誤って連結することを、確実に防止できる。
【0038】
尚、本発明で、筆記体6に対応した操作体7とは、筆記体6に対応した識別表示を有する操作体7であることが好ましい。前記識別表示は、例えば、インキ色表示、ペン先サイズの表示、筆跡幅の表示、ペン先種類の表示等が挙げられる。また、本発明で、筆記体6とは、例えば、ボールペン、マーキングペン、シャープペンシル等が挙げられる。尚、本発明で、軸筒2は、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31を備えた前軸3と、側壁に窓孔41を備え且つ後端に開口部42を備える後軸4とからなる構成でもよい。また、前記前軸3に対して前記後軸4が前後方向に移動可能に構成し、筆記体6としてシャープペンシルを採用し、前記後軸4の前進により鉛芯の繰り出しを可能にできる。また、本発明で、軸筒2内に収容する筆記体6の本数は、2本以上であればよく、具体的には、2本、3本、4本、5本、6本等が挙げられる。尚、本発明で、筆記体6と操作体7とを連結状態にするために、筆記体6と操作体7とを一体に形成すること(即ち一部材により構成すること)も可能である。
【発明の効果】
【0039】
請求項1の多芯筆記具によれば、ユーザーが好みの筆記体に交換できると同時に、操作体も、その筆記体に適正に対応したものに交換でき、筆記体と操作体との誤った連結を防止できる。また、従来のような小さな部品の交換を必要とせず、迅速且つ確実な交換作業を行うことができる。
【0040】
請求項2の多芯筆記具によれば、開口部を介して筆記体及び操作体が交換可能となり、ユーザーが好みの筆記体に交換できると同時に、操作体も、その筆記体に適正に対応したものに交換でき、筆記体と操作体との誤った連結を防止できる。また、筆記体及び操作体の交換作業が単純になり、その交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。
【0041】
請求項3の多芯筆記具によれば、筆記体及び操作体の交換作業が、より一層、単純になり、いかなるユーザーでもその交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、筆記体と操作体とを連結状態でユーザーに提供すれば、ユーザーが、筆記体と操作体とを連結することが不要となり、筆記体の交換の際、筆記体とその筆記体に対応した操作体とを誤って連結することを、確実に防止できる。
【0042】
請求項4の多芯筆記具によれば、操作体の交換時に、軸筒後端の開口部を十分に大きく開口でき、操作体を軸筒内から容易に取り外すことができる。
【0043】
請求項5の多芯筆記具によれば、蓋部を設けたことにより開口部を確実に閉鎖することができる。
【0044】
請求項6の多芯筆記具によれば、操作体の交換時に、当接壁部を操作体と当接する位置から移動させ、軸筒後端の開口部を十分に大きく開口でき、操作体を軸筒内から容易に取り外すことができる。
【0045】
請求項7の多芯筆記具によれば、蓋部の紛失を防止できる。
【0046】
請求項8の多芯筆記具によれば、蓋部が開口部を容易に開口させることができるとともに、蓋部が開口部を確実に閉鎖状態に維持できる。
【0047】
請求項9の多芯筆記具によれば、操作体を軸筒内から取り外すとき、弾発体が軸筒内から外部に脱落することを防止できる。
【0048】
請求項10の多芯筆記具によれば、開口部を開口した際、軸筒後端の開口部を下向きにしなくても、操作体を容易に取り外すことができる。
【0049】
請求項11の多芯筆記具によれば、開口部を蓋部で閉鎖する作業が容易となる。
【0050】
請求項12の多芯筆記具によれば、ペン先突出操作する筆記体のインキ色を、軸筒の窓孔から露出する操作部により、容易に識別することができる。
【0051】
請求項13の多芯筆記具によれば、ガイド部により、操作体を不適正な向きで軸筒内に挿入することを抑止できる。
【0052】
請求項14の多芯筆記具によれば、径方向に分割された軸筒後端部を各々の分割片が、蓋部の係合によって径方向に変形することが抑えられる。
【0053】
請求項15の多芯筆記具によれば、筆記体及び操作体が交換可能となり、ユーザーが好みの筆記体に交換できると同時に、操作体も、その筆記体に適正に対応したものに交換でき、筆記体と操作体との誤った連結を防止できる。また、筆記体及び操作体の交換作業が単純になり、その交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0055】
[第1の実施の形態]
図1乃至図7に本発明の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
【0056】
(軸筒)
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
【0057】
前記後軸4の後部の側壁には、複数本(具体的には2本)の前後方向に延びる細長状の窓孔41が、径方向に貫設される。前記2本の窓孔は、互いに、軸線に対して対称の位置に形成される。また、前記後軸4の後端部には、軸方向に貫通し且つ径方向外方に開口する開口部42が形成される。前記開口部42は、後軸4の後端(即ち軸筒2の後端)において窓孔41と連通され、それにより、窓孔41後端が後方に切り欠かれ後方に開口されている。一方、前記窓孔41の前端は常時閉鎖されている。
【0058】
前記開口部42の両側の内壁には、操作体7の挿入時、操作体7の側面と摺動し、操作体7の側面の向きを規制するガイド部421が形成される。さらに、前記ガイド部421には、操作体7の抜け止め突起76が挿入可能な凹部421aが形成される。前記ガイド部421は、操作体7の操作部71が径方向外方に向いた状態でのみ、挿入可能な形状に設定される。
【0059】
また、前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁内面には、前後方向に延びるリブよりなる係止壁部43が形成され、前記係止壁部43に、ペン先61が突出した際の筆記体6の操作体7の後端が係止される。
【0060】
前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁外面には、クリップ44が設けられる。
【0061】
(蓋部)
前記後軸4の後端部には、前記開口部42を開閉自在にする蓋部5が回動自在に設けられる。前記蓋部5の一端部は、クリップ44基部に、ヒンジ部52により回動自在に取り付けられる。前記ヒンジ部52は、ペン先下向きでクリップ44を正面視したときのクリップ44の左右方向に延設され、それにより、前記蓋部5は、略前後方向に回動自在となる。前記蓋部5の前面には、当接壁部51が形成される。前記当接壁部51に、没入状態の筆記体6の後端に連結された各々の操作体7の後端が、衝止される。本実施の形態では、前記ヒンジ部52は、具体的には、回動軸により回動自在に接続される構成が採用されているが、これ以外にも、屈曲変形可能な可撓性を有する連結部または薄肉部により一体に接続される構成であってもよい。
【0062】
前記蓋部5の他端部の前面には、係合部53が設けられる(具体的には係合凹部または係合孔部が形成される)。後軸4の後端には、前記係合部53と係合可能な被係合部45が設けられる(具体的には係合凸部が突設される)。前記係合部53(係合凹部または係合孔部)の内面(具体的には径方向内面)には、内向突起が形成され、一方、前記被係合部45(係合凸部)の外面(具体的には径方向外面)には、前記内向突起と乗り越え係止可能な外向突起が形成される。
【0063】
前記係合部53と前記被係合部45とは、蓋部5が開口部42を閉鎖した際、互いに係合状態にあり(具体的には内向突起と外向突起が乗り越え係止状態にあり)、弾発体8の後方への付勢による操作体7と蓋部5前面の当接壁部51との当接では、その係合状態は解除されず、蓋部5が開くことはない。
【0064】
また、前記係合部53と被係合部45の構成以外にも、前記係合部53が係合凸部よりなり、前記被係合部45が係合凹部または係合孔部からなる構成でもよい。前記係合部53と被係合部45の構成は、一方が凸部であり且つ他方が凹部または孔部である構成により、後方に開口された窓孔41により複数に分割された後軸2後端部(後軸4後端部)が、径方向及び周方向に変形することが抑えられ、筆記使用時(開口部42の閉鎖時)、窓孔41の形状を適正に維持できる。
【0065】
(筆記体)
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
【0066】
また、前記ボールペンチップは、前端に回転可能に抱持されたボールを弾発体等により前方に付勢し、前端縁部の内面にボールを密接させる構成でもよい。また、ボールペンチップは、インキ収容管62の前端開口部に圧入等により直接、取り付けてもよいが、本実施の形態ではペン先ホルダーを介してインキ収容管の前端開口部に固着される。
【0067】
(操作体)
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる後側突出部73と、該操作部71の反対側の後側突出部73の前方に設けられる前側突出部72と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。前記嵌入部74は、インキ収容管62の後端開口部に嵌入された際、インキ収容管62の後端開口部を完全には塞がず、インキ収容管62の内部と外部とを通気可能にする。また、前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。また、前記操作体7の両方の側面には抜け止め突起76が形成される。前記抜け止め突起76は窓孔41の両方の側壁内面に係合可能である。
【0068】
筆記体6のペン先61が没入状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、蓋部5の前面に形成された当接壁部51に衝止される。一方、筆記体6のペン先61が突出状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、軸筒2の内壁に形成された係止壁部43に係止される。
【0069】
ペン先没入状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7の前側突出部72は、その操作体7の操作部71を前方にスライド操作した際、先にペン先突出状態にある他の筆記体6の後端に連結された操作体7の後側突出部73と当接され、他の筆記体6のペン先突出状態が解除される。
【0070】
(識別表示)
前記各々の操作体7は、連結される筆記体6の内部(即ちインキ収容管62内部)に収容されたインキの色と略同じ色に着色される。具体的には、前記操作体7の各々は、連結される筆記体6のインキ色と略同じ色に着色された合成樹脂の成形体からなる。それにより、前記操作体7は、インキ色表示からなる識別表示を有する。例えば、インキ色が黒色の筆記体6に連結する操作体7は黒色に着色され、インキ色が青色の筆記体6に連結する操作体7は青色に着色され、インキ色が赤色の筆記体6に連結する操作体7は赤色に着色され、インキ色が緑色の筆記体6に連結する操作体7は緑色に着色される。本実施の形態では、インキ色の互いに異なる2本の筆記体6を軸筒2内に収容している。
【0071】
特に、インキ収容管62が不透明材料からなる構成の場合またはインキ収容管62が透明材料からなるとともに内部のインキが染料インキである構成の場合、内部のインキ色を外部より視認することが困難であるが、操作体7をインキの色と略同じ色に着色したことが有効に作用し、軸筒2外部に存在する交換前の筆記体6において、内部のインキ色を外部より容易に識別できる。
【0072】
また、各々の筆記体6がペン先61のボールのサイズが互いに異なるボールペンの場合、ペン先61のボールの外径寸法を表す数字よりなる識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、各々の筆記体6がペン先61の形状が互いに異なる筆記具の場合、ペン先61の形状に対応した識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、前記ペン先61のボールの外径寸法を表す数字からなる識別表示、及びペン先61の形状に対応した識別表示は、前記インキ色に着色された操作体7の操作部71に設けることもできる。前記識別表示は、印刷、シール貼付、凸設、凹設等の手段により、操作体7に設けられる。
【0073】
(弾発体支持部)
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状の弾発体支持部9が設けられる。前記弾発体支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿されるとともに、各々の弾発体8の前端は弾発体支持部9の後面により係止され、各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。
【0074】
また、弾発体支持部9の後面の各々の内孔91の周囲には、後方に突出する筒状突出部よりなる保持部92が形成される。前記各々の保持部92の内面は、各々の弾発体8の前端部外面が圧入保持される。それにより、各々の筆記体6及び操作体7を交換する際、軸筒2内から開口部42を通して各々の弾発体8が脱落することを防止できる。
【0075】
前記各々の弾発体8は、各々の操作体7(即ち各々の筆記体6)を、常時、後方に付勢している。前記各々の弾発体8は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても圧縮状態(即ち筆記体6が後方に付勢された状態)にあり、それにより、各々の操作体7の前後のがたつきが防止される。
【0076】
(ペン先の出没)
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する。
一つの操作体7の操作部71を弾発体8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体7の前側突出部72が、先にペン先突出状態にある他の筆記体6の操作体7の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6が弾発体8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作体7の後端が蓋部5の前面の当接壁部51に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
【0077】
(筆記体及び操作体の交換)
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図3及び図6参照)から、蓋部5のヒンジ部52と反対側の操作端部を後方に押圧し、係合部53と被係合部45との係合を解除し、蓋部5を後方に回動させ、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、弾発体8の後方付勢により後方外部に突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態(図5及び図7参照)で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を前記開口部42を介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を介して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5の当接壁部51に各々の操作体7の後端を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら蓋部5を前方に回動させ、その後、係合部53と被係止部45とを係合させ、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
【0078】
[第2の実施の形態]
図8に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、図8に示すように、ヒンジ部52と反対側の蓋部5の端部(操作端部)にクリップを一体に形成し、蓋部5の閉鎖状態のときに前記クリップが前方に延設状態となるように構成され、これにより、クリップを回動操作することで、蓋部5を開閉操作できる。尚、他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
[第3の実施の形態]
図9乃至図11に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、前軸3と後軸4からなる軸筒2の内部に、3本の筆記体6が前後方向に移動可能に収容される。前記各々の筆記体6の後端には操作体7が取り付けられる。前記後軸4の後部側壁には、3本の窓孔41が等間隔(即ち周方向に互いに120度離れた位置)に配置される。前記各々の窓孔41から径方向外方に操作体7の操作部71が突出される。
【0080】
前記後軸4の後端壁には、前記各々の窓孔41と連通する開口部42が形成される。前記開口部42により、前記各々の窓孔41が後方に開口される。前記開口部42を通して、前記操作体7と連結状態にある筆記体6が、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能となる。
【0081】
前記後軸4の後端部が前記各々の窓孔41により径方向に3分割される。前記3分割された後軸4の後端部の一つの分割片には、クリップ44が設けられる。前記クリップ44の基部にヒンジ部52により蓋部5が回動自在に取り付けられる。前記蓋部5の前面には、係合部53(具体的には二つの係合凹部または二つの係合孔部)が設けられる。そして、前記3分割された後軸4の後端部の他の二つの分割片の各々には、前記係合部53と係合可能な被係合部45(具体的には係合凸部)が設けられる。前記係合部53の内面(具体的には二つの係合凹部の各々の径方向内面または二つの係合孔部の各々の径方向内面)には、内向突起が形成され、一方、前記被係合部45の各々の外面(具体的には径方向外面)には、前記内向突起と乗り越え係合可能な外向突起が形成される。前記係合部53は、前記被係合部45の各々と係合可能であれば、一つの係合凹部または一つの係合孔部でもよい。尚、本実施の形態における他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
[第4の実施の形態]
図12乃至図14に本発明の第4の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、前記第3の実施の形態の変形例であり、前記第3の実施の形態と異なる点は、後軸4の後部側壁に、3本の窓孔41と一つのクリップが等間隔(即ち周方向に互いに90度離れた位置)に配置される点と、各々の操作体7の前側突出部72及び後側突出部73の横断面形状が、径方向内方に向かって細くなる形状を有する点である。前記各々の操作体7の前側突出部72及び後側突出部73の横断面形状が、径方向内方に向かって細くなる形状を有することにより、前記各々の操作体7の前側突出部72同士及び後側突出部73同士が互いに干渉して(即ちぶつかり合って)操作体7の適正な作動が阻害されることを、防止できる。尚、本実施の形態における他の構成は、第1の実施の形態及び第3の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
[第5の実施の形態]
図15乃至図17に本発明の第5の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、前軸3と後軸4からなる軸筒2の内部に、4本の筆記体6が前後方向に移動可能に収容される。前記各々の筆記体6の後端には操作体7が取り付けられる。前記後軸4の後部側壁には、4本の窓孔41が等間隔(即ち周方向に互いに90度離れた位置)に配置される。前記各々の窓孔41から径方向外方に操作体7の操作部71が突出される。
【0084】
前記後軸4の後端壁には、前記各々の窓孔41と連通する開口部42が形成される。前記開口部42により、前記各々の窓孔41が後方に開口される。前記開口部42を通して、前記操作体7と連結状態にある筆記体6が、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能となる。
【0085】
前記後軸4の後端部が前記各々の窓孔41により径方向に4分割される。前記4分割された後軸4の後端部の一つの分割片には、クリップ44が設けられる。前記クリップ44の基部にヒンジ部52により蓋部5が回動自在に取り付けられる。前記蓋部5の前面には、係合部53(具体的には三つの係合凹部または三つの係合孔部)が設けられる。そして、前記4分割された後軸4の後端部の他の三つの分割片の各々には、前記係合部53と係合可能な被係合部45(具体的には係合凸部)が設けられる。前記係合部53の内面(具体的には三つの係合凹部の各々の径方向内面または三つの係合孔部の各々の径方向内面)には、内向突起が形成され、一方、前記被係合部45の各々の外面(具体的には径方向外面)には、前記内向突起と乗り越え係合可能な外向突起が形成される。
【0086】
また、本実施の形態は、第4の実施の形態と同様、各々の操作体7の前側突出部72及び後側突出部73の横断面形状が、径方向内方に向かって細くなる形状である。それにより、前記各々の操作体7の前側突出部72同士及び後側突出部73同士が互いに干渉して(即ちぶつかり合って)操作体7の適正な作動が阻害されることを、防止できる。尚、本実施の形態における他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の多芯筆記具の第1の実施の形態の全ペン先没入状態(非筆記時)を示す縦断面図である。
【図2】図1の多芯筆記具の一つのペン先が突出した状態(筆記時)を示す縦断面図である。
【図3】図1の多芯筆記具の後端の開口部を閉鎖した状態を示す側面図である。
【図4】図3のA−A線拡大断面図である。
【図5】図1の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す側面図である。
【図6】図1の多芯筆記具の後端の開口部を閉鎖した状態を示す要部斜視図である。
【図7】図1の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す要部斜視図である。
【図8】本発明の多芯筆記具の第2の実施の形態を示す要部側面図である。
【図9】本発明の多芯筆記具の第3の実施の形態の後端の開口部を閉鎖した状態を示す要部側面図である。
【図10】図9のB−B線拡大断面図である。
【図11】図9の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す要部斜視図である。
【図12】本発明の多芯筆記具の第4の実施の形態の後端の開口部を閉鎖した状態を示す要部側面図である。
【図13】図12のC−C線拡大断面図である。
【図14】図12の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す要部斜視図である。
【図15】本発明の多芯筆記具の第5の実施の形態の後端の開口部を閉鎖した状態を示す要部側面図である。
【図16】図15のD−D線拡大断面図である。
【図17】図15の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0088】
1 多芯筆記具
2 軸筒
3 前軸
31 前端孔
4 後軸
41 窓孔
42 開口部
421 ガイド部
421a 凹部
43 係止壁部
44 クリップ
45 被係合部
5 蓋部
51 当接壁部
52 ヒンジ部
53 係合部
6 筆記体
61 ペン先(ボールペンチップ)
62 インキ収容管
7 操作体
71 操作部
72 前側突出部
73 後側突出部
74 嵌入部
75 鍔部
76 抜け止め突起
8 弾発体
9 弾発体支持部
91 内孔
92 保持部




 

 


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