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発明の名称 多芯筆記具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15277(P2007−15277A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200246(P2005−200246)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人
発明者 山内 治巳 / 安藤 正史
要約 課題
ユーザーが好みの筆記体とそれに対応した操作体を軸筒内に交換可能に収容でき、しかも、筆記体及び操作体を迅速且つ確実に交換できる多芯筆記具を提供する。

解決手段
軸筒2内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容する。各々の筆記体を弾発体により後方に付勢する。各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結する。軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設する。各々の窓孔41から径方向外方に各々の操作体を突出させる。各々の筆記体を軸筒2内から取り外し交換可能に構成する。軸筒2が、前端孔31を備えた前軸3と、該前軸3の後端部に着脱自在に連結される後軸4とからなる。後軸4が、窓孔41と該窓孔41を前方に開口させる切り欠き部42とを備える。後軸4を前軸3から分離した際に、前記切り欠き部42を介して操作体を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、各々の筆記体を軸筒内から取り外し交換可能に構成するとともに、軸筒が、前端孔を備えた前軸と、該前軸の後端部に着脱自在に連結される後軸とからなり、前記後軸が、窓孔と該窓孔を前方に開口させる切り欠き部とを備え、前記後軸を前軸から分離した際に、前記切り欠き部を介して操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成したことを特徴とする多芯筆記具。
【請求項2】
前記操作体と筆記体とを連結状態で、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成した請求項1記載の多芯筆記具。
【請求項3】
後軸の前端部が切り欠き部によって複数に分割され、前軸の内部に、前記後軸の前端部が挿入可能な複数の係合孔を設けた請求項1または2記載の多芯筆記具。
【請求項4】
前軸の内壁に、弾発体の前端が軸方向に当接する弾発体支持部を設け、前記弾発体支持部外壁と前軸内壁との間に前記係合孔を形成した請求項3記載の多芯筆記具。
【請求項5】
前記前軸の内壁に、弾発体の前端が軸方向に当接する弾発体支持部を設け、前記弾発体支持部に、弾発体の前端部を径方向に保持する保持部を形成した請求項1乃至4のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項6】
前記各々の操作体を、連結される筆記体の内部に収容されたインキの色に着色した請求項1乃至5のいずれかに記載の多芯筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多芯筆記具に関する。詳細には、軸筒内に複数の筆記体を収容した多芯筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の筆記具において、特許文献1には、各筆記体の後部に隆起部を設けた摺動体を連接し、隆起部を軸筒の外方に突出させ、隆起部を摺動体に着脱自在に装着したことにより、使用者の好みにあった筆記体に交換した際に、誤った筆記体の選択をすることなく、また隆起部の形状や色柄も選択可能とした構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−11583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の多芯筆記具は、ユーザーが、交換前に軸筒内に収容されていた筆記体とは異なる種類の筆記体に交換する際、摺動体を軸筒内に残した状態で、摺動体から筆記体と隆起部とを取り外し、その後、摺動体に新たな筆記体と新たな隆起部とを取り付ける。そのため、筆記体の交換作業が複雑であり、ユーザーが迅速且つ確実な交換を行うことができないおそれがあり、さらに、複数の筆記体を同時に交換する場合、誤って、筆記体とその筆記体に対応しない隆起部とを一つの摺動体に取り付けるおそれがある。また、前記隆起部は、小さな部品であるため、紛失しやすい。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、ユーザーが好みの筆記体とそれに対応した操作体を軸筒内に交換可能に収容でき、しかも、筆記体及び操作体を迅速且つ確実に交換することができる多芯筆記具を提供しようとするものである。尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とは反対側を指す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明は、軸筒2内に複数の筆記体5を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体5を弾発体7により後方に付勢し、前記各々の筆記体5の後端に、各々の筆記体5に対応した操作体6を連結し、軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設し、前記各々の窓孔41から径方向外方に前記各々の操作体6を突出させ、一つの操作体6を窓孔41に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体6に連結された筆記体5のペン先51を軸筒2の前端孔31から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体5のペン先51を軸筒2内に没入させる多芯筆記具であって、各々の筆記体5を軸筒2内から取り外し交換可能に構成するとともに、軸筒2が、前端孔31を備えた前軸3と、該前軸3の後端部に着脱自在に連結される後軸4とからなり、前記後軸4が、窓孔41と該窓孔41を前方に開口させる切り欠き部42とを備え、前記後軸4を前軸3から分離した際に、前記切り欠き部42を介して操作体6を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したこと(請求項1)を要件とする。
【0006】
前記多芯筆記具1(請求項1)は、ユーザーが軸筒2内の筆記体5を取り外して好みの筆記体5に交換できると同時に、操作体6も、軸筒2内から取り外してその筆記体5に適正に対応したものに交換でき、筆記体5と操作体6との誤った連結を防止できる。仮に、操作体6が軸筒2内から取り外し交換できない構成の場合、交換できる筆記体5の種類は、軸筒2内に収容された操作体6に対応した筆記体5のみに限られ、ユーザーが好みの筆記体5を自由に交換できない。また、前記多芯筆記具1(請求項1)は、従来のような小さな部品の交換を必要とせず、迅速且つ確実な交換作業を行うことができる。
【0007】
尚、前記多芯筆記具1(請求項1)において、各々の筆記体5は、前軸3の後端に開口部を設け、その開口部を介して軸筒2内から取り外し交換される構成が好ましいが、前軸3に前方に開口する開口部を設け、その開口部を介して軸筒2内から取り外し交換される構成でもよい。
【0008】
[2]前記多芯筆記具1(請求項1)において、筆記体5と操作体6とを連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成すること(請求項2)が好ましい。
【0009】
前記多芯筆記具1(請求項2)は、筆記体5及び操作体6を連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したことにより、筆記体5及び操作体6の交換作業が、より一層、単純になり、いかなるユーザーでもその交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、前記多芯筆記具1(請求項2)は、筆記体5と操作体6とを連結状態でユーザーに提供すれば、ユーザーが、筆記体5と操作体6とを連結することが不要となり、筆記体5の交換の際、筆記体5とその筆記体5に対応した操作体6とを誤って連結することを、確実に防止できる。
【0010】
[3]前記多芯筆記具1(請求項1または2)において、後軸4の前端部が切り欠き部42によって複数に分割され、前軸3の内部に、前記後軸4の前端部が挿入可能な複数の係合孔32を設けること(請求項3)が好ましい。
【0011】
前記多芯筆記具1(請求項4)は、後軸4の前端部(即ち後軸4の前端部の複数に分割された各々の分割片)が、前軸3の係合孔32に挿入されることにより、後軸4の前端部の径方向内方への変形及び径方向外方への変形を抑えることができる。また、前記多芯筆記具1(請求項4)は、後軸4の前端部の分割された分割本数と係合孔32の個数を同じに設定することが好ましい。それにより、複数に分割された後軸4の前端部を前軸3の各々の係合孔32に挿入した際、前軸3と後軸4との周方向の向きを適正な向きに確実に合わせることができる。
【0012】
[4] 前記多芯筆記具1(請求項3)において、前軸3の内壁に、弾発体7の前端が軸方向に当接する弾発体支持部8を設け、弾発体支持部8外壁と前軸3内壁との間に前記係合孔32を形成すること(請求項4)が好ましい。
【0013】
前記多芯筆記具1(請求項4)は、弾発体支持部8を用いることにより係合孔32を形成することが容易となる。尚、前記弾発体支持部8は、前軸3との別部品により構成し、前軸3の内壁に固定されることが好ましいが、前軸3内壁と一体に形成してもよい。
【0014】
[5] 前記多芯筆記具1(請求項1乃至4)において、前記前軸3の内壁に弾発体7の前端が軸方向に当接する弾発体支持部8を設け、前記弾発体支持部8に、弾発体7の前端部を径方向に保持する保持部82を形成すること(請求項5)が好ましい。
【0015】
前記多芯筆記具1(請求項5)により、操作体6を軸筒2内から取り外すとき、弾発体7の前端部が保持部82により径方向に保持されているため、弾発体7が軸筒2内から外部に脱落することを防止できる。もし、弾発体7が軸筒2内から外部に脱落すると、新たな操作体6を挿入する際に再び弾発体7を挿入する手間を要し、その上、弾発体7が紛失するおそれがある。前記保持部82が弾発体7の前端部を保持する構成は、例えば、弾発体7の前端部外面を径方向内方に保持する構成、または、弾発体7の前端部内面を径方向外方に保持する構成が挙げられる。
【0016】
[6]前記多芯筆記具1(請求項1乃至5)において、前記各々の操作体6を、連結される筆記体5の内部に収容されたインキの色に着色したこと(請求項6)が好ましい。
【0017】
前記多芯筆記具1(請求項6)は、各々の操作体6が内部に収容されたインキの色と同じ色または略同じ色に着色され、ペン先突出操作する筆記体5のインキ色を、軸筒2の窓孔41から露出する操作部61により、容易に識別することができる。さらに、前記多芯筆記具1(請求項6)は、操作体6の交換時、窓孔41から突出する操作体6のインキ色を視認することにより、取り外すべき筆記体5に連結された操作体6を、窓孔41から容易に識別できる。また、前記着色された操作体6が連結された状態の筆記体5が、軸筒2内に収容する前の状態(即ち軸筒2の外部にある状態)の場合、筆記体5のインキ色を、操作体6を視認することによって、比較的遠くからでも容易に識別できる。
【0018】
尚、本発明で、筆記体5に対応した操作体6とは、筆記体5に対応した識別表示を有する操作体6であることが好ましい。前記識別表示は、例えば、インキ色表示、ペン先サイズの表示、筆跡幅の表示、ペン先種類の表示等が挙げられる。また、本発明で、筆記体5とは、例えば、ボールペン、マーキングペン、シャープペンシル等が挙げられる。尚、本発明で、軸筒2は、筆記体5のペン先51が突出可能な前端孔31を備えた前軸3と、側壁に窓孔41を備え且つ後端に開口部42を備える後軸4とからなる構成でもよい。また、前記前軸3に対して前記後軸4が前後方向に移動可能に構成し、筆記体5としてシャープペンシルを採用し、前記後軸4の前進により鉛芯の繰り出しを可能にできる。また、本発明で、軸筒2内に収容する筆記体5の本数は、2本以上であればよく、具体的には、2本、3本、4本、5本、6本等が挙げられる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の多芯筆記具によれば、ユーザーが好みの筆記体に交換できると同時に、操作体も、その筆記体に適正に対応したものに交換でき、筆記体と操作体との誤った連結を防止できる。また、従来のような小さな部品の交換を必要とせず、迅速且つ確実な交換作業を行うことができる。
【0020】
請求項2の多芯筆記具によれば、筆記体及び操作体の交換作業が、より一層、単純になり、いかなるユーザーでもその交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、筆記体と操作体とを連結状態でユーザーに提供すれば、ユーザーが、筆記体と操作体とを連結することが不要となり、筆記体の交換の際、筆記体とその筆記体に対応した操作体とを誤って連結することを、確実に防止できる。
【0021】
請求項3の多芯筆記具によれば、後軸の前端部の径方向内方への変形及び径方向外方への変形を抑えることができる。
【0022】
請求項4の多芯筆記具によれば、係合孔を形成することが容易となる。
【0023】
請求項5の多芯筆記具によれば、操作体を軸筒内から取り外すとき、弾発体が軸筒内から外部に脱落することを防止できる。
【0024】
請求項6の多芯筆記具によれば、ペン先突出操作する筆記体のインキ色を、軸筒の窓孔から露出する操作部により、容易に識別することができる。さらに、操作体の交換時、取り外すべき筆記体に連結された操作体を、窓孔から容易に識別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0026】
図1乃至図5に本発明の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体5が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体5は、弾発体7(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
【0027】
(軸筒)
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と着脱自在に連結される円筒状の後軸4とからなる。
【0028】
(前軸)
前記前軸3は、先細円筒状の前側筒部33と、該前側筒部33の後端部に連結される直円筒状の後側筒部34とからなる。前記前側筒部33の前端には、筆記体5のペン先51が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3(即ち、前側筒部33と後側筒部34)及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
【0029】
(係合孔)
前軸2の内壁(具体的には後側筒部34の内壁)には、円板状の弾発体支持部8が固着される。前記弾発体支持部8外壁と前軸3内壁との間隙により、2個の係合孔32が軸線に対して対称位置に形成される。前記係合孔32は、切り欠き部42により2分割された後軸4の前端部が挿入される。前記2個の係合孔32は、前軸3内に後軸4の前端部を挿入する際、前軸3と後軸4との周方向の位置合わせをする。それにより、前軸3と後軸4とを連結したとき、前軸3内の弾発体支持部8の内孔81と、後軸4側壁の窓孔41との周方向の互いの位置を適正に配置できる。前記係合孔32の各々の内面と、前記後軸4の前端部の各々の外面とは、着脱自在に圧入嵌合または凹凸嵌合される。
【0030】
(後軸)
前記後軸4の後部の側壁には、複数本(具体的には2本)の前後方向に延びる細長状の窓孔41と、該窓孔41を前方に開口させる切り欠き部42とが、径方向に貫設される。前記2本の窓孔41及び切り欠き部42は、互いに、軸線に対して対称位置に形成される。前記窓孔41の内壁の後端が、没入状態の筆記体5の後端部に連結された操作体6が当接可能な当接壁部41aとなる。また、前記後軸4の前端部は、前記切り欠き部42によって二つに分割される。
【0031】
前記後軸4を前軸3の後端部から取り外した際、各々の窓孔41が切り欠き部42を介して前方に開放される。前記前方に開放された窓孔41から操作体6を容易に取り外して交換することができる。
【0032】
切り欠き部42を備える後軸4の前端部は、前軸3の後端開口部に挿入され、前記二つに分割された後軸4の前端部の各々が、前軸3内の各々の係合孔32に挿入・係合される。
【0033】
前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁内面には、前後方向に延びるリブよりなる係止壁部43が形成され、前記係止壁部43に、ペン先51が突出した際の筆記体5の操作体6の後端が係止される。尚、図3乃至図5は前記係止壁部43を省略している。
【0034】
前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁外面には、クリップ44が設けられる。
【0035】
(筆記体)
前記各々の筆記体5は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先51)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管52とからなる。前記インキ収容管52の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管52内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
【0036】
また、前記ボールペンチップは、前端に回転可能に抱持されたボールを弾発体等により前方に付勢し、前端縁部の内面にボールを密接させる構成でもよい。また、ボールペンチップは、インキ収容管52の前端開口部に圧入等により直接、取り付けてもよいが、本実施の形態ではペン先ホルダーを介してインキ収容管52の前端開口部に固着される。
【0037】
(操作体)
前記各々の筆記体5の後端(即ちインキ収容管52の後端開口部)には、操作体6が取り付けられる。前記各々の操作体6は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部61と、該操作部61の反対側に設けられる前側突出部62と、該操作部61の反対側の前側突出部62の後方に設けられる後側突出部63と、前端部に形成され且つインキ収容管52の後端開口部に嵌入される嵌入部64と、該嵌入部64の後方に形成される鍔部65とを備える。前記嵌入部64は、インキ収容管52の後端開口部に嵌入された際、インキ収容管52の後端開口部を完全には塞がず、インキ収容管52の内部と外部とを通気可能にする。また、前記鍔部65の前面には、弾発体7の後端が係止される。また、前記操作体6の両方の側壁には抜け止め突起が形成される。前記抜け止め突起は窓孔41の両方の側壁内面に係合可能である。
【0038】
筆記体5のペン先51が没入状態のとき、その筆記体5に取り付けられた操作体6の後端部は、窓孔41の内壁の後端に形成された当接壁部41aに衝止される。一方、筆記体5のペン先51が突出状態のとき、その筆記体5に取り付けられた操作体6の後端部は、軸筒2の内壁に形成された係止壁部43に係止される。
【0039】
ペン先没入状態にある筆記体5の後端に連結された操作体6の前側突出部62は、その操作体6の操作部61を前方にスライド操作した際、先に突出状態にある他の筆記体5の後端に連結された操作体6の後側突出部63と当接され、他の筆記体5のペン先突出状態が解除される。
【0040】
(識別表示)
前記各々の操作体6は、連結される筆記体5の内部(即ちインキ収容管52内部)に収容されたインキの色と略同じ色に着色される。具体的には、前記操作体6の各々は、連結される筆記体5のインキ色と略同じ色に着色された合成樹脂の成形体からなる。それにより、前記操作体6は、インキ色表示からなる識別表示を有する。例えば、インキ色が黒色の筆記体5に連結する操作体6は黒色に着色され、インキ色が青色の筆記体5に連結する操作体6は青色に着色され、インキ色が赤色の筆記体5に連結する操作体6は赤色に着色され、インキ色が緑色の筆記体5に連結する操作体6は緑色に着色される。本実施の形態では、インキ色の互いに異なる2本の筆記体5を軸筒2内に収容している。
【0041】
特に、インキ収容管52が不透明材料からなる構成の場合またはインキ収容管52が透明材料からなるとともに内部のインキが染料インキである構成の場合、内部のインキ色を外部より視認することが困難であるが、その場合、操作体6をインキの色と略同じ色に着色したことが有効に作用し、軸筒2外部に存在する交換前の筆記体5において、内部のインキ色を外部より容易に識別できる。
【0042】
また、各々の筆記体5がペン先51のボールのサイズが互いに異なるボールペンの場合、ペン先51のボールの外径寸法を表す数字よりなる識別表示を、操作体6の操作部61に設けることが好ましい。また、各々の筆記体5がペン先51の形状が互いに異なる筆記具の場合、ペン先51の形状に対応した識別表示を、操作体6の操作部61に設けることが好ましい。また、前記ペン先51のボールの外径寸法を表す数字からなる識別表示、及びペン先51の形状に対応した識別表示は、前記インキ色に着色された操作体6の操作部61に設けることもできる。前記識別表示は、印刷、シール貼付、凸設、凹設等の手段により、操作体6に設けられる。
【0043】
(弾発体支持部)
前記弾発体支持部8は、筆記体5が挿通される複数(具体的には2個)の内孔81が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部8の後面と、各々の操作体6の鍔部65の前面との間には、弾発体7が配置される。前記各々の弾発体7の内部に筆記体5が遊挿されるとともに、各々の弾発体7の前端は弾発体支持部8の後面により係止され、各々の弾発体7の後端は操作体6の鍔部65の前面に係止される。
【0044】
また、弾発体支持部8の後面の各々の内孔81の後方には、前記内孔81と連通し且つ内孔81よりも僅かに大きい内径を有する保持部82が形成される。前記各々の保持部82の内面は、各々の弾発体7の前端部外面が圧入保持される。それにより、前軸3と後軸4とを分離し、各々の筆記体5及び操作体6を交換する際、軸筒2内から各々の弾発体7が脱落することを防止できる。前記内孔81と前記保持部82と間には、弾発体7の前端が当接係止可能な段部が形成される。
【0045】
前記各々の弾発体7は、各々の操作体6(即ち各々の筆記体5)を、常時、後方に付勢している。前記各々の弾発体7は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても圧縮状態(即ち筆記体5が後方に付勢された状態)にあり、それにより、各々の操作体6の前後のがたつきが防止される。
【0046】
(ペン先の出没)
本実施の形態におけるペン先51の出没作動について説明する。
一つの操作体6の操作部61を弾発体7の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体6の前側突出部62が、先に突出状態にある他の筆記体5の操作部61の後側突出部63を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体6との係止状態が解除され、他の筆記体5が弾発体7の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体5のペン先51が軸筒2内に没入され、他の筆記体5の操作部61の後端が、窓孔41の内壁の後端の当接壁部41aに当接・衝止される。前記他の筆記体5のペン先51の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体6に連結された筆記体5のペン先51が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体6の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先51の突出状態が維持される。
【0047】
(筆記体及び操作体の交換)
本実施の形態における筆記体5及び操作体6の交換について説明する。
筆記体5を交換する際、前軸3と後軸4との連結状態(図3参照)から、前軸3と後軸4を分離する(図5参照)。そして、前記窓孔41の前方の切り欠き部42から操作体6を取り出し、その操作体6と互いに連結状態にある筆記体5を、前軸3の後端開口部から取り出す。その後、新たな筆記体5に連結状態にある新たな操作体6を、後軸4の切り欠き部42から窓孔41内に挿入し、前記新たな操作体6が連結状態にある新たな筆記体5を、前軸3の後端開口部から前軸3内の弾発体支持部8の内孔81に挿入しながら、切り欠き部42を有する後軸4の前端部を前軸3の係合孔32に挿入・係合させ、前軸3と後軸4とを再び連結状態(図3参照)にする。これにより、筆記体5及び操作体6の交換が終了する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の多芯筆記具の実施の形態の全ペン先没入状態(非筆記時)を示す縦断面図である。
【図2】図1の多芯筆記具の一つのペン先が突出した状態(筆記時)を示す縦断面図である。
【図3】図1の多芯筆記具のA−A線断面図である。(但し、筆記体、操作体、弾発体、及び係止壁部を省略した。)
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】図3の多芯筆記具の前軸と後軸とを分離した状態を示す縦断面図である。(但し、筆記体、操作体、弾発体、及び係止壁部を省略した。)
【符号の説明】
【0049】
1 多芯筆記具
2 軸筒
3 前軸
31 前端孔
32 係合孔
33 前側筒部
34 後側筒部
4 後軸
41 窓孔
41a 当接壁部
42 切り欠き部
43 係止壁部
44 クリップ
5 筆記体
51 ペン先(ボールペンチップ)
52 インキ収容管
6 操作体
61 操作部
62 前側突出部
63 後側突出部
64 嵌入部
65 鍔部
7 弾発体
8 弾発体支持部
81 内孔
82 保持部




 

 


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