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発明の名称 多芯筆記具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15275(P2007−15275A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200229(P2005−200229)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人
発明者 山内 治巳 / 安藤 正史
要約 課題
ユーザーが好みの筆記体とそれに対応した操作体を軸筒内に交換可能に収容でき、しかも、筆記体及び操作体を迅速且つ確実に交換できる多芯筆記具を提供する。

解決手段
軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容する。各々の筆記体6を弾発体により後方に付勢する。各々の筆記体6の後端に、各々の筆記体6に対応した操作体7を連結する。軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設する。各々の窓孔41から径方向外方に各々の操作体7を突出させる。軸筒2の後端に、窓孔41を後方に開口させる開口部42を設ける。開口部42を介して筆記体6及び操作体7を、軸筒2内から取り外し交換可能に構成する。開口部42を閉鎖可能な蓋部5を、軸筒2の後端部に着脱自在に設ける。蓋部5に、少なくとも二個の係合部53A,53Bを設け、軸筒2の後端部に、前記係合部が係合可能な被係合部45A,45Bを設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、各々の筆記体を軸筒内から取り外し交換可能に構成するとともに、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開口部を設け、前記開口部を介して操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、前記開口部を閉鎖可能な蓋部を軸筒の後端部に着脱自在に設け、前記蓋部に、少なくとも二個の係合部を設け、前記開口部によって径方向に分割された軸筒の後端部の各々に、前記係合部が係合可能な被係合部を設けたことを特徴とする多芯筆記具。
【請求項2】
軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開口部を設け、前記開口部を介して操作体及び筆記体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、前記開口部を閉鎖可能な蓋部を軸筒の後端部に着脱自在に設け、前記蓋部に、少なくとも二個の係合部を設け、前記開口部によって径方向に分割された軸筒の後端部の各々に、前記係合部が係合可能な被係合部を設けたことを特徴とする多芯筆記具。
【請求項3】
前記開口部を介して筆記体と操作体とを連結状態で、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成した請求項2記載の多芯筆記具。
【請求項4】
前記蓋部の前面に、没入状態の筆記体の操作体が当接可能な当接壁部を形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項5】
前記各々の係合部を蓋部の内面に設け、前記各々の被係合部を軸筒の後端部の外面に設けた請求項1乃至4のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項6】
前記当接壁部を前記開口部に挿入配置し、前記当接壁部が前記開口部内壁の内方変形を規制してなる請求項4または5のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項7】
前記軸筒の内壁に弾発体の前端が軸方向に当接する弾発体支持部を設け、前記弾発体支持部に、弾発体の前端部を径方向に保持する保持部を形成した請求項1乃至6のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項8】
前記開口部を開口した際、弾発体の後方への付勢によって各々の操作体が前記開口部から外部に突出される請求項1乃至7のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項9】
前記各々の操作体を、連結される筆記体の内部に収容されたインキの色に着色した請求項1乃至8のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項10】
前記軸筒の後端部の開口部の内壁の両側に、操作体の側面の挿入時の向きを規制するガイド部を設けた請求項1乃至9のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項11】
前記蓋部が、本体と、該本体より前方に突出する少なくとも2本の脚片とを備え、前記各々の脚片の径方向内面に係合部を形成し、一方、前記軸筒の後端部の各々の側壁の径方向外面に、前記係合部と軸方向に乗り越え係合可能な被係合部を形成した請求項1乃至10のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項12】
前記蓋部が、本体と、該本体より前方に突出する少なくとも2本の脚片とを備え、前記各々の脚片の径方向内面に係合部を形成し、一方、前記軸筒の後端の開口部の両側に、前記係合部と径方向にスライド係合可能な被係合部を形成した請求項1乃至10のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項13】
前記蓋部が、本体と、前記本体の径方向の両側に形成した2個の係合部とを備え、一方、前記軸筒の後端の開口部の両側に、被係合部を形成し、前記係合部と前記被係合部が、軸筒の後端部に対して蓋部を周方向に回転させることにより係合可能である請求項1乃至10のいずれかに記載の多芯筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多芯筆記具に関する。詳細には、軸筒内に複数の筆記体を収容した多芯筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の筆記具において、特許文献1には、各筆記体の後部に隆起部を設けた摺動体を連接し、隆起部を軸筒の外方に突出させ、隆起部を摺動体に着脱自在に装着したことにより、使用者の好みにあった筆記体に交換した際に、誤った筆記体の選択をすることなく、また隆起部の形状や色柄も選択可能とした構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−11583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の多芯筆記具は、ユーザーが、交換前に軸筒内に収容されていた筆記体とは異なる種類の筆記体に交換する際、摺動体を軸筒内に残した状態で、摺動体から筆記体と隆起部とを取り外し、その後、摺動体に新たな筆記体と新たな隆起部とを取り付ける。そのため、筆記体の交換作業が複雑であり、ユーザーが迅速且つ確実な交換を行うことができないおそれがあり、さらに、複数の筆記体を同時に交換する場合、誤って、筆記体とその筆記体に対応しない隆起部とを一つの摺動体に取り付けるおそれがある。また、前記隆起部は、小さな部品であるため、紛失しやすい。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、ユーザーが好みの筆記体とそれに対応した操作体を軸筒内に交換可能に収容でき、しかも、筆記体及び操作体を迅速且つ確実に交換することができる多芯筆記具を提供しようとするものである。尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とは反対側を指し、「内面」とは径方向内面を指し、「外面」とは径方向外面を指す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明は、軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体6を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体6の後端に、各々の筆記体6に対応した操作体を連結し、軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体6のペン先を軸筒2の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先を軸筒2内に没入させる多芯筆記具であって、各々の筆記体6を軸筒2内から取り外し交換可能に構成するとともに、軸筒2の後端に、窓孔を後方に開口させる開口部42を設け、前記開口部42を介して操作体を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成し、前記開口部42を閉鎖可能な蓋部5を軸筒2の後端部に着脱自在に設け、前記蓋部5に、少なくとも二個の係合部53A,53Bを設け、前記開口部42によって径方向に分割された軸筒2の後端部の各々に、前記係合部53A,53Bが係合可能な被係合部45A,45Bを設けたこと(請求項1)を要件とする。
【0006】
前記多芯筆記具1(請求項1)は、ユーザーが軸筒2内の筆記体6を取り外して好みの筆記体6に交換できると同時に、操作体7も、軸筒2内から取り外してその筆記体6に適正に対応したものに交換でき、筆記体6と操作体7との誤った連結を防止できる。仮に、操作体7が軸筒2内から取り外し交換できない構成の場合、交換できる筆記体6の種類は、軸筒2内に収容された操作体7に対応した筆記体6のみに限られ、ユーザーが好みの筆記体6を自由に交換できない。また、前記多芯筆記具1(請求項1)は、従来のような小さな部品の交換を必要とせず、迅速且つ確実な交換作業を行うことができる。
【0007】
また、前記多芯筆記具1(請求項1)は、蓋部5を軸筒2の後端部に着脱自在に設けたことにより、開口部42を確実に閉鎖することができる。もし、蓋部5が存在しない場合、開口部42を確実に閉鎖することが困難となる。特に、蓋部5が、少なくとも二個の係合部53A,53Bを備え、前記開口部42によって径方向に分割された軸筒2の後端部の各々が、前記係合部53A,53Bに係合可能な被係合部45A,45Bを備えることにより、係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bとからなる係合箇所が二箇所以上、存在するため、蓋部5を軸筒2の後端部に取り付け、前記二箇所以上の係合箇所で係合させると、蓋部5と軸筒2の後端部との安定した取付状態を十分に維持できる。もし、係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bからなる係合箇所が一箇所のみである場合、蓋部5を軸筒2の後端部に取り付け係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bを係合させた際、蓋部5がぐらついて、安定した取付状態を維持できないおそれがある。
【0008】
尚、前記多芯筆記具1(請求項1)において、各々の筆記体6は、軸筒2の後端の開口部42を介して交換してもよいし、あるいは、軸筒2の前方に開口する開口部42を設け、その開口部42を介して交換してもよい。前記軸筒2の後端の開口部42は、少なくとも、操作体7を軸筒2内から取り外す時及び操作体7を軸筒2内に挿入する時に開口していればよい。
【0009】
[2]また、本発明は、軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体6を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体6の後端に、各々の筆記体6に対応した操作体を連結し、軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体6のペン先を軸筒2の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先を軸筒2内に没入させる多芯筆記具であって、軸筒2の後端に、窓孔を後方に開口させる開口部42を設け、前記開口部42を介して操作体及び筆記体6を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成し、前記開口部42を閉鎖可能な蓋部5を軸筒2の後端部に着脱自在に設け、前記蓋部5に、少なくとも二個の係合部53A,53Bを設け、前記開口部42によって径方向に分割された軸筒2の後端部の各々に、前記係合部53A,53Bが係合可能な被係合部45A,45Bを設けたこと(請求項2)を要件とする。
【0010】
前記多芯筆記具1(請求項2)は、開口部42を介して操作体7及び筆記体6が軸筒2から取り外し交換可能となることにより、ユーザーが軸筒2内の筆記体6を取り外して好みの筆記体6に交換できると同時に、操作体7も、軸筒2内から取り外してその筆記体6に適正に対応したものに交換でき、筆記体6と操作体7との誤った連結を防止できる。仮に、操作体7が軸筒2内から取り外し交換できない構成の場合、交換できる筆記体6の種類は、軸筒2内に収容された操作体7に対応した筆記体6のみに限られ、ユーザーが好みの筆記体6を自由に交換できない。また、前記多芯筆記具1(請求項2)は、筆記体6及び操作体7の二つの部品を、同一箇所(即ち開口部42)を介して交換できるため、筆記体6及び操作体7の交換作業が単純になり、その交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。
【0011】
また、前記多芯筆記具1(請求項2)は、蓋部5を軸筒2の後端部に着脱自在に設けたことにより、開口部42を確実に閉鎖することができる。もし、蓋部5が存在しない場合、開口部42を確実に閉鎖することが困難となる。特に、蓋部5が、少なくとも二個の係合部53A,53Bを備え、前記開口部42によって径方向に分割された軸筒2の後端部の各々が、前記係合部53A,53Bに係合可能な被係合部45A,45Bを備えることにより、係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bとからなる係合箇所が二箇所以上、存在するため、蓋部5を軸筒2の後端部に取り付け、前記二箇所以上の係合箇所で係合させると、蓋部5と軸筒2の後端部との安定した取付状態を十分に維持できる。もし、係合部と被係合部からなる係合箇所が一箇所のみである場合、蓋部5を軸筒2の後端部に取り付け係合部と被係合部を係合させた際、蓋部5がぐらついて、安定した取付状態を維持できないおそれがある。
【0012】
尚、前記多芯筆記具1(請求項2)において、前記軸筒2の後端の開口部42は、少なくとも、操作体7を軸筒2内から取り外す時及び操作体7を軸筒2内に挿入する時に開口していればよい。
【0013】
[3]前記多芯筆記具1(請求項2)において、前記開口部42を介して筆記体6と操作体7とを連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したこと(請求項3)が好ましい。
【0014】
前記多芯筆記具1(請求項3)は、筆記体6及び操作体7を連結状態で、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成したことにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が、より一層、単純になり、いかなるユーザーでもその交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、前記多芯筆記具1(請求項3)は、筆記体6と操作体7とを連結状態でユーザーに提供すれば、ユーザーが、筆記体6と操作体7とを連結することが不要となり、筆記体6の交換の際、筆記体6とその筆記体6に対応した操作体7とを誤って連結することを、確実に防止できる。
【0015】
[4]前記多芯筆記具1(請求項1乃至3)において、前記蓋部5の前面に、没入状態の筆記体6の操作体が当接可能な当接壁部51を形成したこと(請求項4)が好ましい。
【0016】
前記多芯筆記具1(請求項4)は、操作体7の交換時に、蓋部5を開くことにより、当接壁部51を操作体7と当接する位置から移動させ、前記軸筒2後端の開口部42を十分に大きく開口でき、操作体7を軸筒2内から容易に取り外すことができる。もし、当接壁部51が軸筒2の後端に固定されて移動できない構成の場合、軸筒2後端の開口部42が窓孔41を後方に開口させるとしても、操作体7の交換時、開口部42の後方への開口量が不十分となり、開口部42から操作体7を容易に取り外すことが困難となるおそれがある。
【0017】
前記多芯筆記具1(請求項4)において、前記開閉自在の蓋部5は、少なくとも、開口部42の閉鎖時に当接壁部51が、操作部71と当接可能な適正な位置に配置されればよく、開口部42を完全に閉鎖する必要はない。また、前記蓋部5は、二箇所以上の係合箇所により軸筒2の後端部に安定して取り付けられるため、ペン先突出状態からペン先没入状態に移行した筆記体6の後端部の操作体7が、弾発体8の後方付勢力によって勢いよく当接壁部51に当接されても、蓋部5が容易に外れるおそれがない。もし、前記係合箇所が一箇所のみの場合、操作体と蓋部5の当接壁部51との衝止によって、蓋部5が外れるおそれがある。
【0018】
[5]前記多芯筆記具1(請求項1乃至4)において、前記各々の係合部53A,53Bを蓋部5の内面に設け、前記各々の被係合部45A,45Bを軸筒2の後端部の外面に設けたこと(請求項5)が好ましい。
【0019】
前記多芯筆記具1(請求項1乃至4)は、軸筒2の後端部が、前記窓孔41を後方に開口させる開口部42によって径方向に分割され、径方向外方に拡開変形し易いが、各々の係合部53A,53Bを蓋部5の径方向内面に設け、前記各々の被係合部45A,45Bを軸筒2の後端部の径方向外面に設けたこと(請求項5)により、前記軸筒2の後端部の径方向外方への拡開変形を防止できる。
【0020】
[6]前記多芯筆記具1(請求項4または5)において、前記当接壁部51を開口部42に挿入配置し、前記当接壁部51が開口部42内壁の内方変形を規制してなること(請求項6)が好ましい。
【0021】
前記多芯筆記具1(請求項4または5)は、蓋部5の径方向内面の係合部53A,53Bと軸筒2の後端部の外面の被係合部45A,45Bとを係合させた際、後端が開口した窓孔41によって径方向に分割された後軸4の後端部が、径方向内方に変形しやすいが、前記当接壁部51を開口部42に挿入配置し、前記当接壁部51が開口部42内壁の内方変形を規制してなること(請求項6)により、蓋部5の係合部53A,53Bを後軸4の後端部の被係合部45A,45Bに係合させた際、軸筒2の後端部が径方向内方へ変形することを十分に抑止できる。
【0022】
[7]前記多芯筆記具1(請求項1乃至6)において、前記軸筒2の内壁に弾発体の前端が軸方向に当接する弾発体支持部を設け、前記弾発体支持部に、弾発体の前端部を径方向に保持する保持部を形成したこと(請求項7)が好ましい。
【0023】
前記多芯筆記具1(請求項7)により、操作体7を軸筒2内から取り外すとき、弾発体8の前端部が保持部92により径方向に保持されているため、弾発体8が軸筒2内から外部に脱落することを防止できる。もし、弾発体8が軸筒2内から外部に脱落すると、新たな操作体7を挿入する際に再び弾発体8を挿入する手間を要し、その上、弾発体8が紛失するおそれがある。前記保持部92が弾発体8の前端部を保持する構成は、例えば、弾発体8の前端部外面を径方向内方に保持する構成、あるいは、弾発体8の前端部内面を径方向外方に保持する構成が挙げられる。
【0024】
[8]前記多芯筆記具1(請求項1乃至7)において、前記開口部42を開口した際、弾発体の後方への付勢によって各々の操作体が前記開口部42から外部に突出されること (請求項8)が好ましい。
【0025】
前記多芯筆記具1(請求項8)は、開口部42を開口した際、軸筒2後端の開口部42から後方に、各々の操作体7が突出状態にあるため、軸筒2後端の開口部42を下向きにしなくても、操作体7を容易に取り出すことができる。
【0026】
[9]前記多芯筆記具1(請求項1乃至8)において、前記各々の操作体7を、連結される筆記体6の内部に収容されたインキの色に着色したこと(請求項9)が好ましい。
【0027】
前記多芯筆記具1(請求項9)は、各々の操作体7が内部に収容されたインキの色と同じ色または略同じ色に着色され、ペン先突出操作する筆記体6のインキ色を、軸筒2の窓孔41から露出する操作部71により、容易に識別することができる。前記多芯筆記具1(請求項9)は、特に、開口部42を開口した際に開口部42から操作体7が突出状態にある場合(請求項8の場合)、取り外すべきインキ色の筆記体6に連結された操作体7を、開口部42から突出するその筆記体6の操作体7のインキ色を視認することにより、開口部42から容易に識別できる。また、前記着色された操作体7が連結された状態の筆記体6が、軸筒2内に収容する前の状態(即ち軸筒2の外部にある状態)の場合、筆記体6のインキ色を、操作体7を視認することによって、比較的遠くからでも容易に識別できる。
【0028】
[10]前記多芯筆記具1(請求項1乃至9)において、前記軸筒2の後端部の開口部42の内壁の両側に、操作体の側面の挿入時の向きを規制するガイド部421を設けたこと(請求項10)が好ましい。
【0029】
前記多芯筆記具1(請求項10)は、ガイド部421により、操作体7を不適正な向きで軸筒2内に挿入することを抑止できる。さらに、前記ガイド部421は、操作体7の操作部71が径方向外方に向いた状態でのみ、挿入可能な形状に設定することが好ましい。それにより、操作体7を、径方向の内と外の向きを逆向き(即ち操作体7の操作部71が内方に向いた状態)で挿入した場合、操作体7が開口部42から軸筒2内に挿入不能となり、操作体7の誤った組み付けを防止できる。
【0030】
[11]前記多芯筆記具1(請求項1乃至10)において、前記蓋部5が、本体52と、該本体52より前方に突出する少なくとも2本の脚片とを備え、前記各々の脚片の径方向内面に係合部53A,53Bを形成し、一方、前記軸筒2の後端部の各々の側壁の径方向外面に、前記係合部53A,53Bと軸方向に乗り越え係合可能な被係合部45A,45Bを形成したこと(請求項11)が好ましい。
【0031】
前記多芯筆記具1(請求項11)は、少なくとも2本の脚片の各々に係合部53A,53Bを設け、前記係合部53A,53Bに乗り越え係合可能な被係合部45A,45Bを、窓孔41相互間の軸筒2の後端部側壁に設けたことにより、蓋部5を軸筒2の後端から後方に大きく突出させる必要がない。
【0032】
[12]前記多芯筆記具1(請求項1乃至10)において、前記蓋部5が、本体52と、該本体52より前方に突出する少なくとも2本の脚片とを備え、前記各々の脚片の径方向内面に係合部53A,53Bを形成し、一方、前記軸筒2の後端の開口部42の両側に、前記係合部53A,53Bと径方向にスライド係合可能な被係合部45A,45Bを形成したこと(請求項11)が好ましい。
【0033】
前記多芯筆記具1(請求項12)は、係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bの係合量(例えば、突出部の高さ、溝部の深さ)を大きく設定でき、より一層、安定した係合状態を維持できる。
【0034】
[13]前記多芯筆記具1(請求項1乃至10)において、前記蓋部5が、本体52と、前記本体52の径方向の両側に形成した2個の係合部53A,53Bとを備え、一方、前記軸筒2の後端の開口部42の両側に、被係合部45A,45Bを形成し、前記係合部53A,53Bと前記被係合部45A,45Bが、軸筒2の後端部に対して蓋部5を周方向に回転させることにより係合可能であること(請求項13)が好ましい。
【0035】
前記多芯筆記具1(請求項13)は、係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bの係合量(例えば、突出部の高さ、溝部の深さ)を大きく設定でき、より一層、安定した係合状態を維持できる。
【0036】
尚、本発明で、筆記体6に対応した操作体7とは、筆記体6に対応した識別表示を有する操作体7であることが好ましい。前記識別表示は、例えば、インキ色表示、ペン先サイズの表示、筆跡幅の表示、ペン先種類の表示等が挙げられる。また、本発明で、筆記体6とは、例えば、ボールペン、マーキングペン、シャープペンシル等が挙げられる。尚、本発明で、軸筒2は、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31を備えた前軸3と、側壁に窓孔41を備え且つ後端に開口部42を備える後軸4とからなる構成でもよい。また、前記前軸3に対して前記後軸4が前後方向に移動可能に構成し、筆記体6としてシャープペンシルを採用し、前記後軸4の前進により鉛芯の繰り出しを可能にできる。また、本発明で、軸筒2内に収容する筆記体6の本数は、2本以上であればよく、具体的には、2本、3本、4本、5本、6本等が挙げられる。
【発明の効果】
【0037】
請求項1の多芯筆記具によれば、ユーザーが好みの筆記体に交換できると同時に、操作体も、筆記体に適正に対応したものに交換でき、筆記体と操作体との誤った連結を防止できる。また、従来のような小さな部品の交換を必要とせず、迅速且つ確実な交換作業を行うことができる。また、蓋部を軸筒の後端部に着脱自在に設けたことにより、開口部を確実に閉鎖することができる。また、また、係合部と被係合部とからなる係合箇所が二箇所以上に存在するため、蓋部と軸筒の後端部との安定した取付状態を十分に維持できる。
【0038】
請求項2の多芯筆記具によれば、開口部を介して操作体及び筆記体が交換可能となり、ユーザーが好みの筆記体に交換できると同時に、操作体も、筆記体に適正に対応したものに交換でき、筆記体と操作体との誤った連結を防止できる。また、筆記体及び操作体の交換作業が単純になり、その交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、蓋部を軸筒の後端部に着脱自在に設けたことにより、開口部を確実に閉鎖することができる。また、係合部と被係合部とからなる係合箇所が二箇所以上に存在するため、蓋部と軸筒の後端部との安定した取付状態を十分に維持できる。
【0039】
請求項3の多芯筆記具によれば、筆記体及び操作体の交換作業が、より一層、単純になり、いかなるユーザーでもその交換作業を迅速且つ確実に行うことができる。また、筆記体と操作体とを連結状態でユーザーに提供すれば、ユーザーが、筆記体と操作体とを連結することが不要となり、筆記体の交換の際、筆記体とその筆記体に対応した操作体とを誤って連結することを、確実に防止できる。
【0040】
請求項4の多芯筆記具によれば、操作体の交換時に、軸筒後端の開口部を十分に大きく開口でき、操作体を軸筒内から容易に取り外すことができる。また、ペン先突出状態からペン先没入状態に移行した筆記体の後端部の操作体が、弾発体の後方付勢力によって勢いよく当接壁部に当接されても、蓋部が容易に外れるおそれがない。
【0041】
請求項5の多芯筆記具によれば、前記軸筒の後端部の径方向外方への拡開変形を防止できる。
【0042】
請求項6の多芯筆記具によれば、蓋部の係合部を後軸の後端部に被係合部に係合させた際、軸筒の後端部が径方向内方へ変形することを十分に抑止できる。
【0043】
請求項7の多芯筆記具によれば、弾発体が軸筒内から外部に脱落することを防止できる。
【0044】
請求項8の多芯筆記具によれば、開口部を開口した際、軸筒後端の開口部を下向きにしなくても、操作体を容易に取り出すことができる。
【0045】
請求項9の多芯筆記具によれば、ペン先突出操作する筆記体のインキ色を、軸筒の窓孔から露出する操作部により、容易に識別することができる。
【0046】
請求項10の多芯筆記具によれば、ガイド部により、操作体を不適正な向きで軸筒内に挿入することを抑止できる。
【0047】
請求項11の多芯筆記具によれば、蓋部を軸筒の後端から後方に大きく突出させる必要がない。
【0048】
請求項12の多芯筆記具によれば、係合部と被係合部の係合量を大きく設定でき、より一層、安定した係合状態を維持できる。
【0049】
請求項13の多芯筆記具によれば、係合部と被係合部の係合量を大きく設定でき、より一層、安定した係合状態を維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
[第1の実施の形態]
図1乃至図9に本発明の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
【0051】
(軸筒)
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
【0052】
前記後軸4の後部の側壁には、複数本(具体的には2本)の前後方向に延びる細長状の窓孔41が、径方向に貫設される。前記2本の窓孔41は、互いに、軸線に対して対称の位置に形成される。また、前記後軸4の後端部には、軸方向に貫通し且つ径方向外方に開口する開口部42が形成される。前記開口部42は、後軸4の後端(即ち軸筒2の後端)において窓孔41と連通され、それにより、窓孔41後端が後方に開口されている。一方、前記窓孔41の前端は常時閉鎖されている。
【0053】
前記後軸4の後端部(軸筒2の後端部)の側壁は、前記後端が後方に開口された2本の窓孔41により、径方向に2分割される。また、前記径方向に2分割された後軸4の後端部の側壁の各々の外周面には、外向突起よりなる被係合部45A,45Bが一体に形成される。前記2個の被係合部45A,45Bは、軸線に対して互いに対称位置に設けられる。
【0054】
前記開口部42の両側の内壁には、操作体7の側面の挿入時の径方向の向きを規制するガイド部421が形成される。さらに、前記ガイド部421には、操作体7の抜け止め突起76が挿入可能な凹部421aが形成される。
【0055】
また、前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁内面には、前後方向に延びるリブよりなる係止壁部43が形成され、前記係止壁部43に、ペン先61が突出した際の筆記体6の操作体7の後端が係止される。
【0056】
前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁外面には、クリップ44が設けられる。前記一つの被係合部45Aは、後軸4の側壁外面のクリップ44の基部の真後ろに設けられ、前記もう一つの被係合部45Bは、前記被係合部45Aと軸線に対して対称位置(即ちクリップ44と径方向の反対側)の後軸4の側壁外面に設けられる。
【0057】
(蓋部)
前記後軸4の後端部には、前記開口部42を閉鎖可能な蓋部5が着脱自在に軸方向に乗り越え係合される。前記蓋部5は、円板状の本体52と、前記本体52より前方に突出する2本の脚片と、前記本体52の中央に形成され且つ前方に突出される凸部よりなる当接壁部51とからなる。前記蓋部5は、合成樹脂(例えばポリプロピレン等)の射出成形により一体に形成される。
【0058】
さらに、前記脚片の各々には、径方向に貫通する係合孔(即ち係合部53A,53B)が形成される。前記2個の係合部53A,53Bは、前記後軸4の後端部側壁外面の2個の被係合部45A,45Bと乗り越え係合可能である。尚、本実施の形態では、前記2本の脚片は、互いに軸方向の長さが異なり、クリップ側の脚片よりもクリップ反対側の脚片の軸方向の長さが長く設定されているが、軸方向の長さは同じであってもよい。また、係合孔は、径方向に貫通していなくてもよく、これ以外にも、例えば、脚片の径方向内面に形成される窪み部であってもよい。
【0059】
前記蓋部5を後軸4の後端部に取り付けた際(即ち係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bとを乗り越え係合した際)、前記当接壁部51は、ガイド部421内に挿入されるとともに、没入状態の筆記体6の後端に連結された各々の操作体7の後端と衝止する。また、前記蓋部5を後軸4の後端部に取り付けた際、前記当接壁部51の外周面は、開口部42内壁(ガイド部421)に圧接される。それにより、蓋部5の係合部53A,53Bと後軸4の後端部の外面の被係合部45A,45Bとが乗り越え係合した際、後端が開口した窓孔41によって径方向に分割された後軸4の後端部が、径方向内方へ変形することを抑止できる。
【0060】
(筆記体)
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
【0061】
また、前記ボールペンチップは、前端に回転可能に抱持されたボールを弾発体等により前方に付勢し、前端縁部の内面にボールを密接させる構成でもよい。また、ボールペンチップは、インキ収容管62の前端開口部に圧入等により直接、取り付けてもよいが、本実施の形態ではペン先ホルダーを介してインキ収容管62の前端開口部に固着される。
【0062】
(操作体)
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる前側突出部72と、該操作部71の反対側の前側突出部72の後方に設けられる後側突出部73と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。前記嵌入部74は、インキ収容管62の後端開口部に嵌入された際、インキ収容管62の後端開口部を完全には塞がず、インキ収容管62の内部と外部とを通気可能にする。また、前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。また、前記操作体7の両方の側壁には抜け止め突起76が形成される。前記抜け止め突起76は窓孔41の両方の側壁内面に係合可能である。
【0063】
筆記体6のペン先61が没入状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、蓋部5の前面に形成された当接壁部51に衝止される。一方、筆記体6のペン先61が突出状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、軸筒2の内壁に形成された係止壁部43に係止される。
【0064】
ペン先没入状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7の前側突出部72は、その操作体7の操作部71を前方にスライド操作した際、先に突出状態にある他の筆記体6の後端に連結された操作体7の後側突出部73と当接され、他の筆記体6の突出状態が解除される。
【0065】
(識別表示)
前記各々の操作体7は、連結される筆記体6の内部(即ちインキ収容管62内部)に収容されたインキの色と略同じ色に着色される。具体的には、前記操作体7の各々は、連結される筆記体6のインキ色と略同じ色に着色された合成樹脂の成形体からなる。それにより、前記操作体7は、インキ色表示からなる識別表示を有する。例えば、インキ色が黒色の筆記体6に連結する操作体7は黒色に着色され、インキ色が青色の筆記体6に連結する操作体7は青色に着色され、インキ色が赤色の筆記体6に連結する操作体7は赤色に着色され、インキ色が緑色の筆記体6に連結する操作体7は緑色に着色される。本実施の形態では、インキ色の互いに異なる2本の筆記体6を軸筒2内に収容している。
【0066】
特に、インキ収容管62が不透明材料からなる構成の場合またはインキ収容管62が透明材料からなるとともに内部のインキが染料インキである構成の場合、内部のインキ色を外部より視認することが困難であるが、操作体7をインキの色と略同じ色に着色したことが有効に作用し、軸筒2外部に存在する交換前の筆記体6において、内部のインキ色を外部より容易に識別できる。
【0067】
また、各々の筆記体6がペン先61のボールのサイズが互いに異なるボールペンの場合、ペン先61のボールの外径寸法を表す数字よりなる識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、各々の筆記体6がペン先61の形状が互いに異なる筆記具の場合、ペン先61の形状に対応した識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、前記ペン先61のボールの外径寸法を表す数字からなる識別表示、及びペン先61の形状に対応した識別表示は、前記インキ色に着色された操作体7の操作部71に設けることもできる。前記識別表示は、印刷、シール貼付、凸設、凹設等の手段により、操作体7に設けられる。
【0068】
(弾発体支持部)
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状の弾発体支持部9が設けられる。前記弾発体支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿されるとともに、各々の弾発体8の前端は弾発体支持部9の後面により係止され、各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。
【0069】
また、弾発体支持部9の後面の各々の内孔91の周囲には、後方に突出する筒状突出部よりなる保持部92が形成される。前記各々の保持部92の内面は、各々の弾発体8の前端部外面が圧入保持される。それにより、各々の筆記体6及び操作体7を交換する際、軸筒2内から開口部42を通して各々の弾発体8が脱落することを防止できる。
【0070】
前記各々の弾発体8は、各々の操作体7(即ち各々の筆記体6)を、常時、後方に付勢している。前記各々の弾発体8は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても圧縮状態(即ち筆記体6が後方に付勢された状態)にあり、それにより、各々の操作体7の前後のがたつきが防止される。
【0071】
(ペン先の出没)
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する。
一つの操作体7の操作部71を弾発体8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体7の前側突出部72が、先に突出状態にある他の筆記体6の操作部71の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6が弾発体8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作部71の後端が蓋部5の前面の当接壁部51に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
【0072】
(筆記体及び操作体の交換)
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図8参照)から、蓋部5の係合部53A,53Bと軸筒2の後端部の被係合部45A,45Bとの係合状態を解除し、蓋部5を軸筒2の後端部から後方に取り外すことにより、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、弾発体8の後方付勢により後方外部に突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態(図9参照)で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を、前記開口部42を介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を介して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5の当接壁部51に各々の操作体7を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら前記蓋部5の2個の係合部53A,53Bと軸筒2の後端部の2個の被係合部45A,45Bとを、軸方向に乗り越え係合させ、それにより、蓋部5を軸筒2の後端部に取り付け、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
【0073】
[第2の実施の形態]
図10乃至図17に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
【0074】
(軸筒)
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
【0075】
前記後軸4の後部の側壁には、複数本(具体的には2本)の前後方向に延びる細長状の窓孔41が、径方向に貫設される。前記2本の窓孔41は、互いに、軸線に対して対称の位置に形成される。また、前記後軸4の後端部には、軸方向に貫通し且つ径方向外方に開口する開口部42が形成される。前記開口部42は、後軸4の後端(即ち軸筒2の後端)において窓孔41と連通され、それにより、窓孔41後端が後方に切り欠かれ後方に開口されている。一方、前記窓孔41の前端は常時閉鎖されている。
【0076】
前記後軸4の後端部(軸筒2の後端部)の側壁は、前記後端が後方に開口された窓孔41により、径方向に分割される。また、前記径方向に分割された後軸4の後端部の各々の後端面には、開口部42の両側に、互いに平行であり且つ径方向に延設された2本の突条が一体に形成される。前記2本の突条の各々の外面には、係合溝(即ち被係合部45A,45B)が、突条の延設方向と同一方向に形成される。
【0077】
前記開口部42の両側の内壁には、操作体7の側面の挿入時の径方向の向きを規制するガイド部421が形成される。さらに、前記ガイド部421には、操作体7の抜け止め突起76が挿入可能な凹部421aが形成される。
【0078】
また、前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁内面には、前後方向に延びるリブよりなる係止壁部43が形成され、前記係止壁部43に、ペン先61が突出した際の筆記体6の操作体7の後端が係止される。
【0079】
前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁外面には、クリップ44が設けられる。前記一方の被係合部45Aは、後軸4の側壁外面のクリップ44の基部の真後ろに設けられ、前記他方の被係合部45Bは、前記被係合部45Aと軸線に対して対称位置(即ちクリップ44と径方向の反対側)の後軸4の側壁外面に設けられる。
【0080】
(蓋部)
前記後軸4の後端部には、前記開口部42を閉鎖可能な蓋部5が、径方向に対して垂直方向に着脱自在にスライド係合される。前記蓋部5は、円板状の本体52と、前記本体52より前方に突出する2本の脚片と、前記本体52の中央に形成され且つ前方に突出される凸部よりなる当接壁部51とからなる。前記蓋部5は、合成樹脂(例えばポリプロピレン等)の射出成形により一体に形成される。
【0081】
さらに、前記脚片の各々の内面には径方向に延びる突条(即ち係合部53A,53B)が形成される。前記2本の突条よりなる係合部53A,53Bは、前記後軸4の後端面の2個の係合溝よりなる被係合部45A,45Bと軸線に対して垂直方向(即ち径方向)にスライド係合が可能である。
【0082】
前記蓋部5を後軸4の後端部に取り付けた際(即ち係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bとがスライド係合した際)、前記当接壁部51は、ガイド部421内に挿入されるとともに、没入状態の筆記体6の後端に連結された各々の操作体7の後端と衝止する。また、前記蓋部5を後軸4の後端部に取り付けた際、前記当接壁部51の外周面は、開口部42内壁(ガイド部421)に圧接される。それにより、蓋部5の係合部53A,53Bと後軸4の後端部の被係合部45A,45Bとがスライド係合した際、後端が開口した窓孔41によって径方向に分割された後軸4の後端部が、径方向内方へ変形することを抑止できる。
【0083】
(筆記体)
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
【0084】
また、前記ボールペンチップは、前端に回転可能に抱持されたボールを弾発体等により前方に付勢し、前端縁部の内面にボールを密接させる構成でもよい。また、ボールペンチップは、インキ収容管62の前端開口部に圧入等により直接、取り付けてもよいが、本実施の形態ではペン先ホルダーを介してインキ収容管62の前端開口部に固着される。
【0085】
(操作体)
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる前側突出部72と、該操作部71の反対側の前側突出部72の後方に設けられる後側突出部73と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。前記嵌入部74は、インキ収容管62の後端開口部に嵌入された際、インキ収容管62の後端開口部を完全には塞がず、インキ収容管62の内部と外部とを通気可能にする。また、前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。また、前記操作体7の両方の側壁には抜け止め突起76が形成される。前記抜け止め突起76は窓孔41の両方の側壁内面に係合可能である。
【0086】
筆記体6のペン先61が没入状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、蓋部5の前面に形成された当接壁部51に衝止される。一方、筆記体6のペン先61が突出状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、軸筒2の内壁に形成された係止壁部43に係止される。
【0087】
ペン先没入状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7の前側突出部72は、その操作体7の操作部71を前方にスライド操作した際、先に突出状態にある他の筆記体6の後端に連結された操作体7の後側突出部73と当接され、他の筆記体6のペン先突出状態が解除される。
【0088】
(識別表示)
前記各々の操作体7は、連結される筆記体6の内部(即ちインキ収容管62内部)に収容されたインキの色と略同じ色に着色される。具体的には、前記操作体7の各々は、連結される筆記体6のインキ色と略同じ色に着色された合成樹脂の成形体からなる。それにより、前記操作体7は、インキ色表示からなる識別表示を有する。例えば、インキ色が黒色の筆記体6に連結する操作体7は黒色に着色され、インキ色が青色の筆記体6に連結する操作体7は青色に着色され、インキ色が赤色の筆記体6に連結する操作体7は赤色に着色され、インキ色が緑色の筆記体6に連結する操作体7は緑色に着色される。本実施の形態では、インキ色の互いに異なる2本の筆記体6を軸筒2内に収容している。
【0089】
また、各々の筆記体6がペン先61のボールのサイズが互いに異なるボールペンの場合、ペン先61のボールの外径寸法を表す数字よりなる識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、各々の筆記体6がペン先61の形状が互いに異なる筆記具の場合、ペン先61の形状に対応した識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、前記ペン先61のボールの外径寸法を表す数字からなる識別表示、及びペン先61の形状に対応した識別表示は、前記インキ色に着色された操作体7の操作部71に設けることもできる。前記識別表示は、印刷、シール貼付、凸設、凹設等の手段により、操作体7に設けられる。
【0090】
(弾発体支持部)
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状の弾発体支持部9が設けられる。前記弾発体支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿されるとともに、各々の弾発体8の前端は弾発体支持部9の後面により係止され、各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。
【0091】
また、弾発体支持部9の後面の各々の内孔91の周囲には、後方に突出する筒状突出部よりなる保持部92が形成される。前記各々の保持部92の内面は、各々の弾発体8の前端部外面が圧入保持される。それにより、各々の筆記体6及び操作体7を交換する際、軸筒2内から開口部42を通して各々の弾発体8が脱落することを防止できる。
【0092】
前記各々の弾発体8は、各々の操作体7(即ち各々の筆記体6)を、常時、後方に付勢している。前記各々の弾発体8は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても圧縮状態(即ち筆記体6が後方に付勢された状態)にあり、それにより、各々の操作体7の前後のがたつきが防止される。
【0093】
(ペン先の出没)
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する。
一つの操作体7の操作部71を弾発体8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体7の前側突出部72が、先に突出状態にある他の筆記体6の操作部71の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6が弾発体8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作部71の後端が蓋部5の前面の当接壁部51に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
【0094】
(筆記体及び操作体の交換)
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図16参照)から、蓋部5の係合部53A,53Bと軸筒2の後端部の被係合部45A,45Bとの係合状態を解除し、蓋部5を軸筒2の後端部から径方向にスライドさせて取り外すことにより、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、弾発体8の後方付勢により後方外部に突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態(図17参照)で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を、前記開口部42を介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を介して軸筒2内に挿入する。そして、前記蓋部5の2個の係合部53A,53Bと軸筒2の後端部の2個の被係合部45A,45Bとを、径方向にスライド係合させ、それにより、蓋部5を軸筒2の後端部に取り付け、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
【0095】
[第3の実施の形態]
図18乃至図27に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
【0096】
(軸筒)
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
【0097】
前記後軸4の後部の側壁には、複数本(具体的には2本)の前後方向に延びる細長状の窓孔41が、径方向に貫設される。前記2本の窓孔41は、互いに、軸線に対して対称の位置に形成される。また、前記後軸4の後端部には、軸方向に貫通し且つ径方向外方に開口する開口部42が形成される。前記開口部42は、後軸4の後端(即ち軸筒2の後端)において窓孔41と連通され、それにより、窓孔41後端が後方に切り欠かれ後方に開口されている。一方、前記窓孔41の前端は常時閉鎖されている。
【0098】
前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁外面には、クリップ44が設けられる。前記クリップ44の基部より後方には、後方突出部が一体に形成される。前記後方突出部は、後軸4の後端面より後方に突出される。前記後方突出部の径方向内面には、内向突起よりなる一つの被係合部45Aが形成される。
【0099】
前記後軸4の後端部(軸筒2の後端部)の側壁は、前記後端が後方に開口された窓孔41により、径方向に2分割される。前記径方向に2分割された後軸4の後端部のクリップ44反対側の後端面には、後方に突出する棒状部(被係合部45B)が一体に形成される。前記棒状部(被係合部45B)の径方向内面には係合溝が形成される。
【0100】
前記開口部42の両側の内壁には、操作体7の側面の挿入時の径方向の向きを規制するガイド部421が形成される。さらに、前記ガイド部421には、操作体7の抜け止め突起76が挿入可能な凹部421aが形成される。
【0101】
また、前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁内面には、前後方向に延びるリブよりなる係止壁部43が形成され、前記係止壁部43に、ペン先61が突出した際の筆記体6の操作体7の後端が係止される。
【0102】
(蓋部)
前記後軸4の後端部に、前記開口部42を閉鎖可能な蓋部5が、周方向に回転操作することにより係合される。前記蓋部5は、円板状の本体52と、前記本体52より径方向外方に突出される外向突起(係合部53A)と、前記外向突起(係合部53A)の径方向の反対側の本体52に形成される内孔(係合部53B)と、本体52の前面中央に形成される当接壁部51とからなる。前記内孔(係合部53B)は、軸方向に貫設され且つ円弧状に延設される。前記当接壁部51は前方に突出する円柱状凸部よりなる。前記蓋部5は、合成樹脂(例えばポリプロピレン等)の射出成形により一体に形成される。
【0103】
さらに、前記外向突起(係合部53A)の後面には、前記内向突起(被係合部45A)と係合可能な係合凹部が形成される。一方、前記内孔(係合部53B)の内面の周方向の一端には、内向突起が形成される。前記内孔(係合部53B)の内面の内向突起は、軸筒2の後端面の棒状部(被係合部45B)の係合溝と係合可能である。前記棒状部(被係合部45B)は前記内孔(係合部53B)の周方向の他端から挿入可能であり、蓋部5の本体52を周方向に僅かに回転操作(即ちひねり操作)すると、棒状部(被係合部45B)の係合溝が、内孔(係合部53B)の内面の周方向の一端の内向突起と係合される。
【0104】
前記蓋部5を後軸4の後端部に取り付けた際(即ち二箇所の係合部53A,53Bと被係合部45A,45Bとが互いに係合した際)、前記当接壁部51は、開口部42の中央を塞ぐ位置に配置され、軸筒2の後端面に当接される。
【0105】
(筆記体)
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
【0106】
また、前記ボールペンチップは、前端に回転可能に抱持されたボールを弾発体等により前方に付勢し、前端縁部の内面にボールを密接させる構成でもよい。また、ボールペンチップは、インキ収容管62の前端開口部に圧入等により直接、取り付けてもよいが、本実施の形態ではペン先ホルダーを介してインキ収容管62の前端開口部に固着される。
【0107】
(操作体)
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる前側突出部72と、該操作部71の反対側の前側突出部72の後方に設けられる後側突出部73と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。前記嵌入部74は、インキ収容管62の後端開口部に嵌入された際、インキ収容管62の後端開口部を完全には塞がず、インキ収容管62の内部と外部とを通気可能にする。また、前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。また、前記操作体7の両方の側壁には抜け止め突起76が形成される。前記抜け止め突起76は窓孔41の両方の側壁内面に係合可能である。
【0108】
筆記体6のペン先61が没入状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、蓋部5の前面に形成された当接壁部51に衝止される。一方、筆記体6のペン先61が突出状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、軸筒2の内壁に形成された係止壁部43に係止される。
【0109】
ペン先没入状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7の前側突出部72は、その操作体7の操作部71を前方にスライド操作した際、先に突出状態にある他の筆記体6の後端に連結された操作体7の後側突出部73と当接され、他の筆記体6の突出状態が解除される。
【0110】
(識別表示)
前記各々の操作体7は、連結される筆記体6の内部(即ちインキ収容管62内部)に収容されたインキの色と略同じ色に着色される。具体的には、前記操作体7の各々は、連結される筆記体6のインキ色と略同じ色に着色された合成樹脂の成形体からなる。それにより、前記操作体7は、インキ色表示からなる識別表示を有する。例えば、インキ色が黒色の筆記体6に連結する操作体7は黒色に着色され、インキ色が青色の筆記体6に連結する操作体7は青色に着色され、インキ色が赤色の筆記体6に連結する操作体7は赤色に着色され、インキ色が緑色の筆記体6に連結する操作体7は緑色に着色される。本実施の形態では、インキ色の互いに異なる2本の筆記体6を軸筒2内に収容している。
【0111】
また、各々の筆記体6がペン先61のボールのサイズが互いに異なるボールペンの場合、ペン先61のボールの外径寸法を表す数字よりなる識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、各々の筆記体6がペン先61の形状が互いに異なる筆記具の場合、ペン先61の形状に対応した識別表示を、操作体7の操作部71に設けることが好ましい。また、前記ペン先61のボールの外径寸法を表す数字からなる識別表示、及びペン先61の形状に対応した識別表示は、前記インキ色に着色された操作体7の操作部71に設けることもできる。前記識別表示は、印刷、シール貼付、凸設、凹設等の手段により、操作体7に設けられる。
【0112】
(弾発体支持部)
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状の弾発体支持部9が設けられる。前記弾発体支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿されるとともに、各々の弾発体8の前端は弾発体支持部9の後面により係止され、各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。
【0113】
また、弾発体支持部9の後面の各々の内孔91の周囲には、後方に突出する筒状突出部よりなる保持部92が形成される。前記各々の保持部92の内面は、各々の弾発体8の前端部外面が圧入保持される。それにより、各々の筆記体6及び操作体7を交換する際、軸筒2内から開口部42を通して各々の弾発体8が脱落することを防止できる。
【0114】
前記各々の弾発体8は、各々の操作体7(即ち各々の筆記体6)を、常時、後方に付勢している。前記各々の弾発体8は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても圧縮状態(即ち筆記体6が後方に付勢された状態)にあり、それにより、各々の操作体7の前後のがたつきが防止される。
【0115】
(ペン先の出没)
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する。
一つの操作体7の操作部71を弾発体8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体7の前側突出部72が、先に突出状態にある他の筆記体6の操作部71の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6が弾発体8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作部71の後端が蓋部5の前面の当接壁部51に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
【0116】
(筆記体及び操作体の交換)
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図26参照)から、蓋部5の係合部53A,53Bと軸筒2の後端部の被係合部45A,45Bとの係合状態を解除し、蓋部5を軸筒2の後端部から周方向に回転させて取り外すことにより、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、弾発体8の後方付勢により後方外部に突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態(図27参照)で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を、前記開口部42を介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を介して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5を軸筒2の後端に当接させて周方向に回転させることにより、前記蓋部5の2個の係合部53A,53Bと軸筒2の後端部の2個の被係合部45A,45Bとを係合させ、それにより、蓋部5を軸筒2の後端部に取り付け、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の多芯筆記具の第1の実施の形態の全ペン先没入状態(非筆記時)を示す縦断面図である。
【図2】図1の多芯筆記具の一つのペン先が突出した状態(筆記時)を示す縦断面図である。
【図3】図1の多芯筆記具の後端部の操作体を省略したA−A線拡大断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】図3のC−C線断面図である。
【図6】図3のD−D線断面図である。
【図7】図3のE−E線断面図である。
【図8】図1の多芯筆記具の後端の開口部を閉鎖した状態を示す側面図である。
【図9】図1の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す側面図である。
【図10】本発明の多芯筆記具の第2の実施の形態の全ペン先没入状態(非筆記時)を示す縦断面図である。
【図11】図10の多芯筆記具の一つのペン先が突出した状態(筆記時)を示す縦断面図である。
【図12】図10の多芯筆記具の後端部の操作体を省略したF−F線拡大断面図である。
【図13】図12のG−G線断面図である。
【図14】図12のH−H線断面図である。
【図15】図12のI−I線断面図である。
【図16】図10の多芯筆記具の後端の開口部を閉鎖した状態を示す側面図である。
【図17】図10の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す側面図である。
【図18】本発明の多芯筆記具の第3の実施の形態の全ペン先没入状態(非筆記時)を示す縦断面図である。
【図19】図18の多芯筆記具の一つのペン先が突出した状態(筆記時)を示す縦断面図である。
【図20】図18の多芯筆記具の後端部の操作体を省略したJ−J線拡大断面図である。
【図21】図20のK−K線断面図である。
【図22】図20のL−L線断面図である。
【図23】図20のM−M線断面図である。
【図24】図20のN−N線断面図である。
【図25】図20のO−O線断面図である。
【図26】図18の多芯筆記具の後端の開口部を閉鎖した状態を示す側面図である。
【図27】図18の多芯筆記具の後端の開口部を開口した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0118】
1 多芯筆記具
2 軸筒
3 前軸
31 前端孔
4 後軸
41 窓孔
42 開口部
421 ガイド部
421a 凹部
43 係止壁部
44 クリップ
45A 被係合部
45B 被係合部
5 蓋部
51 当接壁部
52 本体
53A 係合部
53B 係合部
6 筆記体
61 ペン先(ボールペンチップ)
62 インキ収容管
7 操作体
71 操作部
72 前側突出部
73 後側突出部
74 嵌入部
75 鍔部
76 抜け止め突起
8 弾発体
9 弾発体支持部
91 内孔
92 保持部




 

 


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