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発明の名称 塗布具及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−144978(P2007−144978A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2006−126686(P2006−126686)
出願日 平成18年4月28日(2006.4.28)
代理人
発明者 玉井 淳 / 和田 直樹
要約 課題

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
内部に液体を収容する容器内に接続部材を圧入固定する塗布具において、前記容器内に圧入固定された接続部材が合成樹脂材料の成形品であると共に、そのガラス転移温度が容器のガラス転移温度未満である塗布具。
【請求項2】
前記容器内に収容されている液体が、前記容器内に直接自由状態で充填されている請求項1に記載の塗布具。
【請求項3】
前記容器内に収容されている液体が、少なくとも高揮発性溶剤を含有する請求項1又は請求項2に記載の塗布具。
【請求項4】
前記容器内に収容されている液体が、主媒体としてのメチルシクロヘキサンと白色顔料とから少なくともなると共に、前記容器に、このインキの加圧手段を設け、該加圧手段が該液体の塗布部よりの吐出支援をなす請求項1乃至請求項3に記載の塗布具。
【請求項5】
前記加圧手段が、容器内に封入した圧縮気体である請求項4に記載の塗布具。
【請求項6】
前記容器及び/または接続部材が、内部に収容されている液体の存在を外部から視認可能とする透明若しくは半透明の合成樹脂成形品である請求項1乃至請求項5に記載の塗布具。
【請求項7】
前記容器の材質が主にポリエチレンナフタレートであり、前記接続部材の材質が主にポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗布具。
【請求項8】
前記接続部材を、該接続部材のガラス転移温度以上、前記容器のガラス転移温度未満の温度で加熱しながら、前記容器内に圧入固定する請求項1乃至請求項7に記載の塗布具の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インキを収容する容器内に、塗布部、塗布部が接続された継ぎ手部材、尾栓などの接続部材を圧入固定する塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
インキや化粧液などの内溶液を収容する容器に、塗布部、塗布部が接続された継ぎ手部材、尾栓などの接続部材を接続する場合、塗布具の品質を維持するために、これらの取り付けられる部材と容器との液密性及び、気密性、接続部材の容器からの抜け強度などを確保する必要がある。
【0003】
例えば、合成樹脂の射出成形品または押出成形品の容器に塗布部を直接または継ぎ手部材を介して圧入固定し、内部にインキ及び圧縮気体を封入したもの(特許文献1参照)などが知られている。
【特許文献1】特開平2004−174940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような塗布具の容器内に、塗布部または継ぎ手部材を圧入したとき、その直後この圧入部分には、圧入によって容器内から容器を拡径しようとする応力が生じる。そのため、圧入力の程度によってはクラックを生じてしまう。この容器のクラックを生じた部分は、クラックが生じていない部分よりも肉厚が薄くなってしまうことになるので、容器内のインキが蒸発して減量し易くなる。また、肉厚が薄いことで、他の部分よりも耐久性が低下しているため、落下等の衝撃により、クラック部分が完全に裂け、インキや圧縮気体が外部へ流出して、容器内の圧力低下を招き、圧縮気体がインキの吐出支援を果たせず、塗布時のカスレやインキの吐出不良を引き起こしてしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、内部に液体を収容する容器内に接続部材を圧入固定する塗布具において、前記容器内に圧入固定された接続部材が合成樹脂材料の成形品であると共に、そのガラス転移温度が容器のガラス転移温度未満である塗布具を要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
樹脂はガラス転移温度に近づく程、応力に対して変形し易くなる。したがって、ガラス転移温度が低い樹脂ほど、ガラス転移温度が高い樹脂に比べて応力に対して変形し易い。本発明では、内部に液体が収容される容器に、該容器のガラス転移温度未満の合成樹脂材料の成形品である接続部材が圧入固定されているので、圧入固定によって生じた応力は、応力に対して変形し易い接続部材へ付与される。接続部材は、容器との圧入固定位置に対して内側にあるため、応力は接続部材を縮径する方向へ付与し、応力が容器を拡径する方向へ付与することが抑えられ、応力による容器材料の分子間の隔離が発生しないため、クラック発生によるインキ減量などの諸問題を解消し得る。
【0007】
また、容器内に接続部材を、接続部材のガラス転移温度以上、容器のガラス転移温度未満の温度で加熱することにより、容器よりも接続部材を極端に変形し易い状態にして、容器内に圧入固定すると、圧入固定によって生じる応力は、確実に接続部材を縮径する方向へ付与することになる。これにより、製造段階で、容器のクラックを確実に抑制し得る。また、容器と接続部材の圧入固定後、接続部材は加熱前の温度状態に戻るので、容器から抜けにくくなり確実な固定も確保し得る。
【0008】
特に、容器の材質が主にポリエチレンナフタレートであり、前記接続部材の材質が主にポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体とすると、ポリエチレンナフタレートが、成型時に比較的流動性のよい材料であるので、透明性のきれいな成型品を得ることができ、更に接続部材の材質が主にポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体であるので、ガラス転移温度の差が十分であるので組み立て環境の温度で、負担のかからない組み立てが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の塗布具に収容され、使用される液体は、筆記・描画用インキ、修正液、のり、液状化粧料など使用可能であるが、インキとしては、特にメチルシクロヘキサン、シクロペンタン、イソヘキサン、エチルシクロヘキサン、イソプロピルアルコールなどといった高揮発性溶剤を主溶剤とする場合には、樹脂の分子と分子に隙間があると、この隙間に溶剤の揮発成分が介在してクラックを発生させるので、特に顕著な効果を発揮するが、水を主媒体とした水性インキであってもよい。インキの主溶剤である高揮発性溶剤は、表面張力が非常に低く、殆どの樹脂に対して非常に濡れがよいため、樹脂に応力が加わり、分子間の隔離により隙間が発生してしまうと、この隙間に溶剤または溶剤の揮発成分が介在して、経時的な応力緩和が生じたとしても隙間が元に戻らず、クラックが発生し易くなる。このような高揮発性溶剤を主溶剤とするインキを使用した場合には、樹脂に応力が加わっても、分子間の隔離を抑制することができればクラックの発生を防止できる。
また、殆どの樹脂に対して非常に濡れがよい高揮発性溶剤を主溶剤としているインキは、インキを有効に消費するには、容器の内壁にインキが付着残留して不利であるが、樹脂との濡れの特性に逆らうだけの圧力をかけることによってインキを押し出せば、有効なインキの消費が保証されることとなる。本発明は、このような高揮発性溶剤を主溶剤とするインキを収容した容器に圧縮気体を封入して使用するに際しても、圧縮気体の外部への流出及びインキの減量を確実に防止し、塗布具の使用中における、カスレなどのインキの吐出不良をも抑制できるものである。尚、圧縮気体をポンピング機構などの押圧操作によって供給するようになしたものや、圧縮気体を用いず、移動隔壁などのフォロアーをインキの界面に配置して、インキの水頭圧をインキの吐出支援となしたものとすることもできる。
また、内部にインキを直接収容した場合、環境変化による容器内の圧力上昇によるインキの塗布先部分からの洩れを抑制するために、インキを一時的に貯留する一時的インキ溜め部材を設けたものや、塗布先部分の筆圧等による摺動によって、塗布先部分へのインキの供給路を確保する弁式のもの、インキを含浸させたインキ吸蔵体を収容するものなども例示でき、多種多様な構造の塗布具において好適に使用することができる。
【実施例】
【0010】
以下、図面に基づき一例について説明する。
図1に示したものは、内部にメチルシクロヘキサンを主溶剤とし、酸化チタン等の白色顔料を分散した、743mPa・s(B型粘度計No.3ローター、60rpm、25℃)の高粘度に設定してある修正液1を収容した修正塗布具の一例である。
修正液1は、塗布後の塗布面の速乾性が必要とされ、蒸気圧、蒸発速度などから有機溶剤を適宜選択することができるが、大気中に放出しても光化学スモッグの原因にならず、また、有機溶剤中毒予防規制を受けず比較的毒性の低い炭化水素系有機溶剤であるメチルシクロヘキサンが好ましく使用できる。また、白色顔料としては、酸化チタンの他に酸化亜鉛などが挙げられるが、白色度、隠蔽力、屈折率が比較的大きいことから、酸化チタンを用いるのが望ましい。
軸2は、透明性を有し、ガラス転移温度が115℃のポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーの押出成形品であり、この軸2の内部には、修正液1が直接収容されている。軸2は、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによる形状変化をほとんど生じないもので、且つ、200cc/mday/25μm・23℃/O以下のガス透過性の低い材質である。尚、外部から修正液7の残量が視認できるような透明若しくは半透明のものであれば、ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーに限られるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66、非晶性ナイロン、微結晶性ナイロン、半芳香族性ナイロン、脂肪酸ナイロン、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートのポリマーアロイ、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートのポリマーアロイ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。勿論、軸2は、透明性を有する材質や、押出成形による成形品に限られるものではなく、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによる形状変化をほとんど生じないもので、且つ、200cc/mday/25μm・23℃/O以下のガス透過性の低いものであれば、透明性のない材質や射出成形による成形品であってもよい。
【0011】
軸2の先端には、ガラス転移温度が22℃であるポリブチレンテレフタレート製の射出成形品である前軸3が接続されている。また、前軸3の先端には、ボール4を先端開口部より一部突出して回転自在に抱持した、ステンレスなどの合金を機械的に切削、圧延加工などすることによって形成したボールホルダー5が接続されている。ボール4はコイルスプリング6にて前方付勢されており、ボールホルダー5の内縁に液密に当接して修正液1の吐出を制御する弁として機能している。また、前軸3は、軸2の先端からの抜け強度が39.1kg/cmになるように圧入固定され、ボールホルダー5は、前軸3の先端からの抜け強度が43.7kg/cmになるように圧入固定されている。これは、後述する、軸2内に充填されている圧縮気体7の圧力によって、前軸2及びボールホルダー5が外れ、修正液1が外部に飛散してしまうことを防止するためである。
【0012】
軸2内の修正液1の界面後方に修正液1の消費に伴う修正液1の界面の移動に追従して移動する移動隔壁8が配置されている。移動隔壁8は、有底筒体の形状を有し、黒色の、硬度64゜(デュロー硬度 タイプA)の、ニトリルゴムの射出成形品である。この移動隔壁8は、軸2と同様に修正液1と直接接触するので、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによってほとんど形状変化しない材質としている。移動隔壁8の材質としては、ニトリルゴムの他に、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの加硫ゴム、ポリエステル系、ニトリル系、ポリアミド系、フッ素系などの熱可塑性エラストマーなどが例示できる。また、この移動隔壁8は、修正液1と圧縮気体7を隔離しつつ、修正液1の消費に伴う修正液1の界面の移動に追従して移動し得るものであれば、本例のような有底筒体の射出成形品に限られるものではなく、例えば、加硫ゴムや熱可塑性エラストマー、合成樹脂製などの無垢の球状体や棒状体などであってもよい。また、修正液1と相溶しない、例えば、水、グリセリン、エチレングリコールなどを1種若しくは2種以上混合したものを主媒体し、添加剤等によってゲル化したゲル状物や、このゲル状物とゲル状物に一部浸漬して、ゲル状物の流動規制をなす浮体を併用するようなものであってもよい。
【0013】
軸2の後端は尾栓9で密閉され、尾栓9と移動隔壁8の間の空間には、初期状態でゲージ圧(ゲージ名:ハンディマノメーターPG−100、日本電産コパル電子(株)製、標準大気圧101.3kPaとの差圧を表示するゲージ)が250kPa、修正液1を吐出し使い終わった時に136kPaとなるように圧縮気体7が充填されている。圧縮気体7による圧力は、移動隔壁8を介して修正液1を後ろから押して吐出の支援をなしている。本例では、圧縮気体7の気体として空気を充填しているが、軸2や尾栓9からのガス透過を更に抑制するために、分子の運動が酸素などに対して比較的遅い窒素を、圧縮気体7の気体として充填するなどもできる。尚、尾栓9は軸2の内方側に開口部を有する有底筒体の形状を有するポリブチレンテレフタレートの射出成形品であり、圧縮気体7と直接接触しているので、軸2と同様に、ガス透過性の低い材質としている。また、合成樹脂製のものの他に、金属製の切削加工品などにより得られる部材であってもよい。また、圧縮気体7によって、尾栓9が押し上げられ、外れてしまうことを防止するために、軸2の後端開口部2bへ、強度が46.2kg/cmになるように圧入固定により接続されている。
【0014】
前述した通り、軸2は、ガラス転移温度が115℃のポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーの押出成形品で形成され、軸2の先端には、ガラス転移温度が22℃のポリブチレンテレフタレート製の射出成形品である前軸3を接続しており、前軸3が、軸2のガラス転移温度未満の合成樹脂材料の成形品になるようにしている。これは、軸2へ前軸3が圧入固定されることによって発生する応力を前軸3の方向へ付与させるためである。常に熱運動をしている樹脂の分子は、ガラス転移温度に近づくほど分子運動が大きくなり、分子の位置が変わりやすい。即ち、応力を受けると変形し易くなる。したがって、異なる樹脂の分子運動は同一ではなく、同一温度下では、ガラス転移温度が高い樹脂に比べて低い樹脂になるほど低温で分子の運動が大きく変形し易くなる。本例のように、軸2へ圧入固定される前軸3のガラス転移温度が、軸2のガラス転移温度未満とすれば、任意の温度環境下において、常に軸2よりも前軸3が変形し易い状態にあるため、圧入固定によって生じた応力は、変形し易い前軸3へ付与される。よって、軸2への応力の付与が抑えられ、軸2は応力による樹脂の分子と分子との隔離が発生しなくなるため、表面張力が非常に低く、軸2のポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーに対して、非常にぬれのよいメチルシクロヘキサンを主溶剤としている修正液1であっても、軸2の分子内へ浸透できず、軸2のクラック発生が防止される。この軸2のクラックの防止により、クラック部分の薄肉化による修正液1の溶剤減量や、落下などの衝撃や軸2の内部の圧縮気体7の圧力による軸2のクラック部分からの破損や割れ、これに伴う修正液1、圧縮気体7の外部への流出が抑えられ、修正液1の塗布時におけるカスレや修正液1の吐出不良を抑制することができる。尚、前軸3は、軸2と同様に修正液1と直接接触するので、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによってほとんど形状変化しない材質としている。例えば、軸2がガラス転移温度115℃のポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーで、前軸3として用いられる材質は、ガラス転移温度22℃のポリブチレンテレフタレートのほか、ガラス転移温度62℃のエチレンビニルアルコール共重合体、ガラス転移温度48℃のナイロン6、ガラス転移温度49℃のナイロン66、ガラス転移温度71℃のポリエチレンテレフタレート、ガラス転移温度85℃の脂肪酸ナイロン、ガラス転移温度78℃のポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。また、前軸3がガラス転移温度22℃のポリブチレンテレフタレートで、軸2として用いられる材質は、ガラス転移温度115℃のポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーのほか、ガラス転移温度117℃のポリエチレンナレフタレート、ガラス転移温度62℃のエチレンビニルアルコール共重合体、ガラス転移温度48℃のナイロン6、ガラス転移温度49℃のナイロン66、ガラス転移温度125℃の半芳香族性ナイロン、ガラス転移温度71℃のポリエチレンテレフタレート、ガラス転移温度85℃の脂肪酸ナイロン、ガラス転移温度78℃のポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。
さらに、ポリブチレンテレフタレートの分子鎖の一部分を、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレンエーテル、ポリオクタンエーテルなどのポリアルキレンエーテルとし、前軸3をポリブチレンテレフタレートに柔軟性を付与した共重合物の、例えば、ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポエチレングリコール共重合体などとしてもよい。これらのポリブチレンテレフタレートに柔軟性を付与した共重合物も、ガラス転移温度、ガス透過性、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによってほとんど形状変化しない物性を維持するものである。
【0015】
次に、変形例として、容器の材質が主にポリエチレンナフタレートであり、前記接続部材の材質が主にポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体とするものを挙げる。
ポリエチレンナフタレートは、透明性を有する成型品を得ることができると共に、比較的、成型時の樹脂の流れが良好であるので、成型品の表面に所謂ヒケと呼ばれる凹凸が発生し難く、透明性を阻害しないものとすることができる。更に、接続部材の材質をポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体とすると、後述するとおり、25℃の加熱で抜け強度を損なわず、且つ、圧入によって生じる応力を吸収する変形を行うことができるので、室温を25℃環境にすれば、加熱工程が省略され、製造工程でのコストダウンを図ることができるものである。
【0016】
図2に他の一例を示す。前述の一例の如く、前軸3を介して塗布部であるボールホルダー5が取り付けられるものではなく、ガラス転移温度71℃のポリエチレンテレフタレートの射出成形品である軸2の先端に、直接、ガラス転移温度が22℃のポリブチレンテレフタレート製の射出成形品であるボールホルダー5を接続したものである。ボールホルダー5が合成樹脂製の射出成形品の場合、軸2との接続には、軸2とボールホルダー5の圧入部に形成される軸2の内方突部2cと、ボールホルダー5の外方突部5aとの嵌め合いによる嵌合固定が可能となる。そのため、単なる圧入固定よりも圧入力を抑えつつ、ボールホルダー5の軸2から外れてしまうことを防止するための抜け強度を得ることができる。圧入力を抑えることは、即ち、圧入部分での圧入によって生じる応力が小さくなることとなり、製造工程においてボールホルダー5の加熱温度を低く設定することができ、加熱に必要な消費電力の削減によるコストダウンを図ることができる。
【0017】
図3〜図7に本例の塗布具の製造工程について述べる。
図3に示したものは、図1に示した一例の塗布具の製造工程である。
まず、内部にコイルスプリング6を備え、ボール4を抱持しているボールホルダー5を、室温(20℃)にて前軸3の先端に圧入固定する。ボールホルダー5を圧入固定した前軸3を80℃で、前軸3の全体が80℃になるように15分以上加熱する。80℃を維持したまま、前軸3を軸2の先端開口部2aへ圧入し固定する。加熱温度の80℃は、前軸3のガラス転移温度以上で軸2のガラス転移温度未満の温度範囲(22℃以上115℃未満)内で設定されている。これは、前軸3を軸2へ圧入固定するにあたり、前軸3のみを室温における硬い状態から、変形し易い状態にさせ、且つ、圧入固定において、加熱された前軸3の熱が軸2へ万一伝達しても、軸2が前軸3と同様な状態にならないようにするためである。また、加熱温度は、圧縮気体7の圧力によって前軸3が軸2から外れて、修正液1が外部に飛散することを防止するための抜け強度(39.1kg/cm)も加味し、前軸3が過剰変形しないよう極力低温になるようにしている。このようにして設定された温度による前軸3の加熱により、圧入固定において、軸2よりも前軸3が変形し易い状態になり、軸2を拡径しようとする応力が生じず、前軸3を縮径しようとする応力が生じる。このため、軸2の材質であるポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーの樹脂における分子と分子の隔離が発生しない。一方、応力を生じた前軸3は、縮径方向に応力を緩和しながら変形する。前軸3の変形は縮径方向であるので、前軸3の材質であるポリブチレンテレフタレートの樹脂における分子と分子の間は縮まりこそすれ引き離されることはなく、分子と分子の隔離は起こらない。これらの前軸3に対する応力付与、及び変形は圧入固定している瞬間的作用であるので、後工程では前軸3の加熱を維持する必要はない。軸2と前軸3を圧入固定後、図4に示すように軸2内に軸2の後端開口部2bから充填ノズル10にて、修正液1を充填する。軸2と前軸3の圧入固定において、軸2及び前軸3の材質のいずれにも分子と分子の隔離が起こらないため、軸2内に充填された修正液1が、軸2と前軸3の圧入部分と接触しても、修正液1が含有する溶剤が浸入し得る隙間が存在しないためクラックは生じない。このクラックの防止により、軸2のクラック部分の薄肉化による修正液1の溶剤減量や、落下などの衝撃や軸2の内部の圧縮気体7の圧力による軸2のクラック部分からの破損や割れ、これに伴う修正液1、圧縮気体7の外部への流出が抑えられ、修正液1の塗布時におけるカスレや吐出不良を抑制することができる。
図5に示すように、修正液1の充填後は、移動隔壁8を軸2の後端開口部から押し棒11によって、移動隔壁8を修正液1の界面と接触するまで、移動隔壁8を図5に示すよう変形させて、修正液1と移動隔壁8の間に介在した空気12を除去しつつ押し込んで移動し、尾栓9を軸2の後端開口部2bへ圧縮気体7を軸2内へ封入しながら圧入固定する。
【0018】
図6、図7に製造方法のほかの一例を示す。
軸2内に予め、充填後の修正液1の界面位置に移動隔壁8を配置し、図6に示すように、軸2の先端開口部2aから充填ノズル10にて、修正液1を定位置まで充填し、次いで、ボールホルダー5を圧入固定した前軸3を80℃に維持しながら、軸2の先端開口部2aへ圧入して固定する。軸2へ前軸3を圧入固定したあと、尾栓9を軸2の後端開口部2bへ圧縮気体7を軸2内へ封入しながら圧入固定する。修正液1の充填や稼働隔壁8の押し込みを手作業により行う製造工程の場合、軸2の後端開口部2bと、定位置に充填された修正液1の界面との距離が比較的長いため、充填ノズル10を軸2内から抜き取る際に、軸2の内壁面に充填ノズル10が接触して修正液1が付着したり、移動隔壁8と修正液1の間に空気12を残留させてしまうことを極力抑制することができ好適である。
【0019】
また、透明性のある軸2においては、軸2の内部からクラックが発生した場合、クラックが外部から視認できてしまう。このため、万一、製造工程において、加熱装置の故障や停電などの不慮の事態により、設定値以下の加熱温度となり、軸2と前軸3との圧入固定部にクラックが発生してしまったとしても、確実にこれらを不良品として取り除くことができるため、不良品を出荷してしまうような事態を未然に防ぐことができ好適である。
【0020】
尚、圧入時の加熱温度は、軸2及び前軸3の圧入固定部の形状や、圧縮気体7による抜け強度が確保される圧入力によって、前軸3のガラス転移温度以上、軸2のガラス転移温度未満の範囲内で適宜設定される。例えば、諸条件により圧入力が比較的大きく、その圧入力によって生じる応力が大きくなってしまう場合、軸2に応力が付与して拡径しないように、加熱温度を上げて前軸3が応力を吸収する変形を行うよう設定する。圧入力が比較的小さくなる場合には、加熱温度を下げて前軸3が過剰変形して抜け強度を損なわないよう設定する。
また、前軸3をポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体やポリブチレンテレフタレート・ポエチレングリコール共重合体などの、ポリブチレンテレフタレートの分子鎖の一部に、柔軟性を付与する成分を共重合させた材質のものであれば、室温である程度変形し易い状態になっている。したがって、諸条件により圧入力が比較的大きくなっても、前軸3をポリブチレンテレフタレートによって形成する場合よりも、加熱温度を下げることができる。例えば、図1の例のものでは、前軸3を80℃で加熱して、軸2に圧入し固定しているが、ポリブチレングリコール成分を40%とした、ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体を用いた場合には、25℃の加熱で抜け強度を損なわず、且つ、圧入によって生じる応力を吸収する変形を行うことができる。このため、室温を25℃環境にすれば、前軸3が、常に圧入によって生じる応力を吸収する変形を行う状態とすることができるので、加熱工程が省略され、製造工程でのコストダウンを図ることができ好適である。尚、25℃の加熱で、圧入によって生じる応力を吸収する変形を行う前軸3とするために、ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体のポリブチレングリコール成分を40%としたが、ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度やガス透過性などの物性を維持しつつ、軸2と前軸3との圧入力、前軸3の先端に取り付けられるペン先の用途、塗布時の筆圧などの振動の吸収などの柔軟性を考慮して適宜設定される。但し、修正塗布具としての塗布性能を考慮すると、ポリブチレングリコール成分は50%以下とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一例を示す縦断面図。
【図2】他の一例を示す縦断面図。
【図3】製造方法を示す縦断面図。
【図4】製造方法を示す縦断面図。
【図5】製造方法を示す縦断面図。
【図6】製造方法を示す縦断面図。
【図7】製造方法を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0022】
1 修正液
2 軸
2a 先端開口部
2b 後端開口部
2c 内方突部
3 前軸
4 ボール
5 ボールホルダー
5a 外方突部
6 コイルスプリング
7 圧縮気体
8 移動隔壁
9 尾栓
9 ボールホルダー
10 充填ノズル
11 押し棒
12 空気




 

 


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