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発明の名称 インキフォロワー流体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−125696(P2007−125696A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2005−317803(P2005−317803)
出願日 平成17年10月31日(2005.10.31)
代理人
発明者 滝川 裕幸
要約 課題
製造工程における、インキフォロワー流体内のインキの汚れをなくす事により、製品自体の見栄えを良くし、インキフォロワー流体内のインキ汚れが一因となる、インキ洩れなどの経時品質を向上させたインキフォロワー流体を得る。

解決手段
インキ収容部内にてインキ界面に接触して層状に該インキ界面を覆うように配置され、線形粘弾性領域を有し、線形粘弾性領域におけるtanδが1.0以上2.0以下の範囲であるインキフォロワー流体。
特許請求の範囲
【請求項1】
インキ収容部内にてインキ界面に接触して層状に該インキ界面を覆うように配置され、線形粘弾性領域を有し、線形粘弾性領域におけるtanδが1.0以上2.0以下の範囲であるインキフォロワー流体。
【請求項2】
剪断減粘指数が0.6以上1.0未満である請求項1に記載のインキフォロワー流体。
【請求項3】
少なくとも難揮発性もしくは不揮発性液体とゲル化剤とからなる請求項1に記載のインキフォロワー流体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールペンや万年筆、マーキングペンといった筆記具や、インキジェットプリンタなどの記録機器に用いるインキカートリッジのインキ収容部内に直接充填された状態で収容されるインキと共にインキ収容部内に収容され、前記インキの外気との接触部分となり得る境界部分を封じ、インキの乾燥やインキの漏れを抑制したり、インキ収容部内壁へのインキの付着を減少したりするインキフォロワー流体に関する。
【背景技術】
【0002】
インキをインキ収容部内に直接充填する型の筆記具や記録機器のインキカートリッジは従来多く用いられている。特に、筆記具において、インキを直接インキ収容部内に充填する筆記具は、所謂生インキ式構造の筆記具と称され、ペン先として、ボールペンチップを用いたボールペンや繊維収束体を用いたマーキングペン等が知られている。そして、これらのペン先を取り付けるインキ収容部は、ポリプロピレンのような合成樹脂によって成形された透明もしくは半透明のパイプ状物や、ケース状物の内部に形成されている。更に、このインキ収容部は、ペン先取付部の他端を開放状態にしたり、空気孔を有する尾栓を配したりすることがなされている。
【0003】
上記生インキ筆記具において、インキフォロワー流体は、インキ収容部に配置されるインキのペン先取付部と反対側に位置する界面に層状に充填されている。通常、インキフォロワー流体は、インキの界面に層状に充填する為、インキ内やインキフォロワー流体内の空気や空間をなくす為に、遠心脱泡などの処理することが主流となっている。しかし、透明または半透明のインキタンクを用いた場合、近年では、顔料などの沈降などが不安視されるインキや、潤滑剤を多く添加するインキなど、遠心脱泡工程に対して制限が働き、遠心脱泡工程が不十分で、インキフォロワー流体内にインキが内在し、外観を損なってしまう恐れがあった。
これらの問題を解消するべく、配合面から、インキとの不混和性を行ったとしても、物性面における優位性が強く、不十分であった。また、物性面においては、角周波数0.1〜650rad/secの周波数領域におけるtanδの値が0.1〜2であることを特徴とする水性ボールペン用インキ追従体(特許文献1)が開示されている。
【特許文献1】特開2001−353993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インキフォロワー流体内にインキが内在し、外観を損なってしまう問題を解決するべく、特許文献1に記載の発明に開示されている様に、周波数領域におけるtanδを限定しただけでは、インキフォロワー流体中のインキ汚れに関しては防止できず、これらの現象に対して重要なファクターとなる、線形粘弾性領域についての測定、明記がされておらず、またその測定においては歪みが100%での測定であり、インキフォロワー流体は線形粘弾性領域を逸脱している為、インキフォロワー流体内のインキ汚れに関しては防止できないと推測される。
【0005】
本発明のインキフォロワー流体は、上記問題に鑑み、インキフォロワー流体内のインキの汚れをなくす事により、製品自体の見栄えを良くしたインキフォロワー流体を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、インキ収容部内にてインキ界面に接触して層状に該インキ界面を覆うように配置され、線形粘弾性領域におけるtanδが1.0以上2.0以下の範囲であるインキフォロワー流体を要旨とする。
【0007】
tanδは〔損失弾性率/貯蔵弾性率〕を意味する値であり、この値が大きいこと(tanδ>1)は、流動性が高いこと(あるいは粘性応答)を示し、小さいこと(tanδ<1)は、固体状(あるいは弾性応答)に近いことを示す。損失弾性率及び貯蔵弾性率は角振動数(または振動数)で振動させ、その位相角から得られる物性であり、損失弾性率がその試料の粘性要素を、貯蔵弾性率がその試料の弾性要素を表している。
【0008】
また、一定の周波数もしくは角周波数をかけながら、ひずみや剪断応力を大きくしていくと、ひずみ量や剪断応力が微少な時には貯蔵弾性率がほぼ一定になる線形粘弾性領域をもつ。更にひずみや剪断応力を大きくすると、分子鎖やゲル化剤などの内部構造が崩れ、貯蔵弾性率が大きく低下する性質をもつ。非ニュートン粘性や剪断減粘性と呼ばれる性質をもつ物質に顕著に現れる。こういった一定の周波数もしくは角周波数を掛けながら、行う事で、貯蔵弾性率、損失弾性率の測定を行う事が出来、なおかつ歪みや剪断応力を大きくする事で、線形粘弾性領域を観測することが出来るのである。この貯蔵弾性率が一定になる判断としては、貯蔵弾性率そのものの変化で判断する事も可能ではあるが、微少な歪みや応力の変化における貯蔵弾性率の変化を捉える為、自然対数や常用対数などでの変換を行う事により、その見極めが容易にできたりすることができ、貯蔵弾性率の自然対数の幅が0.1以下で有れば、貯蔵弾性率がほぼ一定であると判断される。
【0009】
貯蔵弾性率や損失弾性率などの測定時において、線形粘弾性領域での測定が重要な意味をもつ。線形粘弾性領域は、微少なひずみや剪断応力の領域で内部構造が破壊されない領域であり、その領域でのひずみ量は、0〜5%、多くても10%以内である。内部構造が破壊されている、非線形粘弾性領域においては、その物質はひずみや応力による影響で、貯蔵弾性率及び損失弾性率ともに、線形粘弾性領域と比較して、著しく低下し、その貯蔵弾性率や損失弾性率などの分子の絡み合いや内部構造の意味薄れてしまう。貯蔵弾性率及び損失弾性率の測定では、ひずみ量や剪断応力は重要なファクターであり、そのひずみ量によっては、全く違う数値、挙動を示してしまう為、このひずみ量や剪断応力に十分注意することが重要である。
【発明の効果】
【0010】
一般的に、インキ収容部内に、インキとインキフォロワー流体を充填した後に、遠心などにより、気泡を取り除く。その際、インキにまとわりついた気泡がインキフォロワー流体内を通過する際、インキがインキフォロワー流体内に取り残されたり、抜け切れない気泡が残ったりする事によって、インキフォロワー流体内が汚れてしまうのが原因である。強制遠心を行うことで、インキフォロワー流体が移動する事によって、インキとインキフォロワー流体の界面を形成する。その移動に際しては、線形粘弾性領域を有する事もしくは剪断減粘性を有する事で、インキ収容管壁面の最近傍部分の粘度低下が大きくなることにより、インキ収容管内における速度分布が一様になる、プラグ流動に似た挙動でインキ界面に接触する。インキ収容管内における、速度分布が一様になる事で、インキ収容部壁面の最近傍部分以外は、ひずみや剪断応力が微少である状態で、インキ界面まで移動すると推測される。この為、ひずみや剪断応力が微少である線形粘弾性領域での物性が重要なのである。その為、線形粘弾性領域におけるtanδが1.0〜2.0という、粘性応答である事で、インキフォロワー流体内の分子鎖やゲル化剤などの構造の絡み合いが密になり、気泡にまとわりついたインキをインキフォロワー流体内に通過させず、空気のみをインキフォロワー流体内を通過させ、且つ粘性応答である事で、インキフォロワー流体内の気泡の通過を容易にし、インキや気泡をインキフォロワー流体内に留めさせる事を防止できると推測される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
インキ収容管は、筆記具においては一端に、例えばボールペンペン先やフェルト等の繊維束のペン先や連通多孔体状のペン先やまた弁等によって閉鎖されている。また、記録機器などのインキタンクではインキ供給用導管によって一端が閉鎖されている。インキ収容管はインキの残量を確認できるように透明又は半透明のものが多く用いられ、例えばポリエチレンやポリプロピレンがよく使用されているが、このほかの各種プラスチックや金属製のものもある。また、必要に応じてインキ収容管内面にシリコーン系やフッ素系の撥水・撥油剤を塗布することもできる。
【0012】
インキは、紙などの記録媒体上に画像を形成する目的で使用するもので、溶媒に溶質の着色材を溶解したものや、分散媒に分散質の着色材を分散したものがある。溶質の着色材としてはウォーターブルーやメチルバイオレット等の水溶性・油溶性染料が知られており、分散質の着色材としてはフタロシアニンブルーやモノアゾイエローや酸化チタンのような有機・無機顔料が知られている。溶媒や分散媒は水や有機溶剤が使用できる。
【0013】
着色材を紙面に定着させるためや硬化させるため等、インキに各種樹脂を併用することもできる。具体的には、セラミック、スチレンとマレイン酸又はそのエステルとの共重合体及びそのアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体及びそのアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0014】
その他、上記各成分以外、従来インキに用いられる種々の添加剤を適宜必要に応じて使用することもできる。例えば、インキの蒸発防止のためにソルビット、キシリット等の糖アルコールを用いたり、筆記感を向上させるためにポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールポリオキシプロピレングリコール、オレイン酸のアルカリ金属塩やアミン塩等の潤滑剤を用いたりすることができる。
【0015】
さらに、インキに、アニオン系、非イオン系、カチオン系の各種界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の表面張力調整剤、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアザリン−3−オンなどの防腐防黴剤、ベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などの防錆剤、pH調整剤として水酸化ナトリウム、アルカノールアミン、アミン、アンモニウム等のアルカリ化剤なども用いることもできる。
【0016】
本発明におけるインキフォロワー流体は、線形粘弾性領域におけるtanδが1.0以上2.0以下の範囲であることが重要である。線形粘弾性領域において、粘性応答(tanδ>1)である必要があり、tanδが2.0以上であると、粘性応答が強くなりすぎ、分子鎖やゲル化剤の構造の絡み合いが強くなりすぎ、気泡をインキフォロワー流体内を通過させる事が難しくなると推測される。上記物性を得る為には、使用する基油、増粘剤の種類、配合量、製造方法を適切に選択する必要がある。
【0017】
インキフォロワー流体は、従来から使用されている公知のインキフォロワー流体用基材が使用できる。ただし、インキフォロワー流体はインキと直接に接するように使用されるため、インキと化学的に反応せず、溶解あるいは混入懸濁といったことが起こりにくい必要がある。よって、水性インキ用インキフォロワー流体には油性または疎水性の基材を、また油性インキには水性の基材が使用される。インキとインキフォロワー流体の比重差に起因する浮力によりインキとインキフォロワー流体の位置が逆転することを防ぐためには、インキとインキフォロワー流体の比重差は小さい方が好ましい。インキとインキフォロワー流体の位置が逆転することを防ぐための基材の選定基準として比重は重要である。
【0018】
これらのことより、インキフォロワー流体の基材として使用できる流体としては、水性インキやアルコール系、グリコール系溶剤を用いた油性インキの場合、具体的にはフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(比重0.99)、フタル酸ジブチル(比重1.05)といったフタル酸エステル類、リン酸トリクレジル(比重1.175)といったリン酸エステル類、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(比重0.93)やアジピン酸イソデシル(比重0.92)といったアジピン酸エステル類、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(比重0.92)といったセバシン酸エステル類、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(比重0.99)といったトリメリット酸エステル類、クエン酸トリエチル(比重1.14)やアセチルクエン酸トリブチル(比重1.04)といったクエン酸エステル類、エポキシ化大豆油(比重0.99)やエポキシ化アマニ油(比重1.04)といったエポキシ化植物油やエポキシ化脂肪酸エステル(比重0.92〜0.97)、ポリエステル系可塑剤(比重1.02〜1.12)のような可塑剤が挙げられる。また、ポリブテン(比重0.82〜0.90)、ポリブタジエン(比重0.90)、流動パラフィン(比重0.85〜0.90)、α−オレフィンオリゴマー(比重0.82〜0.85)といった液状オリゴマーや液状ゴムが挙げられ、ポリジメチルシリコーン(比重0.75〜1.00)、ポリエーテル変性シリコーン(比重1.00〜1.10)、フッ素変性シリコーン(比重1.25〜1.30)などのシリコーンオイルが挙げられ、パラフィン系・ナフテン系・アロマ系プロセスオイル(比重0.85〜1.05)やエクステンダーオイル等の鉱物油、植物油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ワセリン等の油脂類が挙げられ、ホスファロールNF46(比重1.76)、同NF68(比重1.78)、同NF100(比重1.79)(以上、大塚化学(株)製)などのフルオロアルコキシシクロトリホスファゼンが挙げられ、エンパラK43(塩素含有量42〜44%、比重1.12〜1.15)、同K45(塩素含有量44〜46%、比重1.15〜1.18)、同K47(塩素含有量47〜49%、比重1.19〜1.22)、同K50(塩素含有量50〜52%、比重1.23〜1.26)(以上、味の素(株)製)などの塩素化パラフィンが挙げられる。また極性の小さい炭化水素系の溶剤を用いたインキの場合、極性の大きい溶剤を使用する。具体的には水の他に、極性が大きい多価アルコールのエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノアセテート、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが使用できる。これらは単独もしくは混合して使用可能である。これらは1種もしくは2種以上、併用して使用できる。また、上記基材の中でも、分子量が600以上であることによって、インキフォロワー流体内の分子鎖の絡まりなどを高める目的で有効である。
【0019】
本発明におけるインキフォロワー流体のゲル化剤および/または増粘剤は従来公知のものが使用できる。具体例としては、フォロワー流体の基材に低極性の溶剤を用いた場合、微粒子シリカよりなるアエロジルR972、同R974、同200(以上、日本アエロジル(株)製)、脂肪酸アマイドよりなるディスパロンA670−20M、同6900−20X(以上、楠本化成(株)製)、ソロイド(三晶(株)製)などのセルロース系のもの、更に金属セッケン類、ベントナイト、デキストリンなどを用いることができ、基材に高極性の溶剤を用いた場合、グァーガム、ヒドロキシプロピル化グァーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピル化グァーガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、ウエランガム、ラムザンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ソーダ、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、カラギーナン、サクシノグルカン等の水溶性多糖類、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アルキル/アクリルアミド共重合体、N−ビニルアセトアミド共重架橋物などの合成高分子、スメクタイト等の粘度系鉱物などを添加することができ、これらは、単独もしくは2種以上混合して使用できる。こういったゲル化剤に関しては、単にゲル化剤を多く添加すれば、その構造がより強固になると考えられるが、ゲル化剤の増粘方法、ゲル構造の違いにより、上記物性値を得ることができないことがある。
【0020】
更に、インキ収容管内壁へのインキ付着防止の為に、ソルビタン脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルを用いたり、低温での筆記性低下防止の為にメタクリレートコポリマーを用いたり、その他、種々の添加剤や界面活性剤を適宜必要に応じて使用することもできる。尚、筆記具の形態にて使用されるインキ界面に配置された状態で、当該逆流防止体中に全部もしくは一部浸漬させて逆流防止体の界面形状を安定化させる浮子を配置することもできる。
【0021】
また基材として水を用いた場合、インキフォロワー流体のカビ発生防止のためにデヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウムなどの防腐防カビ剤を適量加えることができる。また、水などの蒸発しやすい材料では、蒸発抑制の為に、この基材に不溶及び/または難溶の不揮発性及び/または難揮発性の有機溶剤、またはこれらを粘度調整したものや、ゴム弾性を有する合成ゴムやエラストマー、プラスチックなどの成型品を浮き体として、フォロワー流体の後端側界面に配置して併用することもできる。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
モービルSHF1001(α−オレフィンオリゴマー、米国、モービル・ケミカル・プロダクト・インキ製) 50.00重量部
ルーカントHC−100(基材、エチレン−α−オレフィンコポリマー、三井石油化学工業(株)製) 45.00重量部
レオパールKL(ゲル化増粘剤、デキストリン脂肪酸エステル、千葉製粉(株)製)
1.50重量部
アエロジルR972(ゲル化増粘剤、微粒子シリカ、日本アエロジル(株)製)
3.50重量部
上記成分を容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、線形粘弾性領域でのtanδが1.10、剪断減粘指数が0.68のインキフォロワー流体を得た。
【0023】
(実施例2)
ポリブテンHV−50(ポリブテン、日本石油(株)製) 96.50重量部
レオパールKL(ゲル化増粘剤、デキストリン脂肪酸エステル、千葉製粉(株)製)
1.00重量部
アエロジルR972(前述) 2.50重量部
レオパールKLとアエロジルR972を乾式混合し、上記成分とともに容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、線形粘弾性領域でのtanδが1.23、剪断減粘指数が0.92のインキフォロワー流体を得た。
【0024】
(実施例3)
ポリブテン100R(ポリブテン、出光興産(株)製) 97.50重量部
GP−1(増粘剤、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジノルマルブチルブチルアミド、味の素(株)製) 1.00重量部
アエロジルR972(前述) 4.00重量部
CDIS−400(ポリエチレングリコールジイソステアレート、日光ケミカルズ社製)
2.00重量部
上記成分とともに容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、線形粘弾性領域でのtanδが1.70、剪断減粘指数が0.89のインキフォロワー流体を得た。
【0025】
(実施例4)
ポリブテン100R(ポリブテン、出光興産(株)製) 100.0重量部
線形粘弾性領域でのtanδが1.90、剪断減粘指数が1.00のインキフォロワー流体を得た。
【0026】
(比較例1)
ポリブテン15R(ポリブテン、出光興産(株)製) 93.00重量部
レオパールKE(ゲル化増粘剤、デキストリン脂肪酸エステル、千葉製粉(株)製)
2.00重量部
アエロジルR972(前述) 5.00重量部
上記成分とともに容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、線形粘弾性領域でのtanδが0.42、剪断減粘指数が0.64のインキフォロワー流体を得た。
【0027】
(比較例2)
ポリブテンHV−100(ポリブテン、日本石油(株)製) 96.50重量部
GP−1(増粘剤、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジノルマルブチルブチルアミド、味の素(株)製) 1.00重量部
アエロジルR972(前述) 2.50重量部
上記成分とともに容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、線形粘弾性領域でのtanδが2.10、剪断減粘指数が0.95のインキフォロワー流体を得た。
【0028】
(比較例3)
モービルSHF1001(前述) 50.00重量部
ルーカントHC−100(前述) 45.50重量部
KF410(メチルスチリル変性シリコーンオイル、信越シリコン(株)製)
1.50重量部
アエロジルR972(前述) 3.00重量部
上記成分を容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、線形粘弾性領域でのtanδが0.31、剪断減粘指数が0.58のインキフォロワー流体を得た。
【0029】
(比較例4)
ポリブテン300R(ポリブテン、出光興産(株)製) 100.0重量部
線形粘弾性領域でのtanδが2.30、剪断減粘指数が1.00のインキフォロワー流体を得た。
【0030】
以上、実施例1〜4および比較例1〜4で得たインキフォロワー流体を用いて線形粘弾性領域におけるtanδの測定を行った。
粘弾性測定装置VAR100(Reologica Instruments A.B.社製、瑞典)にジオメトリー(直径40mm、平行板と円錐の側面とがなす角1°の円錐と平行板の組み合わせ)をセットし、円錐と平行板の間にインキフォロワー流体を充填する。測定条件をオシレーション応力掃引にて、温度:25±0.5度、周波数:0.1HZ、剪断応力を0.01から50.0Paまで一定の割合で50点連続的に上昇させ、貯蔵弾性率がほぼ一定になる、線形粘弾性領域を観測した、尚、線形粘弾性領域を明確にするため、貯蔵弾性率、応力を自然対数に変換し、その貯蔵弾性率の自然対数の幅が0.1以下である領域を線形粘弾性領域とした。その領域における、貯蔵弾性率と損失弾性率の比から、tanδを算出した。温度:25±0.5度を設定し測定した。
【0031】
また、ペン体評価として一端に、径1.0mmのボール(材質:超硬)とステンレス製のホルダーとよりなるボールペンチップを取り付けた内径7mm、長さ70mmのインキ収容管(材質:ポリプロピレン)を持つボールペンに2cc充填し、このインキの上部(ボールペンチップの反対側)に実施例1〜4及び比較例1〜4で得たインキフォロワー流体各々を0.5cc充填し、遠心脱泡を行い、その後遠心機(KOKUSAN H103N、(株)コクサン製)で遠心処理(800rpm、10分)を行い、筆記具を得た。
【0032】
水性インキの組成
DaiwaBlueNo.1(青色染料、ダイワ化成(株)製) 3.60重量部
食用赤色104号(赤色染料、ダイワ化成(株)製) 0.80重量部
エチレングリコール 9.00重量部
チオジグリコール 9.00重量部
ベンゾトリアゾール 0.30重量部
オレオイルサルコシンナトリウム 4.00重量部
プロクセルGXL(S)(防腐剤、ICIジャパン(株)製) 0.20重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.40重量部
イオン交換水 72.70重量部
【0033】
インキフォロワー流体内のインキ汚れ
これらの筆記具の、遠心直後における、インキフォロワー流体内のインキの汚れを目視にて、観察した。
【0034】
○・・・インキフォロワー流体内のインキ汚れが発生しない。
△・・・インキフォロワー流体内のインキ汚れが少量発生する。
×・・・インキフォロワー流体内のインキ汚れが発生する。
【0035】
これら筆記具を、50度の恒温室中にペン先を上向きにして3ヶ月放置したものと、室温(25度)中に1年間放置したもので、インキフォロワー流体内にインキが洩れだしているか否かを目視にて観察した。
以上の結果を表1に示す。
【0036】
○・・・インキの漏れが発生していない。
△・・・インキの漏れがやや発生している。
×・・・インキの漏れが発生している。
【0037】
【表1】


【0038】
以上、詳細な説明の通り、製造工程における、インキフォロワー流体内のインキの汚れをなくす事により、製品自体の見栄えを良くし、インキフォロワー流体内のインキ汚れが一因となる、インキ洩れなどの経時品質を向上させた。




 

 


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