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発明の名称 軸体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−90823(P2007−90823A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−286630(P2005−286630)
出願日 平成17年9月30日(2005.9.30)
代理人
発明者 吉原 直人
要約 課題

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
軸筒の外周に弾性樹脂で把持部を形成した軸体において、前記弾性樹脂外周に布状部材を配したことを特徴とする軸体。
【請求項2】
前記布状部材をメッシュ状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の軸体。
【請求項3】
前記布状部材を合成繊維及び/または天然繊維で構成したことを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載の軸体。
【請求項4】
前記布状部材を樹脂及び/または弾性樹脂で構成したことを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載の軸体。
【請求項5】
前記布状部材を金属で構成したことを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載の軸体。
【請求項6】
前記布状部材を合成繊維及び/または天然繊維及び/または樹脂及び/または弾性樹脂及び/または金属で構成したことを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載の軸体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸体の少なくとも把持する部分に弾性樹脂を設けた軸体に関するものであり、その軸体の1例としては、ボールペンやシャープペンシルなどの筆記具や、口紅やアイライナーなど細長い容器、釣り竿、ドアノブ、ドライバーなどの工具類が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
把持する部分には、滑り止めや把持のしやすさといった効果を持たせるために様々な発明がなされている。滑り止めとしては、シリコーンやエラストマーといった弾性樹脂を把持部に配置した構成(グリップ)が採られており、弾性樹脂の形状や硬さを変化させることによって持ちやすい把持部を形成している。その弾性樹脂の軸に対する配置方法としては、各々を別部材で構成し挿着する方法や軸筒の表面に弾性樹脂を塗装する方法、或いは、2色成形によって一体成形する方法などがある。特に、2色成形によって成形する場合には把持部分に低硬度弾性樹脂を配する一方、軸部分に高硬度樹脂を配して指先だけを滑りにくくしている。また、把持感の向上のために低硬度の弾性樹脂を配している。
【特許文献1】特開2003−285589号公報
【特許文献2】特許3468489号公報
【特許文献3】特許3330513号公報
【特許文献4】特許2854084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、低硬度の弾性樹脂は表面のベタツキが大きい為、把持部に使用すると把持感は柔らかいが触感は悪いものとなってしまう。また、低硬度の弾性樹脂は吸油性が高く、長期間使用していると手脂などを吸収して膨潤し、把持部にゆるみが生じてしまうという問題があった。さらに、移行した油が把持部表面に析出して、把持部に触れる手や紙面を汚す問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明は、軸筒の外周に弾性樹脂で把持部を形成した軸体において、前記弾性樹脂外周に布状部材を配したことを第1の要旨とし、前記布状部材の網目に空隙を空けてメッシュ状部材としたことを第2の要旨とする。さらに、前記布状部材を合成繊維及び/または天然繊維で構成したことを第3の要旨とし、樹脂及び/または弾性樹脂で構成したことを第4の要旨とし、金属で構成したことを第5の要旨とし、合成繊維及び/または天然繊維及び/または樹脂及び/または弾性樹脂及び/または金属で構成したことを第6の要旨するものである。
【0005】
軸体の材質は、金属や樹脂、木材、石材など軸体として成形できるものであればよく、把持部を形成する材料が軸体を成形できる強度を有していれば、その材料で把持部を軸体自体に形成することも可能であり、特に限定されない。また、これらの材質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
【0006】
把持部には、弾性樹脂が配されている。その弾性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、エラストマーゲル、ポリエチレンゲル、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどが挙げられるが、形状が維持できるものであれば特に限定されない。これら弾性樹脂は1種または2種以上の混合物であってもよい。
【0007】
把持部を構成する弾性樹脂の硬度は、ショアーAで0度から90度もしくは、アスカーCで0度から90度までの硬度範囲の中で適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。ただし、ショアーAで60度、アスカーCで80度以上の弾性樹脂は硬くなり、表面のベタツキや膨潤も少なくなることから、ショアーAで60度以下、アスカーCで80度以下の弾性樹脂であることが望ましい。
【0008】
これら弾性樹脂には、吸油および/または吸水性がある物質が添加されてもよい。吸油性および/または吸水性がある物質は、化粧品に使用される物質、オイルの除去に使用される物質、家庭内で防臭、清浄効果に使用される物質と多岐にわたり、その種類や形状は数多くある。例を挙げると木材や繊維、コルク、炭、皮革などの天然材料、シリカゲルや活性炭といった吸着素材、ゼオライトやけい藻土といった無機鉱物、架橋ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド多孔質体などを始めとした高分子吸油・吸水剤、紡錘状中空多孔質シリカ、多孔質シリカ、多孔質シリコーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムいった無機化合物、多孔質セラミック等が挙げられる。また、表面に多孔質シリカ等の吸油性および/または吸水性を有する被膜を形成することで、物質に吸油性および/または吸水性の機能を発揮、向上させてもよい。吸油および/または吸水した際に、これら吸油および/または吸水性がある物質の大きさが変化しないことが望ましいことから、無機鉱物、無機化合物が特に好ましい。これら吸油および/または吸水性がある物質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
【0009】
吸油および/または吸水性がある物質はその機能を十分に発揮させるために、微粒子粉体として添加することが望ましい。これは粒径が細かい程、単位重量当たりの表面積が増大することから、油および/または水の吸収効率を高める効果が期待できる。しかし、その粒径は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよい。また、吸油および/または吸水性がある無機粉体を使用することにより、油および/または水を吸収した際にも容積の変化がなく、把持部の膨潤やゆるみを更に防止することができる。弾性樹脂への添加量は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよいが、添加量が少なすぎると十分な効果が期待できず、多すぎると弾性樹脂の硬度が高くなり、弾性が損なわれることから、弾性樹脂に対して重量比率で0.001%〜50%、特に0.01%〜10%の添加量であることが望ましい。
【0010】
これら弾性樹脂には、触り心地や指先へのフィット感の向上、着色や文様といった意匠性の向上、抗菌や汗の吸放出、光触媒反応による自己洗浄といった機能性の付与のために粉体や微粒子、発泡剤などが含まれていてもよい。
その粉体の具体例としては、スチレンやナイロン、ポリオレフィン、シリコーン、エポキシ、ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂粉体や、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ガラス片、金属片などの無機粉体、シルクパウダー、木粉、コルク粉などの天然素材を粉体化したものなどが挙げられる。また、それらの粉体に、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系などの粉体塗膜を被覆した複合粉体、さらには、自動乳鉢、ボールミル、ジェットミル、アトマイザー、ハイブリダイザーなどを用いて樹脂粉体にこの樹脂粉体より小さい無機粉体を吸着させたり、打ち込んだりしたものなども挙げられ、特に限定されない。また、粉体の形状は、無定型、球状、板状、針状などが用いられ、特に限定するものではない。これら粉体は1種または2種以上添加してもよい。
【0011】
また、前記微粒子の具体例としては、カーボンブラックやグラファイト、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウムなどの酸化物、窒化チタン、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化タンタルなどの窒化物、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタルなどの炭化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化タンタルなどのホウ化物が挙げられ、特に限定されない。また、微粒子の形状は無定型、鱗片状、球状、繊維状などを用いることができる。これら微粒子は、1種または2種以上添加してもよい。
【0012】
前記発泡剤は、化学発泡剤や物理発泡剤、熱膨張性マイクロカプセルなどが用いられる。化学発泡剤の具体例は、アゾ化合物やニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾール化合物などの有機系熱分解型発泡剤、イソシアネート化合物などの有機系反応型発泡剤、重炭酸塩や炭酸塩、亜硫酸塩、水素化物などの無機系熱分解型発泡剤、重炭酸ナトリウム+酸や過酸化水素+イースト菌、亜鉛粉末+酸などの無機系反応型発泡剤などが挙げられる。
物理発泡剤の具体例は、ブタンやペンタン、ヘキサン、ジクロルエタン、ジクロルメタン、フロン、空気、炭酸ガス、窒素ガスなどが挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルの具体例は、イソブタンやペンタン、石油エーテル、ヘキサンなどの低沸点炭化水素を芯物質とし、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの共重合体からなる熱可塑性樹脂を壁物質としたマイクロカプセルなどが挙げられ、特に限定されない。これら発泡剤は、1種または2種以上添加してもよい。
【0013】
把持部の製造方法としては、各々を別部材で構成し挿着する方法や軸筒の表面に弾性樹脂を塗装する方法、或いは、2色成形やインサート成形によって一体成形する方法などが挙げられるが、その製造方法は特に限定されない。
【0014】
また、弾性樹脂の外周には布状部材が配される。布状部材を形成する材料として合成繊維及び/または天然繊維が挙げられる。合成繊維の例としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、テトロン、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。また、天然繊維の例としては、動物性繊維の絹、毛や植物性繊維の綿、麻などが挙げられる。その他、炭素繊維、ガラス繊維なども挙げられる。これらの繊維は1種または2種以上の混合物であってもよい。
【0015】
繊維は織り、編みといった方法で加工され布状部材となる。加工方法の例として、平織(ひらおり)、綾織(あやおり)、朱子織(しゅすおり)やメッシュ編み、パイル編み、リブ編み、トーションレース編みといった方法が挙げられるが、弾性樹脂を覆うことが出来る形状であればよく、織り方、編み方は特に限定されない。メッシュ編み、リブ編み、トーションレース編みといった筒状の布を形成できる方法が軸体の把持部を覆う部材としては望ましい。
【0016】
また、布状部材を形成する材料として樹脂及び/または弾性樹脂が挙げられる。樹脂としてはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレンテレフタレート樹脂(PET)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、弾性樹脂としてはアクリル樹脂やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、エラストマーゲル、ポリエチレンゲル、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーが挙げられるが、繊維状に細くした材料を織り、編みといった加工や、成形によって布状部材が形成できればよく、特に限定されない。これらの樹脂及び/または弾性樹脂は1種または2種以上の混合物であってもよい。
【0017】
また、布状部材を形成する材料として金属が挙げられる。金属材料としてはステンレス、金、銀、銅、スズ、真鍮、チタン、アルミニウム及び、それらの合金などが挙げられるが繊維状に細くした材料を織り、編みといった加工や、打ち抜き、成形によって布状部材が形成できればよく、特に限定されない。また、金属にはめっき、塗装、酸化処理といった加飾、防食処理を施してもよい。これらの金属は1種または2種以上の混合物であってもよい。
【0018】
布状部材は空隙のあるメッシュ状に形成してもよい。空隙があることにより下層の低硬度弾性樹脂の変形に追従した変形がしやすくなり、低硬度弾性樹脂の柔らかさを十分に生かすことが出来る。また、指や手との接触面積も減ることからサラサラ感の向上にもつながる。空隙の大きさや形状は特に限定されるものではないが、下層の低硬度弾性樹脂が直接指や手に触れないことが望ましく、把持部の大きさや形状に応じて適宜選択すればよい。
【0019】
布状部材を弾性樹脂の外周に固定する方法は、接着、溶着、把持部前後に嵌合部を設け挟み込む、直接弾性樹脂上に成形するといった方法が挙げられるが、把持部の大きさや形状に応じて適宜選択すればよい。
【0020】
弾性樹脂の外周に配する布状部材は、意匠性の向上の為の着色や文様、抗菌や汗の吸放出、保温、冷却、光触媒反応による自己洗浄といった機能を持つ繊維や樹脂、弾性樹脂を用いてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、把持部を形成する低硬度弾性樹脂の外周に繊維や樹脂、弾性樹脂、金属で形成した布状部材を配したことにより、低硬度弾性樹脂のベタつき感を解消し、サラサラした触感を得ることが出来る。また、布状部材を配したことにより指や手が直接低硬度弾性樹脂に触れない為、弾性樹脂の膨潤を防止することもできる。さらに、抗菌や汗の吸放出、保温、冷却、光触媒反応による自己洗浄といった機能を持つ繊維や樹脂、弾性樹脂、金属を使用することで、追加機能を容易に付与することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、把持部を形成する低硬度弾性樹脂の外周に布状部材を配したことを最も主要な特徴とする。そして布状部材を形成する繊維や樹脂、弾性樹脂、金属の材料やメッシュ状にして空隙を作るといった形状を創意工夫することよって、把持部のベタツキ、膨潤を防止する目的を実現した。
【0023】
実施例1
図1は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例1の部品図である。図2は図1のa−A線断面図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は布状部材、参照符号4は接着部である。
【0024】
軸筒1はポリプロピレン、把持部2は弾性樹脂として低硬度弾性樹脂ポリエチレンゲル(コスモゲルHC15N、(株)コスモ計器製、アスカーc硬度:15°)を用いて2色成形で成形した。ポリエステル繊維(シルックロイヤル、東レ(株)製、シルク調の触感のある繊維)を用いてトーションレース編みで内径を把持部外径より僅かに大きく作製した筒状の布状部材3の内部に軸筒1を通し、把持部の端部を接着部4として接着剤で固定した。ポリエチレンゲルで作製した把持部2の柔らかさと、ポリエステル繊維で作製した布状部材3のシルク調の触感でサラサラした表面を両立する軸体となっている。また、布状部材3で覆われているため把持部2のポリエチレンゲルに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化も防止される。
【0025】
実施例2
図3は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例2の部品図である。参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は布状部材、参照符号4は接着部である。
【0026】
軸筒1はアクリロニトリルスチレン、把持部2は弾性樹脂として超軟質アクティマー(AE−2000S、リケンテクノス(株)製、ショアーA硬度:3°)を用いて2色成形で成形した。アクリル繊維(ニューターフェルパークリン、三菱レイヨン(株)製、抗菌・防臭効果のある繊維)を用いてトーションレース編みで内径を把持部外径より僅かに大きく作製した筒状の布状部材3の内部に軸筒1を通し、把持部の端部を接着部4として接着剤で固定した。超軟質アクティマーで作製した把持部2の柔らかさと、アクリル繊維で作製した布状部材3のサラサラした表面を両立する軸体となっている。また、布状部材3で覆われているため把持部2の超軟質アクティマーに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化も防止される。さらに、アクリル繊維に抗菌・防臭効果があるため、把持部にも抗菌・防臭機能を付与することが出来る。
【0027】
実施例3
図4は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の部品図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は布状部材である。
【0028】
軸筒1はアクリロニトリルスチレン、把持部2は弾性樹脂として低硬度エラストマー(ラバロンT320C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:15°)を用いて2色成形で成形した。エラストマー(ラバロンMJ6301、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60°)を用いて、射出成形で内径を把持部外径より僅かに大きく作製した筒状のメッシュ状部材3の内部に軸筒1を通し、超音波溶着で固定した。低硬度エラストマーで作製した把持部2の柔らかさと、硬度の高いエラストマーで作製したメッシュ状部材3のサラサラした表面を両立する軸体となっている。さらに、メッシュ状としたことで硬度の高いエラストマーでも変形量が大きくなり、低硬度エラストマーの変形に追従して柔らかさを十分に発揮できる。また、硬度の高いエラストマー製メッシュ状部材3で覆われているため把持部2の低硬度エラストマーに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化も防止される。
【0029】
実施例4
図5は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例4の部品図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は布状部材、参照符号4は接着部である。
【0030】
軸筒1はアクリロニトリルスチレン、把持部2は弾性樹脂として低硬度エラストマー(ラバロンT320C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:15°)を用いて2色成形で成形した。ポリプロリレンを用いて、射出成形で内径を把持部外径より僅かに大きく作製した筒状のメッシュ状部材3の内部に軸筒1を通し、把持部の端部を接着部4として接着剤で固定した。低硬度エラストマーで作製した把持部2の柔らかさと、ポリプロピレンで作製したメッシュ状部材3のサラサラした表面を両立する軸体となっている。さらに、メッシュ状としたことで硬いポリプロピレンでも変形量が大きくなり、低硬度エラストマーの変形に追従して柔らかさを十分に発揮できる。また、ポリプロピレン製メッシュ状部材3で覆われているため把持部2の低硬度エラストマーに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化も防止される。
【0031】
実施例5
図6は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例5の部品図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は布状部材、参照符号4は接着部である。
【0032】
軸筒1はアクリロニトリルスチレン、把持部2は弾性樹脂として低硬度弾性樹脂ポリエチレンゲル(コスモゲルHC15N、(株)コスモ計器製、アスカーc硬度:15°)を用いて2色成形で成形した。ステンレスを用いて、射出成形で内径を把持部外径より僅かに大きく作製した筒状のメッシュ状部材3の内部に軸筒1を通し、把持部の端部を接着部4として接着剤で固定した。ポリエチレンゲルで作製した把持部2の柔らかさと、ステンレスで作製したメッシュ状部材3のサラサラした表面を両立する軸体となっている。さらに、メッシュ状としたことで硬いステンレスでも変形量が大きくなり、ポリエチレンゲルの変形に追従して柔らかさを十分に発揮できる。また、ステンレス製メッシュ状部材3で覆われているため把持部2のポリエチレンゲルに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化も防止される。
【0033】
比較例1として実施例1の低硬度弾性樹脂ポリエチレンゲル(コスモゲルHC15N、(株)コスモ計器製、アスカーc硬度:15°)を用いて把持部を作製したところ、ベタツキが強い把持部となってしまった。また、長期間使用すると手脂によって、把持部の膨潤といった経時劣化が発生していた。
【0034】
比較例2として実施例2の超軟質アクティマー(AE−2000S、リケンテクノス(株)製、ショアーA硬度:3°)を用いて把持部を作製したところ、ベタツキが強い把持部となってしまった。また、長期間使用すると手脂によって、把持部の膨潤といった経時劣化が発生していた。
【0035】
比較例3として実施例3のメッシュ状部材3を網目のないパイプ状に成形した筒状の内部に軸筒1を通し、超音波溶着で固定した。硬度の高いエラストマー製パイプ状部材で覆われているため把持部2の低硬度エラストマーに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化は防止されている。しかしパイプ状部材であるため、把持部2の変形に追従しきれず、低硬度エラストマーの柔らかさを十分に生かすことが出来ない軸体となった。
【0036】
比較例4として実施例4のメッシュ状部材3を網目のないパイプ状に成形した筒状の内部に軸筒1を通し、超音波溶着で固定した。硬いポリプロピレン製パイプ状部材で覆われているため把持部2の低硬度エラストマーに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化は防止されている。しかし硬いパイプ状部材で覆われているため、低硬度エラストマーの柔らかさを発揮出来ない軸体となった。
【0037】
比較例5として実施例5のメッシュ状部材3を網目のないパイプ状に成形した筒状の内部に軸筒1を通し、超音波溶着で固定した。硬いステンレス製パイプ状部材で覆われているため把持部2のポリエチレンゲルに直接指や手が触れることがないので、膨潤や手脂の吸収によるベタツキといった経時劣化は防止されている。しかし硬いパイプ状部材で覆われているため、ポリエチレンゲルの柔らかさを発揮出来ない軸体となった。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、軸筒の少なくとも把持部する部分に弾性樹脂を設けた軸体に関するものである。その軸体の例としては、シャープペンシルやボールペン、修正ペンなどの筆記具、カッターや彫刻刀、ドライバーなどの工具類、PDA(パーソナル デジタル アシスタンス)や電子手帳に使用される入力ペン、自転車のハンドルなど多岐にわたる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を筆記具の把持部に使用した実施例1の部品図である。
【図2】図1のa−A線断面図である。
【図3】本発明を筆記具の把持部に使用した実施例2の部品図である。
【図4】本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の部品図である。
【図5】本発明を筆記具の把持部に使用した実施例4の部品図である。
【図6】本発明を筆記具の把持部に使用した実施例4の部品図である。
【符号の説明】
【0040】
1 軸体
2 把持部
3 布状部材
4 接着部




 

 


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