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発明の名称 脱臭装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−160142(P2007−160142A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−356451(P2005−356451)
出願日 平成17年12月9日(2005.12.9)
代理人 【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一
発明者 西岡 俊一郎 / 竹村 昇
要約 課題
充填材の目詰まりを効果的に防止し、脱臭を持続的に可能にする脱臭装置を提供すること。

解決手段
焼酎粕を固液分離した後、分離された固形分を乾燥する乾燥設備から排出される排ガスを脱臭する脱臭塔1を備えた脱臭装置において、前記脱臭塔1は、内部に充填材を充填した充填部100を有する脱臭塔本体10と、該脱臭塔本体10の下部に設けられる排ガス導入部11と、該脱臭塔本体10の上部に設けられる処理ガスの排出部12とを有し、前記充填部100の上方には循環水を噴霧状に散布するためのスプレー部101を有し、下方には該スプレー部101から供給され臭気成分を吸収した循環水を受け入れる循環水貯留部102を有し、循環水貯留部102内の循環水を前記スプレー部101に供給する循環ポンプ103を有し、前記循環水に対して塩素系殺菌剤を間欠的に有効塩素濃度として30〜400ppmの範囲で添加することを特徴とする脱臭装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
焼酎粕を固液分離した後、分離された固形分を乾燥する乾燥設備から排出される排ガスを脱臭する脱臭塔を備えた脱臭装置において、
前記脱臭塔は、内部に充填材を充填した充填部を有する脱臭塔本体と、該脱臭塔本体の下部に設けられる排ガス導入部と、該脱臭塔本体の上部に設けられる処理ガスの排出部とを有し、
前記充填部の上方には循環水を噴霧状に散布するためのスプレー部を有し、下方には該スプレー部から供給され臭気成分を吸収した循環水を受け入れる循環水貯留部を有し、循環水貯留部内の循環水を前記スプレー部に供給する循環ポンプを有し、
前記循環水に対して塩素系殺菌剤を間欠的に有効塩素濃度として30〜400ppmの範囲で添加することを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
塩素系殺菌剤が、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸、塩素ガスから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
【請求項3】
前記循環水に対して塩素系殺菌剤を間欠的に有効塩素濃度として50〜300ppmの範囲で添加することを特徴とする請求項1又は2記載の脱臭装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭装置に関し、詳しくは、脱臭の際の目詰まりを防止できる脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1993年に日本を含む多数の国々でロンドン条約(廃棄物その他の投棄による海洋汚染の防止に関する条約)が採択された。焼酎粕は現在同条約の除外品目として認められているが、現実問題としてはこのまま従来の海洋投棄を継続することは困難な情勢であり、全量陸上処理することを目標に焼酎業界での努力がなされてきた。
【0003】
焼酎粕には、通常、水分と固形分が含まれ、水分は90重量%以上含まれ、固形分には、多量のたんぱく質、でん粉、繊維分等が含まれている。
【0004】
かかる焼酎粕の陸上処理として焼却処理も考えられるが、焼却設備や燃料コストが高くなるため、好ましい手法とは言えない。
【0005】
このため近年、焼酎粕の成分に着目して、焼酎粕を固液分離後、分離された固形分を乾燥して飼料の製造に利用する試みがなされている。
【0006】
しかし、乾燥設備で発生する排ガスには、アルデヒドが含まれ、臭気が問題となっている。
【0007】
従来、臭気成分の除去には、特許文献1のような湿式脱臭処理が知られている。
【特許文献1】特公平4−4008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の技術は、水洗塔の中に充填材が充填されており、充填材の上方から水をフラッシングする湿式スクラバ方式である。
【0009】
かかる特許文献1に記載の湿式スクラバ方式を、焼酎粕の乾燥排ガスの脱臭に適用したところ、水のフラッシングによって、アルデヒドのような臭気成分は除去されるが、新たに充填材が頻繁に目詰まりするという問題が発生することがわかった。
【0010】
また常時有効塩素濃度20ppm程度の次亜塩素酸ソーダのような塩素系剤を含有している循環水でフラッシングする手法でも、充填材の目詰まりが同様に発生することもわかった。
【0011】
そこで、本発明は、充填材の目詰まりを効果的に防止し、脱臭を持続的に可能にする脱臭装置を提供することを課題とする。
【0012】
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0014】
(請求項1)
焼酎粕を固液分離した後、分離された固形分を乾燥する乾燥設備から排出される排ガスを脱臭する脱臭塔を備えた脱臭装置において、
前記脱臭塔は、内部に充填材を充填した充填部を有する脱臭塔本体と、該脱臭塔本体の下部に設けられる排ガス導入部と、該脱臭塔本体の上部に設けられる処理ガスの排出部とを有し、
前記充填部の上方には循環水を噴霧状に散布するためのスプレー部を有し、下方には該スプレー部から供給され臭気成分を吸収した循環水を受け入れる循環水貯留部を有し、循環水貯留部内の循環水を前記スプレー部に供給する循環ポンプを有し、
前記循環水に対して塩素系殺菌剤を間欠的に有効塩素濃度として30〜400ppmの範囲で添加することを特徴とする脱臭装置。
【0015】
(請求項2)
塩素系殺菌剤が、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸、塩素ガスから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
【0016】
(請求項3)
前記循環水に対して塩素系殺菌剤を間欠的に有効塩素濃度として50〜300ppmの範囲で添加することを特徴とする請求項1又は2記載の脱臭装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、充填材の目詰まりを効果的に防止し、脱臭を持続的に可能にする脱臭装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る脱臭装置の一例を添付の図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係る脱臭装置の一例を示す図であり、同図において、1は脱臭塔であり、前記脱臭塔1は、基本的な構造として、脱臭塔本体10と、該脱臭塔本体10の下部に設けられる排ガス導入部11と、該脱臭塔本体10の上部に設けられる処理ガスの排出部12とを有している。
【0020】
脱臭塔本体10の内部は、充填部100を備えており、充填部100には、各種形状のラシヒリング、テラレット、ボールリングなどの充填材が充填されている。
【0021】
また充填部100の上方には循環水を噴霧状に散布するためのスプレー部101を備えている。スプレー部101には所定数のスプレーノズルが設けられ、該スプレーノズルから噴霧された循環水が上向流の排ガスと接触し、排ガス中の臭気成分を気液接触により水中に移動する。
【0022】
脱臭塔本体10の下方には下方に落下する循環水を受け入れる循環水貯留部102を備えている。循環水貯留部102内の循環水は、循環ポンプ103により前記スプレー部101に供給され、前述のように気液接触に供される。循環水貯留部102内には本発明の態様以外で、通常何も添加する必要はないが、本発明の目的を逸脱しない範囲で、必要により次亜塩素酸ソーダや苛性ソーダなどを添加することもできる。臭気成分の脱臭においては水の循環だけで充分だからである。
【0023】
脱臭塔本体10の上部には、必要により臭気成分の吸着部104を設けることができる。吸着部104には例えばミストセパレーターもしくは活性炭などを充填しておくことも好ましい。
【0024】
排ガス導入部11に至る配管には、排ガス冷却部110を備えており、冷却水による冷却が可能なように構成されている。排ガス冷却部110において、排ガスは90℃程度から40℃程度に冷却される。
【0025】
なお、本発明において、排ガス導入部11に導入される排ガスは、焼酎粕を固液分離した後、分離された固形分を乾燥する乾燥設備(図示せず)から排出される。
【0026】
本発明では、前記循環水に対して塩素系殺菌剤を間欠的に有効塩素濃度として30〜400ppmの範囲、好ましくは50〜300ppmの範囲で添加することを特徴とする。
【0027】
これは充填材に微生物や菌体が付着し、目詰まりを起こし、スプレー水の循環運転が継続できなくなる問題に対して、高濃度の殺菌剤の作用及び短時間の殺菌剤濃度変化のストレスにより、微生物や菌体を死滅させて目詰まりを解消するものである。
【0028】
従来、次亜塩素酸ソーダを循環水貯留部102に添加して、次亜塩素酸ソーダによる有効塩素濃度が常時20ppm程度となるように(図2参照)循環水に含有させて脱臭と殺菌を同時に行うことを考案し、運転を行ったが、充填塔における微生物発生のために目詰まりを解消することはできなかった。そのため循環水貯留部102に更に次亜塩素酸ソーダの添加量を増量したところ、塩素臭気が装置周辺におよび周辺住民から苦情が殺到することになった。
【0029】
そこで、本発明では、前記循環水に対して塩素系殺菌剤を間欠的に有効塩素濃度として30〜400ppmの範囲、好ましくは50〜300ppmの範囲で添加するようにしたら、上記の問題は解消できた。即ち、充填材の目詰まりをなくし、臭気の問題も解消した。
【0030】
本発明において、「間欠的に」というのは、従来のような常時有効塩素濃度20ppm添加する添加方式を除外する意味であり、脱臭設備の1日の運転時間にもよるが、例えば8時間運転の場合には、1日1回だけ、数分から3時間、好ましくは10分〜2時間の範囲で塩素系殺菌剤を有効塩素濃度として30〜400ppmの範囲、好ましくは50〜300ppmの範囲で添加することができる。(図2参照)
【0031】
運転時間が24時間の場合には、間欠的であればよいので、1日に複数回でもよい。回数を増加する際には塩素臭気が装置周辺におよび周辺住民から苦情がこないように配慮する必要がある。
【0032】
また塩素系殺菌剤の添加濃度に関しては、脱臭塔の設備仕様(塔径、充填材の種類、充填密度、充填高さ、充填量)などによって、微生物や菌体の量も変化するので、それらを考慮して決定する必要があるが、脱臭塔本体の塔径が一般的な0.5m〜5mの範囲では、30〜400ppmの範囲、好ましくは50〜300ppmの範囲である。従って当業者であれば塔径の変化によって殺菌剤の濃度を変化せることは容易であろう。
【0033】
ここで、所定の脱臭設備における運転時間と殺菌剤添加間隔、及び添加濃度を表1に示す。
【0034】
【表1】


【0035】
塩素系殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸、塩素ガスから選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
【0036】
本発明において、排ガスの脱臭における脱臭塔本体10内の空塔速度は、1.0〜20m/sの範囲が好ましい。また循環水量は液ガス比で2.5〜5L/Nmの範囲が好ましい。
【0037】
本発明においては、一時的に塩素濃度を高濃度にする点に特徴があり、かかる殺菌剤供給の手段、方法は特に限定されない。
【0038】
例えば計量された殺菌剤を手動によって循環水貯留部102に添加することも可能であるが、運転操作性を考慮し、自動化システムが好ましい。
【0039】
具体的には、(1)塩素系殺菌剤の添加装置をタイマー作動させる、あるいは(2)充填部における排ガスの差圧変化を常時測定し、その差圧変化が一定基準値を越えた場合に塩素系殺菌剤の添加装置を作動させるようにすることもできる。ここで一定基準値は運転時間、所要の脱臭効率等によって各脱臭設備毎に設定されるものである。
【実施例】
【0040】
以下、実施例により本発明の効果を例証する。
【0041】
実施例1
(脱臭塔本体内の充填部における目詰まりの原因追求)
図1に示すような脱臭装置を用いて脱臭運転を行う過程で、脱臭塔の充填部がすぐに詰まってしまうので、目詰まりの原因を追求するために、充填物への付着物について顕微鏡写真撮影を行い、観察した。
【0042】
その結果を図3、4、5、6に示す。
【0043】
図3は全体像を示しており、図4、5、6は図3の写真を拡大したものである。
【0044】
図4の写真から微生物による汚泥と観察された。また図5の写真から均一の球状微生物が観察された。さらに図6の写真から線虫微生物が確認された。
【0045】
総合的に見ると、藻類や各種微生物が確認された。付着物のほとんどは微生物による汚泥と推定される。
【0046】
実施例2
図1の脱臭装置を用いて、焼酎粕濃縮設備の乾燥装置から排出される排ガス(排ガス量300m/min、温度90℃)を脱臭処理した。入口の排ガス冷却部で排ガスを40℃に冷却して、排ガス導入部から脱臭塔本体内に導入した。
【0047】
脱臭塔本体内の排ガスの空塔速度を2.0m/sに設定し、又循環水量を液ガス比2.5L/Nmに設定して脱臭運転を行った。
【0048】
充填材はテラレット(日鉄化工機社製S−II)を用いた。
【0049】
脱臭塔本体の入口と出口で排ガスの圧力を計測し、経過日数における圧力損失を求め、その結果を図7に示す。
【0050】
また、循環水を水だけにして(次亜塩素酸ソーダを用いない)、殺菌剤を1日1回10時から約1時間だけ有効塩素濃度として60ppmの濃度で添加し、経過日数における圧力損失を求め、その結果を図7に示す。
【0051】
図7から明らかなように、本発明のように1日1回10時から約1時間だけ有効塩素濃度60ppmで添加した場合には、圧力損失はなく、目詰まりが生じることなく、継続的な運転が実現できた。
【0052】
比較例1
比較のために、実施例2において、循環水の次亜塩素酸ソーダの濃度を常時有効塩素濃度20ppmとなるように調整した。実施例2と同様に、経過日数における圧力損失を求め、その結果を図7に示す。
【0053】
この比較の場合には、運転を継続すると、急激に目詰まりが生じてしまうことがわかる。
【0054】
実施例3
実施例2において、脱臭効果について以下の方法で確認実験を実施した。
1.悪臭物質22成分について、脱臭塔の入口と出口、及び敷地境界(東)と敷地境界(西)で測定した。
2.測定方法
特定悪臭物質(22成分):昭和47年環境庁告示第9号
「特定悪臭物質の測定方法」
臭気濃度:3点比較式臭袋法
3.測定結果
表2及び表3に示す。
【0055】
【表2】


【0056】
【表3】


【0057】
表2及び表3の結果から、脱臭により、アセトアルデヒドは除去されており、敷地境界でもアセトアルデヒドは検出されず、また近隣住民からの苦情もなかった。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る脱臭装置の一例を示す図
【図2】1日の運転スケジュールにおける塩素濃度の変化を示すグラフ
【図3】充填物への付着物の顕微鏡写真
【図4】充填物への付着物の顕微鏡写真
【図5】充填物への付着物の顕微鏡写真
【図6】充填物への付着物の顕微鏡写真
【図7】薬品添加前後における脱臭設備の差圧変化を示すグラフ
【符号の説明】
【0059】
1:脱臭塔
10:脱臭塔本体
100:充填部
101:スプレー部
102:循環水貯留部
103:循環ポンプ
104:吸着部
11:排ガス導入部
110:排ガス冷却部
12:排出部




 

 


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