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発明の名称 摩擦攪拌接合方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−136520(P2007−136520A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−335784(P2005−335784)
出願日 平成17年11月21日(2005.11.21)
代理人 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
発明者 大野 豊 / 藤井 秀樹
要約 課題
隅肉接合する際に接合部材の当接部を安定して固定し、容易に隅肉接合ができる摩擦攪拌接合方法を提供する。

解決手段
第2接合部材2の立設基部2aの先端部に、立設基部2aの幅方向両側に突出する先端平面部2bを形成して、先端平面部2bと第1接合部材1の平面部1aを当接して固定し、この当接部に、第2接合部材2の先端平面部2bから第1接合部材1の平面部1aに向かい、先端平面部2bの突出方向外側から内側に向かう斜め方向で、円柱状回転子3を移動させてプローブ3bを挿入し、端面3aを押圧する。
特許請求の範囲
【請求項1】
円柱状回転子の端面の回転軸上にプローブを突設した接合工具を用いて、一方の接合部材の平面部と、該平面部に立設した他方の接合部材の立設基部の先端部とを隅肉接合する摩擦攪拌接合方法であって、前記他方の接合部材の立設基部の先端部に、該立設基部の幅方向両側に突出する先端平面部を形成し、該先端平面部と前記一方の接合部材の平面部とを当接し、この当接部に、前記先端平面部から前記平面部に向かい、前記先端平面部突出方向外側から内側に向かう斜め方向で、回転している前記円柱状回転子のプローブを挿入するとともに、その端面を押圧し、接合する接合線に沿って前記円柱状回転子を前記接合部材に対して相対移動させ、前記円柱状回転子により前記それぞれの接合部材を摩擦熱で軟化させつつ攪拌して隅肉接合する摩擦攪拌接合方法。
【請求項2】
前記先端平面部を前記立設基部に対して直交して形成する請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
【請求項3】
前記他方の接合部材の立設基部および先端平面部の厚さを3mm以上10mm以下にするとともに、前記先端平面部の前記立設基部からの突出長さを5mm以上20mm以下とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合方法。
【請求項4】
前記円柱状回転子の端面の角部を円弧状にする請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦攪拌接合方法。







発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦攪拌接合方法に関し、さらに詳しくは、隅肉接合する際に接合部材どうしの当接部を安定して固定し、容易に隅肉接合ができる摩擦攪拌接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アルミ部材やその他の金属部材の接合方法として、プローブを端面に突設した円柱状回転子を有する接合工具を用いて、その円柱状回転子を回転させながら、接合部材の当接部にプローブを挿入するとともに、端面を押圧して接合線に沿って移動させる摩擦攪拌接合方法が注目されている。摩擦攪拌接合方法は、一般的な溶解溶接とは異なり、円柱状回転子により摩擦熱を付与しながら軟化した接合部材を攪拌接合する固相接合なので、金属組織が接合過程で強化されて機械的強度に優れる、接合時のひずみを小さくできる等の利点がある。
【0003】
このような利点がある摩擦攪拌接合方法は、突き合わせ接合や重ね合わせ接合に多く適用されていたが、隅肉接合が必要とされる場合もあるため、隅肉接合への適用についても、幾つか提案がされている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1では、一方の接合部材の先端部を他方の接合部材の平面部に直交させて当接部をT字状にして、このT字状の隅部に断面三角形状の接合補助材を充填配置してから、攪拌して隅肉接合するようにしている。
【0005】
この方法では、直交させて当接した接合部材を安定して固定させるには、何らかの治具等が必要となり、接合の際には接合状態が適切であるかを十分に確認する必要がある。また、接合補助材が必要となるとともに、接合補助材を正確に配置することは、作業に時間がかかり、作業性、コスト等の点で不利な方法であった。
【0006】
特許文献2では、それぞれの接合部材の当接部に、相互に係合する凹凸部を設け、これらの凹凸部を係合して隅肉部となる傾斜接合面を形成し、この傾斜接合面を円柱状回転子で攪拌して隅肉接合するようにしている。
【0007】
この方法では、それぞれの接合部材に傾斜接合面を形成する係合凹凸部を設ける必要があり、精度のよい加工、余分な工数、コストがかかるという問題があった。
【特許文献1】特開2001−321965号公報
【特許文献2】特開2003−326375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、隅肉接合する際に接合部材どうしの当接部を安定して固定し、容易に隅肉接合ができる摩擦攪拌接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明の摩擦攪拌接合方法は、円柱状回転子の端面の回転軸上にプローブを突設した接合工具を用いて、一方の接合部材の平面部と、該平面部に立設した他方の接合部材の立設基部の先端部とを隅肉接合する摩擦攪拌接合方法であって、前記他方の接合部材の立設基部の先端部に、該立設基部の幅方向両側に突出する先端平面部を形成し、該先端平面部と前記一方の接合部材の平面部とを当接し、この当接部に、前記先端平面部から前記平面部に向かい、前記先端平面部突出方向外側から内側に向かう斜め方向で、回転している前記円柱状回転子のプローブを挿入するとともに、その端面を押圧し、接合する接合線に沿って前記円柱状回転子を前記接合部材に対して相対移動させ、前記円柱状回転子により前記それぞれの接合部材を摩擦熱で軟化させつつ攪拌して隅肉接合することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の摩擦攪拌接合方法によれば、他方の接合部材の立設基部の先端部に、この立設基部の幅方向両側に突出する先端平面部を形成して、先端平面部と一方の接合部材の平面部を当接するようにしたので、両接合部材を安定に当接して、当接位置や角度のぶれを防止して固定できる。また、当接面積が大きくなるので、当接部を変形させることなく、強固な固定ができる。
【0011】
この当接部に、他方の接合部材の先端平面部から一方の接合部材の平面部に向かい、先端平面部突出方向外側から内側に向かう斜め方向で、円柱状回転子を移動させてプローブを挿入し、端面を押圧することで、円柱状回転子の摩擦攪拌により、予め設定したとおりの隅肉接合を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の摩擦攪拌接合方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。図1に例示する実施形態では、一方の接合部材となる第1接合部材1は、表面に平面部1aを有する平板部材となっている。他方の接合部材となる第2接合部材2は、立設基部2aの先端部に略直交して立設基部2aの幅方向両側に突出する先端平面部2bを備えてT字状断面となっている。立設基部2aと先端平面部2bとが交差する隅部は、円弧状にして応力集中を回避するようにしている。図中の線分CLは、立設基部2aの中心線であり、鉛直線となっている。
【0013】
両接合部材1、2の材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金等を例示することができる。立設基部2aと先端平面部2bとは、押出成形加工、プレス加工等により一体的に形成して、T字状断面の第2接合部材2を容易に製造することができる。
【0014】
摩擦攪拌接合を行なう接合工具は、円柱状回転子3を有しており、円柱状回転子3の端面3aの回転軸IL上には、円柱状回転子3よりも小径の円柱状のプローブ3bが突設されている。円柱状回転子3およびプローブ3bには、接合部材1、2よりも硬度が高く、耐熱性に優れた材料が用いられる。
【0015】
隅肉接合をするには、まず図1、図2に示すように、第1接合部材1の平面部1aと第2接合部材2の先端平面部2bとを当接させて、両接合部材1、2を固定する。この当接部に、接合する接合線WLが設定される。
【0016】
第2接合部材2の立設基部2aの先端には、先端平面部2bが形成されているので、先端平面部2bを第1接合部材1の平面部1aに当接するだけで、特別な治具等を用いることなく、第2接合部材2を第1接合部材1に対して略直角に立設させることができる。
【0017】
この先端平面部2bが、当接位置や角度のぶれを抑制するので安定な固定ができ、当接面積が大きくなるので、強く圧接しても当接部を変形させることなく、強固な固定ができる。これにより、両接合部材1、2を当接する設定を簡単に行なうことができるとともに、接合中のずれもなくなり、精度よく容易に隅肉接合ができる。
【0018】
次いで、回転させた円柱状回転子3を当接部(接合線WL)に、先端平面部2bから平面部1aに向かい、先端平面部2bの突出方向外側から内側に向かう斜め方向で移動させる。円柱状回転子3の回転軸ILと鉛直線CLとがなす、図1に示す挿入角度Aは、接合部材1、2や円柱状回転子3の仕様等によって、適宜決定されるが、例えば、15°〜30°の範囲にすると欠陥なく隅肉接合ができる。一方、挿入角度Aが15°未満もしくは30°を超える場合には、必要とする接合部分が形成されない場合がある。
【0019】
図3の中心線CLの左側に図示するように、当接部に回転させた円柱状回転子3のプローブ3bを挿入しつつ、端面3aを押圧し、所定の挿入深さで挿入移動を停止する。その後、所定の挿入深さにある円柱状回転子3を接合線WLに沿って接合部材1、2の長手方向に移動させる。この移動は、円柱状回転子3と接合部材1、2との少なくとも一方を接合線WLに沿って相対移動させればよい。
【0020】
これにより、回転するプローブ3bによる摩擦熱と、回転摺動する端面3aによる摩擦熱によって、接合部材1、2の接合線WL周辺が軟化する。軟化した接合部材1、2はプローブ3bの回転による攪拌で混合され、円柱状回転子3の移動に連れて混合された部分が、その後を追って流動し、放熱冷却した後に固化して隅肉接合が完了する。図3の中心線CLの右側の断面図が隅肉接合の完了した状態を示し、円柱状回転子3の挿入角度A等により決定される予め設定したとおりの隅肉接合が可能となる。
【0021】
円柱状回転子3の端面3aの角部Cは、円弧状に加工されているので、摺動する端面3aの角部Cに対応する位置となる接合部には、鋭利なへこみ(アンダーカット)が発生しにくくなる。この角部Cの円弧の半径は例えば、2mm以上10mm以下にする。
【0022】
また、第1接合部材1と第2接合部材2とを直交させて隅肉接合する際には、第2接合部材2の立設基部2aおよび先端平面部2bの厚さtを3mm以上10mm以下にして、かつ先端平面部2bの立設基部2aからの突出長さWを5mm以上20mm以下にすることが好ましい。
【0023】
先端平面部2bの厚さtが3mm未満、突出長さWが5mm未満であると、摩擦攪拌により軟化する部分が少なく、十分な隅肉接合が困難になる。また、突出長さWが5mm未満であると、両接合部材1、2を当接して固定する際に十分な安定性が確保できなくなる。
【0024】
一方、先端平面部2bの厚さtが10mm超、突出長さWが20mm超であると、摩擦攪拌して軟化させる部分が多くなり、接合効率が低下する。立設基部2aの厚さtは、先端平面部2bの厚さtとほぼ同じ範囲にすることで、第2接合部材2が製造し易くなる。
【0025】
尚、上記の実施形態で示したように、立設基部2aと先端平面部2bとの交差角度を90°にすると両接合部材1、2を固定する際に最も安定するが、隅肉接合が必要となる交差角度であれば本発明を適用することができる。
【0026】
図4に別の接合方法を例示する。この方法は、上記の実施形態と同一の接合部材1、2を用いている。両接合部材1、2は、基台5の水平表面に対して所定の傾斜角度A1で固定された平板状の載置台4に載置されている。載置台4の一端部は、基台5に回動自在に固定され、傾斜角度A1は容易に調整できるようになっている。載置台4を傾斜させるには、他の機構を用いてもよい。円柱状回転子3は、プローブ3bを下側にして軸方向を鉛直にして配置されている。
【0027】
この方法では、円柱状回転子3の挿入角度Aは、載置台4の傾斜角度A1と同じになるので、円柱状回転子3の挿入角度Aに合わせて載置台4の傾斜角度A1を調節するだけで、所望の挿入角度Aに設定することができ、作業が容易になる。
【0028】
また、水平となる円柱状回転子3の端面3aで当接部が摩擦攪拌されるので、重力による偏りを防止して隅肉接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の摩擦攪拌接合方法の概要を例示する正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の次の工程を例示し、左半分が接合中の正面図、右半分が接合後の断面図である。
【図4】本発明の摩擦攪拌接合方法の別の例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 第1接合部材 1a 平面部
2 第2接合部材 2a 立設基部 2b 先端平面部
3 円柱状回転子 3a 端面 3b プローブ
4 載置台
5 基台




 

 


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