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発明の名称 ブラスト装置による投射状態情報の推定法および投射状態情報の推定装置、ならびに投射状態情報の推定プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−229867(P2007−229867A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−54444(P2006−54444)
出願日 平成18年3月1日(2006.3.1)
代理人
発明者 岩田 恭一 / 牧野 泰育
要約 課題
所定の投射状態情報を得るための諸条件の絞り込みに掛かる作業コストおよび時間を削減することができるブラスト装置による投射状態情報の推定法を提供する。

解決手段
ブラスト装置において、放出された投射材が回転するブレード、または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射状態情報を推定する。また、ブレードの寸法と回転に関する情報、投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する工程と、該初期条件を記憶する工程と、各投射材がブレードおよび/または他の投射材との間に発生する接触力を演算する工程と、前記接触力及び重力からなる前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を算出し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式解析工程と、該演算手段の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する工程とを含んでいる。
特許請求の範囲
【請求項1】
放出された投射材が、回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射状態情報を推定するブラスト装置による投射状態情報の推定法。
【請求項2】
前記投射材の投射状態情報が投射材の投射分布および/または投射速度である請求項1記載のブラスト装置による投射状態情報の推定法。
【請求項3】
複数のブレードを高速回転させて、放出された投射材を前記ブレードにより被処理品に投射するブラスト装置において、投射材が、回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射状態情報を推定するブラスト装置による投射状態情報の推定法であって、
ブレードの寸法と回転に関する情報、投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する工程と、
該初期条件を記憶する工程と、
各投射材が、ブレードおよび/または他の投射材との接触力を演算する接触力解析工程と、
前記接触力及び重力からなる前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を算出し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式解析工程と、
該演算の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する工程
とを含むブラスト装置による投射状態情報の推定法。
【請求項4】
前記投射材の投射状態情報が投射材の投射分布および/または投射速度である請求項3記載のブラスト装置による投射状態情報の推定法。
【請求項5】
前記演算の結果を表示する請求項1、2、3または4記載のブラスト装置による投射状態情報の推定法。
【請求項6】
前記ブラスト装置が遠心投射装置である請求項1、2、3、4または5記載のブラスト装置による投射状態情報の推定法。
【請求項7】
複数のブレードを高速回転させて、放出された投射材を前記ブレードにより被処理品に投射するブラスト装置において、投射材が、回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射分布を推定するブラスト装置による投射状態情報の推定装置であって、
前記投射材が回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを行なうプログラムを登録するプログラム登録手段と、
ブレードの寸法と回転に関する情報、投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する入力手段と、
該初期条件を記憶する記憶手段と、
各投射材が、ブレードおよび/または他の投射材との接触力を演算する接触力演算手段と、
前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を演算し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式演算手段と、
該演算の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する手段
とを含むブラスト装置による投射状態情報の推定装置。
【請求項8】
前記運動方程式演算手段が、接触力の大きさを求めたのち、前記接触力及び重力からなる前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を算出し、投射材の速度と位置を演算する請求項7記載の投射状態情報の推定装置。
【請求項9】
複数のブレードを高速回転させて、放出された投射材を前記ブレードにより被処理品に投射するブラスト装置において、投射材が、回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射分布を推定するブラスト装置による投射状態情報の推定装置であって、
前記投射材が回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを行なうプログラムを登録するプログラム登録手段、
ブレードの寸法と回転に関する情報、投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する入力手段、
該初期条件を記憶する記憶手段、
各投射材が、ブレードおよび/または他の投射材との接触力を演算する接触力演算手段、
前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を演算し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式演算手段、
該演算の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する手段
として機能させるための投射状態情報の推定プログラム。
【請求項10】
前記運動方程式演算手段が、接触力の大きさを求めたのち、前記接触力及び重力からなる前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を算出し、投射材の速度と位置を演算する請求項9記載の投射状態情報の推定プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はブラストによる投射状態情報の推定法および投射状態情報の推定装置、ならびに投射状態情報の推定プログラムに関する。さらに詳しくは、所定の投射状態情報を得るための諸条件の絞り込みに掛かる作業コストおよび時間を削減することができるブラスト装置、たとえば遠心投射装置による投射状態情報の推定法および投射状態情報の推定装置、ならびに投射状態情報の推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠心投射装置において、最適なブラスト処理やピーニング処理のため、投射分布を調整することは公知である(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−323629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、投射分布や投射速度を確認するには、実際に遠心投射装置でワークを投射してワークの処理結果から確認する必要があったので、最適な処理と投射分布などの正確な関係を把握するには時間を要していた。また、遠心投射装置においては、省エネ化や効率的投射は要望されるようになり、遠心投射装置を被処理品や処理方法に適合するように最適に投射分布させることが望まれている。しかし、最適な処理と投射分布の正確な関係を把握するのに時間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、叙上の事情に鑑み、所定の投射状態情報、たとえば投射分布および/または投射速度を得るための諸条件の絞り込みに掛かる作業コストおよび時間を削減することができるブラスト装置による投射状態情報の推定法および投射状態情報の推定装置、ならびに投射状態情報の推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のブラスト装置による投射状態情報の推定法は、放出された投射材が、回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射状態情報を推定することを特徴としている。
【0007】
また、本発明のブラスト装置による投射状態情報の推定法は、複数のブレードを高速回転させて、放出された投射材を前記ブレードにより被処理品に投射するブラスト装置において、投射材が回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射状態情報を推定するブラスト装置による投射状態情報の推定法であって、ブレードの寸法と回転に関する情報、投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する工程と、該初期条件を記憶する工程と、各投射材が、ブレードおよび/または他の投射材との接触力を演算する接触力解析工程と、前記接触力及び重力からなる前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を算出し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式解析工程と、該演算の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する工程とを含むことを特徴としている。
【0008】
また、本発明のブラスト装置による投射状態情報の推定装置は、複数のブレードを高速回転させて、放出された投射材を前記ブレードにより被処理品に投射するブラスト装置において、投射材が回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて、前記投射材の投射分布を推定するブラスト装置による投射状態情報の推定装置であって、前記投射材が回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを行なうプログラムを登録するプログラム登録手段と、ブレードの寸法と回転に関する情報、投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する入力手段と、該初期条件を記憶する記憶手段と、各投射材が、ブレードおよび/または他の投射材との接触力を演算する接触力演算手段と、前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を演算し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式演算手段と、該演算の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する手段とを含むことを特徴としている。
【0009】
さらに本発明の投射状態情報の推定プログラムは、ブラスト装置による所定の投射状態情報を得るためにコンピュータを、投射材が回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを行なうプログラムを登録するプログラム登録手段、ブレードの寸法と回転に関する情報、投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する入力手段、該初期条件を記憶する記憶手段、各投射材が、ブレードおよび/または他の投射材との接触力を演算する接触力演算手段、前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を演算し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式演算手段、該演算の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定の投射状態情報を得るために必要な諸条件、たとえばブレードの形状などを決定するのに多くの試作を繰り返えさなくても、諸条件の絞り込みができるので、作業コストおよび時間を削減することができ、精度の良い投射状態情報を推定することができる。ここで「ブラスト装置による投射状態情報」とは、ブラスト装置によって投射された投射材の飛散方向分布(投射分布)および/または投射材の速度を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面に基づいて、本発明のブラスト装置による投射状態情報の推定法、投射状態情報の推定装置および投射状態情報の推定プログラムを説明する。本発明は、複数のブレードを設けたインペラーを高速回転させて、該インペラーの内部空間に配置される円筒状のコントロールケージの開口窓を通して放出された投射材を前記ブレードにより被処理品に投射する遠心投射装置であるブラスト装置や、駆動モータで回転する回転板と、該回転板に取付けた複数枚のブレードと、そのブレードに投射材を供給する供給口を有した流入管とを含むブラスト装置などに適用することができるが、以下、遠心投射装置について説明する。
【0012】
本実施の形態では、まず、コントロールケージから回転するブレードの中に自由に放たれた投射材の挙動を調べるために、初期実験を行なった。この初期実験では、感圧紙を用いてブレード上の投射材の挙動を確認した。なお、初期実験に用いた遠心投射装置は、図1に示されるように、装置本体の研掃室の天井に配された上壁1に配置されるハウジング(インペラーケース)2と、該ハウジング2の側部2aの外側である前記上壁1に配設される駆動手段3と、該駆動手段3の駆動軸3a側に取り付けられるインペラー4と、該インペラー4の内周空間Sに前記駆動軸3aと同軸に取り付けられるディストリビュータ5と、前記ハウジング2の側部2aに対向する側部2bに取り付けられる円筒状のコントロールケージ6と、前記ハウジング2の側部2bに取付けられる導入筒7とを備えている。
【0013】
前記インペラー4は、前記駆動軸3aにハブ10を介してボルト11により取り付けられており、前記駆動手段3の駆動軸3a側の側板12aと、該側板12aにより前記導入筒7側に所定幅離れた位置の側板12bと、側板12aと側板12bとのあいだに放射状に挾着固定された複数枚のブレード13とを具備している。
【0014】
前記ディストリビュータ5は、投射材を撹拌する部品であってボルト14により前記側板12aに固定されており、前記ブレード13の枚数と同一の数、該枚数より少ない数または該枚数より多い数の開口(切り欠き)15を周方向にほぼ等間隔に有している。
【0015】
前記コントロールケージ6は、先端部6aの円筒部に形成される四角形状の開口窓17により投射方向を規制する部品であって、前記ディストリビュータ5と前記ブレード13とのあいだに延設されており、前記ハウジング2の側板2b側に取り付けられている。
【0016】
前記初期実験の結果、図2に示されるように、投射材の挙動は滑走ではなく、2〜3ヵ所に集中して圧力がかかっていることから、投射材は回転するブレードに接触ないし反発して、加速を伴って移動していると捉えることができる。また、他の投射材との接触による移動ベクトルの変化も考慮し、投射分布は、投射材が、他の移動体、すなわち回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを用いて現すことができることがわかった。
【0017】
そして、投射分布の移動解析モデルの初期条件として、実機の諸条件に相当するブレードの寸法と回転に関する情報(ブレード情報)とコントロールケージから放出する投射材の放出情報などを用いることができ、たとえばブレードの外径、内径、長さ、幅、枚数、回転数(インペラー回転数)などや、投射材の粒径、密度、時間あたりの投射量の他、図3に示されるように、コントロールケージの開口窓からの投射材の放出範囲(角度α)、投射方向、投射材の初速度およびそれらのバラツキ範囲など設定可能な要因を取り上げることができる。前記時間あたりの投射量は、単位時間あたりに放出される投射材の重量を表し、すなわち単位時間あたりに放出される投射材の粒数も算出でき、ブレードの枚数、回転数を考慮すると1回転するブレード1枚あたりに投射される投射材の粒数も算出できる。前記放出範囲は、投射材がコントロールケージから放出される範囲に相当し、角度で表され、開口窓やディストリビュータの形状によって決定される。また、前記バラツキ範囲とは、投射材がコントロールケージから放出される際の投射方向、および初速度の分布範囲に相当することを意味している。さらに前記分布は、コントロールケージの開口窓やディストリビュータ形状により変化するため、バラツキ範囲内で確率密度が等しい矩形分布であったり、バラツキ範囲を標準偏差として与えることにより正規分布としてもよい。また、移動解析モデルにおいて、各係数については、実際の投射材とブレードを用い、バネ定数、粘性係数、摩擦係数を事前に求めた。
【0018】
また、前記初期条件のもとに移動解析モデルは、ブレードが点対称であることを前提とし、投射材を加速する任意のブレード1枚についての演算とし、各投射材に投射方向、投射材の位置および速度の情報を与えることにして、微少時間における投射材とブレードの移動量を計算し、接触条件を満たす投射材について接触の演算を行なう。すなわち、投射材とブレードとの距離を演算し、接触していると判定される場合は、投射材とブレード間に作用する接触力を演算し、さらに、他の投射材との距離も演算して、接触していると判定される場合は、該投射材間に作用する接触力を演算する。そして、演算後の解析結果は、本発明においては、とくに限定されるものではないが、通常用いられる演算・表示機能を有するコンピュータを搭載した機種のタッチパネルや、制御盤上のディスプレイなどの表示画面に表示する。
【0019】
したがって、本実施の形態における投射状態情報の推定装置は、前記コントロールケージから放出した投射材が回転するブレードおよび/または他の投射材と接触により移動する移動解析モデルを行なうプログラムを登録するプログラム登録手段と、ブレードの寸法と回転に関する情報、コントロールケージからの投射材の放出情報およびブレードに対する投射材の情報を含む初期条件を入力する入力手段と、該初期条件を記憶する記憶手段と、投射材が他の投射材との接触力を演算する手段と、前記投射材に作用する力から該投射材の加速度を演算し、当該加速度から微少時間後の前記投射材の速度と位置を求める運動方程式演算手段と、該演算の結果に基づいて所定の投射状態情報を推定する手段とを含んでいる。この推定する手段として、たとえば演算の結果を表示する表示手段を用いても良い。また、本実施の形態における投射状態情報の推定プログラムでは、コンピュータを、プログラム登録手段、入力手段、記憶手段、演算手段、推定する手段(表示手段)として機能させている。
【0020】
以下、本実施の形態における投射状態情報の推定法の一例を手順(1)〜(6)に沿って説明する。
【0021】
(1)まず、図4に示されるように、投射分布の解析モデルのブレード情報として、ブレードの外径、内径、枚数および回転数を入力する。ついで、コントロールケージからの放出情報として、投射材の粒径、密度、投射量、放出範囲(角度)、方向、初速度およびそれらのバラツキを入力する。さらに、跳ね返り係数および摩擦抵抗係数を仮に入力する(ステップS1)。たとえば、このステップS1におけるブレードの外径としては360mm、内径としては135mm、枚数としては8枚および回転数としては3000rpmを入力する。また、たとえば、投射材の粒径はφ1mm、密度は7850kg/m、投射量は200kg/minとし、放出範囲としては、35°とし、方向としては、投射位置から回転方向に90°とし、そのバラツキを±15°とし、初速度としては、10m/sとし、そのバラツキを±5m/sとして入力する。たとえば、跳ね返り係数としては0.2および摩擦抵抗係数としては0.6を入力する。
【0022】
(2)ついで、微少時間(たとえば、時間t=0からサンプリング時間Δt=80μs)後の位置に、ブレードを回転させる(ステップS2〜S4)。
【0023】
(3)ついで、各投射材が他の移動体と接触したか否かを演算し、接触したと判断した場合、投射材に作用する接触力解析工程をすべての投射材において行う(ステップS5)。ここで、他の移動体とはブレードと他の投射材を示す。たとえば、他の移動体として投射材同士が接触する場合、投射材間に作用する力は、接触する任意の投射材iと投射材jの距離を計算して接触判定をする。この判定結果に基づいて、投射材iと投射材jとが接触しているときには、投射材iの中心から投射材jの中心に向くベクトルを「法線方向ベクトル」と、この法線方向ベクトルの反時計回りに90度回転させた方向に向くベクトルを「接線方向ベクトル」と、それぞれ定義する。また、図5に示すように、相接触する2つの投射材(離散要素)i、j間における投射材i、jの法線方向と接線方向に、それぞれ、バネとダッシュポットの仮想並列配置を考え、投射材jが投射材iに及ぼす接触力を求める。つまり、その接触力を、接触力の法線方向成分と接触力の接線方向成分との合力として求める。
【0024】
ステップS5においては、すべての投射材について、まず、接触力の法線方向成分を求める。ところで、微少時間での投射材iと投射材jの相対変位は、弾性抗力増加分および接触量に比例する弾性スプリングのバネ定数を用いると、つぎの式(1)で表示される。
【0025】
【数1】


であり、添え字のnは、法線方向成分であることを表す。
【0026】
また、粘性抗力は、相対変位速度に比例する粘性ダッシュポットの粘性係数を用いると、つぎの式(2)で表示される。
【0027】
【数2】


である。
【0028】
任意の時間tにおける投射材jが投射材iに作用する接触力の法線方向成分に係る弾性抗力と粘性抗力は、それぞれつぎの式(3)および式(4)で表示される。
【0029】
【数3】


【0030】
したがって、接触力の法線方向成分はつぎの式(5)で表示される。
【0031】
【数4】


よって、任意の時間tにおいて投射材iに作用する接触力は、全投射材からの接触力を考慮して計算されることとなる。
【0032】
ステップS5では、最後に、すべての投射材について、接触力の接線方向成分を求める。この接線方向成分は、法線方向成分と同様に、弾性抗力が相対変位に比例し、さらに粘性抗力相対変位速度にも比例するものと考えられ、つぎの式(6)で求められる。
【0033】
【数5】


である。
【0034】
ここで、接触している投射材i、j間ですべりがあるため、すべりに係るCoulombの法則を用いる。
【0035】
【数6】


【0036】
【数7】


【0037】
なお、本実施例では投射材は乾燥したものを対象としているため、投射材間の付着力は無視している。
【0038】
(4)続くステップS6では運動方程式解析を行い、投射材i、jに作用する力、すなわち、接触力及び重力から、つぎの式(11)で表される加速度を求める。さらには、このステップにおいて、すべての投射材について同様の解析を行う。
【0039】
【数8】


である。
【0040】
また、接触時の衝突の角度により回転運動が生じるが、その角加速度はつぎの式(12)で求められる。
【0041】
【数9】


である。
【0042】
つぎに、前記式(11)で求めた加速度に基づいて、つぎの式(13)〜(15)により微少時間後の速度と位置を求める。なお、v、rは現時点での移動ベクトルと位置ベクトルである。この演算の結果における表示例を図6に示す。
【0043】
【数10】


である。
【0044】
(5)ついで、ブレードの位置が所定位置、たとえば実施の形態においては開始位置より270°まで回転したか否かを判定する(ステップS7)。回転していないと判定される場合、つぎの微少時間後におけるブレード角度、投射材に作用する接触力、運動方程式を演算するため、前記ステップS4〜S7を繰り返す。そして、所定位置までブレードが回転していると判定される場合には、演算を終了する。
【0045】
(6)ついで、集計による投射分布と投射速度の演算結果を表示する。図7に示されるように、演算投射分布E1は実投射分布Eに近いことがわかる。
また、ブレードからの投射材の投射分布および投射速度については、各投射材の移動ベクトルの方向を角度で表し、それらをヒストグラムで表したものが投射分布である。また、前記移動ベクトルの大きさの平均値を算出したものが投射速度であり、標準偏差を算出したものが投射速度のバラツキである。
【0046】
つぎにブレードの外径による速度変化を調べた。図8に示されるように、実測値は計算値(破線)によく一致している。
【0047】
本実施の形態では、前記手順における移動解析モデルにより前記投射材の投射状態情報である投射材の投射分布や、投射速度、および投射速度のバラツキを推定することができる。このため、初期条件に対して必要な変更をすることにより、所定の投射状態情報を得るために必要な諸条件、たとえばブレードの長さや形状、枚数、回転数、およびコントロールケージの開口窓の形状などを決定するのに多くの試作を繰り返えさなくても、前記諸条件の絞り込みができる。したがって、所定の投射状態情報を得るための諸条件の絞り込みに掛かる作業コストおよび時間を削減することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、各投射材と他の移動体としての他の投射材との接触について説明したが、本発明における移動解析モデルを用いて、各投射材とブレードとの接触についても同様に投射分布および投射速度を求めることができる。この場合、他の投射材をブレードに変更するにあたり、前記手順において、同様の工程を用いて投射材の移動解析を行えば良い。
また、前記移動解析モデルを用いて、他の投射材との接触およびブレードとの接触を考慮して投射分布および投射速度を求めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】遠心投射装置の一例を示す要部断面図である。
【図2】ブレード上の投射材の挙動を示す図である。
【図3】初期条件の放出情報を説明するための模式図である。
【図4】本発明の一実施の形態にかかわるフローチャートである。
【図5】移動解析モデルにおける投射材間の接触力の求め方の一例を示した図である。
【図6】演算の結果の表示例を示す図である。
【図7】演算投射分布と実投射分布を示す図である。
【図8】周速が等しい場合の外径と平均投射速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 上壁、2 ハウジング、2a、2b 側部、3 駆動手段、3a 駆動軸、4 インペラー、5 ディストリビュータ、6 コントロールケージ、6a 先端部、7 導入筒、10 ハブ、11、14 ボルト、12a、12b 側板、13 ブレード、15 開口、17 開口窓




 

 


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