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発明の名称 磁気ヘッド研磨装置及び磁気ヘッド研磨方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−229884(P2007−229884A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−56365(P2006−56365)
出願日 平成18年3月2日(2006.3.2)
代理人 【識別番号】100064447
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 正夫
発明者 小野関 善宏 / 水野 亨 / 山口 晴彦
要約 課題
接着剤の影響を受けることなく、押圧部材の応答性やリニアリティを向上させることにより研磨精度を高めることができる磁気ヘッド研磨装置や磁気ヘッド研磨方法を提供することを目的とする

解決手段
磁気ヘッド研磨装置は、回転可能な研磨面を有する研磨用定盤と、前記研磨面を回転させる回転駆動手段と、前記研磨面に対して移動可能に配置され、前記被研磨物を前記研磨面に対して押圧し前記被研磨物を研磨する研磨ヘッドと、を備え、前記研磨ヘッドは、弾性を有し、前記被研磨物を表面に保持する保持部と、前記保持部を固定する保持部固定部と、前記保持部を介して前記被研磨物を押圧する複数の押圧部材と、を有し、前記押圧部材が押圧する前記保持部の押圧領域に、前記押圧手段が接触した状態で、前記保持部が前記押圧領域以外の領域で前記保持部固定部に固定されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
電気−磁気変換素子及び磁気−電気変換素子の少なくとも一方からなる素子が複数形成された被研磨物を研磨する磁気ヘッド研磨装置であって、
回転可能な研磨面を有する研磨用定盤と、前記研磨面を回転させる回転駆動手段と、前記研磨面に対して移動可能に配置され、前記被研磨物を前記研磨面に対して押圧し前記被研磨物を研磨する研磨ヘッドと、を備え、
前記研磨ヘッドは、前記被研磨物を表面に保持する弾性を有する保持部と、前記保持部を固定する保持部固定部と、前記保持部を介して前記被研磨物を押圧する複数の押圧部材と、を有し、
前記押圧部材が押圧する前記保持部の押圧領域に、前記押圧手段が接触した状態で、前記保持部が前記押圧領域以外の領域で前記保持部固定部に固定されている磁気ヘッド研磨装置。
【請求項2】
前記研磨ヘッドは、前記押圧部と前記保持部との間に介在する薄板部材を備え、前記保持部は前記薄板部材を介して前記保持固定部に固定されている請求項1に記載の磁気ヘッド研磨装置。
【請求項3】
前記押圧部材を駆動するアクチュエータはエアベアリング式のエアシリンダを有する請求項1乃至2に記載の磁気ヘッド研磨装置。
【請求項4】
電気−磁気変換素子及び磁気−電気変換素子の少なくとも一方からなる素子が複数形成された被研磨物を研磨する磁気ヘッド研磨方法であって、
前記被研磨物を弾性体の表面に保持する保持工程と、
研磨用定盤に形成された研磨面に対して、前記弾性体を介して前記被研磨物を押圧し、前記被研磨物を研磨する研磨工程と、を備え、
前記研磨工程は、前記押圧部材により押圧される前記保持部の押圧領域以外の領域において、前記保持部が固定された状態で行われる磁気ヘッド研磨方法。
【請求項5】
前記弾性体の前記押圧部材により押圧される面は薄板部材を備えることを特徴とする、請求項4に記載の磁気ヘッド研磨方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録装置等に用いられる磁気ヘッドスライダが複数連結された被研磨物である磁気ヘッド研磨装置及び研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、磁気ヘッドの製造工程において、複数の磁気ヘッド素子(MR(Magneto Resistive)膜と呼ばれる。)が表面上に一列に形成されてなるローバーの被研磨面(いわゆるエアベアリング面)に対していわゆるRLG(Resistance Lapping Guide)研磨が行われている。RLG研磨は、スライダのスロートハイトあるいはMRハイト等が適切な値になるように、MR膜の抵抗特性をダミー抵抗を用いて測定しながら行われる。
研磨される対象であるローバーとは、セラミック材料からなるウエハの表面に、磁気ヘッド素子を複数形成したものを、ダイシング工程において所定の幅で切断して得られた個々の棒状部材である。
【0003】
RLG研磨では、ローバーの被研磨面に対向する面に略剛体からなる治具を固定し、研磨用定盤の上方に配置される研磨ヘッドの下面に、治具に固定されたローバーを固定する。
【0004】
研磨剤(スラリー)を一様に塗布した定盤の上面に研磨ヘッドを降下させ、ローバーの被研磨面を接触させる。この後、定盤を回転させ、ローバーを構成する各スライダーに、押圧部材からの圧力を作用させることで、ローバーを所定の厚さ、表面粗さ、及び所定の形状に研磨する(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0005】
以下に、従来の押圧部材とローバーの構成について説明する。図9(a)は、研磨ヘッドの正面図であり、図9(b)は、研磨ヘッドの底面図である。図10は、図9(a)のX部の拡大図である。
【0006】
ローバ417を押圧する押圧部材は、押圧ピンと431と、押圧ピン431の先端部に当接可能に配置され、研磨ヘッド415本体に装着されている櫛歯部材435から構成されている。また、櫛歯部材435における、押圧ピン431に押圧される部分と反対側の面には、櫛歯部材の長手方向にラバー419が接着剤(接着剤層432)により固定されている。また、ローバー417は、ラバー419の表面に保持される。
【0007】
上記構成の研磨ヘッド415において、不図示の駆動源から供給される圧縮空気により所定の押圧ピン431が押圧されると、櫛歯部材432の、可撓性のある櫛歯部435aを押圧する。さらに、櫛歯先端部分435bが撓み、ラバー419を変形させ、ローバー417の所定箇所を研磨面に押圧し研磨を行う。
【0008】
【特許文献1】特開2002−66893号公報
【特許文献2】特開2002−157723号公報
【特許文献3】特許第2935916号公報
【特許文献4】特開2004−071016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、ますます磁気ヘッドに使用されるスライダの小型化が進んできている。この小型化に伴い、ローバーを構成する各スライダの配列ピッチもますます狭くすることが要求されている。
【0010】
スライダの微小化に伴い、磁気ヘッド研磨装置の押圧部材の微小化のみならず、研磨精度を高める必要がある。研磨精度を向上させるためには、押圧動作の応答性や、負荷に対するリニアリテイを高めることが必要である。特に、研磨装置は、スライダの電気的特性をモニタしながら押圧力を変えるクローズト制御によって行う場合、制御系からの指令による押圧部材の応答性を高めることは、研磨精度の向上に不可欠である。
【0011】
発明者等は鋭意研究した結果、従来の比較的大きな寸法のスライダでは、押圧部材とラバーの間に介在している接着剤の影響は相対的に小さかったが、スライダの微小化にともない、応答性や負荷のリニアリティへの影響が相対的に大きくなってきているという知見を得た。これは、押圧部材の構成要素が小型化すると、体積より表面積の影響が顕著になり、押圧部材がラバーを押圧する際の接着剤の影響を無視できなくなっていることに起因すると考えられる。
【0012】
そこで、本発明は、接着剤の影響を受けることなく、押圧部材の応答性やリニアリティを向上させることにより研磨精度を高めることができる磁気ヘッド研磨装置や磁気ヘッド研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明の磁気ヘッド研磨装置の第1の態様は、電気−磁気変換素子及び磁気−電気変換素子の少なくとも一方からなる素子が複数形成された被研磨物を研磨する磁気ヘッド研磨装置であって、回転可能な研磨面を有する研磨用定盤と、前記研磨面を回転させる回転駆動手段と、前記研磨面に対して移動可能に配置され、前記被研磨物を前記研磨面に対して押圧し前記被研磨物を研磨する研磨ヘッドと、を備え、前記研磨ヘッドは、前記被研磨物を表面に保持する弾性を有する保持部と、前記保持部を固定する保持部固定部と、前記保持部を介して前記被研磨物を押圧する複数の押圧部材と、を有し、前記押圧部材が押圧する前記保持部の押圧領域に、前記押圧手段が接触した状態で、前記保持部が前記押圧領域以外の領域で前記保持部固定部に固定されている。
【0014】
本発明の磁気ヘッド研磨装置の第2の態様によれば、前記研磨ヘッドは、前記押圧部と前記保持部との間に介在する薄板部材を備え、前記保持部は前記薄板部材を介して前記保持固定部に固定されている。
【0015】
本発明の磁気ヘッド研磨装置の第3の態様によれば、前記押圧部材を駆動するアクチュエータはエアベアリング式のエアシリンダを有する。
【0016】
さらに、上記課題を解決するための本発明の磁気ヘッド研磨方法の第1の態様によれば、電気−磁気変換素子及び磁気−電気変換素子の少なくとも一方からなる素子が複数形成された被研磨物を研磨する磁気ヘッド研磨方法であって、前記被研磨物を弾性体の表面に保持する保持工程と、研磨用定盤に形成された研磨面に対して、前記弾性体を介して前記被研磨物を押圧し、前記被研磨物を研磨する研磨工程と、を備え、前記研磨工程は、前記押圧部材により押圧される前記保持部の押圧領域以外の領域において、前記保持部が固定された状態で行われる。
【0017】
本発明の磁気ヘッド研磨方法の第2の態様によれば、前記弾性体の前記押圧部材により押圧される面は薄板部材を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の研磨装置及び研磨方法によれば、押圧部材と、保持部材の間には、接着剤が介在しないので、接着剤による影響を受けることがない。よって、押圧部材の応答性やリニアリティを向上させることができ、研磨精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明による磁気ヘッド研磨装置及び磁気ヘッド研磨方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(実施形態)
本発明の実施形態に係る磁気ヘッド研磨装置を添付図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施形態の磁気ヘッドの研磨装置の全体を示す正面図であり、図1(b)は平面図である。図1(a)及び図1(b)により、磁気ヘッドの研磨装置の全体構成を説明する。
【0021】
磁気ヘッドの研磨装置は、基台1を備え、この基台1には、研磨用定盤3が水平面内で回転可能に支持され、さらに、この研磨用定盤3は基台1内に設けられた回転駆動源である定盤駆動用モータ5でベルト7を介して回転駆動される。研磨用定盤3が備える研磨面3aは、研磨工程によって被研磨面上に所定のR形状(クラウン形状)を与えるべく、所定の曲率半径を有する曲面を構成する凹面状のすり鉢形状である。
【0022】
また、図1(a)中、上下方向に離間した1対のガイドレール9が基台1の上方で水平方向に延び、さらに、横移動スライダ11(図1(b)参照。)が、ガイドレール9に摺動自在に装着され、ガイドレール9に沿って水平方向に移動できる。横移動スライダ11の移動は、例えばガイドレール9に平行なボール螺子軸にスライダ11側のボール螺子ナットを螺合し、ボール螺子軸をモータで回転駆動することで実行できる。さらに、横移動スライダ11には、研磨ヘッド取付用フレーム13が装着されている。
【0023】
このように、横移動スライダ11及び研磨ヘッド取付用フレーム13は水平方向の往復直線運動を行うことができる。
【0024】
さらに、研磨ヘッド取付用フレーム13には、押しつけ機構保持プレート25(図3参照。)を介して後述する押しつけ機構15が装着されている。
【0025】
図1中の右側上方には、磁気ヘッド研磨装置の全体の制御を司る、例えばコンピュータよりなる制御部6が設けられている。この制御部6は、作業者が、不図示のスイッチを操作すると、研磨工程のための諸制御を開始するようになっている。すなわち、磁気ヘッド研磨装置が備えるモータ等の駆動部に対して駆動信号を送り研磨作業を行うように構成されている。
【0026】
以下に被研磨物を研磨面に対して押し付けるための押し付け機構について説明するが、磁気ヘッド研磨装置のその他の構成については、本願出願人による特許文献1、2等に記載されているものと同様であるので、詳細は割愛する。
【0027】
図2は、押し付け機構の概略を示す正面図である。図3は、図2の線III−IIIに沿った断面図である。図4は、ラバーの底面図である。なお、図2において、図3に示されているホルダー21は構成の説明上割愛した。
【0028】
図2、3に示されるように、押しつけ機構15は、被研磨物であるローバー17を保持する弾性の保持部であるラバー部材19と、前記ラバー部材19を固定するための保持部固定部であるラバーホルダー29と、ラバーホルダー29を研磨面3aに対して昇降する昇降部23を備える。
【0029】
昇降部23は、左右に配置された昇降ユニット24、26から構成されている。両昇降ユニット24、26は同一の構成であるので図中右側の昇降ユニット24について説明する。昇降ユニット24は、押しつけ機構保持プレート25(図3参照。)に固定されるエアシリンダ28と、エアシリンダ28内で鉛直方向に昇降移動するピストン30と、不図示のエア源からエアシリンダに所定圧のエアーを供給する不図示の電空レギュレータと、を備える。また、ピストン30の下端部は、ホルダ21に装着されており、ピストン30の昇降により、ホルダ21が昇降する。
【0030】
また、押しつけ機構15は、不図示の電空レギュレータで制御されるエアを、継手26を介してマニホールドシリンダ27内に導入し、マニホールドシリンダ27内に保持されたアクチュエータとなるピストン37を駆動する。ピストン37の駆動に応じて、板部材である押圧スライダ31が研磨面3aに対して上下方向に往復運動する。なお、スライダ31の移動範囲は、上下方向に関してはストッパ33により、そして、左右方向にはガイド35によって規制される。なお、各ピストンは制御部6からの駆動信号に基づきそれぞれ独立して駆動される。
【0031】
本実施の形態においては、上述の押圧スライダ31によるローバー17の押圧を、ローバー17を構成する各素子(スライダ)毎に応じて行うことを目的としている。しかし、必要となる押圧スライダ31の移動量を提供しうるピストン37の大きさ、特にピストン37の直径は、現状においては、各素子に割り当てられるローバー上の領域の大きさと比較して、かなり大きいものとなる。このため、図3に示すように、ピストン37を3列に並設することとし、隣り合う押圧スライダ31を駆動するピストン37は、順次異なる列に配置することとし、押圧スライダ31各々に対して別個のピストン37を対応させている。従って、本実施の形態におけるピストン37の配置は、ピストン37の大きさ等に応じて適宜変更されることが望ましい。すなわち、並列されるアクチュエータの数は3つに限定することなく、並列する数を適宜変更できる。
【0032】
並設された複数の押圧スライダ31の下端側には、保持部材である矩形状のラバー19が、ローバー17と平行な方向に延在し(図3参照)、その長手方向の両端がラバーホルダー29に接着剤等により固定される。
【0033】
図4に示されるように、ラバー19は、その接着領域19aでラバーホルダー29に接着剤等により接着される。接着領域19aは、ラバーの長手方向に延在し、図4中の上下方向に対向する両縁部それぞれに2つ設けられる。また、接着領域19aに挟まれ、ラバー19のほぼ中央に位置するのは、押圧領域19bである。この押圧領域19bには、押圧スライダ31の先端部が当接する。このように、押圧領域19bは接着剤が塗布されておらず、ラバー19は押圧スライダの先端部に接着されない。
【0034】
さらに、ラバー19は、その下面(図3の上下方向における下側の面)において、ローバー17を、自己粘着作用あるいは一種の真空吸着作用によって保持する。
【0035】
なお、押圧スライダからローバーへの押圧力の応答性を高める観点からラバーには弛みがなく、また、押圧スライダの先端部に当接した状態で、ラバーがホルダーに固定されている。また、そのためにラバー19のローバー17の吸着面の反対側(図3の上下方向における上側の面)の面に矩形状の薄板36(図3のみに示す。)を装着しても良い。薄板36はラバー19の弛みを防止するための裏打ち部材である。ラバー19の薄板36への固定は、接着剤や粘着材を用いずに、ラバー19の自己粘着作用あるいは一種の真空吸着作用によって行われる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、ラバー19はラバーホルダー29に接着剤を用いて接着したが、ネジによる固定、或いは真空源に連通する吸引口をホルダー21に設け、真空吸引によりラバーを保持することも可能である。また、本実施の形態では、ラバー19は一部品からなる構成としたが、その材質の剛性やローバーに対する粘着作用等に応じて変更でき、ラバー17がローバーに当接する押圧領域には、吸着性能に優れた材料を用い、ホルダーに固定される部分には、剛性の高い材料を用いても良い。
【0037】
上述の構成において、ラバー19の表面に保持されるローバー17は、押圧スライダ31からの押圧力により研磨面3aに押しつけられ研磨加工が行われる。加工時においては、複数の押圧スライダ31各々を駆動してローバー17に変形を与えることにより、ローバー17の特定部分を変形させる。すなわち、ローバー17の特定部分を強く研磨面3aに押しつけることで、ローバー17の特定部分の研磨量を大きくすることが可能となる。
【0038】
図5は、図3のV部分の拡大図である。図に示されるように、押圧スライダ31はラバー19を介してローバー17を押圧する。しかし、押圧スライダ31の先端39とラバー19との間には、接着剤が介在していないので、ラバーに作用する押圧力の減衰する割合にばらつきが生じることを防止できる。よって、押圧スライダ31が付与する押圧力に対する、ラバー19に作用する押圧力のリニアリティを確保できる。
【0039】
上記構成の磁気ヘッド研磨装置による研磨方法について説明する。まず、ラバー19の押圧領域19bにローバー17を保持させる。具体的には、治具を用いてローバ17をラバー19に押し付ける。この時、ラバー19は、押圧スライダの先端部39に当接した状態である。
【0040】
次に、制御部6は、不図示のモータを駆動し、横移動スライダ11を動かし、押し付け機構15を、研磨面3a上まで水平移動させる。次に、制御部6は、定盤駆動用モータ5を駆動して、研磨面3aを所定の回転速度で回転させる。制御部6は、さらに、不図示の昇降駆動モータを駆動させて、研磨面3aとローバー17との間に僅かな隙間をあけた位置関係まで昇降部23を降下させる。
【0041】
そして、制御部6は、所定のピストン37を所定量だけ移動すべく、電空レギュレータを作動させて、所定量のエアをマニホールドシリンダ27内に供給する。エアが供給されたピストン37により、対応する押圧スライダ31が押圧され、ラバー19を介してローバー17の所定部位を押圧する。
【0042】
以上述べたように、本発明の磁気ヘッド研磨装置及び磁気ヘッド研磨方法によれば、ローバーのクラウン加工後において、各素子間の加工量のばらつきの低減を図ることができる。
【0043】
(押し付け機構の変形例)
図6は、押し付け機構の変形例を模式的に示す正面図である。図7は、保持部固定補助部材の底面図である。
【0044】
押しつけ機構115の構成は、図2と概ね同様の構成であるので、異なる部分についてのみ説明する。本押し付け機構は、ラバーを固定保持するための固定補助部材107を備える。すなわち、ラバー119を固定補助部材107に接着する。そして、固定補助部材107をシリンダ131の先端部の下方(図6における上下方向)に配置すべく、ホルダ123の両端に設けた貫通孔を介して皿ねじ110等の固定部材でホルダ123を固定補助部材107に固定する。
【0045】
図7に示されるように、固定補助部材107のほぼ中央には、矩形状の開口が設けられており、押圧スライダ131がラバー119に当接する押圧領域109aを構成する。また、押圧領域109aの周囲には、接着領域109bが設けられ、ラバー119が接着剤等により固定される領域である。
【0046】
接着領域109bは、ラバーの周縁部に沿うように延在している。よって、ラバー119の貼り付け面積を、第1実施形態に比べ広く取れるので、ラバー119が緩んだり、撓んだりすることを防止できる。
【0047】
また、第一の実施例と同様に、ラバー119のローバー117の吸着面の反対側(図6の上下方向における上側の面)に薄板136を介して取り付けても良い。薄板136はラバー119の弛みを防止するための裏打ち部材である。ラバー19に薄板36を固定するには、接着剤や粘着材を用いずに、ラバー19の自己粘着作用あるいは一種の真空吸着作用によって保持する。
【0048】
上記構成の固定補助部材107は、押しつけ機構115の昇降部123に装着さ れる。上記押し付け機構の変形例を組み込んだ磁気ヘッド研磨装置及び磁気ヘッド方法では、押圧スライダ131からの押圧力は、薄板136に作用し、さらに、ラバー119を介してローバー117を押圧する。
【0049】
なお、押圧領域109a、及び接着領域109bを矩形状としたが、これに限定されることなく、押圧スライダ131やラバー119の形状に合わせて形状や寸法を適宜変更できることは言うまでもない。
【0050】
(エアシリンダの変形例)
エアシリンダの変形例について説明する。図8は、エアベアリング式エアシリンダの概略の断面図である。図面の明瞭化のため、一つのアクチュエータを示しているが、図3のアクチュエータように複数個を並列して使用できることは言うまでもない。
【0051】
エアベアリング式エアシリンダ329は、断面環状のシリンダ室331を有する本体333と、シリンダ室331内を摺動する円柱状のロッド337と、シリンダ室331に連通するロッド挿通孔339と、を備える。ロッド337は、ロッド挿通孔339を介して、シリンダ室331から外部に突出する。また、ロッド337の外周には、多孔質体からなる第1及び第2エア噴出部材341、343が軸方向に離間して装着されている。また、第1エア噴出部材341が設けられているロッドの大径部337aの外径は、第2エア噴出部材343が設けられているロッドの小径部337bより大きく寸法付けされている。また、シリンダ室331の内周はロット337の外周に相補的な寸法形状を有し、ロッド挿通孔339から離れる側(図中の上方)の内径は、ロッド挿通孔339に近接する側の内径より大きくなっている。よって、ロット337の大径部337aと小径部337bとにより画成される断部345が、シリンダ331内の段部347に係止され、ロッド337の軸方向の移動が制限される。
【0052】
また、本体333は、不図示のエア源とシリンダ室331内とを連通させるための、本体333を貫通する給気ポート349を備える。さらに、シリンダ室331内の底部(ロッド挿通孔339から最も離れた部分)に、ロッド337を移動させるエアを供給するための第1推力ポート351が不図示のエア供給源とシリンダ室331を連通するように設けられている。さらに、ロッド337の小径部337b側にエアを供給するための、不図示のエア供給源とシリンダ室331とを連通させる第2推力ポート353が設けられている。
【0053】
上記構成において、給気ポート349から常時エアを供給することにより、ロッド337に設けられた通路355を介し、第1エア噴出部材341及び第2エア噴出部材343からシリンダ内へエアを噴出させることにより、非接触的にロッド337が支承される。すなわち、エアベアリングが形成される。
【0054】
また、第1推力ポート351からエアを供給し、ロッド端部337cにエアを作用すると、ロッド337が突出する。ロッド337の突出により押圧スライダ335を押圧し、ラバー319を介してローバー317を押圧する。他方、第2推力ポート353からエアを供給すると、エアがロッド337の断部345に作用し、ロッド337が退避する。
【0055】
上記エアベアリング式エアシリンダを採用し、ロッドとシリンダとの間に空気層を設けることにより、前述した実施形態のエアシリンダに比べ、摺動抵抗を格段に低減でき、動作精度を高めることができる。さらに、エアベアリングは、シールとしても機能するため、ロッド及びシリンダの間に介在するシール部材と、ロッドとの間の摩擦抵抗や、ロッドとブッシュ(すべり軸受)との間の摩擦抵抗等と大幅に削減できる。
【実施例】
【0056】
以下に、第1実施形態の構成に押し付け機構の変形例を組み込んだ研磨ヘッド装置(後述の表中におけるラバー)及び、第1実施形態の構成にアクチュエータの変形例を組み込んだ研磨ヘッド装置(後述の表中におけるシリンダ)を用いて、被研磨物の加工精度を検証した。
【0057】
被研磨物であるローバーは、厚さが約0.2〜0.3mm、幅が1.2mm、ローバの長手方向長さが、60〜70mmのものを使用した。目標値とは、図9に示したような従来の磁気ヘッド研磨装置では、達成が困難な数値である。また、検査項目のMRRとは、MR素子(各スライダ)の抵抗値を意味し、Profileとは、MR素子の形状を意味し、TCとは、各素子の長手方向に対するエアベアリング面側の曲率半径である。また、TCCとは、ローバーの長手方向についてのエアベアリング面側の曲率半径である。PTRは、Pole Tip Recessionを意味し、ベアリング面を基準として電極先端部までの長さを意味する。SS2は、記録ヘッド部の磁極であり、SFは、再生ヘッド部の磁極を意味する。σは標準偏差であり、各項目について約200個を計測した。
【表1】



OKは目標値を達成、NGは目標値を未達成、Betterは目標値を未達成ながら、シリンダの結果に比べると良い値を示していることを意味する。
【0058】
上記の表1に示されるように、押し付け機構の変形例を組み込んだ研磨ヘッド装置では、MR素子の抵抗値及びTCCの標準偏差、については、目標値以下の値とすることができた。アクチュエータの変形例を組み込んだ研磨ヘッド装置では、MR素子の抵抗値の標準偏差及びSFの平均値については、目標値を達成できた。
【0059】
この結果から、押し付け機構の変形例を組み込んだ研磨ヘッド装置によれば、4つの項目について目標値を達成していることから、研磨精度を格段に向上できることが実証された。また、アクチュエータの変形例を組み込んだ研磨ヘッド装置では、2つの項目について目標値を達成できた。よって、押し付け機構の変形例及びアクチュエータの変形例の組み込んだ第1実施形態の構成による磁気ヘッド研磨装置によれば、研磨精度をより向上できると考えられる。
【0060】
さらに、実施形態においては、アクチュエータとしての取り扱いの容易さからエアにより駆動されるピストンあるいはシリンダを用いているが、駆動媒体はエアに限定されるものでなく、制御系も上述の電空レギュレータに限定されない。駆動媒体には液体材料を用いても良く、制御系も単なるエアレギュレータ等を用いても良い。さらには、シリンダに変えて圧電素子等からなるマイクロアクチュエータ等を用いても良い。
【0061】
また、本実施の形態において、研磨ヘッドはXおよびZ軸方向にのみ可動であるが、本発明は当該実施例に限定されず、例えば研磨面3aと略平行な平面上で研磨ヘッドが駆動可能となるように、Y軸方向にも可動な構成としても良い。また、このXY平面上において回転可能な構成としても良い。さらに、研磨ヘッドを揺動できる構成としても良い。
【0062】
以上、実施形態においては、研磨量の制御については特に述べていないが、本願出願人が特願平11−302305に開示するように、各素子の例えばMR値等を順次測定しながら研磨を行うクローズドループによる研磨量の制御を行っても良い。さらに、上記実施形態においては、ローバーに対してクラウン加工を施す際の研磨装置について述べているが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、研磨面3aを平坦な面とし、当該研磨装置をスロートハイトの調節等に併せて用いても良い。
【0063】
本実施形態及び実施例においては、弾性部材の代表例としてラバーを挙げたが、弾性を有するものであれば、樹脂材料なども利用できる。
【0064】
また、本実施形態および実施例に用いたラバー(19,119)は厚さ0.5〜0.8mmのラバーであるが、同様の効果を得られればこれ以外の厚さのラバーでも良い。
【0065】
さらに、本実施形態および実施例に用いた薄板(36,136)は厚さ0.05〜0.08mmのSUS板であるが、材質および厚さは同様の効果を得られればこれ以外のものでも良い。
【0066】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】(a)は本発明の実施形態の磁気ヘッドの研磨装置の全体を示す正面図であり、(b)は平面図である。
【図2】被研磨物押し付け機構の概略を示す正面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図4は、ラバーの正面図である。
【図5】図5は、図3のV部分の拡大図である。
【図6】押し付け機構の変形例を模式的に示す正面図である。
【図7】保持部固定補助部材の正面図である。
【図8】エアベアリング式エアシリンダの概略の断面図である。
【図9】(a)は、従来の研磨ヘッドの正面図であり、(b)は、(a)の研磨ヘッドの底面図である。
【図10】図9(a)のX部の拡大図である。
【符号の説明】
【0068】
1 基台
3 研磨用定盤
3a 研磨面
5 定盤駆動用モータ
11 ホルダ
15 押し付け機構
31 押圧スライダ
17 ローバー
19 ラバー
23 昇降部




 

 


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