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発明の名称 スタンパー、凹凸パターン形成方法および情報記録媒体製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−190735(P2007−190735A)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
出願番号 特願2006−9377(P2006−9377)
出願日 平成18年1月18日(2006.1.18)
代理人 【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
発明者 藤田 実 / 日比 幹晴
要約 課題
凹凸パターンの変形や転写不良の発生を回避し得るスタンパーを提供する。

解決手段
凹凸パターン5が形成された凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成されている。また、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど徐々に薄くなるように形成されている。これにより、インプリント処理時に樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパー1の外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの両領域(端部領域)に集中する事態を回避することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁領域において外縁部側ほど徐々に薄くなるように形成されているスタンパー。
【請求項2】
中心部に中心孔が形成されると共に、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが前記中心孔の口縁領域において口縁部側ほど徐々に薄くなるように形成されているスタンパー。
【請求項3】
凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁部および中心部の間の所定領域における当該外縁部側の第1領域と当該所定領域における当該中心部側の第2領域との少なくとも一方において当該所定領域における径方向の中央部から遠ざかるほど徐々に薄くなるように形成されているスタンパー。
【請求項4】
凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁領域において中心部側ほど徐々に薄くなるように形成されているスタンパー。
【請求項5】
中心部に中心孔が形成されると共に、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが前記中心孔の口縁領域において外縁部側ほど徐々に薄くなるように形成されているスタンパー。
【請求項6】
凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁部および中心部の間の所定領域における当該外縁部側の第1領域と当該所定領域における当該中心部側の第2領域との少なくとも一方において当該所定領域における径方向の中央部に近付くほど徐々に薄くなるように形成されているスタンパー。
【請求項7】
基材の上に形成した樹脂層に請求項1から6のいずれかに記載のスタンパーを押し付けて当該樹脂層に前記凹凸パターンを転写することによって当該基材の上に凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成方法。
【請求項8】
請求項7記載の凹凸パターン形成方法に従って前記基材の上に形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント法によって凹凸パターンを形成するためのスタンパー、そのスタンパーを用いて基材の上に凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成方法、およびその凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のスタンパーを用いた凹凸パターン形成方法として、ナノメートルサイズの凹凸パターンが形成されたスタンパー(mold)を基材上の樹脂層に押し付けてスタンパーの凹凸パターンを樹脂層に転写することで基材の上にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成するナノインプリントリソグラフィ法(ナノメートルサイズの凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成方法:インプリント法)が米国特許5772905号明細書に開示されている。この凹凸パターン形成方法では、まず、シリコン製の基材(substrate )の表面にポリメチルメタクリレート(PMMA:樹脂材料)をスピンコートして樹脂層(薄膜:thin film layer )を形成する。次いで、基材および樹脂層の積層体、並びにスタンパーの双方を加熱した後に、同明細書のFig.1Bに示すように、基材上の樹脂層にスタンパーの全域を所定の押圧力で押し付ける。続いて、スタンパーを押し付けた状態の積層体を室温となるまで放置した後に(冷却処理した後に)、樹脂層からスタンパーを剥離する。これにより、同明細書のFig.1Cに示すように、スタンパーの凹凸パターンが樹脂層に転写されて各凸部を押し込んだ部位に各凹部(regions )が形成されると共にスタンパーにおける各凹部の部位に各凸部が形成され、基材の上(樹脂層)にナノメートルサイズの凹凸パターンが形成される。
【0003】
一方、特開2003−157520号公報には、被転写基板に対するスタンパー(原盤)の傾き等に起因する凹凸パターンの転写不良の発生を回避すべく、スタンパーとプレス機との間、および被転写基板とプレス機との間の少なくとも一方に弾性体(バッファ層)を挟み込んだ状態においてインプリント処理する凹凸パターン形成方法が開示されている。具体的には、この凹凸パターン形成方法では、樹脂層(レジスト膜)の形成面を上向きにして被転写基板をプレス機にセットすると共に、転写すべき凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成面を下向きにしてスタンパーをプレス機にセットする。この際に、PETシート等の柔らかい材料で形成された弾性体を例えばスタンパーとプレス機(プレス面)との間に挟み込む。次いで、被転写基板に向けてスタンパーを下降させることにより、スタンパーの凹凸パターンを被転写基板上の樹脂層に押し付ける。この際には、スタンパーとプレス機(プレス面)との間に挟み込んだ弾性体が変形することにより、被転写基板に対するスタンパーの傾きや、スタンパーに生じた部分的な歪みが矯正されて被転写基板上の樹脂層に対してスタンパーの全域がほぼ平行な状態で押し付けられる。これにより、スタンパーの凹凸パターンが樹脂層に転写されて被転写基板の上に凹凸パターンが形成される。
【特許文献1】米国特許5772905号明細書(第3−8欄、第1図)
【特許文献2】特開2003−157520号公報(第4−10頁、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の凹凸パターン形成方法には、以下の問題点がある。すなわち、特許文献1に開示されている凹凸パターン形成方法では、凹凸パターンの転写に際して、スタンパーの全域にほぼ均一な押圧力を加えて凹凸パターンを樹脂層に押し付けている。この場合、スタンパーにおける外縁領域(外縁部側の端部領域)では、その領域よりも外側にスタンパーが存在しないことに起因して、スタンパーに加えられた押圧力によって樹脂層の表面に加わる圧力が集中する。したがって、外縁領域においては、外縁領域よりも内側の内側領域と比較して樹脂層の表面に加わる圧力が高くなる。この結果、外縁領域において過剰に高い圧力が樹脂層に加わることに起因して、樹脂層に転写した凹凸パターンに変形が生じるおそれがある。また、凹凸パターンの変形を回避すべく、外縁領域において必要十分な圧力となるようにスタンパーに加える押圧力を低下させたときには、外縁領域と比較して樹脂層の表面に加わる圧力が低い内側領域において、樹脂層に対する凹凸パターンの押し込み量が不足して凹凸パターンの転写不良が生じる事態が発生する。このように、特許文献1に開示されている凹凸パターン形成方法には、スタンパーにおける外縁領域と内側領域との間において樹脂層の表面に加わる圧力に差が生じることに起因して凹凸パターンの変形や転写不良を招くおそれがあるという問題点が存在する。また、スタンパーおよび基材のいずれかに中心孔が存在する場合において、特許文献1に開示されている凹凸パターン形成方法に従って樹脂層に凹凸パターンを形成したときには、上記の外縁領域のみならず、中心孔の口縁領域(口縁部側の端部領域)においても樹脂層の表面に加わる圧力が高くなる事態が生じる。
【0005】
一方、特許文献2に開示されている凹凸パターン形成方法では、スタンパーとプレス機との間、および被転写基板(基材)とプレス機との間の少なくとも一方に弾性体を挟み込んだ状態においてインプリント処理している。この場合、例えばスタンパーとプレス機との間に弾性体を挟み込むことにより、前述したように、樹脂層に対するスタンパーの押付け時に弾性体を変形させて基材に対するスタンパーの傾き等を矯正することが可能となっている。しかし、この凹凸パターン形成方法では、例えば、スタンパーとプレス機との間に弾性体を挟み込んだ状態でインプリント処理を実行した際に、弾性体の端部領域(外縁領域)とスタンパーとが重なる領域において、その領域よりも内側の領域と比較して樹脂層の表面に加わる圧力が低くなる。この結果、弾性体の端部領域とスタンパーとが重なる領域において樹脂層に対する凹凸パターンの押し込み量が不足する(凹凸パターンの転写不良が生じる)事態が発生する。
【0006】
この場合、出願人は、その直径がスタンパーや基材の直径以上の弾性体を挟み込んだ状態でインプリント処理したときに、スタンパーにおける外縁領域(スタンパーの外縁領域と弾性体とが重なる領域)と、スタンパーの外縁領域よりも内側の内側領域との間において樹脂層の表面に加わる圧力に差が生じる現象を見出している。具体的には、その直径がスタンパーや基材の直径以上の弾性体を例えばスタンパーとプレス機との間に挟み込んだ状態においてインプリント処理した場合には、樹脂層の表面に加わる圧力が、スタンパーにおける外縁領域において内側領域と比較して低くなる。この結果、スタンパーの外縁領域において樹脂層に対する凹凸パターンの押し込み量が不足して凹凸パターンの転写不良が生じる事態が発生する。一方、凹凸パターンの転写不良の発生を回避すべく、弾性体の端部領域とスタンパーとが重なる領域(弾性体がスタンパーよりも小径の場合)や、スタンパーの外縁領域と弾性体とが重なる領域(弾性体がスタンパーの直径以上の場合)において必要十分な圧力となるようにスタンパーに加える押圧力を高くしたときには、これらの領域よりも内側の領域(弾性体の端部領域よりも内側の領域等)において樹脂層に加わる圧力が過剰に高くなり、樹脂層に転写した凹凸パターンに変形が生じるおそれがある。また、スタンパーおよび基材のいずれかに中心孔が存在する場合において、特許文献2に開示されている凹凸パターン形成方法に従って樹脂層に凹凸パターンを形成したときには、中心孔の口縁領域においてその口縁領域よりも外側の領域と比較して樹脂層の表面に加わる圧力が低くなる事態が生じる。このように、特許文献2に開示されている凹凸パターン形成方法には、スタンパーの各部位間において樹脂層の表面に加わる圧力に差が生じることに起因して凹凸パターンの変形や転写不良を招くおそれがあるという問題点が存在する。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、凹凸パターンの変形や転写不良の発生を回避し得るスタンパー、凹凸パターン形成方法および情報記録媒体製造方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明に係るスタンパーは、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁領域において外縁部側ほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0009】
また、本発明に係るスタンパーは、中心部に中心孔が形成されると共に、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが前記中心孔の口縁領域において口縁部側ほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0010】
また、本発明に係るスタンパーは、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁部および中心部の間の所定領域における当該外縁部側の第1領域と当該所定領域における当該中心部側の第2領域との少なくとも一方において当該所定領域における径方向の中央部から遠ざかるほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0011】
また、本発明に係るスタンパーは、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁領域において中心部側ほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0012】
また、本発明に係るスタンパーは、中心部に中心孔が形成されると共に、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが前記中心孔の口縁領域において外縁部側ほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0013】
また、本発明に係るスタンパーは、凹凸パターンが形成されたパターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁部および中心部の間の所定領域における当該外縁部側の第1領域と当該所定領域における当該中心部側の第2領域との少なくとも一方において当該所定領域における径方向の中央部に近付くほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0014】
また、本発明に係る凹凸パターン形成方法は、基材の上に形成した樹脂層に上記のいずれかのスタンパーを押し付けて当該樹脂層に前記凹凸パターンを転写することによって当該基材の上に凹凸パターンを形成する。
【0015】
また、本発明に係る情報記録媒体製造方法は、上記の凹凸パターン形成方法に従って前記基材の上に形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るスタンパー、およびそのスタンパーを用いた凹凸パターンの形成方法によれば、パターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁領域(外縁部側の端部領域)において外縁部側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、凹凸パターンの形成時(インプリント処理時)に樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパーの外縁領域に集中する事態を回避して、少なくとも外縁領域における凹凸パターンの変形を回避することができる。また、スタンパーに加える押圧力を低下させる必要がないため、内側領域(外縁領域よりも内側の領域)における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターンを高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパーにおける外縁領域および内側領域の両領域に対応する部位において凹凸パターンが高精度で形成された情報記録媒体を提供することができる。
【0017】
また、本発明に係るスタンパー、およびそのスタンパーを用いた凹凸パターンの形成方法によれば、パターン形成面とその裏面との間の厚みが中心孔の口縁領域(中心孔側の端部領域)において口縁部側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、凹凸パターンの形成時に樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパーの口縁領域に集中する事態を回避して、少なくとも口縁領域における凹凸パターンの変形を回避することができる。また、スタンパーに加える押圧力を低下させる必要がないため、外側領域(口縁領域よりも外側の領域)における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターンを高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパーにおける口縁領域および外側領域の両領域に対応する部位において凹凸パターンが高精度で形成された情報記録媒体を提供することができる。
【0018】
また、本発明に係るスタンパー、およびそのスタンパーを用いた凹凸パターンの形成方法によれば、パターン形成面とその裏面との間の厚みが所定領域における外縁部側の第1領域と所定領域における中心部側の第2領域との少なくとも一方において所定領域における径方向の中央部から遠ざかるほど徐々に薄くなるように形成したことにより、例えば、スタンパーの直径よりも小径の基材上に凹凸パターンを形成する際に樹脂層の表面に加わる圧力が基材の外縁領域とスタンパーとが重なる領域(所定領域における外縁部側)に集中する事態や、中心孔が形成されている基材上に中心孔が存在しないスタンパー(または、基材の中心孔よりも小径の中心孔が形成されたスタンパー)を用いて凹凸パターンを形成する際に樹脂層の表面に加わる圧力が基材の口縁領域とスタンパーとが重なる領域(所定領域における中心部側)に集中する事態を回避して、少なくともその領域における凹凸パターンの変形を回避することができる。また、スタンパーに加える押圧力を低下させる必要がないため、所定領域の中央部等における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。これにより、所定領域を含む全域において凹凸パターンを高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパーの所定領域等に対応する部位において凹凸パターンが高精度で形成された情報記録媒体を提供することができる。
【0019】
また、本発明に係るスタンパー、およびそのスタンパーを用いた凹凸パターンの形成方法によれば、パターン形成面とその裏面との間の厚みが外縁領域(外縁部側の端部領域)において中心部側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、凹凸パターンの形成時に例えばその直径がスタンパーの直径以上の弾性体を用いる場合において、樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパーの内側領域(外縁領域よりも内側の領域)に集中する事態を回避して、少なくとも内側領域における凹凸パターンの変形を回避することができる。また、凹凸パターンの変形を回避するためにスタンパーに加える押圧力を低下させる必要がないため、外縁領域における凹凸パターンの転写不良を回避することができる。さらに、外縁領域において外縁部側ほど厚みが徐々に厚くなるようにスタンパーが構成されているため、凹凸パターンの形成時に例えばその直径がスタンパーの直径以上の弾性体を用いる場合において、スタンパーの厚みが厚い部位(外縁領域)におけるスタンパーの裏面とプレス機との間における距離が短くなる結果、弾性体の変形量を十分に小さくすることができる。したがって、樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパーの外縁領域において低下する事態を回避することができる結果、外縁領域における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターンを高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパーにおける内側領域および外縁領域の両領域に対応する部位において凹凸パターンが高精度で形成された情報記録媒体を提供することができる。
【0020】
また、本発明に係るスタンパー、およびそのスタンパーを用いた凹凸パターンの形成方法によれば、パターン形成面とその裏面との間の厚みが中心孔の口縁領域(中心孔側の端部領域)において外縁部側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、凹凸パターンの形成時に例えば弾性体を用いる場合において、樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパーの外側領域(口縁領域よりも外側の領域)に集中する事態を回避して、少なくとも外側領域における凹凸パターンの変形を回避することができる。また、スタンパーに加える押圧力を低下させる必要がないため、口縁領域における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。さらに、口縁領域において口縁部側ほど厚みが徐々に厚くなるようにスタンパーが構成されているため、凹凸パターンの形成時に弾性体を用いる場合において、スタンパーの厚みが厚い部位(口縁領域)におけるスタンパーの裏面とプレス機との間における距離が短くなる結果、弾性体の変形量を十分に小さくすることができる。したがって、樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパーの口縁領域において低下する事態を回避することができる結果、口縁領域における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターンを高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパーにおける口縁領域および外側領域の両領域に対応する部位において凹凸パターンが高精度で形成された情報記録媒体を提供することができる。
【0021】
また、本発明に係るスタンパー、およびそのスタンパーを用いた凹凸パターンの形成方法によれば、パターン形成面とその裏面との間の厚みが所定領域における外縁部側の第1領域と所定領域における中心部側の第2領域との少なくとも一方において所定領域における径方向の中央部に近付くほど徐々に薄くなるように形成したことにより、例えば、スタンパーの直径よりも小径の基材上に弾性体を用いて凹凸パターンを形成する際に樹脂層の表面に加わる圧力が基材の外縁領域とスタンパーとが重なる領域(第1領域)よりも中心部側(所定領域における中央部の周囲)に集中する事態や、中心孔が形成されている基材上に中心孔が存在しないスタンパーまたは基材の中心孔よりも小径の中心孔が形成されたスタンパーと弾性体とを用いて凹凸パターンを形成する際に樹脂層の表面に加わる圧力が基材の口縁領域とスタンパーとが重なる領域(第2領域)よりも外縁部側(所定領域における中央部の周囲)に集中する事態を回避して、少なくとも所定領域の中央部の周囲における凹凸パターンの変形を回避することができる。また、スタンパーに加える押圧力を低下させる必要がないため、基材の外縁領域とスタンパーとが重なる領域(第1領域)や、基材の口縁領域とスタンパーとが重なる領域(第2領域)等における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。さらに、第1領域および第2領域の少なくとも一方において中央部から遠ざかるほど厚みが徐々に厚くなるようにスタンパーが構成されているため、凹凸パターンの形成時に弾性体を用いる場合において、スタンパーの厚みが厚い部位(第1領域および第2領域)におけるスタンパーの裏面とプレス機との間における距離が短くなる結果、弾性体の変形量を十分に小さくすることができる。したがって、樹脂層の表面に加わる圧力がスタンパーの第1領域および第2領域において低下する事態を回避することができる結果、基材の外縁領域とスタンパーとが重なる領域(第1領域)や、基材の口縁領域とスタンパーとが重なる領域(第2領域)等における凹凸パターンの転写不良の発生を回避することができる。これにより、所定領域を含む全域において凹凸パターンを高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターンを用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパーの所定領域等に対応する部位において凹凸パターンが高精度で形成された情報記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るスタンパー、凹凸パターン形成方法および情報記録媒体製造方法の最良の形態について説明する。
【0023】
最初に、本発明に係るスタンパーの一例であるスタンパー1の構成について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1に示すスタンパー1は、本発明に係る情報記録媒体製造方法に従って図2に示す磁気ディスク11(本発明における情報記録媒体の一例)を製造するための原盤であって、全体として円板状に形成されている。この場合、磁気ディスク11は、例えば垂直記録方式による記録データの記録が可能なディスクリートトラック型の磁気記録媒体(パターンド媒体)であって、図2に示すように、基材12の上に記録層(磁性記録層)13が形成されると共に、その中心部には、モータの回転軸(図示せず)を挿通させるための中心孔14が形成されている。なお、実際には、基材12と記録層13との間に軟磁性層や中間層等の各種機能層が形成されているが、本発明についての理解を容易とするために、これらの層についての説明および図示を省略する。また、磁気ディスク11の記録層13は、少なくとも突端部側が磁性材料で形成された複数の凸部15a(磁性記録領域)と複数の凹部15b(非磁性領域)とが形成されてデータトラックパターンやサーボパターンとして機能する凹凸パターン15を構成する。
【0025】
一方、スタンパー1は、図3に示すように、ニッケル層2を電極として用いた電鋳処理によってニッケル層2の上にニッケル層3が形成されて全体として薄板状に構成されると共に、図1に示すように、その中心部Pc(中心領域Ac)に中心孔4が形成されている。この場合、スタンパー1は、一例として、その直径(外径)が上記の磁気ディスク11の直径と等しくなるように形成されると共に、中心孔4の内径が磁気ディスク11における中心孔14の内径と等しくなるように形成されている。また、スタンパー1における凹凸パターン形成面6(同図における下面)には、磁気ディスク11における各凹部15bに対応して形成された複数の凸部5aと、各凸部15aに対応して形成された複数の凹部5bとを有する凹凸パターン5が形成されている。なお、本明細書では、図3に示すように、凹凸パターン5における各凹部5bの底面と一致する面(同図に一点鎖線Xで示す面)を凹凸パターン形成面6とする。この場合、その製造方法によっては、各凹部5bの底面が面一とはならないこともあり、この場合には、各凹部5bのうちのいずれかの凹部5bの底面を含む平面を凹凸パターン形成面6とする。また、図1に示すように、スタンパー1は、凹凸パターン5が形成された凹凸パターン形成面6とその裏面7(同図における上面)との間の厚みが、外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成されると共に、口縁領域Ae(中心孔4の口縁部Peを含む領域)において口縁部Pe側(中心部Pc側)ほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0026】
具体的には、図3に示すように、スタンパー1の外縁領域Aoでは、その中心部Pc(口縁部Pe)側の厚みTocよりも、その外縁部Po側の厚みTooの方が薄くなるように中心部Pc側から外縁部Po側に向けて徐々に薄くなるように形成されている。また、スタンパー1の口縁領域Aeでは、その外縁部Po側の厚みTeoよりも、その口縁部Pe(中心部Pc)側の厚みTeeの方が薄くなるように外縁部Po側から口縁部Pe側に向けて徐々に薄くなるように形成されている。この場合、このスタンパー1では、図1に示すように、外縁部Poと中心部Pcとの間の中央部Pm(一例として、外縁部Poと口縁部Peとの間の中央部)から外縁部Poに向かって凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなり、かつ、中央部Pmから口縁部Peに向かって厚みが徐々に薄くなるように形成され、その厚みが中央部Pm(中央領域Am)において最も厚くなるように形成されている。なお、本明細書において参照する各図では、スタンパーにおける各部位毎の厚みの差異を誇張して大きく相違するように図示している。この場合、例えば上記のスタンパー1では、一例として、最も厚い部位の厚み(この例では、中央部Pmにおける厚み)と、最も薄い部位の厚み(この例では、外縁部Poおよび口縁部Peにおける厚み)との差異が100μm程度となっている。なお、このスタンパー1のように外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど厚みを徐々に薄くすると共に口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど厚みを徐々に薄くする構成を採用する場合には、外縁部Poと口縁部Peとで厚みが互いに相違するように構成してもよい。また、外縁領域Aoにおける厚みの変化率、および口縁領域Aeにおける厚みの変化率(すなわち、裏面7の傾斜)が互いに相違するように構成してもよい。
【0027】
このスタンパー1の製造に際しては、まず、例えばシリコン製の基材上にニッケルを蒸着処理することによってニッケル層を形成すると共に、形成したニッケル層の上にポジ型のレジストをスピンコートすることによってレジスト層を形成する。次いで、レジスト層に電子線を照射して所望の露光パターン(この例では、スタンパー1における各凸部5aに対応するパターン)を描画する。続いて、レジスト層を現像処理することによって電子線を照射した部位(潜像の部位)を消失させることにより、ニッケル層の上にレジストからなる凹凸パターンを形成する。次いで、凹凸パターン(レジスト層)をマスクとして用いてニッケル層をエッチング処理することにより、基材の上にニッケル層からなるマスクパターンを形成する。続いて、基材上のニッケル層(マスクパターン)を用いて基材に対するエッチング処理を実行することにより、基材の表面に複数の凹部(凹凸パターン)を形成する。これにより、スタンパー製造用の原盤が完成する。次いで、原盤に形成されている凹凸パターンの凹凸形状に沿って、ニッケル層2(電極膜)を形成した後に、このニッケル層2を電極として使用して電鋳処理することでニッケル層3を形成する。続いて、ニッケル層2,3の積層体(後にスタンパー1となる部位)を原盤から剥離する。これにより、原盤の凹凸パターンがニッケル層2,3に転写されて凹凸パターン5が形成される。
【0028】
次いで、ニッケル層2,3の積層体における外縁部および中心部(中心孔4の形成部位)を打ち抜き処理によって除去した後に、凹凸パターン5が形成されている凹凸パターン形成面6の裏面側を研磨処理して裏面7を平坦化する。この際に、積層体の裏面に対する研磨の度合いを各部位毎に適宜調整することで、スタンパー1の各部位における凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みを所望の厚みとする。具体的には、他の部位よりも薄く形成すべき部位に対して、研磨処理時間を長くする、研磨材を押し付ける力を強くする、積層体に対する研磨材の移動速度や研磨材に対する積層体の移動速度を速くする、および粒径の大きな研磨材を用いるなどして研磨の度合いを高くする(他の部位よりも一層多く研磨する)。続いて、凹凸パターン5の表面にフッ素系材料のコーティング処理を施して密着力軽減膜を成膜することにより、図1に示すように、スタンパー1が完成する。
【0029】
次に、スタンパー1を用いて磁気ディスク11を製造する方法について、図面を参照して説明する。
【0030】
まず、図4に示すように、その表面にレジスト層21(本発明における樹脂層の一例)が形成された中間体10(本発明における基材の一例)をプレス機31における基材取付部32の上にセットする。この場合、中間体10は、磁気ディスク11を製造するためのものであって、基材12の上に記録層13が形成されている。次いで、凹凸パターン形成面6を下向きにしてスタンパー1をプレス機31のスタンパー取付部33にセットする。この場合、スタンパー取付部33には、一例として、スタンパー1を保持するための電磁石や真空チャック機構が配設されている。なお、同図および後に参照する図5,6では、スタンパー1の裏面7とスタンパー取付部33との間に生じる隙間を誇張して大きく図示している。
【0031】
続いて、スタンパー取付部33を基材取付部32に向けて下降させることにより、図5に示すように、基材取付部32上に載置されている中間体10上のレジスト層21にスタンパー1の凹凸パターン5を押し付ける。この際に、スタンパー取付部33に取り付けられているスタンパー1は、前述したように、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが、外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成されると共に、口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど徐々に薄くなるように形成されている。したがって、スタンパー1の全域に対してほぼ均等な荷重をかけた際(全域に亘ってほぼ均一な押圧力を加えた際)に、スタンパー1の厚みが薄い部位において、裏面7とスタンパー取付部33との間に生じた隙間に起因してレジスト層21の表面に圧力が加わり難くなる結果、外縁領域Aoや口縁領域Aeなどの端部領域に圧力が集中する事態が回避される。この結果、スタンパー1に加える押圧力を低下させることなく、圧力が集中する事態が回避される結果、レジスト層21の表面に加わる圧力が外縁領域Aoや口縁領域Ae以外の領域(中央部Pm等)において低下する事態も回避される。これにより、スタンパー1の全域に亘ってレジスト層21の表面に同程度の圧力が加わり、凹凸パターン形成面6に形成されているすべての凸部5aがレジスト層21に対して同程度だけ押し込まれる。
【0032】
続いて、レジスト層21にスタンパー1を押し付けた状態を例えば5分間に亘って維持した後に、図6に示すように、基材取付部32に対してスタンパー取付部33を上動させることによってレジスト層21からスタンパー1を剥離する。これにより、同図に示すように、スタンパー1における凹凸パターン5の凹凸形状がレジスト層21転写されて中間体10の上に凹凸パターン25が形成される。この場合、中間体10上に形成された凹凸パターン25は、スタンパー1の凹凸パターン5における各凸部5aに対応して各凹部25bが形成され、凹凸パターン5における各凹部5bに対応して各凸部25aが形成されている。以上により、本発明に係る凹凸パターン形成方法による凹凸パターン25の形成処理(インプリント処理)が完了する。
【0033】
次いで、中間体10上のレジスト層21における凹凸パターン25の各凹部25bの底面に残存するレジスト(残渣:図示せず)を例えば酸素プラズマ処理によって除去する。続いて、凹凸パターン25(各凸部25a)をマスクとして用いて中間体10(記録層13)に対するエッチング処理を行うことにより、基材12の上に凹凸パターン15を形成する。この際には、凹凸パターン25における各凸部25aに対応して各凸部15aが形成され、凹凸パターン25における各凹部25bに対応して各凹部15bが形成される。この後、エッチング処理によって記録層13の上(各凸部15aの上)に残留しているレジスト層21を除去する。これにより、図2に示すように、磁気ディスク11が完成し、本発明に係る情報記録媒体製造方法が完了する。
【0034】
なお、上記した磁気ディスク11の製造時には、中央部Pmから外縁部Poに向かって凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなり、かつ、中央部Pmから口縁部Peに向かって厚みが徐々に薄くなるように形成したスタンパー1を用いてマスクパターンとしての凹凸パターン25を中間体10上に形成したが、インプリント処理時にレジスト層21の表面に加わる圧力が外縁領域Aoや口縁領域Ae等の端部領域に集中する事態を回避し得るスタンパーの構成はこれに限定されない。例えば、図7に示すスタンパー1Aのように、外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの間の領域(中央部Pmの周囲)において凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みがほぼ均一で、外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなり、口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど徐々に薄くなるように構成することもできる。この構成を採用したスタンパー1Aにおいても、上記のスタンパー1と同様にして、インプリント処理時にスタンパー1Aに加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がその端部領域(外縁領域Aoおよび口縁領域Ae)に集中する事態を回避して全域に亘って凹凸パターン5をレジスト層21に均等に押し込むことができる。なお、このスタンパー1Aおよび後に説明する各スタンパーにおいてスタンパー1と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、これらのスタンパー1A〜1Mの製造方法については、前述したスタンパー1の製造方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0035】
また、中間体10の直径と等しい直径のスタンパー1,1Aを用いて凹凸パターン25を形成する例について説明したが、このスタンパー1,1Aを用いて、スタンパー1,1Aの直径よりも大径の基材(中間体)上に凹凸パターン25を形成することもできる。この場合には、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1,1Aにおける端部領域(外縁領域Aoおよび口縁領域Ae)に集中する事態を回避してスタンパー1,1Aの全域に亘って凹凸パターン5をレジスト層21に均等に押し込むことができる。さらに、中心孔14が形成された中間体10上のレジスト層21に中心孔4が形成されたスタンパー1,1Aの凹凸パターン5を押し付ける例について説明したが、スタンパーに中心孔4を形成した場合には、基材に中心孔14が形成されていない場合(図8,9参照における中間体10B等)、または、中間体の中心孔がスタンパーの中心孔4よりも小径の場合(図示せず)においても、上記のスタンパー1と同様にして、そのスタンパーにおける口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど徐々に薄くなるように構成するのが好ましい。この構成を採用することで、インプリント処理時にスタンパー1Aに加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパーにおける口縁領域Aeに集中する事態を回避することができる。
【0036】
また、中心孔4が形成されていないスタンパーを用いて中心孔14が形成されていない中間体10B上に凹凸パターン25を形成するときには、図8,9に示すスタンパー1B,1Cのように、中心領域Acや上記のスタンパー1における口縁領域Aeに対応する領域において中心部Pcから外縁部Poに向けて厚みが徐々に薄くなるか、または、厚みがほぼ一定で、外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど厚みが徐々に薄くなる構成を採用することもできる。この構成では、スタンパー1B,1Cおよび中間体10Bのいずれにも中心孔4,14が形成されていないため、レジスト層21の表面に加わる圧力が前述したスタンパー1における口縁領域Aeに対応する領域に集中することがない結果、凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みを中心部Pcの周囲において中心部Pc側ほど徐々に薄くするという構成を採用しないとしても、スタンパー1B,1Cの全域においてレジスト層21に凹凸パターン5を均等に押し付けることができる。
【0037】
この場合、その凹凸パターン形成面と裏面との間の厚みが全域に亘ってほぼ等しくなるように形成された従来のスタンパーを用いたインプリント処理時には、図10に示すように、樹脂層(図示せず)の表面に加わる圧力がその外縁部側の端部領域に集中して外縁部側ほど高くなる。なお、同図および後に参照する図11,23は、インプリント処理時における各領域毎の圧力の差異(樹脂層の表面に加わる圧力の分布)を調べるべく、スタンパーと基材との間に感圧紙を挟み込んだ状態においてインプリント処理を実行し、その後に、感圧紙を撮像した圧力分布写真であって、各図において黒い部位ほど高い圧力が加えられたことを示している。一方、少なくとも外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど厚みが徐々に薄くなるように形成した上記のスタンパー1B,1Cを用いたインプリント処理時には、図11に示すように、樹脂層(図示せず)の表面に加わる圧力がその端部領域に集中することなく、全域においてほぼ均等な圧力が加えられている。このように、スタンパーの端部(外縁部Poおよび口縁部Pe)と中間体(基材)とが重なる端部領域においてスタンパーの厚みを端部に向かって徐々に薄くすることで、スタンパーに加える押圧力を低下させることなく、インプリント処理時に樹脂層に加わる圧力が端部領域に集中する事態を回避して、凹凸パターンの変形や転写不良を招くことなく、レジスト層21に転写すべき凹凸パターン5を全域に亘って高精度で転写することができる。
【0038】
一方、図12に示すように、スタンパー1Dの直径(外径)が中間体10Dの直径(外径)よりも大きいときには、中間体10D上のレジスト層21(図示せず)に対するインプリント処理時において、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの外縁領域とスタンパー1Dとが重なる領域に集中する。また、中心孔4が形成されていないこのスタンパー1Dでは、中心孔14が形成された中間体10上のレジスト層21に対するインプリント処理時において、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの口縁領域とスタンパー1Dとが重なる領域に集中する。したがって、同図に示すスタンパー1Dでは、外縁部Poおよび中心部Pcの間の中央領域Am1(本発明における所定領域の一例)における外縁部Po側の領域Am1o(本発明における第1領域の一例)において中央領域Am1における径方向の中央部Pm1(この例では、前述したスタンパー1における中央部Pmよりも中心部Pc寄りの所定部位)から遠ざかるほど凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなるように形成されると共に、中央領域Am1における中心部Pc側の領域Am1c(本発明における第2領域の一例)において中央部Pm1から遠ざかるほど凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなるように形成されている。
【0039】
具体的には、領域Am1oにおいては、インプリント処理時において中間体10Dの外縁部とスタンパー1Dとが重なる位置Pm2に向かうほど徐々に厚みが薄くなり、領域Am1cにおいては、中間体10Dにおける中心孔14の口縁部と重なる位置Pm3に向かうほど徐々に厚みが薄くなるように形成されている。したがって、このスタンパー1Dを用いたインプリント処理時には、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの外縁領域や中心孔14の口縁領域とスタンパー1とDが重なる領域に集中する事態が回避される。この結果、中間体10Dの全域に対してほぼ均等な圧力で凹凸パターン5が押し付けられ、レジスト層21に凹凸パターン5を高精度で転写することができる。なお、上記のスタンパー1Dの中心部Pcに中間体10Dの中心孔14の内径よりも小さい内径の中心孔(図示せず)を形成する場合においても、その中央領域Am1における領域Am1cにおいて中間体10Dにおける中心孔14の口縁部と重なる位置Pm3に向かうほど徐々に厚みが薄くなるように形成することで、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの口縁領域に集中する事態を回避して、中間体10Dの全域においてレジスト層21に凹凸パターン5を高精度で転写することができる。
【0040】
この場合、このスタンパー1Dのように中央領域Am1の領域Am1o,Am1cにおいて中央部Pm1から遠ざかるほど徐々に厚みを薄くする構成を採用する場合には、両領域Am1o,Am1cにおける厚みの変化率(すなわち、裏面7の傾斜)が互いに相違するように構成してもよい。また、領域Am1oにおいて最も薄い部位の厚みと領域Am1cにおいて最も薄い部位の厚みとが互いに相違するように構成してもよい。さらに、スタンパー1Dのように、中央領域Am1における中央部Pm1の周囲の厚みを一定にした構成のみならず、中央部Pm1の周囲においても中央部Pm1から遠ざかるほど徐々に厚みが薄くなる構成を採用することもできる。
【0041】
また、凹凸パターン5を転写すべき中間体(基材)の外縁部側において、凹凸パターンの転写不良が生じても問題とならない領域が存在するときには、スタンパーにおける外縁領域Aoを外縁部Poに向けて徐々に薄くすることなく構成することができる。具体的には、図13,14に示す中間体10Eのように、凹凸パターン5の転写が不要な非転写領域Axがその外縁部側に存在する場合には、同図に示すスタンパー1E,1Fのように、その外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くすることなく、少なくとも口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど徐々に薄くなるように構成することができる。このように構成したスタンパー1E,1Fでは、中間体10E上のレジスト層21に対するインプリント処理に際してレジスト層21の表面に加わる圧力が外縁領域Aoに集中するものの、中間体10Eの外縁部に凹凸パターン5の転写が不要な非転写領域Axが存在するため、外縁領域Aoにおける凹凸パターンの変形や転写不良の発生が問題とはならず、口縁領域Aeにおいてはレジスト層21の表面に加わる圧力が集中する事態が回避される。これにより、凹凸パターン5を転写すべき領域(非転写領域Axよりも内側の領域)においては、凹凸パターン5をレジスト層21に高精度で転写することができる。
【0042】
このように、上記のスタンパー1,1A〜1C、およびスタンパー1,1A〜1Cを用いた凹凸パターン形成方法によれば、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが外縁領域Ao(端部領域)において外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、インプリント処理時にレジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパーの外縁領域Aoに集中する事態を回避して、少なくとも外縁領域Aoにおける凹凸パターン25の変形を回避することができる。また、スタンパー1,1A〜1Cに加える押圧力を低下させる必要がないため、内側領域(外縁領域Aoよりも内側の領域)における凹凸パターン5の転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパー1,1A〜1Cにおける外縁領域Aoおよび内側領域の両領域に対応する部位において凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0043】
また、上記のスタンパー1,1A,1E,1F、およびスタンパー1,1A,1E,1Fを用いた凹凸パターン形成方法によれば、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが口縁領域Ae(端部領域)において口縁部Pe側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、凹凸パターンの形成時にレジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1,1A,1E,1Fの口縁領域Aeに集中する事態を回避して、少なくとも口縁領域Aeにおける凹凸パターン25の変形を回避することができる。また、スタンパー1,1A,1E,1Fに加える押圧力を低下させる必要がないため、外側領域(口縁領域Aeよりも外側の領域)における凹凸パターン5の転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパー1,1A,1E,1Fにおける口縁領域Aeおよび外側領域の両領域に対応する部位において凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0044】
また、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成すると共に口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど徐々に薄くなるように形成したスタンパー1,1A、およびスタンパー1,1Aを用いた凹凸パターン形成方法によれば、インプリント処理時にスタンパー1,1Aに加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパーの外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの両領域(端部領域)に集中する事態を回避することができる。したがって、その全域に亘って均一な圧力で凹凸パターン5をレジスト層21に押し付けて全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。また、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、その全域に亘って凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0045】
さらに、上記のスタンパー1D、およびスタンパー1Dを用いた凹凸パターン形成方法によれば、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが本発明における所定領域(この例では、中央領域Am1)における外縁部Po側の領域Am1oと中心部Pc側の領域Am1cとの少なくとも一方(この例では、双方)において中央部Pm1から遠ざかるほど徐々に薄くなるように形成したことにより、例えば、スタンパー1Dの直径よりも小径の中間体10D上に凹凸パターン25を形成する際にレジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの外縁領域とスタンパー1Dとが重なる領域(所定領域における外縁部側:この例では、中央領域Am1における外縁部Po側)に集中する事態や、中心孔14が形成されている中間体10D上に中心孔4が存在しないスタンパー1Dを用いて凹凸パターン25を形成する際にレジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの口縁領域とスタンパー1Dとが重なる領域(所定領域における中心部側:この例では、中央領域Am1における中心部Pc側)に集中する事態を回避して、少なくともその領域(中央領域Am1における外縁部Po側および中心部Pc側)における凹凸パターン25の変形を回避することができる。また、スタンパー1Dに加える押圧力を低下させる必要がないため、中央領域Am1の中央部Pm1等における凹凸パターン5の転写不良の発生を回避することができる。これにより、中央領域Am1を含む全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパー1Dにおける中央領域Am1等に対応する部位において凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0046】
次いで、スタンパー1G、およびスタンパー1Gを用いた磁気ディスク11の製造方法について、図面を参照して説明する。
【0047】
図15に示すスタンパー1Gは、本発明に係る情報記録媒体製造方法に従って磁気ディスク11(図2参照)を製造するための原盤であって、本発明におけるスタンパーの他の一例に相当する。この場合、スタンパー1Gは、一例として、その直径(外径)が磁気ディスク11と等しくなるように形成されると共に、中心孔4の内径が磁気ディスク11における中心孔14の内径と等しくなるように形成されている。また、このスタンパー1Gは、凹凸パターン形成面6とその裏面7(同図における上面)との間の厚みが、外縁領域Aoにおいて中心部Pc(口縁部Pe)側ほど徐々に薄くなるように形成されると共に、口縁領域Ae(中心孔4の口縁部Peを含む領域)において外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成されている。
【0048】
具体的には、図16に示すように、スタンパー1Gの外縁領域Aoでは、その外縁部Po側の厚みTooよりも、その中心部Pc(口縁部Pe)側の厚みTocの方が薄くなるように外縁部Po側から中心部Pc側に向けて徐々に薄くなるように形成されている。また、スタンパー1Gの口縁領域Aeでは、その口縁部Pe(中心部Pc)側の厚みTeeよりも、その外縁部Po側の厚みTeoの方が薄くなるように口縁部Pe側から外縁部Po側に向けて徐々に薄くなるように形成されている。この場合、このスタンパー1Gでは、図15に示すように、その外縁部Poから、外縁部Poと中心部Pcとの間の中央部Pm(一例として、外縁部Poと口縁部Peとの間の中央部)に向かって凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなり、かつ、口縁部Peから中央部Pmに向かって厚みが徐々に薄くなるように形成され、その厚みが中央部Pm(中央領域Am)において最も薄くなるように形成されている。この場合、スタンパー1Gでは、一例として、最も厚い部位の厚み(この例では、外縁部Poおよび口縁部Peにおける厚み)と、最も薄い部位の厚み(この例では、中央部Pmにおける厚み)との差異が100μm程度となっている。なお、このスタンパー1Gのように外縁領域Aoにおいて中心部Pc側ほど厚みを徐々に薄くすると共に口縁領域Aeにおいて外縁部Po側ほど厚みを徐々に薄くする構成を採用する場合には、外縁部Poと口縁部Peとで厚みが互いに相違するように構成してもよい。また、外縁領域Aoにおける厚みの変化率および口縁領域Aeにおける厚みの変化率(すなわち、裏面7の傾斜)が互いに相違するように構成してもよい。
【0049】
次に、スタンパー1Gを用いて磁気ディスク11を製造する方法について、図面を参照して説明する。
【0050】
まず、図17に示すように、その表面にレジスト層21が形成された中間体10をプレス機31における基材取付部32の上にセットすると共に、凹凸パターン形成面6を下向きにしてスタンパー1Gをプレス機31のスタンパー取付部33にセットする。この際には、スタンパー取付部33のスタンパー取付け面とスタンパー1Gの裏面7との間に、シリコンゴム、ニトリルゴムおよびエチレンゴム等の各種ゴム材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリイミド等のポリマーフィルムで形成された弾性体35を挟み込むようにしてスタンパー取付部33にスタンパー1Gを取り付ける。この場合、スタンパー取付部33には、一例として、スタンパー1Gを保持するための電磁石等が配設されている。また、スタンパー取付部33とスタンパー1Gとの間に挟み込む弾性体35は、一例として、その厚みが全域において均一に形成されている。なお、同図では、スタンパー取付部33とスタンパー1Gとの間に挟み込まれた弾性体35がスタンパー1Gにおける裏面7の表面形状に馴染んで変形した状態(スタンパー1Gの厚みが厚い部位と重なる部位が薄くなり、スタンパー1Gの厚みが薄い部位と重なる部位が厚くなるようにして、弾性体35の厚みが各部で相違している状態)を図示している。また、その厚みが全域で均一な弾性体35に代えて、スタンパー1Gの凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが薄い部位に重なる部位が厚く、凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが厚い部位に重なる部位が薄い弾性体(図示せず)をスタンパー取付部33とスタンパー1Gとの間に挟み込む構成を採用することができる。
【0051】
続いて、スタンパー取付部33を基材取付部32に向けて下降させることにより、図18に示すように、基材取付部32上に載置されている中間体10上のレジスト層21にスタンパー1Gの凹凸パターン5を押し付ける。この際に、スタンパー取付部33とスタンパー1Gとの間に弾性体35が挟み込まれているため、基材取付部32上の中間体10に対してスタンパー1Gが僅かに傾いていたとしても、弾性体35の変形によってその傾きが矯正される。また、このスタンパー1Gでは、前述したように、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが、外縁領域Aoにおいて中心部Pc(口縁部Pe)側ほど徐々に薄くなるように形成されると共に、口縁領域Aeにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成されている。したがって、スタンパー1Gの全域に対してほぼ均等な荷重をかけた際(全域に亘ってほぼ均一な押圧力を加えた際)に、スタンパー1Gの厚みが薄い部位(外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの間の領域)においては、裏面7とスタンパー取付部33との間における距離が長いことで弾性体35を十分に変形させることができる。この結果、スタンパー1Gの厚みが薄い部位においてレジスト層21の表面に圧力が加わり難くなるため、スタンパー1に加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力が外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの間の領域(中央領域Amの周囲等)に集中する事態が回避される。
【0052】
また、このスタンパー1Gでは、外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど厚みが徐々に厚くなるように形成されると共に、口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど厚みが徐々に厚くなるように形成されている。したがって、スタンパー1Gの全域に対してほぼ均等な荷重をかけた際(全域に亘ってほぼ均一な押圧力を加えた際)に、スタンパー1Gの厚みが厚い部位(外縁領域Aoおよび口縁領域Ae)においては、裏面7とスタンパー取付部33との間における距離が短くなる結果、弾性体35の変形量が十分に小さくなる。この結果、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1Gの外縁領域Aoと口縁領域Aeとにおいて低下する事態が回避される。したがって、スタンパー1Gの全域に亘ってレジスト層21の表面に同程度の圧力が加わるため、凹凸パターン形成面6に形成されているすべての凸部5aがレジスト層21に対して同程度だけ押し込まれる。
【0053】
続いて、レジスト層21にスタンパー1Gを押し付けた状態を例えば5分間に亘って維持した後に、図19に示すように、基材取付部32に対してスタンパー取付部33を上動させることによってレジスト層21からスタンパー1Gを剥離する。これにより、同図に示すように、スタンパー1Gにおける凹凸パターン5の凹凸形状がレジスト層21に転写されて中間体10の上に凹凸パターン25が形成される。この場合、中間体10上に形成された凹凸パターン25は、スタンパー1Gの凹凸パターン5における各凸部5aに対応して各凹部25bが形成され、凹凸パターン5における各凹部5bに対応して各凸部25aが形成されている。以上により、本発明に係る凹凸パターン形成方法による凹凸パターン25の形成処理(インプリント処理)が完了する。
【0054】
次いで、中間体10上のレジスト層21における凹凸パターン25の各凹部25bの底面に残存するレジスト(残渣)を例えば酸素プラズマ処理によって除去する。続いて、凹凸パターン25(各凸部25a)をマスクとして用いて中間体10(記録層13)に対するエッチング処理を行うことにより、基材12の上に凹凸パターン15を形成する。この際には、凹凸パターン25における各凸部25aに対応して各凸部15aが形成され、凹凸パターン25における各凹部25bに対応して各凹部15bが形成される。この後、エッチング処理によって記録層13の上(各凸部15aの上)に残留しているレジスト層21を除去する。これにより、図2に示すように、磁気ディスク11が完成し、本発明に係る情報記録媒体製造方法が完了する。
【0055】
なお、上記した磁気ディスク11の製造時には、スタンパー1Gとスタンパー取付部33との間に弾性体35を挟み込んだ状態でインプリント処理を実行しているが、本発明における凹凸パターン形成方法はこれに限定されず、スタンパー1Gとスタンパー取付部33との間に弾性体35を挟み込むことなく、中間体10と基材取付部32との間に弾性体35を挟み込んだ状態でインプリント処理を実行することでレジスト層21に凹凸パターン25を形成することもできる。この形成方法に従って凹凸パターン25を形成する場合であっても、上記のスタンパー1Gを用いることで、レジスト層21の表面に加わる圧力が、外縁領域Aoや口縁領域Aeにおいて低下する事態や、外縁領域Aoと口縁領域Aeとの間の領域(中央領域Amの周囲)に集中する事態を回避することができる。同様にして、スタンパー1Gとスタンパー取付部33との間、および中間体10と基材取付部32との間の双方に弾性体35を挟み込んだ状態においてインプリント処理を実行する場合においても、上記のスタンパー1Gを用いることで、レジスト層21の表面に加わる圧力が、外縁領域Aoや口縁領域Aeにおいて低下する事態や、外縁領域Aoと口縁領域Aeとの間の領域(中央領域Am等)に集中する事態を回避することができる。
【0056】
また、外縁部Poから中央部Pmに向かって凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなり、かつ、口縁部Peから中央部Pmに向かって厚みが徐々に薄くなるように形成したスタンパー1Gを用いてマスクパターンとしての凹凸パターン25を中間体10上に形成しているが、基材取付部32と本発明における基材との間、およびスタンパー取付部33と本発明に係るスタンパーとの間の少なくとも一方に弾性体35を挟み込んだ状態においてインプリント処理を実行する際にレジスト層21の表面に加わる圧力が、外縁領域Aoおよび口縁領域Aeにおいて低下する事態や外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの間の領域に集中する事態を回避し得るスタンパーの構成はこれに限定されない。例えば、図20に示すスタンパー1Hのように、外縁領域Aoおよび口縁領域Ae間の領域(中央部Pmの周囲)において凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みがほぼ均一で、外縁領域Aoにおいて中心部Pc(口縁部Pe)側ほど徐々に薄くなり、口縁領域Aeにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように構成することもできる。この構成を採用したスタンパー1Hにおいても、上記のスタンパー1Gと同様にして、インプリント処理時にスタンパー1Gに加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がその外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの間の領域(端部領域を除く領域)に集中する事態を回避して全域に亘って凹凸パターン5をレジスト層21に均等に押し込むことができる。
【0057】
また、中間体10の直径と等しい直径のスタンパー1G,1Hを用いて凹凸パターン25を形成する例について説明したが、このスタンパー1G,1Hを用いて、スタンパー1G,1Hの直径よりも大径の基材(中間体)上に凹凸パターン25を形成することもできる。この場合には、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1G,1Hにおける外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの間の領域(端部領域を除く領域)に集中する事態を回避して全域に亘って凹凸パターン5をレジスト層21に均等に押し込むことができる。さらに、中心孔14が形成された中間体10上のレジスト層21に中心孔4が形成されたスタンパー1G,1Hの凹凸パターン5を押し付ける例について説明したが、スタンパーに中心孔4を形成した場合であって、かつ、インプリント処理時に、スタンパーとスタンパー取付部33との間、および基材と基材取付部32との間のいずれかに弾性体35を挟み込む場合には、基材に中心孔14が形成されていない場合(図21,22における中間体10B等)、または、基材の中心孔がスタンパーの中心孔4よりも小径の場合(図示せず)においても、上記のスタンパー1Gと同様にして、そのスタンパーにおける口縁領域Aeにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように構成するのが好ましい。この構成を採用することで、インプリント処理時にスタンパーに加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がその口縁領域Aeにおける口縁部Peよりも外側の外側領域に集中する事態を回避することができる。
【0058】
また、中心孔4が形成されていないスタンパーを用いて中心孔14が形成されていない中間体10B上に凹凸パターン25を形成するときには、図21,22に示すスタンパー1I,1Jのように、外縁領域Aoにおいては、中心部Pc側ほど厚みが徐々に薄くなり、中心領域Acや上記のスタンパー1Gにおける口縁領域Aeに対応する領域においては、中心部Pcに向けて厚みが徐々に薄くなるか、または、厚みがほぼ一定となる構成を採用することもできる。この構成では、スタンパー1I,1Jおよび中間体10Bのいずれにも中心孔4,14が形成されていないため、レジスト層21の表面に加わる圧力が前述したスタンパー1Gにおける口縁領域Aeに対応する領域よりも外側の外側領域に集中することがない結果、凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みを口縁領域Aeに対応する領域において外縁部Po側ほど徐々に薄くする構成を採用しないとしても、スタンパー1I,1Jの全域においてレジスト層21に凹凸パターン5を均等に押し付けることができる。
【0059】
この場合、その凹凸パターン形成面と裏面との間の厚みが全域に亘ってほぼ等しくなるように形成された従来のスタンパーを用いて、例えばプレス機とスタンパーとの間に弾性体を挟み込んだ状態で実行するインプリント処理時には、図23に示すように、樹脂層の表面に加わる圧力がその内側領域(外縁領域よりも内側の領域)に集中して高くなる。一方、少なくとも外縁領域Aoにおいて中心部Pc側ほど厚みが徐々に薄くなるように形成した上記のスタンパー1I,1Jを用いたインプリント処理時には、図11に示すように、樹脂層の表面に加わる圧力がいずれかの領域に集中することなく、全域においてほぼ均等な圧力が加えられている。このように、スタンパーの端部(外縁部Poおよび口縁部Pe)と中間体(基材)とが重なる端部領域においてその厚みを端部から離間する方向に向かって徐々に薄くなるように構成することで、弾性体35を挟み込んだ状態におけるインプリント処理に際して、スタンパーに加える押圧力を低下させることなく、樹脂層の表面に加わる圧力が端部領域以外の領域(中央領域Am等)に集中する事態を回避してレジスト層21に転写すべき凹凸パターン5を全域に亘って高精度で転写することができる。
【0060】
一方、図24に示すように、スタンパー1Kの直径(外径)が中間体10Dの直径(外径)よりも大きいときには、中間体10D上のレジスト層21(図示せず)に対するインプリント処理時において、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの外縁領域よりも内側の領域とスタンパー1Kとが重なる領域に集中する。また、中心孔4が形成されていないこのスタンパー1Kでは、中心孔14が形成された中間体10上のレジスト層21に対するインプリント処理時において、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの口縁領域よりも外側の領域とスタンパー1Kとが重なる領域に集中する。したがって、同図に示すスタンパー1Kでは、外縁部Poおよび中心部Pcの間の中央領域Am1における外縁部Po側の領域Am1o(本発明における第1領域の一例)において中央領域Am1における径方向の中央部Pm1(この例では、前述したスタンパー1Gにおける中央部Pmよりも中心部Pc寄りの所定部位)に近付くほど凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなるように形成されると共に、中央領域Am1における中心部Pc側の領域Am1c(本発明における第2領域の一例)において中央部Pm1に近付くほど凹凸パターン形成面6と裏面7との間の厚みが徐々に薄くなるように形成されている。
【0061】
具体的には、領域Am1oにおいては、インプリント処理時に中間体10Dの外縁部とスタンパー1Kとが重なる位置Pm2から、中央領域Am1おける径方向の中央部Pm1に向かうほど徐々に厚みが薄くなり、領域Am1cにおいては、中心孔14の口縁部とスタンパー1Kとが重なる位置Pm3から中央部Pm1に向かうほど徐々に厚みが薄くなるように形成されている。したがって、このスタンパー1Kを用いたインプリント処理時には、スタンパー1Kとスタンパー取付部33との間に弾性体35を挟み込んだ状態においても、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの外縁領域と中心孔14の口縁領域との間の環状の領域(中央領域Am1の中央部Pm1等)とスタンパー1Kとが重なる領域に集中する事態を招くことなく、中間体10Dの全域に対してほぼ均等な圧力で凹凸パターン5が押し付けられ、レジスト層21に凹凸パターン5を高精度で転写することができる。なお、上記のスタンパー1Kの中心部Pcに中間体10Dの中心孔14の内径よりも小さい内径の中心孔(図示せず)を形成する場合においても、その中央領域Am1における領域Am1cにおいて中間体10Dにおける中心孔14の口縁部とスタンパー1Kとが重なる位置Pm3から中央部Pm1に向かうほど徐々に厚みが薄くなるように形成することで、レジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの口縁領域よりも外側の領域とスタンパー1Kとが重なる領域に集中する事態を回避して、中間体10Dの全域においてレジスト層21に凹凸パターン5を高精度で転写することができる。
【0062】
この場合、このスタンパー1Kのように中央領域Am1の領域Am1o,Am1cにおいて中央部Pm1に近付くほど徐々に厚みを薄くする構成を採用する場合には、両領域Am1o,Am1cにおける厚みの変化率(すなわち、裏面7の傾斜)が互いに相違するように構成してもよい。また、領域Am1oにおいて最も厚い部位の厚みと領域Am1cにおいて最も厚い部位の厚みとが互いに相違するように構成してもよい。さらにスタンパー1Kのように、中央領域Am1における中央部Pm1の周囲の厚みを一定にした構成のみならず、中央部Pm1の周囲においても中央部Pm1に近付くほど徐々に厚みが薄くなる構成を採用することもできる。
【0063】
また、スタンパー取付部33とスタンパー1Kとの間にスタンパー1Kと等しい直径の弾性体35を挟み込む例について説明したが、例えば、スタンパー取付部33とスタンパー1Kとの間に中間体10Dの直径と等しい直径の弾性体(スタンパーよりも小径の弾性体の一例:図示せず)を挟み込んだ状態においてインプリント処理する方法を採用することもできる。この方法を採用した場合においても、中央領域Am1の領域Am1oにおいて外縁部Po側ほど厚みが徐々に厚くなるように構成されているスタンパー1Kを使用することで、スタンパー1Kの全域に対してほぼ均等な荷重をかけた際に、スタンパー1Kの厚みが厚い部位(領域Am1oの外縁部Po側:すなわち、弾性体の外縁部側の端部領域)において裏面7とスタンパー取付部33との間における距離が短くなる結果、弾性体の変形量が十分に小さくなる。この結果、レジスト層21の表面に加わる圧力が弾性体の端部領域(スタンパー1Kにおける領域Am1o)において低下する事態が回避される。
【0064】
さらに、スタンパー取付部33とスタンパー1Kとの間に、その中心部に中間体10Dの中心孔14と等しい内径の中心孔が形成された弾性体(図示せず)を挟み込んだ状態においてインプリント処理する方法を採用することもできる。この方法を採用した場合においても、中央領域Am1の領域Am1cにおいて中心部Pc側ほど厚みが徐々に厚くなるように構成されているスタンパー1Kを使用することで、スタンパー1Kの全域に対してほぼ均等な荷重をかけた際に、スタンパー1Kの厚みが厚い部位(領域Am1cの中心部Pc側:すなわち、弾性体の口縁部側の端部領域)において裏面7とスタンパー取付部33との間における距離が短くなる結果、弾性体の変形量が十分に小さくなる。この結果、レジスト層21の表面に加わる圧力が弾性体の端部領域(スタンパー1Kにおける領域Am1c)において低下する事態が回避される。
【0065】
また、凹凸パターン5を転写すべき中間体(基材)の外縁部側において、凹凸パターンの転写不良が生じても問題とならない領域が存在するときには、スタンパーにおける外縁領域Aoを中心部Pcに向けて徐々に薄くすることなく構成することができる。具体的には、図25,26に示す中間体10Eのように、凹凸パターン5の転写が不要な非転写領域Axがその外縁部側に存在する場合には、同図に示すスタンパー1L,1Mのように、その外縁領域Aoにおいて中心部Pc(口縁部Pe)側ほど徐々に薄くすることなく、少なくとも口縁領域Aeにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように構成することができる。このように構成したスタンパー1L,1Mでは、中間体10E上のレジスト層21に対するインプリント処理に際してスタンパー1Kとスタンパー取付部33との間に弾性体35を挟み込んだ状態において、外縁領域Aoにおいてレジスト層21の表面に加わる圧力が低下するものの、中間体10Eの外縁部に凹凸パターン5の転写が不要な非転写領域Axが存在するため、外縁領域Aoにおける凹凸パターンの転写不良の発生が問題とはならず、口縁領域Aeにおいてレジスト層21の表面に加わる圧力が低下する事態が回避される。これにより、凹凸パターン5を転写すべき領域(非転写領域Axよりも内側の領域)においては、凹凸パターン5をレジスト層21に高精度で転写することができる。
【0066】
このように、上記のスタンパー1G〜1J、およびスタンパー1G〜1Jを用いた凹凸パターン形成方法によれば、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが外縁領域Ao(端部領域)において中心部Pc側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、インプリント処理時に例えばその直径がスタンパー1G〜1Jの直径以上の弾性体35を用いる場合において、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1G〜1Jの内側領域(外縁領域Aoよりも内側の領域)に集中する事態を回避して、少なくとも内側領域における凹凸パターン25の変形を回避することができる。また、凹凸パターン25の変形を回避するためにスタンパー1G〜1Jに加える押圧力を低下させる必要がないため、外縁領域Aoにおける凹凸パターン5の転写不良を回避することができる。さらに、外縁領域Aoにおいて外縁部Po側ほど厚みが徐々に厚くなるようにスタンパー1G〜1Jが構成されているため、凹凸パターン25の形成時に例えばその直径がスタンパー1G〜1Jの直径以上の弾性体を用いる場合において、スタンパー1G〜1Jの厚みが厚い部位(外縁領域Ao)における裏面7とスタンパー取付部33との間の距離が短くなる結果、弾性体35の変形量を十分に小さくすることができる。したがって、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1G〜1Jの外縁領域Aoにおいて低下する事態を回避することができる結果、外縁領域Aoにおける凹凸パターン25の転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、タンパー1G〜1Jにおける内側領域および外縁領域Aoの両領域に対応する部位において凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0067】
また、上記のスタンパー1G,1H,1L,1M、およびスタンパー1G,1H,1L,1Mを用いた凹凸パターン形成方法によれば、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが中心孔4の口縁領域Ae(端部領域)において外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成したことにより、インプリント処理時に例えば弾性体35を用いる場合であっても、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1G〜1Jの外側領域(口縁部Peよりも外側の領域)に集中する事態を回避して、少なくとも外側領域における凹凸パターン25の変形を回避することができる。また、スタンパー1G,1H,1L,1Mに加える押圧力を低下させる必要がないため、口縁領域Aeにおける凹凸パターン5の転写不良の発生を回避することができる。さらに、口縁領域Aeにおいて口縁部Pe側ほど厚みが徐々に厚くなるようにスタンパー1G,1H,1L,1Mが構成されているため、凹凸パターン25の形成時に弾性体35を用いる場合において、スタンパー1G,1H,1L,1Mの厚みが厚い部位(口縁領域Ae)における裏面7とスタンパー取付部33との間の距離が短くなる結果、弾性体35の変形量を十分に小さくすることができる。したがって、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1G,1H,1L,1Mの口縁領域Aeにおいて低下する事態を回避することができる結果、口縁領域Aeにおける凹凸パターン5の転写不良の発生を回避することができる。これにより、全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパー1G,1H,1L,1Mにおける口縁領域Aeおよび外側領域の両領域に対応する部位において凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0068】
また、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが外縁領域Aoにおいて中心部Pc(口縁部Pe)側ほど徐々に薄くなるように形成すると共に口縁領域Aeにおいて外縁部Po側ほど徐々に薄くなるように形成したスタンパー1G,1H、およびスタンパー1G,1Hを用いた凹凸パターン形成方法によれば、インプリント処理時に弾性体35を挟み込む場合においても、スタンパー1G,1Hに加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1G,1Hにおける外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの間の環状の領域(中央領域Am等)に集中する事態を回避することができる。したがって、その全域に亘って均一な圧力で凹凸パターン5をレジスト層21に押し付けて全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。また、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、その全域に亘って凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0069】
さらに、上記のスタンパー1K、およびスタンパー1Kを用いた凹凸パターン形成方法によれば、凹凸パターン形成面6とその裏面7との間の厚みが本発明における所定領域(この例では、中央領域Am1)における外縁部Po側の第1領域(領域Am1o)と所定領域における中心部Pc側の第2領域(領域Am1c)の少なくとも一方(この例では、双方)において所定領域の径方向における中央部に近付くほど徐々に薄くなるように形成したことにより、例えば、スタンパー1Kの直径よりも小径の中間体10D上に弾性体35を用いて凹凸パターン25を形成する際にレジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの外縁領域とスタンパー1Kとが重なる領域(領域Am1o)よりも中心部側(中央部Pm1の周囲)に集中する事態や、中心孔14が形成されている中間体10D上に中心孔4が存在しないスタンパー1K(または、中間体10Dの中心孔14よりも小径の中心孔4が形成されたスタンパー1K)と弾性体35とを用いて凹凸パターン25を形成する際にレジスト層21の表面に加わる圧力が中間体10Dの口縁領域とスタンパー1Kとが重なる領域(領域Am1c)よりも外縁部側(中央部Pm1の周囲)に集中する事態を回避して、少なくとも中央領域Am1における中央部Pm1の周囲において凹凸パターン25が変形する事態を回避することができる。また、スタンパー1Kに加える押圧力を低下させる必要がないため、中間体10Dの外縁領域とスタンパー1Kとが重なる領域(領域Am1o)や、中間体10Dの口縁領域とスタンパー1Kとが重なる領域(領域Am1c)等における凹凸パターン5の転写不良の発生を回避することができる。
【0070】
さらに、第1領域および第2領域(領域Am1o,Am1c)において中央部Pm1から遠ざかるほど厚みが徐々に厚くなるようにスタンパー1Kが構成されているため、凹凸パターン25の形成時に弾性体35を用いる場合において、スタンパー1Kの厚みが厚い部位(領域Am1o,Am1c)における裏面7とスタンパー取付部33との間の距離が短くなる結果、弾性体35の変形量を十分に小さくすることができる。したがって、レジスト層21の表面に加わる圧力がスタンパー1Kの第1領域および第2領域(領域Am1o,Am1c)において低下する事態を回避することができる結果、中間体10Dの外縁領域とスタンパー1Kとが重なる領域(領域Am1o)や、中間体10Dの口縁領域とスタンパー1Kとが重なる領域(領域Am1c)等における凹凸パターン5の転写不良の発生を回避することができる。これにより、中央領域Am1を含む全域において凹凸パターン25を高精度で形成することができる。したがって、この凹凸パターン形成方法に従って形成した凹凸パターン25をマスクパターンとして、または、その凹凸パターン25と凹凸位置関係が一致する凹凸パターンをマスクパターンとして用いて情報記録媒体(磁気ディスク11)を製造する情報記録媒体製造方法によれば、スタンパー1Kの中央領域Am1等に対応する部位において凹凸パターン15が高精度で形成された磁気ディスク11を提供することができる。
【0071】
なお、本発明は、上記した本発明の構成および方法に限定されない。例えば、スタンパー1,1A〜1Fを用いたインプリント処理時において、各スタンパー1,1A〜1Fとスタンパー取付部33との間、および中間体と基材取付部32との間に弾性体35を挟み込むことなく凹凸パターン5を押し付ける方法について説明したが、スタンパー取付部33とスタンパーとの間、および基材取付部32と本発明における基材(上記の中間体)との間の少なくとも一方に弾性体35を挟み込んだ状態におけるインプリント処理時にも上記のスタンパー1,1A〜1Fを使用することができる。この際には、レジスト層21の表面に加わる圧力が集中する部位に向かってその厚みが徐々に薄くなるように構成されたスタンパー(スタンパー1,1A〜1Fのうちのいずれか)を使用することで、スタンパーに加える押圧力を低下させることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がいずれかの領域に集中して高くなる事態を回避して、そのスタンパーの全域において変形を招くことなく高精度で凹凸パターン25を形成することができる。
【0072】
また、スタンパー1G〜1Mを用いたインプリント処理時に、各スタンパー1G〜1Mとスタンパー取付部33との間に弾性体35を挟み込んだ状態において凹凸パターン5を押し付ける方法について説明したが、スタンパー取付部33とスタンパーとの間、および基材取付部32と本発明における基材(上記の中間体)との間の双方に弾性体35を挟み込まない状態におけるインプリント処理時にも上記のスタンパー1G〜1Mを使用することができる。この際には、各凸部5aの押込み量が不足する部位に向かってその厚みが徐々に厚くなるように構成されたスタンパー(スタンパー1G〜1Mのうちのいずれか)を使用することで、スタンパーに加える押圧力を高くすることなく、レジスト層21の表面に加わる圧力がいずれかの領域において低下する事態を回避して、そのスタンパーの全域において凹凸パターン5の転写不良を招くことなく高精度で凹凸パターン25を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】スタンパー1の断面図である。
【図2】磁気ディスク11の断面図である。
【図3】スタンパー1における外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの断面図である。
【図4】レジスト層21が形成されてプレス機31の基材取付部32にセットされた状態の中間体10、およびスタンパー取付部33にセットされた状態のスタンパー1の断面図である。
【図5】レジスト層21に凹凸パターン5を押し付けている状態のスタンパー1および中間体10の断面図である。
【図6】レジスト層21から剥離された状態のスタンパー1および中間体10の断面図である。
【図7】スタンパー1Aの各部の厚みを説明するためのスタンパー1Aおよび中間体10の概念的な断面図である。
【図8】スタンパー1Bの各部の厚みを説明するためのスタンパー1Bおよび中間体10Bの概念的な断面図である。
【図9】スタンパー1Cの各部の厚みを説明するためのスタンパー1Cおよび中間体10Bの概念的な断面図である。
【図10】その厚みが全域において等しい従来のスタンパーを用いたインプリント時における圧力分布の状態を撮像した図面代用写真である。
【図11】スタンパー1B(または、スタンパー1C)を用いたインプリント時における圧力分布の状態を撮像した図面代用写真である。
【図12】スタンパー1Dの各部の厚みを説明するためのスタンパー1Dおよび中間体10Dの概念的な断面図である。
【図13】スタンパー1Eの各部の厚みを説明するためのスタンパー1Eおよび中間体10Eの概念的な断面図である。
【図14】スタンパー1Fの各部の厚みを説明するためのスタンパー1Fおよび中間体10Eの概念的な断面図である。
【図15】スタンパー1Gの断面図である。
【図16】スタンパー1Gにおける外縁領域Aoおよび口縁領域Aeの断面図である。
【図17】レジスト層21が形成されてプレス機31の基材取付部32にセットされた状態の中間体10、並びに、スタンパー取付部33にセットされた状態のスタンパー1Gおよび弾性体35の断面図である。
【図18】レジスト層21に凹凸パターン5を押し付けている状態のスタンパー1G、弾性体35および中間体10の断面図である。
【図19】レジスト層21から剥離された状態のスタンパー1G、弾性体35および中間体10の断面図である。
【図20】スタンパー1Hの各部の厚みを説明するためのスタンパー1H、弾性体35および中間体10の概念的な断面図である。
【図21】スタンパー1Iの各部の厚みを説明するためのスタンパー1I、弾性体35および中間体10Bの概念的な断面図である。
【図22】スタンパー1Jの各部の厚みを説明するためのスタンパー1J、弾性体35および中間体10Bの概念的な断面図である。
【図23】その厚みが全域において等しい従来のスタンパーと弾性体とを用いたインプリント時における圧力分布の状態を撮像した図面代用写真である。
【図24】スタンパー1Kの各部の厚みを説明するためのスタンパー1K、弾性体35および中間体10Dの概念的な断面図である。
【図25】スタンパー1Lの各部の厚みを説明するためのスタンパー1L、弾性体35および中間体10Eの概念的な断面図である。
【図26】スタンパー1Mの各部の厚みを説明するためのスタンパー1M、弾性体35および中間体10Eの概念的な断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1,1A〜1M スタンパー
5,15,25 凹凸パターン
5a,15a,25a 凸部
5b,15b,25b 凹部
6 凹凸パターン形成面
7 裏面
10,10B,10D,10E 中間体
11 磁気ディスク
21 レジスト層
Ac 中心領域
Ae 口縁領域
Am,Am1 中央領域
Am1o,Am1c 領域
Ao 外縁領域
Pc 中心部
Pe 口縁部
Pm,Pm1 中央部
Po 外縁部
Tee,Teo,Toc,Too 厚み




 

 


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