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発明の名称 ペースト塗布膜の厚み調整装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−181761(P2007−181761A)
公開日 平成19年7月19日(2007.7.19)
出願番号 特願2006−900(P2006−900)
出願日 平成18年1月5日(2006.1.5)
代理人 【識別番号】100097180
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 均
発明者 小野 良二 / 占部 大輔 / 志村 宏二 / 山下 俊朗
要約 課題
チップ型電子部品に塗布した後の未乾燥のペースト膜の厚みを調整することが可能であり、そのペースト膜寸法のバラツキを抑制し、結果として、チップ型電子部品の実装不良を低減し、高密度実装を可能とするペースト塗布膜の厚み調整装置を提供すること。

解決手段
ペースト塗布膜の厚み調整装置10は、未乾燥のペースト塗布膜20aが形成されたチップ型電子部品2を保持する部品保持機構4と、接触することでペースト塗布膜20aを構成するペーストの少なくとも一部を吸収可能な吸水シート30と、を有する。ペースト塗布膜20aを吸水シート30に接触させるように、部品保持機構4を吸水シート30に対して相対的に接近移動させると共に、ペースト塗布膜20aを吸水シート30から引き離す方向に移動させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
未乾燥のペースト塗布膜が形成されたチップ型電子部品を保持する部品保持機構と、
接触することで前記ペースト塗布膜を構成するペーストの少なくとも一部を吸収可能な吸水シートと、
前記ペースト塗布膜を前記吸水シートに接触させるように、前記部品保持機構を前記吸水シートに対して相対的に接近移動させると共に、前記ペースト塗布膜を前記吸水シートから引き離す方向に移動させる移動機構と、
を有するペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項2】
前記部品保持機構が、
複数のチップ型電子部品を、各チップ型電子部品の端部が露出するように、着脱自在に保持する保持プレートと、
前記保持プレートを着脱自在に保持する保持ベースと、を有する請求項1に記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項3】
前記移動機構が、前記部品保持機構を、前記吸水シートに対して接近移動および離反移動させる機構、あるいは、前記吸水シートを前記部品保持機構に対して接近移動および離反移動させる機構である請求項1または2に記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項4】
前記吸水シートが表面に設置されるシートベースと、
使用済の吸水シートを巻き取り、新たな吸水シートを、前記シートベース上に送り込むフィード機構と、をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項5】
前記吸水シートを前記シートベース上に設置する位置と、前記吸水シートを前記シートベースから引き離す位置とに変化させるリフト機構をさらに有する請求項4に記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項6】
前記シートベース上に位置する吸水シートに張力を印加する張力付与機構をさらに有する請求項4または5に記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項7】
前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートに接触させる時間を制御する接触時間制御手段を有する請求項1〜6のいずれかに記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項8】
前記接触時間制御手段では、前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートに接触させる回数に応じて、接触時間を制御する請求項7に記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項9】
前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートの表面に沈み込ませる深さを制御する沈み込み量制御手段を有する請求項1〜8のいずれかに記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項10】
前記沈み込み量制御手段では、前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートに接触させる回数に応じて、前記沈み込ませる深さを制御する請求項9に記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
【請求項11】
前記ペースト塗布膜が形成されたチップ型電子部品を前記吸水シートから引き離す方向に移動させる際に、最初は低速で引き離し、その後に、比較的に高速で引き離すように、前記移動機構を制御する移動制御手段をさらに有する請求項1〜10のいずれかに記載のペースト塗布膜の厚み調整装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば導電性ペーストなどをチップ型電子部品に塗布してペースト塗布膜を形成する際に、そのペースト塗布膜の厚みを調整することができる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チップ型電子部品の一例として、たとえば下記の特許文献1に示すコイルチップ部品が知られている。一般に、サイズが小さいコイルチップ部品では、ワイヤが巻回してあるコイル部の外周を樹脂で被覆した後に、電極膜を形成しなければならない場合がある。その場合には、樹脂被覆した後の工程であるために、焼き付け工程が出来ない。そのために、導電性ペースト膜で電極膜を形成することがある。
【0003】
そのような場合には、導電性ペースト膜の膜厚のバラツキを抑制することが困難であり、特にチップサイズを小型化した場合に、チップ部品の軸方向長さ寸法がばらついてしまう。そのために、このチップ部品が実装される基板部分のランド寸法と誤差が生じ、実装不良が生じるおそれがある。また、プリント基板においては、ランドパターンに余裕をもたせた設計とする必要があり、高実装密度が困難であると言う課題もある。
【0004】
なお、下記の特許文献2に示すように、余分な電極ペーストを回収するペースト塗布装置は知られている。しかしながら、この特許文献1に記載のペースト塗布装置では、チップ型電子部品に塗布した後の未乾燥のペースト膜の厚みを調整することはできない。
【特許文献1】特開平10−163033号公報
【特許文献2】特開2005−169234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、チップ型電子部品に塗布した後の未乾燥のペースト膜の厚みを調整することが可能であり、そのペースト膜寸法のバラツキを抑制し、結果として、チップ型電子部品の実装不良を低減し、高密度実装を可能とするペースト塗布膜の厚み調整装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るペースト塗布膜の厚み調整装置は、
未乾燥のペースト塗布膜が形成されたチップ型電子部品を保持する部品保持機構と、
接触することで前記ペースト塗布膜を構成するペーストの少なくとも一部を吸収可能な吸水シートと、
前記ペースト塗布膜を前記吸水シートに接触させるように、前記部品保持機構を前記吸水シートに対して相対的に接近移動させると共に、前記ペースト塗布膜を前記吸水シートから引き離す方向に移動させる移動機構と、
を有する。
【0007】
本発明に係るペースト塗布膜の厚み調整装置を用いて、チップ型電子部品に形成された未乾燥のペースト塗布膜を吸水シートに接触させることで、ペースト塗布膜を構成するペーストの少なくとも一部を吸水シートが吸水する。そのため、本発明に係る装置によれば、ペースト塗布膜の厚みを高精度に制御することが可能になる。
【0008】
その結果、たとえばチップ型電子部品のサイズが小型化しても、ペースト塗布膜の厚みのバラツキによるチップ型電子部品の寸法のバラツキを抑制することができる。そのために、このチップ型電子部品が実装される基板部分のランド寸法と誤差が生じることが少なくなり、実装不良を防止することができる。さらに、プリント基板などにおいては、ランドパターンに余裕をもたせた設計とする必要が無くなり、高実装密度が容易になる。
【0009】
好ましくは、前記部品保持機構が、
複数のチップ型電子部品を、各チップ型電子部品の端部が露出するように、着脱自在に保持する保持プレートと、
前記保持プレートを着脱自在に保持する保持ベースと、を有する。
【0010】
保持プレートにより多数のチップ型電子部品を保持することで、多数のチップ型電子部品におけるペースト塗布膜の膜厚制御を同時に行うことができ、作業の効率化に寄与する。
【0011】
好ましくは、前記移動機構が、前記部品保持機構を、前記吸水シートに対して接近移動および離反移動させる機構、あるいは、前記吸水シートを前記部品保持機構に対して接近移動および離反移動させる機構である。すなわち、本発明では、部品保持機構を移動させても良く、あるいは、吸水シートを移動させても良い。
【0012】
好ましくは、本発明の装置は、前記吸水シートが表面に設置されるシートベースと、
使用済の吸水シートを巻き取り、新たな吸水シートを、前記シートベース上に送り込むフィード機構と、をさらに有する。
【0013】
吸水シートによりペーストを吸収した部分は、その吸水力が落ちるので、次の工程において、ペースト塗布膜を吸水シートに接触させる際には、使用済の吸水シート部分ではなく、新たな吸水シート部分であることが好ましい。その方が、ペースト塗布膜の厚みを、より薄く正確に制御することができる。
【0014】
好ましくは、本発明の装置は、前記吸水シートを前記シートベース上に設置する位置と、前記吸水シートを前記シートベースから引き離す位置とに変化させるリフト機構をさらに有する。リフト機構により、吸水シートをシートベースから引き離すことで、使用済の吸水シートを巻き取り、新たな吸水シートを送り込みやすくなる。
【0015】
好ましくは、本発明の装置は、前記シートベース上に位置する吸水シートに張力を印加する張力付与機構をさらに有する。張力付与機構により吸水シートに張力を付与することで、吸水シートに皺などが形成されず、チップ型電子部品に形成してあるペースト塗布膜から均一にペーストを吸収することが可能になり、ペースト塗布膜の厚みを正確に調整することができる。
【0016】
好ましくは、本発明の装置は、前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートに接触させる時間を制御する接触時間制御手段を有する。接触時間制御手段により接触時間を制御することで、ペースト塗布膜の厚みを、より正確に調整することができる。
【0017】
好ましくは、前記接触時間制御手段では、前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートに接触させる回数に応じて、接触時間を制御する。たとえば同一のペースト塗布膜について接触させる回数を重ねる毎に、接触時間が順次短くなるように制御しても良い。1回目の接触では、比較的に長時間接触させた方が良いが、2回目以降では、ペースト膜自体が薄くなっているので、比較的に短時間の接触でよい。
【0018】
好ましくは、本発明の装置は、前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートの表面に沈み込ませる深さを制御する沈み込み量制御手段を有する。沈み込み量制御手段により沈み込み深さを制御することで、ペースト塗布膜の厚みを、より正確に調整することができる。
【0019】
好ましくは、前記沈み込み量制御手段では、前記ペースト塗布膜が形成された前記チップ型電子部品の端部を前記吸水シートに接触させる回数に応じて、前記沈み込ませる深さを制御する。たとえば同一のペースト塗布膜について接触させる回数を重ねる毎に、沈み込み深さを順次深くなるように制御しても良い。1回目の接触では、比較的に浅い沈み込みでもペーストを吸収できるが、2回目以降では、ペースト膜自体が薄くなっているので、比較的に深く沈み込ませないと、ペーストの吸収ができなくなる。
【0020】
好ましくは、本発明の装置は、前記ペースト塗布膜が形成されたチップ型電子部品を前記吸水シートから引き離す方向に移動させる際に、最初は低速で引き離し、その後に、比較的に高速で引き離すように、前記移動機構を制御する移動制御手段をさらに有する。このように制御することで、チップ型電子部品を前記吸水シートから引き離す方向に移動させる際に、チップ型電子部品と共に吸水シートも一緒に移動することを抑制することができる。その結果、チップ型電子部品に形成されたペースト膜の厚みの制御が高精度になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るペースト塗布膜の厚み調整装置の概略図、
図2は部品保持機構に保持されたチップ型電子部品の端部にペースト塗布膜を形成する工程を示す概略断面図、
図3は部品保持機構に保持されたチップ型電子部品の端部に形成してあるペースト塗布膜の厚みを調整する工程を示す概略図、
図4は図3の一部を拡大した要部断面図、
図5は図4の続きの工程を示す要部断面図、
図6は厚みが調整されたペースト塗布膜を有するチップ型電子部品の全体概略図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るペースト塗布膜の厚み調整装置10は、複数のチップ型電子部品2を保持する保持プレート4を有する。図2に示すように、保持プレート4は、電子部品2が着脱自在に入り込む貫通孔14が行列状に形成してあるゴム板12と、ゴム板12の周囲を保持する枠材16とを有する。
【0023】
枠材16の外周には、嵌合凹部18が形成してあり、図1に示す保持ベース6が保持プレート4を着脱自在に保持することが可能になっている。ゴム板12の内部には、枠材16の一部を構成する金属プレートが埋め込まれ、ゴム板12を補強しても良い。
【0024】
図1に示す調整装置10に取り付けられる前の保持プレート4は、各貫通孔14に部品2が取り付けられた状態で、導電性ペースト20が貯留してあるペースト槽22の上に保持され、各部品2の下端がペースト20の液中に浸される。その後に、保持プレート4を引き上げ、ペースト20の液表面から各部品2の端部を引き離すことで、各部品2の端部にペースト塗布膜が形成される。
【0025】
初期状態では、各部品2の端部に形成されたペースト塗布膜は、かなり厚く、その厚みのバラツキも大きい。そこで、再度、保持プレート4をペースト槽22に近づけ、各部品2の下端部をペースト20の液面に接触させた後に引き上げることで、ブロット処理が行われ、液面の表面張力により、ペースト塗布膜の一部がペースト20の液中に戻される。その結果、各部品2の端部に形成してあるペースト塗布膜の厚みは、約50μm程度になる。従来では、それ以上にペースト塗布膜の厚みを低減することは困難であった。
【0026】
本発明の実施形態では、図1に示す調整装置10を用いることで、ペースト塗布膜の厚みを薄く調整することができる。以下、詳細に説明する。
【0027】
図2に示す工程によりペースト塗布膜が形成された直後のチップ型電子部品2を保持する保持プレート4の断面を図3に示す。図3に示すように、保持プレート4に保持された各部品2の下端部には、厚さ約50μm程度のペースト塗布膜20aが形成してある。その状態で、保持プレート4は、図1に示す装置10の保持ベース6に着脱自在に取り付けられる。本実施形態では、保持プレート4および保持ベース6が、本発明の部品保持機構に該当する。
【0028】
保持ベース6は、リニア軸受68に連結してあり、スライド軸70に沿って上下方向(Z軸方向)に移動可能になっている。スライド軸70は、下定盤ベース34上に固定してある。保持ベース6の下方で、下定盤ベース34の中央部には、シートベース32が装着してある。シートベース32は、たとえば燒結金属などの多孔質金属で構成してあるが、表面が平滑であれば、その他の部材で構成しても良い。
【0029】
シートベース32の面積は、保持ベース6の面積よりも大きいことが好ましく、シートベースの中央部上方に、保持ベース6が位置するように配置される。シートベース32の上には、吸水シート30が配置される。吸水シート30は、ロール状に巻回してある供給ロール40からローラ43および44を通して、シートベース32上に送り込まれる。なお、図1に示す装置10において、供給ロール40の上方に配置してあるロールは、予備供給ロール42である。
【0030】
シートベース32の上では、吸水シート30は、ローラ44および46の間で掛け渡すように保持される。使用後の吸水シート30は、ローラ46および47を介して、巻き取りロール52に巻き取られる。本実施形態では、供給ロール40、予備供給ロール42、ローラ43、44、46、47、巻き取りロール52が本発明のフィード機構に対応する。なお、供給ロール40および巻き取りロール52の回転を制御することで、シートベース32上の吸水シート30には所定の張力を印加することができる。本実施形態では、供給ロール40および巻き取りロール52が、本発明の張力付与機構となる。
【0031】
シートベース32上に吸水シート30を掛け渡すためのローラ44および46は、それぞれリフト機構48および50により、上下方向(Z軸方向)に移動可能になっている。そのため、シートベース32上の吸水シート30は、シートベース32に対して接触したり、離れたりすることが可能になっている。
【0032】
下定盤ベース34上には、スライド軸70により中間ベース72が固定してあり、中間ベース72の上には、固定枠74によりサーボモータ60が固定してある。サーボモータ60の回転軸は、カップリング62に接続してあり、外周にネジが形成してある駆動軸65を回転するようになっている。駆動軸65には、ボールネジボックス64がネジ結合してあり、駆動軸65の回転により、ボールネジボックス64がZ軸方向に移動制御される。
【0033】
ボールネジボックス64は、連結部材66により保持ベース6に連結してあり、ボールネジボックス64が、駆動軸65に沿ってZ軸方向に移動することで、保持ベース6が、シートベース32方向に近づいたり、離れたりすることができる。すなわち、本実施形態では、サーボモータ60、カップリング62、ボールネジボックス64、ネジが形成してある駆動軸65、および連結部材66が、本発明の移動機構に相当する。
【0034】
サーボモータ60の回転数および回転方向は、制御手段80により制御される。本実施形態の制御手段80は、接触時間制御手段と、沈み込み量制御手段と、移動制御手段とを有する。接触時間制御手段は、図3〜図5に示すように、ペースト塗布膜20aが形成されたチップ型電子部品2の端部を吸水シート30に接触させる時間を制御する。また、沈み込み量制御手段は、図5に示すように、チップ型電子部品2の端部を吸水シート30の表面に沈み込ませる深さd1を制御する。さらに、移動制御手段は、ペースト塗布膜20aが形成されたチップ型電子部品2を吸水シート30から引き離す方向に移動させる際に、最初は低速で引き離し、その後に、比較的に高速で引き離すように制御する。
【0035】
次に、図1に示す装置10を用いて、部品2の端部に形成してあるペースト塗布膜20aの厚みを調整する方法を具体的に説明する。
【0036】
まず、図2に示すように、各貫通孔14に部品2が取り付けられた保持プレート4を、導電性ペースト20が貯留してあるペースト槽22に近づけ、各部品2の下端をペースト20の液中に浸す。なお、導電性ペースト20としては、特に限定されず、たとえばAg粒子などの導電性粒子がバインダ樹脂および溶剤などと共に含まれるペーストが用いられる。
【0037】
その後に、保持プレート4を引き上げ、ペースト20の液表面から各部品2の端部を引き離すことで、図3に示すように、各部品2の端部にペースト塗布膜20aが形成される。ブロット処理後の各部品2の端部に形成してあるペースト塗布膜20aの厚みt0(図4参照)は、約50μm程度になる。
【0038】
その後、ペースト塗布膜20aが完全に乾燥する前に、ペースト塗布膜20aが形成された部品2を保持する保持プレート4を、図1に示す保持ベース6に取り付ける。その状態では、リフト機構48および50によりローラ44および46が持ち上げられており、吸水シート30は、シートベース32から上方に浮いている。シートベース32上の吸水シート30は、未使用の吸水シート部分である。
【0039】
その後、たとえば装置10のスタートボタンを押すことにより、リフト機構48および50が機能し、ローラ44および46が押し下がり、吸水シート30は、図3および図4に示すように、シートベース32の上に設置される。その途中で、巻き取りロール52で吸水シート30を少し巻き取り、シートベース32上の吸水シート30に張力を付与する。
【0040】
次に、制御手段80がサーボモータ60を駆動し、保持ベース4をスライド軸70に沿ってZ軸方向に押し下げ、図3および図4に示すように、吸水シート30の表面より保持プレート4の下面が所定高さh0となる位置まで、比較的に高速で移動させる。なお、所定距離h0とは、特に限定されないが、たとえば約20mm程度である。
【0041】
本実施形態では、吸水シート30としては、ペースト塗布膜20aの一部を吸収できるものであれば特に限定されず、たとえば紙、織布、不織布などが例示される。その中でも無塵性の高い、繊維抜けしない材料が好ましい。吸水シート30の厚みt1も特に限定されず、たとえば0.15〜0.2mm程度である。
【0042】
各部品2の下端部は、保持プレート4の下面より所定距離h1だけ突出しており、その下端部には、最下端からの高さh2の距離でペースト塗布膜20aが形成してある。所定距離h1およびh2は、特に限定されないが、この実施形態では、h1=約0.8mmであり、h2=約0.4mmである。各部品2の下端部を吸水シート30の表面に数回に分けて押し付ける場合には、距離h1は、回数を重ねる毎に、小さくなり、最終的には、h1=0.7mmとなる場合もある。
【0043】
制御手段80がサーボモータ60を駆動し、吸水シート30の表面より保持プレート4の下面が所定高さh0となる位置まで、保持プレート4を比較的に高速で移動させた後、次に、比較的に低速で、保持プレート4を、さらに押し下げる。そして、図5に示すように、各部品2の下端が吸水シート30の表面に対して、所定の沈み込み深さd1となる位置で、保持プレート4を停止する。
【0044】
保持プレート4を停止している時間が、各部品4の下端が吸水シート30に接触している接触時間に対応する。その接触時間としては、特に限定されないが、たとえば0.5〜5.0秒程度である。その後に、図1に示す制御手段80によりサーボモータ60を制御し、モータの回転軸を逆回転し、図4に示す位置まで、比較的に低速で、各部品2の下端部を吸水シート30から引き離す。
【0045】
上述した一連の工程により、各部品2の下端部に形成してあるペースト塗布膜20aの一部は、吸水シート30に吸収され、その膜厚t0が薄くなる。膜厚t0をさらに薄くしたい場合には、各部品2の下端部を吸水シート30の表面に数回に分けて押し付ければよい。そのためには、まず、図4に示す状態で、使用済の吸水シート30を、各部品2の下端部に接触しない程度に、シートベース32から僅かに浮かせ、図1に示す巻き取りロール52へと巻き取る。
【0046】
その後に、新たな吸水シート30をシートベース32上に位置させ、その後に、各部品4の下端を、吸水シート30に接触させる。上記の動作を繰り替えすことで、各部品2の下端部を吸水シート30の表面に数回に分けて押し付けることができる。
【0047】
なお、沈み込み深さd1は、特に限定されないが、各部品2の下端部を吸水シート30の表面に数回に分けて押し付ける場合には、最初の沈み込み深さd1を0とし、回数を重ねる毎に、沈み込み深さd1を深くすることが好ましい。たとえば二回目の沈み込み深さd1を0.02mmとし、三回目の沈み込み深さd1を0.03mm、四回目の沈み込み深さd1を0.04mm、五回目の沈み込み深さd1を0.05mmとしても良い。沈み込み深さd1を回数毎に深くすることで、ペースト塗布膜20aの厚みを、より薄くすることが可能になる。
【0048】
なお、本発明では、各部品2の下端部を吸水シート30の表面に1回のみで押し付けても良いが、回数を増やして押し付けた方が、ペースト塗布膜20aの最終厚みを低減できる傾向にある。ただし、5回以上に増やして押し付けたとしても、それほど効果は変わらなくなる。
【0049】
また、各部品2の下端部を吸水シート30の表面に数回に分けて押し付ける場合には、各部品4の下端が吸水シート30に接触している接触時間は、回数を重ねる毎に短くすることが好ましい。回数を重ねれば、短時間でも、吸水シート30によるペーストの吸収が可能になり、作業時間の短縮になるからである。
【0050】
ペースト塗布膜20aの厚みの調整が終了した段階では、図1に示す制御手段80によりサーボモータ60を制御し、図4に示す状態から、保持プレート4を高速で上方に移動させ、セット位置に戻す。その後に、図1に示すリフト機構48および50を用いて、吸水シート30をシートベース32から持ち上げ、使用済の吸水シート30を巻き取りロール52に巻き取る。その結果、シートベース32の上には、新規の吸水シート30が送り込まれ、使用済の吸水シート30がシートベース32に吸着されることを防止できる。
【0051】
その後に、装置10の保持ベース6から保持プレート4を取り外し、保持プレート4の表裏面を逆にして、保持プレート4を保持ベース6に取り付け、上記と同様な動作を行えば、各部品2の他方の端部にも、所定厚みのペースト塗布膜20を形成し、その厚みを制御することができる。
【0052】
その後に、装置10の保持ベース6から保持プレート4を取り外し、保持プレート4に保持してある各部品のペースト塗布膜20aを乾燥処理し、必要に応じて焼き付け処理すれば、図6に示すように、薄い厚みt2を有するペースト塗布膜20aが形成してあるチップ型電子部品2が得られる。ペースト塗布膜20aの表面には、必要に応じて、メッキ膜を形成しても良い。
【0053】
図1に示す装置10により処理された後のペースト塗布膜20aの厚みt2は、特に限定されないが、40〜70μm程度の厚みになり、その厚みのバラツキも低減される。その結果、チップ型電子部品2の全長L0のバラツキも少なくなる。たとえば全長L0が2.0mmあるいは2.5mmである場合に、図1に示す装置10を用いない場合には、その全長のバラツキが最大で±0.060mmであったものが、図1に示す装置10を用いることにより、バラツキの最大値を±0.015mm以下に抑制することができる。
【0054】
本実施形態に係るペースト塗布膜の厚み調整装置10を用いて、チップ型電子部品2に形成された未乾燥のペースト塗布膜20aを吸水シート30に接触させることで、ペースト塗布膜20aを構成するペーストの少なくとも一部を吸水シート30が吸水する。そのため、本実施形態に係る装置10によれば、ペースト塗布膜20aの厚みを高精度に制御することが可能になる。
【0055】
その結果、たとえばチップ型電子部品2のサイズが小型化しても、ペースト塗布膜20aの厚みのバラツキによるチップ型電子部品2の寸法のバラツキを抑制することができる。そのために、このチップ型電子部品2が実装される基板部分のランド寸法と誤差が生じることが少なくなり、実装不良を防止することができる。さらに、プリント基板などにおいては、ランドパターンに余裕をもたせた設計とする必要が無くなり、高実装密度が容易になる。
【0056】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、チップ型電子部品2としては、特に限定されず、コイルチップ部品、コンデンサチップ部品、チップ型抵抗、バリスタなどが例示される。
【0057】
また、本発明に係る移動機構としては、サーボモータ60以外に、その他のモータやアクチュエータを使用しても良い。
【0058】
さらに、本発明に係る装置10により厚みを調整することができるペースト塗布膜20aとしては、導電性ペーストの塗布膜以外に、焼結型ペーストなどのペースト膜も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るペースト塗布膜の厚み調整装置の概略図である。
【図2】図2は部品保持機構に保持されたチップ型電子部品の端部にペースト塗布膜を形成する工程を示す概略断面図である。
【図3】図3は部品保持機構に保持されたチップ型電子部品の端部に形成してあるペースト塗布膜の厚みを調整する工程を示す概略図である。
【図4】図4は図3の一部を拡大した要部断面図である。
【図5】図5は図4の続きの工程を示す要部断面図である。
【図6】図6は厚みが調整されたペースト塗布膜を有するチップ型電子部品の全体概略図である。
【符号の説明】
【0060】
2… チップ型電子部品
4… 保持プレート
6… 保持ベース
10… ペースト塗布膜の厚み調整装置
12… ゴム板
14… 貫通孔
16… 枠材
18… 嵌合凹部
20… 導電性ペースト
20a… ペースト塗布膜
22… ペースト槽
30… 吸水シート
32… シートベース
34… 下定盤ベース
40… 供給ロール
42… 予備供給ロール
43,44,46,47… ローラ
48,50… リフト機構
52… 巻き取りロール
60… サーボモータ
62… カップリング
64… ボールネジボックス
65… 駆動軸
66… 連結部材
68… リニア軸受
70… スライド軸
72… 中間ベース
74… 固定枠




 

 


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