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発明の名称 板状体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−168017(P2007−168017A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−368567(P2005−368567)
出願日 平成17年12月21日(2005.12.21)
代理人 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
発明者 筧 真一朗
要約 課題
表面に急峻な凸部が形成された板状体を、研磨により除去される部分の厚みを十分に薄くしつつ研磨して、平滑な表面を有する板状体を得ることが可能な板状体の製造方法を提供すること。

解決手段
板状体3の表面に形成されている複数の凸部20の少なくとも一部を内包する被覆層4を形成する被覆層形成工程と、被覆層4を凸部20とともに研磨して基板10を得る研磨工程とを備える基板の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
一面の表面に急峻な凸部が形成された板状体を準備する板状体準備工程と、
前記表面に、前記凸部の少なくとも一部を内包する被覆層を形成する被覆層形成工程と、
前記被覆層を有する板状体を精密研磨する精密研磨工程と、
を備える板状体の製造方法。
【請求項2】
前記被覆層が硬化性樹脂であり、前記板状体の表面が金属または酸化物セラミックである請求項1に記載の板状体の製造方法。
【請求項3】
前記精密研磨工程における研磨しろが、前記凸部高さの100%以下である請求項1または2に記載の板状体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨により表面が平滑化された板状体の製造方法に関し、特に、その表面に薄膜素子が形成される基体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナ素子、共振子、薄膜コンデンサ等の各種電子素子や、光学薄膜は、その要求仕様を満足させるため表面が、所定の表面粗さ以下となるよう表面を精密研磨する工程を経て製造される。表面を精密研磨する方法としては、化学的機械研磨による方法(CMP)が知られている(例えば、特許文献1、2。)。そして、被研磨物の表面に急峻な凸部が形成されていること等により、目標とする表面粗さと比較して著しく粗い場合には、通常、研削、ラッピング等により被研磨物を粗加工して表面をある程度平滑化してから、CMPによる精密研磨が行われる。CMPとは、研磨剤粒子と化学薬品の混合物であるスラリを供給しながらウェハをバフと呼ばれる布に圧着し、回転させることにより化学的な作用と物理的な作用を併用して、材料を研磨し、膜を平坦化する技術である。
【特許文献1】特開平9−167745号公報
【特許文献2】米国特許第4954142号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、特に薄膜を備える素子の製造においては、研磨により除去することが可能な部分(研磨しろ)が極めて薄い場合が多くなっている。しかしながら、上記のように前加工を経て研磨を行う方法は、研磨により除去される部分の厚みをある程度大きくせざるを得ないために、研磨しろが薄いときには適用することができなかった。一方、前加工を経ずに直接研磨加工を行うと、加工中に脱落した凸部によって表面にキズが生じたり、凸部の根元部分においてクラックが発生したりするという問題があった。
精密研磨後の表面にキズやクラックがあると、例えば光学薄膜の場合には反射率や透過率が変化するといった問題が生じるし、薄膜コンデンサの場合にはショート率やリーク電流の増加を招く。このため従来の加工方法では加工が困難であった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、表面に急峻な凸部が形成された板状体を、研磨しろを十分に薄くしつつ加工しても、平滑な表面を有する基板を得ることが可能な基板(板状体)の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の基板の製造方法は、一面の表面に急峻な凸部が形成された板状体を準備する板状体準備工程と、前記表面に、前記凸部の少なくとも一部を内包する被覆層を形成する被覆層形成工程と、前記被覆層を有する板状体を精密研磨する精密研磨工程とを備える。
【0006】
この方法の場合、凸部の少なくとも一部が被覆層に内包されていることにより、上記のような研削等の前加工を行わなくとも、被研磨物表面において急峻な凸部が実質的に無くなった状態で研磨を行うことができる。したがって、研磨による表面の平滑化の際に、凸部の脱落等によるキズの発生を防止しながら、研磨により除去される部分の厚みを十分に薄くすることが可能となった。なお、被覆層が凸部の少なくとも一部を内包するとは、凸部がその周囲から突起している部分の一部又は全部が埋められるように被覆層が形成されていることを意味する。
【0007】
急峻な凸部が形成された表面とは、従来の方法では加工が困難であった表面であり、より具体的には、JIS B0601(2001)に準じる測定方法で、基準長さを10mmで評価した際に、Rpが0.5μm以上ある表面を意味する。なお、Rpが0.5μm未満の凸部しか存在しない被研磨物では本発明の効果が明瞭ではない。前記Rpの上限は許容される研磨しろにもよるが、10〜50μm程度である。
【0008】
凸部の少なくとも一部を内包する被覆層とは、被研磨物表面において急峻な凸部の上部以外の表面が被覆層で覆われた状態を意味する。
【0009】
また、精密研磨とは、研磨後の表面が、Raが10nm以下、好ましくは5nm以下となる加工方法である。前記範囲を超えるような粗面で良い場合には本願発明の効果が明瞭ではない。最小値は仕様により決定されるが、0.5nm程度が実用上好ましい。
【0010】
さらに、本願発明は、JIS B0601(2001)に準じる測定方法で、基準長さを10mmで評価した際に、Rpの50%以上の高さを有する大きなピーク(凸部)が5〜5000個程度存在するような急峻な凸部を多数有する場合に特に効果的である。
【0011】
本願発明の好ましい形態においては、被覆層が硬化性樹脂であり、板状体の表面が金属または酸化物セラミックである。これは、板状体の表面が金属または酸化物セラミックにおいて、加工困難な急峻な凸部を有する表面が形成されやすく、その凸部を内包するように被覆層を形成させるのが容易である点や、キズの発生をより効果的に防止する点から、被覆層は硬化性樹脂であることが好ましい。
【0012】
また、本願発明は、前記の方法(基準長さ10mm)で評価した被研磨物表面のRpに対して、許容される研磨しろ(T)が、Rpの100%以下である場合に好ましく用いることができ、特に好ましくは50%以下である。前記範囲を超えるような場合でも本願発明を実施することは可能であり、加工工程の簡略化等の利点がある。なお、前記範囲の下限は加工機、加工速度等により変わるが、概ね5%程度までは加工可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来の加工方法では得ることが困難であった、表面に急峻な凸部が形成された板状体を、研磨により除去される部分の厚みを十分に薄くしつつ研磨して、平滑な表面を有する基板を得ることが可能な基板の製造方法が提供される。
【0014】
本発明によれば、脱落した凸部に起因するキズやクラックの発生を十分に防止することが可能であり、また、凸部を反映した厚みのばらつきの低減を図ることもできる。これにより、例えば、光学薄膜の場合には反射率や透過率の変化が防止され、薄膜コンデンサの場合にはショート率やリーク電流の増加が抑制される。
【0015】
更には、凸部がその周囲から突起している部分の全部を埋めるように被覆層を形成した場合には、種々の異なる高さを有する凸部の影響で、被研磨体表面を研磨パッドに押しつけて固定した際に研磨面の傾きが生じることも抑制されるため、多数の被研磨物を同時に加工することも容易となって、生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明による一実施形態である、薄膜コンデンサ基板の製造方法を示す工程図である。図1に示す実施形態においては、基体1と、この一面上に設けられた薄膜層2とで構成されている板状体3(図1(a))を被研磨物とし、この一方の面(図中上側の面)を加工することにより、平滑化された面を有する基板10(図1(c))を得る。
【0018】
この場合、薄膜層2面上に、複数の急峻な凸部20が形成されている。これは、薄膜コンデンサ基板として典型的には、アルミナ、低温焼成セラミックス等で形成されたセラミック基板が基体1として用いられるが、セラミック材料は一般に目が粗く、内部に気泡も含んでいるために、それ単体で十分に平滑化を図ることは困難である。そこで、セラミック基板上に平滑化研磨を目的に内部に気泡等がない緻密な膜を薄膜層2として設けられる。
【0019】
薄膜層2は、SiO膜である場合、安価で簡単な方法として、ゾルゲル法等の溶液法により形成できる。ところが、セラミック基板上に溶液法によりSiO膜を形成させると、SiO膜表面に複数の急峻な凸部20が形成されてしまうことがある。すなわち、基準長さを10mmで評価した際に、Rpは0.5〜5μmになり、Rpの50%以上の大きなピーク(凸部)が5〜5000個程度存在するような急峻な凸部を多数有する表面となってしまう場合がある。また、溶液法によるSiO2膜の膜厚は、工程簡略化を考慮すると、1〜5μm程度が上限であり、このため、研磨しろは、0.5〜4μm程度以上とることはできない。従来の加工方法では、このようにRpが0.5〜5μmの被研磨体に対しては、Rpの300%以上、すなわち1.5〜15μm以上の研磨しろが不可欠であるため、SiO膜が薄い場合には、その全て研磨することになってしまい目的を達成できなかった。これに対して本願発明によれば、Rpの100%以下の研磨しろでもRaが10nm以下の精密研磨が可能となる。なお、ここで研磨しろとは、凸部を除いた研磨しろである。
【0020】
なお、Rpが、0.5μm以上の急峻な凸部を多数有する表面を有し、かつ研磨しろがRpの100%以下が要求されるような精密研磨の被研磨体としては、上記の例の他に、前記と同様の薄膜コンデンサ用基体としての金属箔、例えば金属ニッケル箔等がある。この場合には、圧延加工や電解めっき時に生じた凸部が問題となる。
【0021】
本実施形態では、まず、凸部20の少なくとも一部を内包する被覆層4を形成させる(図1(b))。被覆層4は、凸部20の少なくとも一部を内包していればよく、急峻な凸部の上部以外の表面が被覆層で覆われた状態であり、図示のように、先端部分が露出している凸部20が存在していてもよい。被覆層4の厚さが前記範囲未満では、研磨面にキズが発生することがあり、所望のRaを有する精密研磨が困難となる。また前記のキズを更なる研磨加工により除去しようとすると研磨しろが大きくなる。被覆層4の厚さは適宜調整されるが、Rpの50%以上が好ましく、特に好ましくは80%以上である。上限は特に制限はなく、Rp以上であっても差し支えないが、概ねRpの200%程度が加工時間短縮の観点から、好ましい。
【0022】
被覆層4は熱硬化性樹脂、感光性樹脂等の硬化性樹脂材料、例えばイミド系樹脂で形成されていることが好ましい。
【0023】
被覆層4は、スピンコート、スプレーコート、ドクターブレード、及び印刷のような塗布方法によって好適に形成される。硬化性樹脂を用いる場合には、塗布後、加熱、露光等によりその硬化を進行させる。
【0024】
被覆層4を形成させた後、被覆層4を凸部20とともに研磨することにより、被覆層4及び凸部20を除去する。得られる基板10は、基体1と、これの一面上に設けられ表面が平滑化された薄膜層2aとを備えている(図1(c))。被覆層4及び凸部20が完全に除去されるまでは研磨を行う。そしてさらに露出した薄膜層2を研磨することが好ましい。
【実施例】
【0025】
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】
(実施例1〜3および比較例1,2)
アルミナ基板上に、ゾルゲル法により1.5μm厚のSiO膜を形成させた。このSiO膜の表面には、複数の凸部が形成されていた。基準長さを10mmで評価した際に、Rpは3μmであり、Rpの50%以上すなわち1.5μm以上の高さを有する凸部が50個存在した。
【0027】
SiO膜上にスピンコートにより熱硬化性ポリイミド樹脂溶液(東レ:フォトニース)を塗布し250℃、窒素中の熱硬化処理を経て、凸部を内包する被覆層を形成させた。なお、スピンコート回転数を変化させ表1に示す種々の膜厚の被覆層を形成した。
【0028】
続いて、CMP法により被覆層が完全に除去されるまで研磨を行った。すなわち、粒径70nmのコロイダルシリカを有するアルカリ性スラリで、SiOを化学的に溶解しつつ、機械的に研磨した。ポリッシングパッドとして用いたIC1000(ロデールニッタ社製)は、ポリッシングパッドとしては最も硬い部類のものであり、ショア硬度が95、圧縮率が1%である。なお、研磨時間は研磨の途中でRa評価を行い最も小さなRaが得られた条件を選択した。なお、比較例1では大きなキズが研磨を続けても消失しないため研磨しろ2.5μmで研磨を終了しており、比較例2は、ラッピング(粒径8μmのSiO砥粒)により粗加工してからCMP研磨を行ったが粗加工により8μmも研磨されたためSiO層がなくなっていた。実験結果を表1に示す。
【0029】
【表1】


【0030】
上記の結果から、本願発明の効果は明らかである。すなわち、凸部の少なくとも一部を内包する被覆層を形成、すなわち、Rpの50%以上の厚さの被覆層を形成した場合には、研磨しろがRpの50%以下にも係わらず、Raが10nm以下の表面が得られている。これに対して被覆層を形成しない場合には所望の表面が得られていない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の基板の製造方法は、例えば、アンテナ素子、薄膜バルク共振子、薄膜コンデンサ等の各種電子素子に用いる基板や、光学薄膜の製造のために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【符号の説明】
【0033】
1…第1の層、2…第2の層、3…板状体、10…基板(板状体)、20…凸部。




 

 


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