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発明の名称 磁石成型装置及び当該装置に用いられるメンテナンスゾーン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−83280(P2007−83280A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−274952(P2005−274952)
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
代理人 【識別番号】100064447
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 正夫
発明者 斉藤 靖彦 / 鳥居 孝男 / 國吉 陽一
要約 課題
ダイ等の交換を含めた各種メンテナンスに要する時間を短縮可能とする磁性粉末の圧縮成型装置を提供する。

解決手段
磁性粉末の圧縮成型を行う際に用いられる各種ユニットを内包する筐体に対して、特定のユニット間に配置されて該筐体を分離するメンテナンス空間を構成するメンテナンスゾーンを配置する。該メンテナンスゾーンには、分離後の筐体各々と連通する開口部、該開口部を開閉可能なゲートユニット、筐体内部に突出して筐体内部とメンテナンス空間とを分離するラバー手袋と、メンテナンス空間の窒素置換を可能とするパージ機構とを配置する。
特許請求の範囲
【請求項1】
磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型装置であって、
筐体内部に配置される、前記磁性粉末を秤量する秤量ユニットと、前記磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型ユニットと、前記磁性粉末を前記圧縮成型ユニットにおける所定部位に充填する充填ユニットと、前記磁性粉末を圧縮成型することで得られた成型体を搬送する搬送ユニットとを有すると共に、
更に、前記筐体を所定の位置で分離するように配置されるメンテナンス空間を形成するメンテナンスゾーンを有し、
前記メンテナンスゾーンは、前記分離された筐体各々の内部と連通する一対の開口部と、前記開口部を開閉可能とするゲートユニットと、前記メンテナンスゾーン内部の気体を置換可能なパージ機構とを有することを特徴とする圧縮成型装置。
【請求項2】
前記メンテナンスゾーンは、前記圧縮成型ユニットと前記搬送ユニットとの間に配置されることを特徴とする請求項1記載の圧縮成型装置。
【請求項3】
前記メンテナンスゾーンは、外部から内部にアクセスすることが可能となるように前記メンテナンスゾーンを前記外部に対して開放可能とする領域を少なくとも部分的に有し、前記領域の開放により作業者が前記メンテナンス空間に入ることを可能とすることを特徴とする請求項1記載の圧縮成型装置。
【請求項4】
前記メンテナンスゾーンは、前記分離された筐体の少なくとも一方に突出して前記筐体内部と前記メンテナンス空間とを分離するラバー手袋を更に有することを特徴とする請求項3記載の圧縮成型装置。
【請求項5】
筐体内部に配置される、磁性粉末を秤量する秤量ユニットと、前記磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型ユニットと、前記磁性粉末を前記圧縮成型ユニットにおける所定部位に充填する充填ユニットと、前記磁性粉末を圧縮成型することで得られた成型体を搬送する搬送ユニットと、を有する前記磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型装置に用いられるメンテナンスゾーンであって、
前記メンテナンスゾーンは、前記分離された筐体各々の内部と連通する一対の開口部と、前記開口部を開閉可能とするゲートユニットと、前記メンテナンスゾーン内部の気体を置換可能なパージ機構とを有し、
前記筐体を所定の位置で分離するように前記秤量ユニット、圧縮成型ユニット、充填ユニット、及び搬送ユニットの何れかのユニットの間に配置されてメンテナンス空間を形成することを特徴とするメンテナンスゾーン。
【請求項6】
前記分離された筐体の少なくとも一方に突出して前記筐体内部と前記メンテナンス空間とを分離するラバー手袋を更に有することを特徴とする請求項5記載のメンテナンスゾーン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性粉末を圧縮成型して焼結前の成型体を作製する磁石成型装置、及び当該装置のメンテナンス方法に関する。より詳細には、大気中において急速に酸化が進行する例えば希土類合金磁性粉末を圧縮成型する装置であって、メンテナンス性を向上させた装置及び実際に当該装置をメンテナンスする際に用いられるメンテナンスゾーンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、微細且つ活性な希土類合金粉末を用いて磁石を形成する場合、該粉末の急速な酸化を防止する必要上、該粉末の供給、秤量、成型及び焼結等の工程は低酸素分圧を維持した例えば窒素雰囲気中で行われる必要がある(特許文献1或いは2参照)。これら各工程においては、各専用装置の内部或いは実際に各種処理を行う処理部を筐体等によって囲み、当該筐体内部の気体の酸素分圧を管理する、より簡易的には窒素置換することによってこれら必要性を満たすことが可能であると考えられる。
【0003】
また、通常これら処理装置は、処理工程に順次沿った状態で、各々単独で設置されている。ここで、例えば、供給から秤量、成型に至るまではライン化することは比較的容易であると思われる。しかし、成型装置と焼結装置とは装置の性格上ライン化において種々の困難(大型化、メンテナンス製の低下等)が存在し、各々単独で設置されている場合がほとんどと思われる。従って、これら装置間においては、搬送される粉末等の材料を低酸素雰囲気中にて保持しておくことが必要となる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−323301号公報
【特許文献2】特開2002−088403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、圧縮成型によって粉末から成型体を得る工程においては、粉末を充填するダイの形状或いはダイの組み合わせ等、ダイに対する粉末の充填状態、圧縮荷重の大きさ、更には荷重の付加順序等、種々の条件を実際に試した上で最適な条件を定め、当該条件に従って成型体の量産がなされる。従って、最適な条件を定めるために、実際に使用される粉末及びダイ等を用いた試行錯誤、所謂条件出しの作業は必須となる。具体的には、ダイ、ポンチ等を種々交換し、具体的な条件を変化させながら最適条件を定めることとなる。ここで、先にも述べたように、本発明が対象とする希土類合金磁性粉末は大気中の酸素と容易に反応することから、装置自体が、筐体内の例えば窒素からなる雰囲気中に配置されている。従って、実際のダイ等の交換作業は、該筐体の内部を大気開放してダイ等を大気中に配置した状態とした後に行われる。また、交換後のダイ等と用いた圧縮成型工程は、該筐体の内部の気体を再度窒素に置換し、その上で行われることとなる。
【0006】
ここで、このような条件出しの作業を行う際に、実際に圧縮成型を行うユニット周辺には秤量工程、充填工程等においてこぼれた粉末が多量に存在することとなる。前述したように、本発明が対象とする希土類合金磁性粉末は反応性が高く、筐体内部を一気に大気開放した場合には、当該粉末が急激に反応して発熱し、最悪の場合には発火に至る可能性も存在する。このため、通常筐体内部を大気開放する際には、筐体内部に徐々に大気を導入し、粉末が発熱しない或いは発熱してもその程度が問題とならないように、ゆっくりと反応を進行させることとしている。このため、筐体内部の大気開放には多大な時間を要することとなり、圧縮成型の条件を定める上で、当該工程の時間短縮が大きな課題として認識されている。また、圧縮成型の条件が確立された後の量産工程であっても、例えば使用に供なって劣化したダイの交換等種々のメンテナンスが必要となる。このようなメンテナンス工程においても、筐体内部の大気開放によって大幅なダウンタイムが生じるため、当該工程に要する時間の短縮が求められている。
【0007】
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであり、大気中において急速に酸化が進行する希土類合金磁性粉末を圧縮成型する装置であって、ダイ等の交換を含めた各種メンテナンスに要する時間を短縮可能とする装置の提供、或いは当該装置に用いられるメンテナンスゾーンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る、磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型装置は、筐体内部に配置される、磁性粉末を秤量する秤量ユニットと、磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型ユニットと、磁性粉末を圧縮成型ユニットにおける所定部位に充填する充填ユニットと、磁性粉末を圧縮成型することで得られた成型体を搬送する搬送ユニットとを有すると共に、更に、筐体を所定の位置で分離するように配置されるメンテナンス空間を形成するメンテナンスゾーンを有し、メンテナンスゾーンは、分離された筐体各々の内部と連通する一対の開口部と、メンテナンスゾーン内部の気体を置換可能なパージ機構と、を有することを特徴としている。
【0009】
なお、上述した圧縮成型装置において、当該メンテナンスゾーンは、圧縮成型ユニットと前記搬送ユニットとの間に配置されることが好ましい。また、当該装置において、該メンテナンスゾーンは、外部から内部にアクセスすることが可能となるようにメンテナンスゾーンを外部に対して開放可能とする領域を少なくとも部分的に有し、当該領域の開放により作業者がメンテナンス空間に入ることを可能とすることが好ましい。更にこの場合、メンテナンスゾーンは、分離された筐体の少なくとも一方に突出して筐体内部とメンテナンス空間とを分離するラバー手袋を更に有することがより好ましい。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るメンテナンスゾーンは、筐体内部に配置される、磁性粉末を秤量する秤量ユニットと、磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型ユニットと、磁性粉末を圧縮成型ユニットにおける所定部位に充填する充填ユニットと、磁性粉末を圧縮成型することで得られた成型体を搬送する搬送ユニットと、を有する磁性粉末を圧縮成型する圧縮成型装置に用いられるメンテナンスゾーンであって、分離された筐体各々の内部と連通する一対の開口部と、開口部を開閉可能とするゲートユニットと、メンテナンスゾーン内部の気体を置換可能なパージ機構と、を有し、筐体を所定の位置で分離するように秤量ユニット、圧縮成型ユニット、充填ユニット、及び搬送ユニットの何れかのユニットの間に配置されてメンテナンス空間を形成することを特徴としている。なお、当該メンテナンスゾーンは、分離された筐体の少なくとも一方に突出して筐体内部とメンテナンス空間とを分離するラバー手袋を更に有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、必要最小限の空間のみを大気開放することによって、各種のメンテナンス作業を実施することが可能となる。大気開放される空間の大きさが小さくなるに伴って、当該空間に保持される粉末の量も少なくなる。従って、当該空間の減少とも相まって、当該空間の大気開放に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。即ち、本発明によれば、このような空間のみの大気開放によって、圧縮成型装置の主要部のメンテナンス実施が可能となり、メンテナンスに要する時間を短縮することが可能となる。
【0012】
また、本発明によれば、大気開放される空間を、粉末が最も多く残存するであろうと考えられる圧縮成型ユニット周辺から離れた位置に配置することが可能となる。従って、当該大気開放されるべき空間に残存する粉末の量を低減することも可能となる。即ち、反応する粉末の量を低減することによって、当該空間に対する大気の導入をより急速に実施することが可能となる。このように大気開放空間を適当な位置に設置することにより、メンテナンス作業に要する時間をより短縮することが可能となる。
【0013】
また、大気に曝された粉末は容易に吸湿することが知られており、粉末が微細になればなるほどこの傾向は顕著なものとなる。窒素置換を行おうとする空間に吸湿した粉末が存在する場合、この粉末からの水分放出によって好適なレベルまでの置換に要する時間が長くなってしまう。従来のように圧縮成型ユニット周辺の粉末まで大気に曝した場合、これら粉末を完全に除去できた場合にはこのような水分放出に起因する問題は生じない。しかし、筐体によって覆われた圧縮成型ユニット周辺からの粉末の完全な除去には通常多大な時間を要する。従って、粉末を残存させた状態で窒素置換を行う場合、或いは粉末を完全除去した状態で窒素置換を行う場合の何れの場合であっても、当該装置を動作可能な状態とするために、多くの時間を要することとなる。本発明によれば、もともと粉末の存在が少ない空間であって且つ該粉末の除去も容易な空間のみを大気開放し、各種メンテナンス作業を行うこととしている。従って、従来においては懸案事項となっていた粉末の吸湿に起因する各種問題を、一括して解決することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る磁石成型装置、及び当該装置と他の装置との間で成型済み磁石等を搬送する無人搬送車の上面概略図を示している。磁性粉末成型装置100は、材料供給部110、秤量部120、充填・磁場プレス成型部130、整列部140、搬送ゾーン150、及び充填・磁場プレス成型部130と整列部140との間に配置されたメンテナンスゾーン160から構成される。これら各部は、外部雰囲気より隔絶された筐体内に所定のユニットを配置することで構成されている。希土類合金粉末を主材料とする材料粉は、当該材料粉を窒素雰囲気中に保持可能なカプセル102によって材料供給部110に持ち込まれる。材料供給部110の供給エレベータ112にセットされたカプセル102は、当該エレベータによって搬送され、所定位置において略所定量ずつ取り出される。略所定量ずつ取り出された材料粉は、秤量部120における秤量ユニット121おいて更に厳密な秤量により所定量とされた後に、成型用のダイ等、圧縮成型ユニットの所定部位に充填される。
【0015】
材料粉は更に磁場プレス成型部130に搬送され、当該成型部130において任意の方向に磁場を加えた状態で圧縮成型し、所定の形状及び強度を有する焼結処理前の成型体を得る。当該成型体は取り出しロボット142によって充填・磁場プレス成型部130から取り出され、整列部140に配置されるトレイ13上に載置される。ここで、取り出しロボット142は、メンテナンスゾーン160を介して充填・磁場プレス成型部130に存在する成型済み磁性粉末(以下成型体と称する。)を保持することが可能となるアーム長さを有している。トレイ13上に所定の個数の成型体が載置されると、搬送ゾーン150内に連続するように配置される処理装置コンベア144によって、当該トレイ13は搬送ゾーン150における開口部150aに向けて搬送される。
【0016】
磁性粉末成型装置100内部において成型体を製造する間に、無人搬送車181は搬送ライン180に沿って移動する。その際、まず基準位置180aにおいて一旦停止する。搬送ゾーン180におけるトレイ13の搬送状態に応じて、無人搬送車1は更に移載位置180bに移動する。移載位置180bは、無人搬送車181における開口部185bと搬送ゾーン150の処理装置開口部150aとが互いに対向する位置関係となるように設定されている。当該位置で停止後、物品収容ボックス185は不図示のボックス駆動ユニットにより処理装置開口部150a方向(搬送ライン180に対して略直行する方向)に駆動され、開口部185bと処理装置開口部150aとが所定の位置関係とされる。その後、移送ゾーン150内の不図示の搬送系によって物品収容ボックス185にトレイ13が移載され、トレイ13に収容された成型体は他の装置に搬送される。
【0017】
次に、図2A、2B、図3A及び3Bを参照して、メンテナンスゾーン160について詳述する。図2A及び2Bは、充填・磁場プレス成型部130、メンテナンスゾーン160及び整列部140について、当該各部の内部に収用される構成を模式的に示すものであって、図2Aは通常の成型体移載時(粉末成型時)の状態を示し、図2Bはメンテナンス実施時の状態を示している。なお、後述するラバー手袋は説明容易のために一部のみ本図中に示すこととしている。また、図3A及び3Bは、後述する当接壁161a、161bをメンテナンスゾーン側から見た状態及び当該壁を線3B−3Bにて切断した際の断面を見た状態をそれぞれ示している。充填・磁場プレス成型部130内部には、ダイ内への粉末の最終的な充填と行う不図示の充填ユニット、磁場を発生して成型体に磁力を印加するコイル131、及び磁力を印加しながら粉末の圧縮成型を行う磁場プレス成型ユニット133が配置されている。また、前述したように、整列部140内部には、充填・磁場プレス成型ユニット130内部から成型体を取り出し且つ搬送する取り出しロボット142、及び成型体が収容されるトレイ13を所定位置に保持し且つこれを搬送ゾーン150に搬送する搬送用コンベア144が配置されている。
【0018】
メンテナンスゾーン160は、略直方体形状からなる箱状の本体部161を有する。本体部161は、後述する扉165及びパージ機構169を有するとともに、充填・磁場プレス成型部130と当接する成型部側当接壁161a、及び整列部140と当接する整列部側当接壁161bを有する。成型部側当接壁161aには、充填・磁場プレス成型部130側に設けられた成型部側開口部161cが形成されており、整列部側当接壁161bには、整列部140側に設けられた整列部側開口部161dが形成されている。整列部140に配置される取り出しロボット142におけるアーム部143、及び該アーム部143の先端に支持されて実際に成型体を保持するロボットチャック145は、これら開口部を介して整列部140内部から充填・磁場プレス成型部130内部に侵入する。これら開口部161c、161dには、各々後述するゲートユニット61が付随しており、当該ゲートユニットによってその開閉状態を切り替えている。なお、取り出しロボット142の構成については、本発明と直接の関係が無く且つ各種ロボットへの置換が可能であることからここでの説明は省略する。
【0019】
次に、当該ゲートゲートユニット61について述べる。なお、実際のゲートユニットの構成に関しては後述することし、ここでは後述する弁部材67について、これをゲート260a、260bとして図示し、以下に説明する。前述した開口部161c、161dを塞ぐゲート260a、260bは、各々覗き窓161e、161fを有している。当該覗き窓は、各々対応する当接壁に設けられた開口部161c、161dを介して、充填・磁場プレス成型部130或いは整列部140の内部を見ることが可能な位置に配置されている。また、当該覗き窓にはガラス、アクリル等の透明な材料からなる板材162がはめ込まれており、該板材を介して空間の分離を為している。また、前述したゲート260a、260bは、更にアクセス開口161g、161hをそれぞれ有している。アクセス開口161g、161hも覗き窓161e、161fと同様に、充填・磁場プレス成型部130或いは整列部140の内部と連通することが可能な位置に配置されている。なお、これら覗き窓、アクセス開口及び後述するラバー手袋に関しては、何れのゲート260a、260bに関しても同様であるため、ラバー手袋に関しては整列部側当接壁161b側の構成についてのみ述べることとする。
【0020】
アクセス開口161hにおける充填・磁場プレス成型部130側の開口において、アクセス開口161hは、機密性の高いラバー手袋163に連通している。また、該ラバー手袋163の開口部分の周端部は、アクセス開口161hの周囲に対して密着固定されている。従って、整列部側開口部161dが閉鎖された場合、整列部側当接壁161b、ゲート260b、及びラバー手袋163によって、充填・磁場プレス成型部130内部とメンテナンスゾーン160の内部空間とは、完全に分離されることとなる。即ち、ラバー手袋163に手を入れて、該手袋を介して作業を行うことにより、充填・磁場プレス成型部130内部の気密性を維持した状態で、メンテナンスゾーン160側から充填・磁場プレス成型部130内部のメンテナンスを行うことが可能となる。なお、当該ラバー手袋163は、ゲート260a、260bの動作に支障を生じさせないように、使用時以外の状態では、ゲート260a、260b各々に設けられた不図示の収容部に収められている。
【0021】
次に、図4A〜4Cを参照し、ゲートユニット61について述べる。図4A〜4Cは、メンテナンスゾーン160に配置されるゲートユニット61を側面から見た状態の概略構成を模式的に示している。なお、当該ゲートユニット61は、成型部側開口用と整列部側開口用とにおいて同様の構成のものが用いられることから、これら図中においては整列部140側に配置されるゲートユニットについて図示しするものである。また、これら図面は、当該ゲートユニット61の動作状態を時系列的に示している。
【0022】
ゲートユニット61は、カラー部62(上側カラー部62a及び下側カラー部62bから構成される。)、駆動シリンダ63、駆動軸64、弁部材支持体65、リンク機構66、弁部材67、及びストッパ機構69を有している。弁部材67は開口部161dの開口形状と略同一の形状であって、該開口部よりも一回り大きな平板形状を有している。なお、当該弁部材67は、前述した覗き窓、アクセス開口及びラバー手袋が付随するゲート260a、260bに対応するが、ゲートユニットの説明を容易にするためにこれら構成についての図示及びここでの説明は省略する。また、弁部材67の開口部側の面67aには、処理装置開口部と弁部材67とが対向した状態において、該開口部161dの周囲を覆うよう配置される環状の弁用シール部材67bが固定されている。弁部材67と該開口部161dの周囲壁とがこの弁用シール部材67bを介して当接、密着することにより、充填・磁場プレス成型部の内部をメンテナンスゾーン160内部に対して隔絶することが可能となる。
【0023】
弁部材67は、リンク機構66を介して弁部材支持体65に支持されている。なお、弁部材支持体65は弁部材67に設けられた覗き窓、アクセス開口等の使用の妨げにならない形状を実際には有している。リンク機構66は平行リンク機構であり、第一のピン66a、第二のピン66b、及び第一のピン66aにより一端が弁部材支持体65に回動自在に軸支され且つ第二のピン66bにより他端が弁部材67に回動自在に軸支されるリンク66cを有している。これら第一のピン66a、第二のピン66b及びリンク66cは、弁部材67上であって後述する駆動軸64の駆動方向に隔置して平行に位置するように二箇所に配置されている。リンク機構66における一対のリンク66cが略平行状態を維持して回動することにより、弁部材67と弁部材支持体65との距離を変化させることが可能となる。従って、弁部材支持体65と開口部161dとの距離を一定に保ち且つリンク機構66を駆動させることにより、弁部材67と該開口部161dとの距離を変化させることが可能となる。
【0024】
前述したように、メンテナンスゾーン160は箱状の本体部を有しており、成型部側当接壁161a及び整列部側当接壁161bには、当該メンテナンスゾーンを密閉空間とするカラー部62が配置される。カラー部62は、弁部材67が開口部161dを完全に開放した状態において、当該弁部材67、これを支持する弁部材支持体65、及びアクセス開口161hを収容可能な高さを有する部材からなる。
【0025】
メンテナンスゾーンの本体部161は、前述したように更に扉165を有している。当該扉165を開閉することによって、メンテナンスゾーン160内部への作業者の立ち入りを可能としている。また、パージ機構169はメンテナンスゾーン160内部に窒素、大気等複数の気体を導入可能な気体導入系169a、及びメンテナンスゾーン160内部の気体を排気する気体排気系169bから構成される。メンテナンスゾーン160内部をパージ機構169によって大気導入した後に扉165を開放することによって、作業者が立ち入ってラバー手袋に手を通して各種作業を行うことが可能となるメンテナンス空間167を形成することが可能となる。メンテナンス作業終了後には、作業員がメンテナンス領域167から立ち退き、扉165を閉鎖する。これにより、メンテナンスゾーン160内部を再度閉鎖空間とし、容易に窒素置換を行うことが可能となる。
【0026】
弁部材支持体65は、カラー部62により略囲まれた領域内部において処理装置外壁に対して略平行に移動可能となるように、略棒状の駆動軸64の一端と連結されている。駆動軸64の他端はカラー部62の環状外部に配置される駆動シリンダ63のシリンダ軸と接続されている。駆動軸64はカラー部62を貫通して延在し、貫通部分に不図示のシール部材を配置することによってメンテナンス空間167の内部と外部とが連通することを防止している。駆動軸64は駆動シリンダ63によってその延在方向に駆動され、該駆動軸64の延在方向への駆動(伸縮動作)によって弁部材支持体65を移動させる。
【0027】
弁部材支持体65の移動軸上或いはその近傍であって下側カラー部62bには、弁部材支持体65及び弁部材67各々における駆動軸64が配置される側とは逆側の端部と当接してこれらの停止位置を規定するストッパ機構69が配置される。ストッパ機構は、弁部材用ローラストッパ69aと支持体用ストッパ69bとを有している。これらストッパは下側カラー部62bからの立ち上げ高さにおいて異なっている。即ち、弁部材用ローラストッパ69aにおける弁部材67との当接面は、該弁部材67が開口部161dと相対する位置でその移動を停止させる位置に配置されている。また、支持部材用ストッパ69bにおける弁部材支持体65との当接面は、弁部材用ストッパ69aと弁部材67とが当接後も移動可能となるように、弁部材用ストッパ69aとは異なる位置に配置されている。より詳細には、弁部材67の移動が停止した状態で更に弁部材支持体65が移動すると、リンク機構66におけるリンク66cが回転を開始する。支持体用ストッパ69bは、平行な一対のリンク66cが開口部161dに対して垂直方向に位置する直前の状態でその回転を停止させる位置に配置されている。弁部材用ローラストッパ69aは、弁部材67との当接部分に配置されたローラを有しており、当接状態にある弁部材67が開口部161dに向かう方向において摺動可能となるようにされている。
【0028】
駆動軸64がメンテナンス空間167内部において伸び、弁部材支持体65及び弁部材67を開口部161dの閉鎖位置に駆動する際には、まず弁部材67が弁部材用ローラストッパ69aと当接し、駆動軸方向の移動を停止する。この状態で、弁部材67が有する弁用シール部材67bは、整列部側開口部161dの周囲を形成する処理装置外壁と相対する。ここで、弁部材支持体65の更なる移動を行うと、当該移動に伴って第一のピン66aが固定されたリンク66cが当該ピン66aを中心として回転する。弁部材支持体67は弁部材用ローラストッパ69aによって当該軸方向の移動が規制されていることから、リンク66cの弁部材支持体側の回転中心は軸方向において移動しない。このため、リンク66cの回転に伴って、弁部材側の回転中心を整列部側開口部161d方向に押し付ける付勢力が発生する。弁部材支持体65の移動は、リンク機構66により発生する弁部材67を整列部側開口部161d側に押し付ける付勢力が略最大となった時点で、支持部材用ストッパ69bによって停止される。即ち、本形態においては、駆動軸64の駆動によるだけで、弁部材67の開口部161cの開閉位置各々への移動及び弁用シール部材67bへの付勢力の付加による整列部側開口部161dの密閉操作が行われる。
【0029】
図4Aは、以上の操作によって整列部側開口部161dが弁部材67によって密閉された状態を示している。図4A及び4Cは、弁部材67が開口部161dを開放していく際の各状態を示している。図4Bにおいて、駆動軸64の後退と共に、まず弁部材支持体65が支持体用ストッパ69bより離れる。これによりリンク66cがピン66aを中心として回転を開始し、リンク66cが弁部材67に加えていた付勢力が無くなり、弁用シール部材67aが処理装置外壁(シール面)より離れる。続いて図4Cに示すように弁部材支持体65と共に弁部材67が移動し、整列部側開口部161dが開放される。
【0030】
次に、図1〜図4Cを参照し、実際のメンテナンス操作について説明する。メンテナンス時においては、まず、取り出しロボット142が完全に整列部140内部に収容されていることが前提となる。次にゲートユニット61が各々作動し、成型部側開口部161c及び整列部側開口部161dを閉鎖し、メンテナンスゾーン160内部を充填・磁場プレス成型部130及び整列部140の内部と隔離された空間とする。なお、その際のゲートユニット61の動作に関しては既に詳述しているので、ここでの説明は省略する。ゲートユニット61が各々対応する開口部を閉鎖した後、ガス導入系169aより大気を流入させる。なお、その際、メンテナンスゾーン160内部に存在する磁性粉末が大気中に存在する酸素と急激な反応を生じさせないように、各部に設けられた不図示の覗き窓を介して観察し、適当な速度での大気流入を行う。また、その際、気体排気系169bを用いて、本来メンテナンスゾーン内部に満たされていた窒素を徐々に排気することとしてもよい。
【0031】
メンテナンスゾーン160の内部が完全に大気置換された後、作業者は扉165を開けてメンテナンスゾーン160を部分的に開放しその内部に侵入し、ラバー手袋163内部に手を入れ、当該手袋を介してダイの交換等、充填・磁場プレス成型部130において為すべき各種の所謂メンテナンス操作を行う。また、同時に取り出しロボット142の各種調整等を行っても良い。これら操作が終了した後、カラー部62の除去部分を元に戻し、メンテナンスゾーン160内部を再度閉鎖空間とする。次に、気体排気系169b及び気体供給系169aを用いてメンテナンスゾーン160内部の窒素置換を行う。メンテナンスゾーン160内部の窒素分圧(残存酸素の分圧)が所定値となり且つ内部圧力が所定値となった後、ゲートユニット61を動作させる。これにより、メンテナンスゾーン160の内部は充填・磁場プレス成型部130及び整列部140各々の内部と連通し、当該成型装置の通常運転を実施することが可能となる。
【0032】
なお、本実施の形態においては、実際のメンテナンス作業はラバー手袋を介して行うこととしている。これは、当該手袋が安価且つ気密性、作業性、及び耐久性の面である程度の実績があり、使用頻度が高く且つ粉末を用いる環境という気密性の維持が困難な条件下においてもこれら実績が見込めることによる。しかし、本発明は当該手袋の形態に限定されず、ある程度の気密性及び作業性を確保できる構成であれば、種々の形態からなる手袋を使用可能である。また、ラバー手袋の配置は、本装置のサイズ及び作業性という観点から本実施の形態を用いることとしているが、本実施形態には限定されない。具体的には、取り出しロボットの動作に影響を与えず、且つ求めるメンテナンス作業が容易に行える配置であれば、その取り付け位置は任意に変更可能である。また、必要に応じて、ラバー手袋はメンテナンス頻度の高い充填・磁場プレス成型部130のみに設けても良い。また、メンテナンスゾーンに対して扉の開閉によってその内部に侵入する形式のみならず、メンテナンスゾーン本体部を構成する枠状体を除去することとしても良い。更に、例えば処理装置内部が熱雰囲気を包含する場合等、作業者が直接装置内部にアクセスすることが困難な場合には、ラバー手袋ではなくロボットハンド様のマニピュレータを用いることとしても良い。
【0033】
また、ゲートユニット61については、磁石成型装置等、比較的安価な製品を対象とし且つ粉末を用いる環境という気密性の維持が困難な条件下で操作される製造装置に好適と思われる新規な構成からなるものを例示している。しかし、本発明におけるゲートユニットは当該構成に限定されず、ある程度の気密性を担保できる公知の所謂ゲート装置を種々適用することも可能である。また、メンテナンスゾーンの配置は、最もアクセス頻度が高いであろう充填・磁場プレス成型部に近く且つ粉末の飛散量が低いであろうと思われることから、本実施形態に示した位置に配置することとしている。しかしながら、当該位置に限定されず、例えば、秤量部と充填・磁場プレス成型部との間に設けても良い。また、単一のメンテナンスゾーンではなく、複数のメンテナンスゾーンを配置する構成としても良い。
【実施例】
【0034】
次に、本発明に係るメンテナンスゾーンを設けた希土類磁石成型装置について、実際にメンテナンスを行なった場合の効果について述べる。まず、比較対象となる、メンテナンスを要する部分を分離しその後メンテナンスを行う従来構成からなる装置について述べる。この場合、大気開放される領域は、材料供給部、秤量部、充填・磁場プレス成型部、整列部、及び搬送ゾーンとなる。従って、メンテナンスに際して反応させておくべき粉末の量も多量となる。実際にはこれら粉末を徐々に酸化させ、酸化終了後に装置の大気開放を行うまでに凡そ6時間を要した。これに対して、本発明においては対象となる粉末量が僅かであることから凡そ10分間にて大気開放が可能となった。
【0035】
また、メンテナンス作業終了後に装置内部を窒素パージすることも必要となる。従来装置においては、上述したようにパージされるべき空間が大きくなることもあり、凡そ30分の時間を要した。これに対して、本発明においては、パージされるべき空間が僅かにメンテナンスゾーンのみとなることから凡そ10分にて十分に当該ゾーン内部をパージすることが可能であった。以上述べたように、本発明の実施により、一回のメンテナンスに要する時間が凡そ1/20に短縮することが可能となった。従って、磁石製造工程における所謂条件だし作業、および通常の所謂メンテナンス作業等に要する時間を大幅に短縮することが可能となり、作業性および生産性を大幅に向上することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、希土類合金磁性粉末を成型する成型装置を対象として述べている。しかしながら、本発明に係る成型装置の適用範囲は当該磁石製造工程に限定されない。具体的には希土類合金磁性粉末に代表される反応性の高い材料を用いた各種製造工程に対して、本発明に係るメンテナンスゾーンを用いることにより、作業性等の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁石成型装置を示す平面図である。
【図2A】本発明に係る磁石成型装置におけるメンテナンスゾーン及びその周辺構成を示す図である。
【図2B】本発明に係る磁石成型装置におけるメンテナンスゾーン及びその周辺構成を示す図である。
【図3A】図2に示すメンテナンスゾーンにおける当接壁をメンテナンスゾーン側から見た状態を示す図である。
【図3B】図3Aにおける線3B−3Bの断面を示す図である。
【図4A】図2に示すメンテナンスゾーンに用いられるゲート機構における一方のゲートユニットについて、開口部開放手順を時系列的に順次示す図である。
【図4B】図2に示すメンテナンスゾーンに用いられるゲート機構における一方のゲートユニットについて、開口部開放手順を時系列的に順次示す図である。
【図4C】図2に示すメンテナンスゾーンに用いられるゲート機構における一方のゲートユニットについて、開口部開放手順を時系列的に順次示す図である。
【符号の説明】
【0038】
13:トレイ、 61:処理装置用ゲートユニット、 62:カラー部、 63:駆動シリンダ、 64:駆動軸、 65:弁部材支持体、 66:リンク機構、 67:弁部材、 69:ストッパ機構、 100:磁性粉末成型装置、 102:カプセル、 110:材料供給部、 112:エレベータ、 120:秤量部、 121:秤量ユニット、 130:充填・磁場プレス成型部、 131:充填ユニット、 133:圧縮成型ユニット、 140:整列部、 142:取り出しロボット、 143:アーム、 144:搬送用コンベア、 145:ロボットチャック、 150:搬送ゾーン、 160:メンテナンスゾーン、 161:メンテナンスゾーン本体部、 162:透明板材、 163:ラバー手袋、 165:扉、 167:メンテナンス空間、 169:パージ機構、 180:搬送ライン、 181:無人搬送車、 185:物品収容ボックス




 

 


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