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発明の名称 タイヤ構成部材の接合装置及びタイヤ成型装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−83676(P2007−83676A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−278460(P2005−278460)
出願日 平成17年9月26日(2005.9.26)
代理人 【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
発明者 田村 亮
要約 課題
成型ドラムの外周に巻回されたタイヤ構成部材のジョイント部の接合強度を高くして剥離等の欠陥が生じるのを抑制する。

解決手段
タイヤ構成部材20のジョイント部25を押圧する押圧部材10の押圧面11に、複数の針状の突起物15を等間隔で配置して固定する。ジョイント部25の接合時には、突起物15をジョイント部25に押し付けて、部材同士を押圧して圧着接合するとともに、突起物25をタイヤ構成部材20内に食い込ませ、その圧力でタイヤ構成部材20を押圧方向に変形させて各部材間に食い込み部分28を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
成型ドラムの外周に巻回されたタイヤ構成部材のジョイント部を押圧して接合する接合装置であって、
前記タイヤ構成部材のジョイント部を押圧する押圧面に複数の突起物を有する押圧部材と、
該押圧部材の押圧面を前記タイヤ構成部材のジョイント部に押し付ける押し付け手段とを備え、
前記押圧部材の前記突起物で前記タイヤ構成部材のジョイント部を押圧して接合することを特徴とするタイヤ構成部材の接合装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、
前記突起物が、先端に向かって細くなる針状に形成されていることを特徴とするタイヤ構成部材の接合装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、
前記突起物が、前記押圧部材の押圧面に等間隔に配置されていることを特徴とするタイヤ構成部材の接合装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、
前記押圧部材の押圧面が、平面又は曲面に形成されていることを特徴とするタイヤ構成部材の接合装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、
前記押圧部材が、転動自在なロール状の部材であり、
前記押圧面が、前記ロール状の部材の外周面であり、
転動しながら前記タイヤ構成部材のジョイント部を前記外周面で押圧することを特徴とするタイヤ構成部材の接合装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、
前記押し付け手段は、前記押圧部材の前記突起物を前記タイヤ構成部材のジョイント部へ押し付ける圧力が調節可能であることを特徴とするタイヤ構成部材の接合装置。
【請求項7】
タイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型するタイヤ成型装置であって、
前記タイヤ構成部材を外周に巻回する成型ドラムと、
請求項1ないし6のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置と、を備えたことを特徴とするタイヤ成型装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリーンタイヤ(生タイヤ)の成型工程において、成型ドラムに巻回されたタイヤ構成部材を押圧して接合するための接合装置、及びこの接合装置と成型ドラムとを備えたタイヤ成型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは、一般に、未加硫ゴム等からなる各種のタイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型し、加硫成型して所定の形状に形成される。このグリーンタイヤの成型工程では、従来、円筒状の成型ドラムを用いた成型方法が広く採用されている。この方法では、グリーンタイヤは、円筒状の成型ドラムの外周に、シート状又は帯状のインナーライナーやカーカスプライ、サイドウォール等の各種タイヤ構成部材を順次巻回し、それらを互いに貼り合わせる等して円筒状に成型した後、その中央部を略トロイド状に膨出させる等して成型される。
【0003】
このタイヤ構成部材の貼り合わせ時には、重ね合わせたタイヤ構成部材間のエアを抜きながらそれらを互いに貼り合わせる他に、各タイヤ構成部材を円筒状にすることによってできる部材端部同士の継ぎ目(以下、ジョイント部という)を接合することが必要である。通常、このジョイント部の接合には、種々の押圧部材でタイヤ構成部材のジョイント部を外周から押圧し、ゴムの粘性を利用して部材同士を圧着して接合する接合装置が使用される。
【0004】
図3は、特許文献に記載されたものではないが、このような方法でタイヤ構成部材20のジョイント部25を圧着して接合する従来の接合装置(図では押圧部材10のみ示す)とジョイント部25を拡大して示す側面図であり、ジョイント部25及び成型ドラム2は断面で示す。
【0005】
なお、このタイヤ構成部材20の両端部は、図示のように、垂直方向に対して傾斜したテーパ面に形成され、円筒状の成型ドラム2の外周に巻回されて両端部のテーパ面を当接させることで、タイヤ構成部材20の両端部が重なったジョイント部25を形成している。また、このタイヤ構成部材20は、2枚の部材21、22を貼り合わせて形成されており、ジョイント部25の幅が1枚の部材で形成したときの2倍の幅になっている。
【0006】
ジョイント部25の径方向外側には、この接合装置が備える板状の押圧部材10が配置されており、この従来の押圧部材10は、一度の押圧でジョイント部25の全幅を圧着できるように、ジョイント部25よりも幅広に形成されている。押圧部材10のジョイント部25に対向する押圧面11は、平面状に形成され、その表面にはウレタン等の弾性材の層が設けられている。この接合装置は、更に、図示しないピストン・シリンダ機構等からなる押圧部材10の押し付け手段を備え、押し付け手段により押圧部材10の押圧面11をジョイント部25の外周面に押し付けて、ジョイント部25を外周方向から押圧して圧着接合する。
【0007】
このとき、押圧面11の弾性材がジョイント部25表面の凹凸に対応して変形するため、ジョイント部25の凹部も押圧でき、ジョイント部25全体を比較的均質に圧着できる。しかしながら、この従来の接合装置では、ピストン・シリンダ機構による押圧面11の押し付け圧力のみでジョイント部25を圧着する、即ちゴムの粘性のみでジョイント部25を接合するため、ジョイント部25の接合強度が不足して、上記したトロイド状に膨出させる際等の引っ張り力が作用した際に剥離が生じて、ジョイント部25にオープンスプライス等の欠陥が生じることがある。その結果、製品タイヤの空気圧の保持性や耐久性等の品質が低下する怖れがある。
【0008】
また、以上の板状の押圧部材10の他に、外周面にウレタン等の弾性材の層を設けた転動自在な円筒状の押圧部材10を備え、その外周面でタイヤ構成部材20のジョイント部25を押圧して圧着接合する接合装置が知られている(特許文献1参照)。
【0009】
この従来の接合装置は、図3に示す接合装置と同様に、ピストン・シリンダ機構等からなる押し付け手段を備え、円筒状の押圧部材10の外周面を成型ドラム2の外周に巻回されたタイヤ構成部材20のジョイント部25に押し付けつつ、ジョイント部25に沿って押圧部材10を転動させて、ジョイント部25を押圧して圧着する。従って、この円筒状の押圧部材10を備える接合装置でも、上記した板状の押圧部材10により接合したときと同様に、ゴムの粘性のみでジョイント部25を圧着して接合するため、ジョイント部25の接合強度が不足して、ジョイント部25に剥離やオープンスプライス等の欠陥が生じることがある。
【0010】
【特許文献1】特開2003−145642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、成型ドラムの外周に巻回されたタイヤ構成部材のジョイント部の接合強度を高くして剥離等の欠陥が生じるのを抑制し、空気入りタイヤの品質を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、成型ドラムの外周に巻回されたタイヤ構成部材のジョイント部を押圧して接合する接合装置であって、前記タイヤ構成部材のジョイント部を押圧する押圧面に複数の突起物を有する押圧部材と、該押圧部材の押圧面を前記タイヤ構成部材のジョイント部に押し付ける押し付け手段とを備え、前記押圧部材の前記突起物で前記タイヤ構成部材のジョイント部を押圧して接合することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、前記突起物が、先端に向かって細くなる針状に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、前記突起物が、前記押圧部材の押圧面に等間隔に配置されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、前記押圧部材の押圧面が、平面又は曲面に形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、前記押圧部材が、転動自在なロール状の部材であり、前記押圧面が、前記ロール状の部材の外周面であり、転動しながら前記タイヤ構成部材のジョイント部を前記外周面で押圧することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置において、前記押し付け手段は、前記押圧部材の前記突起物を前記タイヤ構成部材のジョイント部へ押し付ける圧力が調節可能であることを特徴とする。
請求項7の発明は、タイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型するタイヤ成型装置であって、前記タイヤ構成部材を外周に巻回する成型ドラムと、請求項1ないし6のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の接合装置と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、成型ドラムの外周に巻回されたタイヤ構成部材のジョイント部を、押圧部材に設けられた複数の突起物により押圧し、ジョイント部のエアを抜きながらタイヤ構成部材の端部同士を接合する。この際、押圧部材のジョイント部への押し付け圧力を突起物の先端部に集中し、各先端部の押圧力を高めてジョイント部を強固に圧着接合する。同時に、突起物でジョイント部のタイヤ構成部材を押圧方向に変形させて、一方のタイヤ構成部材の端部を他方の端部内に食い込ませる等して、ジョイント部の接合強度を高める。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、タイヤ構成部材のジョイント部を押圧して接合する押圧部材の押圧面に複数の突起物を設け、その先端部でジョイント部を押圧するため、各先端部の押圧力を高めてジョイント部を強固に圧着接合できる。同時に、ジョイント部のタイヤ構成部材を押圧方向に変形させて、一方のタイヤ構成部材の端部を他方の端部内に食い込ませる等して、ジョイント部の接合強度を高くできる。その結果、タイヤ構成部材のジョイント部に剥離等の欠陥が生じるのを抑制でき、空気入りタイヤの品質を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ成型装置は、図3に示す従来の接合装置と同様の、成型ドラムの外周に巻回したタイヤ構成部材のジョイント部を押圧部材で押圧して接合するための接合装置を備える。しかし、この接合装置では、ジョイント部を押圧する押圧部材の押圧面に複数の突起物を設け、この突起物を押し付けてジョイント部を押圧して接合する点で、前記従来の接合装置と相違する。
【0016】
図1は、本実施形態のタイヤ成型装置1の要部を示す模式図であり、図1Aは成型ドラム2の径方向から見た正面図であり、図1Bは成型ドラム2の軸方向から見た側面図である。
このタイヤ成型装置1は、図示のように、タイヤ構成部材を外周面に巻回する成型ドラム2と、タイヤ構成部材のジョイント部を押圧して接合する接合装置3等を備える。
【0017】
成型ドラム2は、略円筒状をなし、図示しない駆動手段により軸線回りに回転し、外周上にタイヤ構成部材を順次巻回して貼り合わせる等して円筒状に成型する。その外周面は、周方向に分割された複数のセグメントから構成され、成型ドラム2の内部には、各セグメントを径方向に移動させて外周を拡径・縮径するための、例えばピストン・シリンダ機構等を用いた周知の手段を備える。これにより、成型ドラム2は、外周面を拡径させた状態でタイヤ構成部材を巻回して円筒状に成型し、外周面を縮径させて成型後のタイヤ構成部材の拘束を解き、図示しない搬送手段により軸方向に移動させて外周面から取り外す。
【0018】
なお、本実施形態のタイヤ構成部材は、インナーライナーやカーカスプライ、サイドウォール等の未加硫ゴム等からなるシート状又は帯状の部材であり、押出機等の成型機により、例えば約5mm程度の厚さに連続して成型した後、所定の寸法に裁断等して形成される。本実施形態のタイヤ成型装置1は、このタイヤ構成部材を図示しない供給装置により成型ドラム2へ供給し、1枚又は複数枚ずつ成型ドラム2に巻回して接合装置3によりジョイント部を押圧して接合した後、その外周に次のタイヤ構成部材を重ねて巻回してジョイント部を接合し、以下同手順を複数回繰り返して円筒状の成型体を形成する。このタイヤ構成部材の両端部は、成型ドラム2の軸方向と略平行に、又は軸方向に対し所定の角度傾斜して形成されており、従って、ジョイント部の延在方向も、ドラム軸方向に略平行に、又は所定の角度傾斜して形成される。
【0019】
接合装置3は、成型ドラム2の上方に設けられたタイヤ構成部材のジョイント部を押圧する押圧部材10と、押圧部材10の押圧面11をジョイント部へ押し付ける押し付け手段等を備える。
【0020】
押圧部材10は、図の上方から見た形状、つまり平面形状が略矩形の板状をなし、図1Aに示すように、成型ドラム2の軸方向と平行な方向の長さが成型ドラム2の軸方向長さよりも短い所定の長さに形成されている。押圧部材10の成型ドラム2に対向する押圧面11は、平面状に形成されるとともに、その表面に垂線方向(図では下方向)に延びる複数の突起物15が、例えば剣山のように固定されている。各突起物15は、針状、即ち、細長い円錐状や先の尖った棒状等の先端に向かって細くなる形状に形成されており、押圧面11の全面に所定の間隔を開けて等間隔に配置されている。
【0021】
前記押し付け手段は、押圧部材10の押圧面11を成型ドラム2に対向させて保持するとともに、その状態のまま押圧部材10を成型ドラム2の径方向の内外方向(図の矢印S方向)に移動させて、押圧面11の突起物15をタイヤ構成部材のジョイント部に押し付ける手段である。
【0022】
本実施形態では、この押し付け手段として、例えばピストン・シリンダ機構(図ではピストンロッド18のみ示す)等を用い、ピストンロッド18の先端を押圧部材10の上面の略中央に固定している。このピストン・シリンダ機構は、軸線が成型ドラム2の径方向と平行になるように、かつ、ピストンロッド18を成型ドラム2の中心線に向けて設置され、押圧部材10を矢印S方向に移動させて押圧面11の突起物15をジョイント部に押し付ける。なお、本実施形態の接合装置3は、ピストン・シリンダ機構を駆動する空気圧や油圧等の圧力を調節する等して、突起物15をジョイント部に押し付ける圧力を任意に設定できるようになっている。
【0023】
また、接合装置3は、押圧部材10を成型ドラム2の軸方向(図1Aの矢印T方向)と平行に移動させる、図示しない移動手段を備える。この移動手段は、例えば、成型ドラム2の軸方向と平行に敷設したレール上をモータ等で移動可能な架台に、前記ピストン・シリンダ機構を取り付ける等して、押圧部材10を矢印T方向に移動させる。
【0024】
接合装置3は、以上のように構成され、前記押し付け手段により、押圧部材10の押圧面11を成型ドラム2に巻回されたタイヤ構成部材のジョイント部に押し付けて接合する。このとき、押圧面11の複数の突起物15の鋭い先端部に圧力を集中させて、ジョイント部を外周面から押圧して圧着接合する。同時に、突起物15をタイヤ構成部材内に食い込ませて、ジョイント部のタイヤ構成部材を押圧方向に変形させる。この接合装置3は、前記移動手段による移動と成型ドラム2の回転を組み合わせて、押圧部材10をジョイント部に沿って移動させ、以上の押圧部材10による押圧をジョイント部に沿って繰り返し行い、ジョイント部を全長に渡って接合する。
【0025】
ここで、押圧部材10(押圧面11)の各寸法は、押圧すべきジョイント部の寸法や延在方向等に応じて、適切にジョイント部の押圧ができるように設定する。具体的には、ジョイント部のタイヤ構成部材両端部が重なり合った部分を一度に押圧できるように、重なり部分の幅よりも幅広になるようにし、かつ、充分な押圧力を確保するように、押圧面11の面積を決定する。また、突起物15の配置間隔や、寸法・形状等は、ジョイント部を接合するタイヤ構成部材の厚さ等に応じて、押圧によるジョイント部の接合強度が充分高くなるよう、適切な押圧力及び密度等になるように決定する。
【0026】
なお、各突起物15は、細長い三角錐や四角錐状、又は楔状等、先端に向かって細くなる他の形状に形成してもよい。或いは、上記した針状と同様に、突起物15の先端部に圧力を集中してジョイント部を押圧できるとともに、突起物15をタイヤ構成部材内に食い込ませてジョイント部のタイヤ構成部材を押圧方向に変形できるのであれば、先端部を曲面や平面に形成する等、尖頭以外の形状に形成してもよい。また、押圧部材10の押圧面11は、例えば押圧するジョイント部の形状に対応した円弧状等に形成して、ジョイント部全体をより均質に接合させる等、上記した平面以外に曲面に形成してもよい。
【0027】
次に、この接合装置3によりタイヤ構成部材のジョイント部を接合するときのジョイント部の状態について説明する。
図2は、接合装置3により接合するタイヤ構成部材20のジョイント部25を拡大して示す断面図であり、図2Aは押圧部材10による押圧前、図2Bは押圧中、図2Cは押圧後の各状態の断面図である。
【0028】
このタイヤ構成部材20の両端部は、図2Aに示すように、垂直方向に対して傾斜したテーパ面に形成され、成型ドラム2の外周に巻回されて両端部のテーパ面を当接させることで、タイヤ構成部材20の両端部が重なったジョイント部25を形成する。なお、このタイヤ構成部材20は、2枚の部材21、22を貼り合わせて形成されており、ジョイント部25の幅が1枚の部材で形成したときの2倍の幅になっている。また、ジョイント部25の外側に配置した押圧部材10は、上記したように、ジョイント部25を一度に押圧できるように、ジョイント部25の幅よりも幅広になっている。
【0029】
押圧部材10を成型ドラム2へ向かって移動させて、押圧面11の突起物15をタイヤ構成部材20のジョイント部25へ外周側(図では上側)から所定の圧力で押し付けると、図2Bに示すように、突起物15の先端部がタイヤ構成部材20(外層部材21)に食い込み、外層部材21が押圧方向(図では下方向)を中心に押されて凹状に変形する。この変形の圧力で、外層部材21の内層部材22との接触面23が押圧方向に突出して変形し、外層部材21が内層部材22内に食い込んだ食い込み部分28を形成する。同様に、ジョイント部25の外周側(図では上側)の部材21、22も押圧方向に突出し、内周側(図では下側)の部材21、22内に食い込んで食い込み部分28を形成する。
【0030】
なお、突起物15をジョイント部25へ押し付ける前記所定の圧力は、タイヤ構成部材20(各部材21、22)の厚さ、及び突起物15の配列本数や寸法、形状等に応じて、充分な押圧力が得られるような、かつ突起物15でタイヤ構成部材20を突き通して貫通孔を形成しないような適切な圧力に設定する。
【0031】
その後、押圧部材10を成型ドラム2の径方向外側に向かって移動させて、タイヤ構成部材20から離間させると、図2Cに示すように、タイヤ構成部材20の外周面には、突起物15の先端が押し付けられて凹状に変形した押圧痕30が、突起物15の配列間隔に応じた間隔で形成される。各押圧痕30は、突起物15の形状に対応して、タイヤ構成部材20表面の開口部31から厚さ方向下側の先端部32に向かって徐々に細くなる針状に形成される。また、上記したタイヤ構成部材20の各部に形成された部材同士の食い込み部分28も残存する。
【0032】
本実施形態のタイヤ構成部材20の接合装置3では、以上の押圧時に、突起物15でジョイント部25のタイヤ構成部材20を押圧して、部材21、22間、及びジョイント部25のエアを抜きながら、それらを互いに圧着して接合する。このとき、押圧部材10の押し付け圧力を突起物15に集中するとともに、その押し付け圧力を適切に設定して、タイヤ構成部材20を充分な力で押圧して強固に圧着し、各部材21、22、及びジョイント部25の接合強度を向上させる。この圧着による接合強度は、突起物15により押圧された部分の周辺で最も高くなるが、その間のタイヤ構成部材20も配列した突起物15により張力を受けた状態で下層の各タイヤ構成部材20に押し付けられるため、充分強固に圧着接合する。
【0033】
更に、この接合装置3では、以上のゴムの粘性による圧着接合に加えて、各部材21、22、及びジョイント部25に部材同士の食い込み部分28を形成し、それらを剥離させようとする力に対する抵抗力を高くする。これにより、上記した図3の従来の接合装置のように圧着のみにより接合する場合よりも、ジョイント部25の接合強度を高くする。
【0034】
なお、タイヤ構成部材20両端のテーパ面先端部付近等の薄肉な部分では、押圧時に突起物15がタイヤ構成部材20を突き通して貫通孔が形成されることがある。しかし、この場合でも、突起物15の食い込みに伴う押圧方向の圧力で、貫通孔周辺の部材が押圧方向に突出して同方向の部材内に食い込む。従って、貫通孔が形成された分だけ部材同士の圧着面積は減少するものの、食い込みによる接合強度の向上効果が発揮されるとともに、他の部分の接合強度が向上するため、ジョイント部25全体の接合強度は、従来の圧着のみによる接合に比べて高くなる。
【0035】
本実施形態のタイヤ成型装置1は、以上の成型ドラム2へのタイヤ構成部材20の巻回と、接合装置3によるジョイント部25の接合を順次繰り返す等して、所定形状のグリーンタイヤを成型する。その後、図示しない搬送装置によりグリーンタイヤを加硫成型装置に搬送し、加硫成型用金型内に装入して所定の温度で加硫しつつ、金型内で圧力を加えて各タイヤ構成部材20の一体化と型付けを行い、所定形状の製品タイヤを製造する。この加硫成型時に、突起物15による押圧で形成されたジョイント部25の押圧痕30は潰れて消滅するため、製品タイヤに欠陥が生じることがない。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のタイヤ成型装置1では、タイヤ構成部材20のジョイント部25を押圧して接合する押圧部材10の押圧面11に複数の突起物15を設けたため、押圧部材10の押し付け圧力を突起物15に集中できるとともに、その押し付け圧力を任意に設定できるため、ジョイント部25を適切な力で押圧できる。これにより、部材同士を強固に圧着接合して、ジョイント部25の接合強度を高くすることができる。
【0037】
この圧着接合に加えて、突起物15のタイヤ構成部材20内への食い込みに伴う圧力で、ジョイント部25の部材同士に食い込み部分28を形成するため、それらを剥離させようとする力に対する抵抗力を更に高くできる。その結果、圧着のみにより接合する場合に比べてジョイント部25の接合強度が高くなり、ジョイント部25に剥離等の欠陥が生じるのを抑制して、製品タイヤの空気圧の保持性や耐久性等の品質を向上できる。
【0038】
なお、本実施形態の接合装置3には、板状の押圧部材10の他に、例えば円筒状や円柱状の、又は、それらの外周面をジョイント部25の外周形状に対応した曲面形状に形成する等、ジョイント部25上を転動自在なロール状の押圧部材10を設けてもよい。この場合には、ロール状の押圧部材10の外周面が押圧面11であり、そこに径方向に延びる複数の突起物15を所定の間隔で配列させて固定する。ジョイント部25の接合時には、外周面(押圧面11)を押し付けつつ、ジョイント部25に沿って押圧部材10を転動させて連続して接合する。
【0039】
(ジョイント部の接合試験)
このタイヤ成型装置1の効果を確認するため、以上説明したようにジョイント部25を接合したタイヤ構成部材20(以下、実施品という)と、従来の押圧部材10、即ち押圧面11に突起物15を有さない板状の押圧部材10(図3参照)でジョイント部25を押圧して接合したタイヤ構成部材20(以下、従来品という)を作製し、ジョイント部25の接合強度を比較した。
【0040】
実施品、従来品ともに、接合するタイヤ構成部材20は、厚さ5.4mmと4.5mmの2種類のシート状のインナーライナーであり、それぞれ2枚重ねて成型ドラム2へ巻回した後(図2A参照)、ジョイント部25を接合した。各実施品は、長さ3mmの針状の突起物15を押圧面11に複数設けた押圧部材10(図2B参照)で、ジョイント部25を押圧して接合した。
【0041】
接合強度の比較は、接合後のタイヤ構成部材20からジョイント部25を含む試験片をそれぞれ作成し、引張試験を実施して行った。引張試験は、横50mm×100mmの各試験片を引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフS−500(商品名))で200%伸張させて評価した。その結果、従来品のジョイント部25に隙間(剥離)が生じたのに対し、実施品には全く隙間が観察されず、本発明により、タイヤ構成部材20のジョイント部25の接合強度が向上することが証明された。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態のタイヤ成型装置の要部を示す模式図である。
【図2】本実施形態の接合装置により接合するタイヤ構成部材のジョイント部を拡大して示す断面図である。
【図3】従来の接合装置(押圧部材)とジョイント部を拡大して示す一部断面側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1・・・タイヤ成型装置、2・・・成型ドラム、3・・・接合装置、10・・・押圧部材、11・・・押圧面、15・・・突起物、18・・・ピストンロッド、20・・・タイヤ構成部材、21・・・外層部材、22・・・内層部材、25・・・ジョイント部、28・・・食い込み部分、30・・・押圧痕、31・・・開口部、32・・・先端部。




 

 


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