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発明の名称 成型ホース
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−55220(P2007−55220A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−319699(P2005−319699)
出願日 平成17年11月2日(2005.11.2)
代理人 【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
発明者 角田 克彦
要約 課題
オーブン中での無圧加硫により、内面ベアやゴム層発泡の問題のない高品質の成型ホースを生産性良く製造する。

解決手段
内管ゴム1と外被ゴム3とが補強糸層2を介して同軸的に積層一体化されてなり、かつ予め配管すべき形状に型付けされた成型ホース10。補強糸層2はポリケトン繊維で構成される。ポリケトン繊維は、ホースの補強糸として十分な特性を有する上に、加硫温度条件において高い熱収縮性を示すことから、ポリケトン繊維よりなる補強糸層を設けることにより、オーブン中での無圧加硫であっても、補強糸層未加硫ホースに締め付け力を付与し、この締め付け力により、内面ベアやゴムの発泡を抑制し、オーブンでの連続生産により、高品質の成型ホースを生産性良く製造することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
内管ゴムと外被ゴムとが補強糸層を介して同軸的に積層一体化されてなり、かつ予め配管すべき形状に型付けされた成型ホースであって、該補強糸層がポリケトン繊維を含むことを特徴とする成型ホース。
【請求項2】
請求項1において、ポリケトン繊維が下記一般式(I)で表されるポリケトンの繊維であることを特徴とする成型ホース。
【化1】


((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
【請求項3】
請求項2において、前記一般式(I)におけるRがエチレン由来の連結基であることを特徴とする成型ホース。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記ポリケトン樹脂の重合度が、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることを特徴とする成型ホース。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、オーブン中で加熱、加硫されて得られることを特徴とする成型ホース。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、オイルクーラーホース又は冷媒輸送用ホースであることを特徴とする成型ホース。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め配管すべき形状に型付けされた成型ホースに係り、特にオーブン中での無圧加硫における内面ベア、発泡の問題を解決した成型ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用自動変速機(ATやCVT)のオイルクーラーホースや、自動車用エアコンディショニングシステムの冷媒輸送用ホースは、内管ゴムと外被ゴムとを補強糸層を介して同軸的に積層一体化された構造とされており、従来、その補強糸層の補強繊維としては、安価でゴムとの接着性、その他製品品質等のバランスに優れることから、一般的にポリエチレンテレフタレート(PET)繊維が用いられている。
【0003】
このような繊維補強ホースは、マンドレル上に未加硫内管ゴム層を形成した後、この内管ゴム層の外周に補強糸層を形成し、補強糸層の外周に未加硫外被ゴム層を形成してなる未加硫積層体(以下「未加硫ホース」と称す。)を加熱して、未加硫ゴムを加硫すると共に各層を接着一体化し、その後マンドレルを引き抜くことにより製造されている。この未加硫ホースの加硫にあたっては、ホース内面のベアやゴムの発泡を抑制するために、未加硫ホースを加圧下に加熱する必要がある。従って、従来は、加硫缶内で温水に浸して蒸気で加圧、加熱する温水加硫法や、加硫缶内で直接蒸気で加圧、加熱する蒸気加硫法等で、加硫時に加圧することが行われている。
【0004】
ところで、近年の自動車開発では、エンジンルームのコンパクト化が進み、エンジンルームが小さくなったことから、エンジンルーム内に配管されるオイルクーラーホースや冷媒輸送用ホースにあっては、予め配管すべき形状に型付けされた成型ホース化が望まれるようになってきている。成型ホースであれば、予め、配管スペースにあわせて屈曲部等が型付けされているため、ホースの屈曲のための無駄なスペースを必要とすることなく、狭いスペースにも容易に配管することができる。
【0005】
この成型ホースの製造方法としては種々提案がなされているが、従来においては、所定形状の成型モールドを用いて、前述の未加硫ホースを1本ずつ成型モールド内で成型加硫する方法が一般的に採用されていた。しかし、成型モールドを用いる方法では、未加硫ホースを1本ずつモールド内に配置する作業、加硫後にはモールドから製品を取り出す作業が必要となり、生産性が極めて悪く、生産性の悪さがコスト高騰の要因となっていた。
【0006】
成型ホースの他の製造方法として、未加硫ホースに予め所定形状に型付けされた成型マンドレルを差し込んで、オーブン中で加熱して加硫する方法がある。この方法は、成型マンドレルを差し込んだ未加硫ホースをオーブン内の移動テーブル上に載置して加熱することにより加硫するものであるため、手間がかからず、また、連続生産も可能であり、生産性の向上、製造コストの低減を図ることができる。
【0007】
しかし、この方法では、加硫時に未加硫ホースに圧力を掛けることができないため、ホース内面のベア発生、ゴムの発泡等の欠陥が発生し易い。
【0008】
なお、前述の加硫缶を用いて加圧加硫する方法も考えられるが、この方法では連続生産ができず、生産性の向上を図ることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決し、内管ゴムと外被ゴムとが補強糸層を介して同軸的に積層一体化されてなり、かつ予め配管すべき形状に型付けされた成型ホースを、オーブン中での非加圧下の加熱加硫により、内面ベアやゴム層発泡の問題のない高品質の成型ホースとして、生産性良く製造することができる成型ホースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリケトン繊維は、ホースの補強糸として十分な特性を有する上に、加硫温度条件において高い熱収縮性を示すことから、ポリケトン繊維よりなる補強糸層を設けることにより、オーブン中での無圧加硫であっても、ポリケトン繊維よりなる補強糸層で加硫時に未加硫ホースに締め付け力を付与し、この締め付け力により、内面ベアやゴムの発泡を抑制できることを見出した。
【0011】
本発明はこのような知見を基に達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0012】
[1] 内管ゴムと外被ゴムとが補強糸層を介して同軸的に積層一体化されてなり、かつ予め配管すべき形状に型付けされた成型ホースであって、該補強糸層がポリケトン繊維を含むことを特徴とする成型ホース。
【0013】
[2] [1]において、ポリケトン繊維が下記一般式(I)で表されるポリケトンの繊維であることを特徴とする成型ホース。
【化2】


((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
【0014】
[3] [2]において、前記一般式(I)におけるRがエチレン由来の連結基であることを特徴とする成型ホース。
【0015】
[4] [2]又は[3]において、前記ポリケトン樹脂の重合度が、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることを特徴とする成型ホース。
【0016】
[5] [1]〜[4]において、オーブン中で加熱、加硫されて得られることを特徴とする成型ホース。
【0017】
[6] [1]〜[5]において、オイルクーラーホース又は冷媒輸送用ホースであることを特徴とする成型ホース。
【発明の効果】
【0018】
ポリケトン繊維は、耐熱性、耐久性、ゴムとの接着性に優れ、ホースの補強糸として十分な特性を有する。しかも、ポリケトン繊維は、加硫温度条件において熱収縮率が高いため、成型マンドレルを差し込んだ未加硫ホースをオーブン中で非加圧下に加熱した場合に、ポリケトン繊維の熱収縮で、あたかも外部から加圧力を掛けた場合と同様に未加硫ホースを締め付け加圧することができる。このため、オーブン中での無圧加硫による連続生産であっても、加硫中に未加硫ホースを加圧して、内面ベアやゴム層の発泡を防止し、高品質の成型ホースを生産性良く製造することができる。
【0019】
本発明において、ポリケトン繊維は下記一般式(I)で表されるポリケトンの繊維であることが好ましく(請求項2)、Rはエチレン由来の連結基であり(請求項3)、重合度は、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にある重合度であることが好ましい(請求項4)。
【化3】


((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
【0020】
本発明の成型ホースは、具体的には、未加硫ホースに成型マンドレルを差し込み、オーブン中で非加圧下に加熱することにより、好ましくは連続生産にて加硫成形される(請求項5)。
【0021】
このような本発明の成型ホースは、自動車のエンジンルームに配管されるオイルクーラーホースや冷媒輸送用ホースとして好適である(請求項6)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明の成型ホースの実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
本発明の成型ホースは、補強糸層の補強繊維としてポリケトン繊維を用いたものである。本発明で用いるポリケトン繊維は、好ましくは下記一般式(I)で表されるポリケトンを原料として製造される。
【化4】


((I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。)
【0024】
上記ポリケトンは、分子中にCO単位(カルボニル基)とエチレン性不飽和化合物由来の単位とが配列された交互共重合体、即ち、高分子鎖中で各CO単位の隣に、例えばエチレン単位等のオレフィン単位が一つずつ位置する構造である。このポリケトンは、一酸化炭素と特定のエチレン性不飽和化合物の1種との共重合体であってもよく、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物の2種以上との共重合体であってもよい。
【0025】
上記(I)中のRを形成するエチレン性不飽和化合物としては、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン等の不飽和炭化水素化合物、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,ウンデセン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体、更にはウンデセノール,6−クロロヘキセン,N−ビニルピロリドン,及びスルニルホスホン酸のジエチルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にポリマーの力学特性や耐熱性等の点から、エチレン性不飽和化合物としてエチレンを主体とするものを用いたポリケトンが好ましい。
【0026】
ポリケトンを構成するエチレン性不飽和化合物として、エチレンと他のエチレン性不飽和化合物とを併用する場合、エチレンは、全エチレン性不飽和化合物に対し、80モル%以上になるように用いるのが好ましい。この割合が80モル%未満では得られるポリマーの融点が200℃以下になり、得られるポリケトン繊維の耐熱性が不充分となる場合がある。ポリケトン繊維の力学特性や耐熱性の点から、エチレンの使用量は、特に全エチレン性不飽和化合物に対し90モル%以上が好ましい。前記のポリケトンは、公知の方法、例えばヨーロッパ特許公開第121965号,同第213671号,同第229408号及び米国特許第3914391号明細書に記載された方法に従って製造することができる。
【0027】
上記ポリケトンの重合度は、m−クレゾール中、60℃で測定した溶液粘度が1.0〜10.0dL/gの範囲にあるのが好ましい。溶液粘度が1.0dL/g未満では、得られるポリケトン繊維の力学強度が不充分となる場合があり、ポリケトン繊維の力学強度の観点から、溶液粘度が1.2dL/g以上であるのが更に好ましい。一方、溶液粘度が10.0dL/gを超えると、繊維化時の溶融粘度や溶液粘度が高くなりすぎて紡糸性が不良となる場合があり、紡糸性の観点から、溶液粘度が5.0dL/g以下であるのが更に好ましい。繊維の力学強度及び紡糸性などを考慮すると、この溶液粘度は1.3〜4.0dL/gの範囲が特に好ましい。
【0028】
上記ポリケトンの繊維化方法は、特に限定されないが、一般的には溶融紡糸法又は溶液紡糸法が採用される。溶融紡糸法を採用する場合には、例えば特開平1−124617号公報に記載の方法に従って、ポリマーを通常、融点より20℃以上高い温度、好ましくは融点より40℃程度高い温度で溶融紡糸し、次いで、通常、融点より10℃以下低い温度、好ましくは融点より40℃程度低い温度において、好ましくは3倍以上の延伸比で、更に好ましくは7倍以上の延伸比で延伸処理することにより、容易に所望の繊維を得ることができる。
【0029】
一方、溶液紡糸法を採用する場合、例えば特開平2−112413号公報に記載の方法に従って、ポリマーを例えばヘキサフルオロイソプロパノール,m−クレゾール等に0.25〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n−ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴、好ましくはアセトン浴中で溶剤を除去、洗浄して紡糸原糸を得、更に(融点−100℃)〜(融点+10℃)、好ましくは(融点−50℃)〜(融点)の範囲の温度で延伸処理することにより、所望のフィラメントを得ることができる。また、このポリケトンには、熱,酸素等に対して十分な耐久性を付与する目的で酸化防止剤を加えることが好ましく、また必要に応じて艶消し剤,顔料,帯電防止剤等も配合することができる。
【0030】
また、かかるポリケトン繊維を補強繊維として使用し、補強繊維使用量の低減(補強材の積層枚数の低減、コード打ち込み本数の低減、コード太さの細糸化等)により成型ホースの軽量化、省資源化、コスト低減、生産性向上等の目的を達成するためには、使用するポリケトン繊維の原糸強度が15g/d以上であることが好ましく、特に18g/d以上であることが好ましい。
【0031】
更に、上記ポリケトン繊維の単糸繊度は、1.5デニール以下であるのが好ましい。単糸繊度が1.5デニールを超えると、曲げ変形時にフィラメントの表面歪が大きくなり、熱時衝撃後の強力や耐疲労性が低下する。
【0032】
このようなポリケトン繊維は用途に応じた繊維本数、撚り数のコードに成形されて用いられる。
【0033】
なお、本発明においては、補強繊維としてポリケトン繊維を用いることを必須とするが、ポリケトン繊維と、ナイロン、PET、アラミド等の他の補強繊維とを組み合わせて用いても良い。この場合、他の補強繊維とポリケトン繊維とを合わせてコードを成形しても良く、ポリケトン繊維コードと他の補強繊維コードとを用いても良い。ただし、ポリケトン繊維による優れた熱収縮性を得るために、このような他の補強繊維を併用する場合、その使用量の全補強繊維量の55重量%以下とすることが好ましい。
【0034】
本発明の成型ホースの内管ゴム及び外被ゴムを構成するゴム材料のゴム成分としては、成型ホースの用途に応じて各種のものが用いられるが、例えば、オイルクーラーホースにあっては、エチレンと酢酸ビニルの共重合ゴム(EVA)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)等の耐熱ゴムの1種又は2種以上を主成分とするものが好ましく用いられる。
【0035】
ただし、これらの耐熱ゴムの1種又は2種以上と、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等の汎用のジエン系ゴムの1種又は2種以上とのブレンドゴムであっても良く、また、加硫方法によっては、上記汎用ジエン系ゴムを主成分とするものであっても良い。
【0036】
前述の耐熱ゴムを主成分とする場合にあっては、加硫剤として、硫黄を用いてもよいが、有機過酸化物、樹脂、アミン類を用いて加硫しても良い。
【0037】
即ち、本発明によれば、ポリケトン繊維の優れた耐熱性とゴムとの接着性により、汎用ジエン系ゴムを有効加硫する場合や、有機加硫剤で加硫する場合はもとより、EVA、CSM、ACM、AEM、HNBRなどの硫黄架橋以外の耐熱ゴムに対しても、優れた接着性が得られる。また、その特に優れた耐熱性で、高温で加硫しても劣化せず、且つゴムとの接着性も十分に確保することができることから、加硫温度を高くして加硫時間短縮による生産性の向上とゴムとの接着性及びゴム物性の確保の両立が可能となる。
【0038】
この有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシカーボネート等が挙げられるが、好ましくは、ジクミルパーオキサイドが挙げられる。また、樹脂としては、アルキルフェノール、ホルムアルデヒド樹脂、及びそのハロゲン化物等が挙げられる。また、アミン類としては、ジアミノジフェニルメタン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
【0039】
これらの硫黄以外の加硫剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0040】
加硫剤の使用量は、多過ぎると架橋密度が高くなり加硫物が脆性的となるので好ましくなく、少な過ぎると要求を満足する架橋密度を得る事が出来なくなり塑性的となることから、ゴム成分100重量部に対して0.5〜5.0重量部とすることが好ましい。
【0041】
なお、内管ゴムと外被ゴムのゴム材料は必ずしも同一である必要はないが、通常は同一のゴム材料が用いられる。
【0042】
次に、このような内管ゴム及び外被ゴムの間にポリケトン繊維で形成された補強糸層を有する本発明の成型ホースについて、図面を参照して説明する。
【0043】
図1は実施の形態に係る成型ホースの直線部分を示す斜視図である。
【0044】
図1の成型ホース10は、内管ゴム1と、この内管ゴム1の上に設けられた補強糸層2と補強糸層2を覆う外被ゴム3とで構成される。
【0045】
内管ゴム1を形成する方法としては特に制限はなく、公知の方法を採用することができ、例えば、押出成形機等を用いて所望の肉厚の内管ゴムを心棒としてのマンドレルに押出成形により被覆形成する方法などが挙げられる。
【0046】
内管ゴムの厚さは、成型ホースの用途によっても異なるが、通常0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mm程度である。
【0047】
補強糸層2は、ポリケトン繊維、或いはポリケトン繊維と前述の他の繊維とを用いて、編組又はスパイラル巻きして、編組層又は互いに対をなす方向に巻き付けられたスパイラル層として形成される。
【0048】
また、補強糸の繊度については、1100〜3300dtexであることが好ましい。補強糸の繊度が1100dtex未満であると強度、耐久性不足であり、3300dtexを超えると太すぎて外観が悪くなる恐れがある。
【0049】
本発明に係る補強糸層2は、補強糸の編組層の1層で構成されるものであっても良いが、図1に示す如く、互いに対をなす方向に巻き付けられた2層のスパイラル層2A、2Bよりなることが好ましく、特に、1100〜3300dtex、撚り数0〜10回/10cmの補強糸をスパイラル状に巻回したスパイラル層2Aと、1100〜3300dtex、撚り数0〜10回/10cmの補強糸を逆方向にスパイラル状に巻回したスパイラル層2Bとを有する補強糸層2であることが好ましい。このような2層構造の補強糸層2であれば、十分な耐圧性、耐久性を得ることができる。
【0050】
また、補強糸層2の形成に当っては、必要に応じて接着層を介在させても良い。接着層を設けることにより、補強糸層2の位置ずれ等を防止してホースの品質安定性を高めることができる。
【0051】
この補強糸層2上に外被ゴム3を形成する方法としては特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、公知の押出成形機を用いて、前記補強糸層2上に被覆形成することができる。
【0052】
外被ゴム3の厚みは、成型ホースの用途によっても異なるが、通常0.5〜2.5mm、好ましくは0.8〜2.0mmである。
【0053】
本発明の成型ホースは、例えば、内管ゴム、補強糸層及び外被ゴムを形成して得られた未加硫ホースに、予め所定形状に成型された成型マンドレルを差し込み、これをオーブンに入れ、非加圧条件下に熱風加熱してゴムを加硫すると共に各層間を接着して製造される。
【実施例】
【0054】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り何ら以下の実施例に限定されるものではない。
【0055】
実施例1、比較例1
常法により、内管ゴムの外周面に補強糸層を形成したものに、更に押出成形機を用いて外被ゴムを形成して作製した未加硫ホースに、図2に示す成型マンドレル20を差し込み、これをオーブン中で150℃で60分間非加圧下に加熱することにより加硫して成型オイルクーラーホース(内径9mm)を作製した。
【0056】
成型オイルクーラーホースの各部の材料及び寸法は次の通りである。
内管ゴムの材料:AEM系ゴム組成物(DUPONT社製「VAMAC」)
内管ゴムの厚さ:1.85mm
補強糸層:1100dtex/1で撚り回数7回/10cmの補強糸を打ち込み本数
14本でスパイラル状に巻き付けたスパイラル層と、同様に1100dt
ex/1で撚り回数7回/10cmの補強糸を打ち込み本数14本で逆方
向にスパイラル状に巻き付けたスパイラル層との2層構造。補強糸の材料
は表1に示す通り。
外被ゴムの材料:AEM系ゴム組成物(DUPONT社製「VAMAC」)
外被ゴムの厚さ:1.60mm
【0057】
得られたオイルクーラーホースについて、内面ベア発生率及び発泡発生率を調べ、結果を表1に示した。なお、内面ベア発生率は成型ホース生産1000本に対する内面ベア発生したホースの本数の割合であり、発泡発生率は同じくホース生産1000本に対するゴム部に発泡が発生したホースの本数の割合である。
【0058】
【表1】


【0059】
表1より明らかなように、ポリケトン繊維を用いて補強糸層を形成することにより、加硫時にポリケトン繊維の熱収縮で未加硫ホースに十分な加圧力を付与して、内面ベア、発泡の少ない高品質の成型ホースを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の成型ホースの実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】実施例1及び比較例1で用いた成型マンドレルの形状を示す平面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 内管ゴム
2 補強糸層
2A,2B スパイラル層
3 外被ゴム
10 成型ホース
20 成型マンドレル




 

 


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