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発明の名称 補強層の製造方法及び空気のうの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−50537(P2007−50537A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−235394(P2005−235394)
出願日 平成17年8月15日(2005.8.15)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 吉川 正人
要約 課題
第1帯状補強部材11aをクラウン部37の周面に貼付ける作業を短時間で効率よく行うこと。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうの構成要素の1つである環状の補強層を、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材によって製造するための補強層の製造方法において、
前記空気のうの外周面に近似しかつ離型処理を施した周面を有する硬質の成型ドラムを用い、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材の始端部を前記成型ドラムの周面に対して仮止めする始端部仮止め工程と、
前記始端部仮止め工程が終了した後に、前記成型ドラムの周面に前記帯状補強部材を周方向へ沿って一周分貼付ける帯状補強部材貼付け工程と、
前記帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付ける帯状補強部材重ね貼工程と、
前記帯状補強部材重ね貼り工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから離型する補強層離型工程と、
を具備したことを特徴とする補強層の製造方法。
【請求項2】
前記帯状補強部材貼付け工程中に、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に対して部分的に仮止めしつつ、前記成型ドラムの周面に周方向へ沿って一周分貼付けることを特徴とする請求項1に記載の補強層の製造方法。
【請求項3】
前記帯状補強部材の始端部及び終端部が帯幅方向に対して傾斜してあって、
前記重ね貼工程中に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補強層の製造方法。
【請求項4】
タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうの構成要素の1つであって、トップ部と、このトップ部の両側に連続して形成された一対のスカート部とを有した環状の補強層を、ゴムと不織布の複合材料からなる幅広の第1帯状補強部材及び幅狭の第2帯状補強部材によって製造するための補強層の製造方法において、
前記空気のうの外周面に近似した周面を有したクラウン部と、このクラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部とを備えてあって、前記クラウン部の周面及び一対のスロープ部の周面に離型処理を施した硬質の成型ドラムを用い、前記クラウン部の周面又は前記第1帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記第1帯状補強部材の始端部を前記クラウン部の周面に対して仮止めする始端部仮止め工程と、
前記始端部仮止め工程が終了した後に、前記クラウン部の周面に前記第1帯状補強部材を周方向へ沿って一周分貼付ける第1帯状補強部材貼付け工程と、
前記第1帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、既に前記クラウン部の周面に貼付けた前記第1帯状補強部材上に前記第1帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、前記トップ部を成型する第1帯状補強部材重ね貼工程と、
前記第1帯状補強部材重ね貼工程が終了した後に、前記第2帯状補強部材を前記トップ部の周面を起点として一対の前記スロープ部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、一対の前記スカート部を成型する第2帯状補強部材貼付け工程と、
前記第2帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから離型する補強層離型工程と、
を具備したことを特徴とする補強層の製造方法。
【請求項5】
前記成型ドラムは、前記クラウン部及び一対の前記スロープ部の他に、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側にそれぞれ連続して形成されかつ前記空気のうの外径よりも小径になるように構成された一対のボトム部とを備え、一対のボトム部の周面に離型処理を施してあって、
前記第2帯状補強部材貼付け工程中に、前記第2帯状補強部材を前記トップ部の周面を起点として一方の前記スロープ部の周面から一方のボトム部の周面に亘って貼付けると共に、前記第2帯状補強部材を前記トップ部の周面を起点として他方の前記スロープ部の周面から他方のボトム部の周面に亘って貼付けることにより、一対の前記スカート部を成型することを特徴とする請求項4に記載の補強層の製造方法。
【請求項6】
前記第1帯状補強部材貼付け工程中に、前記クラウン部の周面又は前記第1帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記第1帯状補強部材を前記クラウン部の周面に対して部分的に仮止めしつつ、前記クラウン部の周面に周方向へ沿って一周分貼付けることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の補強層の製造方法。
【請求項7】
前記第1帯状補強部材の始端部及び終端部が帯幅方向に対して傾斜してあって、
前記第1帯状補強部材重ね貼工程中に、既に前記クラウン部の周面に貼付けた前記第1帯状補強部材上に前記第1帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、前記第1帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせつつ、前記トップ部を成型することを特徴とする請求項4から請求項6のうちのいずれかの請求項に記載の補強層の製造方法。
【請求項8】
タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうを製造するための空気のうの製造方法において、
ゴムを構成材料として用い、中空円環状のチューブを成型するチューブ成型工程と、
前記空気のうの外周面に近似しかつ離型処理を施した周面を有する硬質の成型ドラムを用い、前記成型ドラムの周面又はゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材の始端部を前記成型ドラムの周面に対して仮止めする始端部仮止め工程と、
前記始端部仮止め工程が終了した後に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に周方向へ沿って貼付ける帯状補強部材貼付け工程と、
前記帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、環状の前記補強層を成型する帯状補強部材重ね貼工程と、
前記帯状補強部材重ね貼り工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから離型する補強層離型工程と、
前記チューブ成型工程及び前記補強層離型工程が終了した後に、前記チューブを前記補強層の内側に挿入して、前記補強層を前記チューブに組付ける補強層組付け工程と、
具備したことを特徴とする空気のうの製造方法。
【請求項9】
前記補強層組付け工程が終了した後に、前記補強層に加硫処理を施すことにより、前記補強層の剛性を強化する補強層加硫工程と、
を具備したことを特徴とする請求項8に記載の空気のうの製造方法。
【請求項10】
前記帯状補強部材貼付け工程中に、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に対して部分的に仮止めしつつ、前記成型ドラムの周面に周方向へ沿って貼付けることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の空気のうの製造方法。
【請求項11】
前記帯状補強部材の始端部及び終端部が帯幅方向に対して傾斜してあって、
前記帯状補強部材重ね貼工程中に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、環状の前記補強層を成型する前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせつつ、環状の前記補強層を成型することを特徴とする請求項8から請求項10のうちのいずれかの請求項に記載の空気のうの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気のうの構成要素の1つである環状の補強層を製造するための補強層の製造方法、及び前記空気のうを製造するための空気のうの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タイヤ業界においては、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうについて、種々の開発が行われている。また、前記空気のうは、作動気体としての空気を充填可能な中空円環状のチューブの他に、このチューブに設けられた環状の補強層を具備しており、この補強層は、次のように、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材によって製造される。
【0003】
即ち、前記空気のうの外周面に近似しかつ離型処理を施した周面を有する硬質の成型ドラムを用い、この成型ドラムの周面に前記帯状補強部材を周方向へ沿って一周分貼付ける。更に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、環状の前記補強層を成型する。そして、前記補強層を前記成型ドラムから離型することにより、前記補強層の製造が終了する。
【0004】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1に示すものがある。
【特許文献1】WO2002/096678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記補強層を前記成型ドラムから容易に離型できるようにするためには、前述のように、前記成型ドラムの周面に離型処理を施す必要がある。
【0006】
一方、前記成型ドラムの周面に離型処理を施すと、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に貼付ける際(重ねて貼付ける際も含む)に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材の位置ずれ(前記成型ドラムの周面に対する位置ずれ)が生じ易くなる。そのため、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に貼付ける作業(重ねて貼付ける作業を含む)に多くの時間がかかって、前記補強層を製造する場合、換言すれば、前記空気のうを製造する場合における作業能率が低下するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、前述の問題を解決するため、前記成型ドラムの周面に離型処理を施しても、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に貼付ける際に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材の位置ずれを十分に抑えることができる、新規な構成の補強層の製造方法を提供することを第1の目的とし、更に、新規な補強層の製造方法と共通の主要部を有した新規な空気のうの製造方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴は、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうの構成要素の1つである環状の補強層を、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材によって製造するための補強層の製造方法において、前記空気のうの外周面に近似しかつ離型処理を施した周面を有する硬質の成型ドラムを用い、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材の始端部を前記成型ドラムの周面に対して仮止めする始端部仮止め工程と、前記始端部仮止め工程が終了した後に、前記成型ドラムの周面に前記帯状補強部材を周方向へ沿って一周分貼付ける帯状補強部材貼付け工程と、前記帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付ける帯状補強部材重ね貼工程と、前記帯状補強部材重ね貼り工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから離型する補強層離型工程と、を具備したことである。
【0009】
ここで、粘着性物質は、シート状、ペースト状、又はゲル状であるか否かは問わない。
【0010】
第1の特徴によると、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材の始端部を前記成型ドラムの周面に対して仮止めしているため、前記成型ドラムの周面に離型処理を施しても、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に貼付ける際(重ねて貼付ける際も含む)に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材の位置ずれ(前記成型ドラムの周面に対する位置ずれ)を十分に抑えることができる。
【0011】
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、前記帯状補強部材貼付け工程中に、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に対して部分的に仮止めしつつ、前記成型ドラムの周面に周方向へ沿って一周分貼付けることである。
【0012】
第2の特徴によると、前記帯状補強部材貼付け工程中に、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に対して部分的に仮止めしているため、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材の位置ずれを十分かつ確実に抑えることができる。
【0013】
本発明の第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に加えて、前記帯状補強部材の始端部及び終端部が帯幅方向に対して傾斜してあって、前記重ね貼工程中に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせることである。
【0014】
ここで、前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせるとは、前記帯状補強部材の始端部と終端部を直接的にラップさせることの他に、前記帯状補強部材の中間部を介して間接的にラップさせることを含む意である。
【0015】
第3の特徴によると、前記帯幅方向に対して傾斜した前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせているため、前記補強層の剛性を高めつつ、前記タイヤの内圧が急激に低下した際において、前記空気のうの拡張変形による前記補強層の応力集中を抑えることができる。
【0016】
本発明の第4の特徴は、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうの構成要素の1つであって、トップ部と、このトップ部の両側に連続して形成された一対のスカート部とを有した環状の補強層を、ゴムと不織布の複合材料からなる幅広の第1帯状補強部材及び幅狭の第2帯状補強部材によって製造するための補強層の製造方法において、前記空気のうの外周面に近似した周面を有するクラウン部と、このクラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部とを備えてあって、前記クラウン部の周面及び一対のスロープ部の周面に離型処理を施した硬質の成型ドラムを用い、前記クラウン部の周面又は前記第1帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記第1帯状補強部材の始端部を前記クラウン部の周面に対して仮止めする始端部仮止め工程と、前記始端部仮止め工程が終了した後に、前記クラウン部の周面に前記第1帯状補強部材を周方向へ沿って一周分貼付ける第1帯状補強部材貼付け工程と、前記第1帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、既に前記クラウン部の周面に貼付けた前記第1帯状補強部材上に前記第1帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、前記トップ部を成型する第1帯状補強部材重ね貼工程と、前記第1帯状補強部材重ね貼工程が終了した後に、前記第2帯状補強部材を前記トップ部の周面を起点として一対の前記スロープ部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、一対の前記スカート部を成型する第2帯状補強部材貼付け工程と、前記第2帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから離型する補強層離型工程と、を具備したことである。
【0017】
ここで、粘着性物質は、シート状、ペースト状、又はゲル状であるか否かは問わない。
【0018】
第4の特徴によると、前記クラウン部の周面又は前記第1帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記第1帯状補強部材の始端部を前記クラウン部の周面に対して仮止めしているため、前記成型ドラムの周面(前記クラウン部の周面及び一対のスロープ部の周面)に離型処理を施しても、前記第1帯状補強部材を前記クラウン部の周面に貼付ける際(重ねて貼付ける際も含む)に、既に前記クラウン部の周面に貼付けた前記第1帯状補強部材の位置ずれ(前記クラウン部の周面に対する位置ずれ)を十分に抑えることができる。
【0019】
本発明の第5の特徴は、第4の特徴に加えて、前記成型ドラムは、前記クラウン部及び一対の前記スロープ部の他に、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側にそれぞれ連続して形成されかつ前記空気のうの外径よりも小径になるように構成された一対のボトム部とを備え、一対のボトム部の周面に離型処理を施してあって、前記第2帯状補強部材貼付け工程中に、前記第2帯状補強部材を前記トップ部の周面を起点として一方の前記スロープ部の周面から一方のボトム部の周面に亘って貼付けると共に、前記第2帯状補強部材を前記トップ部の周面を起点として他方の前記スロープ部の周面から他方のボトム部の周面に亘って貼付けることにより、一対の前記スカート部を成型することである。
【0020】
本発明の第6の特徴は、第4の特徴又は第5の特徴に加えて、前記第1帯状補強部材貼付け工程中に、前記クラウン部の周面又は前記第1帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記第1帯状補強部材を前記クラウン部の周面に対して部分的に仮止めしつつ、前記クラウン部の周面に周方向へ沿って一周分貼付けることである。
【0021】
第6の特徴によると、前記クラウン部の周面又は前記第1帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記第1帯状補強部材を前記クラウン部の周面に対して部分的に仮止めしているため、既に前記クラウン部の周面に貼付けた前記第1帯状補強部材の位置ずれを十分かつ確実に抑えることができる。
【0022】
本発明の第7の特徴は、第4の特徴から第6の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記第1帯状補強部材の始端部及び終端部が帯幅方向に対して傾斜してあって、前記第1帯状補強部材重ね貼工程中に、既に前記クラウン部の周面に貼付けた前記第1帯状補強部材上に前記第1帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、前記第1帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせつつ、前記トップ部を成型することである。
【0023】
ここで、前記第1帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせるとは、前記第1帯状補強部材の始端部と終端部を直接的にラップさせることの他に、前記第1帯状補強部材の中間部を介して間接的にラップさせることを含む意である。
【0024】
第7の特徴によると、前記帯幅方向に対して傾斜した前記第1帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせているため、前記補強層の剛性を高めつつ、前記タイヤの内圧が急激に低下した際において、前記空気のうの拡張変形による前記補強層の応力集中を抑えることができる。
【0025】
本発明の第8の特徴は、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうを製造するための空気のうの製造方法において、ゴムによって中空円環状のチューブを成型するチューブ成型工程と、前記空気のうの外周面に近似しかつ離型処理を施した周面を有する硬質の成型ドラムを用い、前記成型ドラムの周面又はゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材の始端部を前記成型ドラムの周面に対して仮止めする始端部仮止め工程と、前記始端部仮止め工程が終了した後に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に周方向へ沿って貼付ける帯状補強部材貼付け工程と、前記帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、環状の前記補強層を成型する帯状補強部材重ね貼工程と、前記帯状補強部材重ね貼り工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから離型する補強層離型工程と、前記チューブ成型工程及び前記補強層離型工程が終了した後に、前記チューブを前記補強層の内側に挿入して、前記補強層を前記チューブに組付ける補強層組付け工程と、具備したことである。
【0026】
ここで、粘着性物質は、シート状、ペースト状、又はゲル状であるか否かは問わない。
【0027】
第8の特徴によると、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材の始端部を前記成型ドラムの周面に対して仮止めしているため、前記成型ドラムの周面に離型処理を施しても、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に貼付ける際(重ねて貼付ける際も含む)に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材の位置ずれ(前記成型ドラムの周面に対する位置ずれ)を十分に抑えることができる。
【0028】
本発明の第9の特徴は、第8の特徴に加えて、前記補強層組付け工程が終了した後に、前記補強層に加硫処理を施すことにより、前記補強層の剛性を強化する補強層加硫工程と、を具備したことである。
【0029】
本発明の第10の特徴は、第8の特徴又は第9の特徴に加えて、前記貼付け工程中に、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に対して部分的に仮止めしつつ、前記成型ドラムの周面に周方向へ沿って貼付けることである。
【0030】
第10の特徴によると、前記帯状補強部材貼付け工程中に、前記成型ドラムの周面又は前記帯状補強部材の始端部の裏面に付けた粘着性物質によって前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に対して部分的に仮止めしているため、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材の位置ずれを十分かつ確実に抑えることができる。
【0031】
本発明の第11の特徴は、第8の特徴から第10の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記帯状補強部材の始端部及び終端部が帯幅方向に対して傾斜してあって、前記帯状補強部材重ね貼工程中に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材上に前記帯状補強部材を周方向へ沿って重ねて貼付けることにより、前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせつつ、環状の前記補強層を成型することである。
【0032】
ここで、前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせるとは、前記帯状補強部材の始端部と終端部を直接的にラップさせることの他に、前記帯状補強部材の中間部を介して間接的にラップさせることを含む意である。
【0033】
第11の特徴によると、前記帯幅方向に対して傾斜した前記帯状補強部材の始端部と終端部をラップさせているため、前記補強層の剛性を高めつつ、前記タイヤの内圧が急激に低下した際において、前記空気のうの拡張変形による前記補強層の応力集中を抑えることができる。
【発明の効果】
【0034】
請求項1から請求項11のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記成型ドラムの周面に離型処理を施しても、前記帯状補強部材(前記第1帯状補強部材)を前記成型ドラムの周面に貼付ける際に、既に前記成型ドラムの周面に貼付けた前記帯状補強部材の位置ずれを十分に抑えることができるため、前記帯状補強部材を前記成型ドラムの周面に貼付ける作業(重ねて貼付ける作業を含む)を短時間で効率よく行うことができ、前記補強層を製造する場合、換言すれば、前記空気のうを製造する場合における作業能率の向上を図ることができる。
【0035】
請求項3、請求項7、又は請求項11のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記補強層の剛性を高めつつ、前記タイヤの内圧が急激に低下した際において、前記空気のうの拡張変形による前記補強層の応力集中を抑えることができるため、前記空気のうの品質の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施形態について図1から図12を参照して説明する。
【0037】
ここで、図1は、本発明の実施形態に係わるタイヤに収容された状態の空気のうの部分断面図であって、図2は、本発明の実施形態に係わる空気のうの斜視図であって、図3及び図4は、本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な斜視図であって、図5は、本発明の実施形態に係わる加硫金型装置の断面図であって、図6から図12は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法を説明する図である。
【0038】
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係わる空気のう1は、タイヤ3内に収容された状態でリム5に組付けられるものであって、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下した際にタイヤ3に代わって車両荷重を支持するものである。
【0039】
空気のう1は、作動気体としての空気を充填可能な中空円環状の空気のチューブ7を具備しており、このチューブ7は、天然ゴム,プチルゴム等のゴムからなるものである。また、チューブ7に充填された空気の圧力は、タイヤ3の内部に充填された空気の圧力以上になっている。なお、空気のう1に充填される作動気体には、窒素ガス等の空気以外の作動気体も含まれる。
【0040】
チューブ7には、加硫処理を施した補強体9が設けられており、この補強体9は、チューブ7全体を覆うように構成されている。また。補強体9は、チューブ7に設けられた補強層11と、この補強層11に一体に接合された外皮層13と、補強層11と外皮層13との間に介在した一対の補強ビード15とからなる。
【0041】
ここで、補強層11は、例えばポリアミド不織布,ポリエステル不織布,カーボン不織布,レーヨン不織布,ガラス不織布等の不織布と例えば天然ゴム,プチルゴム等のゴムの複合材料からなる幅広の第1帯状補強部材11a及び幅狭の第2帯状補強部材11bによって成型されるものであって、チューブ7に組付けられる前の補強層11は、トップ部11TDと、このトップ部11TDの両側に連続して形成された一対のスカート部11SDとを有している(図9参照)。また、外皮層13は、例えば天然ゴム,プチルゴム等のゴムからなる帯状外皮部材13aによって成型されるものであって、補強ビード15は、例えば天然ゴム,プチルゴム等のゴムからなる帯状ビード部材15aによって構成されるものである。
【0042】
更に、外皮層13の内周面には、リム5の外周面に接触可能な複数の第1リッジ17が形成されており、外皮層13の内寄りの肩面には、タイヤ3におけるビードフィラ19に接触可能な複数の第2リッジ21が形成されている。
【0043】
従って、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下すると、空気のう1が拡張変形して、タイヤ3の内周面に密着する。これによって、タイヤ3に代わって、空気のう1により車両荷重を支持することができる。
【0044】
一方、通常の走行中においては、補強体9における補強層11によってチューブ7の剛性(換言すれば、空気のう1の剛性)を高めつつ、遠心力による空気のう1の拡張を抑えることができる。これによって、空気のう1とタイヤ3との擦り合いによる空気のう1及びタイヤ3の損傷をなくすことができる。
【0045】
また、複数の第1リッジ17によって空気のう1の内周面とリム5の外周面との間、複数の第2リッジ21によって空気のう1の内寄りの肩面とビードフィラ19との間に、空気が通過可能な間隙(通路)を形成することができ、タイヤ3内における空気の循環を高めることができる。これによって、リム5による放熱作用を十分に発揮させて、タイヤ3内における空気の温度上昇又は温度のばらつきを抑えることができる。
【0046】
図3及び図4に示すように、本発明の実施形態に係わる補強体成型装置23は、環状の補強体9を成型する際に用いられる装置であって、成型装置本体25を具備している。また、成型装置本体25には、軸受部材27が設けられており、この軸受部材27には、ドラム回転軸29がドラム軸心(ドラム回転軸29の軸心)Cを中心として回転可能に設けられている。そして、成型装置本体25における軸受部材27の近傍には、ドラム回転軸29を回転させる回転モータ31が設けられており、この回転モータ31の出力軸33は、ドラム回転軸29に連動連結されている。
【0047】
ドラム回転軸29には、硬質の成型ドラム35が設けられており、この成型ドラム35は、ドラム軸心Cを中心としてドラム回転軸29と一体的に回転可能であって、成型ドラム35の構成の詳細は、次のようになる。
【0048】
即ち、成型ドラム35は、クラウン部37を備えており、このクラウン部37は、空気のう1の外周面に近似した外周面を有している。また、クラウン部37の両側には、スロープ部39がそれぞれ連続して形成されており、一対のスロープ部39は、クラウン部37から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成されている。更に、一方のスロープ部39の一側及び他方のスロープ部39の他側には、ボトム部41がそれぞれ連続して形成されており、一対のボトム部41は、空気のう1の外径よりも小径になるようにそれぞれ構成されている。そして、クラウン部37の周面、一対のスロープ部39の周面、及び一対のボトム部41の周面は、例えばブラスト処理等の離型処理がそれぞれ施されている。
【0049】
また、成型ドラム35は、8つの分割ドラム35Sにセグメント化されており、8つの分割ドラム35Sは、適宜の手段によって成型ドラム35のドラム径方向へ拡縮移動(拡張移動・収縮移動)できるようにそれぞれ構成されている。なお、8つの分割ドラム35Sをドラム径方向へ収縮移動させる場合には、まず、4つの分割ドラム(1つ間隔置きの分割ドラム)35Sをドラム径方向へ収縮移動させて、次に、残りの4つの分割ドラム35Sをドラム径方向へ収縮移動させるようになっている。
【0050】
なお、本発明の実施形態にあっては、成型ドラム35は、前述のように、クラウン部37、一対のスロープ部39、及び一対のボトム部41を備えているが、一対のボトム部41を省略しても差し支えない。
【0051】
図5に示すように、本発明の実施形態に係わる加硫金型装置43は、上下に対向した円板状のトップ金型45と円板状のアンダー金型47を備えており、トップ金型45は、適宜の手段によってそれぞれ上下方向へ移動可能である。また、トップ金型45とアンダー金型47の間には、環状のアウター金型49が設けられており、このアウター金型49は、複数の分割アウター金型49Sにセグメント化されてあって、複数の分割アウター金型49Sは、適宜の手段によって加硫金型装置43の金型径方向へ拡縮移動(拡張移動・収縮移動)できるようになっている。更に、トップ金型45とアンダー金型47の間におけるアウター金型49の内側には、環状のインナー金型51が設けられており、このインナー金型51は、複数の分割インナー金型51Sにセグメント化されてあって、複数の分割インナー金型51Sは、適宜の手段によって金型径方向へ拡縮移動(拡張移動・収縮移動)できるようになっている。
【0052】
そして、トップ金型45、アンダー金型47、アウター金型49、及びインナー金型51によって、補強体9を組付けたチューブ7を収容する収容空間43Vが形成されるようになっており、インナー金型51における収容空間43Vを形成する部位には、第1リッジ17に対応する複数の第1凹部53、及び第2リッジ21に対応する複数の第2凹部55が形成されている。
【0053】
なお、トップ金型45、アンダー金型47、アウター金型49、及びインナー金型51は、ヒータ57をそれぞれ内蔵している。
【0054】
次に、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法について図6から図11を参照して説明する。
【0055】
本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法は、空気のう1を製造するための方法であって、次のように、(i)チューブ成型工程、(ii)始端部貼付け工程、(iii)第1帯状補強部材貼付け工程、(iv)第1帯状補強部材重ね貼り工程、(v)第2帯状補強部材貼付け工程、(vi)帯状外皮部材貼付け工程、(vii)補強体離型工程(換言すれば、補強層離型工程)、(viii)補強体組付け工程(換言すれば、補強層組付け工程)、(ix)補強体加硫工程(換言すれば、補強層加硫工程)を具備している。
【0056】
(i) チューブ成型工程
図6(a)に示すように、ゴムを構成材料として用い、押出成型機(図示省略)によって中空棒状の半チューブ7’を成型する。そして、図6(b)に示すように、半チューブ7’の一端部と他端部を接合して、中空円環状のチューブ7を形成する。更に、チューブ7に加硫処理又は半加硫処理を施すことにより、チューブ7の剛性を強化する。
【0057】
(ii) 始端部貼付け工程
前記(i)チューブ成型工程が終了した後に、図7(a)に示すように、クラウン部37の周面に付けた粘着性物質59によって幅広の第1帯状補強部材11aの始端部をクラウン部37の周面に対して仮止めする。
【0058】
ここで、粘着性物質59には、例えば加硫接着剤が含まれ、粘着性物質59は、シート状、ゲル状、又はペースト状であるか否かは問わない。なお、粘着性物質59は、クラウン部37の周面に付ける代わりに、第1帯状補強部材11aの始端部の裏面に付けても差し支えない。また、第1帯状補強部材11aの始端部は、帯幅方向に対して傾斜してある。
【0059】
(iii) 第1帯状補強部材貼付け工程
回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ(図3参照)、図7(a)(b)に示すように、幅広の第1帯状補強部材11aをクラウン部37の周面に周方向へ沿って一周分貼付ける。
【0060】
ここで、図12に示すように、クラウン部37の周面(又は第1帯状補強部材11aの始端部の裏面)に付けた粘着性物質59によって第1帯状補強部材11aをクラウン部37の周面に対して部分的に仮止めしつつ、クラウン部37の周面に周方向へ沿って一周分貼付けるようにしても差し支えない。
【0061】
(iv) 第1帯状補強部材重ね貼り工程
前記(iii)第1帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ(図3参照)、図8(a)(b)に示すように、既にクラウン部37の周面に貼付けた第1帯状補強部材11a上に第1帯状補強部材11aを周方向へ沿って重ねて貼付ける。これにより、第1帯状補強部材11aの始端部と終端部を(第1帯状補強部材の中間部を介して間接的に)ラップさせつつ、トップ部11TDを成型することができる。
【0062】
ここで、第1帯状補強部材11aの終端部は、第1帯状補強部材11aの始端部と同様に、帯幅方向に対して傾斜してある。
【0063】
(v) 第2帯状補強部材貼付け工程
前記第1帯状補強部材重ね貼り工程が終了した後に、回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、図9(a)に示すように、幅狭の第2帯状補強部材11bをトップ部11TDの周面を起点として一方のスロープ部39の周面から一方のボトム部41の周面に亘って貼付けると共に、第2帯状補強部材11bをトップ部11TDの周面を起点として他方のスロープ部39の周面から他方のボトム部41の周面に亘って貼付ける。これにより、一対のスカート部11SD、換言すれば、環状の補強層11を成型することができる。
【0064】
更に、回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、帯状ビード部材15aを補強層11の両縁部の近傍に二重に貼付けることにより、一対の補強ビード15を形成する。
【0065】
(vi) 帯状外皮部材貼付け工程
前記(v)第2帯状補強部材貼付け工程が終了した後に、回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ(図3参照)、図9(b)に示すように、帯状外皮部材13aを補強層11の表面全体に周方向へ沿って貼付ける。これにより、外皮層13を成型することができ、換言すれば、環状の補強体9を成型することができる。
【0066】
(vii) 補強体離型工程(補強層離型工程)
前記(vi)帯状外皮部材貼付け工程が終了した後に、8つの分割ドラム35Sをドラム径方向へ収縮移動させることにより(図4参照)、図9(c)に示すように、環状の補強体9を成型ドラム35から離型する。
【0067】
(viii) 補強体組付け工程(補強層組付け工程)
前記(i)チューブ成型工程及び前記(vii)補強体離型工程が終了した後に、図10(a)に示すように、チューブ7を補強体9の内側に挿入する。そして、図10(b)に示すように、補強体9によってチューブ7全体を覆いつつ、チューブ7の内周面側で補強体9の一縁部と他縁部をオーバーラップさせる。これにより、補強体9をチューブ7に組付けることができる。
【0068】
(ix) 補強体加硫工程(補強層加硫工程)
前記(viii)補強体組付け工程が終了した後に、図11に示すように、加硫金型装置43における収容空間43Vに補強体9を組付けたチューブ7を収容する。そして、予め形成した適宜の貫通穴(図示省略)からチューブ7の内部を加圧しつつ、補強体9に加硫処理を施す。これにより、外皮層13の内周面に複数の第1リッジ17、外皮層13の内寄りの肩面に複数の第2リッジ21をそれぞれ形成しつつ、補強体9の剛性を強化することができる。
【0069】
更に、トップ金型45を上方向へ移動させつつ、複数の分割アウター金型49Sを金型径方向へ拡張移動させると共に、複数の分割インナー金型51Sを金型径方向へ収縮移動させることにより、空気のう1を加硫金型装置43から取出すことができる。
【0070】
以上により、空気のう1の製造が終了する。
【0071】
なお、前記(ii)始端部貼付け工程、前記(iii)第1帯状補強部材貼付け工程、前記(iv)第1帯状補強部材重ね貼り工程、前記(v)第2帯状補強部材貼付け工程、前記(vii)補強体離型工程(補強層離型工程)を具備することによって、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法の一部を、環状の補強層11を製造するための補給層の製造方法として捉えることができる。
【0072】
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0073】
クラウン部37の周面(又は第1帯状補強部材11aの始端部の裏面)に付けた粘着性物質59によって第1帯状補強部材11aの始端部をクラウン部37の周面に対して仮止めしているため、成型ドラム35の周面(クラウン部37の周面、一対のスロープ部39の周面、及び一対のボトム部41の周面)に離型処理を施しても、第1帯状補強部材11aをクラウン部37の周面に貼付ける際(重ねて貼付ける際も含む)に、既にクラウン部37の周面に貼付けた第1帯状補強部材11aの位置ずれ(クラウン部37の周面に対する位置ずれ)を十分に抑えることができる。特に、図12に示すように、前記(iii)第1帯状補強部材貼付け工程中に、クラウン部37の周面(又は第1帯状補強部材11aの始端部の裏面)に付けた粘着性物質59によって第1帯状補強部材11aをクラウン部37の周面に対して部分的に仮止めした場合には、既にクラウン部37の周面に貼付けた第1帯状補強部材11aの位置ずれを十分かつ確実に抑えることができる。
【0074】
また、前記帯幅方向に対して傾斜した第1帯状補強部材11aの始端部と終端部をラップさせているため、補強層11の剛性を高めつつ、タイヤ3の内圧が急激に低下した際において、空気のう1の拡張変形による補強層11の応力集中を抑えることができる。
【0075】
以上如き、本発明の実施形態によれば、成型ドラム35の周面に離型処理を施しても、第1帯状補強部材11aをクラウン部37の周面に貼付ける際に、既にクラウン部37の周面に貼付けた記第1帯状補強部材11aの位置ずれを十分に抑えることができるため、第1帯状補強部材11aをクラウン部37の周面に貼付ける作業(重ねて貼付ける作業を含む)を短時間で効率よく行うことができ、補強層11を製造する場合、換言すれば、空気のう1を製造する場合における作業能率の向上を図ることができる。
【0076】
また、補強層11の剛性を高めつつ、タイヤ3の内圧が急激に低下した際において、空気のう1の拡張変形による補強層11の応力集中を抑えることができるため、空気のう1の品質の向上を図ることができる。
【0077】
なお、本発明は、前述の実施形態の他に、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係わるタイヤに収容された状態の空気のうの部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる空気のうの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な斜視図であって、分割ドラムがドラム径方向へ移動する状態を示している。
【図5】本発明の実施形態に係わる加硫金型装置の断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法におけるチューブ成型工程を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における始端部仮止め工程及び第1帯状補強部材貼付け工程を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における第1帯状補強部材重ね貼り工程を説明する図である。
【図9】図9(a)は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における第2帯状補強部材貼付け工程を説明する図であって、図9(b)は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における帯状外皮部材貼付け工程を説明する図であって、図9(c)は、本発明の実施形態に係わる補強体離型工程を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における補強体組付け工程を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における補強体加硫工程を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における第1補強部材貼付け工程の別態様を説明する図である。
【符号の説明】
【0079】
1 空気のう
3 タイヤ
7 チューブ
9 補強体
11 補強層
11SD スカート部
11TD トップ部
11a 第1帯状補強部材
11b 第2帯状補強部材
13 外皮層
13a 帯状外皮部材
35 成型ドラム
35S 分割ドラム
37 クラウン部
39 スロープ部
41 ボトム部
59 粘着性物質




 

 


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