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発明の名称 空気のうの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−45077(P2007−45077A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−233645(P2005−233645)
出願日 平成17年8月11日(2005.8.11)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 藤原 裕之
要約 課題
補強体9によってチューブ7全体を覆う形式の空気のう1を製造する場合であっても、製品不良を極力少なくすること。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうを製造するための空気のうの製造方法において、
ゴムを構成材料として用いて、作動気体を充填可能な中空円環状のチューブを成型するチューブ成型工程と、
ゴムと不織布の複合材料を構成材料として用いて、環状の補強体を成型する補強体成型工程と、
前記チューブ成型工程及び前記補強体成型工程が終了した後に、前記チューブを前記補強体の内側に挿入して、前記補強体によって前記チューブ全体を覆いつつ、前記チューブの内周面側で前記補強体の一縁部と他縁部をオーバーラップさせることにより、前記補強体を前記チューブに組付ける補強体組付け工程と、
前記補強体組付け工程が終了した後に、負圧発生源に接続した空気針を用い、前記補強体に形成した貫通穴に前記空気針を挿入して、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引する空気吸引工程と、
前記空気吸引工程が終了した後に、前記補強体に加硫処理を施すことにより、前記補強体の剛性を強化する補強体強化工程と、
を具備したことを特徴とする空気のうの製造方法。
【請求項2】
前記空気吸引工程中に、前記チューブ内に微圧の作動気体を供給しつつ、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引することを特徴とする請求項1に記載の空気のうの製造方法。
【請求項3】
前記空気吸引工程中に、前記空気のうの内径と略同じ外径を有する硬質の支持ドラムを用い、前記支持ドラムによって前記チューブを内側から支持した状態の下で、前記チューブ内に微圧の作動気体を供給しつつ、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引することを特徴とする請求項1に記載の空気のうの製造方法。
【請求項4】
前記補強体成型工程は、
前記空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、このクラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部とを備えた硬質の成型ドラムを用いて、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材を前記ドラムの前記クラウン部の外周面全体及び一対の前記スロープ部の外周面に貼付けることにより、環状の補強層を成型する補強層成型工程と、
前記補強層成型工程が終了した後に、ゴムからなる帯状外皮部材を前記補強層の表面全体に貼付けることにより、外皮層を成型する外皮層成型工程と、に分かれていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の空気のうの製造方法。
【請求項5】
前記補強体成型工程は、
前記空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、このクラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部と、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側にそれぞれ連続して形成されかつ前記空気のうの外径よりも小径になるように構成された一対のボトム部とを備えた硬質の成型ドラムを用いて、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材を前記ドラムの前記クラウン部の外周面全体、一対の前記スロープ部の外周面全体、及び一対の前記ボトム部の外周面に貼付けることにより、環状の補強層を成型する補強層成型工程と、
前記補強層成型工程が終了した後に、ゴムからなる帯状外皮部材を前記補強層の表面全体に貼付けることにより、外皮層を成型する外皮層成型工程と、に分かれていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の空気のうの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうを製造するための空気のうの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タイヤ業界においては、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうについて、種々の開発が行われている。また、前記空気のうは、作動気体としての空気を充填可能な中空円環状のチューブと、このチューブに設けられかつ加硫処理を施した補強体とを具備しており、次のように製造される(特許文献1参照)。
【0003】
即ち、ゴムを構成材料として用いて、押出成型機によって中空棒状の半チューブを成型し、この半チューブの一端部と他端部を接合して、中空円環状のチューブに形成する。また、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材等によって環状の補強体を成型する。そして、前記チューブを前記補強体の内側に挿入して、前記補強体によって前記チューブの外周部を覆いつつ、前記補強体を前記チューブに組付ける。更に、前記補強体に加硫処理を施すことにより、前記補強体の剛性を強化する。以上により、前記空気のうの製造が終了する。
【特許文献1】WO2002/096678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記空気のう全体の剛性を高めたり、前記空気のうの内周側にリッジを形成したりする等の理由により、前記補強体によって前記チューブ全体を覆うことが必要な場合がある。換言すれば、前記補強体を前記チューブに組付ける際に、前記補強体によって前記チューブ全体を覆いつつ、前記チューブの内周面側で前記補強体の一縁部と他縁部をオーバーラップさせることが必要な場合ある。
【0005】
一方、前記チューブの内周面側で前記補強体の一縁部と他縁部をオーバーラップさせて、前記補強体を前記チューブに組付けると、前記チューブと前記補強体との間に多量の空気が残留してしまう。そのため、前記補強体によって前記チューブ全体を覆う形式の前記空気のうを製造する場合には、製品不良が生じ易くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、前述の従来の問題を解決するため、前記チューブの内周面側で前記補強体の一縁部と他縁部をオーバーラップさせて、前記補強体を前記チューブに組付けても、前記補強体に加硫処理を施す前に、前記チューブと前記補強体との間に残留した空気を十分に低減することができる、新規な構成の空気のうの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうを製造するための空気のうの製造方法において、ゴムを構成材料として用いて、作動気体を充填可能な中空円環状のチューブを成型するチューブ成型工程と、ゴムと不織布の複合材料を構成材料として用いて、環状の補強体を成型する補強体成型工程と、前記チューブ成型工程及び前記補強体成型工程が終了した後に、前記チューブを前記補強体の内側に挿入して、前記補強体によって前記チューブ全体を覆いつつ、前記チューブの内周面側で前記補強体の一縁部と他縁部をオーバーラップさせることにより、前記補強体を前記チューブに組付ける補強体組付け工程と、前記補強体組付け工程が終了した後に、負圧発生源に接続した空気針を用い、前記補強体に形成した貫通穴に前記空気針を挿入して、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引する空気吸引工程と、前記空気吸引工程が終了した後に、前記補強体に加硫処理を施すことにより、前記補強体の剛性を強化する補強体強化工程と、を具備したことである。
【0008】
なお、作動気体とは、主に空気のことをいうが、空気に限られるものではなく、窒素ガス等の空気以外の作動気体も含むものである。
【0009】
第1の特徴によると、前記補強体組付け工程が終了した後に、前記補強体の前記貫通穴に前記空気針を挿入して、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引しているため、前記チューブの内周面側で前記補強体の一縁部と他縁部をオーバーラップさせて、前記補強体を前記チューブに組付けても、前記補強体に加硫処理を施す前に、前記チューブと前記補強体との間に残留した空気を十分に低減することができる。
【0010】
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、前記空気吸引工程中に、前記チューブ内に微圧の作動気体を供給しつつ、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引することである。
【0011】
第2の特徴によると、前記空気吸引工程中に、前記チューブ内に微圧の作動気体を供給しつつ、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引するため、前記チューブと前記補強体を圧着(擬似接着)させて、前記空気針による空気の吸引後であって前記補強体に加硫処理を施す前に、前記貫通穴から前記チューブと前記補強体との間に空気が進入することを抑えることができる。
【0012】
本発明の第3の特徴は、第1の特徴に加えて、前記空気吸引工程中に、前記空気のうの内径と略同じ内径を有する硬質の支持ドラムを用い、前記支持ドラムによって前記チューブを内側から支持した状態の下で、前記チューブ内に微圧の作動気体を供給しつつ、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引することである。
【0013】
第3の特徴によると、前記空気吸引工程中に、前記支持ドラムによって前記チューブを内側から支持した状態の下で、前記チューブ内に微圧の作動気体を供給しつつ、前記空気針から前記チューブと前記補強体の間の空気を吸引するため、前記チューブが内側径方向へ移動することを防止することができると共に、前記チューブと前記補強体を圧着(擬似接着)させて、前記空気針による空気の吸引後であって前記補強体に加硫処理を施す前に、前記貫通穴から前記チューブと前記補強体との間に空気が進入することを抑えることができる。
【0014】
本発明の第4の特徴は、第1の特徴から第3の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記補強体成型工程は、前記空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、このクラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部とを備えた硬質の成型ドラムを用いて、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材を前記ドラムの前記クラウン部の外周面全体及び一対の前記スロープ部の外周面に貼付けることにより、環状の補強層を成型する補強層成型工程と、前記補強層成型工程が終了した後に、ゴムからなる帯状外皮部材を前記補強層の表面全体に貼付けることにより、外皮層を成型する外皮層成型工程と、に分かれていることである。
【0015】
本発明の第5の特徴は、第1の特徴から第3の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記補強体成型工程は、前記空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、このクラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部と、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側にそれぞれ連続して形成されかつ前記空気のうの外径よりも小径になるように構成された一対のボトム部とを備えた硬質の成型ドラムを用いて、ゴムと不織布の複合材料からなる帯状補強部材を前記ドラムの前記クラウン部の外周面全体、一対の前記スロープ部の外周面全体、及び一対の前記ボトム部の外周面に貼付けることにより、環状の補強層を成型する補強層成型工程と、前記補強層成型工程が終了した後に、ゴムからなる帯状外皮部材を前記補強層の表面全体に貼付けることにより、外皮層を成型する外皮層成型工程と、に分かれていることである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1から請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記チューブの内周面側で前記補強体の一縁部と他縁部をオーバーラップさせて、前記補強体を前記チューブに組付けても、前記補強体に加硫処理を施す前に、前記チューブと前記補強体との間に残留した空気を十分に低減できるため、前記補強体によって前記チューブ全体を覆う形式の前記空気のうを製造する場合であっても、製品不良を極力少なくすることができる。特に、請求項2から請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記空気針による空気の吸引後であって前記補強体に加硫処理を施す前に、前記貫通穴から前記チューブと前記補強体との間に空気が進入することを抑えることができるため、前述の効果をより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態について図1から図10を参照して説明する。
【0018】
ここで、図1は、本発明の実施形態に係わる空気吸引装置を示す図であって、図2は、本発明の実施形態に係わるタイヤに収容された状態の空気のうの部分断面図であって、図3は、本発明の実施形態に係わる空気のうの斜視図であって、図4及び図5は、本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な斜視図であって、図6は、本発明の実施形態に係わる加硫金型装置の断面図であって、図7から図10は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法を説明する図である。
【0019】
図2及び図3に示すように、本発明の実施形態に係わる空気のう1は、タイヤ3内に収容された状態でリム5に組付けられるものであって、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下した際にタイヤ3に代わって車両荷重を支持するものである。
【0020】
空気のう1は、作動気体としての空気を充填可能な中空円環状の空気のチューブ7を具備しており、このチューブ7は、天然ゴム,ブチルゴム等のゴムからなるものである。また、チューブ7に充填された空気の圧力は、タイヤ3の内部に充填された空気の圧力以上になっている。なお、空気のう1に充填される作動気体には、窒素ガス等の空気以外の作動気体も含まれる。
【0021】
チューブ7には、加硫処理を施した補強体9が設けられており、この補強体9は、チューブ7全体を覆うように構成されている。また。補強体9は、チューブ7に設けられた補強層11と、この補強層11に一体に接合された外皮層13と、補強層11と外皮層13との間に介在した一対の補強ビード15とからなる。ここで、補強層11は、例えばポリアミド不織布,ポリエステル不織布,カーボン不織布,レーヨン不織布,ガラス不織布等の不織布と例えば天然ゴム,ブチルゴム等のゴムの複合材料からなる帯状補強部材11mによって成型されるものであって、外皮層13は、例えば天然ゴム,ブチルゴム等のゴムからなる帯状外皮部材13mによって成型されるものであって、補強ビード15は、例えば天然ゴム,ブチルゴム等のゴムからなる帯状ビード部材15mによって構成されるものである。更に、外皮層13の内周面には、リム5の外周面に接触可能な複数の第1リッジ17が形成されており、外皮層13の内寄りの肩面には、タイヤ3におけるビードフィラ19に接触可能な複数の第2リッジ21が形成されている。
【0022】
従って、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下すると、空気のう1が拡張変形して、タイヤ3の内周面に密着する。これによって、タイヤ3に代わって、空気のう1により車両荷重を支持することができる。
【0023】
一方、通常の走行中においては、補強体9によってチューブ7の剛性(換言すれば、空気のう1の剛性)を高めつつ、遠心力による空気のう1の拡張を抑えることができる。これによって、空気のう1とタイヤ3との擦り合いによる空気のう1及びタイヤ3の損傷をなくすことができる。
【0024】
また、複数の第1リッジ17によって空気のう1の内周面とリム5の外周面との間、複数の第2リッジ21によって空気のう1の内寄りの肩面とビードフィラ19との間に、空気が通過可能な間隙(通路)を形成することができ、タイヤ3内における空気の循環を高めることができる。これによって、リム5による放熱作用を十分に発揮させて、タイヤ3内における空気の温度上昇又は温度のばらつきを抑えることができる。
【0025】
図4及び図5に示すように、本発明の実施形態に係わる補強体成型装置23は、環状の補強体9を成型する際に用いられる装置であって、成型装置本体25を具備している。また、成型装置本体25には、軸受部材27が設けられており、この軸受部材27には、ドラム回転軸29がドラム軸心(ドラム回転軸29の軸心)Cを中心として回転可能に設けられている。そして、成型装置本体25における軸受部材27の近傍には、ドラム回転軸29を回転させる回転モータ31が設けられており、この回転モータ31の出力軸33は、ドラム回転軸29に連動連結されている。
【0026】
ドラム回転軸29には、硬質の成型ドラム35が設けられており、この成型ドラム35は、ドラム軸心Cを中心としてドラム回転軸29と一体的に回転可能であって、成型ドラム35の構成の詳細は、次のようになる。
【0027】
即ち、成型ドラム35は、クラウン部37を備えており、このクラウン部37は、空気のう1の外周面に近似した外周面を有している。また、クラウン部37の両側には、スロープ部39がそれぞれ連続して形成されており、一対のスロープ部39は、クラウン部37から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成されている。更に、一方のスロープ部39の一側及び他方のスロープ部39の他側には、ボトム部41がそれぞれ連続して形成されており、一対のボトム部41は、空気のう1の外径よりも小径になるようにそれぞれ構成されている。
【0028】
また、成型ドラム35は、8つの分割ドラム35Sにセグメント化されており、8つの分割ドラム35Sは、適宜の手段によって成型ドラム35のドラム径方向へ拡縮移動(拡張移動・収縮移動)できるようにそれぞれ構成されている。なお、8つの分割ドラム35Sをドラム径方向へ収縮移動させる場合には、まず、4つの分割ドラム(1つ間隔置きの分割ドラム)35Sをドラム径方向へ収縮移動させて、次に、残りの4つの分割ドラム35Sをドラム径方向へ収縮移動させるようになっている。
【0029】
なお、本発明の実施形態にあっては、成型ドラム35は、前述のように、クラウン部37、一対のスロープ部39、及び一対のボトム部41を備えているが、一対のボトム部41を省略しても差し支えない。
【0030】
図1に示すように、本発明の実施形態に係わる空気吸引装置43は、チューブ7と補強体9との間の空気を吸引する際に用いられる装置であって、支持フレーム45を具備している。また、支持フレーム45には、硬質の支持ドラム47が横向きに設けられおり、この支持ドラム47は、空気のう1の内径と略同じ外径を有している。なお、支持フレーム45に支持ドラム47が横向きに設けられる代わりに、別の支持フレームに支持ドラム47が縦向きに設けられるようにしても差し支えない。
【0031】
支持ドラム47の近傍には、空気ポンプ(空気供給源)49が配設されており、空気ポンプ49には、チューブ7内に微圧(本発明の実施形態にあっては、例えば0.05kg/cm2)の空気(作動気体の一例)を供給するためのバルブ51が配管53を介して接続されている。ここで、バルブ51は、支持ドラム47の所定位置に取付けられてあって、チューブ7の内部に連通したバルブ用接続管55(具体的には、チューブ7の内周面に一体に接合したバブルスパッドの接続管)に接続可能である。なお、バルブ用接続管55は、チューブ7内に空気を充填して空気のう1をリム5に組付ける際にも用いられる接続部である。
【0032】
支持ドラム47の近傍には、負圧ポンプ(負圧発生源)57が配設されており、この負圧ポンプ57には、空気を吸引可能な空気針59が配管61を介して接続されている。ここで、空気針59は、補強体9に形成された貫通穴63に挿入可能である。
【0033】
図6に示すように、本発明の実施形態に係わる加硫金型装置65は、上下に対向した円板状のトップ金型67と円板状のアンダー金型69を備えており、トップ金型67は、適宜の手段によってそれぞれ上下方向へ移動可能である。また、トップ金型67とアンダー金型69の間には、環状のアウター金型71が設けられており、このアウター金型71は、複数の分割アウター金型71Sにセグメント化されてあって、複数の分割アウター金型71Sは、適宜の手段によって加硫金型装置65の金型径方向へ拡縮移動(拡張移動・収縮移動)きるようになっている。更に、トップ金型67とアンダー金型69の間におけるアウター金型71の内側には、環状のインナー金型73が設けられており、このインナー金型73は、複数の分割インナー金型73Sにセグメント化されてあって、複数の分割インナー金型73Sは、適宜の手段によって金型径方向へ拡縮移動(拡張移動・収縮移動)できるようになっている。
【0034】
そして、トップ金型67、アンダー金型69、アウター金型71、及びインナー金型73によって、補強体9を組付けたチューブ7を収容する収容空間65Vが形成されるようになっており、インナー金型73における収容空間65Vを形成する部位には、第1リッジ17に対応する複数の第1凹部75、及び第2リッジ21に対応する複数の第2凹部77が形成されている。
【0035】
なお、トップ金型67、アンダー金型69、アウター金型71、及びインナー金型73は、ヒータ79をそれぞれ内蔵している。
【0036】
続いて、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法について主として図7から図10を参照して説明する。
【0037】
空気のうの製造方法は、空気のう1を製造するための方法であって、次のように、(i)チューブ成型工程、(ii)補強層成型工程、(iii)外皮層成型工程、(iv)補強体組付け工程、(v)空気吸引工程、(vi)補強体強化工程を具備している。
【0038】
(i) チューブ成型工程
図7(a)に示すように、ゴムを構成材料として用いて、押出成型機(図示省略)によって中空棒状の半チューブ7’を成型する。そして、図7(b)に示すように、半チューブ7’の一端部と他端部を接合して、中空円環状のチューブ7を形成する。
【0039】
更に、中空円環状のチューブ7に形成した後に、チューブ7に加硫処理又は半加硫処理を施すことにより、チューブ7の剛性を強化する。
【0040】
(ii) 補強層成型工程
回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ(図4参照)、図8(a)に示すように、幅広の帯状補強部材11mを成型ドラム35におけるクラウン部37の外周面に周方向に沿って重ねた状態で貼付ける(所謂重ね貼りをする)。次に、回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、図8(b)に示すように、幅狭の帯状補強部材11mを成型ドラム35における一対のスロープ部39の外周面から一対のボトム部41の外周面に亘って周方向へ沿って螺旋状に貼付ける。これにより、補強層11を成型することができる。
【0041】
更に、補強層11を成型した後に、図8(b)に示すように、帯状ビード部材15mを補強層11の両縁部の近傍に二重に貼付けることにより、一対の補強ビード15を形成する。
【0042】
(iii) 外皮層成型工程
前記(ii)補強層成型工程が終了した後に、回転モータ31の駆動により成型ドラム35をドラム軸心Cを中心として回転させつつ(図4参照)、図8(c)に示すように、帯状外皮部材13mを補強層11の表面全体に周方向に沿って貼付ける。これにより、外皮層13を成型することができ、換言すれば、環状の補強体9を成型することができる。
【0043】
更に、環状の補強体9を成型した後に、8つの分割ドラム35Sをドラム径方向へ収縮移動させることにより(図5参照)、環状の補強体9を成型ドラム35から取外す。
【0044】
(iv) 補強体組付け工程
前記(i)チューブ成型工程及び前記(iii)外皮層成型工程が終了した後に、図9(a)に示すように、チューブ7を補強体9の内側に挿入する。そして、図9(b)に示すように、補強体9によってチューブ7全体を覆いつつ、チューブ7の内周面側で補強体9の一縁部と他縁部をオーバーラップさせる。これにより、補強体9をチューブ7に組付けることができる。
【0045】
(v) 空気吸引工程
前記(iv)補強体組付け工程が終了した後に、図10(a)に示すように、予めキリ等の工具によって補強体9の外寄りの肩部に形成した貫通穴63に空気針59を挿入する。なお、補強体9をチューブ7に組付ける前に、貫通穴63を形成するものであって、貫通穴63を形成する箇所は、補強体9の外寄りの肩部に限られるものではなく、補強体9の一部であれば差し支えない。また、補強体9を組付けたチューブ7を支持ドラム47にセットする。そして、支持ドラム47によってチューブ7を内側から支持した状態の下で、空気ポンプ49の作動によりバルブ51からチューブ7内に微圧(本発明の実施形態にあっては、例えば0.05kg/cm2)の空気を供給しつつ、負圧ポンプ57の作動により空気針59からチューブ7と補強体9の間の空気を吸引する。
【0046】
更に、チューブ7と補強体9の間の空気を吸引した後に、補強体9を組付けたチューブ7を支持ドラム47から取外す。
【0047】
(vi) 補強体強化工程
前記(v)空気吸引工程補強層組付け工程終了した後に、図10(b)に示すように、加硫金型装置65における収容空間65Vに補強体9を組付けたチューブ7を収容する。そして、バルブ用接続管55から空気を供給することよりチューブ7の内部を加圧しつつ、補強体9に加硫処理を施す。これにより、外皮層13の内周面に複数の第1リッジ17、外皮層13の内寄りの肩面に複数の第2リッジ21をそれぞれ形成し、かつ貫通穴63を消去しつつ、補強体9の剛性を強化することができる。
【0048】
更に、補強体9の加熱処理を施した後に、トップ金型67を上方向へ移動させつつ、複数の分割アウター金型71Sを金型径方向へ拡張移動させると共に、複数の分割インナー金型73Sを金型径方向へ収縮移動させることにより、空気のう1を加硫金型装置65から取出す。
【0049】
以上により、空気のう1の製造が終了する。
【0050】
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0051】
前記(iv)補強体組付け工程が終了した後に、補強体9の貫通穴63に空気針59を挿入して、空気針59からチューブ7と補強体9の間の空気を吸引しているため、チューブ7の内周面側で補強体9の一縁部と他縁部をオーバーラップさせて、補強体9をチューブ7に組付けても、補強体9に加硫処理を施す前に、チューブ7と補強体9との間に残留した空気を十分に低減することができる。
【0052】
特に、前記(v)空気吸引工程中に、支持ドラム47によってチューブ7を内側から支持した状態の下で、チューブ7内に微圧の空気を供給しつつ、空気針59からチューブ7と補強体9の間の空気を吸引するため、チューブ7が内側径方向へ移動することを防止することができると共に、チューブ7と補強体9を圧着(擬似接着)させて、空気針59による空気の吸引後であって補強体9に加硫処理を施す前に、貫通穴63からチューブ7と補強体9との間に空気が進入することを抑えることができる。
【0053】
以上の如き、本発明の実施形態によれれば、チューブ7の内周面側で補強体9の一縁部と他縁部をオーバーラップさせて、補強体9をチューブ7に組付けても、補強体9に加硫処理を施す前に、チューブ7と補強体9との間に残留した空気を十分に低減できるため、補強体9によってチューブ7全体を覆う形式の空気のう1を製造する場合であっても、製品不良を極力少なくすることができる。特に、空気針59による空気の吸引後であって補強体9に加硫処理を施す前に、貫通穴63からチューブ7と補強体9との間に空気が進入することを抑えることができるため、前述の効果をより一層向上させることができる。
【0054】
なお、本発明は、前述の実施形態の他に、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【実施例】
【0055】
本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法によって空気のう1を製造した場合(実施例)における製品不良の発生率と、補強体9に加硫処理を施すことによってチューブ7と補強体9との間の空気を補強体9の多数の貫通穴(キリ穴)から排出して、空気のう1を製造した場合(比較例)における製品不良の発生率との関係をまとめると、表1に示すようになる。
【表1】


【0056】
即ち、実施例によれば、比較例に比べて、製品不良の発生率を飛躍的に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に係わる空気吸引装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係わるタイヤに収容された状態の空気のうの部分断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係わる空気のうの斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な図であって、分割ドラムがドラム径方向へ移動する状態を示している。
【図6】本発明の実施形態に係わる加硫金型装置の断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法におけるチューブ成型工程を説明する図である。
【図8】図8(a)(b)は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における補強層成型工程を説明する図であって、図8(c)は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における外被成型工程を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における補強体組付け工程を説明する図である。
【図10】図10(a)は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における空気吸引工程を説明する図であって、図10(b)は、本発明の実施形態に係わる空気のうの製造方法における補強部強化工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0058】
1 空気のう
3 タイヤ
5 リム
7 チューブ
7’ 半チューブ
9 補強体
11 補強層
11m 帯状補強部材
13 外皮層
13m 帯状外皮部材
15 補強ビード
15m 帯状ビード部材
17 第1リッジ
19 ビードフィラ
35 成型ドラム
35S 分割ドラム
37 クラウン部
39 スロープ部
41 ボトム部
47 支持ドラム
57 負圧ポンプ
59 空気針
63 貫通穴




 

 


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