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発明の名称 カレンダ装置及びそのロール間隔調整方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−44913(P2007−44913A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−229602(P2005−229602)
出願日 平成17年8月8日(2005.8.8)
代理人 【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
発明者 宮丸 貴志
要約 課題
コード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを製造するときに、コーティング速度の変化又は変動にかかわらず、適正な厚みのゴム引きコードを製造可能にする。

解決手段
データベース14には、このゴム引きコード製造装置で製造可能な複数の異なる仕様のゴム引きコードの各々について、コーティング速度と油圧シリンダ機構10に加える油圧の適正値との対応関係を示すデータが格納されている。このデータはゴム引きコードを製造する際、コントローラ8により読み出され、コーティング速度の設定、油圧シリンダ機構10に加える油圧を設定するための比例電磁弁12の開度の設定に使用される。コントローラ8は、圧力センサ13の測定値とそのときの油圧の適正値との差に応じて、比例電磁弁12の開度をPID(比例・積分・微分)制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
互いの外周面が所定の間隔を隔てて対向配置されたカレンダロール対と、
前記カレンダロール対の間隔を変化させる流体圧シリンダ機構と、
前記カレンダロール対にてコード並列体にゴムシートをコーティングすることにより形成するゴム引きコードのコーティング速度と前記流体圧シリンダ機構の適正加圧値との関係を示すデータを記憶するプロセス情報記憶手段と、
該プロセス情報記憶手段から読み出されたデータに基づいて、前記ゴム引きコードのコーティング速度及び前記流体圧シリンダ機構の加圧値を設定する手段と
を備えたことを特徴とするカレンダ装置。
【請求項2】
請求項1記載のカレンダ装置において、
前記流体圧シリンダ機構の加圧値を測定する手段と、該測定された加圧値と前記適正加圧値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する加圧値調整手段とを備えたことを特徴とするカレンダ装置。
【請求項3】
互いの外周面が所定の間隔を隔てて対向配置されたカレンダロール対と、
前記カレンダロール対の間隔を変化させる流体圧シリンダ機構と、
前記カレンダロール対にてコード並列体にゴムシートをコーティングすることにより形成するゴム引きコードの適正厚みと前記カレンダロール対におけるコーティング荷重の適正値との関係を示すデータを記憶するプロセス情報記憶手段と、
前記流体圧シリンダ機構の加圧値を前記適正値に設定する手段と、
前記カレンダロール対の外周面に対向配置され、前記コーティング荷重を測定する荷重センサと、
前記流体圧シリンダ機構の加圧値を設定する手段と、
前記コーティング荷重の測定値と前記コーティング荷重の適正値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する加圧値調整手段と
を備えたことを特徴とするカレンダ装置。
【請求項4】
カレンダロール対によりコード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを形成するとき、前記カレンダロール対の間隔を流体圧シリンダ機構の押圧力により調整するカレンダロール間隔調整方法であって、
前記ゴム引きコードのコーティング速度と前記流体圧シリンダ機構の適正加圧値との関係を示すデータを取得する工程と、
前記データに基づいて、前記ゴム引きコードのコーティング速度及び前記流体圧シリンダ機構の適正加圧値を設定する工程と、
前記流体圧シリンダ機構の加圧値を測定する工程と、
該加圧値の測定値と設定された適正加圧値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する工程と
を備えたことを特徴とするカレンダロール間隔調整方法。
【請求項5】
カレンダロール対によりコード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを形成するとき、前記カレンダロール対の間隔を流体圧シリンダ機構の押圧力により調整するカレンダロール間隔調整方法であって、
前記ゴム引きコードの適正厚みと前記カレンダロール対におけるコーティング荷重の適正値との関係を示すデータを取得する工程と、
前記流体圧シリンダ機構の加圧値を設定する工程と、
前記カレンダロール対におけるコーティング荷重を測定する工程と、
前記コーティング荷重の測定値と前記コーティング荷重の適正値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する工程と
を備えたことを特徴とするカレンダロール間隔調整方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ構成部材であるカーカスプライやベルト等に用いられるゴム引きコードの製造に好適なカレンダ装置及びそのロール間隔調整方法に関し、詳細には、搬送速度の変化又は変動にかかわらず、常に適正な厚みのゴム引きコードの製造が可能なカレンダ装置及びそのロール間隔調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ構成部材であるカーカスプライやベルトを製造する工程では、複数本のコードを平行に配列したコード並列体の上下両面に、ゴムシートを圧着してコーティングすることによりゴム引きコードを製造することが行われる。
【0003】
このゴム引きコードを製造工程は、通常、図6に示すように、材料ゴムg1を一対のカレンダロール21,22間でゴムシートg3 に圧延する上側ロール対と、材料ゴムg2を一対のカレンダロール23,24間でゴムシートg4に圧延する下側ロール対とを具備したカレンダロール機を用い、上下のロール対22,23間にコード並列体Cを通すことにより、その上下面にゴムシートg3,g4を圧着してコーティングし、ゴム引きコードDを製造している。
【0004】
ここで、ゴム引きコードDの厚みは品質上最も大切な要素であり、その調整はカレンダロール22,23間の間隔(ギャップ)を調整することで行われている。このギャップはコーティング速度やコーティングするゴムシートg3,g4の性状変化に応じて常時調整することが必要であり、例えばコーティング速度を上げるときはギャップを狭め、コーティング速度を下げるときはギャップを広げる。また、コーティングするゴムシートg3,g4の厚み変化や硬度に応じた調整も必要である。これらの調整を誤ると、ゴム引きコードDに製品不良(両面のゴムシート間に隙間ができたり、逆に潰れたりする)が発生してしまう。この調整は、通常、熟練者がゴム引きコードDの厚みを目視により確認し、適正な厚みになるようにして行うため、作業者によるバラツキが発生し、常に安定した生産を行うことが困難である。
【0005】
そこで、このような問題を解決するため、コード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを製造する装置において、製造するゴム引きコードの適正厚み、及びカレンダロール間のギャップ値に関する情報をデータベースから読み出し、カレンダロール間のギャップをその読み出したギャップ値に設定してゴム引きコードを製造し、製造したゴム引きコードの厚みを測定し、その測定値と前記データベースから読み出した適正値とを比較し、比較結果に応じてロールギャップ調整用モータを駆動し、カレンダロール間のギャップを補正することが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3410637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、コーティング速度の変化に対するゴム引きコードの適正厚みの変化の関係については考慮されていないため、コーティング開始時の速度を上昇させているとき、及びコーティング終了前の速度を低下させているときなどのようなコーティング速度が一定でないときには、適正厚みのゴム引きコードが得られないという問題がある。また、カレンダロール間のギャップ調整をモータにより行うため、応答性が悪いという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、コード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを製造するときに、コーティング速度の変化又は変動にかかわらず、適正な厚みのゴム引きコードを製造可能にすると共に、ギャップ調整の応答性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、互いの外周面が所定の間隔を隔てて対向配置されたカレンダロール対と、前記カレンダロール対の間隔を変化させる流体圧シリンダ機構と、前記カレンダロール対にてコード並列体にゴムシートをコーティングすることにより形成するゴム引きコードのコーティング速度と前記流体圧シリンダ機構の適正加圧値との関係を示すデータを記憶するプロセス情報記憶手段と、該プロセス情報記憶手段から読み出されたデータに基づいて、前記ゴム引きコードのコーティング速度及び前記流体圧シリンダ機構の加圧値を設定する手段とを備えたことを特徴とするカレンダ装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のカレンダ装置において、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を測定する手段と、該測定された加圧値と前記適正加圧値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する加圧値調整手段とを備えたことを特徴とするカレンダ装置である。
請求項3に係る発明は、互いの外周面が所定の間隔を隔てて対向配置されたカレンダロール対と、前記カレンダロール対の間隔を変化させる流体圧シリンダ機構と、前記カレンダロール対にてコード並列体にゴムシートをコーティングすることにより形成するゴム引きコードの適正厚みと前記カレンダロール対におけるコーティング荷重の適正値との関係を示すデータを記憶するプロセス情報記憶手段と、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を前記適正値に設定する手段と、前記カレンダロール対の外周面に対向配置され、前記コーティング荷重を測定する荷重センサと、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を設定する手段と、前記コーティング荷重の測定値と前記コーティング荷重の適正値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する加圧値調整手段とを備えたことを特徴とするカレンダ装置である。
請求項4に係る発明は、カレンダロール対によりコード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを形成するとき、前記カレンダロール対の間隔を流体圧シリンダ機構の押圧力により調整するカレンダロール間隔調整方法であって、前記ゴム引きコードのコーティング速度と前記流体圧シリンダ機構の適正加圧値との関係を示すデータを取得する工程と、前記データに基づいて、前記ゴム引きコードのコーティング速度及び前記流体圧シリンダ機構の適正加圧値を設定する工程と、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を測定する工程と、該加圧値の測定値と設定された適正加圧値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する工程とを備えたことを特徴とするカレンダロール間隔調整方法である。
請求項5に係る発明は、カレンダロール対によりコード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを形成するとき、前記カレンダロール対の間隔を流体圧シリンダ機構の押圧力により調整するカレンダロール間隔調整方法であって、前記ゴム引きコードの適正厚みと前記カレンダロール対におけるコーティング荷重の適正値との関係を示すデータを取得する工程と、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を設定する工程と、前記カレンダロール対におけるコーティング荷重を測定する工程と、前記コーティング荷重の測定値と前記コーティング荷重の適正値との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構の加圧値を調整する工程とを備えたことを特徴とするカレンダロール間隔調整方法である。
【0009】
(作用)
請求項1、4に係る発明によれば、予め取得しておいたゴム引きコードのコーティング速度と流体圧シリンダ機構の適正加圧値との関係を示すデータに基づいて、ゴム引きコードのコーティング速度及び流体圧シリンダ機構の加圧値を設定してゴム引きコードを形成する。
請求項2に係る発明によれば、流体圧シリンダ機構に加えられた流体圧の測定値と適正な流体圧との差異に応じて、前記流体圧シリンダ機構に加える流体圧をフィードバック制御する。
請求項3、5に係る発明によれば、カレンダロール対におけるコーティング荷重の測定値とコーティング荷重の適正値との差異に応じて、流体圧シリンダ機構に加える流体圧を調整する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カレンダロール対にてコード並列体にゴムシートをコーティングしてゴム引きコードを製造するときに、コーティング速度の変化又は変動にかかわらず、常に適正な厚みのゴム引きコードを製造することができ、かつロール間ギャップ調整の応答性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るゴム引きコードの製造装置は、図示されていない上側ゴム押出機から押し出された押出ゴムG1を成形して上側ゴムシート(カレンダゴム)G3を形成する、上側搬送ロール3及び上側成形ロール4からなる上側カレンダロール対と、図示されていない下側ゴム押出機から押し出された押出ゴムG2を成形して下側ゴムシート(カレンダゴム)G4を形成する、下側搬送ロール5及び下側成形ロール6からなる下側カレンダロール対と、複数本のコードを平行に配列したコード並列体Cを案内する案内ロール7とを備えており、コード並列体Cの上下両面に上側ゴムシートG3及び下側ゴムシートG4を対向させ、上側搬送ロール3と下側搬送ロール5との間に形成されたギャップを通過させて圧着することで、コードCの上下がゴム層DA,DBでコーティングされたゴム引きコードDを製造する。
【0012】
また、本実施形態に係るゴム引きコード製造装置は、この装置全体の動作制御等を行うコントローラ8と、上側搬送ロール3の両端の軸受(図示せず)の上面に対向して配置された一対の油圧シリンダ機構10と、油圧シリンダ機構10に油圧を加える油圧ポンプ11と、油圧ポンプ11から油圧シリンダ機構10に加える油圧を変化させることのできる比例電磁弁12と、比例電磁弁12の下流側、即ち油圧シリンダ機構10に印加される油圧を測定する油圧センサ13と、データベース14とを備えている。
【0013】
コントローラ8は、マイクロコンピュータにより構成されており、比例電磁弁12に対し、その開度を制御する信号を出力し、圧力センサ13の測定値を入力する。また、外部インタフェースを介してデータベース14に接続されている。
【0014】
油圧シリンダ機構10のピストンロッド(図示せず)は、上側搬送ロール3の両端の軸受を回転軸線と直交し、かつ下側搬送ロール5の回転軸線に接近又は離間する方向に変位可能に構成されている。比例電磁弁12の弁の開度はコントローラ8により制御可能であり、その開度により油圧ポンプ11から油圧シリンダ機構10のピストンに加える油圧を制御し、そのピストンロッドのシリンダからの突出量を制御することで、上側搬送ロール3の回転軸と下側搬送ロール5の回転軸との距離、換言すればそれらのロール間ギャップを調整することができる。
【0015】
また、図示されていないが、本実施形態に係るゴム引きコード製造装置は、上側搬送ロール3、上側成形ロール4、下側搬送ロール5、下側成形ロール6の各々を回転させるモータ等の回転駆動装置を備えている。さらに、このゴム引きコード製造装置は、図示されていない生産管理システムのコンピュータの指令に従って、ゴム引きコードの製造の開始及び終了を行う。
【0016】
データベース14には、このゴム引きコード製造装置で製造可能な複数の異なる仕様のゴム引きコードの各々について、ゴム引きコードDの適正厚みデータ、カレンダロール対3,5間の適正ギャップデータ、ゴムシートG3及びG4の適正厚みデータ、図2(a)に示すようなコーティング速度(ロール3,5によるゴムシートG3,G4の搬送速度、及びコード並列体Cの搬送速度)と油圧シリンダ機構10に加える油圧の適正値との対応関係を示すデータ(以下、シリンダ圧力情報という)、図2(b)に示すような、コーティング開始から終了迄のコーティング速度の時間的変化を示すデータ(以下、コーティング速度情報という)等のプロセスデータが格納されている。このプロセスデータは、所定の仕様を有するゴム引きコードを製造する際、その仕様に対応するプロセスデータがコントローラ8により読み出され、コーティング速度の設定、油圧シリンダ機構10に加える油圧を設定するための比例電磁弁12の開度の設定に使用される。
【0017】
図2(a)に示すシリンダ圧力情報は図3のフローチャートに示す手順で作成する。
まず、本実施形態に係るゴム引きコード製造装置で製造可能な複数の異なる仕様のゴム引きコードの中から一つのゴム引きコードを選択する(ステップS1)。
次いで、選択されたゴム引きコードに必要な押出ゴムG1,G2をそれぞれ上下のカレンダロール対に供給すると共に、コード並列体Cをロール3,5間のギャップに供給する。そして、コーティング速度を0から徐々に間欠的に上昇させると共に、定速時に比例電磁弁12の開度を増減して油圧シリンダ機構10の圧力を昇降させ、各速度毎に圧力の上限値と下限値とを圧力センサ13により測定する(ステップS2)。ここで、上限値とはコード並列体Cと上下のゴムシートG3,G4との圧着力が大き過ぎることに起因するゴム引きコードDの潰れが生じない圧力の最大値であり、下限値とは圧着力が小さ過ぎることに起因するゴム引きコードD内の隙間が生じない圧力の最小値である。
次に、各速度における上限値と下限値との中間値を算出し(ステップS3)、最後に、ステップS1で選択されたゴム引きコードの識別情報に対応させて、コーティング速度毎の中間値をデータベース14に格納する(ステップS4)。
【0018】
図2(a)は横軸をコーティング速度、縦軸を中間値としたグラフである。この図の場合は、速度0からV0迄は一定の圧力P0、V0からV1迄は傾きが(P1−P0)/(V1−V0)の直線、V1からV2迄は傾きが(P2−P1)/(V2−V1)の直線、V2以上は一定の圧力P2とした3点近似曲線である。図3に示す処理を複数の異なる仕様のゴム引きコードについて実行することにより、各ゴム引きコードに対して図2(a)に示すようなコーティング速度と油圧シリンダ機構10に加える油圧の適正値との対応関係を示すシリンダ圧力情報が得られる。
【0019】
以上の構成を有するゴム引きコード製造装置の動作について図4のフローチャートを参照しながら説明する。この図に示す処理は、図示されていない生産管理システムのコンピュータから、ゴム引きコードの製造開始指令が入力されることによりスタートする。
コントローラ8は生産管理システムのコンピュータから、製造するゴム引きコードの識別情報を入力し(ステップS11)、その識別情報により特定されるゴム引きコードの製造するときのシリンダ圧力情報(図2(a))をデータベース14から読み出し、内部のメモリに記憶する(ステップS12)。そして、コーティング速度を例えば図2(b)に示すように手動等で制御しつつ、メモリに記憶したシリンダ圧力情報に基づいて油圧シリンダ機構10の油圧を制御する(ステップS13)。
シリンダ圧力情報が図2(a)に示すものである場合は、コーティング速度に応じて、速度0からV0(例えば5m/分)迄は一定の圧力P0、V0からV1(例えば20m/分)迄、及びV1からV2(例えば40m/分)迄はそれぞれ一定の割合で圧力を増加させ、V2以降は一定の圧力P2とする。このとき、圧力センサ13の測定値とそのときの図2(a)に示す圧力との差に応じて、比例電磁弁12の開度をPID(比例・積分・微分)制御する。
【0020】
このように本実施形態に係るゴム引きコード製造装置によれば、予め測定し、データベースに蓄積しておいた、コーティング速度と油圧シリンダ機構の適正圧力との関係を示すデータに基づいて、モータよりも応答速度の速い油圧シリンダ機構の圧力を調整することにより、ロール間のギャップが適正値になるように制御するので、コーティング速度の変化又は変動にかかわらず、適正な厚みのゴム引きコードを製造することができ、かつギャップ調整の応答性を向上させることができる。
【0021】
なお、以上の説明では、図2(a)の適正値として上限値と下限値の中間値を採用し、ゴム引きシートDの製造時には、圧力センサ13の測定値が適正値になるようにフィードバック制御を行うものとしたが、圧力センサ13の測定値が下限値より大きく、上限値より小さくなるようにフィードバック制御を行うようにしてもよい。また、データベース14をゴム引きコード製造装置のコントローラ8に接続する代わりに、生産管理システムのコンピュータに接続してもよい。
【0022】
[第2の実施形態]
図5に本発明の第2の実施形態に係るゴム引きコード製造装置の構成を示す。この図において、図1と同一又は対応の構成要素には図1で使用した符号を付した。
図5に示すように、本実施形態に係るゴム引きコード製造装置は、下側搬送ロール5の両端付近の下側にロードセル9を配置し、その出力をコントローラ8に入力するように構成されていること、圧力センサを備えていないこと、及びこのゴム引きコード製造装置で製造可能な複数の異なる仕様のゴム引きコードの各々について、コーティング速度に無関係な適正コーティング荷重データが保存されていることが第1の実施形態との相違点である。そして、本実施形態に係るゴム引きコード製造装置では、ロードセル9で測定したコーティング荷重がコーティング速度に無関係に一定の適正値となるようにフィードバック制御を行うことで、ロール3,5間のギャップを調整し、ゴム引きコードDの厚みが均一になるようにする。
【0023】
この適正コーティング荷重データを取得する手順は、第1の実施形態におけるシリンダ圧力情報を取得する手順(図3)と同様である。即ち、ゴム12引きコードDの製造に必要な押出ゴムG1,G2をそれぞれ上下のカレンダロール対に供給すると共に、コード並列体Cをロール3,5間のギャップに供給する。そして、コーティング速度を任意の定速値に設定すると共に、比例電磁弁12の開度を増減して油圧シリンダ機構10の圧力を昇降させ、コーティング圧の上限値の下限値とをロードセル9により測定する。次いで、上限値と下限値との中間値を算出し、最後に、ゴム引きコードの識別情報に対応させて、中間値をデータベース14に格納する。
【0024】
以上の構成を有するゴム引きコード製造装置の動作の基本は図4のフローチャートを参照しながら説明した第1の実施形態と同じであるため、相違点について説明する。図示されていない生産管理システムのコンピュータから、ゴム引きコードの製造開始指令が入力されると、製造するゴム引きコードの識別情報により特定されるゴム引きコードのコーティング速度情及び適正コーティング荷重情報をデータベース14から読み出し、それらの情報に基づいて、コーティング速度及び比例電磁弁12の開度を制御する。比例電磁弁12の開度については、まず適正コーティング荷重に対応する開度に初期設定し、次いで適正コーティング荷重とロードセル9の測定値との差に応じたPID(比例・積分・微分)制御による調整を実行する。
【0025】
このように本実施形態に係るゴム引きコード製造装置によれば、下側搬送ローラ5におけるコーティング荷重と予め測定し、データベースに蓄積しておいた、コーティング荷重の適正値との差に応じて、油圧シリンダ機構の圧力を調整することにより、コーティング荷重がコーティング速度に無関係に一定の適正値となるように自動制御するので、コーティング速度の変化又は変動にかかわらず、適正な厚みのゴム引きコードを製造することができ、かつギャップ調整の応答性を向上させることができる。
【0026】
なお、以上の説明では、第1の実施形態はロードセル9を具備せず、第2の実施形態は圧力センサ13を具備しないものとしたが、ロードセル9、圧力センサ13の双方を具備する装置構成とし、それらを第1、第2の実施形態と対応するように選択的に動作させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るゴム引きコードの製造装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるシリンダ圧情報及びコーティング速度情報を示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるシリンダ圧情報を作成する手順のフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るゴム引きコード製造装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るゴム引きコードの製造装置の構成を示す図である。
【図6】ゴム引きコードの製造工程を説明するための図である。
【符号の説明】
【0028】
3,5・・・搬送ロール、4,6・・・成形ロール、8・・・コントローラ、9・・・ロードセル、10・・・油圧シリンダ機構、12・・・比例電磁弁、13・・・圧力センサ。




 

 


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