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発明の名称 略円筒状部材の表面処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38395(P2007−38395A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2006−176974(P2006−176974)
出願日 平成18年6月27日(2006.6.27)
代理人 【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
発明者 小林 和之 / 松室 康彦 / 浦中 昌己
要約 課題
アルミニウム鋳造物や金属塗装物その他の略円筒状を呈する部材の表面処理を行うにあたり、投射材や処理コスト等の無駄を省いて処理時間を大幅に短縮することができ、かつ、処理ムラを発生させることなく均一な表面を得ることができる略円筒状部材の表面処理方法を提供する。

解決手段
略円筒状部材1を、円筒の軸を中心として回転させながら、軸と軸方向に対向して配置され、円筒の半径方向に移動自在に形成されたノズル10を介して投射材を吹き付けることにより、略円筒状部材の円筒表面のブラスト処理を行う略円筒状部材の表面処理方法である。ノズル10の移動速度と略円筒状部材1の回転数とを連係して変動させて、ノズル10の移動速度および略円筒状部材1の回転数の双方を、ノズル10が円筒の軸中心に近づくほど高くするか、または、ノズル10が円筒の外周に近づくほど低くする。
特許請求の範囲
【請求項1】
略円筒状部材を、円筒の軸を中心として回転させながら、該軸と軸方向に対向して配置され前記円筒の半径方向に移動自在に形成されたノズルを介して投射材を吹き付けることにより、前記略円筒状部材の円筒表面のブラスト処理を行う略円筒状部材の表面処理方法であって、
前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを連係して変動させて、該ノズルの移動速度および略円筒状部材の回転数の双方を、該ノズルが前記円筒の軸中心に近づくほど高くするか、または、該ノズルが前記円筒の外周に近づくほど低くすることを特徴とする略円筒状部材の表面処理方法。
【請求項2】
前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを、一定の変化率で変動させる請求項1記載の表面処理方法。
【請求項3】
前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを、前記投射材の吹き付け位置における前記略円筒状部材の周速度が一定になるよう変動させる請求項1または2記載の表面処理方法。
【請求項4】
前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを、下記式(I)、
−900c/(dπ・Y12)+30/Y1=−dc/(4π・Z2)+d/2Z
(I)
(上記式中、Y1は略円筒状部材の回転数(rpm)であり、Zはノズルの移動速度(mm/s)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)である)で示される関係を満足するよう変動させる請求項3記載の表面処理方法。
【請求項5】
前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを、下記式(II)、
−8100c/(dπ・Y22)+90/Y2=−dc/(4π・Z2)+d/2Z
(II)
(上記式中、Y2は略円筒状部材の回転数(rpm)であり、Zはノズルの移動速度(mm/s)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)である)で示される関係を満足するよう変動させる請求項3記載の表面処理方法。
【請求項6】
前記ノズルを、前記略円筒状部材の周方向に等間隔に複数個配置してブラスト処理を行う請求項1〜5のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
【請求項7】
前記略円筒状部材の側面に対向して側面ノズルを配置し、前記円筒表面のブラスト処理と同時に、該側面のブラスト処理を行う請求項1〜6のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
【請求項8】
前記側面ノズルを前記略円筒状部材の高さ方向中央部に対向して配置し、該側面ノズルのノズル先端を軸方向に平行な面内において回動自在として、該側面ノズルを、下記式(III)、
ω=180cd/aπ2T (III)
(上記式中、aは略円筒状部材の外径(mm)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)であり、Tは側面ノズルの回動中心から前記円筒状部材の側面縁部までの距離(mm)である)で示される角速度ω(θ/sec)にて回動させる請求項7記載の表面処理方法。
【請求項9】
前記ブラスト処理に用いる投射材として、熱硬化性樹脂を主成分とするプラスチック投射材を用いる請求項1〜8のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
【請求項10】
前記プラスチック投射材の粒径が100〜2000μmの範囲内である請求項9記載の表面処理方法。
【請求項11】
前記プラスチック投射材の吹き付けノズルとして、内部のスロート部の終端から出口先端に向かって、ノズル長手方向に対し0.5〜1.5°の広がり角度θで内径が広がってテーパー状をなし、かつ前記スロート部終端から前記出口先端までの長さBと前記スロート部の径Aとの比(B/A)が10以上であるものを用いる請求項9または10記載の表面処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は略円筒状部材(以下、単に「部材」とも称する)の表面処理方法に関し、詳しくは、アルミニウム鋳造物や金属塗装物その他、略円筒状を有する部材表面上の欠陥部や付着物、塗装等の不要物を、ブラスト処理を用いて剥離する略円筒状部材の表面処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム鋳造物の製造工程においては、離型剤の除去やピンホールの目潰し、鋳欠けの発見等の目的で、表面上の不要物を剥離するための表面処理が行われる。また、金属塗装物における塗装不良品等を再生する際にも、表面の塗膜を剥離することが必要となる。
【0003】
従来、このような用途では、揮発性の有機溶媒などの溶剤を用いた表面処理方法が一般に用いられていたが、最近では、作業者の健康面への配慮や、使用済み溶剤の処理等の環境保護上などの観点から、これに代わる方法が検討されてきており、その一つとして、投射材の吹き付けによるブラスト処理を用いて表面処理を行う方法がある。中でも特に、略円筒状を呈する部材をブラスト処理により表面処理する場合には、被処理部材を回転テーブル上で回転させながら、外周側からまたは内周側から、所定の一定速度で処理を行うことが一般的である。
【0004】
このような吹き付けを用いた表面処理に係る技術としては、例えば、特許文献1に、研削、研磨、または薄膜形成後に均質な被加工物表面を得る目的で、被加工物を回転させながら、その表面上に、被加工物の回転外周から内周に向かって、又は回転内周から外周に向かって、微粒子を含む固気、固液又は固気液の混合噴流を噴射し、被加工物の表面を処理加工する被加工物の表面処理加工方法および表面処理加工装置が記載されている。
【特許文献1】特開平4−141371号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように部材を回転させながら表面処理を行う場合、回転テーブルの回転数が一定であると、処理部が部材の中心側に近づくほど周速度が遅くなって、部材表面の処理レベルが均一でなくなる。また、処理レベルを部材の外周部で設定した場合には、中心部に近づくほど周速度が遅くなる結果処理レベルは過剰となり、処理コストおよび時間が余分にかかることになる。従ってこの場合、投射材の無駄が発生するだけでなく、人件費や装置部分の消耗・磨耗、過剰な電気費用など、多くのエネルギーの無駄が発生してしまうという問題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、アルミニウム鋳造物や金属塗装物その他の略円筒状を呈する部材の表面処理を行うにあたり、投射材や処理コスト等の無駄を省くとともに処理時間を短縮することができ、かつ、処理ムラを発生させることなく均一な表面を得ることができる略円筒状部材の表面処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、処理レベルを均一にし、かつ、投射材や処理コスト、処理時間等の無駄をなくすためには、ブラスト処理の幅とその処理速度とを一定化することが有効であり、即ち、回転数とブラスト用ノズルの移動速度とを可変とし、これらをシンクロさせて、処理位置(投射材の吹き付け位置)における部材の周速度が常に一定となるようにすることが効果的であることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の略円筒状部材の表面処理方法は、略円筒状部材を、円筒の軸を中心として回転させながら、該軸と軸方向に対向して配置され前記円筒の半径方向に移動自在に形成されたノズルを介して投射材を吹き付けることにより、前記略円筒状部材の円筒表面のブラスト処理を行う略円筒状部材の表面処理方法であって、
前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを連係して変動させて、該ノズルの移動速度および略円筒状部材の回転数の双方を、該ノズルが前記円筒の軸中心に近づくほど高くするか、または、該ノズルが前記円筒の外周に近づくほど低くすることを特徴とするものである。
【0009】
本発明においては、前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを、一定の変化率で変動させることが好ましく、より好適には、前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを、前記投射材の吹き付け位置における前記略円筒状部材の周速度が一定になるよう変動させる。この場合、具体的には、前記ノズルの移動速度と前記略円筒状部材の回転数とを、下記式(I)、
−900c/(dπ・Y12)+30/Y1=−dc/(4π・Z2)+d/2Z
(I)
(上記式中、Y1は略円筒状部材の回転数(rpm)であり、Zはノズルの移動速度(mm/s)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)である)で示される関係を満足するよう変動させるか、または、下記式(II)、
−8100c/(dπ・Y22)+90/Y2=−dc/(4π・Z2)+d/2Z
(II)
(上記式中、Y2は略円筒状部材の回転数(rpm)であり、Zはノズルの移動速度(mm/s)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)である)で示される関係を満足するよう変動させることが好ましい。また、本発明においては、前記ノズルを、前記略円筒状部材の周方向に等間隔に複数個配置してブラスト処理を行うことが好ましい。
【0010】
さらに、前記略円筒状部材の側面に対向して側面ノズルを配置し、前記円筒表面のブラスト処理と同時に、該側面のブラスト処理を行うことも好適であり、この場合、より好適には、前記側面ノズルを前記略円筒状部材の高さ方向中央部に対向して配置し、該側面ノズルのノズル先端を軸方向に平行な面内において回動自在として、該側面ノズルを、下記式(III)、
ω=180cd/aπ2T (III)
(上記式中、aは略円筒状部材の外径(mm)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)であり、Tは側面ノズルの回動中心から前記円筒状部材の側面縁部までの距離(mm)である)で示される角速度ω(θ/sec)にて回動させる。
【0011】
さらにまた、前記ブラスト処理に用いる投射材としては、熱硬化性樹脂を主成分とするプラスチック投射材を用いることが好ましく、特には、粒径が100〜2000μmの範囲内であるプラスチック投射材が好適である。また、前記プラスチック投射材の吹き付けノズルとしては、内部のスロート部の終端から出口先端に向かって、ノズル長手方向に対し0.5〜1.5°の広がり角度閘で内径が広がってテーパー状をなし、かつ前記スロート部終端から前記出口先端までの長さBと前記スロート部の径Aとの比(B/A)が10以上であるものを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記構成としたことにより、処理速度を部材表面上のどの部位においても均一化することが可能となり、投射材や処理コスト等の無駄を省いて、処理時間を大幅に短縮することができ、処理ムラのない均一な表面を効率良く得ることができる略円筒状部材の表面処理方法を実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明は、アルミニウム鋳造物や金属塗装物その他の略円筒状部材の表面処理に係る技術であり、略円筒状部材を、円筒の軸を中心として回転させながら、この軸と軸方向に対向して配置され円筒の半径方向に移動自在に形成されたノズルを介して投射材を吹き付けることにより、略円筒状部材の円筒表面のブラスト処理を行うものである。
【0014】
図1に、略円筒状部材1とノズル10との位置関係を、平面図にて概略的に示す。本発明においては、ノズル10の移動速度と、略円筒状部材1の回転数とを連係して変動させ、これらノズル10の移動速度および部材1の回転数の双方を、ノズル10が円筒の軸中心Xに近づくほど高くすることが重要である。
【0015】
この場合、好適には、ノズル10の移動速度と部材1の回転数とを、一定の変化率で変動させる。これにより、かかる移動速度および回転数を連続的かつ滑らかに変化させることができ、結果として処理ムラの発生をより抑えて、表面を一様に処理することができる。
【0016】
具体的には例えば、ノズル10の移動速度および部材1の回転数を、投射材の吹き付け位置における部材1の周速度が一定になるよう変動させることができ、これにより、ブラスト処理の幅とその処理速度とを一定化して、処理ムラをなくすとともに投射材や処理コスト等の無駄を省いて、効率的な表面処理を行うことが可能となる。なお、図1に示すように部材の外径をa(mm)、内径をb(mm)とし、剥離速度をc(mm/s)としたとき、外周側を基準として定めた時の剥離時間は、aπ/c(s/周)となる。
【0017】
本発明において、より具体的には、例えば、ノズル10の移動速度と部材1の回転数とを、下記式(I)、
−900c/(dπ・Y12)+30/Y1=−dc/(4π・Z2)+d/2Z
(I)
(上記式中、Y1は略円筒状部材の回転数(rpm)であり、Zはノズルの移動速度(mm/s)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)である)で示される関係を満足するよう連係して変動させることが好ましい。移動速度Zと回転数Y1とを上記式(I)に従い変動させながらブラスト処理を行うことで、均一かつ効率的な表面処理を実現することができる。なお、上記式(I)は、部材1の回転数とブラスト処理の累積時間との間の関係式、および、累積時間とノズル10の移動速度との間の関係式から、導出することが可能である。
【0018】
また、より好適には、部材1の回転数を上記式(I)の場合の3倍速として、ノズル10の移動速度と部材1の回転数とを、下記式(II)、
−8100c/(dπ・Y22)+90/Y2=−dc/(4π・Z2)+d/2Z
(II)
(上記式中、Y2は略円筒状部材の回転数(rpm)であり、Zはノズルの移動速度(mm/s)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)である)で示される関係を満足するよう変動させることで、表面状態をより均一化して処理の効率化を図ることができる。なお、この場合の処理時間は上記式(I)の場合と同様である。
【0019】
上記では、ブラスト処理を部材の外周側から内周側に向かい行う場合について説明したが、本発明においては、内周側から外周側に向かい処理を行ってもよく、この場合には、ノズル10の移動速度および部材1の回転数の双方を、ノズル10が円筒の外周に近づくほど低くすることになる。また、図示する例では1個のノズル10を用いているが、本発明においては、より処理の効率化を図るために複数個のノズルを用いてもよく、この場合例えば、部材1の周方向に等間隔に、複数個のノズルを配置してブラスト処理を行うことが好ましい。
【0020】
また、本発明においては、図2に示すように、部材1の側面に対向して側面ノズル20を配置して、円筒表面のブラスト処理と同時に、側面のブラスト処理を行うことも好ましい。この場合、図示するように、側面ノズル20を、部材1の高さ方向中央部(H/2の位置)に、好ましくは円筒の直径方向に、対向して配置し、側面ノズル20のノズル先端を、軸方向に平行な面内において回動自在として、側面ノズル20を、下記式(III)、
ω=180cd/aπ2T (III)
(上記式中、aは略円筒状部材の外径(mm)であり、cは剥離速度(mm/s)であり、dはブラスト処理幅(mm)であり、Tは側面ノズルの回動中心から前記円筒状部材の側面縁部までの距離(mm)である)で示される角速度ω(θ/sec)にて回動させる方法を好適に用いることができ、このように側面のブラスト処理幅d、剥離速度cに応じた所定の角速度ωで側面ノズル20を回動させることで、部材1の側面についても、円筒表面と同時に、効率よくブラスト処理することが可能となる。なお、上記式(III)は、ブラスト処理幅dに対応するノズルの回動角度α’と、部材1の半分の高さに対応する角度αとの関係より導出できる。側面については、円筒表面の処理速度に基づき処理条件を決定することができる。さらに、図示はしないが、例えば、部材1の円筒内部にさらにノズルを配置して、内周表面のブラスト処理を同時に行うことも可能である。
【0021】
本発明においては、上述したように、ノズル10の移動速度と部材1の回転数との双方を、ノズル10が円筒の軸中心Xに近づくほど高く(またはノズル10が円筒の外周に近づくほど低く)なるよう連係して変動させながらブラスト処理を行う点のみが重要であり、それ以外のブラスト処理条件等については特に制限されるものではないが、例えば、ブラスト処理装置としては、図3に示すような構造のものを好適に用いることができる。図示する装置は、略円筒状部材を固定して回転する回転軸11と、その軸方向に対向して離間して配置されたノズル10とを備えており、回転軸11の回転を制御する回転機構(図示せず)と、ノズル10を部材の半径方向に往復直線移動させる移動機構(図示せず)とを有する。従って、部材を回転軸に固定して回転させながら、図示する例ではその鉛直上方に配置されているノズル10より投射材を吹き付けることで、部材表面のブラスト処理を効率的に行うことができるものである。なお、図中、符号13はブラストブース本体を示し、符号14は窓15を有するドア部を示し、符号16は外部から内部作業を行うための作業手袋、符号17は投射材供給用のブラストホース、符号18はエアー供給口、符号19は投射材受けを夫々示し、ブラストブース本体13の内部下方には使用後の投射材を回収する回収口(図示せず)が、内部上面にはノズル10の移動機構(図示せず)が、夫々設けられている。
【0022】
また、本発明においてブラスト処理に用いる投射材としては、特に制限されるものではないが、熱硬化性樹脂を主成分とするプラスチック投射材が好適であり、中でも、粒径100〜2000μmの範囲内、特には300〜850μmの範囲内のものを好適に用いることができる。
【0023】
プラスチック投射材に用いられる熱硬化性樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、メラミン樹脂(メラミン−フォルムアルデヒド樹脂)、ユリア樹脂(尿素−フォルムアルデヒド樹脂)、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、グアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができ、その他、これら樹脂に匹敵する硬度を有する樹脂も使用することが可能である。かかる投射材は、吹き付け後、回収し、30〜40回程度繰り返し循環させて使用することができる。
【0024】
かかる投射材としては、具体的には例えば、粒径50〜1000μmの範囲の熱硬化性樹脂成形物の粉砕物であって、各粒子が実質的に鋭利な稜線を持つ不定形な多面体であり、かつ、分級段階ごとに粒度がほぼ均質化された粉砕物を好適に用いることができる。このような粉砕物は、国際公開第00/45994号パンフレットに記載の方法により得ることができる。
【0025】
本発明の表面処理方法に用いるブラスト装置としては、直噴射式のエア式ブラスト装置が好適であるが、その他、遠心式、バレル式なども使用可能であり、特に制限されるものではない。用途や使用環境に応じて適宜選定して用いることができる。
【0026】
プラスチック投射材の吹き付けに用いるノズルとしては、特に制限されるものではなく、通常ブラスト処理に用いるものを適宜選択して使用することが可能であるが、本発明においては特に、以下に述べる所定形状を有するノズルを用いることが好ましい。具体的には、内部のスロート部の終端から出口先端に向かって、ノズル長手方向に対し0.5〜1.5°の広がり角度θで内径が広がってテーパー状をなし、かつ前記スロート部終端から前記出口先端までの長さBと前記スロート部の径Aとの比(B/A)が10以上である形状を有するものであり、プラスチック研削材専用の高速ノズルとして好適なノズルである。
【0027】
図4に、かかるノズルを長手方向に沿って切断したときの内部断面形状を示す。図示するように、このノズルの内部構造は、入口部21、スロート部22および出口部23により構成されており、出口部23が、スロート部22の終端から出口先端に向かって、ノズル長手方向に対し0.5〜1.5°、好ましくは1.0〜1.3°の広がり角度θで内径の広がったテーパー状を呈している。この広がり角度θが0.5°未満であるか、または1.5°を超えると許容しえない剥離能力の低下をきたすことになる。
【0028】
また、図示するノズルにおいて、スロート部22の終端から出口部23の先端までの長さBとスロート部22の径Aとの比(B/A)は、10以上、好ましくは15〜25である。この比が10未満であると許容しえない剥離能力の低下をきたし、一方、25を超えてノズル設計することは実用上殆どありえない。
【0029】
本発明の表面処理方法は、前述したように、アルミニウム鋳造物や金属塗装物その他の略円筒状部材全般に用いることができるが、特には、アルミホイールの処理に好適に適用可能である。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例1)
サンプルとして直径520mm(外径a)のアルミホイールを用いて、図3に示すような処理装置内で、塗装剥離を目的とした表面処理を行った。ブラスト処理の条件としては、装置として直圧式ブラスト装置を用い、投射材として(株)ブリヂストン製 商品名:MG−3(粒径:500〜850μm)を用いて、吹き付け圧0.45MPa、吹き付け距離約100mmにて行った。ノズルとしては、先端口径6mmの図4に示すノズルを用いた。
【0031】
ブラスト処理は部材の外周側から内周側に向かって行うこととし、ノズル10の移動速度および部材1(回転テーブル)の回転数の双方を、所定条件の下で、ノズル10が円筒の軸中心に近づくほど高くなるよう変動させて、投射材の吹き付け位置(処理位置)における部材1の周速度が一定になるようにした。具体的な変動条件は、以下のようにして決定した。まず、中心のハブ径(内径b)が50mmであることから、ブラスト処理範囲を決定した((a−b)/2=235mm)。次いで、剥離速度cおよびブラスト処理幅dを測定して求め、夫々50mm/sおよび13mmの値を得た。これらの値から、前記式(I)に基づき、部材1の回転数Y1(初期値1.84rpm)およびノズル10の移動速度Zを定めた。結果として、アルミホイールの円筒表面(片側ディスク面)の処理時間は341秒であった。
【0032】
(実施例2)
部材1の回転数Y2を実施例1の3倍速とし(初期値5.51rpm)、前記式(II)に基づき、部材1の回転数Y2およびノズル10の移動速度Zを定めた以外は実施例1と同様にして表面処理を行ったところ、アルミホイールの円筒表面(片側ディスク面)の処理表面はより均一となった。
【0033】
(従来例)
ノズル10の移動速度および部材1(回転テーブル)の回転数の双方を一定にした以外は実施例1と同様にして表面処理を行ったところ、アルミホイールの円筒表面(片側ディスク面)の処理時間は590秒であった。
【0034】
上記実施例1、2および従来例の結果から、周速度を均一化した処理方法を用いることにより、処理時間の大幅な短縮が可能となることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る略円筒状部材とノズルとの位置関係を示す平面図である。
【図2】本発明に係る略円筒状部材と側面ノズルとの位置関係を示す側面図である。
【図3】本発明に好適に使用可能な処理装置を示す一部切欠正面図である。
【図4】本発明に好適に使用可能なノズルを長手方向に沿って切断したときの内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 略円筒状部材
10 ノズル
11 回転軸
13 ブラストブース本体
14 ドア部
15 窓
16 作業手袋
17 ブラストホース
18 エアー供給口
19 投射材受け
20 側面ノズル
21 入口部
22 スロート部
23 出口部




 

 


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