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発明の名称 放電加工用ワイヤ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30075(P2007−30075A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−214221(P2005−214221)
出願日 平成17年7月25日(2005.7.25)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 高橋 佳智
要約 課題
被加工体の純度の向上と、研削加工や洗浄工程の簡略化を図る。

解決手段
炭素繊維により形成されたことを特徴とする放電加工用ワイヤ。
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素繊維により形成されたことを特徴とする放電加工用ワイヤ。
【請求項2】
前記炭素繊維の断面の直径は、0.02mm以下であることを特徴とする請求項1記載の放電加工用ワイヤ。
【請求項3】
前記炭素繊維は、引張強度が3500MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の放電加工用ワイヤ。
【請求項4】
前記炭素繊維は、複数のフィラメントの束からなり、15回/m以上で撚ってあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
【請求項5】
前記フィラメント数は、1000本以上であることを特徴とする請求項4記載の放電加工用ワイヤ。
【請求項6】
前記炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
【請求項7】
前記放電加工用ワイヤの被加工体は、炭化ケイ素焼結体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
【請求項8】
前記炭素繊維は、表面にメッキ処理がなされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電加工用ワイヤに関する。さらに詳しくは被加工体が炭化ケイ素焼結体である放電加工用ワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
放電加工装置の形式の1つとして、被加工体にドリル等で孔をあけ、あけた孔にワイヤ電極を通し、そのワイヤ電極と被加工体を相対的に移動させて被加工体を切断加工する放電加工装置がある。この放電加工装置によればリング状部を備える最終成形品を得ることができる。かかる装置に用いられるワイヤは、真鍮、亜鉛メッキされたピアノ線、タングステン線などの金属から形成されているため、ワイヤ中の金属不純物が被加工体の表面に焼き付く傾向がある。そのため、高純度が求められる半導体製造用部品の加工にあたっては、製品の出荷前に焼き付き部を研削加工したり、薬液洗浄などして不純物部分を取り除く必要があった(例えば、特許文献1参照。)。特に、被加工体に線幅の狭い溝を研削加工する場合には細心の注意と熟練の技術が必要とされていた。
【特許文献1】特開2001−9394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、被加工体の純度の向上と、研削加工や洗浄工程の簡略化が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
即ち、本発明は、以下の記載事項に関する:
(1)炭素繊維により形成されたことを特徴とする放電加工用ワイヤ。
(2)上記炭素繊維の断面の直径は、0.02mm以下である上記(1)記載の放電加工用ワイヤ。
(3)上記炭素繊維は、引張強度が3500MPa以上である上記(1)又は(2)記載の放電加工用ワイヤ。
(4)上記炭素繊維は、複数のフィラメントの束からなり、15回/m以上で撚ってある上記(1)〜(3)のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
(5)上記フィラメント数は、1000本以上である上記(4)記載の放電加工用ワイヤ。
(6)上記炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素樹脂である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
(7)上前記放電加工用ワイヤの被加工体は、炭化ケイ素焼結体である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
(8)上記炭素繊維は、表面にメッキ処理がなされている上記(1)〜(7)のいずれかに記載の放電加工用ワイヤ。
【発明の効果】
【0005】
研削加工や洗浄工程の簡略化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に実施形態を挙げて本発明を説明するが、本発明が以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
図1はワーク1を配置した放電加工装置の概略観念図を示す。かかる放電加工装置は、
ワイヤ供給ローラ11と、
ワイヤ供給ローラ11から供給され、ワイヤガイド13と上部ワイヤガイド15を介してワーク1の貫通孔1aを通り抜けるワイヤ3と、
ワーク1が配置されたステージ4と、
ワーク1を取り囲む仮想線で示された加工槽35と、
加工槽35にポンプ33を介して接続された加工液タンク31と、
ステージ4の下部に配置された下部ワイヤガイド17を介してワイヤ3を巻き取るワイヤ巻き取りローラ19と、
ステージ4のX軸駆動部21とY軸駆動部23に接続され、また上部ワイヤガイド15のX軸駆動部25とY軸駆動部27に接続されたステージ4と上部ワイヤガイド15の動作を制御するCPU50と、
ワイヤガイド13と上部ワイヤガイド15の間に接続された電気エネルギ供給部42とステージ4に接続された電気エネルギ供給部44を有するワイヤ3に電源を供給する加工電源40と、を備える。
【0007】
ワイヤ3は、炭素繊維により形成されていることが好ましい。炭素繊維は導電性があり、機械的特性、例えば密度が金属に比べて小さく、引張強度、引張弾性率が高く、疲労特性、磨耗特性、潤滑性に優れるからである。さらに熱的特性、例えば線膨張係数が小さく、寸法安定性に優れており、高温下における機械的性質の低下並びに極低温域での熱伝導率も小さいからである。また炭素繊維製のワイヤ3は金属製ワイヤに比して不純物濃度の含有量が極めて少ないため、ワーク1に放電加工した場合、ワイヤ3の不純物がワーク1表面に焼き付くおそれが極めて低いからである。
【0008】
ワーク1に微細加工を行う観点からは炭素繊維の断面の直径は0.02mm以下であることが好ましい。ワイヤ3断面の直径の下限は特に制限されないが、0.005mm程度である。炭素繊維の引張強度は3500MPa以上であることが好ましい。上記強度よりも強度が低いと放電加工の際に、ワイヤ3が切れるおそれがあるからである。また炭素繊維は、複数のフィラメント、好ましくは1000本以上のフィラメント束からなることが好ましい。ワイヤ3の強度を上げてワイヤ3の切れを防止するためである。またワイヤ3は15回/m以上で撚ってあっても構わない。ワイヤ3をワーク1の貫通孔1aに挿入する際に挿入しやすくなるからである。またワイヤー径が一定となり寸法精度が向上するからである。ワーク1の高純度化を図る観点からは、炭素繊維中の鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)等の全不純物濃度の総計は100ppm以下が好ましい。
【0009】
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素樹脂やピッチ系炭素繊維が挙げられる。ポリアクリロニトリル系炭素樹脂としては、例えば東邦テナックス社製、商品名「ベスファイト」を用いることができる。尚、放電加工速度をあげる観点からは炭素繊維の表面にメッキ処理を施しても構わない。但し、ワーク1の純度の向上を図る観点からはメッキ処理なされていないことが好ましい。
【0010】
ワーク1とワイヤ3との間の相対運動は、ステージ4の移動により行われる。ステージ4の移動はX軸駆動部21とY軸駆動部23をそれぞれ制御することにより行われる。尚、放電加工装置としては、上記構成を備える装置であれば特に制限なく市販の放電加工装置を用いることができる。例えば三菱電機社製、商品名「ADOMAQ」を用いることができる。
【0011】
(放電加工方法)
まず、ワーク1を用意する。ここでは例として導電性を備えた高純度炭化ケイ素焼結体からなるブリヂストン株式会社製商品名「ピュアベータ」の円板状のワーク1を用いる。切り出された後のワーク1の最終形状はリング状の製品であるとする。
【0012】
次に、ワーク1の所定の位置に放電加工法を用いて貫通孔1aを設ける。貫通孔1aは図2に示すように、ワーク1の表面に中空部61aを備える放電電極61を押し付ける。そして加工溶液を供給しながら放電電極61に電流を流し、放電電極61とワーク1の間に生じた火花でワーク1を粉砕する。この工程を放電電極61を矢印Aの方向に向かって除々に移動させながら行う。その際、放電電極61の中空部61aから純水または加工溶液をワーク1の加工溝中に流し込み、加工溝中の粉砕紛をワーク1の表面に押し流しながら放電加工を行うことが好ましい。このようにして図3に示す仮想線で示す貫通孔1aを備えるワーク1を得る。
【0013】
続いて、図4(a)(b)に示すように貫通孔1aを設けたワーク1をステージ4の中央に配置する。そして図5に示すようにワイヤ供給ローラ11から供給されたワイヤ3を、ワイヤ3ガイドと上部ワイヤガイド15を介してワーク1の貫通孔1aに通し、図6に示すようにステージ4下部に配置された下部ワイヤガイド17を介してワイヤ巻き取りローラ19で巻き取り、ワイヤ3を張る。
【0014】
その後、加工電源40から電圧をワーク1とワイヤ3間に印加して放電によりワーク1の一部を溶融飛散する。その際、加工液タンク31からポンプ33を介して送られた加工液を仮想線で示される加工槽35内に設けられたノズル(図示せず)から、直接ワーク1に供給する。加工槽35には加工液や純水を浸漬させても構わない。加工液としては通常、イオン交換された水(純水に近い水)が用いられる。そしてステージ4の位置を少しずつ移動させて、ワーク1上に所望のパターンの溝を形成する。
【0015】
最後にワーク1表面の洗浄を行う。洗浄液としては、純水、蒸留水、イオン交換水又は酸溶液等が挙げられる。ワークの逆汚染を防止する観点からは純水が好ましい。純水としては、純度が100ppt以下のレベルで、かつ比抵抗が16〜18MΩ・cmのものが好ましく、純度が10ppt未満のものがより好ましい。また、洗浄液として酸溶液を用いる場合、沸硝酸液{HF/HNO/水(0.5/0.5/3)(体積比)}を使用することが好ましい。洗浄液に炭化ケイ素焼結体を浸漬する時間は、2分〜60分が好ましく、5分〜30分がより好ましく、10分〜20分がさらに好ましい。洗浄液に浸漬する場合、常に新しい洗浄液によって洗浄されるように、オーバーフロー方式で行ってもよく、さらに、この方式とカスケード方式とを組み合わせて行ってもよい。炭化ケイ素焼結体の洗浄方法に用いられる洗浄装置としては、従来公知の装置や、従来公知の装置に改良を加えた装置を用いることができる。尚、洗浄方法は上記溶液洗浄に制限されず、超音波洗浄並びに上記溶液洗浄を組合せてもよい。
【0016】
上記実施形態にかかる放電加工方法によれば、炭素繊維からなるワイヤ3を用いるため、不純物がワーク1に付着しずらい。そのため従来必要とされていた研削工程や洗浄工程の簡略化を図ることができる。さらに炭素繊維からなるワイヤ3は、従来のワイヤに比して直径が短いため、線幅の狭い溝を加工することができる。
【0017】
本実施形態により得られた炭化ケイ素焼結体は、半導体各種部材及び電子部品等に好適に使用することができる。半導体各種部材としては、ダミーウェハ、ヒーター、プラズマエッチング電極、イオン注入装置ターゲット等の高純度が望まれる部材が挙げられる。
【実施例】
【0018】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に何ら制限されない。
【0019】
(実施例)(比較例1、2)
上記実施形態の手法に従って、ワーク1に放電加工を行った。
ワーク1としては、ブリヂストン株式会社製、商標名「ピュアベータ」の高純度炭化ケイ素焼結体からなる直径40mm厚さ30mmの円板状試験片を用いた。
放電加工機としては、三菱電機社製、商品名「ADOMAQ」の改良型放電加工機を用いた。
炭素繊維ワイヤ3としては、東邦ラナックス株式会社製、商品名「ベスファイト」のフィラメント数12000本、撚り回数15回/m、直径0.007mmのワイヤ3を用いた。黄銅ワイヤ3としては、株式会社KHS社製、商品名「KHワイヤ3」の直径0.15mmのワイヤ3を用いた。黄銅被覆ピアノ線ワイヤ3としては、株式会社KHS社製、商品名「APワイヤ3」の直径0.05mmのワイヤ3を用いた。
洗浄条件としては、超音波をかけながらの純水洗浄40分、FMN溶液(フッ酸、硝酸、純水)洗浄40分、超音波をかけながらの純水洗浄30分、50%硝酸洗浄60分、超音波をかけながらの純水洗浄5分、純水洗浄5分の順番でワーク1を洗浄した。
ワーク1に放電加工を行った直後に、不純物元素濃度を測定した。また、洗浄後にワーク1の平面と溝の不純物元素濃度を測定した。また、参考例として放電加工前のワーク1の表面の不純物元素濃度を測定した。得られた分析結果をそれぞれ表1、2、3に示す。不純物元素濃度としては、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の濃度を測定した。分析装置としては、全反射蛍光X線分析装置を用いた。
【表1】


【表2】


【表3】


【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1はワークを配置した放電加工装置の概略観念図を示す。
【図2】図2は、ワークに放電加工法を用いて貫通孔を設ける工程図を示す。
【図3】図3は、貫通孔を備えるワークの側面図を示す。
【図4】図4(a)はステージの側面図を示し、図4(b)はステージの上面図を示す。
【図5】図5はワークの貫通孔にワイヤを通す工程図を示す。
【図6】図6はワークの貫通孔に通したワイヤを巻き取る工程図を示す。
【符号の説明】
【0021】
1…ワーク
1a…貫通孔
3…ワイヤ
4…ステージ
11…ワイヤ供給ローラ
13、18…ワイヤガイド
15…上部ワイヤガイド
17…下部ワイヤガイド
19…ワイヤ巻き取りローラ
21、25…X軸駆動部
23、27…Y軸駆動部
31…加工液タンク
33…ポンプ
35…加工槽
40…加工電源
42、44…電気エネルギ供給部
50…CPU




 

 


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