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発明の名称 熱可塑性エラストマー複合体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21850(P2007−21850A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205750(P2005−205750)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
発明者 佐野 良介
要約 課題
熱可塑性エラストマーが有する柔軟性や作業性の良さと、複合フィルムのガスバリア性等の特性を持ち、曲げ易く、かつ曲げたときでもキンク等の座屈現象を抑制し得る熱可塑性エラストマー複合体を提供する。

解決手段
熱可塑性エラストマー層に複合フィルムを積層してなる熱可塑性エラストマー複合体であって、前記熱可塑性エラストマー層と前記複合フィルムとが、互いにそれらの当接部分の1部において融着していることを特徴とする熱可塑性エラストマー複合体である。
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性エラストマー層に複合フィルムを積層してなる熱可塑性エラストマー複合体であって、前記熱可塑性エラストマー層と前記複合フィルムとが、互いにそれらの当接部分の1部において融着していることを特徴とする熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項2】
熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの融着面積が全当接面積に対して5〜95%である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項3】
熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマー又はオレフィン系エラストマーである請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項4】
スチレン系エラストマーがスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体及びスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項3に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項5】
オレフィン系エラストマーがポリイソブチレンである請求項3に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項6】
熱可塑性エラストマー層のJIS−A硬度が80度以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項7】
熱可塑性エラストマー層のJIS−A硬度が60度以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項8】
複合フィルムが非高分子ガスバリア層、高分子ガスバリア層及びポリオレフィン層とからなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項9】
複合フィルムの非高分子ガスバリア層が金属からなる請求項8に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項10】
複合フィルムの非高分子ガスバリア層の金属がアルミニウム又はアルミニウム合金である請求項9に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項11】
複合フィルムの高分子ガスバリア層がエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂からなる請求項8に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項12】
複合フィルムが、熱可塑性エラストマー層側より順に、
(1)ポリオレフィン層、高分子ガスバリア層及び非高分子ガスバリア層、
(2)ポリオレフィン層、非高分子ガスバリア層及び高分子ガスバリア層、
(3)ポリオレフィン層、高分子ガスバリア層、非高分子ガスバリア層及びポリオレフィン層、又は
(4)ポリオレフィン層、非高分子ガスバリア層、高分子ガスバリア層及びポリオレフィン層を配設したものである請求項8に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項13】
1層の熱可塑性エラストマー層の両面に複合フィルムが積層されてなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項14】
袋状をなす熱可塑性エラストマー層の表面に複合フィルムが積層されて袋状体をなす請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項15】
長尺の円筒状又は長円筒状をなす請求項13又は14に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項16】
熱可塑性エラストマー層内に少なくとも1つの管状体を形成してなる請求項14又は15に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項17】
熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの融着部分が帯状をなす請求項1〜16のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項18】
熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの融着部分である帯が螺旋状である請求項17に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項19】
帯状をなす融着部分の幅が0.5〜50mmであり、かつ帯状中心間隔が1〜100mmである請求項17又は18に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項20】
複合フィルムに凹凸が付与されている請求項1〜18のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項21】
複合フィルムの凹凸の凸部の少なくとも一部が熱可塑性エラストマー層の一部と融着している請求項20に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項22】
複合フィルムが2枚張り合わされていることにより円筒状又は長円筒状をなす請求項15に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項23】
複合フィルム同士の張り合わせ部に、折り目が設けられている請求項22に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【請求項24】
複合フィルム同士の張り合わせ部を袋とじにしてなる請求項22又は23に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は熱可塑性エラストマー複合体、さらに詳しくは、熱可塑性エラストマーを素材とし、その表面に複合フィルムを積層してなる熱可塑性エラストマー複合体であって、柔軟で、曲げ易くかつ曲げたときでもキンク等の座屈現象が起こりにくく、かつガスバリア性等の特性を有する熱可塑性エラストマー複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成樹脂からなる基材に金属薄膜を含む複合フィルムを積層してなる複合材として、種々のものが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかしながら、このような複合材のほとんどは、金属薄膜部の延性が低く、かつ高分子化合物からなる基材の弾性率が高いため、外力に対する変形量が小さいものであった。例えばエンジニアリングプラスチックからなる基材に金属薄膜を積層した場合は、複合材としての機能を有するが、ゴムや低硬度の樹脂のような、外力に対する変形量が大きい基材に金属薄膜を積層した場合は、変形時に金属薄膜部にクラックが入るなどの問題が生じ、実用に耐えるものではなかった。室温で延性の高い金属である鉛や金と高分子化合物との複合材には、この問題を解決し得る可能性があるが、鉛には環境負荷の問題があり、金は高価であるという問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開平11−121961号公報
【特許文献2】特開平6−255020号公報
【特許文献3】特開平5−293927号公報
【特許文献4】特開平4−176858号公報
【特許文献5】特開平2−192936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱可塑性エラストマーが有する柔軟性や作業性の良さと、複合フィルムのガスバリア性等の特性を持ち、曲げ易く、かつ曲げたときでもキンク等の座屈現象を抑制し得る熱可塑性エラストマー複合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、熱可塑性エラストマーと、ガスバリア性等の機能を有する複合フィルムとを特定の方法で当接することにより、その目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1. 熱可塑性エラストマー層に複合フィルムを積層してなる熱可塑性エラストマー複合体であって、前記熱可塑性エラストマー層と前記複合フィルムとが、互いにそれらの当接部分の1部において融着していることを特徴とする熱可塑性エラストマー複合体。
2. 熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの融着面積が全当接面積に対して5〜95%である上記1に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
3. 熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマー又はオレフィン系エラストマーである上記1又は2に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
4. スチレン系エラストマーがスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体及びスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種である上記3に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
5. オレフィン系エラストマーがポリイソブチレンである上記3に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
6. 熱可塑性エラストマー層のJIS−A硬度が80度以下である上記1〜5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー複合体。
7. 熱可塑性エラストマー層のJIS−A硬度が60度以下である上記1〜5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー複合体。
8. 複合フィルムが非高分子ガスバリア層、高分子ガスバリア層及びポリオレフィン層とからなる上記1〜7のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー複合体。
9. 複合フィルムの非高分子ガスバリア層が金属からなる上記8に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
10. 複合フィルムの非高分子ガスバリア層の金属がアルミニウム又はアルミニウム合金である上記9に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
11. 複合フィルムの高分子ガスバリア層がエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂からなる上記8に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
12. 複合フィルムが、熱可塑性エラストマー層側より順に、
(1)ポリオレフィン層、高分子ガスバリア層及び非高分子ガスバリア層、
(2)ポリオレフィン層、非高分子ガスバリア層及び高分子ガスバリア層、
(3)ポリオレフィン層、高分子ガスバリア層、非高分子ガスバリア層及びポリオレフィン層、又は
(4)ポリオレフィン層、非高分子ガスバリア層、高分子ガスバリア層及びポリオレフィン層を配設したものである上記8に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
13. 1層の熱可塑性エラストマー層の両面に複合フィルムが積層されてなる上記1〜12のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー複合体。
14. 袋状をなす熱可塑性エラストマー層の表面に複合フィルムが積層されて袋状体をなす上記1〜13のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー複合体。
15. 長尺の円筒状又は長円筒状をなす上記13又は14に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
16. 熱可塑性エラストマー層内に少なくとも1つの管状体を形成してなる上記14又は15に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
17. 熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの融着部分が帯状をなす上記1〜16のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー複合体。
18. 熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの融着部分である帯が螺旋状である上記17に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
19. 帯状をなす融着部分の幅が0.5〜50mmであり、かつ帯状中心間隔が1〜100mmである上記17又は18に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
20. 複合フィルムに凹凸が付与されている上記1〜18のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー複合体。
21. 複合フィルムの凹凸の凸部の少なくとも一部が熱可塑性エラストマー層の一部と融着している上記20に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
22. 複合フィルムが2枚張り合わされていることにより円筒状又は長円筒状をなす上記15に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
23. 複合フィルム同士の張り合わせ部に、折り目が設けられている上記22に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
24. 複合フィルム同士の張り合わせ部を袋とじにしてなる上記22又は23に記載の熱可塑性エラストマー複合体。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、熱可塑性エラストマーが有する柔軟性や作業性の良さと、複合フィルムの導電性、ガスバリア性及び電磁波シールド性などの特性を併せ持ち、曲げ易く、かつ曲げたときでもキンク等の座屈現象を抑制し得る熱可塑性エラストマー複合体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の熱可塑性エラストマー複合体1の典型的な例を図1〜3に基づいて説明する。
まず、図1において、熱可塑性エラストマー層2の片面に、ポリオレフィン層3a、高分子ガスバリア層4、非高分子ガスバリア層5及びポリオレフィン層3bの順に積層されてなる複合フィルム6が配設されている。ここで、複合フィルム6の各層の構成は図1に限らず、熱可塑性エラストマー層2側から、ポリオレフィン層3a、非高分子ガスバリア層5、高分子ガスバリア層4及びポリオレフィン層3bの順に積層されていてもよい。いずれの場合においても、ポリオレフィン層3bは必須ではないが、熱可塑性エラストマー複合体1の表面を保護するため、配設することが望ましい。ポリオレフィン層3aとポリオレフィン層3bとは、同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
また、本発明において、ガスバリアにおけるガスとは、空気、窒素、酸素、水素、二酸化炭素、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)等のガスと共に、各種液体の蒸気、例えば、水蒸気、メタノール蒸気等をも含む。
【0008】
次に、図2において、熱可塑性エラストマー層2の両面に、それぞれ、複合フィルム6a及び6bを配設する場合を示す。熱可塑性エラストマー層2の片面には、熱可塑性エラストマー層2側からポリオレフィン層3a、高分子ガスバリア層4a、非高分子ガスバリア層5a及びポリオレフィン層3bの順に積層されてなる複合フィルム6aが配設されており、他の片面には、熱可塑性エラストマー層2側からポリオレフィン層3c、高分子ガスバリア層4b、非高分子ガスバリア層5b及びポリオレフィン層3dの順に積層されてなる複合フィルム6bが配設されている。
さらに、図3は、隣接する2層の熱可塑性エラストマー層2a及び2bのそれぞれの片面に、複合フィルム6a及び6bを配設する場合を示す。
また、本発明の熱可塑性エラストマー複合体1は、袋状をなす熱可塑性エラストマー層2の表面に複合フィルム6が積層されて袋状体をなしていてもよい。
図2及び図3の場合においても、ポリオレフィン層3bは必須ではない。そして、複合フィルム6a及び6bは、いずれも上述の4通りの構成を採りうるものであり、同じ構成又は材料でもよいし、異なる構成又は材料でもよい。
また、図1〜3では、非高分子ガスバリア層、高分子ガスバリア層及びポリオレフィン層からなる複合フィルムを例に説明したが、その他の導電性、電離シールド性等の機能を有する複合フィルムであってもよい。
【0009】
次に、熱可塑性エラストマー複合体1の熱可塑性エラストマー層2と複合フィルム6とが、互いにそれらの当接部分の1部において融着している態様を図面に基づいて説明する。図4〜7は、いずれも熱可塑性エラストマー層2と複合フィルム6との当接部分の展開図である。図4においては、熱可塑性エラストマー層2と複合フィルム6との融着部分7が熱可塑性エラストマー複合体1の長手方向に直角である帯状に配列されている例を示す。この場合は、融着部分7と非融着部分とが熱可塑性エラストマー複合体1の長手方向で交互に設けられ、かつ熱可塑性エラストマー複合体1の全周にわたって非融着部分となる部分ができるため、この非融着部分で柔軟に変形しキンクが起こりにくくなり好ましい。図5は、融着部分7が熱可塑性エラストマー複合体1の長手方向に鋭角である帯状に配列されている例を示す。ここで、鋭角とは、図5において、帯状の融着部分7から時計方向に回転して熱可塑性エラストマー複合体1長手方向に延びる中心線8に至る角度αが鋭角であることをいう。角度αは鋭角又は鈍角いずれであってもよい。角度αが鋭角の場合は、帯状の融着部分7は左下から右上に延び、角度αが鈍角の場合は、帯状の融着部分7は右下から左上に延びることになる。図5の帯状の融着部分7は、長手方向に部分的に不連続となっていてもよいし、全体的に不連続となっていてもよい。また、螺旋状のように長手方向に連続していてもよい。さらに、1本の帯が螺旋状に連続していてもよいし、複数本の帯が螺旋状に連続していてもよい。
上記の典型例として、図6は、融着部分7の帯が1本の螺旋状である例を示す。非融着部分が連続するので、熱可塑性エラストマー複合体1は、全体的に柔軟となり好ましい。
帯状をなす融着部分7の幅が0.5〜50mmであれば機械的強度の観点から好ましく、2〜20mmであれば、同様の観点により更に好ましい。また、帯中心間隔が1〜100mmであれば、柔軟性確保のために好ましく、5〜50mmであれば、同様の観点により更に好ましい。
【0010】
次に、図7は、複合フィルム6に凹凸が付与されており、その凹凸の凸部の少なくとも一部(一部又は全部)が熱可塑性エラストマー層2の一部と融着している例である。ここで、複合フィルム6の凸部とは、熱可塑性エラストマー層2側から見た場合をいう。また、複合フィルム6の凸部は、円形、楕円形、三角形、四角形又はそれ以外の多角形、菱形、星型等形状に制限はない。複合フィルム6の凹凸は、エンボス加工等により好適に設けることができる。この態様は、熱可塑性エラストマー複合体1の長手方向と周方向とのいずれにも非融着部分が連続するので、柔軟性が大幅に改良される。
【0011】
図2に示すように1層の熱可塑性エラストマー層2の両面又は図3に示すように隣接する2層の熱可塑性エラストマー層2a及び2bのそれぞれの片面に、複合フィルム6a及び6bを配設する場合は、複合フィルム6aと6bとで、上述の融着部分7の態様を異なるものとしてもよい。例えば、複合フィルム6aと6bとで、融着部分7の角度を逆向きとしてもよい。また、複合フィルム6aと6bとの一方の全体を未融着としてもよい。例えば、複合フィルム6aをその全面にわたって未融着とし、複合フィルム6bを図4もしくは図5の帯状又は図7の融着部分7のように部分融着とする場合も本発明に包含される。
しかしながら、複合フィルム6aと6bとの一方の全体を未融着、他方の全体を融着とするのは、熱可塑性エラストマー複合体1の柔軟性が改善されず、本発明を構成し得ない。
【0012】
上述の融着部分7の各態様において、融着部分7の融着面積が全当接面積に対して5〜95%であることが柔軟性確保のために好ましく、5〜50%であれば、同様な観点により更に好ましい。
【0013】
また、本発明において、複合フィルム6は、導電性、ガスバリア性及び電磁波シールド性などの特性を担保するため、熱可塑性エラストマー層2の全表面に存在することが好ましく、当初より円筒状又は長円筒状に調製されていてもよいし、2枚張り合わされていることにより円筒状又は長円筒状をなしていてもよい。ここで、複合フィルム6が2枚張り合わされている態様として、張り合わせ部に、折り目が設けられていることがガスバリア性を担保するために好ましい。所望により、その折り目は、袋とじにすることが密閉性を高めるために好ましい。
【0014】
本発明の熱可塑性エラストマー複合体1が上記のように円筒状又は長円筒状となる場合は、1層の熱可塑性エラストマー層2の層内又は隣接する2層の熱可塑性エラストマー層2の層間に少なくとも1つの管状体が形成されると、管状体を通して気体又は液体の流体を輸送することができる。隣接する2層の熱可塑性エラストマー層2の層間自体が管状体を構成してもよいし、適当な管状体を埋設してもよい。
【0015】
ところで、本発明に係る熱可塑性エラストマー層2に用いられる熱可塑性エラストマーとしては特に制限はなく、従来公知の熱可塑性エラストマーの中から、熱可塑性エラストマー複合体1の用途に応じて適宜選択される。この熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素樹脂系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
本発明において、これらの熱可塑性エラストマーのうち、物性及び加工性のバランス等の点から、特にスチレン系エラストマー又はオレフィン系エラストマーが好ましい。
【0016】
スチレン系エラストマーは、芳香族ビニル系重合体ブロック(ハードセグメント)とゴムブロック(ソフトセグメント)とを有し、芳香族ビニル系重合体部分が物理架橋を形成して橋かけ点となり、一方、ゴムブロックが弾性を付与する。
芳香族ビニル系重合体ブロックを形成する芳香族ビニル系化合物の例としては、スチレン;α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−シクロヘキシルスチレン等の核アルキル置換スチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−4−クロロスチレン等の核ハロゲン化スチレン;1−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン誘導体;インデン誘導体;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
これらの中で、スチレン、α−メチルスチレン、及びp−メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが好適である。
これらの芳香族ビニル化合物は、一種を単独で用いてもよいし、また二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
このスチレン系エラストマーは、その中のソフトセグメントの配列様式により、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−ブロック共重合体(SEPS)、ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得られる結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体等がある。
これらの中で、機械的強度、耐熱安定性、耐候性、耐薬品性、ガスバリア性、柔軟性、加工性等の点から、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、及びスチレン−エチレン/プロピレン−ブロック共重合体(SEPS)が好ましい。これらのスチレン系エラストマーにおけるスチレンブロックの含有量は、10〜70質量%であることが好ましく、更には20〜40質量%の範囲が好ましい。
【0018】
また、オレフィン系エラストマーは、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリプロピレン (PP)の中に、エチレン‐プロピレンゴム(EPDM,EPM)を微分散させた熱可塑性エラストマー等が好ましく、機械的強度、耐熱安定性、耐候性、耐薬品性、ガスバリア性、柔軟性、加工性等の点から、ポリイソブチレンが特に好ましい。
【0019】
上記熱可塑性エラストマーの重量平均分子量については特に制限はないが、ガスバリア性、機械的特性、及び成形性等の面から、40,000〜120,000の範囲であることが好ましく、更には60,000〜100,000の範囲が好ましい。
【0020】
熱可塑性エラストマー層2に用いる熱可塑性エラストマーは、一種を単独で用いてもよいし、他の熱可塑性エラストマー、種々の樹脂、配合剤等を配合して、熱可塑性エラストマーを含む組成物(以下「エラストマー組成物」と称することがある。)として用いてもよい。エラストマー組成物に用いるものとして、該エラストマー組成物の加工性、耐熱性の向上を図る点から、ポリオレフィン樹脂やポリスチレン樹脂等の樹脂成分(以下、単に「樹脂成分」という場合がある。)を好適に挙げることができ、特にポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては特に制限はなく、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレンと他の少量のα−オレフィンとの共重合体(例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリブテン−1等を挙げることができる。ポリオレフィン樹脂としてアイソタクティックポリプロピレン又はその共重合体を用いる場合、そのMFR(JIS K7210)が0.1〜50g/10分、特に0.5〜30g/10分の範囲のものが好適に使用できる。
なお、エラストマー組成物中に含まれる熱可塑性エラストマーは、一種単独で、また二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
次に、ポリスチレン樹脂としては、従来公知の製造方法で得られたもの、例えば、ラジカル重合法、イオン重合法のいずれで得られたものも好適に使用できる。
ここで使用するポリスチレン樹脂の数平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜200,000の範囲から選択でき、分子量分布は5以下のものが好ましい。
ポリスチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン単位含有量60質量%以上のスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−t−ブチルスチレン等が挙げられ、これらは一種または二種以上を併用してもよい。
更に、これらポリマーを構成するモノマーの混合物を重合して得られる共重合体も用いることができる。
また、上記ポリオレフィン樹脂とポリスチレン樹脂とを併用することもできる。
例えば、エラストマー組成物にこれらの樹脂を添加する場合、ポリオレフィン樹脂単独を添加する場合に比較してポリスチレン樹脂を併用すると、得られる熱可塑性エラストマー層2の硬度が高くなる傾向にある。
従って、これらの配合比率を選択することにより、得られる熱可塑性エラストマー層2の硬度を調整することもできる。
この場合、ポリオレフィン樹脂/ポリスチレン樹脂の比率は95/5〜5/95(質量比)の範囲から選択することが好ましい。
【0022】
本発明に係るエラストマー組成物中の樹脂成分の配合量は、熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0〜100質量部程度であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂の場合は、特に0.1〜50質量部がより好ましい。
樹脂成分の配合量が100質量部以下であると、得られる成形体の硬度が高くなり過ぎることがなく好ましい。
【0023】
本発明に係るエラストマー組成物中には、さらに軟化剤を添加することができる。軟化剤としては、通常、室温で液体又は液状のものが好適に用いられる。
このような性状を有する軟化剤としては、例えば、鉱物油系,合成系等の各種ゴム用又は樹脂用軟化剤の中から適宜選択することができる。
ここで、鉱物油系としては、ナフテン系、パラフィン系等のプロセス油が挙げられ、なかでも、非芳香族系オイル、特に鉱物油系のパラフィン系オイル、ナフテン系オイル又は合成系のポリイソブチレン系オイルから選択される一種又は二種以上であって、その数平均分子量が450〜5,000であるものが好ましい。
なお、これらの軟化剤は一種を単独で用いてもよく、互いの相溶性が良好であれば二種以上を混合して用いてもよい。
軟化剤の配合量は、特に制限はないが、熱可塑性エラストマー100質量部に対し、通常1〜1000質量部、好ましくは1〜500質量部の範囲で選ばれる。
配合量が、1質量部以上であると低硬度化することができ、熱可塑性エラストマー層2に十分な柔軟性が得られる。一方、1,000質量部以下であると軟化剤のブリードが抑えられ、また、熱可塑性エラストマー層2の十分な機械的強度が得られる。
なお、この軟化剤の配合量は、熱可塑性エラストマーの分子量及び該熱可塑性エラストマーに添加される他の成分の種類に応じて、上記範囲で適宜選定することができる。
【0024】
また、本発明に係るエラストマー組成物には、得られる熱可塑性エラストマー層2の圧縮永久歪みを改善する等の目的で、所望によりポリフェニレンエーテル樹脂を配合することができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、公知のものを用いることができ、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、又、2,6−ジメチルフェノールと1価のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体の如きポリフェニレンエーテル共重合体も用いることができる。
なかでも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)や2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、更に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、熱可塑性エラストマー100質量部に対して10〜250質量部の範囲で好適に選択することができる。
この配合量が250質量部以下であると得られる成形体の硬度が高くなりすぎず適度のものとなり、10質量部以上であると得られる成形体の圧縮永久歪みの改善効果が十分となる。
【0025】
また、本発明に係るエラストマー組成物には、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム等のりん片状無機系添加剤、各種の金属粉、ガラス粉、セラミックス粉、粒状あるいは粉末ポリマー等の粒状あるいは粉末状固体充填剤、その他の各種の天然または人工の短繊維、長繊維(各種のポリマーファイバー等)等を配合することができる。
また、中空フィラー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン等の無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体等からなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図ることができる。
更に、軽量化等の各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入することも可能であり、また、混合時等に機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。
【0026】
また、本発明に係るエラストマー組成物には、他の添加剤として、必要に応じて、難燃剤、抗菌剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、シリコーンオイル、シリコーンポリマー、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)、レオストマーB(商品名:リケンテクノス(株)製)等の各種接着性エラストマー、ハイブラー(商品名:(株)クラレ製、ビニル−ポリイソプレンブロックの両末端にポリスチレンブロックが連結したブロック共重合体)、ノーレックス(商品名:日本ゼオン(株)製、ノルボルネンを開環重合して得られるポリノルボルネン)等の他の熱可塑性エラストマー又は樹脂等を併用することができる。
【0027】
本発明に係るエラストマー組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適用することができる。
例えば、上記の各成分及び所望により用いられる添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、プラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサー等を用いて溶融混練し、更に、所望により有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤等を添加したり、又はこれらの必要な成分を同時に混合し、加熱溶融混練することにより、容易に製造することができる。
また、高分子有機材料と軟化剤とを混練した熱可塑性材料を予め用意し、この材料を、ここに用いたものと同種か若しくは種類の異なる一種以上の高分子有機材料に更に混ぜ合わせて製造することもできる。
更に、本発明に係るエラストマー組成物においては、有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤等を添加して架橋することも可能である。
【0028】
ところで、本発明に係る熱可塑性エラストマー層2のJIS−A硬度は80度以下であることが好ましい。硬度が80度以下であると、成形体としての十分な柔軟性が得られる。同様の理由から、JIS−A硬度で70度以下が更に好ましく、60度以下が特に好ましい。また、機械的強度を確保する観点からJIS−A硬度で30度以上が好ましく、40度以上が更に好ましい。
【0029】
本発明に係る複合フィルム6の非高分子ガスバリア層5としては、高い導電性、ガスバリア性及び電磁波シールド性等の特性を担保するために金属が好ましい。この金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、銅、クロム、亜鉛、金、銀、スズ、コバルト、パラジウム、チタン、鉛、白金、カドミウム、ロジウム又はそれらの合金、あるいはそれらの複合層が用いられるが、アルミニウム又はアルミニウム合金が高い延性を有しかつ低コストであるので特に好ましい。
【0030】
本発明において、アルミニウム合金とは、アルミニウムと他の金属の合金であって、アルミニウムと合金を形成する金属は、合金を形成し得るものであれば特に限定されない。具体的には、アルミニウム−銅合金、アルミニウム−マンガン合金、アルミニウム−ケイ素合金、アルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−マグネシウム−ケイ素合金、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム合金等が挙げられる。
【0031】
本発明に係る非高分子ガスバリア層5は、上記金属を蒸着、メッキ等により調製できる。このうち、異物混入防止の観点から蒸着が好ましい。金属を蒸着する方法としては、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等を用いることができる。蒸着膜の厚さについては、用途に応じて適宜選択し得るが、通常400〜600Aの範囲である。
【0032】
本発明に係る複合フィルム6の高分子ガスバリア層4の成分として、ポリイソブチレンエラストマーより1000倍以上酸素バリア性に優れる材料が好ましい。例えば、JIS K7126(B法等圧法、20℃、65%RH)に準拠して測定すると、ポリイソブチレンエラストマーが4×10-13mol/m2・s・Paであるのに対し、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂では、エチレン分が27mol%の場合2×10-18mol/m2・s・Paであり、エチレン分が44mol%の場合3×10-17mol/m2・s・Paである。また、ポリ塩化ビニリデンは3×10-17mol/m2・s・Paであり、いずれも、ポリイソブチレンエラストマー対比1000倍以上酸素バリア性に優れている。
これらのうち、ガスバリア性及び機械的強度の観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、特にエチレン分が25〜50mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂が高分子ガスバリア層4の成分として好ましい。
【0033】
本発明に係る複合フィルム6のポリオレフィン層3の材料としては、上述のポリオレフィン樹脂の中から適宜選択して用いられる。
【0034】
本発明において用いられる複合フィルム6は、上述の非高分子ガスバリア層5及び高分子ガスバリア層4により、酸素透過性において5×10-19mol/m2・s・Pa(JIS K7126 B法等圧法、20℃、65%RH)、水蒸気透過性において0.5g/m2・24h(JIS Z0208防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)40℃、90%RH)であり、優れたガスバリア性を示す。
複合フィルム6の高分子ガスバリア層4の厚みとしては、3〜500μmが好ましく、8〜100μmがより好ましく、10〜50μmがさらに好ましい。また、ポリオレフィン層3の厚みは、1〜500μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜50μmが更に好ましい。
【0035】
本発明の熱可塑性エラストマー複合体1は、前述の熱可塑性エラストマー又はそれを含む組成物を用い、従来公知の方法、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション等により熱可塑性エラストマー層2を作製し、その後複合フィルム6との当接部分の1部を融着してもよいし、熱可塑性エラストマー層2の作製と複合フィルム6との当接部分の部分融着を押出成形、インフレーション等により連続的に行ってもよい。
【実施例】
【0036】
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、融着部分の耐屈曲性及び熱可塑性エラストマー複合体の曲げ易さ並びに複合フィルムの酸素透過性及び水蒸気透過性の評価は、下記の方法に従って測定した。
1.融着部分の耐屈曲性
材料を折り曲げるとき、融着部分に屈曲が発生しなかったものを○、融着部分に屈曲が発生したものを×とした。
2.熱可塑性エラストマー複合体の曲げ易さ
熱可塑性エラストマー複合体を曲げ、曲げ易かったものを○、剛性が高くなりやや曲げにくかったものを△、剛性が高くなりキンクが発生したものを×とした。
3.酸素透過性
JIS K7126(B法等圧法、20℃、65%RH)に準拠して測定した。
4.水蒸気透過性
JIS Z0208(防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)40℃、90%RH)に準拠して測定した。
【0037】
実施例1〜10、比較例1〜2
表1に示す構成により、実施例1〜10及び比較例1〜2の12種類の熱可塑性エラストマー複合体を作成し、夫々、融着部分の耐屈曲性及び熱可塑性エラストマー複合体の曲げ易さ、酸素透過性及び水蒸気透過性を評価した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】


【0039】
実施例1〜10の熱可塑性エラストマー複合体は、いずれも複合フィルム6が柔軟な熱可塑性エラストマー層2の運動を阻害せず、融着部分7の耐屈曲性が良好であり、キンクも発生しなかった。これにより、複合体としてのガスバリア性が著しく向上した。一方、比較例1及び2はいずれも融着部分の耐屈曲性が不良であり、熱可塑性エラストマー複合体の曲げ易さが劣悪であった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の熱可塑性エラストマー複合体は、熱可塑性エラストマー層の外周に複合フィルムを有し、かつ融着部分が限定され熱可塑性エラストマー複合体の柔軟性が確保されるので、優れたガスバリア性が長期に得られ、熱可塑性エラストマー複合体として、各種の保存性を要求される食品、半導体機器、電気機器等の包装材料、気体又は液体の保存用容器又は輸送用管状体等の広範囲の用途にわたり好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の熱可塑性エラストマー複合体の断面模式図である。
【図2】本発明の他の熱可塑性エラストマー複合体の断面模式図である。
【図3】本発明の他の熱可塑性エラストマー複合体の断面模式図である。
【図4】本発明の熱可塑性エラストマー複合体における熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの当接部分の展開模式図である。
【図5】本発明の他の熱可塑性エラストマー複合体における熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの当接部分の展開模式図である。
【図6】本発明の他の熱可塑性エラストマー複合体における熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの当接部分の展開模式図である。
【図7】本発明の他の熱可塑性エラストマー複合体における熱可塑性エラストマー層と複合フィルムとの当接部分の展開模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1 熱可塑性エラストマー複合体
2、2a、2b 熱可塑性エラストマー層
3、3a、3b、3c、3d ポリオレフィン層
4、4a、4b 高分子ガスバリア層
5、5a、5b 非高分子ガスバリア層
6、6a、6b 複合フィルム
7 融着部分




 

 


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