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発明の名称 冷媒輸送用ホース
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15245(P2007−15245A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−199885(P2005−199885)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
発明者 小坂 信広
要約 課題
所望の低冷媒透過性および低抽出性を備えるとともに、シール剤の塗布なしでもホース−継ぎ手金具間における優れたシール性を確保することができる冷媒輸送用ホースを提供する。

解決手段
内側から、少なくとも1層の内面樹脂層1、内管ゴム層2、補強層3および外被ゴム層4が順次積層されてなる冷媒輸送用ホースである。内面樹脂層のうち最内面のものの4%伸長時弾性率が15MPa以下であり、かつ、内管ゴム層2の、100℃、70時間における圧縮永久歪が30%以下である。
特許請求の範囲
【請求項1】
内側から、少なくとも1層の内面樹脂層、内管ゴム層、補強層および外被ゴム層が順次積層されてなる冷媒輸送用ホースにおいて、
前記内面樹脂層のうち最内面のものの4%伸長時弾性率が15MPa以下であり、かつ、前記内管ゴム層の、100℃、70時間における圧縮永久歪が30%以下であることを特徴とする冷媒輸送用ホース。
【請求項2】
前記最内面樹脂層の4%伸長時弾性率が10MPa以下である請求項1記載の冷媒輸送用ホース。
【請求項3】
前記内管ゴム層の、100℃、70時間における圧縮永久歪が20%以下である請求項1または2記載の冷媒輸送用ホース。
【請求項4】
前記最内面樹脂層の材質がポリアミドまたはポリアミドを主成分とするポリマーアロイである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の冷媒輸送用ホース。
【請求項5】
前記内管ゴム層の材質が塩素化ブチルゴムである請求項1〜4のうちいずれか一項記載の冷媒輸送用ホース。
【請求項6】
前記補強層の材質がポリエチレンテレフタレートである請求項1〜5のうちいずれか一項記載の冷媒輸送用ホース。
【請求項7】
前記外被ゴム層の材質がエチレンプロピレンゴム(EPDM)である請求項1〜6のうちいずれか一項記載の冷媒輸送用ホース。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は冷媒輸送用ホース(以下、単に「ホース」とも称する)に関し、詳しくは、自動車用エアコンの冷媒循環用の配管等に使用される冷媒輸送用ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エアコンの配管等として使用される冷媒輸送用ホースには、可撓性に加え、耐冷媒透過性、耐水性、耐熱耐久性等が要求される。そのため、従来、冷媒輸送用ホースとしては、これら各種性能を担保させる目的で樹脂やゴム等の層を積層した複合ホースが種々提案されてきており、例えば、最内層にガスバリア性を有する内面樹脂層を配して、その上に内管ゴム層、補強層および外被ゴム層を順次積層してなる構造を有する複合ホースが知られている。
【0003】
従来の冷媒輸送用複合ホースとしては、例えば、特許文献1に、内面樹脂層、内管ゴム層、補強層及び外被ゴム層を順次積層して構成され、補強層の材質がポリエチレンナフタレート繊維である冷媒輸送用複合ホースが記載されている。また、特許文献2には、内層の樹脂層と外層のゴム層とで構成される内管層を備え、樹脂層がナイロン6、ナイロン12及びポリオレフィンを特定比率で含み、海層がナイロン6、島層がナイロン12であり、ポリオレフィンのうち90%以上が島相中に散点状に分散されて構成されている冷媒輸送用ホースが記載されている。
【0004】
一方、ホースの配管接続部には、通常、継ぎ手金具が用いられるが、上記のような積層構造を有する複合ホースの場合、最内層が樹脂層であって継ぎ手金具に対する追従性が悪いため、シール性が不十分となりやすい。そのため、特に、自動車エンジンルーム内のような厳しい条件下で使用される冷媒輸送用ホースでは、ホースと継ぎ手金具との間のシール性を十分に確保するために、継ぎ手金具の表面にシール剤を塗布することが一般的である。シール剤に係る改良技術としては、例えば、特許文献3に、冷媒輸送用ホースの端部をニップルの端部に外嵌することにより連結するにあたり、ニップルの外周面とホース内周面との間を、受酸剤を分散含有させた塩素系エラストマによりシールした冷媒輸送用ホースの継手構造が記載されている。
【特許文献1】特開平11−336956号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特許第2870160号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】特開平5−52280号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の接着剤やシール剤を塗布する方法では、継ぎ手金具に接着剤あるいはシール剤を塗布するための時間および費用がかかるという難点があった。また、使用するシール剤中に有機溶剤が含まれることから、作業環境の観点からも問題があった。
【0006】
これに対し、内面樹脂層を用いなければ上記問題を回避することはできるものの、この場合、内面樹脂層を設ける本来の目的である低冷媒透過性やゴム中からの低抽出性を犠牲にしなくてはならないという問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、所望の低冷媒透過性および低抽出性を備えるとともに、シール剤の塗布なしでもホース−継ぎ手金具間における優れたシール性を確保することができる冷媒輸送用ホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記のような構造を有する複合ホースにおいて、従来は十分考慮されていなかった最内面樹脂層の柔軟性および内管ゴム層の圧縮永久歪性に着目して鋭意検討した結果、これら最内面樹脂層および内管ゴム層の物性を夫々所定に規定して組み合わせることにより、上記目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、内側から、少なくとも1層の内面樹脂層、内管ゴム層、補強層および外被ゴム層が順次積層されてなる冷媒輸送用ホースにおいて、
前記内面樹脂層のうち最内面のものの4%伸長時弾性率が15MPa以下であり、かつ、前記内管ゴム層の、100℃、70時間における圧縮永久歪が30%以下であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、前記最内面樹脂層の4%伸長時弾性率は、好適には10MPa以下であり、前記内管ゴム層の、100℃、70時間における圧縮永久歪は、好適には20%以下である。また、前記最内面樹脂層の材質としてはポリアミドまたはポリアミドを主成分とするポリマーアロイ、前記内管ゴム層の材質としては塩素化ブチルゴム、前記補強層の材質としてはポリエチレンテレフタレート、前記外被ゴム層の材質としてはエチレンプロピレンゴム(EPDM)を、夫々好ましく用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、柔軟性を有する最内面樹脂層と低圧縮永久歪性を有する内管ゴム層とを組み合わせて複合ホースを構成したことにより、所望の低冷媒透過性および低抽出性を担保しつつ、シール剤の塗布なしでもホース−継ぎ手金具間における優れたシール性を確保することができる冷媒輸送用ホースを実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一好適実施形態に係る冷媒輸送用ホースの拡大部分斜視図を示す。図示するように、本発明の冷媒輸送用ホース10は、内側から、内面樹脂層1、内管ゴム層2、補強層3および外被ゴム層4が順次積層されてなる構造を有する複合ホースである。
【0013】
本発明のホース10においては、内面樹脂層1および内管ゴム層2が夫々所定の物性を有する点が重要である。即ち、本発明においてはまず、ホース10の最内層に当たる内面樹脂層1が、従来に比しより柔軟に形成されている。ホースの最内面樹脂層1の柔軟性を向上させたことにより、図2に示すようにホース10を継ぎ手金具20と嵌合した際に、ホース10の最内面樹脂層1、即ち、ホース10の内面が継ぎ手金具20の表面形状に追従しやすくなり、結果として、使用初期における十分なシール性を発揮することが可能となった。
【0014】
但し、この場合、一定の条件下で使用した後においては、内管ゴム層2の永久歪によるゴム弾性の低下が起こり、結果として金具加締め部のシール性の維持ができなくなってしまう。従って本発明においては、さらに、内管ゴム層2の圧縮永久歪の低減を図って、これと上記最内面樹脂層1の柔軟性向上効果とを組み合わせることにより、従来のように継ぎ手金具20表面にシール剤を塗布する必要なしで使用初期から長期にわたりシール性を十分確保することが可能となったものである。
【0015】
具体的には、本発明のホースにおいては、最内面樹脂層1の4%伸長時弾性率が15MPa以下、好適には10MPa以下、より好適には5〜10MPa程度であって、かつ、内管ゴム層2の、100℃、70時間における圧縮永久歪が30%以下、好適には20%以下、より好適には7〜17%程度であることが必要である。最内面樹脂層1および内管ゴム層2の物性を上記のように規定することで、本発明の所期の効果を得ることが可能となる。
【0016】
本発明においては、最内面樹脂層1および内管ゴム層2を構成する具体的な材料や、これら以外の補強層3および外被ゴム層4の構成については特に制限されるものではなく、従来公知の材料等から適宜選択して用いることが可能であるが、例えば、以下のように構成することができる。
【0017】
内面樹脂層は、最内面に位置する最内面樹脂層1が上記条件を満足するものであれば、単層であっても複層であってもよい。その材料としては、一般的なものとして、ポリアミド(ナイロン)またはポリアミドを主成分とするポリマーアロイを好適に用いることができ、例えば、ナイロン6や、ナイロン6を主成分とし、ポリオレフィンや他のポリマーなどを適宜添加したナイロンアロイなどが適用される。なお、ここで「主成分とする」とは、ポリアミドを50重量%以上含むことを意味する。内面樹脂層の総厚は、通常50〜500μm、好ましくは100〜200μm程度である。
【0018】
内管ゴム層2の材料としては、例えば、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンアクリルゴム(AEM)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)等が挙げられ、これらのうちのいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも、CIIRが好ましい。内管ゴム層2の厚みは、通常0.5〜4.0mm、好ましくは0.8〜2.5mm程度である。
【0019】
なお、内面樹脂層と内管ゴム層2との間には、必要に応じ接着剤層を設けて、層間の接着性を高めることができる(図示せず)。
【0020】
補強層3は、ビニロン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ポリアミド(ナイロン)、アラミド等の繊維からなる補強糸を、スパイラル構造またはブレード構造にて内管ゴム層2の外面に編み上げ被覆することにより形成される。中でも、PETからなる補強糸を好適に用いることができる。補強糸の太さや編み上げ本数および層数等については、実際の使用圧力に対し安全率を考慮した設計とすればよく、材質にもよるが、例えば、2000〜5000デニール程度の補強糸を1層当たり20〜48本で用いることができる。なお、冷媒輸送用ホースは、通常、内径6〜26mm、外径12〜36mm程度で、使用圧力は0.5〜3.5MPa程度、破壊圧力は8〜35MPa程度になるように設計される。
【0021】
補強層3を2層以上にて形成する場合には、必要に応じて各層間に中間ゴム層(図示せず)を設けてもよく、さらに、補強層3と内管ゴム層2との間に下編み層を設けてもよい。さらにまた、必要に応じて補強層3の外面に押えた糸を設けてもよい。
【0022】
なお、補強糸の弾性率を高くすると、低弾性率の糸を使用した場合に比して加圧時のホース内径変化は小さくなるため、同一使用環境下においては相対的に内径が小さくなり、結果として冷媒透過量を抑えられることになる。さらには、繰り返し掛かる内圧に対する内径変化量が小さくなることで、内面樹脂層に掛かるストレスが小さくなるために、耐疲労性を向上させることもできる。
【0023】
外被ゴム層4の材料としては、特に制限されるものではないが、例えば、EPDM、CR、IIR、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を挙げることができ、耐オゾンクラック性、耐熱耐油性、柔軟性、外観性能等を考慮して選択される。外被ゴム層4の厚みは、通常0.5〜2.5mm、好ましくは0.8〜1.5mm程度である。なお、外被ゴム層4表面には、必要に応じてガス抜き用のプリッキングホールを設けてもよい。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例、比較例1〜3および従来例)
内側から、内面樹脂層(最内面樹脂層)1、内管ゴム層2、補強層3および外被ゴム層4が順次積層されてなる低圧用冷媒輸送用ホースを、下記表1に示す条件にて作製した(図1参照、比較例3のみは内面樹脂層を設けなかった)。表中に、内面樹脂層1の4%伸長時弾性率(M4)および内管ゴム層2の試験温度100℃、試験時間70時間における圧縮永久歪の測定値を併記する。
【0025】
得られた各ホースの各特性を、下記に従い評価した。継ぎ手金具としては、図2に示す標準タイプを標準加締め率40%(肉厚変化率40%)にて適用し、比較例1〜3については、図中の符号Aで示す領域にシール剤を塗布した。これらの結果を下記の表1中に併せて示す。
【0026】
<初期シール性(漏れ圧力)>
圧力1.67MPaまで漏れの生じなかったものを「○」とした。
<熱老化後シール性>
120℃×168時間にて熱老化させた後の漏れ圧力にて評価した。圧力1.67MPaまで漏れの生じなかったものを「○」とし、これ未満の圧力で漏れが発生したものを「×」とした。
<冷媒透過性>
冷媒としてR134aを用い、80℃×96時間の条件で評価を行った。透過量が3g/m/72h以下であったものを「○」とし、これを超えたものを「△」とした。
<抽出性>
70℃×24時間にて評価を行い、抽出量が2mg/cm2以下であったものを「○」とし、これを超えたものを「△」とした。
【0027】
【表1】


*1)ナイロン6:宇部興産(株)製 1022B、ポリオレフィン:三井化学(株)製 タフマーMH5010
*2)下記表2に示す配合にて、ゴム成分を夫々変えたゴム組成物
*3)JSR(株)製 Chlorobutyl 1066
【0028】
【表2】


*4)旭カーボン(株)製 N55−NP
*5)協和化学工業(株)製
*6)大内新興化学工業(株)製 ノクセラーTT
【0029】
上記表1中に示すように、最内面樹脂層1の4%伸長時弾性率を15MPa以下とし、内管ゴム層2の、100℃、70時間における圧縮永久歪を30%以下とした実施例のホースにおいては、耐冷媒透過性および抽出性のいずれについても良好な性能を担保することができるとともに、従来例のようにシール剤を塗布しなくても、ホース−継ぎ手金具間における優れたシール性を確保できることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一好適実施形態に係る冷媒輸送用ホースの拡大部分斜視図である。
【図2】冷媒輸送用ホースに継ぎ手金具を嵌め込んだ状態を示す拡大部分断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 内面樹脂層(最内面樹脂層)
2 内管ゴム層
3 補強層
4 外被ゴム層
10 冷媒輸送用ホース
20 継ぎ手金具




 

 


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