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発明の名称 長辺と短辺の強度が異なる不等辺不等厚山形鋼およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−216251(P2007−216251A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−38101(P2006−38101)
出願日 平成18年2月15日(2006.2.15)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 小林 一貴 / 井上 和彦
要約 課題
ウエブ、フランジの厚、幅が異なる不等辺不等厚山形鋼で、製品歪みも少なく、更にウエブとフランジに強度差がある不等辺不等厚山形鋼を熱間圧延法で製造する方法を提供する。

解決手段
仕上げ圧延機前段に配置された中間圧延機の前後面で、不等辺不等厚山形鋼圧延材を各パス毎に、サイドガイドで拘束しながらフランジ(短辺側)部を制御冷却し、仕上げ圧延機前面におけるフランジ(短辺側)部の表面温度を800〜600℃とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
フランジ(短辺側)部の強度がウエブ(長辺側)部の強度より高いことを特徴とする不等辺不等厚山形鋼。

【請求項2】
フランジ(短辺側)部の強度がウエブ(長辺側)部の強度より40MPa以上高いことを特徴とする不等辺不等厚山形鋼。

【請求項3】
仕上圧延機前段に配置された中間圧延機の前後面で、圧延材を各パス毎に、サイドガイドで拘束しながらフランジ(短辺側)部を、制御冷却することを特徴とする不等辺不等厚山形鋼の製造方法。

【請求項4】
仕上圧延機前面におけるフランジ(短辺側)部の表面温度を800〜600℃とすることを特徴とする請求項3記載の不等辺不等厚山形鋼の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、長辺と短辺の強度が異なる不等辺不等厚山形鋼およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
造船所で大型船等の各種船舶を建造する際には、所定寸法に切断した厚鋼板を溶接して船体の外板をヒ゛ルトアッフ゜する。船体の外板には、その裏側長手方向にT型、L型等各種形状のロンジ材が溶接されて、外板を補強する構造となっている。
【0003】
船体の外板補強に使用されるロンジ材の一つとして、不等辺不等厚山形鋼が用いられている。該不等辺不等厚山形鋼は、通常、熱間圧延方法で製造される。
【0004】
一方、同じく船体用の補強材として用いられているT型ロンジ材は、素材を厚板等の鋼板から切出して、溶接法により製作される。従って、このT型ロンジ材は、必要に応じてフランジとウエブの強度を自由に組合わせることができるという利点があるが、溶接してT型形状にするため手間とコストがかかるという問題点がある。
【0005】
そこで、発明者等は、熱間圧延法によりフランジ(短辺側)とウエブ(長辺側)の強度が異なる不等辺不等厚山形鋼の製造方法を種々検討した。
【0006】
特許文献1には、不等辺不等厚山形鋼の水冷に関する技術が開示されている。具体的には、不等辺不等厚山形鋼のウエブ(長辺側)の厚さt、フランジ(短辺側)の厚さtがt≦15mmでかつt/t≧1.2の関係にある不等辺不等厚山形鋼を製造する際は、仕上げ圧延直後の各辺の温度が異なるため冷却中に大曲りやウエブ波を生じ易い。そこで、仕上げ圧延前の各辺をその厚さに応じて、ウエブよりフランジが急冷されるように、冷却速度を調整しながら冷却し、各辺の温度を変態点又はその直下で概ね等しくした後、軽圧下で仕上げ圧延をおこなうことにより、大曲りやウエブ波を防止するための冷却方法が開示されている。
【0007】
又、特許文献2にも不等辺不等厚山形鋼の圧延に関する技術が開示されている。これも、圧延途中及び圧延後に強制冷却を施すことにより、大曲を防止する冷却方法に関するものである。
【0008】
よって、フランジ(短辺側)とウエブ(長辺側)の強度が異なる不等辺不等厚山形鋼を熱間圧延法により製造する方法に関する先行文献は見あたらない。
【特許文献1】特開昭53−40670号公報
【特許文献1】特開昭53−55458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、不等辺不等厚山形鋼はウエブ、フランジの厚、幅が異なるので、圧延法で製造する場合は、製品の各部位で冷却速度が異なり、製品の歪みを発生し易い。従って、製品歪みも少なく、更にウエブとフランジに強度差がある不等辺不等厚山形鋼を熱間圧延法で製造することは難しい。なお、本文中の強度とは、引張強さおよび降伏強さの両方をいう。
【0010】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。
【0012】
第一の発明は、フランジ(短辺側)部の強度がウエブ(長辺側)部の強度より高いことを特徴とする不等辺不等厚山形鋼である。
【0013】
第二の発明は、フランジ(短辺側)部の強度がウエブ(長辺側)部の強度より40MPa以上高いことを特徴とする不等辺不等厚山形鋼である。
【0014】
第三の発明は、仕上圧延機前段に配置された中間圧延機の前後面で、圧延材を各パス毎に、サイドガイドで拘束しながらフランジ(短辺側)部を、制御冷却することを特徴とする不等辺不等厚山形鋼の製造方法である。
【0015】
第四の発明は、仕上圧延機前面におけるフランジ(短辺側)部の表面温度を800〜600℃とすることを特徴とする第三の発明に記載の不等辺不等厚山形鋼の製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
圧延中及び後における不等辺不等厚山形鋼のフランジ(短辺側)部を制御冷却してフランジ(短辺側)部の強度をウエブ(長辺側)部の強度よりも高くしたので、船体外板の内面に溶接されるウエブ(長辺側)部は溶接が容易である従来成分ままで、フランジ(短辺側)部の強度を高めることが出来るようになった。また、これにより、フランジ(短辺側)部とウエブ(長辺側)部の強度を必要に応じて変化させることができ、ユーザーにおいて船体設計の自由度が増すこととなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、中間圧延機の前後面サイドガイドを使った圧延材の冷却方法により本課題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0018】
本発明の製造工程について図を参照して、説明する。
【0019】
1.製造工程について
図2に本願発明の不等辺不等厚山形鋼の外観形状を示す。
図2(a)は不等辺不等厚山形鋼13の外観形状を示す斜視図であり、11はウエブ(長辺側)部、12はフランジ(短辺側)部を示す。図2(b)はその断面図であり、ウエブ(長辺側)部11の幅をl、肉厚をt、フランジ(短辺側)部12の幅をl、肉厚をtとすると、通常l>l 、 t<tの関係にある。
【0020】
図4は、形鋼の圧延ラインを説明する図である。Fはブルーム等を均一に加熱する加熱炉を、BDはフ゛レークタ゛ウンミルを、R1は粗圧延機を、R2は中間圧延機を意味する。このR2ミルの前後面には水冷設備付きサイト゛カ゛イト゛が設置されており圧延材の制御冷却が行われる。FMは仕上圧延機で圧延材の最終形状が決められる。HSホットソーで圧延材は長手方向に切断される。そして、CB冷却床に送られる。
【0021】
中間圧延機R2の前後面での不等辺不等厚山形鋼13の冷却方法を図1に示す。
中間圧延機R2から各パス毎に送り出された又は送り込まれる不等辺不等厚山形鋼13のフランジ(短辺側)部12の制御冷却が行われる。制御冷却は、圧延方向に設置された冷却ノズルによってフランジ(短辺側)12の外面および/または内面をサイドガイドで拘束しながら冷却される。これにより、フランジ(短辺側)12の冷却速度は、ウエブ(長辺側)部11よりも早くなり、フランジ(短辺側)12の強度をウエブ(長辺側)部11の強度よりも大きくできる。また、サイドガイドで拘束しながら冷却を行うので、圧延中に圧延材が大曲を生じて圧延不能となることもない。
【0022】
本願の製造方法は上述した圧延設備を使って、中間圧延機R2において、フランジ(短辺側)部12を強冷却による制御冷却を行うと共に、圧延後に製品に発生する曲がりを防止するために冷却中はサイドガイドにより、不等辺不等厚山形鋼13を圧延方向に拘束して冷却を行う。更に、中間圧延機R2における圧延を終了して、仕上圧延機FMでの形状制御が正常に行われるように、仕上圧延機前面におけるフランジ(短辺側)部12の表面温度を800〜600℃とする。即ち圧延後の製品冷却中にAr1変態点を通過する事による圧延材の大曲がり変形を防止するためであり、好ましくは700〜600℃とするのがよい。
【0023】
従来技術による不等辺不等厚山形鋼13の製造においては、製品形状の確保に重点がおかれるので、ウエブ(長辺側)部11とフランジ(短辺側)部12の間で極端な冷却差をつけないようにしている。従って、肉厚が厚いフランジ(短辺側)部12の冷却速度は、一般的にウエブ(長辺側)部11より遅くなるので、フランジ部の強度を上げるうえでは不利となる。そこで、本願発明ではフランジ(短辺側)部12を積極的に制御冷却して、強度上昇を図った。これに伴いフランジとウエブの冷却速度差が大きくなるので、製品歪みは拡大する方向になる。
【0024】
そこで、圧延材をサイドガイドを使って拘束冷却し、さらに、仕上げ圧延機噛込み前のフランジ(短辺側)部12の温度を制限することにより、ウエブ(長辺側)部11とフランジ(短辺側)部12の間に強度差を設けるとともに、歪みの少ない不等辺不等厚山形鋼13が製造できるようになった。
【0025】
2.圧延製品について
図3に本願発明の製造方法によって製造された不等辺不等厚山形鋼13を船体のロンジ材に使用した例を示す。本図は、建造中の船体ブロックの一部を示す図である。不等辺不等厚山形鋼13のウエブ(長辺側)部11が船体外板に溶接接合されており、フランジ(短辺側)部12はフリーとなっている。この事例では、溶接されるウエブ(長辺側)部11は、溶接部靱性が良好であることが要求される。一方フリー側になるフランジ(短辺側)部12は船体外板の捻れ等に対して強いこと、即ちウエブ(長辺側)部11よりも強度が高いことが有利となる。従ってフランジ(短辺側)部12の強度は、ウエブ(長辺側)部11の強度より40MPa以上高くなるのが好ましい。
【0026】
よって、本願発明の製造方法により製造された不等辺不等厚山形鋼13は、上述した用途を十分満足に満足することができる。
【実施例1】
【0027】
形鋼工場で圧延される不等辺不等厚山形鋼13に本願発明を適用した。
【0028】
試験材として用いたブルームの成分組成は表1に示す鋼1を用いた。本成分は通常、軟鋼に用いる成分組成である。
【0029】
【表1】


【0030】
次に,仕上げ圧延前の中間圧延機の前後面で、用いて不等辺不等厚山形鋼13のフランジ(短辺側)部12を制御冷却した。その結果を表2に示す。
【0031】
No.1〜3は、本発明例であり、水量とミル回転数を変化させたもので、フランジ部を制御冷却し、ウエブ部は空冷による場合で、フランジ部の強度がウエブの強度より高く、その強度差は40MPa以上が得られた。
【0032】
No.4〜6も,本発明例であり、フランジ部の冷却水量をさらに低減したものであるが、フランジ部の強度がウエブ部の強度より高く、その強度差は40MPa以上が得られた。
【0033】
No.7〜10は、比較例であり、No.7とNo.8は、フランジ部とウエブ部の両方を制御冷却した場合で、フランジ部とウエブ部の間に強度差は生じなかった。
【0034】
No.9はフランジ部を空冷、ウエブ部を制御冷却した場合で、ウエブ部の強度がフランジ部の強度より高くなった。
【0035】
No.10はフランジ部、ウエブ部ともに空冷した場合で、フランジ部、ウエブ部共に強度レベルは同じとなった。
【0036】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、ウエブとフランジを有する各種形鋼に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】フランジの冷却方法を説明する図である。
【図2】不等辺不等厚山形鋼の部位を説明する図である。
【図3】本発明の不等辺不等厚山形鋼を船体のロンジ材に適用した例を示す図である。
【図4】製造工程を説明するレイアウト図である。
【符号の説明】
【0039】
11 ウエブ(長辺側)
12 フランジ(短辺側)
13 不等辺不等厚山形鋼
ウエブ厚さ
フランジ厚さ
ウエブ幅
フランジ幅




 

 


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