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発明の名称 表面処理鋼板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−216107(P2007−216107A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−37336(P2006−37336)
出願日 平成18年2月15日(2006.2.15)
代理人 【識別番号】100083253
【弁理士】
【氏名又は名称】苫米地 正敏
発明者 三好 達也 / 松田 武士 / 窪田 隆広
要約 課題
アルカリ脱脂された場合や腐食環境に長期間曝された場合の耐食性及び加工による傷部の耐食性が優れたクロムフリー表面処理鋼板を提供する。

解決手段
亜鉛系めっき又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、有機樹脂と、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基などの中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種以上を結合させた防錆添加剤を含有する有機無機複合皮膜を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、有機樹脂(A)と、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させた防錆添加剤(B)を含有する有機無機複合皮膜(X)を有することを特徴とする表面処理鋼板。
【請求項2】
亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第一層として、膜厚が0.01〜2μmのクロムを含まない有機系皮膜若しくは無機系皮膜または有機無機複合皮膜(Y)を有し、その上層に第二層として、有機樹脂(A)と、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させた防錆添加剤(B)を含有する有機無機複合皮膜(X)を有することを特徴とする表面処理鋼板。
【請求項3】
防錆添加剤(B)の配合量が、有機樹脂(A)100質量部に対して1〜120質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理鋼板。
【請求項4】
有機樹脂(A)が、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、これらのエポキシ系樹脂をさらに変性させた樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理鋼板。
【請求項5】
有機無機複合皮膜(X)が、さらに、下記(a)〜(g)の中から選ばれる1種または2種以上の防錆添加剤(C)を含有し、有機樹脂(A)100質量部に対して、防錆添加剤(C)の配合量が1質量部以上、防錆添加剤(C)と防錆添加剤(B)の合計配合量が120質量部以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理鋼板。
(a)カルシウム化合物
(b)酸化ケイ素(但し、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させたものを除く)
(c)難溶性リン酸化合物
(d)モリブデン酸化合物
(e)バナジウム化合物
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の、S原子を含有する有機化合物
(g)ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、ピリダジン化合物の中から選ばれる1種以上の、N原子を含有する有機化合物
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、極めて高い耐食性を有し、家電用、建材用、自動車用などとして好適なクロムフリー表面処理鋼板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家電、建材、自動車などに用いられる鋼板としては、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸またはその塩類を主要成分とした6価クロムを含有する処理液によるクロメート処理が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメート処理は、耐食性に優れ且つ比較的簡単に行うことができる経済的な処理方法である。
【0003】
クロメート処理は公害規制物質である6価クロムを使用するものであるが、最近では地球規模での環境保護意識の高まりに伴い、リサイクル社会の構築や廃棄物処理の問題解決が必要であるといった社会的背景から、6価クロムの使用を規制し或いは禁止する動きが広まりつつある。さらに、6価クロムを使用する製造者側においても、環境への貢献度が重視されるなかで、従来から用いられてきた6価クロムの利用・排出の削減に取り組む動きが加速している。
【0004】
従来、亜鉛系めっき鋼板の耐食性を高めるための技術として、特許文献1〜6をはじめとする数多くの提案がなされている。しかし、これらの従来技術は、いずれもクロメート処理を施したり、6価クロム系の防錆顔料を使用するものであるため、さきに述べたように環境面で問題がある。
また、特許文献7には、亜鉛系合金めっき鋼板の表面に、リン酸化合物を主体とする化成処理を施し、その上に有機樹脂、導電性顔料および防錆顔料からなる有機皮膜を形成した技術が開示されている。しかし、この技術は、従来の結晶性のリン酸塩処理を施したものであるため加工性が劣り、また、防錆顔料として6価クロム酸系の防錆顔料を使用しているため環境面でも問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−44307号公報
【特許文献2】特開平9−276785号公報
【特許文献3】特開平9−273786号公報
【特許文献4】特開平9−277436号公報
【特許文献5】特開平10−43677号公報
【特許文献6】特開平10−128906号公報
【特許文献7】特開平9−277438号公報
【0006】
一方、亜鉛系めっき鋼板の耐食性を高めるための技術としては、クロメート処理やクロム系防錆顔料を使用しないクロムフリー処理技術も数多く提案されている。例えば、非クロム系防錆添加剤を使用した技術として、特許文献8,9などがある。
【特許文献8】特開2001-335955号公報
【特許文献9】特開2004-162097号公報
【0007】
このうち、例えば特許文献9では、非クロム系防錆添加剤として、(1)カルシウム化合物、(2)酸化ケイ素、(3)難溶性リン酸化合物、(4)モリブデン酸化合物、(5)バナジウム化合物、(6)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の、S原子を含有する有機化合物、(7)ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、ピリダジン化合物の中から選ばれる1種以上の、N原子を含有する有機化合物などが挙げられ、これらの1種以上を添加することが示されている。また、これらのうちの2種以上を複合添加した場合には、それぞれに固有の防食作用が複合化されるため、より高度の耐食性が得られるとしている。また、上記(2)の成分としては、耐食性の観点から特に、カルシウムをその表面に結合させたカルシウムイオン交換シリカの使用が望ましいとしている。
【0008】
しかしながら、これらの防錆添加剤は、ユーザーで実施される鋼板のアルカリ脱脂工程において脱脂液中に溶出しやすい難点があり、また、長期にわたる腐食環境においても、早期に有効成分が溶出してしまうために、腐食抑制効果が持続しにくいという問題がある。このため上記防錆添加剤の添加だけでは、耐食性の向上効果が限定されるとともに、ユーザーでのプレス成形加工などにより生じた表面処理鋼板表面の傷部に対する腐食抑制効果も不十分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、ユーザーでアルカリ脱脂がなされた場合や長期間にわたり腐食環境に曝された場合の耐食性および加工による傷部の耐食性が優れ、且つ皮膜中にクロムを全く含有しない表面処理鋼板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板をベースとする表面処理鋼板について、腐食抑制成分を表面処理皮膜内に留め、長期にわたって腐食抑制効果を持続できる皮膜形態について検討を行い、その結果、有機樹脂に対して、シリカの表面に特定の有機化合物を結合させた防錆添加剤を添加した表面処理皮膜を形成することにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、下記を要旨とするものである。
【0011】
[1]亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、有機樹脂(A)と、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させた防錆添加剤(B)を含有する有機無機複合皮膜(X)を有することを特徴とする表面処理鋼板。
【0012】
[2]亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第一層として、膜厚が0.01〜2μmのクロムを含まない有機系皮膜若しくは無機系皮膜または有機無機複合皮膜(Y)を有し、その上層に第二層として、有機樹脂(A)と、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させた防錆添加剤(B)を含有する有機無機複合皮膜(X)を有することを特徴とする表面処理鋼板。
【0013】
[3]上記[1]または[2]の表面処理鋼板において、防錆添加剤(B)の配合量が、有機樹脂(A)100質量部に対して1〜120質量部であることを特徴とする表面処理鋼板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの表面処理鋼板において、有機樹脂(A)が、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、これらのエポキシ系樹脂をさらに変性させた樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする表面処理鋼板。
【0014】
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの表面処理鋼板において、有機無機複合皮膜(X)が、さらに、下記(a)〜(g)の中から選ばれる1種または2種以上の防錆添加剤(C)を含有し、有機樹脂(A)100質量部に対して、防錆添加剤(C)の配合量が1質量部以上、防錆添加剤(C)と防錆添加剤(B)の合計配合量が120質量部以下であることを特徴とする表面処理鋼板。
(a)カルシウム化合物
(b)酸化ケイ素(但し、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させたものを除く)
(c)難溶性リン酸化合物
(d)モリブデン酸化合物
(e)バナジウム化合物
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の、S原子を含有する有機化合物
(g)ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、ピリダジン化合物の中から選ばれる1種以上の、N原子を含有する有機化合物
【発明の効果】
【0015】
本発明の表面処理鋼板は、皮膜中にクロムを含有しないにもかかわらず、ユーザーでアルカリ脱脂がなされた場合や長期間にわたり腐食環境に曝された場合の耐食性および加工による傷部の耐食性が非常に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の詳細とその限定理由について説明する。
本発明の第一の形態の表面処理鋼板は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、有機樹脂(A)とシリカの表面に特定の有機化合物を結合させた防錆添加剤(B)を含有する有機無機複合皮膜(X)を有する。
本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板およびアルミニウム系めっき鋼板の種類に特別な制限はないが、亜鉛系めっき鋼板としては、例えば、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Co合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板)、Zn−Mg合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板(例えば、Zn−6%Al−3%Mg合金めっき鋼板、Zn−11%Al−3%Mg合金めっき鋼板)、さらには、これらのめっき鋼板のめっき皮膜中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合めっき鋼板(例えば、Zn−SiO分散めっき鋼板)などを用いることができる。
【0017】
また、上記のようなめっきのうち、同種または異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を用いることもできる。
また、アルミニウム系めっき鋼板としては、例えば、アルミニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板などを用いることができる。
また、めっき鋼板としては、鋼板面に予めNiなどの薄目付めっきを施し、その上に上記のような各種めっきを施したものであってもよい。
めっき方法としては、電解法(水溶液中での電解または非水溶媒中での電解)、溶融法、気相法のうち、実施可能ないずれの方法を採用することもできる。
さらに、めっきの黒変を防止する目的で、めっき皮膜中にNi,Co,Feの1種以上の微量元素を1〜2000ppm程度析出させたり、或いはめっき皮膜表面にNi,Co,Feの1種以上を含むアルカリ性水溶液または酸性水溶液による表面調整処理を施し、これらの元素を析出させるようにしてもよい。
【0018】
上記亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される有機無機複合皮膜(X)は、有機樹脂(A)と、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させた防錆添加剤(B)を含有する、好ましくはこれらを主成分とするものである。この皮膜はクロムを含まない。
【0019】
上記有機樹脂(A)の種類に特に制限はないが、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、これらのエポキシ系樹脂をさらに変性させた樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。また、耐食性の観点からは特に、エポキシ系樹脂をベースとして、これに加工性を向上させることを狙いとして分子量を適宜最適化したものや、樹脂の一部にウレタンやポリエステル、アミンなどで変性を加えたものなどが望ましい。
【0020】
本発明の表面処理鋼板は、有機無機複合皮膜(X)中に有機樹脂(A)とともに、シリカの表面に上記したような特定の有機化合物を結合させた防錆添加剤(B)を配合することにより、非常に優れた防食性能(自己補修性)を得ることができる。
上記有機化合物はシリカ表面に安定的に存在するため、数分程度のアルカリ脱脂などでは溶出しにくく、表面処理皮膜内に留まるために、アルカリ脱脂後の耐食性が劣化しないものと考えられる。さらには、腐食環境に長時間曝されている場合においても、急激に溶出することがないため、長期にわたって安定した耐食性が得られるものと考えられる。これらの有機化合物は、腐食の進行により発生するめっきの腐食成分(Zn2+,Al3+など)をキレート化して皮膜中に留めることにより、皮膜内に強固なバリアー性を有する腐食生成物を形成することで、その後の腐食の進行を抑制することができるものと考えられる。
【0021】
シリカ表面に上記有機化合物を導入(結合)する方法としては、例えば、特開2005-60668号公報に記載されたような方法を用いることができる。具体的には、(1)撹拌下にあるシリカに、上述した各種基の少なくとも一つを有する重合性単量体を接触させることで、シリカにその重合性単量体を吸着させた後、加熱処理などにより当該吸着した重合性単量体を重合させることで、シリカ表面に上述した基の少なくとも一つを有する有機化合物を導入する方法、(2)撹拌下にあるシリカに重合性単量体を接触させることで、シリカにその重合性単量体を吸着させた後、加熱処理などにより当該吸着した重合性単量体を重合させることでシリカ表面に有機化合物を導入し、次いで、この有機化合物に上述した基の少なくとも一つを導入する方法、などである。なお、上記(2)の方法において、シリカ表面の有機化合物に上述した基を導入する手法としては、例えば、イオン交換樹脂の製造におけるイオン交換性基の導入手法に準じた手法、その他の公知の手法を用いることができる。
【0022】
スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒ酸基、セレン酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物をシリカ表面に導入するために用いる上記単量体またはその塩としては、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−クロロスチレン、ビニルナフタレン等の単官能芳香族ビニル系の単量体類;
【0023】
ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、トリビニルベンゼン、チオフェノール、フェニルヒドラジド、ジビニルナフタレン等の多官能芳香族ビニル化合物類等の芳香族ビニル系単量体類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリトリデシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、ジアセトンメタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリロレイン等の単官能の非フッ素系(メタ)アクリル系の単量体類;
【0024】
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリルアミド等の多官能の非フッ素系(メタ)アクリル系の単量体類;
(メタ)アクリル酸トリフロロメチル、(メタ)アクリル酸ペンタフロロエチル、(メタ)アクリル酸パーフロロブチル、(メタ)アクリル酸パーフロロ2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸のパーフロロアルキルエステル類;
【0025】
酢酸ビニル、メチルビニルケトン、ビニルピロリドン、エチルビニルエーテル、ジビニルスルホン、フタル酸ジアリル等;
スチレンスルホン酸及びその塩類、ビニルナフタレンスルホン酸及びその塩類、ビニルベンジルトリメチルアミン、ビニルベンジルトリエチルアミン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の芳香族ビニル系の単量体類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル系の単量体類;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル及びその塩類、マレイン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル及びその塩類、フタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系の単量体類及びこれらの塩類;
【0026】
(メタ)アクリルオキシエチルアシッドフォスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリル系の単量体類及びこれらの塩類;
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有する(メタ)アクリル系の単量体類及びこれらの塩類;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリル系の単量体類;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩等の第4級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリル系の単量体類;
ビニルホスホン酸等のホスホン酸基を有するビニル単量体及びこれらの塩類;
【0027】
有機無機複合皮膜(X)中での防錆添加剤(B)の配合量は、有機樹脂(A)100質量部(固形分)に対して1〜120質量部とすることが好ましい。有機樹脂(A)100質量部に対する防錆添加剤(B)の配合量が1質量部未満では耐食性向上効果が十分でなく、一方、120質量部超では、加工後耐食性が劣化するため好ましくない。耐食性と加工後耐食性の観点から、防錆添加剤(B)のより好ましい配合量は5〜100質量部である。
【0028】
有機無機複合皮膜(X)中には、さらに、初期耐食性の向上を目的として、他の非クロム系防錆添加剤を配合することができ、特に、下記(a)〜(g)の中から選ばれる1種または2種以上の防錆添加剤(C)を配合することが好ましい。
(a)カルシウム化合物
(b)酸化ケイ素(但し、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させたものを除く)
(c)難溶性リン酸化合物
(d)モリブデン酸化合物
(e)バナジウム化合物
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種以上の、S原子を含有する有機化合物
(g)ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、ピリダジン化合物の中から選ばれる1種以上の、N原子を含有する有機化合物
【0029】
これら(a)〜(g)の非クロム系防錆添加剤の詳細は以下のとおりである。
上記(a)の成分であるカルシウム化合物は、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カルシウム塩のいずれでもよく、これらの1種または2種以上を使用できる。また、カルシウム塩の種類にも特に制限はなく、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのようなカチオンとしてカルシウムのみを含む単塩のほか、リン酸カルシウム・亜鉛、リン酸カルシウム・マグネシウムなどのようなカルシウムとカルシウム以外のカチオンを含む複塩を使用してもよい。この(a)の成分は、腐食環境下においてめっき金属である亜鉛やアルミニウムよりも卑なカルシウムが優先溶解し、これがカソード反応により生成したOHと緻密で難溶性の生成物として欠陥部を封鎖し、腐食反応を抑制する。また、上記のようなシリカとともに配合された場合には、表面にカルシウムイオンが吸着し、表面電荷を電気的に中和して凝集する。その結果、緻密で且つ難溶性の保護皮膜が生成して腐食が封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0030】
上記(b)の成分としては微粒子シリカであるコロイダルシリカや乾式シリカを使用することができるが、耐食性の観点からは特に、カルシウムをその表面に結合させたカルシウムイオン交換シリカを使用するのが望ましい。
コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学(株)製のスノーテックスO、20、30、40、C、S(いずれも商品名)を用いることができ、また、ヒュームドシリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL
R971、R812、R811、R974、R202、R805、130、200、300、300CF(いずれも商品名)を用いることができる。また、カルシウムイオン交換シリカとしては、W.R.Grace&Co.製のSHIELDEX C303、SHIELDEX AC3、SHIELDEX AC5(いずれも商品名)、富士シリシア化学(株)製のSHIELDEX、SHIELDEX
SY710(いずれも商品名)などを用いることができる。これらシリカは、腐食環境下において緻密で安定な亜鉛の腐食生成物の生成に寄与し、この腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによって、腐食の促進を抑制する。
【0031】
また、上記(c)である難溶性リン酸化合物としては、難溶性リン酸塩を用いることができる。この難溶性リン酸塩は単塩、複塩など全ての種類の塩を含む。また、それを構成する金属カチオンに限定はなく、難溶性のリン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウムなどのいずれの金属カチオンでもよい。また、リン酸イオンの骨格や縮合度などにも限定はなく、正塩、二水素塩、一水素塩または亜リン酸塩のいずれでもよく、さらに、正塩はオルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩などの全ての縮合リン酸塩を含む。この難溶性リン化合物は、腐食によって溶出しためっき金属の亜鉛やアルミニウムが、加水分解により解離したリン酸イオンと錯形成反応により緻密で且つ難溶性の保護皮膜を生成して腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0032】
また、上記(d)のモリブデン酸化合物としては、例えば、モリブデン酸塩を用いることができる。このモリブデン酸塩は、その骨格、縮合度に限定はなく、例えばオルトモリブデン酸塩、パラモリブデン酸塩、メタモリブデン酸塩などが挙げられる。また、単塩、複塩などの全ての塩を含み、複塩としてはリン酸モリブデン酸塩などが挙げられる。モリブデン酸化合物は不動態化効果によって自己補修性を発現する。すなわち、腐食環境下で溶存酸素と共にめっき皮膜表面に緻密な酸化物を形成することで腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0033】
また、上記(e)のバナジウム化合物としては、例えば、5価のバナジウム化合物、4価のバナジウム化合物が適用できる。特に耐食性の観点から4価のバナジウム化合物が好ましい。
また、上記(f)の有機化合物としては、例えば、以下のようなものを挙げることができる。すなわち、トリアゾール類としては、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾールなどが、またチオール類としては、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、2−メルカプトベンツイミダゾールなどが、またチアジアゾール類としては、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどが、またチアゾール類としては、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール類などが、またチウラム類としては、テトラエチルチウラムジスルフィドなどが、それぞれ挙げられる。これらの有機化合物は吸着効果によって自己補修性を発現する。すなわち、腐食によって溶出した亜鉛やアルミニウムがこれらの有機化合物が有する硫黄を含む極性基に吸着して不活性皮膜を形成することで腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0034】
また、上記(g)の有機化合物としては、例えば、以下のようなものを挙げることができる。すなわち、ヒドラジド化合物としては、カルボヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、チオカルボヒドラジド、4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゾフェノンヒドラゾン、アミノポリアクリルアミドなど;ピラゾール化合物としては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン、3−アミノ−5−メチルピラゾールなど;トリアゾール化合物としては、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1水和物)、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、6−フェニル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジンなど;テトラゾール化合物としては、5−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール、5−メルカプト−1−フェニル−1,2,3,4−テトラゾールなど;チアジアゾール化合物としては、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなど;ピリダジン化合物としては、マレイン酸ヒドラジド、6−メチル−3−ピリダゾン、4,5−ジクロロ−3−ピリダゾン、4,5−ジブロモ−3−ピリダゾン、6−メチル−4,5−ジヒドロ−3−ピリダゾンなど、がそれぞれ挙げられる。また、これらのなかでも、5員環または6員環の環状構造を有し、環状構造中に窒素原子を有するピラゾール化合物、トリアゾール化合物が特に好適である。
【0035】
上記(a)〜(g)の防錆添加剤は、2種以上を複合添加してもよい。
有機無機複合皮膜(X)中に防錆添加剤(C)を配合する場合には、有機樹脂(A)100質量部(固形分)に対して、防錆添加剤(C)の配合量を1質量部以上とし、且つ防錆添加剤(C)と防錆添加剤(B)の合計配合量を120質量部以下とすることが好ましい。有機樹脂(A)100質量部に対する防錆添加剤(C)の配合量が1質量部未満では、同防錆添加剤を添加したことによる初期耐食性の向上効果が十分に得られず、一方、防錆添加剤(C)と防錆添加剤(B)の合計配合量が120質量部超では、加工後耐食性が劣化するため好ましくない。耐食性と加工後耐食性の観点から、より好ましい防錆添加剤(C)の配合量は5質量部以上、防錆添加剤(C)と防錆添加剤(B)の合計配合量は100質量部以下である。
【0036】
また、有機無機複合皮膜(X)中には、皮膜の加工性を向上させる目的で固形潤滑剤(D)を配合することができる。
この固形潤滑剤(D)としては、例えば、以下のようなものが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
(1)ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス:例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素など
(2)フッ素樹脂微粒子:例えば、ポリフルオロエチレン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂など)、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂など
【0037】
また、この他にも、脂肪酸アミド系化合物(例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドなど)、金属石けん類(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウムなど)、金属硫化物(例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなど)、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩などの1種または2種以上を用いてもよい。
【0038】
以上の固形潤滑剤の中でも、特に、ポリエチレンワックス、フッ素樹脂微粒子(なかでも、ポリ4フッ化エチレン樹脂微粒子)が好適である。
ポリエチレンワックスとしては、例えば、ヘキスト社製のセリダスト
9615A、3715、3620、3910(いずれも商品名)、三洋化成社製のサンワックス 131−P、161−P(いずれも商品名)、三井石油化学社製のケミパール
W−100、W−200、W−500、W−800、W−950(いずれも商品名)などを用いることができる。
【0039】
また、フッ素樹脂微粒子としては、テトラフルオロエチレン微粒子が最も好ましく、例えば、ダイキン工業社製のルブロン
L−2、L−5(いずれも商品名)、三井・デュポン社製のMP1100、MP1200(いずれも商品名)、旭アイシーアイフロロポリマーズ社製のフルオンディスパージョン
AD1、AD2、フルオン L141J、L150J、L155J(いずれも商品名)などが好適である。
また、これらのなかで、ポリオレフィンワックスとテトラフルオロエチレン微粒子の併用により特に優れた潤滑効果が期待できる。
有機無機複合皮膜(X)中での固形潤滑剤(D)の配合量は、有機樹脂(A)100質量部(固形分)に対して1〜30質量部(固形分)、好ましくは1〜10質量部(固形分)とする。固形潤滑剤(D)の配合量が1質量部未満では潤滑効果が乏しく、一方、配合量が30質量部を超えると塗装性が低下するので好ましくない。
【0040】
さらに必要に応じて、有機無機複合皮膜(X)(および処理組成物)中には添加剤として、有機着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料など)、着色染料(例えば、水溶性アゾ系金属染料など)、無機顔料(例えば、酸化チタンなど)、導電性顔料(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケルなどの金属粉末、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫など)、カップリング剤(例えば、チタンカップリング剤など)、メラミン・シアヌル酸付加物などの1種または2種以上を添加することができる。
【0041】
また、腐食抑制剤として、他の酸化物微粒子(例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモンなど)、リンモリブデン酸塩(例えば、リンモリブデン酸アルミニウムなど)、有機リン酸及びその塩(例えば、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩、及びこれらの金属塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩など)、有機インヒビター(例えば、ヒドラジン誘導体、チオール化合物、ジチオカルバミン酸塩など)などの1種または2種以上を添加することもできる。
【0042】
有機無機複合皮膜(X)の膜厚は0.1〜3μm、望ましくは0.5〜
2μmとすることが好ましい。有機無機複合皮膜(X)の膜厚が0.1μm未満では耐食性が低下する傾向があり、一方、膜厚が3μmを超えると導電性、加工性が低下する傾向がある。
有機無機複合皮膜(X)は、処理組成物を亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板表面に塗布し、乾燥することにより形成される。なお、めっき鋼板の表面は、上記処理組成物を塗布する前に必要に応じてアルカリ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるために表面調整処理などの前処理を施すことができる。
【0043】
処理組成物を塗布する方法としては、塗布法、浸漬法、スプレー法などの任意の方法を採用できる。塗布法としては、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式等)、スクイズコーター、ダイコーターなどのいずれの方法を用いてもよい。また、スクイズコーターなどによる塗布処理、浸漬処理またはスプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
加熱乾燥処理には、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いることができる。加熱処理は、到達板温で80〜300℃、望ましくは120〜250℃の範囲で行うことが望ましい。
【0044】
本発明の第二の形態の表面処理鋼板は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第一層として、膜厚が0.01〜2μmのクロムを含まない有機系皮膜若しくは無機系皮膜または有機無機複合皮膜(Y)を有し、その上層に第二層として、有機樹脂(A)と、シリカの表面にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒドラジド基、第4級アンモニウム塩基、第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基の中から選ばれる少なくとも1つの基を有する有機化合物の1種または2種以上を結合させた防錆添加剤(B)を含有する有機無機複合皮膜(X)を有する。
この表面処理鋼板の第二層である有機無機複合皮膜(X)は、さきに述べた本発明の第一の形態の表面処理鋼板の有機無機複合皮膜(X)と同様である。
【0045】
亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第一層として形成される皮膜は、クロムを含まない有機系皮膜若しくは無機系皮膜または有機無機複合皮膜(Y)(以下、第一層皮膜(Y)という)であり、特に、亜鉛系めっき層との反応層を有する皮膜であることが好ましい。この皮膜の機能は、めっき層との間で強固な密着性を付与し、皮膜−めっき界面でのめっき金属の腐食を抑制することにあり、これによりさらに優れた耐食性を実現することができる。とりわけ、亜鉛系めっき層との反応層を有する皮膜(第一層)と上記有機無機複合皮膜(第二層)からなる二層構造とすることにより、特に優れた耐食性を実現することができる。
【0046】
第一層皮膜(Y)は、亜鉛系めっき層との反応層を形成する狙いで、非晶質性のリン酸化合物を含有することが望ましい。この非晶質性のリン酸化合物は、亜鉛との密着性確保の面で有利であるばかりでなく、皮膜中の可溶性リン酸が亜鉛を捕捉して白錆の発生を抑制する効果がある。
第一層皮膜(Y)には、このような非晶質性のリン酸化合物に加えて、コロイド状の無機酸化物微粒子などを配合することもできる。この酸化物微粒子としては、コロイダルシリカなどのような二酸化珪素が望ましく、コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学(株)製のスノーテックスO、OS、OXS、OUP、AK、O40、OL、OZL(以上、酸性溶液)、スノーテックスXS、S、NXS、NS、N、QAS−25、LSS−35、LSS−45、LSS−75(以上、アルカリ性溶液)などを適用できる(以上、いずれも商品名)。また、触媒化成工業(株)製のカタロイドS、SI−350、SI−40、SA(以上、アルカリ性溶液)、カタロイドSN(酸性溶液)、旭電化工業(株)製のアデライトAT−20〜50、AT−20N、AT−300、AT−300S(以上、アルカリ性溶液)、アデライトAT20Q(酸性溶液)なども適用できる(以上、いずれも商品名)。また、これらの中でも、特に粒子径が14nm以下のもの、さらには8nm以下の微細なものが耐食性の観点から好ましい。また、乾式シリカ微粒子を皮膜組成物溶液に分散させたものを用いてもよい。この乾式シリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL
200、300、300CF、380など(いずれも商品名)を用いることができ、なかでも粒子径12nm以下、望ましくは7nm以下のものが好ましい。
【0047】
上記のほか、酸化物微粒子としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモンなどのコロイド溶液、微粉末を用いることもできる。
なお、従来のリン酸塩処理(結晶性)は、加工性・溶接性が劣るため、好ましくない。
また、第一層皮膜(Y)は、無機系皮膜、有機系皮膜、有機無機複合皮膜のいずれでもよいが、自動車用鋼板として厳しいプレス加工を配慮すると、有機樹脂を配合したものであることが望ましく、有機樹脂としては、特に、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、これらをさらに変性させた樹脂の中から選ばれる1種以上が好ましい。
【0048】
さらに、これらに加えて、第一層皮膜用の処理組成物に、シランカップリング剤などを添加することにより、耐食性をさらに向上させることができる。このシランカップリング剤としては、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメエキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジルアミン)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これらのシランカップリング剤を含む皮膜が耐食性に優れる理由は、水溶液中のシランカップリグ剤が加水分解することにより生じたシラノール基(Si−OH)がめっき皮膜表面と水素結合をし、さらには脱水縮合反応により優れた密着性を付与することと考えられる。
【0049】
第一層皮膜(Y)の膜厚は0.01〜2μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが適当である。第一層皮膜(Y)の膜厚が0.01μm未満では、第一層皮膜を形成したことによる耐食性の向上効果が十分に得られず、一方、膜厚が2μmを超えると溶接性が低下する。
第一層皮膜(Y)は、処理液(表面処理組成物)を亜鉛系めっき鋼板表面に塗布し、乾燥することにより形成される。さきに述べたように、めっき鋼板の表面は、処理液を塗布する前に必要に応じてアルカリ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるために表面調整処理などの前処理を施すことができる。
【0050】
めっき鋼板表面に処理液をコーティングする方法としては、塗布方式、浸漬方式、スプレー方式のいずれでもよく、塗布方式ではロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)、スクイズコーター、ダイコーターなどのいずれの塗布手段を用いてもよい。また、スクイズコーターなどによる塗布処理、浸漬処理、スプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
コーティングした処理液を加熱乾燥する方法は任意であり、例えば、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などの手段を用いることができる。
この加熱乾燥処理は到達板温で80〜300℃、望ましくは120〜250℃の範囲で行うことが好ましい。
このような方法で第一層皮膜(Y)を形成した後、その上層に、さき述べたような方法で処理組成物を塗布し、乾燥させることにより、第二層皮膜である有機無機複合皮膜(X)を形成する。
【実施例】
【0051】
本実施例で使用した防錆添加剤(B)は、以下のようにして調製した。
(1)製造例1
熱分解法により製造された比表面積が200m/g、平均一次粒子径が0.016μmの表面処理を行っていないシリカ粉末(トクヤマ社製,商品名「QS102」)50gを内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら20gのオクタメチルシクロテトラシロキサンを二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に均一に吹き付けた。窒素ガスを流通させたまま30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、275℃で1時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧し、未反応のオクタメチルシクロテトラシロキサンを除去した。その後、オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を800rpmで回転させ、スチレン5g、ジビニルベンゼン0.6g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3gの重合性単量体混合溶液を、約15秒かけて二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付け、表面を濡らした。30分間撹拌した後、オートクレーブのコックを閉じて密閉し、20℃から80℃まで1時間かけて昇温し、同温度で1時間保持して単量体を重合させた。
このようにして得られたシリカ粉末50gを耐圧性ポリテトラフルオロエチレン容器に移し、それに直結したフラスコ内へ固体の三酸化硫黄を入れ、気化した三酸化硫黄を窒素ガスでシリカ粉末の入った容器に15分間送り込み、系内の三酸化硫黄ガス濃度を30vol%以上とし、さらに系内に窒素ガスを導入して0.3MPa程度に加圧し、密閉下にて撹拌しながら80℃で1時間加熱してスルホン化した。続いて、系中を減圧して、未反応の三酸化硫黄ガスを完全に除去した後、シリカ粉末を回収した。このようにして、スルホン酸基を有する有機化合物を表面に結合させたシリカを得た。
【0052】
(2)製造例2
熱分解法により製造された比表面積が200m/g、平均一次粒子径が0.016μmの表面処理を行っていないシリカ粉末(トクヤマ社製,商品名「QS102」)50gを内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら20gのオクタメチルシクロテトラシロキサンを二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に均一に吹き付けた。窒素ガスを流通させたまま30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、275℃で1時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧し、未反応のオクタメチルシクロテトラシロキサンを除去した。その後、オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を800rpmで回転させ、クロロメチルスチレン8g、ジビニルベンゼン1g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5gの重合性単量体混合溶液を、約15秒かけて二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付け、表面を濡らした。30分間撹拌した後、オートクレーブのコックを閉じて密閉し、20℃から80℃まで1時間かけて昇温し、同温度で1時間保持して単量体を重合させた。
このようにして得られたシリカ粉末50gを耐圧性ガラス容器に入れ、そこにトリメチルアミンガスを導入して系内のトリメチルアミンガス濃度を90vol%以上とし、さらに系内に窒素ガスを導入して0.3MPa程度に加圧し、密閉下にて撹拌しながら80℃で1時間加熱して四級アンモニウム化した。続いて、系中を減圧して、未反応のトリメチルアミンガスを完全に除去した後、シリカ粉末を回収した。このようにして、第4級アンモニウム塩基を有する有機化合物を表面に結合させたシリカを得た。
【0053】
(3)製造例3
熱分解法により製造された比表面積が200m/g、平均一次粒子径が0.016μmの表面処理を行っていないシリカ粉末(トクヤマ社製,商品名「QS102」)50gを内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら20gのオクタメチルシクロテトラシロキサンを二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に均一に吹き付けた。窒素ガスを流通させたまま30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、275℃で1時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧し、未反応のオクタメチルシクロテトラシロキサンを除去した。その後、オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を800rpmで回転させ、メタアクリル酸5g、ジビニルベンゼン0.6g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3gの重合性単量体混合溶液を、約15秒かけて二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付け、表面を濡らした。30分間撹拌した後、オートクレーブのコックを閉じて密閉し、20℃から80℃まで1時間かけて昇温し、同温度で1時間保持して単量体を重合させた。このようにしてカルボン酸基を有する有機化合物を表面に結合させたシリカを得た。
【0054】
その他の有機化合物を表面に結合させたシリカについても、以上の製造法に準じた方法で製造した。その際、メタアクリル酸の代わりに、ビニルホスホン酸(ホスホン酸基)、(メタ)アクリルオキシエチルアシッドフォスフェート(リン酸基)、チオフェノール(チオール基)、ビニルベンジルトリメチルアミン(第3級アミン基)、ビニルピリジン(ピリジニウム基)、ビニルイミダゾール(イミダゾリウム塩基)、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル(フェノール性水酸基)、(メタ)アクリル酸トリフロロメチル(パーフルオロ3級アルコール性水酸基)、フェニルヒドラジド(ヒドラジド基)、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル(第3級アンモニウム塩基)のいずれかを添加した重合性単量体混合溶液を用いてシリカ表面に重合性単量体を吸着させ、これを重合させることにより、各種有機化合物を表面に結合させたシリカを得た。
【0055】
[実施例1]
表3に示す有機樹脂、表5および表6に示す有機化合物結合シリカ(防錆添加剤)、および表4に示す非クロム系防錆添加剤を適宜配合し、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所定時間攪拌し、処理組成物を調製した。
冷延鋼板をベースとした家電、建材、自動車部品用のめっき鋼板である、表1に示すめっき鋼板を処理原板として用いた。なお、鋼板の板厚は評価の目的に応じて所定の板厚のものを採用した。このめっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理、水洗・乾燥した後、上記処理組成物をロールコーターにより塗布し、各種温度で加熱乾燥した。皮膜の膜厚は、処理組成物の固形分(加熱残分)または塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。
【0056】
得られた表面処理鋼板の皮膜組成と品質性能(耐食性、アルカリ脱脂後耐食性、加工後耐食性)を評価した結果を表5および表6に示す。
なお、品質性能の評価は以下のようにして行った。
(1)耐食性
各サンプルについて、下記の複合サイクル試験(CCT)を実施し、36サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
塩水噴霧(JIS−Z−2371に基づく):2時間

乾燥(60℃):4時間

湿潤(50℃、>95%RH):2時間
その評価基準は以下のとおりである。
◎:白錆発生面積率10%未満
○:白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△:赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
×:赤錆発生面積率10%以上
【0057】
(2)アルカリ脱脂後耐食性
各サンプルについて、日本パーカライジング(株)製「FC−4460」を用いて、60℃、2分間スプレー処理の条件で脱脂した後、下記の複合サイクル試験(CCT)を実施し、36サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
塩水噴霧(JIS−Z−2371に基づく):2時間

乾燥(60℃):4時間

湿潤(50℃、>95%RH):2時間
その評価基準は以下のとおりである。
◎:白錆発生面積率10%未満
○:白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△:赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
×:赤錆発生面積率10%以上
【0058】
(3)加工後耐食性
各サンプルに対して、下記の条件によるドロービードで変形と摺動を付加し、このサンプルを日本パーカライジング(株)製「FC−4460」を用いて、60℃、2分間スプレー処理の条件で脱脂した後、前記「(1)耐食性」で行った複合サイクル試験(CCT)を実施し、18サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
押付荷重:800kgf
引抜速度:1000mm/min
ビード肩R:オス側2mmR,メス側3mmR
押し込み深さ:7mm
使用油:「プレトンR−352L」
その評価基準は以下のとおりである。
◎:白錆発生面積率10%未満
○:白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△:赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
×:赤錆発生面積率10%以上
【0059】
【表1】


【0060】
【表2】


【0061】
【表3】


【0062】
【表4】


【0063】
【表5】


【0064】
【表6】


【0065】
[実施例2]
第一層形成用の表面処理組成物については、表2に示すものを用いた。同表に示す各成分を配合し、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所定時間攪拌し、表面処理組成物を調製した。
第二層形成用の処理組成物については、表3に示す有機樹脂、表7および表8に示す有機化合物結合シリカ(防錆添加剤)、および表4に示す非クロム系防錆添加剤を適宜配合し、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所定時間攪拌し、処理組成物を調製した。
【0066】
冷延鋼板をベースとした家電、建材、自動車部品用のめっき鋼板である、表1に示すめっき鋼板を処理原板として用いた。なお、鋼板の板厚は評価の目的に応じて所定の板厚のものを採用した。このめっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理、水洗・乾燥した後、上記第一層形成用の表面処理組成物をロールコーターにより塗布し、各種温度で加熱乾燥した。皮膜の膜厚は、表面処理組成物の固形分(加熱残分)または塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。次いで、上記第二層形成用の処理組成物をロールコーターにより塗布し、各種温度で加熱乾燥した。皮膜の膜厚は、処理組成物の固形分(加熱残分)または塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。
【0067】
得られた表面処理鋼板の皮膜組成と品質性能(耐食性、アルカリ脱脂後耐食性、加工後耐食性)を評価した結果を表7および表8に示す。
なお、品質性能の評価は以下のようにして行った。
(1)耐食性
各サンプルに対して[実施例1]と同様の複合サイクル試験(CCT)を実施し、63サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
その評価基準は以下のとおりである。
◎:白錆発生面積率10%未満
○:白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△:赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
×:赤錆発生面積率10%以上
【0068】
(2)アルカリ脱脂後耐食性
各サンプルに対して[実施例1]と同様の脱脂処理と複合サイクル試験(CCT)を実施し、63サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
その評価基準は以下のとおりである。
◎:白錆発生面積率10%未満
○:白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△:赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
×:赤錆発生面積率10%以上
【0069】
(3)加工後耐食性
各サンプルに対して[実施例1]と同様のドロービードによる変形・摺動の付加、脱脂処理および複合サイクル試験(CCT)を実施し、36サイクル経過後の白錆発生面積率および赤錆発生面積率で評価した。
その評価基準は以下のとおりである。
◎:白錆発生面積率10%未満
○:白錆発生面積率10%以上30%未満で、赤錆発生なし
△:赤錆発生ありで、赤錆発生面積率10%未満
×:赤錆発生面積率10%以上
【0070】
【表7】


【0071】
【表8】






 

 


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