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発明の名称 鉄粉の仕上熱処理方法および仕上熱処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−211302(P2007−211302A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−33295(P2006−33295)
出願日 平成18年2月10日(2006.2.10)
代理人 【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三
発明者 阪口 泰彦 / 上ノ薗 聡
要約 課題
鉄粉製造の仕上熱処理工程における生産効率を向上させることができる鉄粉の有利な仕上熱処理方法とその処理に用いる仕上熱処理装置を提供する。

解決手段
鉄粉貯蔵用ホッパから排出される原料鉄粉を、その排出の段階で予備加熱し、その後、仕上熱処理炉内に連続的に供給して脱酸、脱炭および脱窒のいずれか1以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理方法において、前記ホッパ下部から加熱用気体を吹き込んで原料鉄粉を予熱することを特徴とする鉄粉の仕上熱処理方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄粉貯蔵用ホッパから排出される原料鉄粉を、その排出の段階で予備加熱し、その後、仕上熱処理炉内に連続的に供給して脱酸、脱炭および脱窒のいずれか1以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理方法において、前記ホッパ下部から加熱用気体を吹き込んで原料鉄粉を予熱することを特徴とする鉄粉の仕上熱処理方法。
【請求項2】
上記加熱用気体は、200℃以上でかつ200℃における露点が25℃以下の非酸化性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
【請求項3】
上記加熱用気体は、水素ガス、窒素ガス、アルゴンガスおよびアンモニア分解ガスのうちのいずれか1種のガスまたは2種以上の混合ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
【請求項4】
上記加熱用気体は、仕上熱処理炉の燃焼排ガスで間接加熱したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄粉の仕上熱処理方法。
【請求項5】
原料鉄粉を貯蔵するホッパと、原料鉄粉に脱酸、脱炭および脱窒のいずれか1以上の処理を施す仕上熱処理炉と、ホッパから排出された原料鉄粉を仕上熱処理炉内に送入する移動床とからなる鉄粉の仕上熱処理装置において、前記ホッパ下部に、加熱用気体供給部が設けられてなることを特徴とする鉄粉の仕上熱処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄粉の仕上熱処理方法および仕上熱処理装置に関し、特に、粗仕上した原料鉄粉に、脱炭、脱酸および脱窒のいずれか1種以上の処理を施して鉄粉を製造する仕上熱処理方法とその処理に用いられる仕上熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄粉は、粉末冶金で製造される焼結部品や磁性材料等の原料として、あるいは鉄粉のままで、脱酸素剤や発熱剤等として、幅広い分野で用いられている。この鉄粉は、ミルスケール等の酸化鉄を粗還元した還元鉄粉やアトマイズしたままの噴霧鉄粉等の粗仕上(粗還元)した原料鉄粉を、要求特性や用途に応じて、脱炭、脱酸および脱窒のいずれか1種または2種以上の仕上熱処理を施して製品(鉄粉)とするのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記仕上熱処理は、原料鉄粉を、ホッパから移動床と呼ばれる連続的に移動するベルト(移動床)上に供給して一定の厚さに積層し、その後、この移動床を、温度および雰囲気ガスが制御された仕上熱処理炉(水平炉あるいは連続式移動床炉ともいう)内に連続的に送り込んで通過させることにより行われる。
【0004】
図4は、従来の仕上熱処理装置を側面から見た時の断面図を示したものである。原料鉄粉7は、ホッパ8から移動床9上に一定の厚さとなるよう供給され、その後、上記移動床9上の原料鉄粉7は、ホイール10を駆動して移動床9を仕上熱処理炉30内に炉長方向に移動することによって連続的に炉内に送入され、所定の仕上熱処理を施されたのち炉外に搬出される。
【0005】
炉内は、ラジアントチューブ11によって所定温度に加熱されており、ラジアントチューブ11内の燃焼ガスは、燃焼ガス排気管12を通じて炉外に排出され、排気ダクト14へ送られる。また、炉内の雰囲気ガスは、炉出口側の雰囲気ガス供給口5から炉内に供給され、炉入口側の雰囲気ガス排出口6から炉外に排出され、その後、燃焼させられた後、雰囲気ガス排気管13を介して排気ダクト14へ送られる。
【0006】
移動床9上の原料鉄粉7は、炉内を連続的に通過中に、雰囲気ガス中に含まれる水蒸気ないしは水素と、下記(1)〜(3)式に従って反応し、脱炭、脱酸ないしは脱窒のいずれか1以上の処理が行われる。
C(in Fe)+HO(g) → CO(g)+H(g) ・・・(1)
FeO(s)+H(g) → Fe(s)+HO(g) ・・・(2)
N(in Fe)+3/2H(g) → NH(g) ・・・(3)
【0007】
これらの反応には、それぞれに最適の条件があり、例えば、脱炭反応は、温度が600〜1100℃で露点が30〜60℃の酸化性ガス雰囲気が、脱酸反応は、温度が700〜1100℃で露点が40℃以下の還元ガス雰囲気が、脱窒反応は、温度が450〜750℃で露点が40℃以下のHガス雰囲気が最適とされている。そのため、仕上熱処理炉の炉内は、長手方向に入口側から第一室2、第二室3、第三室4の三室に区分され、それぞれの室間に仕切り壁1が配設された構造となっており、例えば、第一室2では脱炭反応、第二室3では脱酸反応、第三室4では脱窒反応が主に起こるように、各室の温度および雰囲気ガスが制御されているのが一般的である。
【0008】
ところで、仕上熱処理装置で、効率よく仕上熱処理を行うためには、炉内の各室に装入された鉄粉が、早期に上記最適温度に到達することが必要である。しかし、原料鉄粉7を、室温状態から加熱した場合には、第一室2内を移動する原料鉄粉7層の中心部が所定の温度に到達するのは、同室の出口付近となる。そのため、原料鉄粉の昇温が律速となって、移動床9の移動速度を上げたり、原料鉄粉7の積層厚さを厚くしたりして、生産性の向上を図ることは難しい。
【0009】
そこで、仕上熱処理工程における生産性を向上するために、第一室に入る前の原料鉄粉を予熱し、第一室の入口通過時の鉄粉温度を高くしておく方法が提案されている。例えば、特許文献2には、図4に示したように、仕上熱処理炉の燃焼排ガスを排気ダクトによって予熱器15に導入して原料鉄粉7を予熱することによって、原料鉄粉7の炉内搬送速度を高める技術が開示されている。
【0010】
また、特許文献3には、上記技術において、原料鉄粉7の予熱に用いられる熱交換器(予熱器15)が開示されている(図5参照)。ここで、上記予熱器15は、ホッパ8下部の鉄粉の移動通路と排気ダクト14とを交叉させると共に、該交叉部の排気ダクト14を複数の熱交換用パイプ16に分岐させた多管式とし、この管内に仕上熱処理炉の燃焼排ガスを流すことにより、ホッパ8から出た原料鉄粉7を該交叉部内の熱交換用パイプ16間を通り抜ける際に間接加熱するものである。なお、予熱の熱源として用いられる排気ダクト14内を流れる燃焼排ガスは、ラジアントチューブ11内で燃焼したガスを炉外に排出したガス(燃焼ガス)と、炉内で鉄粉と反応させた雰囲気ガスを炉外で燃焼させたガス(反応排ガス)の混合ガスである。
【0011】
一方、特許文献4には、図6および図7に示したように、原料鉄粉7を直接加熱する予熱方法が提案されている。具体的には、原料鉄粉7を貯蔵されたホッパ8から移動床9へ供給するときに、原料鉄粉7へ気体供給管18から加熱された高温の非酸化性気体(加熱用気体52)を直接吹き込み、その反対側に設けられた気体排出管19から該気体を排出する。このとき、高温の非酸化性気体52と原料鉄粉7との間で熱交換が行われ、予熱された原料鉄粉7が移動床9上に供給される。
【特許文献1】特開昭52−156714号公報
【特許文献2】特開昭62−235401号公報
【特許文献3】特開昭63−153204号公報
【特許文献4】特開2006−009138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献3に開示の予熱方法によれば、原料鉄粉は、内側に燃焼排ガスが流れている熱交換用パイプの外面と接触して間接加熱されるので、酸化や固着を起こすことなく移動床上に積層することができる。しかし、上記予熱器では、逆に熱交換用パイプを介して燃焼排ガスから原料鉄粉に熱が移動するため、熱交換用パイプの周囲の原料鉄粉にしか熱が伝わらないことや熱交換用パイプの熱伝導率が熱移動の抵抗として働くため、熱交換効率が低いという問題がある。また、原料鉄粉が熱交換用パイプの間を移動するため、パイプが該鉄粉により摩耗を受けて穴があくという問題や、原料鉄粉自体が熱交換用パイプと接触することで摩耗して球状化し、鉄粉の圧粉密度の低下を招くので、粉末冶金に使われる高密度材には適さなくなるという問題があった。
【0013】
また、特許文献4に記載の方法では、ホッパ内の原料鉄粉7の量が減少してホッパレベルが低下した場合には、気体供給管18から吹き込まれた加熱用気体52は、気体排出管19には流れずに、ホッパ8側へ流れ込んでしまう。そのため、気体供給管18の気体供給口近傍の原料鉄粉しか予熱されないという問題があった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、鉄粉製造の仕上熱処理工程における生産効率を向上させることができる鉄粉の有利な仕上熱処理方法とその処理に用いる仕上熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解決する方策について検討を重ねた。その結果、鉄粉貯蔵用ホッパから排出される原料鉄粉を、その排出の段階で予備加熱するに際して、前記ホッパ下部の傾斜部から、高温でかつ非酸化性の加熱用気体を吹き込んで、原料鉄粉と直接接触させることが有効であることを見出し、還元鉄粉の製造方法である本発明を完成させた。
【0016】
すなわち、本発明は、鉄粉貯蔵用ホッパから排出される原料鉄粉を、その排出の段階で予備加熱し、その後、仕上熱処理炉内に連続的に供給して脱酸、脱炭および脱窒のいずれか1以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理方法において、前記ホッパ下部から加熱用気体を吹き込んで原料鉄粉を予熱することを特徴とする鉄粉の仕上熱処理方法である。
【0017】
本発明における上記加熱用気体は、200℃以上でかつ200℃における露点が25℃以下の非酸化性ガスであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明における上記加熱用気体は、水素ガス、窒素ガス、アルゴンガスおよびアンモニア分解ガスのうちのいずれか1種のガスまたは2種以上の混合ガスであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明における上記加熱用気体は、仕上熱処理炉の燃焼排ガスで間接加熱したものであることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、原料鉄粉を貯蔵するホッパと、原料鉄粉に脱酸、脱炭および脱窒のいずれか1以上の処理を施す仕上熱処理炉と、ホッパから排出された原料鉄粉を仕上熱処理炉内に送入する移動床とからなる鉄粉の仕上熱処理装置において、前記ホッパ下部に、加熱用気体供給部が設けられてなることを特徴とする鉄粉の仕上熱処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、原料鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱室のうちのいずれか1種以上の処理を施す鉄粉の仕上熱処理において、前記処理を施す前(炉に入る前)に、原料鉄粉と高温非酸化性の加熱用気体とを直接接触させるので、原料鉄粉を酸化させることなく高い熱効率で、均等に予熱することができる。また、本発明によれば、炉に入る前の原料鉄粉の温度を従来よりも高くできるので、鉄粉が所定の処理温度に到達するまでの時間を短縮でき、ひいては、鉄粉の生産効率の向上だけでなく、燃料原単位を低減することが可能となる。また、本発明の仕上熱処理装置は、鉄粉の移動通路と交叉する熱交換用パイプがないので、その交換のための装置停止がなく、稼働率率が向上する。さらに、本発明の装置を用いて製造された鉄粉は、熱交換用パイプとの摩擦により球状化も起こらないので、高密度焼結部材の原料としても用いることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、原料鉄粉を連続的に移動させつつ、これに脱炭、脱酸、脱窒のうちのいずれか1以上の処理を施す仕上熱処理に、従来技術と同様、水平型の仕上熱処理炉を用いるが、その際、ホッパ内に貯蔵されている仕上処理を施す直前の原料鉄粉に、該鉄粉よりも高温かつ非酸化性の気体を直接接触させるよう流して予熱を行うところに特徴がある。
【0023】
従来と同じ仕上熱処理炉を用いて原料鉄粉に仕上熱処理を施す場合には、ホッパに貯えられた原料鉄粉は、移動通路を順次下降して移動床に到達し、移動床上に所定の一定厚みとなるように積層される。原料鉄粉の予熱に用いられる加熱用気体は、ホッパ下部の傾斜部から送り込み、ホッパ上部から回収するのが好適である。本発明では、ホッパに貯えられた原料鉄粉内に加熱用気体を直接流し込むので、加熱用気体は、粉体の粒子間を流れるが、この際、粉体の表面積全体が熱伝導面となる。熱交換する熱量は、接触する表面積に比例するので、粉体粒子に加熱用気体を直接接触させる方が、変換効率は格段に向上し、高い効率で熱交換ができる。例えば、同じ体積を有する直径10cmの管と直径100μmの粉体とでは、管内の空隙率を50vol%とすると、表面積は粉体の方が約750倍大きくなる。
【0024】
加熱用気体の温度は、原料鉄粉より高い温度であれば、鉄粉温度を上昇させることができる。しかし、仕上熱処理での投入熱量の低減や装入鉄粉量の増加による生産性の向上が期待できるような実質的な効果を得るためには、加熱用気体の温度は200℃以上であることが好ましい。ただし、前述したように、脱炭、脱酸、脱窒等の化学反応には、それぞれに最適の温度があるので、熱処理炉の最初の第一室で行う処理に好適な温度以上に鉄粉を予熱する必要はなく、第一室で行う処理に応じて、加熱用気体の温度を適宜設定するのが好ましい。
【0025】
ただし、高温の気体を直接原料鉄粉に接触させて予熱する場合、かかる高温の気体は、非酸化性の気体、すなわち、その温度で鉄を酸化させない気体でなければならない。さらに、説明すると、前述した(2)式;
FeO(s)+H(g) → Fe(s)+HO(g) ・・・(2)
の化学反応は、200℃では露点25℃以上、500℃では露点55℃以上で、反応が右から左に進み、鉄粉が酸化される。
【0026】
そこで、本発明では、非酸化性の気体として、酸素を含まずかつ露点が25℃以下であるという条件を満たす気体を用いることが好ましい。かかる非酸化性の気体としては、例えば、水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、アンモニア分解ガス(AXガス)およびそれらのガスを1種または2種以上混合したガス等を挙げることができる。
【0027】
なお、非酸化性の気体としては、上記条件を満たすものであればいずれの気体を用いてもよく、例えば、可燃性ガスを不完全燃焼させたガスを用いてもよい。また、仕上熱処理の反応排ガスは、主に水素ガスと水蒸気の混合ガスであるため、原料鉄粉中の炭素濃度が低い(例えば0.5mass%以下)場合には、脱炭のために添加する水蒸気の量が少ないので露点が25℃以下となり、温度も約900℃で排出されるため、高温かつ非酸化性気体として利用することができる。
【0028】
非酸化性の気体を高温に加熱する方法としては、例えば、ボイラー等を用いる方法もあるが、仕上熱処理炉から排出される900℃以上の燃焼排ガスと非酸化性の気体とを間接的に接触させて、燃焼排ガスの熱を非酸化性気体に与える、いわゆる熱交換させる方法が好ましく用いることができる。ただし、予熱後の原料鉄粉の温度は、高温ほど仕上熱処理工程の生産性が向上するが、600℃以上にすると原料鉄粉が焼結し、流動性が低下して移動床への供給が困難となるので、予熱に用いる非酸化性気体の温度も上限を600℃とするのが好ましい。
【0029】
次に、本発明の仕上熱処理装置について図を用いて具体的に説明する。
図1は、一例として、本発明の仕上熱処理装置を側面から見た断面図を示したものである。同図において、17は熱交換器、18は気体供給管、19は気体排出管、50は反応排ガス、51は非酸化性の気体(但し反応排ガスを除く)、53は燃焼排ガスである。なお、図4と同一または相当部材には同じ符号を付した。図示したように、本発明の仕上熱処理装置は、仕上熱処理炉30に入る直前の原料鉄粉7を予熱する装置として、ホッパ8下部の傾斜部からホッパ内に貯蔵している原料鉄粉中に加熱用気体(高温かつ非酸化性の気体)52を吹き込む気体供給部とホッパ上部から予熱に使用後の加熱用気体を回収する気体排出部を有する。
【0030】
上記図1に示した仕上熱処理装置では、加熱用気体52として、雰囲気ガス排気管13を通って流れてくる反応排ガス50に、外部から非酸化性気体51を加え、これを熱交換器17に通して燃焼排ガス53と間接的に熱交換させ、高温としたものを用いている。
【0031】
また、図2は、本発明で用いる鉄粉を予熱する予熱器(ホッパ部分)を説明する図であり、気体供給部として気体供給管18、気体排出部として気体排出管19を設けた例を示している。なお、図1と同一または相当部材には同じ符号を付した。図2のように、本発明の予熱器(ホッパ部分)においては、加熱用気体52は、気体供給管18から原料鉄粉7が充填されたホッパ8内に吹き込まれ、該ホッパ内で原料鉄粉7と直接接触しながら原料鉄粉7に熱を与え、その後、ホッパ8上部に設置された気体排出管19によって回収され、回収された気体は、仕上熱処理装置外に排出される。
【0032】
上記図2に示した予熱器(ホッパ部分)では、気体供給管18をホッパ8下部の傾斜部に複数設置することにより、加熱用気体52がホッパ8内の原料鉄粉7中を均等に流れて、鉄粉が均一予熱されるので、温度制御が容易となる。また、本発明例の予熱器(ホッパ部分)は、気体供給管18の気体放出口にフィルタ20を、気体排出管19の気体回収口に集塵装置21を配設しているので、鉄粉が気体供給管18や気体排出管19に侵入し難く、管詰りを有効に防止することができる。なお、フィルタや集塵装置の濾布としては、耐熱性の点から焼結金属あるいはセラミックスを用いることが好ましい。
【実施例】
【0033】
表1に示した4種類の仕上熱処理装置(図4に示した装置から予熱器15を取り除いた仕上熱処理装置、図4に示した仕上熱処理装置、図6に示した仕上熱処理装置および図1に示した仕上熱処理装置)を用いて、表1に示した条件で原料鉄粉の仕上熱処理を行い、原料鉄粉の温度の経時変化を測定すると共に、操業性を調査した。なお、原料鉄粉温度の経時変化は、移動床上の原料鉄粉層の厚さ中心位置に温度センサを設置し、炉内(第一室内)における原料鉄粉温度の時間による変化を測定した。
【0034】
【表1】


【0035】
図3は、原料鉄粉温度の経時変化を測定した結果を示したものである。
予熱器15のない図4の仕上熱処理炉で処理したNo.1(比較例1)では、原料鉄粉温度が、常温から200℃まで昇温するのに7分、500℃まで到達するのに15分、炉内温度(950℃)まで到達するのに30分を要している。その結果、炉内温度での保持時間は30分であった。
また、図5に示した予熱器を有する図4の仕上熱処理炉で処理したNo.2(比較例2)では、原料鉄粉は、炉に入る時には200℃まで予熱されていたが、950℃まで到達するのに28分を要しており、予熱しない場合(比較例1)と比較して大きな差はない。また、比較例2では、熱交換用パイプの摩耗による穴明きに起因したパイプ交換のためのダウンタイムが発生し、それによる停止が年間で13回、延べで585分の停止時間が発生した。
また、同じく予熱器を有する図6の仕上熱処理炉で処理したNo.3(比較例3)では、ホッパ内に貯蔵されている原料鉄粉量が低下したときに、加熱用気体52が、気体排出管19へ流れずにホッパ8側へ流れ込んでしまうため、均一な予熱が行えず、予熱を停止せざるを得ない状況が頻発し、その停止時間は平均して操業時間の6%強にも及んだため、操業が不安定となり、予熱の効果を十分に得ることができなかった。したがって、鉄粉温度の測定はできなかった。
これに対して、本発明の図1の仕上熱処理炉で処理したNo.4(発明例)では、原料鉄粉がホッパ出側で450℃まで昇温されていたため、炉に入る際の鉄粉温度は370℃であり、炉内装入時から炉内温度(950℃)までは、比較例1と比較して8分短い、22分で到達している。この結果から、鉄粉を炉内温度に保持する時間は、発明例でも比較例でも同じ(30分)でよいから、本発明の熱処理装置を用いて比較例1と同じ熱処理を行う場合には、炉内通過時間を52分に短縮でき、比較例1と比較して、15%の生産性向上が図れることがわかった。また、本発明の仕上熱処理炉では、全操操業時間で予熱を行うことができ、上記比較例3で発生したような操業上のトラブルはなかった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の鉄粉製造技術は、粉末冶金や磁性材料などの原料として用いられる鉄粉や、化学反応用、カイロ用、脱酸素剤用等、粉末のままで用いられる鉄粉全てに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の仕上熱処理装置を説明する図である。
【図2】本発明の仕上熱処理装置の予熱器(ホッパ部分)を説明する図である。
【図3】仕上熱処理装置内の鉄粉温度の経時変化を本発明の装置と従来の装置とで比較して示すグラフである。
【図4】従来の仕上熱処理装置の一例を説明する図である。
【図5】従来の仕上熱処理装置の予熱器の一例を説明する図である。
【図6】従来の仕上熱処理装置の他の例を説明する図である。
【図7】従来の仕上熱処理装置の予熱器の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0038】
1:仕切壁
2:第一室
3:第二室
4:第三室
5:雰囲気ガス供給口
6:雰囲気ガス排出口
7:原料鉄粉
8:ホッパ
9:移動床
10:ホイール
11:ラジアントチューブ
12:燃焼ガス排気管
13:雰囲気ガス排気管
14:排気ダクト
15:予熱器
16:熱交換用パイプ
17:熱交換器
18:気体供給管
19:気体排出管
20:フィルタ
21:集塵装置
30:仕上熱処理炉
50:反応排ガス
51:非酸化性気体(反応排ガスを除く)
52:加熱用気体(高温かつ非酸化性の気体)
53:燃焼排ガス




 

 


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