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発明の名称 鉄基粉末混合物の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−211275(P2007−211275A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−30742(P2006−30742)
出願日 平成18年2月8日(2006.2.8)
代理人 【識別番号】100099531
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英一
発明者 尾野 友重 / 宇波 繁 / 前谷 敏夫
要約 課題
副原料を鉄粉粒子の表面に定着させた混合物を、安価で効率良く製造する方法を提供する。

解決手段
バインダーの融点未満の温度で鉄基粉末と副原料とを混合しながら、得られる混合物にバインダーの溶融液を噴霧して、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子を定着させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子をバインダーで定着させた鉄基粉末混合物の製造方法において、前記バインダーの融点未満の温度で前記鉄基粉末と前記副原料とを混合しながら、得られる混合物に前記バインダーの溶融液を噴霧して、前記鉄基粉末の粒子表面に前記副原料の粒子を定着させることを特徴とする鉄基粉末混合物の製造方法。
【請求項2】
鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子をバインダーで定着させた鉄基粉末混合物の製造方法において、前記バインダーの融点未満の温度で前記鉄基粉末を攪拌しながら、前記副原料の粒子を混入させた前記バインダーの溶融液を噴霧して、前記鉄基粉末の粒子表面に前記副原料の粒子を定着させることを特徴とする鉄基粉末混合物の製造方法。
【請求項3】
前記副原料の粒子が、合金化成分および/または切削性改善成分を含有する粉末であることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄基粉末混合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子を付着させた鉄基粉末混合物を効率良く製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉末冶金技術では、金属粉末に潤滑剤粉末や合金化用粉末を適宜混合した後、金型で加圧成形し、さらに焼結を行なって、所定の寸法形状,特性を有する製品成形体を製造する。このような粉末冶金の分野で使用される鉄粉は、製品成形体の強度を向上するために、Cu,黒鉛等の合金化成分を含有する粉末を副原料として添加する。また焼結した後で寸法精度を高めるための機械加工を容易に行なうために、MnS,フッ化カルシウム,リン酸カルシウム等の切削性改善成分を含有する粉末も副原料として広く使用されている。
【0003】
このような鉄粉と副原料とを混合する方法は、
(a)製品成形体の製造工程で混合する、
(b)鉄粉の製造工程で混合して製品成形体の製造工程に供給する
という2種類に大別される。いずれの場合も、鉄粉中に副原料を均一に分散させることを考慮して、副原料として使用する粉末は鉄粉に比べて粒子径を小さくする。したがって、鉄粉と副原料を混合するとき、あるいは搬送するときに、副原料が周辺に飛散して環境汚染を招く惧れがある。
【0004】
特に上記の(b)では、鉄粉に混合した副原料が、容器の移し替えによる流動や搬送による振動等によって飛散するので、混合比率が変化する。しかも、副原料は粒子径が小さいので、鉄粉間の隙間を通って下方に沈降する。その結果、製品成形体の製造工程は一定の条件で稼動するにも関わらず、製造された製品成形体の成分や強度が不均一になるという問題が生じる。
【0005】
そこで、鉄粉と副原料とを混合した後の副原料の飛散を防止するために、接着剤(いわゆるバインダー)を用いて副原料を鉄粉粒子の表面に定着させる技術が検討されている。
たとえば特許文献1には、鉄粉と副原料を混合し、さらに有機溶剤に溶解(もしくは分散)したバインダーを添加した後、加熱(もしくは減圧)して有機溶剤を除去することによってバインダーを析出させ、副原料を鉄粉粒子の表面に定着させる技術が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、鉄粉と副原料を混合し、さらに粉末状のバインダーを添加した後、バインダーの融点以上の温度まで加熱することによってバインダーを溶解し、引き続き冷却してバインダーを固化させ、副原料を鉄粉粒子の表面に定着させる技術が開示されている。
なお、以下では副原料を鉄粉粒子の表面に定着させた粉体混合物を鉄基粉末混合物と記す。
【特許文献1】特開平6-145701号公報
【特許文献2】特開平9-13101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された技術は有害な有機溶剤を使用するので、作業員の安全を確保する必要がある。また、鉄粉と副原料に混合した有機溶剤を回収した後で、無害化する処理を施して廃棄する必要がある。したがって、安全対策や廃棄物処理に要する費用が増大する。
また特許文献2に開示された技術は、鉄粉と副原料とバインダーの混合粉を加熱し、さらに冷却する必要があるので、1台の加熱冷却装置を用いて操業する場合には、生産効率が著しく低下する。複数台の加熱冷却装置を用いて操業する場合には、それらの操業方法が複雑になる。また、いずれの場合も熱エネルギーの消費量が増大する。
【0008】
本発明は上記のような問題を解消し、副原料を鉄粉粒子の表面に定着させた混合物を、安価で効率良く製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子をバインダーで定着させた鉄基粉末混合物の製造方法において、バインダーの融点未満の温度で鉄基粉末と副原料とを混合しながら、得られる混合物にバインダーの溶融液を噴霧して、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子を定着させる鉄基粉末混合物の製造方法である。
また本発明は、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子をバインダーで定着させた鉄基粉末混合物の製造方法において、バインダーの融点未満の温度で鉄基粉末を攪拌しながら、副原料の粒子を混入させたバインダーの溶融液を噴霧して、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子を定着させる鉄基粉末混合物の製造方法である。
【0010】
本発明の鉄基粉末混合物の製造方法においては、副原料の粒子が、合金化成分および/または切削性改善成分を含有する粉末であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、副原料を鉄粉粒子の表面に定着させた混合物を、安価で効率良く製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、副原料を鉄粉の粒子表面に定着させた鉄基粉末混合物を製造する方法であり、その方法は下記の2種類、すなわち
(A)鉄粉と副原料を混合して、バインダーを噴霧する、
(B)鉄粉に副原料とバインダーを噴霧する
という方法がある。なお、本発明では純鉄粉のみならず合金鋼粉を使用できる。以下では、純鉄粉と合金鋼粉とを包含して鉄基粉末と記す。
【0013】
合金鋼粉は、予め合金成分を添加した合金鋼の粉体(いわゆる予合金鋼粉)、あるいは合金粉末を純鉄粉や予合金鋼粉の表面に部分的に拡散付着させた粉体(いわゆる部分拡散付着鋼粉)等を使用できる。ここで合金化成分とはNi,Cu,Mo,Mn,Cr等を指し、それらの含有量は鉄基粉末の質量に対して合計1〜5質量%の範囲内が好ましい。
上記の(A),(B)の方法は、いずれも、使用する副原料の粒径は鉄基粉末の粒子より小径にし、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子を付着しやすくする。そしてバインダーを介して副原料を鉄基粉末に定着させる。
【0014】
副原料は、Cu,黒鉛等の合金化成分を含有する粉末、あるいはS,MnS,フッ化カルシウム,リン酸カルシウム等の切削性改善成分を含有する粉末を使用するのが好ましい。これらの合金化成分を含有する粉末と切削性改善成分を含有する粉末は、いずれか片方のみを使用しても良いし、両方を併用しても良い。その混合量は鉄基粉末混合物の質量に対して合計0.5〜5質量%の範囲内が好ましい。
【0015】
まず上記の(A)について詳細に説明する。
(A)の方法においては、バインダーの融点未満の温度で鉄基粉末と副原料とを混合する。混合機は、容器自体が回転する容器回転型混合機(たとえばV型混合機,二重円錐型混合機等)や固体された容器内で攪拌羽根が回転する機械攪拌型混合機(たとえばヘンシェルミキサー,ナウタミキサー等)が使用できる。これらの混合機のうち、迅速な混合が可能なヘンシェルミキサーを使用するのが好ましい。
【0016】
鉄基粉末と副原料が十分に混合され、副原料の粒子が鉄基粉末の粒子表面に付着した後、混合を継続しながら、予め溶融されたバインダーを噴霧する。このとき、鉄基粉末と副原料はバインダーの融点未満の温度であるから、バインダーの溶融液は鉄基粉末や副原料に接触することによって冷却される。こうしてバインダーが凝固して、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子を定着させる。
なおバインダーの溶融液を噴霧する方法は、特に限定しないが、ノズルを用いて吹き付けるという簡便な方法が好ましい。ノズルの目詰まりを防止するためには、バインダーの溶融液の粘度を0.1Pa・S(100cP)以下とすることが好ましい。
【0017】
次に上記の(B)について詳細に説明する。
(B)の方法においては、予めバインダーを溶融して副原料を混合分散させておく。そして、バインダーの融点未満の温度で鉄基粉末を攪拌しながら、副原料を混合分散させたバインダーの溶融液を噴霧する。鉄基粉末を攪拌する際には、(A)と同様に容器回転型混合機や機械攪拌型混合機を使用する。
【0018】
攪拌される鉄基粉末はバインダーの融点未満の温度であるから、バインダーの溶融液は鉄基粉末に接触することによって冷却される。こうしてバインダーが凝固して、鉄基粉末の粒子表面に副原料の粒子を定着させる。
バインダーの溶融液は、副原料の粒子が混合分散したスラリー状の流体であるから、ノズルを用いて吹き付けると、目詰まりを起こす惧れがある。したがってホットメルトスプレーや加熱スクリュー型プランジャー等を使用するのが好ましい。
【0019】
以上に説明した(A),(B)いずれの方法においても、使用するバインダーは、脂肪酸モノアミド,脂肪酸ビスアミド,ポリアミド,ステアリン酸亜鉛,ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン,変性ポリオレフィン,ポリオキシメチレン等が好ましい。これらのバインダーを溶融させるための加熱温度が融点以上であることは言うまでもない。ところがバインダーの加熱温度が過剰に上昇すると、バインダーが変質する惧れがある。したがって加熱温度は、バインダーの分解温度未満とするのが好ましい。たとえば、バインダーとして脂肪酸モノアミドやステアリン酸亜鉛を使用する場合の加熱温度は120〜140℃の範囲内が好ましい。
【0020】
このようにして得られた鉄基粉末混合物は、粉末冶金技術に広く適用できる。つまり、鉄基粉末混合物を金型に充填して加圧成形した後、必要に応じてサイジングを施し、さらに焼結を行なって焼結体とする。さらに焼結体に熱処理(たとえば浸炭焼入れ,光輝焼入れ,高周波焼入れ等)を適宜施して製品成形体とする。また、必要に応じて機械加工を施して寸法精度を高めることも可能である。
【0021】
なお、鉄基粉末混合物を金型に充填して加圧成形する際に、遊離潤滑剤や帯電防止剤等の添加剤を使用しても何ら問題はない。
【実施例】
【0022】
図1に示す装置を用いて鉄基粉末混合物を製造した。混合機4はヘンシェルミキサーを使用した。その手順を以下に説明する。
鉄基粉末として純鉄粉20kgと、副原料としてCu粉400g,黒鉛粉160gとを混合機4に収容し、バインダーの融点未満の温度(すなわち120℃未満)で攪拌羽根5を回転させて混合した。一方でバインダーとしてステアリン酸亜鉛(融点120〜126℃)を加熱槽1に収容し、150℃に加熱して溶融させた。
【0023】
鉄基粉末と副原料を十分に混合した後、攪拌羽根5を回転させながらバインダーの溶融液をノズル3から噴霧した。ノズル3には加熱装置(図示せず)を配設して、ノズル3を190℃に加熱することによって、バインダーの溶融液の粘度を0.1Pa・S以下に低下させた。噴霧後、混合粉の温度を60℃まで冷却して、遊離潤滑剤となるステアリン酸亜鉛を添加した。
【0024】
このようにして図1に示す装置を用いて鉄基粉末混合物を製造した。これを発明例1とする。
次に、図2に示す装置を用いて鉄基粉末混合物を製造した。混合機4はヘンシェルミキサーを使用した。その手順を以下に説明する。
鉄基粉末として純鉄粉20kgと、副原料としてCu粉400g,黒鉛粉160gとを混合機4に収容し、バインダーの融点未満の温度(すなわち120℃未満)で攪拌羽根5を回転させて混合した。一方でバインダーとしてステアリン酸亜鉛(融点120〜126℃)をスクリュー型プランジャー6で150℃に加熱して溶融させた。
【0025】
鉄基粉末と副原料を十分に混合した後、攪拌羽根5を回転させながらバインダーの溶融液をスクリュー型プランジャー6から射出し、混合粉の温度を60℃まで冷却した後、引き続き遊離潤滑剤となるステアリン酸亜鉛を添加した。
このようにして図2に示す装置を用いて鉄基粉末混合物を製造した。これを発明例2とする。
【0026】
次いで、図3に示す装置を用いて鉄基粉末混合物を製造した。混合機4はヘンシェルミキサーを使用した。その手順を以下に説明する。
鉄基粉末として純鉄粉20kgを混合機4に収容し、バインダーの融点未満の温度(すなわち120℃未満)で攪拌羽根5を回転させて攪拌した。一方でバインダーとしてステアリン酸亜鉛(融点120〜126℃)を加熱槽1に収容し、150℃に加熱して溶融させた。さらにスターラー7を回転(100回/分)させながら、副原料としてCu粉400g,黒鉛粉160gを添加して混合分散させた。
【0027】
鉄基粉末を十分に攪拌した後、攪拌羽根5を回転させながらバインダーの溶融液をノズル3から噴霧した。ノズル3には加熱装置(図示せず)を配設して、ノズル3を190℃に加熱することによって、バインダーの溶融液の粘度を0.1Pa・S以下に低下させた。噴霧後、混合粉の温度を60℃まで冷却して、遊離潤滑剤となるステアリン酸亜鉛を添加した。なお、バインダーの溶融液の余剰分は加熱槽1に循環させて有効利用した。
【0028】
このようにして図3に示す装置を用いて鉄基粉末混合物を製造した。これを発明例3とする。
以上に説明した発明例1〜3に対して、従来の方法を以下に説明する。
外部ジャケットを有し熱媒体を流通させる機構を備えた混合機(図示せず)に純鉄粉20kgを収容し、副原料としてCu粉400g,黒鉛粉160gを添加し、さらにバインダーとしてステアリン酸亜鉛80gを添加し、約130℃で混合した。その後、混合機の加熱を停止し、30℃の冷媒を供給して混合機内を60℃まで冷却して、遊離潤滑剤となるステアリン酸亜鉛を添加した。これを従来例とする。
発明例1〜3と従来例について、混合機における純鉄粉の装入から鉄基粉末混合物の製造までの1サイクルの所要時間と熱エネルギー消費量を調査した。その結果、1サイクルの所要時間は、従来例をT(分)とすると、発明例1〜3はいずれも0.7T程度であった。また、1サイクルの熱エネルギー消費量は、従来例をE(cal/サイクル)とすると、発明例1〜3はいずれも0.4E程度であった。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用する装置の例を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明を適用する装置の他の例を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明を適用する装置の他の例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0030】
1 加熱槽
2 ポンプ
3 ノズル
4 混合機
5 攪拌羽根
6 スクリュー型プランジャー
7 スターラー
8 モーター




 

 


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