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発明の名称 表面性状の優れた鋼材の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−203314(P2007−203314A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−22386(P2006−22386)
出願日 平成18年1月31日(2006.1.31)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 松澤 永晴 / 竹林 克浩 / 馬場 康之 / 苅部 健太 / 渋谷 聡
要約 課題
従来の対処策だけでは低減できなかったヘゲの発生率を、効果的にさらに低減可能とする表面性状に優れた鋼材の製造方法を提供する。

解決手段
加熱炉7で1170℃以上に加熱した鋼片を、鋼片が最初に接触する搬送ロール上で停止させて停止冷却装置群10により一定時間水を噴射し、その後搬送し、鋼片の温度が規定の温度以上の場合、水潤滑潤滑装置11を用いて、搬送ロール4と鋼片6の接触界面の水潤滑を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
1170℃以上に加熱した鋼片を、複数の搬送ロールからなる搬送テーブルにより圧延機まで搬送して熱間圧延を行う鋼材の製造方法において、加熱後の鋼片が最初に接触する複数の搬送ロール上で、該鋼片の搬送を行わずに、該鋼片に一定時間水を噴射し、その後に搬送を開始し、さらに、搬送する鋼片の表面温度が規定の温度以上となる場合に、該鋼片および/または該鋼片が接触する搬送ロールに水潤滑を行うことを特徴とする表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【請求項2】
前記水潤滑において、該鋼片の搬送ロールと接触する側の面に水を噴射することにより水潤滑を行うことを特徴とする請求項1に記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【請求項3】
前記水潤滑において、搬送ロールに水を噴射することにより水潤滑を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【請求項4】
前記水潤滑において、該鋼片と該鋼片が接触する搬送ロールの界面に水を噴射することにより水潤滑を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【請求項5】
搬送する鋼片の表面温度が1170℃以上となる場合に、該鋼片および/または該鋼片が接触する搬送ロールに水潤滑を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面欠陥を低減し、表面性状の優れた鋼材を製造するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、鋼材は鋳造にて成形された鋼片を加熱炉で所定の温度まで加熱し、熱間圧延工程にて所定の板厚まで減厚し、さらに必要に応じて、次工程以降で処理される。このようにして製造される鋼材の特性としては、機械的性質や寸法精度はもちろんのこと、用途によっては表面性状も重要視される。表面性状の観点からは、ヘゲ、スリバー、スケール疵など表面欠陥の防止が特に重要である。中でも、薄鋼板ではプレス加工や打ち抜き加工が行われるため、この際の破断や鋼板と金型との焼き付きの原因となるヘゲの防止が最も重要である。ヘゲは様々なメカニズムで発生すると言われている。以下に従来のメカニズムとその対処策の例を挙げる。
【0003】
一つ目に、異物の付着に起因するヘゲ発生のメカニズムが挙げられる。熱間圧延工程での鋼材の搬送中あるいは圧延中にはライン上の異物が鋼片に付着しやすく、このような異物が圧延によって押し込まれることによってヘゲが発生する。この異物は主に他の鋼材を搬送もしくは圧延した際に、その一部が高温のまま設備に付着しスケール化したものである。また、鋼片の表面に発生したスケールが、その鋼片自身に押し込まれることによっても発生する。いずれもスケールが鋼材の地鉄に押し込まれ、地鉄中に噛み込むことにより発生する。このメカニズムに対して、各パス圧延前のデスケーリング条件の最適化によってヘゲの発生を低減させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
二つ目に、鋼片の割れに起因するヘゲ発生のメカニズムが挙げられる。鋼片の割れは、加熱あるいは冷却時の熱応力や圧延応力によって発生する。この割れた部分にスケールが生成し、その後の圧延によって割れが閉口することによってスケールが地鉄中に残存するためにヘゲとなる。このような割れは、強度が弱く、合金元素が偏析しやすい鋼片表層の結晶粒界を起点に発生しやすい。これに対して、鋼片のスカーフィング、在炉時間の調整、合金元素添加量の最適化、熱応力の緩和や冷却条件の最適化、あるいは圧延条件の最適化によってヘゲの発生を低減させている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
三つ目に、鋼片内の気泡に起因するヘゲ発生のメカニズムが挙げられる。鋳造工程でブローホールと呼ばれる気泡が鋼片中の表面近傍に存在する場合、熱間圧延によって表面に顕在化することによって鋼板表面に開口部が発生し、その後割れと同様のメカニズムでヘゲとなる。これに対して、鋳造時の浸漬ノズル形状の最適化や溶鋼の流動制御によってヘゲの発生を低減させている。
【特許文献1】特開平8−197130号公報
【特許文献2】特開平8−141632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したヘゲ発生のメカニズムに対して、その対処策を行ってもヘゲの発生率は、未だ満足されるものではなく、従来の対処策だけでは十分とはいえなかった。
【0007】
本発明は、従来の対処策だけでは低減できなかったヘゲの発生率を、効果的にさらに低減可能とする表面性状に優れた鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の各対処策によってヘゲの発生率は低下する傾向にあるため、これらの対処策は決して効果がないわけではないが、未だヘゲが少なからず発生しているので、ヘゲ発生には他のメカニズムが存在するものと発明者らは考えた。そこで、ヘゲ発生の未知なるメカニズムを明らかにすべく、鋼材の製造プロセス全般の操業条件とヘゲの発生状況について鋭意調査を行った。この結果、これまでに知られていなかったヘゲの発生メカニズムを明らかにし、これによる表面欠陥を防止し、従来技術では実現できなかった高レベルの表面性状を有する、表面性状に優れた鋼材の製造方法を発明した。
【0009】
本発明の要旨構成は以下のとおりである。
【0010】
[1]1170℃以上に加熱した鋼片を、複数の搬送ロールからなる搬送テーブルにより圧延機まで搬送して熱間圧延を行う鋼材の製造方法において、加熱後の鋼片が最初に接触する複数の搬送ロール上で、該鋼片の搬送を行わずに、該鋼片に一定時間水を噴射し、その後に搬送を開始し、さらに、搬送する鋼片の表面温度が規定の温度以上となる場合に、該鋼片および/または該鋼片が接触する搬送ロールに水潤滑を行うことを特徴とする表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【0011】
[2]前記水潤滑において、該鋼片の搬送ロールと接触する側の面に水を噴射することにより水潤滑を行うことを特徴とする前記[1]に記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【0012】
[3]前記水潤滑において、搬送ロールに水を噴射することにより水潤滑を行うことを特徴とする前記[1]または[2]に記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【0013】
[4]前記水潤滑において、該鋼片と該鋼片が接触する搬送ロールの界面に水を噴射することにより水潤滑を行うことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【0014】
[5]搬送する鋼片の表面温度が1170℃以上となる場合に、該鋼片および/または該鋼片が接触する搬送ロールに水潤滑を行うことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面性状の優れた鋼材の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表面欠陥を低減し、表面性状の優れた鋼材を製造することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0017】
発明者らは、以下のようなメカニズムでヘゲが発生していることを発見した。まず、鋼中のSi量が2.0mass%以上である鋼片を1170℃以上に加熱する場合、加熱後の鋼片が通過した直後の搬送ロールに高温の異物が付着していることがわかった。ただし、このような異物の付着は、すべての搬送ロールで観察されるわけではなかった。また、加熱後の鋼片を圧延機まで搬送する搬送テーブル(搬送ロール群)を調査すると、上流側すなわち鋼片の表面温度が高温である搬送テーブルほど異物の付着が多発し、鋼片の表面温度が1170℃以下の場合、異物の付着が発生しないことがわかった。この付着物を採取し分析を行ったところ、この付着物は通過した鋼片の地鉄が搬送ロールに付着し、酸化したスケールであることが判明した。さらにこの鋼片の搬送ロールと接触する面(以下、裏面とする)を観察したところ、部分的に深さ2〜10mm、長さ、幅5〜20mmの穴状の窪みが観察された。これより推定されるヘゲ発生のメカニズムを図1に示す。鋼片を1170℃以上に加熱することによって、鋼片表層に生成したファイアライトスケール1(2FeO・SiO2)が液相化する。鋼片が搬送される際、搬送ロール4と接触することによって、ファイアライトスケールが急速に冷却されると同時に固化し(固相のファイアライトスケール2)、ファイアライトスケールを介して鋼片地鉄3と搬送ロール4が圧着する(図1(a))。圧着した鋼片が引き続き搬送されることによって、搬送ロール4とファイアライトスケール2の接触界面における強度や、ファイアライトスケール2と地鉄3の界面における強度よりも強度の弱い地鉄の粒界部分あるいは粒内部分を起点として、ファイアライトスケールが地鉄の一部とともに強制的に引き剥がされ、局所的に穴状の窪みが形成される(図1(b))。その後の搬送中に、この穴状の窪みに再びファイアライトスケールが形成される。この部分が圧延ロール5で圧延されると、窪みに形成されたファイアライトスケール(固相)2が地鉄に噛み込むことになり(図1(c))、ヘゲの発生にいたるというメカニズムである。
【0018】
発明者らはこのような知見に基づき、地鉄と搬送ロールの圧着を防止するための対処策を検討し、圧着を防止するためには、水潤滑により搬送ロールと鋼片間の直接接触を防止する対処策を想到し、この効果を検証する試験を行った。
【0019】
図2に概略図を示すように、水12の噴射対象を、(a)搬送ロール、(b)鋼片裏面とし、どちらか一方に噴射した。水潤滑は、(1)加熱した鋼片が加熱炉抽出から20秒後に鋼片の先端が通過する搬送ロールと、(2)10秒後に鋼片の先端が通過する搬送ロール、のどちらか一方で実施した。両者はいずれも圧着が観察されるロールである。なお、抽出直後の鋼片の表面温度は1260℃であり、搬送速度は135m/minで一定とした。鋼片6の幅方向に7個のノズル14を150mm間隔で配置し、搬送ロール4の軸方向ないしは、鋼片裏面幅方向1200mm分に噴射した。すべてのノズル14で圧力0〜3kgf/cm、流量0〜2L/minの条件とした。そして、(a)の搬送ロールに噴射する場合は、該鋼片が該搬送ロールを通過する前に本水潤滑装置によって搬送ロールを事前に冷却する条件と事前に冷却しない条件の両方で行った。対象鋼片の搬送直前における搬送ロールの温度は、この事前冷却の有無でそれぞれ80℃、250℃であった。図3に各潤滑条件での付着防止効果を示す。
【0020】
この結果、以下のような知見を得た。
(A)噴射対象が、(a)の搬送ロール、(b)の鋼片裏面のどちらでも付着低減効果は同等。
(B)(1)の20秒後よりも、(2)の10秒後の方が、付着を防止するために多くの流量が必要である。
(C)水の流量を増加することによって付着は低減する。
(D)事前冷却を行うことによって、同一条件でも付着は軽減し、流量1L/min以上であれば、どの搬送ロールも付着がまったく発生しない。
【0021】
ところで、噴射対象が、(a)の搬送ロール、(b)の鋼片裏面のいずれの場合でも、(2)の加熱炉抽出から10秒後に鋼片の先端が通過する搬送ロールで水潤滑を行うと、激しい破裂音とともに高温のスケールが大量に飛散した。なお、(1)の20秒後の場合は、スケールの飛散は発生しなかった。飛散したスケールを拾い観察すると、歪な楕円球状であり、概略直径は3〜15mmであった。さらに分析を行ったところ、鋼片の地鉄が酸化したスケールあることが判明した。さらにスケール飛散直後の鋼片の裏面を観察すると、3〜15mmの穴状の窪みが観察された。したがって、圧着と同様にスケールの飛散によってもヘゲが発生すると考えられ、水潤滑による圧着防止を行う場合は、スケールの飛散対策も実施する必要がある。
【0022】
ちなみに、スケール飛散のメカニズムは、搬送ロールと鋼片の接触界面近傍に水が封入されることによって発生する水蒸気爆発であると推定される。図4に水蒸気爆発の発生メカニズムを示す。ファイアライト(高温の液体)1と水(低温の液体)12および両者の間に蒸発しつつある水蒸気13の膜が形成される(図4(a))。そこにスラブの自重による圧力パルスが加わると、不安定状態となり、表面に凹凸が発生し拡大する(図4(b))。次に、表面の凹凸が成長しすぎて、水12と水蒸気13がファイアライト層1内に進入する(図4(c))。こうして進入した水12と水蒸気13は、ファイアライト1内に閉じ込められる(図4(d))。閉じ込められた水12は熱膨張により表面積が増大しているので、ファイアライト1によって急激に加熱され蒸発する。この急激な蒸発によって、水蒸気爆発が発生する(図4(e))。
【0023】
したがって、水蒸気膜を厚くする、水蒸気膜を安定させる、ファイアライトスケールを低温化する、いずれかによって、スケール飛散を防止することができると考えた。
【0024】
そこで、図5に示すように、加熱炉にて加熱した鋼片6が加熱炉抽出直後に接触する搬送ロール4上で搬送を開始する前に水12の噴射を開始し、一定時間冷却した後に搬送を開始する方法を考案し(以後、停止冷却と呼ぶ)、停止冷却によるスケール飛散防止効果と、スケールの飛散を防止するための停止冷却時間を調査するための試験を行った。
【0025】
図6に実験方法の模式図を示す。鋼片6が加熱炉7抽出時に接触する搬送ロール4の搬送ロール間すべてに停止冷却装置10を設置し、付着が発生する最下流側の搬送ロールから停止冷却装置10までのすべての搬送ロール4に水潤滑装置11を設置した。停止冷却の噴射対象は鋼片6裏面とし、ノズル14毎に流量は20L/min、圧力は3kg/cmとした。1ノズルあたりの搬送方向への冷却長は300mmで、鋼片幅方向に150mm間隔で7ノズル設置することにより、鋼片幅1200mm全体に噴射した。一方、水潤滑の噴射対象は搬送ロール4とし、流量は1L/min、圧力は3kg/cmとし、搬送ロール4の軸方向に150mm間隔で7ノズル設置することにより、搬送ロール軸方向1200mmの範囲に噴射した。なお、水潤滑については、事前冷却も行い、搬送速度は135m/minで一定とした。抽出直後の裏面表層温度が1260℃から1200℃まで20℃刻みの種々の鋼片を用いて、停止冷却を0から20秒まで5秒刻みの種々の停止時間で実施し、その後搬送を開始することにより、スケールの飛散を防止するための抽出直後の鋼片6の裏面表層温度と停止冷却時間の関係を調査した。表1にその結果を示す。
【0026】
表1に示すように、スケールの飛散は抽出直後の鋼片6の裏面表層温度が1200℃以上で発生し、本発明によりスケールの飛散を防止することができることがわかった。よって、本発明は、鋼片をファイアライトの溶融が生じる1170℃で加熱した場合、好ましくは、スケール飛散が生じる1200℃以上に加熱した場合に適用されるものとする。また、本条件では、例えば、抽出直後の鋼片6の裏面表層温度が1260℃の場合、停止冷却を20秒以上実施することによりスケールの飛散が防止できることがわかった。
【0027】
【表1】


【0028】
次に、同様の実験条件にて、本発明による不良率低減効果を調査するための試験を行った。試験は抽出直後の裏面表層温度が1230℃の3個の鋼片で行い、まず1個目は、鋼片の加熱炉からの抽出が完了し、搬送ロールに接触した後に停止冷却装置の水を噴射し、15秒間の停止冷却を行った後に搬送を開始し、停止冷却直後の水潤滑装置を設置した搬送テーブル上で鋼片の搬送を停止し、鋼片の裏面を観察した。停止冷却および水潤滑により、スケール飛散および圧着は発生せず、鋼片裏面の窪みも存在しなかった。2個目については同様に15秒間の停止冷却および水潤滑を施した後、そのまま粗圧延および仕上圧延を行い、熱延コイルとして、さらに冷間圧延および焼鈍を施して製品とした。また3個目は、比較材として、停止冷却および水潤滑は行わずに、そのまま粗圧延および仕上圧延を行い、冷間圧延および仕上圧延を施して製品とした。図7に2個目および3個目の製品全長に対するヘゲ発生長さの総和の割合(以下、不良率)を示す。本発明の製造方法(2個目)では、比較材(3個目)と比べて不良率が大きく低減した。したがって、上記メカニズムの妥当性および本発明の有効性が確認できた。
【実施例】
【0029】
本発明の実施例を以下に述べる。
【0030】
Si:3.0mass%、C:0.045mass%を含む板厚220mm、幅1050〜1170mm、長さ9〜12mの鋼片を加熱炉にて加熱した。なお、抽出直後の鋼片の表面温度は1260℃であり、搬送速度は135m/minで一定とした。鋼片が加熱炉抽出時に接触する搬送ロールの搬送ロール間すべてに停止冷却装置を設置し、停止冷却装置と隣接する搬送ロールを除き鋼片裏面の温度が1170℃以上で接触する搬送ロールすべてに水潤滑装置を設置した。停止冷却の噴射対象は鋼片の裏面とし、流量は20L/min、圧力は3kg/cmとし、1ノズルあたりの搬送方向への冷却長は300mmで、鋼片幅方向に7ノズルを設置することにより、鋼片幅全体に噴射した。一方、水潤滑の噴射対象は搬送ロールとし、流量は1L/min、圧力は3kg/cm、搬送ロールの軸方向に7ノズルを設置することにより、搬送ロール軸方向1200mm分に噴射した。なお、水潤滑装置を用いて、事前に搬送ロールの冷却を行ったところ、加熱炉から鋼片を抽出する時点での搬送ロールの表面温度は75〜90℃であった。20秒間停止冷却および水潤滑を行った後、そのまま粗圧延および仕上圧延を行い、熱延コイルとして、さらに冷間圧延および焼鈍を施して製品とした。この実験を10個の鋼片で実施した(本発明例)。
【0031】
さらに、比較のため、同一製造ライン、同一成分の鋼片にて、停止冷却および水潤滑を行わない通常の条件でも10個の鋼片で実験を実施した(従来例)。
【0032】
図8に、本発明例と従来例の最終製品での不良率を比較したものを示す。同図から明らかなように、本発明によって、ヘゲの発生率を大幅に低減することが可能である。
【0033】
なお、本発明例では、水潤滑の噴射対象を搬送ロールとしたが、噴射対象を鋼片裏面、あるいは、鋼片と搬送ロールの接触界面としても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明において、新たに考慮したヘゲ発生のメカニズムを説明する図である。
【図2】本発明における水潤滑装置の例を示す図である。
【図3】本発明における水の流量と異物の付着状態との関係の例を示す図である。
【図4】水蒸気爆発のメカニズムを説明する図である。
【図5】本発明における停止冷却方法を説明する図である。
【図6】本発明において用いる鋼材の製造設備の例を示す図である。
【図7】本発明におけるヘゲ低減効果の例を示す図である。
【図8】本発明の実施例における不良率の低減効果を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ファイアライトスケール(液相)
2 ファイアライトスケール(固相)
3 鋼片の地鉄
4 搬送ロール
5 圧延ロール
6 鋼片
7 加熱炉
8 圧延機
10 停止冷却装置群
11 水潤滑装置
12 水
13 水蒸気
14 ノズル




 

 


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