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発明の名称 エレクトロスラグ溶接用当金
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−167928(P2007−167928A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−371793(P2005−371793)
出願日 平成17年12月26日(2005.12.26)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 真保 幸雄
要約 課題
溶接入熱を小さくしても開先の角隅に溶け残りなどの溶接欠陥が生じ難く、建築用ボックス柱の組み立て溶接に好適な、T型継手をエレクトロスラグ溶接する際に使用する鋼製の当金を提供する。

解決手段
断面形状が一部に圧延による凹部の切欠きを有する矩形で、前記凹部の断面形状は、少なくともダイヤフラム側の端部近傍がどの位置においても1mm以上の曲率半径を有する曲線で構成され、更にはスキンプレート側の端部近傍がどの位置においても1mm以上の曲率半径を有する曲線で構成され、または、ダイヤフラム側の端部近傍のどの位置においても1mm以上の曲率半径を有する曲線と、前記曲線と連結し、スキンプレートと90゜以上の角度で交差する直線で構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
スキンプレートとダイヤフラムをエレクトロスラグ溶接する際に用いる鋼製当金で、当該溶接において所望される断面形状の溶接金属部が得られるように凹部を設けておくことを特徴とするエレクトロスラグ溶接用当金。
【請求項2】
前記凹部の断面形状は、ダイヤフラムと接する位置からスキンプレートと接する位置までの、どの点においても1mm以上の曲率半径を有する曲線で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接用当金。
【請求項3】
前記凹部を構成する曲線が、その先端とスキンプレートが90゜以上の角度で接することを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロスラグ溶接用当金。
【請求項4】
前記凹部が圧延加工によるものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のエレクトロスラグ溶接用当金。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、T型継手をエレクトロスラグ溶接する際に使用する鋼製の当金に関し、特に溶接入熱を小さくしても開先の角隅に溶け残りなどの溶接欠陥が生じ難く、建築用ボックス柱の組み立て溶接に好適なものに関する。
【背景技術】
【0002】
立向自動溶接方法としてエレクトロスラグ溶接方法が広く使用されている。特に、ビルディング等の建築物に用いられる鋼ボックス柱のダイヤフラムめくら部の溶接に、簡易式のエレクトロスラグ溶接方法として消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接や、非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接(例えば特許文献1)が、一般に採用されている。
【0003】
これらの溶接法を用いた鋼ボックス柱のダイヤフラムめくら部の溶接においては当金として矩形断面のフラットバーと呼ばれる短冊状の圧延鋼材が適当な長さに切断されて用いられる。
【0004】
図4はエレクトロスラグ溶接におけるダイヤフラム100、当金300、スキンプレート200の配置の形態を模式的に示し、ダイヤフラム100は当金300でその左右を挟持され、スキンプレート200と矩形断面の開先400を有するT字型継手を構成する。
【0005】
図9は溶接後のT字型継手を示し、ダイヤフラム100と2つの当金300、スキンプレート200で囲まれた矩形断面の開先400で溶融スラグに通電することによりスラグを加熱し、スラグ中に溶接ワイヤを供給し溶融することで開先を溶接金属500で埋めてダイヤフラム100とスキンプレート200とを脚長L(スキンプレート側の溶け込み幅)で溶接する。
【特許文献1】特開昭57−156884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、建築物の超高層化に伴い、ボックス柱に、YP385以上等の高強度材が用いられるようになったが、一般的に溶接継手の靭性は高強度材ほど低下する傾向にあるため、大入熱溶接用鋼材の開発や溶接入熱の上限規制が必要とされるようになった。
【0007】
しかしながら、エレクトロスラグ溶接の場合、一般に500〜1000kJ/cmと極めて大きい入熱で溶接が行われ、溶接入熱が減少すると溶接部の溶け込みが少なくなるため、開先の角隅に未溶融部が生じやすくなる。
【0008】
また、スキンプレートとダイヤフラムの接合強度を確保するため溶接金属の脚長を一定以上確保する必要があるが、溶接入熱が少ないと溶け込みが少なくなるため、脚長を確保することも困難となる。
【0009】
すなわち、エレクトロスラグ溶接では、矩形断面の当金を用いるのでスラグの発熱で当金をかなり深く溶け込ませて開先の角隅を丸くして溶接金属を隅まで行き渡らせ、未溶融部が発生しないようにし、さらに脚長を確保するが、金属は熱伝導率が高いため、当金を溶融するには大きな熱量を必要とする。
【0010】
図10に小さい入熱で溶接した場合の溶接完了後のT字型継手を示す。溶接入熱が小さく、当金300の溶け込みが少ないため脚長Lは短く、十分な接合強度を確保することができない。また角隅に未溶融部6が発生することもある。
【0011】
そこで、本発明は、溶接入熱を減少させても未溶融部の発生がなく、脚長も確保でき、かつ安価に入手できるエレクトロスラグ溶接用の当金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の課題は以下の手段により達成可能である。
【0013】
1.スキンプレートとダイヤフラムをエレクトロスラグ溶接する際に用いる鋼製当金で、当該溶接において所望される断面形状の溶接金属部が得られるように凹部を設けておくことを特徴とするエレクトロスラグ溶接用当金。
2.前記凹部の断面形状は、ダイヤフラムと接する位置からスキンプレートと接する位置までの、どの点においても1mm以上の曲率半径を有する曲線で構成されていることを特徴とする1に記載のエレクトロスラグ溶接用当金。
3.前記凹部を構成する曲線が、その先端とスキンプレートが90゜以上の角度で接することを特徴とする1または2に記載のエレクトロスラグ溶接用当金。
4.前記凹部が圧延加工によるものであることを特徴とする1乃至3の何れか一つに記載のエレクトロスラグ溶接用当金。
【発明の効果】
【0014】
本発明は従来の平面形状が矩形当金で溶け込む部分を、初めからへこませておき、その部分はワイヤを溶融した溶接金属を充填するようにし、さらに当金の凹部の形状は溶融金属が行き渡りやすい形状とし、凹部の形成は当金の製造工程において圧延によって形成することとした。そのため、本発明によれば、以下の効果が得られ、産業上極めて有用である。
【0015】
1 小さい入熱条件においても溶け込み不足の発生がなく脚長を確保できる。
2 圧延により凹部を形成するため、機械加工などにより凹部を形成する場合と比べ、はるかに安価に当金を入手できる。
3 入熱の小さい溶接条件においてもエレクトロスラグ溶接が可能となることで溶接熱影響部の靱性の低下を防止でき、構造物の安全性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る当金を用いたエレクトロスラグ溶接用開先部の構成を説明する平面図、図2は溶接部を示す。
【0017】
これらの図において、1はダイヤフラム、2はスキンプレート、3は当金、4は開先、5は溶接金属(外縁部に溶接熱影響部を含む)、31は当金3に設けられた凹部、Lは脚長を示す。
【0018】
エレクトロスラグ溶接は、開先4を、ワイヤ(図では省略)を溶融した溶接金属で充填し、スキンプレート2とダイヤフラム1を溶接する。
【0019】
本発明の一実施例に係る当金3は、開先4側に凹部31の切欠きを有する矩形とする。当金3の断面形状において、凹部31は矩形の一辺がダイヤフラム1の開先側4の面とが接する位置を始点とし、スキンプレート2が接する辺にむけて、開先4の外側に膨らむ円弧状の曲線を圧延により形成する。
【0020】
凹部の形成は矩形当金(フラットバー)の圧延製造工程において行われるが、これには凹部に対応する凸部を有する1個または複数の圧延ロールを用い、凸部の形状を当金に転写することで凹部を形成する。
【0021】
凹部31はスキンプレート2が接する位置から、ダイヤフラム1と接する位置までのどの位置においても1mm以上の曲率半径を有する曲線で構成する。
【0022】
すなわち、凹部31は、ダイヤフラム1とスキンプレート2で構成するT字型継手をエレクトロスラグ溶接して得られる健全な溶接部において、当金3を矩形とした場合の溶け込み形状に相当する部分である。
【0023】
その結果、図2に示すように、予め、当金3に溶接金属の溶け込み形状に相当する凹部31が形成されているため、小さい溶接入熱で当金3を僅かに溶け込ますだけで脚長Lを長くすることができる。
【0024】
図3は、本発明の一実施例に係る当金3を用いた開先部の拡大図を示し、凹部31の形状はスラグおよび溶融状態の溶接金属が十分行き渡るように滑らかな曲線とし、曲線のどの位置においても曲率半径rが1mm以上となるようにすることが望ましい。
【0025】
曲率半径rが1mm未満と小さいと溶融スラグおよび溶融金属がその表面張力のため、凹部31に沿って入りこむことができず、未溶融部分が発生しやすくなる。
【0026】
また、当金3とスキンプレート2とが接する点Pでは、溶融金属が隅部まで回り込みにくいので、未溶融部が発生しやすい。点Pにおいて開先4側のスキンプレート2の面と凹部31をなす曲線のなす角αを90゜以上とすると溶融金属が十分に充填されるようになり、未溶融部の発生が防止されて好ましい。
【0027】
尚、本発明において当金3に設けられる凹部31は当金3の長手方向、すなわち溶接進行方向に同一形状で、ダイヤフラムを挟んで、左右対称の形状とする。
【実施例】
【0028】
図7に示す、ダイヤフラム1とダイヤフラム1の左右を挟持する当金3とスキンプレート2を組合わせたT字型継手を用いてエレクトロスラグ溶接を行った。図中Wはダイヤフラムの厚み、Dは開先の奥行き、Tはスキンプレートの厚みである。
【0029】
当金3として、図8に示す断面形状が矩形のものと図5,6に示す本発明に係る形状のものを用いた。
【0030】
図5に示す断面形状は、圧延により全体が凹状で、ダイヤフラムに接する端部近傍側にR=7mmの1/4円の一部からなる曲線と、さらに当該曲線に連続して、スキンプレートと直交する直線部分を有する形状である。直線部分は、90度以上で、スキンプレートと交差させると溶接欠陥がより発生しがたく好ましい。
【0031】
図6に示す断面形状は、圧延により全体が凹状で、ダイヤフラムに接する端部近傍側にR=7mmの1/4円の一部からなる曲線と、スキンプレートに接する端部近傍側にR=3の円の一部からなる曲線を有し、両端部近傍は直線で連結した形状であり、当金とスキンプレートは約132゜で交差する。
【0032】
これらの当金を用いて、T字型継手を形成し、表1に示す条件でエレクトロスラグ溶接を行った。溶接長は500mmとした。
【0033】
表1の条件1は従来の矩形形状の当金を用いたもので比較例である。表1の条件2、3は本願発明に係る当金を用いた例である。条件1,2,3とも当金が違うだけで、溶接条件は同じである。また、溶接条件としては通常よりも溶接入熱の少ない条件を選定した。
【0034】
表2に結果を示す。溶接結果は、溶接金属断面の形状から溶接部の脚長L、未溶融部の有無を判断し、脚長(L)>ダイヤフラム厚(W)で、未溶融部がないものを合格とした。
【0035】
表より、従来の矩形形状の当金を用いた場合には開先の角隅に未溶融部が発生し、また脚長もダイヤフラム厚みよりも短くなっており、不完全な溶接部であった。一方、本発明に係る当金を用いた場合には未溶融部は全く無く脚長も十分で、健全な溶接部が得られた。
【0036】
【表1】


【0037】
【表2】


【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施例に係る当金を用いたT字型継手の一例を示す平面図。
【図2】図1に示すT字型継手の溶接後の平面図。
【図3】図1に示すT字型継手の拡大図。
【図4】従来例。
【図5】本発明の一実施例に係る当金(平面図)。
【図6】本発明の他の実施例に係る当金(平面図)。
【図7】実施例に用いたT字型継手(平面図)。
【図8】従来例。
【図9】図4に示すT字型継手の溶接後の平面図。
【図10】図4に示すT字型継手での溶接部(溶け込み形状、溶接欠陥)を示す図。
【符号の説明】
【0039】
1 ダイヤフラム
2 スキンプレート
3 当金
4 開先
5 溶接金属(外縁部に溶接熱影響部を含む)
31 凹部
L 脚長
100 ダイヤフラム
200 スキンプレート
300 当金
400 開先




 

 


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