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発明の名称 トリム屑押さえ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−160412(P2007−160412A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−356181(P2005−356181)
出願日 平成17年12月9日(2005.12.9)
代理人 【識別番号】100099531
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英一
発明者 大谷 大介 / 友常 茂宏 / 桑田 博文
要約 課題
硬質材や厚物材のサイドトリミング時に、蛇行が生じた場合でもトリム屑がウエイト体の条溝から飛び出すことを防止でき、しかもトリミング材と非トリミング材との切替時に、使用位置と退避位置間のウエイト体の移動を、人力によらず行うことができるトリム屑押さえを提供する。

解決手段
連結部材を介して、押力発生手段の一側をサイドトリマー装置の剪断刃取付基台に固定した支持フレームに連結し、その反対側をウエイト体に連結して、ウエイト体の自重と押力発生手段が発生する力との和でトリム屑を上方から押さえることができるように構成してなるトリム屑押さえ。
特許請求の範囲
【請求項1】
上下一対の剪断用丸刃で剪断された直後のトリム屑をシュートに導くためのトリム屑押さえであって、下面に条溝を有するウエイト体と押力発生手段と連結部材とからなり、該連結部材を介して、前記押力発生手段の一側を前記サイドトリマー装置の剪断刃取付基台に固定した支持フレームに連結し、その反対側を前記ウエイト体に連結し、前記ウエイト体の自重と前記押力発生手段が発生する力との和で前記トリム屑を上方から押さえることができるように構成してなることを特徴とするトリム屑押さえ。
【請求項2】
前記押力発生手段がエアーシリンダとされてなることを特徴とする請求項1に記載のトリム屑押さえ。
【請求項3】
前記ウエイト体が使用位置と待機位置との間を前記上丸刃の外周に沿って移動可能に構成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のトリム屑押さえ。
【請求項4】
前記ウエイト体の前面が側面から見て円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトリム屑押さえ。
【請求項5】
前記ウエイト体の下面と、前記条溝のトリム屑入口部を切り欠いた切欠面とのなす角θが20〜40°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトリム屑押さえ。
【請求項6】
前記ウエイト体の質量が30kg以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトリム屑押さえ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下一対の剪断用丸刃で剪断された直後のトリム屑をシュートに導くためのトリム屑押さえに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼帯に限らず、アルミニウム、銅及びその合金などの金属帯の製造工程では、処理ラインに設置したサイドトリマー装置で金属帯の両耳部を剪断することが一般的に行われている。この種の装置には、上下一対の剪断用丸刃が金属帯幅方向の両サイドに配置され、剪断された直後のトリム屑をパスラインの下方に導くシュートがサイドトリマー装置の基台に配設されている。パスラインの下方に導かれたトリム屑は、その後、適当な処理を施されるようになっている。
【0003】
例えば、図8に示すようなシュート本体20にシュート上蓋21を組み合わせたものが金属帯のサイドトリマー装置に具備されていた。このシュート本体20は剪断刃取付基台24に固定され、シュート上蓋21が連結部22で回動可能に装置に連結されている。
このシュート上蓋21はそれ自体がウエイトとして作用し、トリム屑Tを下方に押さえ込み、シュート本体20内に案内する機能を有する。このため、シュート上蓋のことをウエイト体とも称する。また、このシュート上蓋21は、トリム屑詰まりがシュート本体20の導入部で発生した場合、シュート上蓋21が矢印23で示す方向に跳ね上がり、刃欠け等のトラブルを防止できるようになっている。
【0004】
最近、熱延鋼板の酸洗ラインに設置したサイドトリマー装置で硬質材及び厚物材のサイドトリミングを行うに際して、蛇行が発生した場合、トリム屑Tを押さえるウエイト体からトリム屑Tが飛び出してしまい、後続する設備に耳掛りが発生するという問題が発生することがあった。この熱延鋼板の酸洗ラインには、特許文献1に開示されているシュート上蓋31をウエイト体としたトリム屑押さえ装置(以下、単にトリム屑押さえという)が具備されている。
【0005】
この熱延鋼板の酸洗ラインに設置されたサイドトリマー装置のトリム屑押さえは、図9(a)、(b)に示すように、シュート上蓋31をリング体32にブラケット37を介して締結ボルトで取り付けてなる構造を有する。
【特許文献1】特開昭60−127915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の熱延鋼板の酸洗ラインに設置したサイドトリマー装置のトリム屑押さえからトリム屑が飛び出し、後続する装置に耳掛りが発生する原因について設備的な検討を行った。
このトリム屑押さえの構造について、図9(a)、(b)を用い、詳細に説明する。
前記リング体32は、剪断刃取付基台34にスピンドル(回転軸)1Aを外囲するリング状の保持体33を固定し、その回りに回動可能に配置されている。このリング体32にシュート上蓋31が取り付けられ、シュート上蓋31が上丸刃1と同心的に回動自在になっている。そこで、シュート上蓋31は、条溝のトリム屑入口部を金属帯の切断位置(トリム屑が形成される位置)に近接配置することがきる。
【0007】
また、シュート上蓋31の下面と下丸刃2との間隔aは、係止部材36の高さ調整を行った後、係止部材36とシュート上蓋31の当接部材35を当接させて決めることができる(図9(a)参照)。さらには、シュート上蓋31とトリム後の金属帯エッジとの間隔bは、ブラケット37に長孔38を設け(図9(b)参照)、ブラケット37にシュート上蓋31を締結ボルトで固定するときに調整するようになっている。このため、シュート上蓋31とトリム後の金属帯エッジとの接触を防止可能である。
【0008】
このようなトリム屑押さえの構造に、トリム屑飛び出しにつながる原因があるのかを検討した結果、シュート上蓋31の下面と下丸刃2との間隔a、及びシュート上蓋31とトリム後の金属帯エッジとの間隔bは精度内に管理されており、これが原因ではないこと、また、トリム屑押さえの各部分は定期点検結果で問題がないことがわかった。
そこでさらに、シュート上蓋31からトリム屑が飛び出す原因を追求したところ、硬質材や厚物材のサイドトリミングを行うに際して、金属帯に蛇行が発生した場合、シュート上蓋31でトリム屑を押える押力が不十分となることが判明した。
【0009】
すなわち、シュート上蓋31が軽すぎ、トリム屑からシュート上蓋31の下面に作用する力がシュート上蓋31の自重を上回り、リング状の保持体33の回りにシュート上蓋31が回動して、トリム屑がシュート上蓋31の条溝から飛び出すことが主因であることが分かった。
また、シュート上蓋31としては、図10に示す形状(特許文献1に示されているもの)が公知であるが、図11に示す形状ものが前記の熱延鋼板の酸洗ラインに設置したサイドトリマー装置に用いられていた。これもトリム屑がシュート上蓋31の条溝から飛び出す要因であると推定した。
【0010】
また、熱延鋼板の酸洗ラインに設置したサイドトリマー装置には、図9で説明した構造のトリム屑押さえが具備されているため、トリミング材から非トリミング材への切替時に、シュート上蓋31の使用位置から退避位置への移動を一対の剪断用丸刃の近くで作業員が人力で行うため、切替に時間がかかるという問題もあった。
本発明は、上記従来技術に鑑み、硬質材や厚物材のサイドトリミング時に、蛇行が生じた場合でもトリム屑がウエイト体の条溝から飛び出すことを防止でき、しかもトリミング材と非トリミング材との切替時に、ウエイト体の使用位置と退避位置間の移動を人力によらず、行うことができるトリム屑押さえを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意検討した結果、トリム屑を自重で押さえるウエイト体としての作用は残し、ウエイト体の形状と質量とを最適化すると共に、押力発生手段が発生する力でウエイト体を付勢することにより、前記課題を解決できるとの知見に基づき、本発明を成すに至った。
本発明は、以下のとおりである。
【0012】
1.上下一対の剪断用丸刃で剪断された直後のトリム屑をシュートに導くためのトリム屑押さえであって、下面に条溝を有するウエイト体と押力発生手段と連結部材とからなり、該連結部材を介して、前記押力発生手段の一側を前記サイドトリマー装置の剪断刃取付基台に固定した支持フレームに連結し、その反対側を前記ウエイト体に連結し、前記ウエイト体の自重と前記押力発生手段が発生する力との和で前記トリム屑を上方から押さえることができるように構成してなることを特徴とするトリム屑押さえ。
【0013】
2.前記押力発生手段がエアーシリンダとされてなることを特徴とする上記1.に記載のトリム屑押さえ。
3.前記ウエイト体が使用位置と待機位置との間を前記上丸刃の外周に沿って移動可能に構成されてなることを特徴とする上記1.又は2.に記載のトリム屑押さえ。
4.前記ウエイト体の前面が側面から見て円弧状に形成されていることを特徴とする上記1.〜3.のいずれかに記載のトリム屑押さえ。
【0014】
5.前記ウエイト体の下面と、前記条溝のトリム屑入口部を切り欠いた切欠面とのなす角θが20〜40°であることを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載のトリム屑押さえ。
6.前記ウエイト体の質量が30kg以上であることを特徴とする上記1.〜5.のいずれかに記載のトリム屑押さえ。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るトリム屑押さえによれば、ウエイト体の自重と押力発生手段が発生する力との和でトリム屑を上方から押さえることができるように構成したので、硬質材及び厚物材のサイドトリミング時に蛇行が発生し、トリム屑からウエイト体の下面に作用する押力がウエイト体の自重を超えた場合でも、その超えた分を上回る押力を押力発生手段が発生することで、押力発生手段によって付勢されたウエイト体により、トリム屑を下方に押し付けておくことができる。
【0016】
また、本発明によれば、連結部材を介して、押力発生手段の一側をサイドトリマー装置の剪断刃取付基台に固定した支持フレームに連結し、その反対側をウエイト体に連結した構造としたので、非トリミング材とトリミング材との切替時に、使用位置と退避位置の間のウエイト体の移動を人手によらず、押力発生手段で行うことができるから、切替時間を短縮できる。
【0017】
従って、本発明に係るトリム屑押さえを具備したサイドトリマー装置によれば、後続する装置に耳掛かりトラブルが発生する回数を少なくでき、トリミング能率の向上を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、押力発生手段としてエアーシリンダを用いた場合について図により説明する。
図1は、サイドトリマー装置に具備した実施の形態に係るトリム屑押さえの構成を示す概略側面図であり、図2は、サイドトリマー装置の出側から一側のトリム屑押さえを見た場合の概略正面図である。
このサイドトリマー装置には、上丸刃1と下丸刃2とからなる上下一対の剪断丸刃が金属帯幅方向両サイドに配置されているが、その一側について、図1、2に示した。ウエイト体3は、上下一対の剪断丸刃によって剪断された直後のトリム屑Tの上方に配置されている。トリム屑Tがウエイト体3の条溝を通して、シュート本体12に導入され、パスラインの下方に導かれる構造となっているのは、従来と同様である。
【0019】
図1中、シュート本体12は、その導入部が剪断刃取付基台10に固定されている。13は、シュート本体12を通過してきたトリム屑Tを切断するチョッパ装置を示し、また14は、細かく切断されたトリム屑Tを収納する屑バックを示す。また、実線で示す位置がウエイト体3の使用位置に相当し、2点鎖線で示す位置がその待機位置に相当する。このウエイト体3の使用位置で、サイドトリマー装置にトリミング材が通板され、金属帯Sのサイドトリミングが実行される。上下一対の剪断丸刃は、図1、2に示すサイドトリマー装置の剪断刃取付基台10に組み込まれている。
【0020】
なお、図3には、ウエイト体3の使用位置において、ウエイト体3を側面から見た場合の側面形状を示した。φは、ウエイト体3の使用位置において、ウエイト体3を側面から見た場合の垂直方向からのシリンダ軸芯の傾き角度である。
実施の形態に係るトリム屑押さえは、ウエイト体3と、エアーシリンダ4と、連結部材6、7とからなり、連結部材6を介してエアーシリンダ4の基部側が剪断刃取付基台10に固定した支持フレーム11と連結されている。一方、このエアーシリンダ4の基部と反対側は、エアーシリンダ4のロッド長を長くした状態で、連結部材7を介してシリンダロッド5の先端部とウエイト体3の押力伝達部材3Aとが連結されている。
【0021】
上記した押力伝達部材3Aは、図3に示すように、ウエイト体3の前面17(上丸刃1と対向する面)と反対側である背面に、金属帯搬送方向に向かって突設されている。一方、上記した支持フレーム11には、図1に示したように、エアーシリンダ4を吊り下げるための、金属帯搬送方向下流に向かって突き出した突出部分が設けられている。
ここで、エアーシリンダ4との連結に用いる連結部材6、7としては、例えば図4(a)、(b)に示すような、連結ピンを球面滑り軸受(球面ブッシュとも称す)で支持する構造のものがウェイト体3の使用位置と待機位置との間の移動を円滑に行ううえでも好適に使用できる。
【0022】
その場合には、エアーシリンダ4の基部側フランジと組み合わせて用いる取付フランジ6Bを、図4(a)に示したように連結部材6の連結ピンに係合させ、エアーシリンダ4の基部側フランジを取付フランジ6Bと連結するのが、支持フレーム11との連結が容易となるので好ましい。図4(a)中、6Aは、取付フランジ6Bに係合させた連結ピンの軸芯を示す。
【0023】
また、エアーシリンダ4の基部と反対側は、図4(b)に示したように、シリンダロッド5の先端側取付部材7Bを連結部材の連結ピンと係合させ、先端側取付部材7Bと押力伝達部材3Aの一側とを連結するのが、押力伝達部材3Aとの連結が容易となるので好ましい。図4(b)中、7Aは、シリンダロッド5の先端側部材と係合させた連結ピンの軸芯を示す。
【0024】
上記したエアーシリンダ4としては、サイドトリミング時に、ウエイト体の下面にトリム屑Tから作用する力がウエイト体3の自重を超えた場合に、その超えた分を上回る押力を発生することができるものを選定する。また、押力伝達部材3Aとしては、サイドトリミング時に、トリム屑Tからウエイト体の下面18に作用する押力がウエイト体3の自重を超えた場合に、その超えた分を上回る力をウエイト体3に伝達できる鋼材などの材料を適宜選定することができる。
【0025】
以上説明した実施の形態に係るトリム屑押さえによれば、ウエイト体3の下面18をトリム屑Tの上方に位置させ、ウエイト体3の条溝のトリム屑入口部を金属帯の切断位置に近接配置することがきる。この実施の形態に係るトリム屑押さえによれば、硬質材及び厚物材のサイドトリミング時に蛇行が発生し、ウエイト体3の下面にトリム屑Tから作用する力がウエイト体3の自重を超えた場合でも、その超えた分を上回る押力を押力発生手段で発生することができるため、押力発生手段の発生する押力で付勢されたウエイト体3によりトリム屑Tを下方に押し付けておくことができる。
【0026】
またさらに、前記した実施の形態に係るトリム屑押さえによれば、連結部材6、7を介して、エアーシリンダ4の一側をサイドトリマー装置の剪断刃取付基台10に固定した支持フレーム11に連結し、その反対側をウエイト体3に連結した構造としたので、非トリミング材とトリミング材との切替時に、使用位置と待機位置の間のウエイト体3の移動を人手によらず、エアーシリンダ4で行うことができる。
【0027】
なお、サイドトリミングが終了した後、サイドトリマー装置に非トリミング材を通板する場合には、エアーシリンダ4のロッド長を短くすることで、ウエイト体3を使用位置から待機位置に移動することができる。したがって、実施の形態に係るトリム屑押さえによれば、使用位置と待機位置間のウエイト体3の移動を人手で行う場合に比べ、非トリミング材とトリミング材との切替時間を短縮できる。
【0028】
以下には、金属帯のサイドトリマー装置に具備して好ましいトリム屑押さえについて、その理由と共に説明する。
・押力発生手段がエアーシリンダとされてなるトリム屑押さえ
その理由:サイドトリマー装置で450MPa以上の高張力鋼板などの硬質材及び板厚が3.2mm以上の厚物材のサイドトリミングを行うに際して、ウエイト体3の質量を30kgに増やした場合には、蛇行が発生したときでも、トリム屑を押さえ付けておくのに必要な押力発生手段の発生する押力はエアーシリンダ4で充分発生することができるためである。例えば、実施例で示す仕様のトリム屑押さえの場合には、エアーの最高使用圧力が1MPa以下のエアーシリンダ4で付勢されたウエイト体3でトリム屑を下方に押さえ付けておくことができる。
・ウエイト体3が使用位置と待機位置間を上丸刃1の外周に沿って移動可能に構成されてなるトリム屑押さえ
その理由:上丸刃1の外周に沿ってウエイト体3が移動できるように案内するための、ウエイト体3の移動ガイド構造が簡単になるからである。
【0029】
すなわち、ウエイト体3の移動ガイド構造としては、図2に示す上部係合部材8を剪断刃取付基台10のウエイト受台と係合させる構造とすることができる。このようなウエイト体3の移動ガイド構造を採用した場合、エアーシリンダ4のロッド長を短くすることによって、剪断刃取付基台10のウエイト受台と上部係合部材8とが係合しているため、上丸刃1の外周に沿ってウエイト体3を確実に安定して移動することができる。
・上丸刃1とウエイト体3の前面との間のギャップαが調整可能になっているトリム屑押さえ
その理由:ウエイト体3の高さ位置を調整するための係止ボルト9と、剪断刃取付基台10に固定した受け部材との接触によって、ギャップαが調整可能になっている場合には、ギャップαが容易に調整できる。
・ウエイト体3の側面と下丸刃2との間の金属帯幅方向ギャップβが調整可能になっているトリム屑押さえ
その理由:図2に示す上部係合部材8によって、調整可能になっている場合には、ギャップβが容易に調整できる。
・ウエイト体3の前面17が側面から見て半径Rの円弧で形成されているトリム屑押さえ
その理由:図3に示したように、半径Rの円弧で形成されてウエイト体3とした場合、ウエイト体3の条溝のトリム屑入口部を金属帯の切断位置(トリム屑が形成される位置)に一段と近づけて配置することができる。
・ウエイト体3の下面18と先端部切欠面19とのなす角θが20〜40°であるトリム屑押さえ
その理由:図1〜図3に示したトリム屑押さえとして、下面18と先端部切欠面19とのなす角θが20〜40°であるのウエイト体3を用い、トリミング実験を実施した結果、図5に示すような結果が得られたことによる。上記トリミング実験は、ウエイト体3の質量=30kg、ウエイト体3の前面17の半径R=280mm、ウエイト体3の下面18と先端部切欠面19とのなす角θ=25〜45°としたウエイト体3をエアーシリンダ4に連結し、エアーシリンダ4でウエイト体3を付勢した場合と、本発明適用前とを比較した。なお、本発明適用前は、先端部の切欠なし、質量=10kgとしてなるシュート上蓋31をリング体32にブラケット37を介して締結ボルトで取り付けた場合である(図9、及び図11参照)。
【0030】
このトリミング実験結果は、熱延鋼板の酸洗ラインに設置されているサイドトリマー装置で450MPa以上の高張力鋼板などの硬質材及び板厚が3.2mm以上の厚物材を含む鋼板のサイドトリミングを1ヶ月間行って得た。剪断丸刃の半径は300mmである。
図5に示す結果から、ウエイト体3の下面18と先端部切欠面19とのなす角θが20〜40°であるウエイト体3をエアーシリンダ4に連結し、エアーシリンダ4でウエイト体3を付勢した場合には、耳掛かり件数を1件以下とすることができている。これに対してθが20〜40°を外れた場合には、耳掛かり件数が1件を上回っている。
・ウエイト体3の質量が30kg以上であるトリム屑押さえ
その理由:ウエイト体3の質量を種々変更し、上記したトリミング実験と同様にその効果を確認した結果、図6に示すトリミング実験結果が得られたことによる。
【0031】
すなわち、質量が30kg以上であるウエイト体3をエアーシリンダ4に連結し、エアーシリンダ4でウエイト体3を付勢した場合には、トリム屑がウエイト体3の下面18の条溝から飛び出してしまうことがなく、耳掛かり件数を0件とすることができている。このウエイト体3の側面形状は、前面17の半径R=280mm、ウエイト体3の下面18と先端部切欠面19とのなす角θ=30°とした。
【0032】
以上の説明では、押力発生手段がエアーシリンダであるとしたが、本発明はこれに限定されず、ウエイト体の下面にトリム屑Tから作用する力がウエイト体3の自重を超えた場合に、その超えた分を上回る押力を発生することができるものとすればよい。
【実施例】
【0033】
剪断用丸刃の最大直径が600mmであるサイドトリマー装置に、図1〜3に示した本発明に係るトリム屑押さえを適用した。このサイドトリマー装置は、熱延鋼板の酸洗ラインに設置されているもので、450MPa以上の高張力鋼板などを含む板厚が4.5mmまでのトリミング材が通板される。ウェイト体3及びエアーシリンダ4と使用は下記のとおりとした。
ウエイト体3の仕様
・下面の幅=70mm
・前面17の半径R=280mm
・円弧部の高さ=242.5mm
・円弧部の下端から下面18の最下端までの高さ=87.5mm
・先端部切欠面19と下面18のなす角θ=30°
・通常の使用位置でのウエイト体3の下面18とパスラインとのなす角=20°
・ウエイト体3の質量=32kg(二組のウエイト体の質量の和)
ウエイト体3を付勢するエアーシリンダ4の仕様
・ストローク長:500mm
・最高使用圧力=0.97MPa
・最低使用圧力0.05MPa
・ウエイト体上限位置(図1中、2点鎖線で示すウエイト体3の待機位置)での実長=736mm(実長とは、連結部材6の連結ピンの軸芯6Aから連結部材7の連結ピンの軸芯7Aまでの距離をいう。)
・通常使用位置での実長=1144mm
・金属帯幅方向へのシリンダ最大変位角度=1.83°
その結果、本発明適用前では、図7に示すように耳掛かり発生件数が月平均3.7件であったが、本発明適用以降、月平均0.7件に低減した。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るトリム屑押さえの一例の構成を示す概略側面図である。
【図2】図1のトリム屑押さえを出側から見た概略正面図である。
【図3】図1のウエイト体の形状を示す概略側面図である。
【図4】本発明に係るトリム屑押さえに用いて好適な連結部材を示す断面図である。
【図5】本発明に係るトリム屑押さえに用いて好適なウエイト体の切欠面と下面のなす角θの範囲を示す特性図である。
【図6】本発明に用いて好適なウエイト体の質量範囲を示す特性図である。
【図7】本発明を熱延鋼板の酸洗ラインに設置したサイドトリマー装置に適用した場合の効果を示す特性図である。
【図8】従来の金属帯のサイドトリマー装置に具備したシュートの概略側面図である。
【図9】従来の金属帯のサイドトリマー装置に具備したシュートの概略図である。
【図10】特許文献1のサイドトリマー装置に具備されたシュート上蓋の先端部形状を示す概略側面図である。
【図11】本発明適用前のサイドトリマー装置に具備されていたシュート上蓋の先端部形状を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0035】
S 金属帯(鋼帯)
T トリム屑(耳屑)
1 上丸刃(剪断用丸刃)
2 下丸刃(剪断用丸刃)
3 ウエイト体
3A 押力伝達部材
4 エアーシリンダ
5 シリンダロッド
6、7 連結部材
6B 取付フランジ
7B 先端側取付部材
8 上部係合部材
9 係止ボルト
10 剪断刃取付基台
11 支持フレーム
12 シュート本体(シュート)
13 チョッパ装置
14 屑バック
15 上部係合部材取付部
16 係止ボルト取付部
17 前面
18 下面
19 先端部切欠面
20、30 シュート本体
21、31 シュート上蓋
22 連結部
23 跳ね上がり方向
32 リング体
33 保持体
24、34 剪断刃取付基台
35 当接部材
36 係止部材
37 ブラケット
38 長孔
α ウエイト体3の前面と上丸刃1との間のギャップ
β ウエイト体3の側面と下丸刃2との間の金属帯幅方向ギャップ
θ 切欠面と下面とのなす角
φ シリンダ軸芯の傾き角度
R 円弧の半径




 

 


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