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発明の名称 鋼管表面の溶接スパッター・スラグ残り除去装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−136462(P2007−136462A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−329594(P2005−329594)
出願日 平成17年11月15日(2005.11.15)
代理人 【識別番号】100099531
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英一
発明者 佐藤 利夫
要約 課題
溶接鋼管の溶接継ぎ目部の超音波探傷を行なうにあたって、溶接継ぎ目部に残留するスラグやスパッターの残渣を除去することによって、誤検出の発生頻度を減少させ、欠陥の検出精度を向上できる溶接スパッター・スラグ残り除去装置を提供する。

解決手段
溶接鋼管の溶接継ぎ目部の超音波探傷を行なう超音波探傷装置において、超音波探触子の上流側に配設されて刃先が溶接継ぎ目部に接触するスクレーパーおよび噴射ノズルを有する溶接スパッター・スラグ残り除去装置である。
特許請求の範囲
【請求項1】
溶接鋼管の溶接継ぎ目部の超音波探傷を行なう超音波探傷装置において、超音波探触子の上流側に配設されて刃先が前記溶接継ぎ目部に接触するスクレーパーを有することを特徴とする溶接スパッター・スラグ残り除去装置。
【請求項2】
前記スクレーパーによって前記溶接継ぎ目部から剥離された残渣を除去する気体を吹き付ける噴射ノズルを有することを特徴とする請求項1に記載の溶接スパッター・スラグ残り除去装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接鋼管の溶接継ぎ目部の超音波探傷を行なう超音波探傷装置において、探傷精度を高めるために溶接継ぎ目部に残留するスラグやスパッターの残渣を取り除くスクレーパーおよび噴射ノズルを有する溶接スパッター・スラグ残り除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼管の製造方法は、一般的に下記の (a),(b) に大別される。
(a) 円柱状の鋼製丸棒(いわゆるビレット)を穿孔する。
(b) 鋼板を円筒状に湾曲させ、鋼板の端部を溶接する。
上記の (a)の方法で製造された鋼管(以下、シームレス鋼管という)は、側面に継ぎ目が存在しないので、強度が均一に分布し、一般に信頼性が高いという利点がある。しかしシームレス鋼管は、高価で、かつ寸法的に制限(外径20インチ未満)されるという欠点を有する。そのためシームレス鋼管は、ボイラーや油井管等の限られた分野で使用される。
【0003】
上記の (b)の方法で製造された鋼管(以下、溶接鋼管という)は、鋼板の加工方法や溶接方法に応じて、電縫鋼管,スパイラル鋼管,UOE鋼管等に細分される。これらの溶接鋼管は、安価で、かつ寸法精度が優れているので、機械の部品,構造物の部材,各種流体が流通する配管等の様々な用途に広く使用されている。しかし溶接鋼管は、溶接による継ぎ目(以下、溶接継ぎ目部という)が側面に存在するので、その溶接継ぎ目部に欠陥があれば、機械や構造物の強度不足,配管内を流通する流体の漏出等の問題が生じる。
【0004】
そのため溶接鋼管の溶接継ぎ目部を検査して、欠陥の有無を判定する必要がある。その検査では、溶接継ぎ目部の外表面に露出した欠陥のみならず、内部に埋没している欠陥も検出しなければならない。そこで溶接鋼管の製造工程では、溶接継ぎ目部の超音波探傷が採用されている。
超音波探傷は、溶接鋼管の外表面に接触している超音波探触子から超音波を照射し、内部に埋没している欠陥によって反射した超音波を検知することによって、欠陥を検出する探傷技術である。溶接継ぎ目部の超音波探傷を行なう場合は、溶接継ぎ目部の近傍から超音波を照射する(特許文献1参照)。そして欠陥によって生じる反射波を超音波探傷装置が検知すれば、該当する溶接鋼管を再探傷して、欠陥の有無を精密に判定する。
【0005】
ところが溶接継ぎ目部には、溶接によって生じるスラグやスパッターが付着しており、超音波探触子から照射された超音波は、これらのスラグやスパッターの残渣によって反射される。スラグやスパッターの残渣によって生じる反射波を超音波探傷装置が検知すれば、該当する溶接鋼管の溶接継ぎ目部には欠陥が存在しないにも関わらず、欠陥を有する溶接鋼管と同様に再探傷を行なう。このような誤検出による再探傷は、超音波探傷の作業効率の低下を招く。
【特許文献1】特開昭54-108686 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような問題を解消し、溶接鋼管の溶接継ぎ目部の超音波探傷において、溶接継ぎ目部に残留するスラグやスパッターの残渣を除去することによって、誤検出の発生頻度を低減させ、欠陥の検出精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、ブラシを用いてスラグやスパッターの残渣を取り除く(以下、ブラシングという)技術を検討した。まず、合成樹脂の刷毛を有するブラシを用いてブラシングの実験を行なった。ところが合成樹脂の刷毛は軟らかすぎるので、スラグやスパッターの残渣を取り除くことはできなかった。しかも溶接した直後にブラシングを行なう場合には、溶接継ぎ目部が高温であるので、合成樹脂製の刷毛が溶解し、溶接継ぎ目部に付着するという問題が生じた。
【0008】
また、金属の刷毛を有するブラシを用いてブラシングの実験を行なった。ところが金属の種類によって刷毛が軟らかい場合には、スラグやスパッターの残渣を取り除くことはできなかった。一方、硬い刷毛を使用する場合は、溶接鋼管の外表面(すなわち溶接継ぎ目部およびその周辺)に多量の掻き傷が発生した。さらに、溶接継ぎ目部に遅れ割れが生じる惧れもある。
【0009】
次に、刃物(いわゆるスクレーパー)を用いて削り取る実験を行なった。その結果、刃物を用いて削り取ることによってスラグやスパッターの残渣を剥離させれば、上記のようなブラシングによる問題は発生しないので、支障なくスラグやスパッターの残渣を除去できることが分かった。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
【0010】
すなわち本発明は、溶接鋼管の溶接継ぎ目部の超音波探傷を行なう超音波探傷装置において、超音波探触子の上流側に配設されて刃先が溶接継ぎ目部に接触するスクレーパーおよび噴射ノズルを有する溶接スパッター・スラグ残り除去装置である。
本発明の溶接スパッター・スラグ残り除去装置は、スクレーパーによって溶接継ぎ目部から剥離された残渣を除去する気体を吹き付ける噴射ノズルを有することが好ましい。また、その気体は空気を使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、溶接鋼管の溶接継ぎ目部の超音波探傷を行なうにあたって、溶接継ぎ目部に残留するスラグやスパッターの残渣を除去することによって、誤検出の発生頻度を減少させ、欠陥の検出精度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の超音波探傷における溶接スパッター・スラグ残り除去装置の例を模式的に示す側面図である。図2は、図1中のA−A矢視の断面図である。図3は、本発明の好適な例として噴射ノズルをスクレーパーに配設した溶接継ぎ目部近傍を拡大して模式的に示す正面図である。なお、図1中の矢印aは溶接鋼管の進行方向を示し、図2中の矢印b,cは、架台が上下方向,水平方向に変位して超音波探傷装置の姿勢を制御するための移動方向を示す。
【0013】
図1において、溶接鋼管1は矢印aの方向へ進行する。ここでは便宜上、溶接鋼管1が移動して行く方向(すなわち図1の左側)を下流側と記し、溶接鋼管1が移動して来る方向(すなわち図1の右側)を上流側と記す。
図1に示す溶接鋼管1は円筒状に加工した鋼板の端部を溶接したものであり、図2に示すように溶接継ぎ目部7が形成されている。超音波探傷装置11の架台3には、図1に示すように、複数の超音波探触子2が配設される。これらの超音波探触子2は、図2に示すように、溶接継ぎ目部7の両側に1個ずつ対をなして配設される。図1には、架台3に5対(合計10個)の超音波探触子2を配設する例を示したが、本発明では超音波探触子2の数を5対に限定しない。超音波探触子2の数は、溶接鋼管1の寸法や搬送速度等の操業条件に応じて設定すれば良い。
【0014】
一般的な超音波探傷としては、図1に示すように、超音波探傷装置11の架台3の最上流側に継ぎ目検出装置4が配設されており、その継ぎ目検出装置4が溶接鋼管1の溶接継ぎ目部7を検出する。継ぎ目検出装置4が検出した検出値は演算装置8へ伝送される。演算装置8は、継ぎ目検出装置4から伝送された検出値に基づいて超音波探傷装置11の最適姿勢を演算する。
【0015】
図1に示す姿勢制御装置9は、演算装置8で演算された最適姿勢に基づいて超音波探傷装置11の姿勢を、図2中の矢印bおよびc方向の移動により制御する。その際、上下方向および水平方向(図2中の矢印b,c)の移動により位置制御される。
ここで、図1に示すように、架台3にはスクレーパー6が配設される。スクレーパー6の位置は、超音波探触子2の上流側とする。スクレーパー6の刃先12は、図2に示すように、溶接継ぎ目部7の外表面に接触する。
【0016】
つまり、図1に示すように、全ての超音波探触子2が溶接鋼管1の外表面に接触し、かつスクレーパー6の刃先12が溶接継ぎ目部7の外表面に接触した状態で、溶接鋼管1が矢印aの方向へ進行する。そのため、溶接継ぎ目部7に残留するスラグやスパッターの残渣は、スクレーパー6の刃先12で削り取られ、溶接継ぎ目部7から剥離する。次いで、超音波探触子2から超音波が照射され、溶接継ぎ目部7の超音波探傷が行なわれる。したがって、スラグやスパッターの残渣による超音波の反射は抑制され、欠陥の誤検出の発生頻度を低減できる。
【0017】
本発明の溶接スパッター・スラグ残り除去装置においては、スクレーパー6の刃先12で削り取られたスラグやスパッターの残渣を除去するために、図3に示すように、噴射ノズル10から気体13を吹き付けることが好ましい。気体13は、溶接鋼管1を腐食しない成分の気体であれば良く、空気を使用するのが経済的に最も好ましい。
【実施例】
【0018】
図1,2に示すようなスクレーパー6を有する溶接スパッター・スラグ残り除去装置を用いて溶接鋼管1の溶接継ぎ目部7の超音波探傷を行なった。溶接鋼管1の寸法は外径1016mm,厚さ17.5mmであり、搬送速度は15m/minとした。スクレーパー6は、Cを0.07質量%,Mnを 1.7質量%含有する鋼製のものを使用した。これを発明例1とする。
また、図3に示すように、超音波探傷装置11のスクレーパー6に噴射ノズル10を設置して溶接鋼管1の溶接継ぎ目部7の超音波探傷を行なった。その際には、噴射ノズル10から溶接継ぎ目部7に空気を吹き付けて、スクレーパー6によって削り取ったスラグやスパッターの残渣を除去した。その他の条件は発明例1と同一であるから説明を省略する。これを発明例2とする。
【0019】
一方、比較例として、スクレーパー6の代わりにワイヤーブラシを用いて、溶接継ぎ目部7に残留するスラグやスパッターの残渣を除去しながら、溶接鋼管1の溶接継ぎ目部7の超音波探傷を行なった。溶接鋼管1の寸法は外径1016mm,厚さ17.5mmであり、搬送速度は15m/min とした。
発明例1,2および比較例にて各々50本ずつ溶接鋼管1の超音波探傷を行ない、欠陥が検出された溶接鋼管1は再探傷を行なった。再探傷を行なった溶接鋼管1の本数をN1とする。そして再探傷によって再び欠陥が検出された溶接鋼管1の本数をN2とする。このようにN1とN2を定義すれば、誤検出が発生した溶接鋼管1の本数は、N1とN2の差(=N1−N2)で表わされる。
【0020】
このようにして、誤検出が発生した溶接鋼管1の本数を調査したところ、発明例1は1本,発明例2はゼロ,比較例は5本であった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の超音波探傷における溶接スパッター・スラグ残り除去装置の例を模式的に示す側面図である。
【図2】図1中のA−A矢視の断面図である。
【図3】本発明の溶接スパッター・スラグ残り除去装置の他の例として、噴射ノズルを配設した溶接継ぎ目部近傍を拡大して模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 溶接鋼管
2 超音波探触子
3 架台
4 継ぎ目検出装置
5 シリンダー
6 スクレーパー
7 溶接継ぎ目部
8 演算装置
9 姿勢制御装置
10 噴射ノズル
11 超音波探傷装置
12 刃先
13 気体





 

 


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