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発明の名称 偏芯偏肉を低減する高寸法精度管の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−118037(P2007−118037A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−313773(P2005−313773)
出願日 平成17年10月28日(2005.10.28)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 剣持 一仁 / 長濱 拓也 / 坂田 敬
要約 課題
偏芯偏肉が大きい管について、その偏芯偏肉を低減して、良好な寸法精度の管とすることができる高寸法精度管の製造方法を提供する。

解決手段
偏芯偏肉を有する管1を加工するに際し、管1の内部にプラグ3を装入してフローティングさせながら、ダイス2の入側の管押し込み機(キャタピラ式)4によってダイス2に管1を押し込んで加工する。
特許請求の範囲
【請求項1】
偏芯偏肉を有する管を加工するに際し、管の内部にプラグを装入してフローティングさせながら、ダイスに管を押し込んで加工することを特徴とする偏芯偏肉を低減する高寸法精度管の製造方法。
【請求項2】
ダイス入側で管の円周方向の肉厚分布を計測し、その計測結果に基づいて、肉厚の薄い部分に加える押し込み荷重が強くなるように、管円周方向断面に加える押し込み荷重に分布を持たせることを特徴とする請求項1に記載の偏芯偏肉を低減する高寸法精度管の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車駆動系部品などの高い寸法精度が要求される管について、偏芯偏肉を低減して製造する方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
金属管、例えば鋼管は、通常溶接管と継目無管に大別される。溶接管は、例えば電縫鋼管のように、帯板の幅を丸めて、概丸めた幅の両端を突き合わせて溶接する方法で製造し、一方、継目無管は、材料の塊を高温で穿孔後にマンドレルミル等で圧延する方法で製造する。
【0003】
溶接管の場合、溶接後に溶接部分の盛り上がりを研削して管の寸法精度を向上させているが、その板厚偏差は3.0%を超える。
【0004】
また、継目無管の場合、穿孔工程で偏芯しやすくて、その偏芯により大きな肉厚偏差(偏芯偏肉)が生じやすい。この肉厚偏差は後工程で低減させる努力が払われているが、それでも充分低減することができず、製品の段階で8.0%以上残存する。しかも、この肉厚偏差の大部分は、継目無管製造における鋼塊の穿孔工程で鋼塊の中心に孔を開けられないことが原因であった。
【0005】
これに対して、自動車部品等の管には、肉厚、内径、外径の各偏差として3.0%以下、さらに厳しくは1.0%以下の高寸法精度が要求される。
【0006】
従来、造管後の金属管の肉厚、内径、外径の精度を高める手段として、一般に、例えば特許文献1等に記載されるように、金属管(溶接管、継目無管とも)を造管後にダイスとプラグを用いて冷間で管を引き抜く製造方法(いわゆる冷牽法)がとられている。
【0007】
図2は、その冷牽法を示すものである。プラグ3を挿入してダイス2から管1をダイス3の出側の管引き抜き機5によって引き抜くものであり、管引き抜き機5によって加えられた引き抜き荷重によって加工バイト中には引張応力が発生する。
【特許文献1】特開平7−32030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、偏芯偏肉が大きい造管後の管1に対して、冷牽法のように、ダイス2の出側から管1を引き抜く方法では、管1の加えられる引き抜き荷重が管1の円周方向で一定であることから、肉厚の薄い部分は、断面積が小さいために引張応力が増加して肉厚はより薄くなり、肉厚の厚い部分は、断面積が厚いために引張応力が減少して肉厚は厚いままである。その結果、引き抜き後の菅1aの偏芯偏肉はさらに助長されて、製品として問題が多かった。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、偏芯偏肉が大きい管について、その偏芯偏肉を低減して、良好な寸法精度の管とすることができる高寸法精度管の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述のように、従来の冷牽法においては、ダイスとプラグを用いて管を引き抜いた場合、ダイス出側の管円周断面に引き抜き荷重が付与されると、管円周断面の単位面積当たりの引き抜き荷重(引張応力)は、肉厚の薄い部分が大きくなり、肉厚の厚い部分は小さいままで、その結果、肉厚の薄い部分は加工中により薄くなり、肉厚の厚い部分は厚いままであって、偏芯偏肉をますます助長していたわけである。
【0011】
そこで、本発明者らは、管円周断面に荷重が付与された場合、この荷重を活用して偏芯偏肉を低減する方法を鋭意検討し、その結果、本発明に至った。
【0012】
すなわち、ダイスとプラグを用いて管を製造する際に、ダイス入側の管円周断面に押し込み荷重を付与すると、管円周断面の単位面積当たりの押し込み荷重(圧縮応力)は、肉厚の薄い部分は大きくなって、肉厚の厚い部分は小さいままである。その結果、肉厚の薄い部分は加工中に肉厚が増加しやすくて、厚肉になりやすいため、偏芯偏肉を低減できるわけである。
【0013】
本発明者らは、さらに偏芯偏肉を低減する技術を検討した。その結果、肉厚の薄い部分にさらに大きな押し込み荷重を付与することによって、肉厚がさらに増加しやすくなり、偏芯偏肉が低減しやすいことを見出した。そこで、まず、ダイス入側の管の円周方向肉厚分布を計測して、管円周断面内で肉厚の薄い部分と厚い部分を明確にした。次に、肉厚の薄い部分により強い押し込み荷重を与えた。例えば、ダイス入側の管をダイスに押し込む場合、肉厚の薄い部分をつかんでそこに強い押し込み荷重を付与するとよいわけである。これによって、管円周断面内で肉厚の薄い部分は、ダイスとプラグの間に強く押し込まれて肉厚が増加し、一方、管円周断面内で肉厚の厚い部分は、押し込み荷重が小さくなって肉厚の増加が抑制される。こうして、ダイス出側の管は偏芯偏肉が一層低減されるわけである。
【0014】
上記の考えに基づいて、本発明は以上の特徴を有している。
【0015】
[1]偏芯偏肉を有する管を加工するに際し、管の内部にプラグを装入してフローティングさせながら、ダイスに管を押し込んで加工することを特徴とする偏芯偏肉を低減する高寸法精度管の製造方法。
【0016】
[2]ダイス入側で管の円周方向の肉厚分布を計測し、その計測結果に基づいて、肉厚の薄い部分に加える押し込み荷重が強くなるように、管円周方向断面に加える押し込み荷重に分布を持たせることを特徴とする前記[1]に記載の偏芯偏肉を低減する高寸法精度管の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、偏芯偏肉が大きい管について、その偏芯偏肉を低減して、高寸法精度の管とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1に示すように、この実施形態においては、偏芯偏肉を有する管1を加工するに際し、管1の内部にプラグ3を装入してフローティングさせながら、ダイス2の入側の管押し込み機(キャタピラ式)4によってダイス2に管1を押し込んで加工するようにしている。すなわち、押し抜き加工をするようにしている。
【0020】
このように、ダイス2入側の管1に押し込み荷重を付与すると、管1円周断面の単位面積当たりの押し込み荷重(圧縮応力)は、肉厚の薄い部分は大きくなり、肉厚の厚い部分は小さいままである。その結果、肉厚の薄い部分は加工中に肉厚が増加しやすくて、厚肉になりやすいため、偏芯偏肉を低減できる。
【0021】
さらに、ダイス2入側に肉厚計(超音波肉厚計等)を設置し、その肉厚計で管1の円周方向の肉厚分布を計測しつつ、その計測結果に基づいて、肉厚の薄い部分に加える押し込み荷重が強くなるように、管円周断面に加える押し込み荷重に分布を持たせるようにするのが好ましい。
【0022】
これによって、管1円周断面内で肉厚の薄い部分は、ダイス2とプラグ3の間に強く押し込まれて肉厚が増加し、一方、管1円周断面内で肉厚の厚い部分は、押し込み荷重が小さくなって肉厚の増加が抑制される。こうして、ダイス2出側の管は偏芯偏肉が一層低減できる。
【0023】
なお、肉厚の薄い部分に強い押し込み荷重を加えるには、管の後方からダイスに押し込む場合には、肉厚の薄い部分により強い力を加えるとよい。また、管の胴部をつかんで押し込む場合には、肉厚の薄い部分に対して管長手方向に強いせん断力を加えるとよい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例に基づいて説明する。
【0025】
本発明例1として、φ40mm×5.5mLの平均肉厚6.0mmtで偏芯偏肉0.3mmの鋼管について、鏡面のプラグと一体型固定ダイス(テーパ角度11度)を用いて、プラグをフローティングさせて鋼管内部に挿入し、ダイス入側へ約1mから約500mm手前までの鋼管をキャタピラ式の管押し込み機により均等な力でつかんで、縮径率10%で鋼管をダイス入側から押し込んで、ダイス出側の鋼管の平均肉厚を6.0mmtとする押し抜き加工を行った。
【0026】
また、本発明例2として、本発明例1と同様の条件のもとに、鋼管の円周方向の肉厚分布を超音波肉厚計で計測し、肉厚の薄い部分をつかむキャタピラの力について、押し込みの平均的な力の1.2倍に強くして、押し抜き加工を行った。
【0027】
これに対して、従来例として、φ40mm×5.5mLの平均肉厚6.0mmで偏芯偏肉0.3mmの鋼管を用いて、鏡面のプラグと一体型固定ダイス(テーパ角度11度)を用いて、プラグをフローティングさせて鋼管内部に挿入し、ダイス出側で鋼管先端をつかんで、縮径率10%で鋼管を引き抜いて、出側の鋼管の平均肉厚を6.0mmtとする引き抜き加工を行った。
【0028】
これらにより製造した鋼管の偏芯偏肉量について、結果を表1に示す。なお、偏芯偏肉量は、管の断面を画像解析装置で2値化して、外径円の中心と内径円の中心を解析し、その差を計算して求めた。
【0029】
【表1】


【0030】
表1より、従来例では、ダイス入側の管(加工前の管)よりも偏芯偏肉量が大きくなり寸法精度が低下したが、本発明例1および本発明例2の場合、ダイス入側の管(加工前の管)よりも偏芯偏肉量が低減して良好な寸法精度の鋼管を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態(押し抜き加工)の説明図である。
【図2】従来技術(引き抜き加工)の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 管
2 ダイス
3 プラグ
4 管押し込み機
5 管引き抜き機




 

 


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