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発明の名称 熱間圧延設備およびそれを用いた熱間圧延方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98468(P2007−98468A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−341323(P2005−341323)
出願日 平成17年11月28日(2005.11.28)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 奥野 昭博 / 平田 直人 / 池田 展也
要約 課題
冷却待ちを要する制御圧延材が含まれている場合でも、熱間圧延機の空き時間を低減して、圧延能率を向上させることができる熱間圧延設備とそれを用いた熱間圧延方法を提供する。

解決手段
第1のスラブAを可逆式熱間圧延機3にて粗圧延後、冷却装置4によって制御圧延可能な温度まで冷却すると同時に、この冷却中に第2のスラブBを可逆式熱間圧延機3にて粗圧延し、粗圧延後、保持装置2によって制御圧延可能な温度まで保持して冷却すると同時に、第1のスラブAを可逆式熱間圧延機3に逆送して仕上圧延を行い、さらに、第3のスラブCを可逆式熱間圧延機3に送って圧延し、圧延終了後、第2のスラブBを可逆式熱間圧延機3に送って仕上圧延を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
可逆式熱間圧延機の上流側に、圧延材を搬送テーブル上から後続の圧延材が通過できる場所に待機させるための待機装置を備え、可逆式熱間圧延機の下流側に、圧延材を冷却するための冷却装置を備えたことを特徴とする熱間圧延設備。
【請求項2】
請求項1に記載の熱間圧延設備を用いた熱間圧延方法であって、
第1のスラブを前記可逆式熱間圧延機にて所定板厚まで圧延後、前記冷却装置によって制御圧延可能な温度まで冷却すると同時に、この冷却中に第2のスラブを前記可逆式熱間圧延機にて所定板厚まで圧延し、圧延後、前記待機装置によって制御圧延可能な温度まで保持して冷却すると同時に、前記第1のスラブを前記可逆式熱間圧延機に逆送して仕上板厚に圧延を行い、さらに、第3のスラブを前記可逆式熱間圧延機に送って仕上板厚まで圧延し、圧延終了後、前記第2のスラブを前記可逆式熱間圧延機に送って仕上板厚まで圧延を行うことを特徴とする熱間圧延方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延設備およびそれを用いた熱間圧延方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、厚板圧延においては、圧延途中で制御圧延(Controlled Rolling;CR)を施すことにより、優れた材質の鋼材を造り込んでいる。
【0003】
その際に、制御圧延を行う時の温度(制御圧延開始温度)が低くかつ制御圧延を行う時の板厚(制御圧延開始板厚)が厚い場合には、圧延材が制御圧延開始温度になるまでにかなりの時間を要するため、熱間圧延(可逆式熱間圧延機)近傍の搬送テーブル上で制御圧延開始温度になるまで圧延材を待機させていた。その結果、その冷却待ちによって熱間圧延機に空き時間が発生し、圧延能率が阻害されるという問題が生じていた。
【0004】
このような冷却待ちによって熱間圧延機に空き時間が発生し圧延能率が阻害されるのを回避するために、例えば、特許文献1には、熱間圧延ラインの仕上圧延機入側において、搬送テーブル上の高温の圧延材を次の圧延材が通過できる高さに持ち上げて待機状態に保持する片持ちフォーク状のアームを有する昇降装置を備えた圧延材の待機装置が開示されている。
【特許文献1】特開平4−274814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1には、待機装置を用いて追い越し圧延を行うことができることが示唆されているが、冷却待ちを要する制御圧延材が含まれている場合に、どのように圧延を行えば、熱間圧延機の空き時間を低減して、圧延能率を向上させることができるかについては示されていない。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、冷却待ちを要する制御圧延材が含まれている場合でも、熱間圧延機の空き時間を低減して、圧延能率を向上させることができる熱間圧延設備とそれを用いた熱間圧延方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0008】
[1]可逆式熱間圧延機の上流側に、圧延材を搬送テーブル上から後続の圧延材が通過できる場所に待機させるための待機装置を備え、可逆式熱間圧延機の下流側に、圧延材を冷却するための冷却装置を備えたことを特徴とする熱間圧延設備。
【0009】
[2]前記[1]に記載の熱間圧延設備を用いた熱間圧延方法であって、
第1のスラブを前記可逆式熱間圧延機にて所定板厚まで圧延後、前記冷却装置によって制御圧延可能な温度まで冷却すると同時に、この冷却中に第2のスラブを前記可逆式熱間圧延機にて所定板厚まで圧延し、圧延後、前記待機装置によって制御圧延可能な温度まで保持して冷却すると同時に、前記第1のスラブを前記可逆式熱間圧延機に逆送して仕上板厚に圧延を行い、さらに、第3のスラブを前記可逆式熱間圧延機に送って仕上板厚まで圧延し、圧延終了後、前記第2のスラブを前記可逆式熱間圧延機に送って仕上板厚まで圧延を行うことを特徴とする熱間圧延方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、冷却待ちを要する制御圧延材が含まれている場合に、冷却装置による冷却と、待機装置を用いた追い越し圧延を適切に組み合わせることができるようにしているので、熱間圧延機の空き時間を低減して、圧延される圧延材本数を増加させることができ、圧延能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る熱間圧延設備のレイアウトと、その熱間圧延設備を用いた熱間圧延方法の手順を示す図である。図1において、1は加熱炉、2は待機装置としての保持装置、3は可逆式熱間圧延機、4は水冷装置である。
【0013】
ここで、保持装置2は、可逆式熱間圧延機3の上流側に設けられ、高温の圧延材を搬送テーブル上から後続の圧延材が通過できる高さに持ち上げて保持し、所定温度になるまで待機させるためのものである。また、水冷装置4は、可逆式熱間圧延機3の下流側に設けられ、高温の圧延材を所定の温度まで冷却するためのものである。
【0014】
なお、可逆式熱間圧延機3において制御圧延材を圧延する際に、スラブ厚から制御圧延開始板厚までの圧延を粗圧延と呼び、制御圧延開始板厚から仕上板厚(仕上圧延後の板厚)までの圧延を仕上圧延と呼ぶことにする。
【0015】
そして、これらの熱間圧延設備を利用して、2枚の制御圧延材(第1のスラブA、第2のスラブB)と1枚の通常圧延材(第3のスラブC)の圧延を行う場合には以下のような(1)〜(6)の手順で行う。ここで、制御圧延材は冷却待ちを要する鋼材の例として上げたものであり、通常圧延材は冷却待ちを要しない鋼材の例として上げたものである。
【0016】
(1)加熱炉1から抽出された第1のスラブAは、搬送テーブル上を搬送され、保持装置2をそのまま通過して可逆式熱間圧延機3へ送られる。そして、可逆式熱間圧延機3で粗圧延を行う。
【0017】
(2)続いて、可逆式熱間圧延機3での第1のスラブAの粗圧延の進行とほぼ同期して、第2のスラブBが加熱炉1から抽出されて、保持装置2をそのまま通過して第1のスラブAの粗圧延が終了する頃に可逆式熱間圧延機3に到着する。粗圧延が終了した第1のスラブAは水冷装置4に送られ、仕上圧延に適当な所定の温度域まで温度調整冷却される。この間第2のスラブBは可逆式熱間圧延機3で粗圧延される。
【0018】
(3)そして、第2のスラブBの粗圧延が終了すると、この第2のスラブBは保持装置2に送られ、搬送テーブル上から持ち上げられて、制御圧延可能な温度までの温度調整冷却が開始される。このとき、第1のスラブAは水冷装置4での温度調整冷却が終了し、逆送されて可逆式熱間圧延機3で仕上圧延される。
【0019】
(4)そして、第1のスラブAの仕上圧延が終了すると、第1のスラブAは水冷装置4をそのまま通過し、後の精整工程へ送られる。
【0020】
(5)続いて、第1のスラブAの仕上圧延が進行する中、第3のスラブCが加熱炉1から抽出され、保持装置2に持ち上げられている第2のスラブBを追い越して可逆式熱間圧延機3に送られる。第1のスラブAの仕上圧延が完了すると同時に第3のスラブCの圧延が開始され、第3のスラブCの圧延が終了すると、第3のスラブCは水冷装置4をそのまま通過し、後の精整工程へ送られる。
【0021】
(6)そして、第3のスラブCの圧延が終了すると、保持装置2に持ち上げられていた第2のスラブBを搬送テーブル上に戻し、第2のスラブBを可逆式熱間圧延機3に送って仕上板厚まで圧延を行う。第2のスラブBの仕上圧延が終了すると、第2のスラブBは水冷装置4をそのまま通過し、後の精整工程へ送られる。
【0022】
このように、この実施形態においては、冷却待ちを要する制御圧延材2枚と通常圧延材1枚の圧延を行うに際して、冷却装置4による冷却と、保持装置2を用いた追い越し圧延を適切に組み合わせているので、可逆式熱間圧延機3の空き時間をより低減して、圧延される圧延材の本数を増加させることができ、圧延能率を一層向上させることができる。
【0023】
なお、この実施形態においては、圧延材の待機装置として、圧延材を搬送テーブル上から後続の圧延材が通過できる高さに持ち上げて保持する保持装置を用いている。これは、そのような保持装置であれば、圧延材を搬送テーブル上から移動したり、圧延材を搬送テーブル上に戻したりするのが容易であるからであるが、本発明は、それに限定されることはなく、例えば、圧延材を搬送テーブル上から横方向に移動させて、後続の圧延材が通過できるようにする横移動式の待機装置を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱間圧延設備のレイアウトと、その熱間圧延設備を用いた熱間圧延方法の手順を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 加熱炉
2 保持装置
3 可逆式熱間圧延機
4 水冷装置




 

 


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