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排ガス処理方法 - JFEスチール株式会社
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発明の名称 排ガス処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−83222(P2007−83222A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2006−74087(P2006−74087)
出願日 平成18年3月17日(2006.3.17)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 加藤 真哉 / 檀上 賢一 / 桑原 明信
要約 課題
吸着材を循環利用して、吸着材で形成する充填層により焼結鉱を製造する際に発生する排ガス処理を行う際に、硫黄分の除去率を十分に向上させることを可能とする排ガス処理方法を提供すること。

解決手段
循環して移動する吸着材で形成された充填層に、焼結鉱を製造する際に発生する排ガスを通過させることで前記排ガス中の硫黄分を前記吸着材に吸着させて除去する排ガス処理方法において、前記吸着材の粒径を2mm以上として、前記硫黄分を吸着後の前記吸着材を加熱して再生処理する際の加熱温度を370℃以下とすることを特徴とする排ガス処理方法を用いる。充填層に排ガスを通過させる際の前記充填層の通気抵抗を2kPa以下とすることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
循環して移動する吸着材で形成された充填層に、焼結鉱を製造する際に発生する排ガスを通過させることで前記排ガス中の硫黄分を前記吸着材に吸着させて除去する排ガス処理方法において、前記吸着材の粒径を2mm以上として、前記硫黄分を吸着後の前記吸着材を加熱して再生処理する際の加熱温度を370℃以下とすることを特徴とする排ガス処理方法。
【請求項2】
充填層に排ガスを通過させる際の前記充填層の通気抵抗を2kPa以下とすることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結鉱を製造する際に発生する硫黄を含有する排ガスを処理するのための排ガス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のボイラー排ガス、ゴミ等の焼却炉排ガス、製鉄所の焼結機から発生する排ガス等、多くの排ガスには、ダスト、硫黄酸化物(SOX)、窒素酸化物(NOX)、重金属、ダイオキシン類等の有害物質が含まれている。これらの排ガスの処理方法として、粒状の炭素質吸着材を充填した充填層に排ガスを導入して、排ガスを吸着材と接触させることにより有害物質を除去し、使用した炭素質吸着材を加熱再生して循環使用する、充填層による吸着技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0003】
充填層による吸着技術では、活性炭または活性コークス等の炭素質吸着材を上方から下方へ移動させるように充填した移動床反応器等で充填層を形成し、排ガスが充填層を通過する際に充填層に有害物質を吸着させる。この方法では、例えば排ガス中のSOXは炭素質吸着材上に硫酸として吸着され、除去される。ダイオキシンについては、炭素質吸着剤に吸着される以外に、粒子状のものはダストとしても除去される。
【0004】
排ガスとの接触によって炭素質吸着材には硫酸等が次第に蓄積され、炭素質吸着材の脱硫活性、脱硝活性が時間と共に低下するので、炭素質吸着材を再生する必要がある。このような活性が一時的に低下した炭素質吸着材は、例えば移動床型の再生器の頂部に搬送され、供給バルブを通して再生器の内部に供給される。再生器の中で下部に移動する過程で加熱され再生される。
【0005】
この再生処理において、炭素質吸着材に吸着されていた硫酸等の分解によって多量のSO2、N2、CO2及びH2Oが発生する。このようにして加熱再生された炭素質吸着材は冷却され、再生器の底部より排出され、再び移動床反応器等の頂部へ供給されて、再利用される。
【0006】
上記のように炭素質吸着材の循環利用を行うと、吸着剤の一部が次第に粉化する。粉化した吸着剤は充填層での再利用が困難であり、粉化した吸着剤は再生後に、篩い分け等により分離除去する。同時に吸着されたダストも除去される。
【0007】
以上のようにして充填層による吸着技術を用いて排ガス処理を行えば、炭素質吸着材を繰り返し利用して効率的に排ガス処理を行うことができる。
【特許文献1】特開2003−53135号公報
【特許文献2】特開2000−233112号公報
【特許文献3】特開平8−131777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、製鉄原料である焼結鉱を製造する焼結機から発生する排ガスを、炭素質吸着材を循環利用して排ガス処理を行う際に、硫黄分であるSOXの除去率(脱硫率)が十分に向上しないという問題がある。例えば、設備のスペック上は80%の脱硫率が期待される場合でも、70%程度の脱硫率しか達成できない場合がある。処理された排ガスのSOX濃度が法定値を十分にクリアする場合であっても、硫黄分の除去率は高い程望ましいものである。
【0009】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、吸着材を循環利用して、吸着材で形成する充填層により焼結鉱を製造する際に発生する排ガス処理を行う際に、硫黄分の除去率を十分に向上させることを可能とする排ガス処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)循環して移動する吸着材で形成された充填層に、焼結鉱を製造する際に発生する排ガスを通過させることで前記排ガス中の硫黄分を前記吸着材に吸着させて除去する排ガス処理方法において、前記吸着材の粒径を2mm以上として、前記硫黄分を吸着後の前記吸着材を加熱して再生処理する際の加熱温度を370℃以下とすることを特徴とする排ガス処理方法。
(2)充填層に排ガスを通過させる際の前記充填層の通気抵抗を2kPa以下とすることを特徴とする(1)に記載の排ガス処理方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、排ガスの硫黄分の除去率が向上し、排ガス処理の効率も向上して、環境改善に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明者らは排ガス処理におけるSOXの除去率(脱硫率)の向上について検討した。そして、硫黄分等を吸着後の吸着材を再生処理する際の加熱温度(再生温度)に着目した。
【0013】
排ガス処理設備の操業条件を変化させて、稼働率を上げる場合、吸着材の循環量が増加して、結果として再生温度が低下する場合がある。例えば、吸着材の循環量が7t/hで操業していた設備の稼働率を上げて、循環量を10t/hとした場合、再生温度が350℃から300℃まで低下してしまうと、脱硫率が10%程度低下する。
【0014】
このような再生温度の低下の発生を防止するためには、吸着材の再生を行なう再生塔が十分な加熱能力を有すればよいことになる。したがって、加熱能力が十分でない場合には、加熱設備の能力の増強が必要である。例えば熱風炉を用いて加熱を行なう場合、熱風炉に送るガスの流量が十分であることが重要である。十分でない場合は、圧力損失が発生している配管部分を特定して、圧力損失を緩和するだけでも加熱能力の増強に効果がある。例えば、流量弁を介してガスを熱風炉に送る場合、流量弁を交換して、ガス流量を増加させることで、設備の大規模な改造を行なうことなく、加熱能力を増強することが可能である。流量弁の調整以外に、熱風炉のバーナー口の開口部の径を大きくして、バーナー詰まりが発生し難い状態とすることでも、設備の大規模な改造を行なうことなく、加熱能力を増強することが可能である。流量弁の調整だけでは不十分な場合であっても、バーナー口の調整を併せて行なうことで、熱風炉の加熱能力を十分に増強することができる場合がある。
【0015】
以上のように、脱硫率を向上させるためには、排ガス処理システムが排ガスの処理量に応じた加熱能力を有する設備を保持し、再生温度を高く保つことが重要である。しかし、一方では、再生温度が高くなりすぎると、再生時に発生したガスを回収して洗浄する洗浄系配管内で硫黄が析出して配管内壁に付着し、詰まりが発生するため、再生温度には上限値がある。この上限温度は再生時に発生したガスを回収して洗浄する洗浄水に白濁が発生する再生温度として確認でき、従来は再生温度の上限は350℃程度とされていた。したがって、より脱硫率を向上させるためには、再生温度を高くしても硫黄の析出が発生しないことが重要である。このためには吸着材として活性炭や活性コークス等の炭素質吸着材を用い、吸着材の粒径を粗粒化することが効果的である。硫黄分の析出には排ガス中のダストに含まれるKの存在が関係しており、微粉のKは微粉の吸着材に多量に担持される傾向がある。本来、活性コークスに吸着されたSO2はH2SO4として胆持されるが、焼結ダスト中に含まれるKClの触媒作用で、H2Sとして胆持され、洗浄系内でSO2と反応して単体硫黄として析出する。例えば、炭素質吸着材の粒径が2mm未満の場合には、2mm以上の粒径を有する場合よりも、Kの担持量が3〜4倍多くなる。したがって、粒径が2mm未満の炭素質吸着材を除去することで、触媒物質であるKの大部分を除去して、単体硫黄の発生を抑制し再生温度の上限値を高めることが可能となる。したがって、例えば、粗粒の吸着材として粒径が2mm以上のものを用いて、再生温度を高めることで、脱硫率を向上させることが可能である。
【0016】
本発明者等が検討を重ねた結果、粒径2mm以上の粗粒の炭素質吸着材を用いることで再生温度の上限値を高めることが可能であり、炭素質吸着材として活性コークスを用い、再生後に粒径が3mm未満の活性コークスを除去して充填層として循環利用する場合は、再生温度を370℃まで上昇させることができることが分かった。したがって、吸着材の粒径は2mm以上の粗粒とし、好ましくは3mm以上とする。
【0017】
吸着材から細粒を除去するためには、振動篩い等の、篩いを用いることが好ましい。篩い分け処理により吸着材から細粒を除去し、篩い上を粗粒の吸着材とすることができる。
【0018】
焼結鉱を製造する焼結機から発生する排ガスの処理に用いる吸着材としては、炭素質吸着材を用いることが一般的である。そこで以下は、炭素質吸着材を用いた場合について本発明の排ガス処理方法を説明する。炭素質吸着材としては、活性炭または活性コークス等があるが、活性コークスを用いることが特に好ましい。
【0019】
以下、本発明の排ガス処理方法を具体的に説明する。
【0020】
図1に本発明の排ガス処理方法を用いる排ガス処理装置の一実施形態の概略図を示す。図1において、1は有害物質除去用の炭素質吸着材を充填した移動層式の吸着塔、2は有害物質の除去性能が低下した吸着材を再生処理する再生装置である再生塔、3は吸着塔から再生装置へ有害物質の除去能力が低下した吸着材を送る輸送手段、4は再生した吸着材を再生塔から吸着塔へ送る輸送手段である。また、5は炭素質吸着材のホッパ、6は炭素質吸着材の貯蔵槽、7はブースタ、8は煙突、9は振動篩い、10は細粒炭素質吸着材用ホッパである。
【0021】
焼結機から発生した排ガスAは、ブースタ7により吸引されて電気集塵機により主なダストを除去した後に、吸着塔1に導入される。吸着塔1内には炭素質吸着材が充填されて充填層を形成しており、吸着塔上部1aから炭素質吸着材を装入して、下部1bから切り出すことで、吸着塔1内に吸着塔上部1aから下部1bへの吸着材の移動床を形成する。炭素質吸着材としては、活性コークスを用いている。図1に示すように、この充填層に対して水平方向に排ガスを通過させることで、排ガスと炭素質吸着材とを接触させて、排ガス中のダストやSOx等の有害物質(NOx、ダイオキシン、ダスト等)を炭素質吸着材に吸着させる。
【0022】
吸着塔1から切り出された炭素質吸着材は、吸着塔から輸送手段3により再生装置である再生塔2に送られて熱風炉で発生させた熱風を用いて加熱され、冷却後に振動篩い9を用いて所定の粒度以下の細粒を除去して、十分に活性を有する状態に再生された粗粒のみが、輸送手段4により再生塔2から吸着塔1へ送られて、再び吸収塔1に装入される。振動篩い9で所定の粒径以下の炭素質吸着材を細粒として除去するのと同時に、ダストも除去される。炭素質吸着材の不足分は、炭素質吸着材ホッパ5および炭素質吸着材貯蔵槽6より補充される。
【0023】
以上のように、振動篩いを用いて吸着材のうち細粒を除去することで、再生温度を従来より高くしても再生時に発生したガスを回収して洗浄する洗浄系配管内での硫黄が析出することなく、配管の詰まりが発生しない。したがって再生温度を高めて、脱硫率を向上させることができる。
【0024】
炭素質吸着材として活性コークスを用いた場合、従来の再生温度の上限は350℃であり、それ以上に温度を上げると硫黄の析出により排ガスの洗浄水に白濁が発生していた。本発明方法を用いて、上記のようにして粒径3mm未満の細粒を除去した場合は、図2に示すように再生塔2における再生温度を変化させたところ、370℃でも再生塔で発生したガスの洗浄水は透明であった。再生温度を380℃とした場合は洗浄水が白濁し、硫黄の析出が認められた。
【0025】
図3は、炭素質吸着材として活性コークスを用いた場合に粒径3mm未満の細粒を除去した場合の、充填層(吸着塔)の通気抵抗と脱硫率の関係が、再生温度で変化する様子を示すグラフである。充填層の通気抵抗とは、充填層を排ガスが通過する際の、排ガス入り側と出側の差圧である。再生温度が350℃以上の場合を丸で、340℃以下の場合を三角で示す。また、再生温度340、360、370℃の場合の傾向を点線で示す。図3によれば、充填層の通気抵抗がある程度変動しても70%以上の脱硫率を確実に達成するためには、再生温度を350℃以上とすることが適当であり、再生温度が高いほど脱硫率が高いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】排ガス処理装置の一例の概略図。
【図2】再生塔における再生温度の変化を示すグラフ。
【図3】充填層の通気抵抗と脱硫率の関係が、再生温度で変化する様子を示すグラフ。
【符号の説明】
【0027】
1 吸着塔
1a 吸着塔上部
1b 吸着塔下部
2 再生塔
3 吸着塔から再生装置への輸送手段
4 再生塔から吸着塔への輸送手段
5 炭素質吸着材のホッパ
6 炭素質吸着材の貯蔵槽
7 ブースタ
8 煙突
9 振動篩い
10 細粒炭素質吸着材用ホッパ
A 排ガス




 

 


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