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発明の名称 有機樹脂フィルムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−44998(P2007−44998A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−231904(P2005−231904)
出願日 平成17年8月10日(2005.8.10)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 安江 良彦 / 大島 安秀 / 岩佐 浩樹 / 久保 啓 / 森川 容任
要約 課題
200mpm以上の高い生産速度でも安定して薄膜化の図れる有機樹脂フィルムの製造方法を提供する。

解決手段
押出し機を経てTダイより溶融した熱可塑性樹脂を金属基板上に押出し、有機樹脂フィルムを製造する方法において、前記金属基板の少なくとも片面側に1本もしくは2本以上の圧下ロールを設け、前記圧下ロールにより前記金属基板上に押出された溶融樹脂を押圧して所定の樹脂厚みに制御した後、前記所定の厚みに制御された溶融樹脂を冷却・固化してフィルムとし、前記フィルムを前記金属基板から剥離することを特徴とする有機樹脂フィルムの製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
押出し機を経てTダイより溶融した熱可塑性樹脂を金属基板上に押出し、有機樹脂フィルムを製造する方法において、前記金属基板の少なくとも片面側に1本もしくは2本以上の圧下ロールを設け、前記圧下ロールにより前記金属基板上に押出された溶融樹脂を押圧して所定の樹脂厚みに制御した後、前記所定の厚みに制御された溶融樹脂を冷却・固化してフィルムとし、前記フィルムを前記金属基板から剥離することを特徴とする有機樹脂フィルムの製造方法。
【請求項2】
金属基板表面および/または圧下ロール表面の表面自由エネルギーを40mN/m以下にすることを特徴とする請求項1に記載の有機樹脂フィルムの製造方法。
【請求項3】
金属基板の少なくとも片面の表層および/または圧下ロールのロール表層に有機樹脂またはカーボン化合物を含有させることを特徴とする請求項2に記載の有機樹脂フィルムの製造方法。
【請求項4】
圧下ロールの表面温度を溶融樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機樹脂フィルムの製造方法。
【請求項5】
金属基板の両面側に1本もしくは2本以上の圧下ロールを設け、前記金属基板の両面に異なる組成の溶融樹脂を押出し、同時に2種の有機樹脂フィルムを製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機樹脂フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融樹脂から有機樹脂フィルムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あらゆる産業分野で取り組まれている環境問題への対応から、ラミネート技術の利用が注目されている。なかでも、自動車、建材、容器等の多くの分野で使用されている塗装金属板に対しては、その塗装工程で使用される塗料や有機溶剤等による作業環境や周辺環境の悪化や、その焼付け工程で排出される大量のCO2の問題があるため、ラミネート金属板の適用が検討されており、特に、食缶や飲料缶などの容器分野ではラミネート金属板が一部実用化されている。このラミネート金属板は、ブリキ、ティンフリースチールおよびアルミニウム板などの金属板上に熱可塑性樹脂層が被覆されたもので、通常は、予め加工された熱可塑性樹脂フィルムを金属板上に熱圧着する方法で製造される。
【0003】
こうしたラミネート金属板用の有機樹脂フィルムを製造する方法には、主としてキャスティング法(溶液流延法)、カレンダー法およびエキストルージョン法(溶融押出法)があり、その他、蒸着法や切削法等の特殊な方法もある。
【0004】
キャスティング法は、フレーク状の樹脂原料を各種の有機溶剤または水に溶解し、それに可塑剤等を加えて水あめ状の粘稠なドープとし、不純物や気泡を除去後、回転中の平坦な金属支持体上に流延して薄いフィルムとする方法である。この方法で製造されるフィルムは、厚みの均一性、平面性、透明性、光沢性等に優れているが、一般に有機溶剤が使用されるのでその回収が必要となり、製造設備が高価である。また、この方法は、原料である有機樹脂の融点と分解温度が近い場合や融点が高い場合等、エキストルージョン法が困難な場合に適用される。
【0005】
カレンダー法は、2本以上のロール間で有機樹脂を圧延して、フィルムとする方法である。カレンダー法は、軟質塩化ビニルフィルム製造目的に使用されているものが大半で、フィルム着色やエンボス加工等の表面加工も容易であるが、製造されるフィルムの厚さが20μm以上と厚く、また、製造設備費が他の製造法に比べて高額となる。
【0006】
エキストルージョン法には、樹脂フィルムの原料である有機樹脂を加熱溶融し、溶融樹脂をTダイから押出して平坦なフィルムに成形する方法(以後、単にTダイ法と呼ぶ。)と、円形ダイから溶融樹脂を押出すとともに圧搾空気を吹き込んでチューブ状のフィルムを製造するインフレーション法とがある。Tダイ法は、高温押出し、急冷により生産速度が大きいことと、急冷されるため透明性の高いフィルムが得られることに特徴があり、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、フッ素樹脂フィルムや最近の耐熱エンジニアリング樹脂フィルム等で広く使用され、インフレーション法に比べて厚みの制御も容易である。
【0007】
一方、インフレーション法は、比較的簡易な設備ででき、低コストで、しかも品質的にも向上してきているので多くの種類の樹脂フィルムに適用されている。インフレーション法では、押出し機はTダイ法と同じ原理のものであるが、インフレーションダイが使用され、ダイスより出てきたチューブ状の溶融樹脂が空気圧で膨張し、空冷により固化してフィルムとなる。なお、インフレーション法では急冷が困難なために、Tダイ法に比べて、フィルムの光学的性質が劣る。
【0008】
上述のように、Tダイ法は、生産速度が大きい、透明性の高いフィルムが得られる、厚みの制御が容易であるなど、インフレーション法にない優れた特長を持ち、多くの有機樹脂フィルムの製造に用いられている。しかし、ポリステル系樹脂等の熱可塑性樹脂をTダイから押出す場合、溶融樹脂の幅減少(ネックイン)が大きく、幅両端の数10cmが無駄になる。また、生産速度を上げると、溶融樹脂が強く引張られ破断するため、さらなる高速化には限界がある。そこで、このようなネックインを防止するため、三官能以上の多塩基酸または多価アルコール成分を共重合させたポリエステル樹脂を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2)。また、ポリエステル系樹脂の両端部にオレフィン系樹脂を合流させて押出した溶融樹脂を冷却・固化後、樹脂フィルム両端部のオレフィン樹脂を切断除去してポリエステル系樹脂フィルムを製造する方法も提案されている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開平10-86308号公報
【特許文献2】特開2000-71388号公報
【特許文献3】特開2003-311883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の方法では、三官能以上の多塩基酸または多価アルコール成分を共重合させたポリエステル樹脂が押出し機からTダイに至る溶融工程で熱劣化しやすい、熱安定化剤を併用しも得られた樹脂フィルムに異物が発生しやすく製缶時に異物を起点として亀裂が入るなど問題があり、製缶用の樹脂フィルムとしては十分なものが得られない。また、特許文献3に記載の方法では、オレフィン樹脂を最終的に切断除去する必要があるため、原料樹脂の無駄が発生する。
【0010】
また、一般的に、ラミネート用の有機樹脂フィルムの厚みは、塗装金属板の樹脂層の厚みに比較するとかなり厚い。今後は、コスト低減および高機能化のため、薄膜化のニーズが高まるものと考えられる。しかし、Tダイ法により有機樹脂フィルムを製造する場合は、フィルムが薄膜化するとさらに破断が起こりやすくなるため、より低い生産速度で操業しなければならない。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、200mpm以上の高い生産速度でも安定して薄膜化の図れる有機樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、ポリエステル系樹脂のように溶融状態での強度が小さく、ネックインや破断の起きやすい熱可塑性樹脂を用い、200mpm以上の高い生産速度で5~10μm程度の薄い樹脂フィルムが製造可能なTダイ法について検討したところ、溶融樹脂を1本もしくは2本以上の圧下ロールで押圧して厚みを制御することが有効であることを見出した。
【0013】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、押出し機を経てTダイより溶融した熱可塑性樹脂を金属基板上に押出し、有機樹脂フィルムを製造する方法において、前記金属基板の少なくとも片面側に1本もしくは2本以上の圧下ロールを設け、前記圧下ロールにより前記金属基板上に押出された溶融樹脂を押圧して所定の樹脂厚みに制御した後、前記所定の厚みに制御された溶融樹脂を冷却・固化してフィルムとし、前記フィルムを前記金属基板から剥離することを特徴とする有機樹脂フィルムの製造方法を提供する。
【0014】
金属基板および/または圧下ロールの表層に有機樹脂またはカーボン化合物を含有させて、金属基板表面および/または圧下ロール表面の表面自由エネルギーを40mN/m以下にすることが有効である。
【0015】
圧下ロールの表面温度を溶融樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に制御することがより好ましい。
【0016】
本発明の方法では、金属基板の両面側に1本もしくは2本以上の圧下ロールを設け、前記金属基板の両面に異なる組成の溶融樹脂を押出し、同時に2種の有機樹脂フィルムを製造することも可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂を用いて、200mpm以上の高い生産速度で5~10μm程度の薄い有機樹脂フィルムをネックインや破断を起こすことなく低コストで製造できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上述したように、従来のTダイ法によって、熱可塑性樹脂、特に溶融粘度や溶融状態での強度が小さい樹脂、例えばポリエステル系樹脂を押出した場合、樹脂の破断やネックインが起きやすくなる。また、従来のTダイ法では、溶融樹脂を冷却ロールで引張り、ロールに触れるまでに空中で冷却し、ロールに触れるとともに固化させてフィルムとするため、樹脂は引張られた方向と垂直の方向、すなわち幅方向に縮むので、さらに高い生産速度で樹脂フィルムの薄膜化を図ろうとすると、引張りの度合いが強くなり、樹脂はより一層幅方向に縮む。そのため、Tダイ法によって、高い生産速度でポリエステル系樹脂フィルムの薄膜化を図ろうとすると、破断やネックインがより一層起こりやすくなる。
【0019】
そこで、本発明者らは、Tダイ法において溶融樹脂に強い引張応力をかけずに樹脂フィルムの薄膜化を図る方法を検討の結果、溶融樹脂を圧下ロールで押圧して薄膜化する方法が効果的であることを見出した。この方法では、溶融状態あるいは流動状態の有機樹脂を圧下ロールで金属基板に押圧し薄膜化しているので、ネックインは起こらず、また樹脂の粘性を下げても破断が起こることはない。例えば、一対の圧下ロール間に金属基板を通し、圧下ロールと金属基板との隙間に溶融した樹脂を供給すれば、樹脂は押圧されながら薄膜化し、金属基板上に薄い樹脂フィルムが形成されることになる。
【0020】
また、有機樹脂フィルムの厚みは圧下ロールの押圧力により制御されるため、溶融樹脂が圧下ロールと金属基板とのニップ部に到達する地点で所定の厚みにある必要はない。したがって、従来のように溶融樹脂をTダイ出口からニップ部までの間で引張って厚みを調整する必要がないので、溶融樹脂の破断やネックインは発生せず、高い生産速度で有機樹脂フィルムの薄膜化が図れることになる。
【0021】
有機樹脂フィルムの厚みは、圧下ロールと金属基板間のギャップをすり抜ける溶融樹脂の流量により定まる。圧下ロールと金属基板間のギャップには、溶融樹脂が圧下ロールと金属基板間の狭い流路をすり抜ける際に発生する力が加わるため、ある厚みにするには、圧下ロールと金属基板間に所要の圧力をかけなければならない。圧下ロールと金属基板間に発生する力は、金属基板のライン速度、溶融樹脂の粘度、圧下ロールの押圧力により決定される。溶融樹脂の粘度は温度に依存するため、金属基板および圧下ロールの温度を調整して溶融樹脂を一定の粘度に保持すれば、一定のライン速度のもとでは厚みは圧下ロールの押圧力にのみ依存することになる。
【0022】
有機樹脂フィルムの厚みの幅方向分布は、圧下ロールの幅方向の押圧力の分布に左右され、Tダイから押出される溶融樹脂の幅方向の流量分布には依存しない。したがって、圧下ロールと金属基板のニップ部上流側に溶融樹脂の溜りは目標とする厚み以上にしておけばよい。また、金属基板の幅方向に均一な厚みの樹脂フィルムを形成させるために、押圧することによるロールの撓みやサーマルクラウンを考慮し、予め圧下ロールに所定のクラウンを与えてもよい。さらに、圧下ロールにバックアップロールを設けてロールの撓みを防止してもよい。
【0023】
溶融樹脂が圧下ロールと金属基板間で押圧される際に、樹脂がロールに付着・堆積すると、付着した樹脂により樹脂フィルムに欠陥が発生したり、樹脂フィルムの厚みが不均一になる。これらの現象を防ぐには、圧下ロール表面の表面自由エネルギーを40mN/m以下、好ましくは30mN/m以下にすることが効果的である。それには、圧下ロールの表層に、表面自由エネルギーが小さく、非粘着性で樹脂の離型性の高い材料、例えばPTFE等の有機樹脂またはカーボン化合物を含有させた層を設ければよい。同様に、金属基板の表面も、溶融樹脂が冷却されてフィルムになった後に、損傷を与えることなく金属基板から容易に剥離できるように、その表面自由エネルギーを40mN/m以下、好ましくは30mN/m以下にすることが効果的である。それには、金属基板の表層に、PTFE粒子を分散したNiめっきが施された材料や黒鉛等のカーボン化合物を含有させた層を設ければよい。
【0024】
また、圧下ロールと金属基板表面の粗さや形状は樹脂フィルムに転写されるため、圧下ロールと金属基板表面の粗さはRaで0.2以下に調整することが好ましい。より好ましくはRaで0.1以下に調整することが必要とされる。
【0025】
さらに、圧下ロールの表面温度を制御可能な機構にすることにより、Tダイから押出された溶融樹脂の温度にばらつきが生じた場合でも、圧下ロールと金属基板間の溶融樹脂の温度をより精度よく制御することができ、樹脂の厚みをより正確に制御できる。また、圧下ロールと金属基板間の溶融樹脂は圧下ロールの押圧力によりその厚みが制御されるので、押圧時の溶融樹脂の温度は十分に高温に保たれている必要がある。このような観点から、圧下ロールの表面温度は、高温である必要があり、溶融樹脂のガラス転移温度以上、溶融樹脂の融点以下に制御することが好ましい。溶融樹脂の融点を超えると圧下ロールへの樹脂の付着が起こりやすくなるばかりか、圧下ロールが高温で長く保持されてロール表層に施された表面自由エネルギー低下のための層が変質し、樹脂フィルムの厚みが不均一になる。
【0026】
本発明の有機樹脂フィルムの製造方法では、金属基板の少なくとも片面側に1本もしくは2本以上の圧下ロールを設け、この圧下ロールによりTダイから押出された溶融樹脂を押圧して所定の厚みの樹脂フィルムを製造しているので、金属基板の両面側に同じように圧下ロールを設ければ、同時に2枚の同じ有機樹脂フィルムを製造できることになる。また、金属基板の両面側に1本もしくは2本以上の圧下ロールを設け、金属基板の両面に押出される有機樹脂の組成を変えることにより、同時に2種の有機樹脂フィルムを製造することも可能となる。
【0027】
金属基板上に所定の厚みの溶融樹脂層が形成された後は、直ちに冷却・固化してフィルムとする必要がある。冷却方法としては、空冷、スプレー方式による水冷等を適用でき、樹脂のガラス転移温度以下まで、樹脂被覆された金属板が次に接触する搬送ロールあるいは剥離ロールに金属基板が接触する前に冷却すればよい。
【0028】
冷却・固化されたフィルムは、次いで、剥離ロール等により金属基板から引き剥がされる。剥離ロールはキャスティング法等で使用されているものと同様のものが適用可能である。また、フィルムが付着した金属基板をテンションリールで巻き取った後に、フィルムを剥がして、フィルムと金属基板とを別々に巻き取る方式も適用可能である。
【0029】
本発明の製造方法で用いられる圧下ロールの材質は、温度制御性に優れるものであれば問わないが、特に金属でできたものが温度制御性に優れるため好ましい。
【0030】
本発明の製造方法に適用できる樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等、用途に応じたものが用いられる。
【実施例1】
【0031】
図1に、本発明である有機樹脂フィルムの製造方法の一例を模式的に示す。金属基板1は予熱装置2により加熱され、圧下ロール5aと圧下ロール5aを支えるサポートロール6との間に挿入される。一方、押出し機3aを経てTダイ4aより押出された溶融した熱可塑性樹脂7は圧下ロール5aと金属基板1との間、あるいは圧下ロール5aに流下され、圧下ロール5aの押圧により所定の厚みに制御される。その後、金属基板1上の熱可塑性樹脂7は冷却装置8で冷却・固化された後、剥離ロール9aにより剥離され、有機樹脂フィルム10aとなって巻き取られる。
【0032】
金属基板1としては、板厚0.2mm、板幅800mm、表層にPTFE分散Niめっきしたステンレス鋼板(SUS430)のコイルを使用した。このステンレス鋼板の表面自由エネルギーは24mN/mであった。熱可塑性樹脂7には、ポリエステル樹脂を用いた。なお、ポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタート/イソフタレート共重合ポリエステル樹脂(イソフタル酸12%、Tg:76℃、Tm:225℃)を使用した。
【0033】
圧下ロール5aとしては、温度制御性に優れる誘導加熱型の金属ロールを用いた。また、この金属ロールの表層は、フッ素樹脂加工を施して表面自由エネルギーが19mN/mに調整されている。サポートロール6も圧下ロール5aと同様のロールを用いた。
【0034】
ライン速度を200mpmに設定し、Tダイ4aから押出された270℃の溶融状態のポリエステル樹脂7を、予熱装置2により180℃に加熱された金属基板1上に流下し、表面温度150℃に制御された圧下ロール5aにより押圧力20tまたは17tで押圧して樹脂層の厚みが5μmまたは6.0μmとなるように調整して、表1に示すような有機樹脂フィルム1と2を、破断やネックインが生じることなく製造できた。
【0035】
【表1】


【実施例2】
【0036】
図2に、本発明である有機樹脂フィルムの製造方法の別の例を模式的に示す。金属基板1は予熱装置2により加熱され、金属基板1の両面側に設けた圧下ロール5aと圧下ロール5bとの間に挿入される。一方、押出し機3a、3bを経てTダイ4a、4bより押出された溶融した熱可塑性樹脂7a、7bは、それぞれ圧下ロール5aと金属基板1との間、圧下ロール5bと金属基板1との間に流下され、圧下ロール5a、5bの押圧により所定の厚みに制御される。その後、金属基板1上の熱可塑性樹脂7a、7bは冷却装置8で冷却・固化された後、剥離ロール9a、9bによって剥離され、有機樹脂フィルム10a、10bとなって巻き取られる。なお、この方法では、圧下ロール5aと5bがそれぞれ相手のサポートロールの役割も果たしている。
【0037】
金属基板1としては、板厚0.3mm、板幅900mm、表層にPTFE分散Niめっきした低炭素鋼板のコイルを使用した。この低炭素鋼板の表面自由エネルギーは19mN/mであった。熱可塑性樹脂7a、7bには、実施例1と同様なポリエステル樹脂を用いた。
【0038】
圧下ロール5a、5bとしては、誘導加熱型の金属ロールを用いた。また、この金属ロールの表層は、シリコーン樹脂で被覆されて表面自由エネルギーが24mN/mに調整されている。
【0039】
ライン速度を250mpmに設定し、Tダイ4a、4bから押出された290℃の溶融状態のポリエステル樹脂7a、7bを、予熱装置2により180℃に加熱された金属基板1上に流下し、表面温度120℃に制御された圧下ロール5a、5bにより押圧力18tまたは15tで押圧して樹脂層の厚みが5.3μmまたは6.0μmとなるように調整して、表2に示すような有機樹脂フィルム1と2を、破断やネックインが生じることなく製造できた。
【0040】
【表2】


【実施例3】
【0041】
図2の方法で、金属基板1としては、板厚0.2mm、板幅800mm、表層にPTFE分散NiめっきしたSUS430鋼板のコイルを使用し、押出し機3a、3bより異なる熱可塑性樹脂7a、7bをTダイ4a、4bより押出して、同時に2種類の樹脂フィルムを作製した。SUS340鋼板の表面自由エネルギーは19mN/mであった。熱可塑性樹脂7a、7bには、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)とポリエチレンテレフタレートとポリブチルテレフタレートの共重合樹脂(PET-PBT)を用いた。具体的には、7aとして、ポリエチレンテレフタート/イソフタレート共重合ポリエステル樹脂を(イソフタル酸12%、Tg:76℃、Tm:225℃)、一方、7bとして、ポリエチレンテレフタート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂を重量比で60:40で配合したポリエチレン樹脂(Tg:40℃、Tm:247℃)を使用した。
【0042】
圧下ロール5a、5bとしては、誘導加熱型の金属ロールを用いた。また、この金属ロールの表層は、シリコーン樹脂で被覆されて表面自由エネルギーが24mN/mに調整されている。
【0043】
ライン速度を200mpmに設定し、Tダイ4aから押出された290℃の溶融状態のPET7a、Tダイ4bから押出された280℃の溶融状態のPET-PBT7bを、予熱装置2により150℃に加熱された金属基板1上に流下し、表面温度130℃に制御された圧下ロール5a、5bにより押圧力16tまたは13tで押圧して樹脂層の厚みが5.3μmまたは8.3μmとなるように調整して、表3に示すようなPETフィルム1とPET-PBTフィルム2を、破断やネックインが生じることなく製造できた。
【0044】
【表3】


【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明である有機樹脂フィルムの製造方法の一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明である有機樹脂フィルムの製造方法の別の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 金属基板
2 予熱装置
3a、3b 押出し機
4a、4b Tダイ
5a、5b 圧下ロール
6 サポートロール
7a、7b 熱可塑性樹脂
8 冷却装置
9a、9b 剥離ロール
10a、10b 有機樹脂フィルム




 

 


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