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2ピース缶及びその製造方法、並びに2ピース缶用鋼板 - JFEスチール株式会社
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発明の名称 2ピース缶及びその製造方法、並びに2ピース缶用鋼板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−44759(P2007−44759A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−234549(P2005−234549)
出願日 平成17年8月12日(2005.8.12)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 小島 克己 / 西原 友佳 / 久保 啓 / 安江 良彦 / 岩佐 浩樹
要約 課題
缶体強度が十分でかつ耐食性に優れた2ピース缶を得る。

解決手段
本発明の2ピース缶は、ラミネート鋼板を素材とし、有底円筒状の缶胴を形成し、缶底部の缶内部側に陥没した形状のドーム部を形成し、缶胴の開口部をトリム加工し、トリム加工後、缶胴の開口部を缶胴直径より小さい径で、かつ、下記式(1)及び式(2)を満足するように縮径加工し、前記縮径加工後、前記缶胴の開口端部にビード部を形成し、さらに、加工度が0.2≦d/R≦0.5、1.5≦h/(R-r)≦2.5の段階で、前記ラミネート鋼板のフィルムのガラス転移点以上融点+30℃以下の温度に加熱した後、30秒以内にガラス点移転以下の温度まで急冷する熱処理を行うことにより得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ラミネート鋼板を素材とし、
有底円筒状の缶胴を形成するように、円形ブランクを、複数回、絞り加工する工程と、
缶底部の缶内部側に、陥没した形状のドーム部を形成する工程と、
前記缶胴の開口部をトリム加工する工程と、
前記トリム加工後、前記缶胴の開口部を、缶胴直径より小さい径で、かつ、下記式(1)及び式(2)を満足するように縮径加工する工程と、
前記縮径加工後、前記缶胴の開口端部にビード部を形成する工程と、
さらに、前記ラミネート鋼板のフィルムのガラス転移点以上融点+30℃以下の温度に加熱した後、30秒以内にガラス点移転以下の温度まで急冷する熱処理工程
とを有することを特徴とする2ピース缶の成形方法。
1.5≦h/(R−r)・・・(1)
d/R≦0.25・・・(2)
ただし、h:缶底から開口先端部までの高さ、R:円形ブランク位置半径、r:底部半径、d:開口先端部の半径
【請求項2】
ラミネート鋼板を素材とし、
有底円筒状の缶胴を形成するように、円形ブランクを、複数回、絞り加工する工程と、
缶底部の缶内部側に、陥没した形状のドーム部を形成する工程と、
前記缶胴の開口部をトリム加工する工程と、
前記トリム加工後、前記缶胴の開口部を、缶胴直径より小さい径で、かつ、下記式(1)及び式(2)を満足するように縮径加工する工程と、
前記縮径加工後、前記缶胴の開口端部にビード部を形成する工程と、
さらに、加工度が0.2≦d/R≦0.5、1.5≦h/(R-r)≦2.5の段階で、前記ラミネート鋼板のフィルムのガラス転移点以上融点+30℃以下の温度に加熱した後、30秒以内にガラス点移転以下の温度まで急冷する熱処理工程
とを有することを特徴とする2ピース缶の成形方法。
1.5≦h/(R−r)・・・(1)
d/R≦0.25・・・(2)
ただし、h:缶底から開口先端部までの高さ、R:円形ブランク位置半径、r:底部半径、d:開口先端部の半径
【請求項3】
前記缶胴開口部の縮径加工後に、前記缶胴の開口部に新たな開口端部を形成するトリム加工を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の2ピース缶の成形方法。
【請求項4】
前記ラミネート鋼板は、ポリエステル樹脂を被覆した鋼板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2ピース缶の成形方法。
【請求項5】
前記ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分の縮重合で得られ、
さらに、ジカルボン酸成分はテレフタル酸を主成分とし、
ジオール成分は、エチレングリコール及び/または、ブチレングリコールを主成分とすることを特徴とする請求項4に記載の2ピース缶の成形方法。
【請求項6】
ラミネート鋼板に被覆される有機樹脂は、請求項5に記載のポリエステル樹脂を主相とし、副相に、非相溶かつTgが5℃以下である樹脂を含有することを特徴とする2ピース缶の成形方法。
【請求項7】
副相として含有される前記樹脂が、下記の中から選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の2ピース缶の成形方法。
ポリエチレン、その酸変性体、あるいはアイオノマー
ポリプロピレン、その酸変性体、あるいはアイオノマー
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかの成形方法により成形されることを特徴とする2ピース缶。
【請求項9】
有機樹脂フィルムを被覆したラミネート鋼板であって、請求項1〜7のいずれかに記載の2ピース缶の成形方法に用いられることを特徴とする2ピース缶用ラミネート鋼板。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、エアゾール用金属容器など、各種スプレーなどの容器として用いられている2ピース缶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、エアゾール用金属容器の分野には、大別して3ピース缶と2ピース缶とがある。3ピース缶は長方形平板を円筒状に接合した缶胴に、缶底および缶蓋(ドームトップ)が取り付けられたもので、構成部材が3つの要素からなるためこの名称で呼ばれる。スプレー用途に用いる際には、ドームトップにさらに噴射用バルブを備えたマウンティングキャップが取り付けられ(以下、本発明でマウンティングキャップという場合には噴射用バルブを備えたものとする)、マウンティングキャップを含めた場合は構成部材は4つの要素となるが、飲料缶や食缶では円筒状に接合した缶胴を備えたものを広く3ピース缶と呼ぶため、本発明でもこれに倣って上記構造の缶を3ピース缶と呼ぶこととする。
【0003】
一方、2ピース缶は有底円筒に成形された缶胴の開口端側を縮径し、マウンティングキャップが取り付けられたものである。スプレー用途ではマウンティングキャップを除くと構成要素は缶胴1つであるため、缶胴そのものは1ピース缶、モノブロック缶と呼ばれる場合があるが、飲料缶、食缶では有底円筒に成形された缶胴を備えるものを広く2ピースと呼ぶため、本発明でもこれに倣ってこの構造の缶胴を2ピース缶と呼ぶこととする。
2ピース缶は継ぎ目のない缶胴であること、缶胴からマウンティングキャップに向かって流麗な連続的な形状で縮径加工されていることなどから、3ピース缶と比較して外観の美麗性に優れる。そのため、商品の性格上パッケージの外観が重視される用途、例えば芳香剤、制汗剤、整髪料などの用途には、2ピース缶が広く用いられている。
【0004】
3ピース缶及び2ピース缶に用いられる素材としては、3ピース缶では鋼板、2ピース缶にはアルミが一般的である。これは、アルミは鋼板よりも軟質なため、インパクト成形や絞り-再絞り成形、絞り-再絞り成形-しごき成形などの方法を用い有底円筒の缶胴を成形し、さらに開口端部を縮径して、非特許文献1に規定されているエアゾール缶の形状に加工することが、アルミの方が比較的容易であるためである。さらに重要な点は、アルミは鋼板と比較して耐食性に優れるため、内容物に対する耐食性や、エアゾール缶が湿潤環境におかれた場合の外面での錆発生が問題になり難いところである。これに対し、鋼板は強度が高く、安価である。そのため、高い耐圧強度が必要なエアゾール缶に用いた場合は、十分な缶体強度を備えつつ缶体板厚を薄くすることができ、素材費を低減できる利点がある。以上の点から、耐食性を高めた鋼板を用いて2ピースエアゾール缶を得る試みが為されている。
【0005】
例えば、耐食性を高めた鋼板を用いて2ピースエアゾール缶を得る方法として、特許文献1には、鋼板自体の耐食性を高める方法が、特許文献2には、鋼板表面を耐食性の高い金属で被覆する方法が、特許文献3には、鋼板表面を塗膜で被覆する方法が、特許文献4及び5には、鋼板表面をフィルムで被覆する方法がそれぞれ開示されている。
【特許文献1】特表2003-500306号公報
【特許文献2】特開昭63-168238号公報
【特許文献3】特開平9-39975号公報
【特許文献4】特開平1-228567号公報
【特許文献5】特開平10-24973号公報
【非特許文献1】Federation of European Aerosol Association Standard No.215,No.219, No.220
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鋼板自体の耐食性を高める方法である特許文献1には、鋼板自体を耐食性の高いステンレスとする技術が開示されている。しかし、ステンレスは耐食性に優れるものの高価であるため、この方法では缶コストの上昇をまねく。
【0007】
鋼板表面を耐食性の高い金属で被覆する特許文献2には、アルミニウム被覆鋼板を用いることで、絞りしごき加工した2ピースエアゾール缶の缶底部の錆を回避する技術が開示されている。この方法によれば、加工度の低い缶底部については錆を回避できる可能性がある。しかし、絞りしごき加工した缶胴部はアルミニウム被覆が損傷を受けるため、錆の発生が懸念される。
【0008】
鋼板表面を塗膜で被覆する方法である特許文献3には、硬化されたポリアミドイミド系塗膜を備えた内面塗装金属容器に関する技術が開示されている。この技術は2ピースエアゾール缶に用いた際の素材として鋼板を用いることが可能であるとされているものの、鋼板に関する実施例は加工度の低い3ピース缶に関するもののみで、鋼板を加工度の高い2ピース缶に加工した場合の耐食性については十分な記載がなく、効果は不明である。また、明細書中には、この技術は成形された缶胴に施しても、成形前の金属板に施して後に加工してもよいとの記載がある。しかし、実施例で示されたアルミを用いた2ピース缶に適用した場合をみても、缶胴を成形した後に塗膜を形成させたものは例示されているが、成形前の金属板に塗膜を形成させてそれを加工した実施例は具体的には示されていない。そこで、本発明者らが検討した結果、熱硬化した塗膜で被覆した鋼板を高い加工度の2ピースエアゾール缶に加工すると、加工によって塗膜に損傷が生じ、十分な耐食性を得ることに問題があった。
【0009】
耐食性の観点では、鋼板表面をフィルムで被覆する方法が有望である。特許文献4には、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムをラミネートした鋼板も用いてエアゾール缶を得る技術が開示されている。この技術によれば、絞り加工後の缶胴が損傷のないラミネートフィルムで被覆されているため、耐食性に優れる。しかしこの技術で得られる缶胴で耐食性が保たれるのは、実施例に示されるように缶胴の開口端が縮径されていない加工度の低いものであり、非特許文献で規定されるエアゾール缶の形状まで加工した缶へ適用した際の耐食性についてまでは考慮されていない。
【0010】
特許文献5には、酸変性したポリオレフィン樹脂を介して塩化ビニリデン樹脂層の両面にポリプロピレン樹脂層を積層した複合フィルムをラミネートした鋼板を絞り加工したエアゾール缶に関する技術が開示されている。この技術ではフィルムをラミネートした鋼板を用いるため、耐食性に優れた缶胴が得られると考えられる。しかし、絞り加工の方法に関しては実施例で45mm径×120mm高形状のエアゾール缶を得たとされるのみで、具体的な加工方法は記載されておらず、特に缶胴の開口端部を縮径した後の耐食性に関しては言及していない。
【0011】
これらの技術のうち、特許文献4及び5に記載のように有機樹脂フィルムを被覆したラミネート鋼板を缶の素材として用いることは耐食性の点で有利な方向にある。しかし、本発明者らの検討では、2ピースエアゾール缶を得るためには、単に従来技術のラミネート鋼板を用いるのみでは十分ではないことが判明した。
【0012】
具体的には、非特許文献1に規定された規格形状の2ピースエアゾール缶を成形するには、ラミネート鋼板を非常に高い加工度で成形する必要があるため、成形に伴ってラミネート鋼板に剥離が生じ、結果として十分な耐食性が保持しえなくなる。
【0013】
本発明は、かかる事情に鑑み、強度が高く比較的安価でありかつ耐食性に優れたラミネート鋼板を用いて、缶体強度が十分でかつ耐食性に優れた2ピース缶を得ることを目的としたものであり、2ピース缶をラミネートフィルムの剥離が生じるとなく容易に製造できる成形方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために研究した結果、本発明は、以下の点を特徴とすることにより完成された。まず、2ピースエアゾール缶の素材として、強度が高く、比較的安価であり、かつ耐食性に優れたラミネート鋼板を用いることで2ピース缶の缶体強度を十分とし安価なコストとした。そして、鋼板を2ピース缶の素材として用いて加工する際にラミネートフィルムの剥離等に伴い発生する耐食性の劣化防止については、開口端部が絞りダイスとしわ押えに挟まれた状態で摺動されずに形成されることが有効であることを見出した。具体的には、缶胴の開口端部におけるラミネート鋼板の損傷を回避する手段として、最終の絞り加工までに、缶胴部の開口先端に、缶胴半径方向外側に延出したテーパー部を形成し、次いで、テーパー部を缶胴直径と同じ径まで縮径加工を行うものである。
【0015】
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]ラミネート鋼板を素材とし、有底円筒状の缶胴を形成するように、円形ブランクを、複数回、絞り加工する工程と、缶底部の缶内部側に、陥没した形状のドーム部を形成する工程と、前記缶胴の開口部をトリム加工する工程と、前記トリム加工後、前記缶胴の開口部を、缶胴直径より小さい径で、かつ、下記式(1)及び式(2)を満足するように縮径加工する工程と、前記縮径加工後、前記缶胴の開口端部にビード部を形成する工程と、
さらに、前記ラミネート鋼板のフィルムのガラス転移点以上融点+30℃以下の温度に加熱した後、30秒以内にガラス点移転以下の温度まで急冷する熱処理工程とを有することを特徴とする2ピース缶の成形方法。
1.5≦h/(R−r)・・・(1)
d/R≦0.25・・・(2)
ただし、h:缶底から開口先端部までの高さ、R:円形ブランク位置半径、r:底部半径、d:開口先端部の半径
[2]ラミネート鋼板を素材とし、有底円筒状の缶胴を形成するように、円形ブランクを、複数回、絞り加工する工程と、缶底部の缶内部側に、陥没した形状のドーム部を形成する工程と、前記缶胴の開口部をトリム加工する工程と、前記トリム加工後、前記缶胴の開口部を、缶胴直径より小さい径で、かつ、下記式(1)及び式(2)を満足するように縮径加工する工程と、前記縮径加工後、前記缶胴の開口端部にビード部を形成する工程と、
さらに、加工度が0.2≦d/R≦0.5、1.5≦h/(R-r)≦2.5の段階で、前記ラミネート鋼板のフィルムのガラス転移点以上融点+30℃以下の温度に加熱した後、30秒以内にガラス点移転以下の温度まで急冷する熱処理工程とを有することを特徴とする2ピース缶の成形方法。
1.5≦h/(R−r)・・・(1)
d/R≦0.25・・・(2)
ただし、h:缶底から開口先端部までの高さ、R:円形ブランク位置半径、r:底部半径、d:開口先端部の半径
[3]前記[1]または[2]において、前記缶胴開口部の縮径加工後に、前記缶胴の開口部に新たな開口端部を形成するトリム加工を行うことを特徴とする2ピース缶の成形方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、前記ラミネート鋼板は、ポリエステル樹脂を被覆した鋼板であることを特徴とする2ピース缶の成形方法。
[5]前記[4]において、前記ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分の縮重合で得られ、さらに、ジカルボン酸成分はテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分は、エチレングリコール及び/または、ブチレングリコールを主成分とすることを特徴とする2ピース缶の成形方法。
[6]ラミネート鋼板に被覆される有機樹脂は、前記[5]に記載のポリエステル樹脂を主相とし、副相に、非相溶かつTgが5℃以下である樹脂を含有することを特徴とする2ピース缶の成形方法。
[7]前記[6]において、副相として含有される前記樹脂が、下記の中から選ばれる樹脂であることを特徴とする2ピース缶の成形方法。
ポリエチレン、その酸変性体、あるいはアイオノマー
ポリプロピレン、その酸変性体、あるいはアイオノマー
[8]前記[1]〜[7]のいずれかの成形方法により成形されることを特徴とする2ピース缶。
[9]有機樹脂フィルムを被覆したラミネート鋼板であって、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の2ピース缶の成形方法に用いられることを特徴とする2ピース缶用ラミネート鋼板。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、缶胴の開口端部におけるラミネート鋼板の損傷を回避する手段をとることにより、高い加工度でラミネート鋼板を素材として2ピース缶を成形することができる。そして、本発明で得られる2ピース缶は缶体強度が十分で、かつ、フィルム剥離が生じることなく耐食性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の2ピース缶及びその成形方法、ならびに2ピース缶用鋼板について詳細に説明する。
【0018】
まず、本発明で素材として用いるラミネート鋼板について説明する。
【0019】
本発明の目的は、十分な耐食性、缶体としての強度を備え、かつ安価な2ピース缶を得ることにある。よって、本発明の2ピースの成形に用いる素材は、上記目的を達成するために、加工性、耐食性に優れた有機樹脂フィルムを被覆したラミネート鋼板とする。
【0020】
本発明で用いラミネート鋼板の基板となる鋼板は、目的の形状に成形できるものであれば特にその種類を問わないが、以下のような成分、製法のものが望ましい。
(1)C量が0.01〜0.10%程度の低炭素鋼を用い、箱焼鈍で再結晶焼鈍したもの。
(2)C量が0.01〜0.10%程度の低炭素鋼を用い、連続焼鈍で再結晶焼鈍したもの。
(3)C量が0.01〜0.10%程度の低炭素鋼を用い、連続焼鈍で再結晶焼鈍及び過時効処理したもの。
(4)C量が0.01〜0.10%程度の低炭素鋼を用い、箱焼鈍または連続焼鈍で再結晶焼鈍した後、二次冷間圧延(DR)したもの。
(5)C量が概ね0.003%以下程度の極低炭素鋼にNb,Ti等の強力な固溶C固定元素を添加したIF鋼を用い、連続焼鈍で再結晶焼鈍したもの。
そして、鋼板の機械的特性は、目的の形状に成形できるものであれば特に規定しないが、加工性を損なわすかつ十分な缶体強度を保つためには降伏強度YPが220MPa以上、580MPa以下程度のものを用いることが望ましい。また塑性異方性の指標であるr値については0.8以上のものが望ましく、塑性異方性r値の面内異方性Δrはその絶対値が0.7以下が望ましい。鋼板の板厚は、目的の缶の形状、必要となる缶体強度から適宜設定することができる。鋼板自体および缶体のコスト上昇を抑制する観点から、概ね0.15〜0.4mm程度のものを用いることが望ましい。
【0021】
そして、上記鋼板には表面に各種表面処理を施した表面処理鋼板を用いることが望ましい。特に下層が金属クロム、上層がクロム水酸化物からなる二層皮膜を形成させた表面処理鋼板(いわゆるTFS)等が最適である。TFSの金属クロム層、クロム水酸化物層の付着量については、特に限定されないが、何れもCr換算で、金属クロム層は70〜200mg/m、クロム水酸化物層は10〜30mg/cmの範囲とすることが望ましい。
【0022】
また、鋼板に被覆する有機樹脂フィルムについては以下の通りである。
【0023】
本発明で用いるラミネート鋼板を構成する有機樹脂フィルムとしては、加工によるフィルム損傷の可能性を極力排除する目的から、以下のものであることが望ましい。
【0024】
例えば、有機樹脂としてはポリエステルが加工に必要な伸び特性や強度特性のバランスが優れているためより好ましい。そして、そのポリエステル樹脂としては、カルボン酸成分とジオール成分の縮重合で得られ、ジカルボン酸成分はテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分は、エチレングリコール及び/または、ブチレングリコールを主成分とするのが好ましい。また、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分とする場合、その他の共重合成分としてイソフタル酸成分を含むことも可能である。ジオール成分は、エチレングリコール及び/または、ブチレングリコールを主成分とする場合、その他の共重合成分としてジエチレングリコール、シクロヘキサンジオ−ルを含むことも可能である。さらに、このようなポリエステル樹脂を主相とし、副相に、非相溶かつ、Tgが5℃以下である樹脂を用いることができる。この場合の副相としてはポリエチレン、ポリプロピレン、及び/あるいはそれらの酸変性体、あるいはアイオノマーから選ばれるものの中から少なくとも1種以上選択することが好ましい。
【0025】
なお、本特許の実施にあたっては、本特許で規定する樹脂組成中に顔料や滑剤、安定剤などの添加剤を加えて用いても良いし、本特許で規定する樹脂層に加えて他の機能を有する樹脂層を上層または中間層に配置しても良い。
【0026】
また、鋼板へのラミネート方法は特に限定されないが、2軸延伸フィルム、あるいは無延伸フィルムを熱圧着させる熱圧着法、Tダイなどを用いて鋼板上に直接樹脂層を形成させる押し出し法など適宜選択すればよく、いずれも十分な効果が得られることが確認されている。
【0027】
本発明の2ピース缶は、上記ラミネート鋼板を素材とし、有底円筒状の缶胴を形成するように、円形ブランクを、複数回、絞り加工する工程と、
缶胴部開口先端に、缶胴半径方向外側に延出したテーパー部を形成する工程と
前記テーパー部を缶胴直径と同じ径まで縮径加工する工程と、
前記缶胴の開口部を缶胴直径より小さい径で、かつ、下記式(1)及び式(2)を満足するように縮径加工する工程を径ることにより成形される。特に本発明では絞り加工を行う中で、テーパー部を形成し前記テーパー部を缶胴直径より小さい径に縮径加工することを特徴とする。
1.5≦h/(R−r)・・・(1)
d/R≦0.25・・・(2)
ただし、h:缶底から開口先端部までの高さ、R:円形ブランク位置半径、r:底部半径、d:開口先端部の半径
以下に詳細にその成形方法について記載する。
【0028】
有底円筒状の缶胴を形成
ラミネート鋼板を素材とし、有底円筒状の缶胴を形成するためには、円形ブランクを複数回の絞り加工を用い所定の高さを得る方法が適している。複数回の絞り加工における絞り回数、絞り率は適宜選定することができる。成形工程の簡素化のためは少ない絞りの回数で行うこと望ましいが、一方でそのためには低い絞り率、つまり厳しい加工が必要になる。成形工程の簡素化のためには、10回以下の絞り回数が望ましい。絞り率は、円形ブランクから1回目の絞りを行う際には0.4以上、以降の絞り(再絞り)加工では0.5以上であることが望ましい。
【0029】
本発明における絞り加工では、複数回の絞り加工を基本とするが、さらにしごき加工を加えた絞り-しごき加工を行う方法も採用することができる。また、複数回の絞り加工において、しわ押え力により後方張力を付与した状態で絞りダイ肩部での曲げ・曲げ戻し変形を利用して板厚の減少を図る薄肉化絞り加工、およびこれにしごき加工を併用する薄肉化絞り-しごき加工などの方法を採用することができる。
【0030】
さらに、絞り加工には潤滑条件が影響を及ぼす。ラミネート鋼板は被覆されたフィルムが柔軟でかつ表面が平滑であるためそれ自体が潤滑性を高める機能を有する。そのため、絞り加工にあたって特に潤滑剤を使用する必要はないが、絞り率を低くする場合などには潤滑剤を使用することが望ましい。潤滑剤の種類は適宜選定できる。
【0031】
また、絞り加工に伴い、缶胴の側壁部板厚は元板厚に対して変化する。板厚変化を缶高さ全体にわたる平均板厚tと元板厚t0を用いて平均板厚変化率t/t0としてあらわした場合、絞り-再絞り加工ではt/t0>1となる傾向にあり、絞り-しごき加工、薄肉化絞り加工、薄肉化絞り-しごき加工などではt/t0<1となる。加工に伴うラミネート鋼板の損傷を考慮すると、平均板厚変化率は0.5<t/t0<1.5の範囲とすることが望ましい。
【0032】
缶底部の缶内部側にドーム部形成
本発明の2ピース缶をエアゾール缶として用いる場合は、噴射剤を充填するため15kgf/cm2以上の耐圧強度が必要となる。そして、缶内部の圧力上昇に対しては特に缶底部に留意する必要がある。有底円筒の缶胴内部の圧力は、缶胴部側壁に対しては缶胴を周方向に拡張する方向への応力を作用させる。しかし、缶胴部材は絞り加工によって十分に加工硬化しており、内圧により作用で変形することはない。一方で缶底部は、外縁部が缶胴によって拘束された状態で内圧が作用するため、内圧が高い場合は缶外部側に向かって変形する。よって、内圧による缶底の変形を抑制するために、本発明では缶底部の缶内部側に、陥没した形状のドーム部を形成することとする。このように缶底部にドーム部を形成することで、缶底部の板厚を厚く、部材の強度を高められる。
【0033】
缶胴部の開口側を縮径加工
例えば、エアゾール缶では缶胴の開口部にマウンティングキャップを取り付けるため、開口端を円筒の直径よりも小さい径に縮径する必要がある。この時の縮径の加工度はマウンティングキャップを取り付けるために必要な所定の直径を得る加工度を採用することができるが、フィルムの損傷を極力排除する観点から、缶胴の半径r、縮径後の開口端の半径dに対してd/r>0.3であることが望ましく、さらに望ましくはd/r>0.4である。縮径加工の方法としては、内面テーパー形状のダイに開口端部を押し当てて縮径を行うダイネック方式、回転工具を缶胴開口端部に缶胴半径方向内側に向けて押し付けて縮径を行うスピンネック方式などの方法が採用できる。フィルムの損傷を極力排除する観点からは、ダイネック方式が適している。ダイネック方式では、缶胴の半径rから最終的な縮径後の半径dに至る間を複数回の段階に分けて加工を行う方法が望ましい。この際、1回あたりの加工度が大きいと縮径加工でしわを発生する危険性が高まるため、縮径率(縮径加工後の直径/縮径加工前の直径)は0.9以上とすることが望ましい。ラミネート鋼板は被覆されたフィルムが柔軟でかつ表面が平滑であるためそれ自体が潤滑性を高める機能を有する。そのため、縮径加工にあたって特に潤滑剤を使用する必要はないが、工具との摺動によるフィルムの損傷を極力排除する観点からは潤滑剤を使用することが望ましい。潤滑剤の種類は適宜選定できる。
【0034】
なお、ここで、縮径加工後の加工度が下記式(1)及び(2)を満足するように成形することが必要である。
1.5≦h/(R−r)・・・(1)
d/R≦0.25・・・(2)
ただし、h:缶底から開口先端部までの高さ、R:円形ブランク位置半径、r:底部半径、d:開口先端部の半径
まず、開口端部までの高さh、底部半径r、円形ブランク位置半径Rに対して1.5≦h/(R−r)とする。図3に缶体サイズの関係を示す。
【0035】
尚、実際の絞り加工の際には本願で規定した円形ブランク位置半径Rよりも大きな初期ブランク径R’の円形ブランクから絞り加工を行いう。RからR’の間の部材はトリミング加工で除去される。ここで、h/(R−r)は成形前後でのラミネート鋼板の缶高さ方向への平均伸びを表す指標である。
【0036】
次に、開口先端部の半径d、円形ブランク位置半径Rに対してd/R≦0.25とする。これは、開口先端部における成形前後でのラミネート鋼板の缶周方向への縮みを表す指標である。
【0037】
前記のようにラミネート鋼板を素材として有底円筒状の缶胴を形成するためには、円形ブランクを複数回の絞り加工を用い所定の高さを得る方法が適している。この際、非特許文献1に記載されているエアゾール缶の形状を得るため、かつ、加工に伴うラミネート鋼板の損傷を回避するため平均板厚変化率が0.5<t/t0<1.5の範囲とすることを考慮すると、1.5≦h/(R−r)、かつ、d/R≦0.25とする必要がある。
【0038】
縮径加工前または前後におけるトリム加工
本発明では、前記缶胴開口部の縮径加工工程の前または前後に、前記缶胴の開口部に新たな開口端部を形成するトリム加工を行うことが好ましい。縮径する前、または前後においてトリム加工することで、フィルム剥離の危険性をより回避できる。絞り加工後の開口端部は加工度が高い上、加工による摺動などでフィルムの密着性が低下しており、また、物理的にもフィルムと鋼板表面との密着部分が露出した状態となっており、フィルム剥離の危険性が最も高い部分となっている。そこで、縮径加工する前にこの端部をトリムすることで取り除くことで、フィルム剥離の危険性が低減される。一方、縮径加工自体も開口端部のフィルム剥離の危険性を高める加工であるため、縮径加工後にトリム加工を行うことでさらに以降の加工におけるフィルム剥離の危険性を低減できる。縮径加工する前後の両者でトリム加工を行えば、より良好な状態となる。なお、トリム加工の方法としては、相互に回転する中実円筒状の内刃(缶胴内部に挿入)、縁部が鋭利な円盤状の外刃によりトリムする方法などが採用できる。
【0039】
ビード部形成
エアゾール缶用として使用する場合は、マウンティングキャップ(内容物を適量噴射させるための噴射用バルブを備える)を開口端部に取り付けるため、開口端部にマウンティングキャップを取り付けるための構造であるビード部を形成させる。ビード部の形状、形成方法は特に限定しない。マウンティングキャップを缶体にクリンチして固定することが可能であり、ビード部としての機能を充分に発揮する形状であればよい。
【0040】
以上により本発明の2ピース缶が得られるが、必要に応じて、以下に記載の加工工程途中での熱処理、その他の加工を行うことができる。
【0041】
加工工程途中での熱処理
本発明においては、フィルム損傷の危険性をより低減するために、熱処理を施すこととする。具体的には、加工度が0.2≦d/R≦0.5、1.5≦h/(R-r)≦2.5の段階で、ラミネート鋼板のフィルムのガラス転移点以上融点+30℃以下の温度に加熱した後、30秒以内にガラス点移転以下の温度まで急冷する。これは本発明の特徴であり、重要な要件である。すなわち、ガラス転移点以上融点+30℃以下の温度に加熱することで、加工でフィルムに加えられた歪に伴う応力を緩和し、その後の加工でのフィルム剥離の危険性を低減する。内部応力の緩和が可能な最低温度として、ガラス転移点が設定される。ガラス転移点未満では結晶化が促進され、その後の加工性が劣化するため、好ましくない。熱処理のタイミングを上述の如く定めた理由について、下限値は、生産効率を考慮して定められたものである。即ち、下限値未満の段階ではフィルムに蓄積されている内部応力が比較的低い段階であり、熱処理の効果が低くなる。その為、下限値未満の段階で熱処理を行ったとしても、その後の加工によって、内部応力が蓄積し、フィルム剥離にいたる場合がある。逆に、上限値を超えた段階での熱処理は、既に、剥離が生じてしまった後の熱処理となる可能性があり、熱処理のタイミングとしては遅く、効果を出すことが難しい。殊に、肉眼では確認できなくとも微小な剥離部が存在する場合、熱処理を行ったとしても、以降の工程で、その部分を起点とした剥離が生じる事がある。従って、上限値以下の加工度で熱処理を行う必要がある。よって、熱処理温度の上限は、樹脂の熱分解による劣化を考慮して、融点+30℃、望ましくは+20℃の範囲とする。このような範囲であれば、熱分解による樹脂劣化は問題とならない。更に望ましくは、本特許で規定するポリエステルフィルムに対して、150℃以上融点+20℃以下とする。本発明のラミネート鋼板に被覆される樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、望ましい熱処理温度の下限値は150℃である。これは、内部応力の緩和に対して短時間処理が行える温度の下限である。即ち、ガラス転移点以上であれば内部応力の緩和が可能であるが、150℃以上だと短時間での処理が可能となる。さらに、前記の加熱直後30秒以内に、より望ましくは10秒以内に、フィルムのガラス点移転以下の温度にまで急冷することで内部応力を緩和する。樹脂はガラス転移点以上、融点以下の温度で結晶化が進み、これに伴い加工性が劣化する。従って、短時間でガラス転移点以下に急冷する必要があり、上記の工程をとることとする。熱処理の方法については、特に限定されるものではなく、電気炉、ガスオーブン、赤外炉、インダクションヒーターなどで同様の効果が得られることが確認されている。また、加熱速度、加熱時間は効果に応じて適宜選択すればよいが、加熱速度は速いほど効率的であり、加熱時間の目安は15秒〜60秒程度である。しかし、この範囲に限定されるものでなく、効果に応じて適宜選択すればよい。
【0042】
以上により本発明の2ピース缶が得られるが、必要に応じて、以下に記載の加工工程を行うことができる。
【0043】
テーパー部の形成及び縮径加工
円形ブランクを絞り成形して有底円筒の缶胴とする際には、開口端部においてラミネートしたフィルムが剥離する現象が生じる場合がある。これは、円筒の直径が高さ方向に一定となるように成形されるため、開口端部は常に絞りダイスとしわ押えに挟まれた状態で摺動されながら成形され、鋼板表面のフィルムが損傷を受け易いこと、また、加工中に開口端部に常にしわ押え力が作用することで、鋼板およびフィルムに缶高さ方向での力が作用して缶高さ方向の加工度が増加することが原因であると考えられる。この問題を解決するためには、缶胴部の開口先端に、缶胴半径方向外側に延出したテーパー部を形成し、次いで、テーパー部を缶胴直径と同じ径までに縮径加工を行い、缶胴の直径を高さ方向で一定となるように成形することが好ましい。このように、最終の絞り加工までにテーパー部の形成及び縮径加工を行うことで、開口端部が絞りダイスとしわ押えに挟まれた状態で摺動されずに形成される。
【0044】
尚、本発明の成形方法は、缶体の材料がラミネート鋼板を用いた場合に限定されず、他の素材を用いた場合にも適用することができる。
【実施例1】
【0045】
図1は本発明の2ピースエアゾール缶の製造工程を示す図である。また、絞り工程の詳細な条件を表1に、缶胴の直径より小さい径への縮径加工の詳細な条件を表2に、さらに、縮径加工したエアゾール缶の缶高さ方向への平均伸ビード開口先端部における成形前後でのラミネート鋼板の缶周方向への縮みを表3に示す。また、熱処理の条件を表4に示す。
【0046】
【表1】


【0047】
【表2】


【0048】
【表3】


【0049】
上記図1、表1〜3,及び以下の表4に基づき、2ピースエアゾール缶を以下の手順にて作製した。
1)ブランキング
板厚0.17〜0.24mmの範囲の低炭素鋼冷延鋼板を原板とするTFSの両面にポリエチレンテレフタレートフィルムを熱融着法でラミネートした鋼板についてブランキングを行った。ブランク径の範囲は64〜94mmのものを用いた。
2)絞り加工およびしごき加工
絞り加工(5段)成形にてr/R:0.27〜0.59、h/(R-r):1.35〜1.89の範囲のものを作製した。また、所望の缶を作製するために、適宜、しごき加工も併用した。絞り加工後のh/(R-r)、r/Rは表2に示す通りである。尚、表2におけるh、r、Rはそれぞれ絞り加工後に縮径された状態での開口端部までの高さ、有底円筒の半径、円形ブランク位置半径を示す。
3)缶底部のドーム形状加工
缶底部に、深さ6mmの半球状の張出し加工を行った。
4)テーパー部の縮径加工
テーパー部を缶胴直径と同じ径まで縮径加工した。
5)トリム加工
トリムの加工は円形孔を備えた外刃と円筒状の内刃によりプレス方式でトリムする方法で行い、缶上端部を1mmほどトリムした。
6)缶胴の直径より小さい径への縮径加工
缶胴の開口側に縮径加工を施し、最終的な缶体形状h/(R-r):1.85〜3.1、d/R:0.17〜0.24の範囲のものを作製した。具体的には、内面テーパー形状のダイに開口端部を押し当てて縮径を行うダイネック方式で、缶胴の直径から最終的な絞り直径への加工に対しては、加工度に応じて、多段成形を行った。当該加工において作製された缶体のd/R、h/(R-r)は表3に示す通りである。
【0050】
以上より得られた試作缶について、フィルム剥離の有無を調査した。フィルムの剥離の有無は加工時に肉眼で確認して評価した。得られた結果を表4に上記熱処理条件と併せて示す。
【0051】
【表4】


【0052】
表4より、加工途中で熱処理を行った本発明例では、フィルムの剥離は認められなかった。一方、熱処理を行わなかった比較例では、フィルムの剥離が起こり、その結果として鋼地の露出が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の2ピース缶は、その優れた性能から2ピースエアゾール缶として最適である。そして、2ピースエアゾール缶以外にも、缶体強度、耐食性、外観性、さらには安価なコストが要求される用途に対しても好適である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の2ピース缶の製造工程を示す図である。(円筒の直径以下の径への縮径加工後にトリム加工なし)
【図2】本発明の缶体サイズの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ブランク
2 缶胴
3 ドーム形状部
4 ビード部
A 絞り加工およびしごき加工工程
B 缶底部ドーム形状加工工程
C トリム加工工程
D テーパー部の縮径加工工程
E 缶胴の直径より小さい径への縮径加工工程
F ビード部加工工程




 

 


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