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鋼矢板の製造方法 - JFEスチール株式会社
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発明の名称 鋼矢板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30034(P2007−30034A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−221121(P2005−221121)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 福田 啓之 / 藤林 晃夫 / 中田 直樹
要約 課題
本発明は仕上げ圧延後、冷却過程における変形の防止に優れるフランジとウエブの板厚が異なるU形鋼矢板の製造方法を提供する。

解決手段
フランジとウエブを、圧延終了温度をAr3変態点以上で仕上げ圧延後、自然放冷するU形鋼矢板の製造において、仕上げ圧延後終了後、ウエブを水冷し、ウエブのAr3変態開始時間を制御し、好ましくは、フランジのAr3変態終了後、ウエブのAr3変態開始までにおいてウエブを水冷し、下反りを防止する。
特許請求の範囲
【請求項1】
フランジとウエブを、圧延終了温度をAr3変態点以上で仕上げ圧延後、自然放冷するU形鋼矢板の製造において、仕上げ圧延終了後、ウエブを水冷し、ウエブのAr3変態を制御し、下反りを防止することを特徴とするU形鋼矢板の製造方法。
【請求項2】
フランジのAr3変態終了後、ウエブのAr3変態終了までにおいてウエブを水冷し、下反りを防止することを特徴する請求項1に記載のU形鋼矢板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は圧延法による鋼矢板の製造方法に関し、特に、フランジとウエブの板厚が異なるU形鋼矢板の、仕上げ圧延後、冷却過程における変形の防止に優れるものに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼矢板は、土木工事の基礎工事などに用いられる熱間圧延材で、両端の継手部により囲堤を作るために用いられ部材で、その断面形状によりU形、直線形、Z形がある。
【0003】
図2はU形鋼矢板の製造工程の一例を示す模式図で、加熱炉6から高温で抽出された鋼片は、ブレークダウン圧延機7、粗圧延機8、仕上げ圧延機9により、U形鋼矢板に圧延成形され、切断機10により所望の寸法に切断され、切断後に冷却床(図には記載なし)において略常温まで冷却する工程を有している。
【0004】
図4はU形鋼矢板の断面形状の一例を示す模式図で、U形鋼矢板1はウエブ2とその先端に継手部3aが加工されたフランジ3からなるU字形状で、ウエブ2の板厚は、フランジ3の板厚より厚くなるように圧延加工される。
【0005】
ウエブ2の板厚とフランジ3の板厚が異なると、圧延中に温度差が生じ、仕上げ圧延終了時には、板厚が厚いウエブ2が、板厚が薄いフランジ3に対して高温となり、両者で50〜120℃の温度差が生じる。
【0006】
一般的に、仕上げ圧延終了時の高温部と低温部では常温に冷却されるまでの総収縮量が相違し、高温部の総収縮量が大きい。また、冷却過程における熱履歴が相違し、高温部と低温部で変態膨張が時間的にずれる。
【0007】
そのため、U形鋼矢板は仕上げ圧延終了時には曲がりが無い良好な状態であっても、冷却床で自然冷却中に温度が低下するにつれ、反りと呼ばれる変形が生じ、常温状態において高温部であるウエブの内面側に大きく反る、上反りが観察される。
【0008】
図5はU形鋼矢板の変形例を示し、(a)は上反り、(b)は下反りを示す。これらの反りのうち、常温に冷却後において観察される上反りは、出荷前、矯正機により矯正される。
【0009】
図6は下反りが生じたU形鋼矢板で、(a)は側面図、(b)は外観図を示す。通常、鋼矢板はウエブを上にして圧延され、その状態で搬送されるので、先端や後端がエプロン5に突っかかり、搬送用のテーブルロール4からU形鋼矢板1が浮き上がり、テーブルロール4が空転して、搬送不能となる。
【0010】
圧延後、搬送ライン上で下反りが発生すると、自然放冷により反りが収まるまで待機するため、生産性の低下が大きい。
特許文献1は冷却途中に生じる、U形鋼矢板の反り減少方法に関し、最終仕上げ圧延前に、ウエブ温度をフェライト変態温度以下とし、ウエブ温度とフランジ温度との差を特定温度以下に設定する冷却処理を施し、圧延後から室温までのウエブとフランジの熱収縮量の差を小さくし、更に、U字姿勢で冷却することにより冷却中の下反りに伴う搬送上の問題点を解決することを特徴とする。
【0011】
特許文献2、3は、冷却後、常温になった状態で観察されるU形鋼矢板の反り防止方法に関し、特許文献2は圧延後の冷却の際、ウエブ温度が特定温度の範囲内において、断面温度差に応じて逆反り加工を付与し、その冷却することを特徴とする。
【0012】
特許文献3は、U形鋼矢板の製造方法に関し、大幅な設備の変更や圧延条件の変更を行わずに、圧延後に生じる変形を防止するため、仕上げ圧延およびその上流側圧延工程においてウエブ又はウエブ及びフランジを冷却しながら圧延することを特徴とする。
【特許文献1】特開昭58−215203号公報
【特許文献2】特開昭63−281709号公報
【特許文献3】特開2000−61501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
近年、土木用の部材として用いられる鋼矢板は、建設工数の低減や工事費削減を目的に、幅が500mm以上で、ウエブの肉厚も増大しているため、反りによる変形量が大きく、下反りにより搬送作業が中断されることが増加し、下反り防止技術の確立が強く要望されている。
しかしながら、特許文献1記載の方法は、最終仕上げ圧延前にウエブやフランジを所定の温度に冷却制御することが必要で、新たに冷却設備を設ける必要がある。近年求められている大型の鋼矢板の場合、設備は大掛かりとなるためその実施には膨大な設備費を要し、生産能率自体も低下する。
【0014】
尚、仕上げ圧延後、仕上げ圧延終了時のフランジとウエブの温度を変態点温度以上とし、且つ常温になった状態で、ウエブとフランジの熱収縮量を同じとなるように、ウエブの温度を調整した場合(特許文献3)、常温になった状態での歪は少ないものの、冷却途中において下反りが発生することは避けられない。また、圧延ラインには冷却設備を必要とする。
【0015】
また、仕上げ圧延終了時にウエブとフランジを全く同じ温度とした場合、常温となる最終冷却時において変形は小さくなるが、冷却途中における反りの発生は防止できない。
【0016】
そこで、本発明は既存の設備の大幅な設備改造や圧延スケジュールの変更を要することなく、且つ生産能率を低下させることなく、仕上げ圧延後、冷却途中における下反りの発生を防止するU形鋼矢板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者等は、仕上げ圧延後、冷却途中に生じる下反りは、仕上げ圧延終了時、フランジに対し、ウエブがより高温のため、冷却途中においてはフランジがまずオーステナイトからフェライトが析出する変態により膨張し、次にウエブが変態膨張することが主因で、変態膨張の時間的ズレを減少させることが下反り発生抑制に有効なことを見出した。
【0018】
本発明は得られた知見を基に更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は、
1.フランジとウエブを、圧延終了温度をAr3変態点以上で仕上げ圧延後、自然放冷るU形鋼矢板の製造において、仕上げ圧延終了後、ウエブを水冷し、ウエブのAr3変態を制御し、下反りを防止することを特徴とするU形鋼矢板の製造方法。
2.フランジのAr3変態終了後、ウエブのAr3変態終了までにおいてウエブを水冷し、下反りを防止することを特徴する請求項1に記載のU形鋼矢板の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、仕上げ圧延終了後、冷却過程における下反りの発生が抑制されるので、1 搬送ラインでの搬送が円滑となる。2 仕上げ圧延終了温度を制御する必要がないので、圧延能率への影響が生じない。3 下反りによる鋼矢板先端、後端とのエプロンの衝突が防止されるため、設備の保守管理が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、仕上げ圧延後の冷却過程でウエブを水冷することにより、ウエブの温度降下を早めて、フランジのAr3変態域(開始から終了までの期間)とウエブのAr3変態終了までの間隔を短縮させる。
【0021】
仕上げ圧延終了後において、フランジのAr3変態終了後、ウエブを水冷し、フランジとウエブのAr3変態域(開始から終了)の時間的間隔を短縮すると、ウエブの変態膨張による、フランジとウエブの温度差の拡大が抑制され下反りが防止される。
図1は、本発明を説明する図で、(a)はU形鋼矢板の仕上げ圧延後におけるウエブとフランジの冷却曲線を示し、(b)は冷却に伴う反り量を示す。
【0022】
フランジが変態を開始すると、その変態膨張によりまず上反りが発生する。変態が終了すると、ウエブとフランジの温度差が縮まるため、上反りは解消する。その後、ウエブが変態を開始するとその変態膨張により下反りが発生する。
【0023】
フランジの変態が終了後であって、ウエブの変態終了までにおいて、ウエブの水冷を実施すると、ウエブとフランジの温度差は縮小するので、下反りが防止される。
【0024】
上述したように、本発明においてウエブの水冷は、フランジとウエブの温度差を縮小させることが目的であり、ウエブの材質変化が生じない程度の冷却条件でもその作用効果が得られる。
【0025】
この場合、ウエブの変態終了後に水冷を実施しても、変態発熱により冷却効果が損なわれるため、変態膨張により発生する下反りを減少させることは難しい。
【0026】
一方、フランジの変態終了前にウエブの冷却を開始すると、フランジとウエブの温度差が拡大するため、上反りが増加する。上反りは下反りに比べると、搬送上、障害となる場合は少ないが、過大な場合は、ライン上の構造物と接触するようになり、円滑な搬送が阻害される場合が生じることもある。
【0027】
そのため、本発明では、水冷はフランジの変態終了後、ウエブの変態開始前とすることが好ましい。但し、ウエブの材質変化が許容できる場合は、ウエブの冷却は急冷であっても良く、本発明はウエブの冷却として急冷を除外するものではない。
【0028】
ウエブの冷却条件は、実機と同じ材質、寸法のダミーの鋼矢板を用い、予め、求めておくことが可能である。
【0029】
例えば、上梓されている鋼矢板は、板厚24mm程度のウエブと板厚14mm程度のフランジを有する鋼矢板が多く、この場合は水冷によるウエブの温度降下量は、仕上げ圧延終了から600秒後において、20℃以上、150℃以下とすることが好ましい。20℃未満ではウエブの変態終了後に発生する下反りを防止することができない場合も生じる。
【0030】
図3は板厚24mmのウエブと板厚14mmのフランジを有する鋼矢板において、ウエブを水冷した場合の、ウエブの温度降下量を示す図で、(a)はU形鋼矢板の仕上げ圧延後におけるウエブ(圧延終了温度810℃)とフランジ(圧延終了温度750℃)の冷却曲線を示し、(b)は冷却に伴う反り量を示す。
反り量は全長10mにおけるウエブの、水平面からの最大偏位量とした。反り量が+の場合は、上反り、−の場合は下反りが生じていることを示す。鋼矢板は、Ar3変態点が720℃となる成分組成とした。水冷によるウエブの温度降下量の制御は、同じ材質、寸法のダミー材を用い、所望の温度降下量が得られる水冷条件を予め求めて行い、ウエブの水冷はフランジのAr3変態完了後に開始し、約30秒間実施した。
【0031】
ウエブの冷却曲線No.1は、水冷によりウエブの温度降下量を50℃とした場合で、下反りが解消し、上反りが収束した後においても下反りは生じなかった。ウエブの冷却曲線No.2は、水冷によりウエブの温度降下量を100℃とした場合で、下反りが解消し、上反りが収束した後においても下反りは生じなかった。 ウエブの冷却曲線No.3は、水冷によりウエブの温度降下量を150℃とした場合で、下反りが解消し、上反りが収束した後においても下反りは生じなかった。
【0032】
一方、150℃を超えると、下反りは解消されるが、ウエブが冷却途中にフランジ温度よりも下がって冷却中に大きな上反りが発生し、連続的な搬送が阻害された。尚、ウエブの冷却曲線No.4は自然放冷の場合を示す。
【0033】
該水冷における冷却速度は、ウエブの板厚により相違するが、その下限は設備的制約や生産性の観点から規定し、その上限は高冷却速度により焼入れ組織が生じないように規定する。通常、水量密度で約40〜1000l/分・mとすることが好ましい。
【0034】
冷却速度が遅い場合、通過型冷却装置では全長を長くすることが必要で、滞在型冷却装置では、冷却時間が長くなって、圧延能率が低下する。
【実施例】
【0035】
図2に示すU形鋼矢板製造設備を用いて、仕上げ圧延後、ウエブを種々の条件で冷却した。ウエブは板厚24mmで圧延終了温度810℃、フランジは板厚14mmで圧延終了温度750℃で仕上げ圧延を終了した。
【0036】
表1に仕上げ圧延後のウエブとフランジの冷却条件を示す。実施例No.1〜3は、フランジの変態終了後、ウエブの変態開始前に行う冷却による温度降下量(温度降下分)を上述した好ましい範囲とし、仕上げ圧延終了後、600秒後において20℃以上、150℃以内とした本発明例で、常温に冷却後、上反りは発生するが下反りの発生は抑制された。
【0037】
実施例No.4は、実施例No.1と同じ時期に冷却を開始したが、温度降下量を200℃としたので、下反りは解消されるが、ウエブが冷却途中にフランジ温度よりも下がって冷却中に大きな上反りが発生したが、連続的な搬送が阻害される下反りの発生はなかった。
【0038】
また、実施例No.5は、フランジの変態開始前にウエブを冷却し、その温度降下量を50℃とした場合で、下反りは発生しなかったが、反り量が200mmの上反りが発生した。
【0039】
一方、実施例No.6は仕上げ圧延後にフランジ、ウエブを放冷した場合で、仕上げ圧延後、360秒前後から鋼矢板に下反りが発生し始め、鋼矢板先端、後端がエプロンに接触し、テーブルロールが空転し、搬送不能となった。
【0040】
800秒後から下反りが解消され搬送可能となったが、それまでの約400秒間、圧延ラインに当該鋼矢板が滞留し、新たな圧延ができず、大幅に圧延能率が低下した。
【0041】
実施例No.7は、ウエブ変態終了後に冷却を開始したため、温度降下量は50℃であったが、冷却途中に下反りが発生した。
【0042】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の基本原理を説明する図
【図2】U形鋼矢板の製造プロセスの一例を示す図。
【図3】本発明を説明する図で(a)はU形鋼矢板の仕上げ圧延後におけるウエブとフランジの冷却曲線を示し、(b)は冷却に伴う反り量を示す図。
【図4】U形鋼矢板の断面図。
【図5】反りを説明する図で(a)は上反り、(b)は下反りを説明する図。
【図6】上反りが生じた鋼矢板の搬送状況を説明する図で(a)は側面図、(b)は斜方外観図を示す。
【符号の説明】
【0044】
1 U形鋼矢板
2 ウエブ
3 フランジ
4 テーブルロール
5 エプロン
6 加熱炉
7 ブレークダウン圧延機
8 粗圧延機
9 仕上げ圧延機
10 切断機




 

 


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