米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> JFEスチール株式会社

発明の名称 溶融金属収容容器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30020(P2007−30020A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−220251(P2005−220251)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 加藤 誠 / 加藤 久樹 / 奥田 治志
要約 課題
加熱・乾燥時に発生する蒸気などのガスを抜くための蒸気抜き孔の設置された溶融金属収容容器において、仮に溶融金属が永久張り耐火物の目地を通って鉄皮の位置まで流入しても、流入した溶融金属が蒸気抜き孔から溶融金属収容容器の外部に流出することを防止することのできる溶融金属収容容器を提供する。

解決手段
上記課題は、永久張り耐火物4が定形耐火物で施工され、且つ、耐火物の加熱・乾燥時に発生するガスを抜くための蒸気抜き孔3の設置された溶融金属収容容器1において、前記蒸気抜き孔の設置位置と前記永久張り耐火物の目地とが一致せず、ずれている溶融金属収容容器によって解決することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
永久張り耐火物が定形耐火物で施工され、且つ、耐火物の加熱・乾燥時に発生するガスを抜くための蒸気抜き孔の設置された溶融金属収容容器であって、前記蒸気抜き孔の設置位置と前記永久張り耐火物の目地とが一致せず、ずれていることを特徴とする溶融金属収容容器。
【請求項2】
前記蒸気抜き孔の設置位置と前記永久張り耐火物の目地との最短距離が30mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融金属収容容器。
【請求項3】
前記蒸気抜き孔の設置間隔を、最も鉄皮側に施工される永久張り耐火物の寸法の整数倍とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の溶融金属収容容器。
【請求項4】
前記溶融金属収容容器は、溶銑を収容するための容器であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の溶融金属収容容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶銑や溶鋼などの溶融金属を収容するための溶融金属収容容器に関し、詳しくは、溶融金属収容容器の鉄皮に設けられる蒸気抜き孔を施工される耐火煉瓦層の目地に応じて配置した溶融金属収容容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶銑鍋、取鍋、トーピードカーなどの溶融金属収容容器は、溶銑や溶鋼などの高温溶融金属の移動或いは精錬処理のために不可欠なものであり、鉄鋼業や金属工業などで広く使用されている。この溶融金属収容容器は、外殻を形成する鉄皮の内面側に永久張り耐火物が施工され、この永久張り耐火物の内側に内張り耐火物が施工されて構成されている。永久張り耐火物は「永久煉瓦」とも呼ばれ、通常、定形耐火物(「成形煉瓦」ともいう)で施工されるが、小型の溶融金属収容容器では不定形耐火物で施工する場合もある。また、内張り耐火物は「ワーク煉瓦」とも呼ばれ、定形耐火物或いは不定形耐火物で施工されている。内張り耐火物は、溶融金属と直接接触するので損耗し、吹き付け補修などの補修が施されながら使用されるが、所定の厚みが確保できなくなった時点で解体され、新たな内張り耐火物が施工される。
【0003】
新たに耐火物の施工された溶融金属収容容器では、定形耐火物の目地材であるモルタル(不定形耐火物の1種)や流し込み施工された不定形耐火物に含有される水分及び揮発分を除去する必要があり、そのため、加熱されて水抜き乾燥が行われる。この加熱・乾燥によって水分及び揮発分はガスになり、大気中に放散するが、永久張り耐火物の前面には内張り耐火物が施工されていることから、永久張り耐火物の部位から発生するガスの排出径路を確保するために、溶融金属収容容器の外殻を形成する鉄皮には、特許文献1及び特許文献2に示されるように、鉄皮を貫通して多数の蒸気抜き孔(「ガス抜き孔」ともいう)が設置されている。内張り耐火物を不定形耐火物で施工した場合には、内張り耐火物から発生する水蒸気は多く、この場合には、内張り耐火物の永久張り耐火物と接触する面から発生する水蒸気も蒸気抜き孔を通って外部に排出される。
【特許文献1】実開平2−34996号公報
【特許文献2】特開平3−217791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようにして構成される溶融金属収容容器においても、内張り耐火物が剥離、脱落など何らかの理由によって無くなってしまった場合、或いは内張り耐火物に貫通する亀裂が発生した場合には、永久張り耐火物が溶融金属と直接接触することになる。この場合、永久張り耐火物を定形耐火物で施工したときには、溶融金属は永久張り耐火物の目地を通って更に鉄皮の位置まで流入することもある。通常、鉄皮の位置まで流入した溶融金属は鉄皮と接触することによって冷却されて凝固するが、永久張り耐火物の目地と蒸気抜き孔の設置位置とが一致する場合には、目地を通った溶融金属はこの蒸気抜き孔を通り、溶融金属収容容器の外部に流出するというトラブルに至る。一旦、蒸気抜き孔から流出すると、溶融金属収容容器内の温度の高い溶融金属が供給されることから、次第に流出量が多くなり、溶融金属収容容器内の溶融金属レベルが流出した蒸気抜き孔と同レベルになるまで、流出が継続する。特に、溶銑のように融点や粘性が比較的低い溶融金属の場合に、このトラブルが発生しやすくなる。
【0005】
特許文献1及び特許文献2に示すように、従来、蒸気抜き孔の設置位置はランダムであり、永久張り耐火物のサイズと蒸気抜き孔の設置間隔とに応じて、或る頻度で永久張り耐火物の目地と蒸気抜き孔の設置位置とが一致し、上記のトラブルを誘発する原因となっていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、加熱・乾燥時に発生する蒸気などのガスを抜くための蒸気抜き孔の設置された溶融金属収容容器において、仮に溶融金属が永久張り耐火物の目地を通って鉄皮の位置まで流入しても、流入した溶融金属が蒸気抜き孔から溶融金属収容容器の外部に流出することを防止することのできる溶融金属収容容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶融金属収容容器は、永久張り耐火物が定形耐火物で施工され、且つ、耐火物の加熱・乾燥時に発生するガスを抜くための蒸気抜き孔の設置された溶融金属収容容器であって、前記蒸気抜き孔の設置位置と前記永久張り耐火物の目地とが一致せず、ずれていることを特徴とするものである。
【0008】
第2の発明に係る溶融金属収容容器は、第1の発明において、前記蒸気抜き孔の設置位置と前記永久張り耐火物の目地との最短距離が30mm以上であることを特徴とするものである。
【0009】
第3の発明に係る溶融金属収容容器は、第1または第2の発明において、前記蒸気抜き孔の設置間隔を、最も鉄皮側に施工される永久張り耐火物の寸法の整数倍とすることを特徴とするものである。
【0010】
第4の発明に係る溶融金属収容容器は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記溶融金属収容容器は、溶銑を収容するための容器であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の溶融金属収容容器によれば、蒸気抜き孔の設置位置と永久張り耐火物の目地とを一致させずにずらしているので、仮に溶融金属が永久張り耐火物の目地を通って鉄皮の位置まで流入しても、流入した溶融金属は蒸気抜き孔の設置位置に到達する以前に鉄皮によって冷却されて凝固するので、蒸気抜き孔からの溶融金属の流出というトラブルを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態例を示す図であって、本発明に係る溶融金属収容容器を側面から見た概略断面図、図2は、図1のX−X’矢視による概略部分断面図である。
【0013】
図1では、溶融金属収容容器として溶銑鍋1を例示しており、溶銑鍋1は、高炉から出銑される溶銑を受銑し、受銑した溶銑を次工程の転炉へ搬送するための容器である。この転炉への搬送途中で、脱硫処理、脱珪処理及び脱燐処理などの溶銑予備処理が施される場合もある。この溶銑鍋1は、図1及び図2に示すように、その外殻を鉄皮2で形成され、この鉄皮2の内側に、第1層目の定形耐火物4aと第2層目の定形耐火物4bとからなる永久張り耐火物4が施工され、この永久張り耐火物4の内側に、定形耐火物からなる内張り耐火物5が施工されている。この場合、第1層目の定形耐火物4aの目地と第2層目の定形耐火物4bとの目地が一致しないようにするため、両端部の定形耐火物4a,4bのサイズをそれぞれ変更している。
【0014】
尚、永久張り耐火物4は、溶銑鍋1の内張り耐火物5の張り替えの際には繰り返し再使用されるものであり、図1においては2層の定形耐火物4a,4bから構成されているが、1層としても、また、3層以上としても構わない。また、図1では、内張り耐火物5として定形耐火物が施工されているが、不定形耐火物の流し込み施工としてもよい。また更に、図1に示す溶銑鍋1では底部が下方に凸の球状であるが、底部を平面としてもよい。永久張り耐火物4としては、ロウ石煉瓦やシャモット煉瓦、高アルミナ煉瓦などを使用することができ、内張り耐火物5としては、アルミナ−マグネシア−炭素質耐火物やアルミナ−炭化珪素−炭素質耐火物などを使用することができる。但し、使用する煉瓦はこれらに限るものではなく、どのような種類の煉瓦であっても本発明を適用することができる。
【0015】
溶銑鍋1の側壁上部には、鉛直方向に向いた鉄皮2に水平方向に伸びる鉄皮フランジ8が円周方向に設けられ、この鉄皮フランジ8を取り囲んで埋没させ、且つ鉄皮フランジ8と永久張り耐火物4の上端面及び内張り耐火物5の上端面との間隙を充填するための不定形耐火物6が施工されている。つまり、鉄皮フランジ8と不定形耐火物6とによって、永久張り耐火物4及び内張り耐火物5は脱落しないように押さえ付けられている。この溶銑鍋1ではこのようにして永久張り耐火物4及び内張り耐火物5が押さえ付けられているが、例えば鉄皮フランジ8を設置せずに不定形耐火物6のみで押さえ付けるようにしても構わない。
【0016】
また、壁部と底部の境界位置のように、鉄皮2の曲率の変化する箇所では、永久張り耐火物4を連続して施工することができず、そのような個所にはモルタル7を充填している。尚、鉄皮2と永久張り耐火物4との間に、セラミックシートなどからなる断熱材(図示せず)を設けてもよい。
【0017】
鉄皮2には、施工された耐火物の加熱・乾燥時に発生する水蒸気などのガスを放出するための蒸気抜き孔3が、側壁の上端部から底部の中心部に至るまで設置されている。また、溶銑鍋1の円周方向でもほぼ均等な間隔で設置されている。そして、この蒸気抜き孔3は、永久張り耐火物4のうちの第1層目の定形耐火物4aの目地と一致しない位置に設置されている。これは、永久張り耐火物4として使用する第1層目の定形耐火物4aのサイズに応じて蒸気抜き孔3を設置することで、目的とする形状の溶銑鍋1を得ることができる。また、一旦蒸気抜き孔3を鉄皮2に設置したならば、蒸気抜き孔3の設置位置に応じて、目地と蒸気抜き孔3の設置位置とが一致しないようにするため、永久張り耐火物4として使用する定形耐火物4aのサイズを決める必要がある。
【0018】
具体的には、施工される永久張り耐火物4の巾寸法及び高さ寸法の整数倍の間隔で蒸気抜き孔3を設置することにより、永久張り耐火物4の加工を最小限に抑えて、目的を達成することができる。また、永久張り耐火物4をモルタル施工する場合には、その目地寸法も考慮する必要がある。
【0019】
この場合、蒸気抜き孔3の設置位置と定形耐火物4aの水平方向の目地との距離をLvとし、蒸気抜き孔3の設置位置と定形耐火物4aの鉛直方向の目地との距離をLhとしたときに、距離(Lv)及び距離(Lh)のうちのどちらか短い方の距離が30mm以上を確保できるように、使用する定形耐火物4aの形状を設定することが好ましい。これは、仮に収容した溶銑が定形耐火物4aの目地を通って鉄皮2の内面側まで流入しても、距離(Lv)及び距離(Lh)が長くなるほど流入した溶銑に対する鉄皮2による冷却効果が大きくなり、蒸気抜き孔3からの溶銑の流出を防止する効果が大きくなるからである。経験上、蒸気抜き孔3の大きさは直径が7〜15mm程度でよく、鉄皮2の2500〜6400cm2 の表面積当たりに1箇所程度設置すればよい。
【0020】
このようにして構成される本発明の溶銑鍋1を使用することで、仮に内張り耐火物5が剥離・脱落などして溶銑鍋1に収容された溶銑が永久張り耐火物4である定形耐火物4b及び定形耐火物4aの目地を通って鉄皮2の位置まで流入しても、流入した溶銑は蒸気抜き孔3の設置位置に到達する以前に鉄皮2によって冷却されて凝固するので、蒸気抜き孔3からの溶銑の流出を未然に防止することができる。
【0021】
尚、上記説明は、溶融金属収容容器として溶銑鍋1について説明したが、溶融金属収容容器は溶銑鍋1に限るものではなく、溶銑を収容して搬送するトーピードカー、溶銑を転炉に装入するための溶銑装入鍋、転炉から出湯される溶鋼を収容して搬送する取鍋、連続鋳造工程のタンディッシュなどに適用可能である。特に、溶鋼に比べて凝固温度の低い溶銑を収容する容器で適用する場合に、大きな効果が期待できる。
【実施例1】
【0022】
直径が4500mm、高さが4650mmである、図1に示す形状の溶銑鍋に本発明を適用した。側壁鉄皮には、高さ方向に7箇所、円周方向に24箇所の合計168箇所に直径10mmの蒸気抜き孔を設置し、底部鉄皮には、底部中心点を中心とする4つの円周上に、内側から外側の各円周上に、それぞれ10箇所、12箇所、18箇所、24箇所の合計64箇所に直径10mmの蒸気抜き孔を設置した。第1層目の定形耐火物として巾114mm、高さ230mmのサイズの定形耐火物を用いているため、蒸気抜き孔の間隔は、モルタル代2mmを考慮して、円周方向:(114mm+2mm)×5=580mm、高さ方向:(230mm+2mm)×3=696mmと設定した。蒸気抜き孔と第1層目の定形耐火物の目地との最短距離は50mmであった。
【0023】
この溶銑鍋を使用して高炉から出銑される溶銑を受銑し、受銑した溶銑に脱珪処理、脱燐処理及び脱硫処理を施した後に、転炉に搬送した。従来、蒸気抜き孔の設置位置と第1層目の定形耐火物の目地との関係を考慮せずに施工した溶銑鍋では、内張り耐火物の積替え時に、永久張り耐火物の目地材(モルタル)が劣化して、蒸気抜き孔と貫通しているのが観察された。このような場合には、トラブルの未然防止として、永久張り耐火物の部分的な積替えを実施していたが、本発明の溶銑鍋では、蒸気抜き孔が確実に塞がれているために、永久張り耐火物の積替えは不要であった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る溶融金属収容容器を側面から見た概略断面図である。
【図2】図1のX−X’矢視による概略部分断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 溶銑鍋
2 鉄皮
3 蒸気抜き孔
4 永久張り耐火物
4a 定形耐火物
4b 定形耐火物
5 内張り耐火物
6 不定形耐火物
7 モルタル
8 鉄皮フランジ




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013