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発明の名称 塗装膜厚制御方法及びそのシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29765(P2007−29765A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−211985(P2005−211985)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 平田 丈英 / 浅野 一哉 / 末嶋 晋一 / 磯川 徹 / 土田 尚史
要約 課題
パラメータの調整が簡単でかつ高いモデル予測精度を有する塗装膜厚制御方法及びそのシステムを提供することを目的とする。

解決手段
先行材データ入力部1では、先行材の各種操業実績値または設定値が入力され、当該材データ入力部2では、当該材の各種操業設定値が入力される。先行材からの偏差データ作成部3では、先行材データ入力部1で入力されたデータと当該材データ入力部2で入力されたデータについて、データ項目ごとに差分がとられる。こうして作成された先行材からの偏差データは、モデル予測部4に入力され、予測値が演算される。そして、この予測値に従い、膜厚制御操作量設定部5で膜厚制御操作量が設定される。
特許請求の範囲
【請求項1】
連続的に移動する帯状体にロールコータにより塗料を転写・塗装する操業の際に塗装膜の厚さの制御を行う塗装膜厚制御方法において、
これから塗装を行う被塗装材の膜厚に影響を与える操業因子の設定値Csetと、前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の前記操業因子の設定値Cset -1または実績値Cact -1との差である先行材からの変化量△Csetを求め、
該先行材からの変化量△Csetに基づいて、前記被塗装材の膜厚の、前記先行材からの変化量予測値△Tpreを求め、
該変化量予測値△Tpreに基づいて操作量の設定値を決定することを特徴とする塗装膜厚制御方法。
【請求項2】
連続的に移動する帯状体にロールコータにより塗料を転写・塗装する操業の際に塗装膜の厚さの制御を行う塗装膜厚制御方法において、
膜厚に影響を与える操業因子のなかから、膜厚が所定の目標値となるように直接操作する操業因子を操作量Uとして選択し、それ以外の残りの操業因子を操業因子Fとし、
これから塗装を行う被塗装材の膜厚目標値Tsetと、前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の膜厚目標値Tset -1または膜厚実績値Tact -1との差△Tsetを求め、
前記操業因子Fの設定値Fsetと、前記先行材における設定値Fset -1または実績値Fact -1との差△Fsetを求め、
求めた△Tsetと△Fsetに応じて、前記操作量の設定値Usetを決定することを特徴とする塗装膜厚制御方法。
【請求項3】
これから塗装を行う被塗装材の各種操業設定値を入力する当該材データ入力部と、
前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の各種操業実績値または設定値を入力する先行材データ入力部と、
該先行材データ入力部で入力されたデータと前記当該材データ入力部で入力されたデータについて、それぞれのデータ項目ごとに先行材からの差分をとる偏差データ作成部と、
該偏差データ作成部で作成した偏差データに基づいて、予測値を演算するモデル予測部と、
該モデル予測部での予測値に従い、膜厚制御操作量を設定する膜厚制御操作量設定部とを備えることを特徴とする塗装膜厚制御システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装膜の厚さを制御する塗装膜厚制御方法及びそのシステムに関し、特にロールコータによる鋼板などの塗装に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼板では、その耐食性などの性能向上を図るために、例えば亜鉛めっき鋼板上にクロムや樹脂などをコーティングすることが一般的に行われている。上記鋼板に対するコーティングは、一般に、塗料パン内の塗料を引き上げるためのピックアップロールと該ピックアップロールから塗料を受取り、鋼板の表面に該塗料を転写して塗装するためのアプリケータロールにより行われる。
【0003】
このような塗装の場合、鋼板の搬送速度に対するアプリケータロールの周速、アプリケータロールとピックアップロールの周速差、鋼板とアプリケータロール間の押付圧、アプリケータロールとピックアップロール間の押付圧、塗料の濃度、粘度など様々な因子により膜厚が変化する。
【0004】
このような塗装におけるこれまでの膜厚制御方法としては、流体理論に基づいた非線形物理モデルを用いた制御方法などが知られており、例えば、特許文献1および特許文献2に開示された技術がある。
【特許文献1】特開平5−169012号公報
【特許文献2】特開平5−220441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の特許文献1および特許文献2に開示された技術では、物理モデルが非線形で非常に複雑であるため、パラメータの調整が非常に難しく、その結果、高い予測精度を得にくいという問題があるとともに、また、数ヶ月経つと操業条件が変化し、予測精度がますます劣化するという問題がある。さらに、家電製品、自動車等の広い用途に塗装鋼板が使用されているため、近年は次々に規格が増加する上、高品質が要求される傾向にあり、規格ごとのパラメータ調整に労力がかかるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、パラメータの調整が簡単でかつ高いモデル予測精度を有する塗装膜厚制御方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、連続的に移動する帯状体にロールコータにより塗料を転写・塗装する操業の際に塗装膜の厚さの制御を行う塗装膜厚制御方法において、これから塗装を行う被塗装材の膜厚に影響を与える操業因子の設定値Csetと、前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の前記操業因子の設定値Cset -1または実績値Cact -1との差である先行材からの変化量△Csetを求め、該先行材からの変化量△Csetに基づいて、前記被塗装材の膜厚の、前記先行材からの変化量予測値△Tpreを求め、該変化量予測値△Tpreに基づいて操作量の設定値を決定することを特徴とする塗装膜厚制御方法である。
【0008】
また本発明の請求項2に係る発明は、連続的に移動する帯状体にロールコータにより塗料を転写・塗装する操業の際に塗装膜の厚さの制御を行う塗装膜厚制御方法において、膜厚に影響を与える操業因子のなかから、膜厚が所定の目標値となるように直接操作する操業因子を操作量Uとして選択し、それ以外の残りの操業因子を操業因子Fとし、これから塗装を行う被塗装材の膜厚目標値Tsetと、前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の膜厚目標値Tset -1または膜厚実績値Tact -1との差△Tsetを求め、前記操業因子Fの設定値Fsetと、前記先行材における設定値Fset -1または実績値Fact -1との差△Fsetを求め、求めた△Tsetと△Fsetに応じて、前記操作量の設定値Usetを決定することを特徴とする塗装膜厚制御方法である。
【0009】
さらに本発明の請求項3に係る発明は、これから塗装を行う被塗装材の各種操業設定値を入力する当該材データ入力部と、前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の各種操業実績値または設定値を入力する先行材データ入力部と、該先行材データ入力部で入力されたデータと前記当該材データ入力部で入力されたデータについて、それぞれのデータ項目ごとに先行材からの差分をとる偏差データ作成部と、該偏差データ作成部で作成した偏差データに基づいて、予測値を演算するモデル予測部と、該モデル予測部での予測値に従い、膜厚制御操作量を設定する膜厚制御操作量設定部とを備えることを特徴とする塗装膜厚制御システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、対象とする被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の操業因子の設定値または実績値との差である先行材からの変化量を求め、この先行材からの変化量に基づいて、前記被塗装材の膜厚の、前記先行材からの変化量予測値を求めるようにしたので、塗料の性状(濃度、粘度など)、鋼板の表面粗さおよび雰囲気温度といった環境変化の影響が小さくなり膜厚予測精度の向上が可能となる。また、求めた膜厚予測値に基づき膜厚制御の操作量の設定値を決定するようにしたので、塗装膜厚を所定の値に制御でき、膜厚の目標値外れによる不良材の減少が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図2は、本発明が対象とするロールコータにより鋼板などを塗装する塗装装置の全体構成例を示す図である。図中、11はコータパン、12は塗料、13はピックアップロール、14はトランスファーロール、15はアプリケータロール、および16は鋼板をそれぞれ表す。
【0012】
コータパン11内の塗料12は、ピックアップロール13により引上げられ、トランスファーロール14を経由してアプリケータロール15に転写される。さらに、アプリケータロール15に転写された塗料は鋼板16の表面に転写される。なお、鋼板16に転写された塗料は、付着量計または膜厚計(図示せず)にて付着量または膜厚を計測すると共に、塗布された鋼板はオーブン(図示せず)で乾燥される。
【0013】
鋼板16に転写された塗料の付着量Mは、例えばピックアップロール13、トランスファーロール14、およびアプリケータロール15のそれぞれの押付圧・周速(NP、NT、NA、VP、VT、VA)、被塗装材である鋼板の搬送速度LSおよび鋼板厚さ・鋼板張力といった操業因子、さらに塗料12の性状(濃度、粘度など)、鋼板の表面粗さおよび雰囲気温度といった環境因子など様々な要因により変化する。ここで、環境因子を計測していない因子として定義して、上記のものをその例として挙げているが、例えば鋼板の表面粗さや雰囲気温度を計測できる又はしているという場合には、積極的に操業因子に入れていくことができる。この逆に、操業因子として計測できる又はしている因子として挙げているものでも、環境因子に入れなければならない場合もある。
【0014】
このような要因の中で、付着量に最も影響する因子の1つとしてピックアップロール押付圧NPがある。図3は、付着量とピックアップロール押付圧の実績値をプロットした図である。塗料の粘度、被塗装材の表面粗さ、雰囲気温度などの環境因子による影響により、図に示すように付着量とピックアップロール押付圧間の相関が見えにくくなっていることが分る。
【0015】
そこでこのような環境因子の影響を取除くため、本発明では対象材の1つ前に塗装を実施した先行材からの変化量をとることとした。さらに、付着量とピックアップロール押付圧のそれぞれの先行材からの変化量間に、以下の(1)式の関係が成り立つと仮定すると、式中のoffsetがPUR押付圧(すなわち操作量U)以外の操業因子により大きく変動するということを発見した。図4および図5は、offsetと各因子との関係例を示すものであり、それぞれコータ張力およびアプリケータロール押付圧との関係を示している。
【0016】
先行材からの付着量変化量=K×先行材からのPUR押付圧変化量+offset ・・・(1)
ここで、Kは定数である。
このことから、従来の複雑な非線形物理モデルを用いなくても、先行材からの変化量をとることにより、例えば簡単な回帰モデルでも付着量予測が可能である。
【0017】
図1は、本発明に係るシステムの全体構成例を示す図である。本システムは、先行材データ入力部1、当該材データ入力部2、先行材からの偏差データ作成部3、モデル予測部4、および膜厚制御操作量設定部5から構成される。
【0018】
先行材データ入力部1では、先行材の各種操業実績値または設定値が入力される。当該材データ入力部2では、当該材の各種操業設定値が入力される。先行材からの偏差データ作成部3では、先行材データ入力部1で入力されたデータと当該材データ入力部2で入力されたデータについて、データ項目ごとに差分がとられる。こうして作成された先行材からの偏差データは、モデル予測部4に入力され、予測値が演算される。そして、この予測値に従い、膜厚制御操作量設定部5で膜厚制御操作量が設定される。
【0019】
モデル予測部4では、例えば回帰モデルを用いて予測を行う。この場合、予め過去のデータから回帰モデルを作成し用意しておく必要がある。具体的には、各要因を入力変数x1,x2,・・・xj,・・・(j=1〜n、nは入力変数の数)として選択し、以下の(2)式のような回帰式を定義する。
【0020】
【数1】


【0021】
そして、上記係数a1,a2,・・・,aj,・・・(j=1〜p)を予め過去のデータから回帰により求める。予測対象材に対する予測値は、当該材データ入力部2で入力された予測対象材に対する入力変数q1,q2,q3,・・・,qnを(2)式に代入して求める。
【0022】
上述のロジックを用いた具体的な塗装膜厚制御方法としては、1)これから塗装を行う被塗装材の膜厚に影響を与える1つ以上の操業因子の設定値Csetと、前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の前記操業因子の設定値Cset -1または実績値Cact -1との差である先行材からの変化量△Csetを求め、該先行材からの変化量△Csetに基づいて、前記被塗装材の膜厚の、前記先行材からの変化量予測値△Tpreを求め、該変化量予測値△Tpreに基づいて操作量の設定値を決定する方法と、2)膜厚に影響を与える1つ以上の操業因子のなかから、膜厚が所定の目標値となるように直接操作する操業因子のうち1つを操作量Uとして選択し、それ以外の残りの操業因子を操業因子Fとし、これから塗装を行う被塗装材の膜厚目標値Tsetと、前記被塗装材の1つ前に塗装を実施した先行材の膜厚目標値Tset -1または膜厚実績値Tact -1との差△Tsetを求め、
前記操業因子Fの設定値Fsetと、前記先行材における設定値Fset -1または実績値Fact -1との差△Fsetを求め、求めた△Tsetと△Fsetに応じて、前記操作量の設定値Usetを決定する方法、の2種類がある。
【実施例】
【0023】
本発明の実施例として、図2に示した塗装装置への適用例について説明する。図6は、本発明と従来法による予測結果の比較例1を示す図である。入力変数としてピックアップロール押付圧変化量、アプリケータロール押付圧変化量、ピックアップロールとアプリケータロールの周速差の変化量、およびアプリケータロールの周速とライン速度差の変化量を選び、回帰モデルの出力として付着量を直接予測した場合の結果であり、本発明による付着量予測結果(b)と、従来の物理モデルによる付着量予測結果(a)とを比較したものである。
【0024】
膜厚計による実測値と予測値との差であるモデル誤差は、従来法と本発明とで、平均値および標準偏差をそれぞれとって見れば、平均値(−1.35[従来法]、+1.52[本発明]mg/m)および標準偏差(7.10[従来法]、5.94[本発明]mg/m)と、誤差平均の絶対値はほぼ同等であるが、バラツキは本発明による予測値の方が格段に小さくなっており、本発明による予測精度の向上が確認できる。
【0025】
また、図7は、本発明と従来法による予測結果の比較例2を示す図である。入力変数としてピックアップロール押付圧変化量、アプリケータロール押付圧変化量、ピックアップロールとアプリケータロールの周速差の変化量、およびアプリケータロールの周速とライン速度差の変化量を選び、回帰モデルの出力として(1)式におけるoffsetとし、その後、予め求めておいた(1)式におけるKを用いて(1)式により付着量を間接的に予測した場合の結果であり、本発明による付着量予測結果(b)と、従来の物理モデルによる付着量予測結果(a)とを比較したものである。
【0026】
膜厚計による実測値と予測値との差であるモデル誤差は、従来法と本発明とで、平均値および標準偏差をそれぞれとって見れば、平均値(−1.35[従来法]、+1.50[本発明]mg/m)および標準偏差(7.10[従来法]、6.41[本発明]mg/m)と、この例でも誤差平均の絶対値はほぼ同等であるが、バラツキは本発明による予測値の方が格段に小さくなっており、本発明による予測精度の向上が確認でき、これらを用いた膜厚制御により膜厚の目標値外れによる不良材の減少が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るシステムの全体構成例を示す図である。
【図2】塗装装置の全体構成例を示す図である。
【図3】付着量とピックアップロール押付圧の実績値をプロットした図である。
【図4】offsetとコータ張力との関係を示す図である。
【図5】offsetとアプリケータロール押付圧との関係を示す図である。
【図6】本発明と従来法による予測結果の比較例1を示す図である。
【図7】本発明と従来法による予測結果の比較例2を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1 先行材データ入力部
2 当該材データ入力部
3 先行材からの偏差データ作成部
4 モデル予測部
5 膜厚制御操作量設定部
11 コータパン
12 塗料
13 ピックアップロール
14 トランスファーロール
15 アプリケータロール
16 鋼板




 

 


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